JP5057570B2 - 粘性壁の接合構造 - Google Patents
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[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る粘性壁1の正面図および断面図である。
粘性壁1は、建物の骨組に設けられ、その減衰性能により、地震や風等の外乱による当該建物の応答を低減する。
基板11は、下梁3の長さ方向に沿って延びている。
壁部12は、基板11の長さ方向に沿って略平行に延びる一対の抵抗壁121と、これら一対の抵抗壁121同士の隙間を塞ぐ一対の補強壁122と、を備える。
図2および図3は、箱体支持部20の正面図および断面図である。
箱体支持部20は、箱体10の基板11の下面に設けられたガセットプレート21と、このガセットプレート21を挟んで下梁3の上フランジ3Aに設けられた一対の受けプレート22と、ガセットプレート21と受けプレート22との間に介装された一対のダブリングプレート23と、これらガセットプレート21、一対の受けプレート22、および一対のダブリングプレート23を貫通するピン24と、を備える。
また、受けプレート22は、下梁3の上フランジ3Aに溶接されている。なお、本実施形態では、受けプレート22を下梁3に溶接したが、これに限らず、受けプレートを下梁にボルト接合してもよい。また、本実施形態では、受けプレート22を2つ設けたが、これに限らず、受けプレートを1つにしてもよい。また、本実施形態では、ダブリングプレートを設けたが、これに限らず、ダブリングプレートを設けなくてもよい。また、本実施形態では、箱体支持部20にピン24を1つ設けたが、これに限らず、ピンを複数設けてもよい。
以上の箱体支持部20によれば、箱体10は、ピン24を回転中心として、下梁3に対して回転可能となっている。
(1)上梁2および下梁3に所定長さの抵抗部支持部40および箱体支持部20を設け、粘性壁1と上梁2および下梁3との間に隙間が形成されるように、粘性壁1をこれら抵抗部支持部40および箱体支持部20に接合した。よって、上梁2および下梁3の変形に対する粘性壁1の拘束力を低減できるから、これら上梁2および下梁3を十分に変形させることができ、これら上梁2および下梁3に生じる応力を低減し、上梁2および下梁3の損傷を防ぐことができる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る粘性壁1Aの正面図である。
本実施形態では、箱体支持部20Aおよび抵抗部支持部40Aの構成が、第1実施形態と異なる。
以下、箱体支持部20Aの構成について説明するが、抵抗部支持部40Aも同様の構成である。
第1ブラケット25は、下梁3の上フランジ3AにH鋼を略垂直に溶接固定することで形成される。
第2ブラケット26は、箱体10の基板11の下面にH鋼を略垂直に溶接固定することで形成される。
なお、本実施形態では、第1ブラケット25および第2ブラケット26を、H鋼を溶接することで形成したが、これに限らず、これらブラケットを、プレートを溶接して形成してもよいし、プレートを溶接し、さらにリブ補強して形成してもよい。
上述の粘性壁について解析を行った。具体的には、粘性壁と梁との取り合い部分の構造が梁の剛性に与える影響、および、粘性壁の変形追従性に与える影響ついて、4つの解析モデルを用いて解析を行った。
モデルAは、基本モデルである。
モデルBは、従来の構成であり、モデルAに、直接、粘性壁を設けた構成である。すなわち、粘性壁は、全長に亘って上下の梁に剛接合されている。
モデルDは、上述の第1実施形態に係る粘性壁の構成である。すなわち、このモデルDは、モデルCと同様にコマ材を介して粘性壁を設けた構成であるが、粘性壁は、コマ材にピン接合されている。
柱C3A: □−900×900×70
梁G13: H−1200×450×16×36 φ=1.5
梁G12A: H−1200×350×19×36 φ=1.5
パネルゾーン:剛体
コマ材: 高さ600の剛体
粘性壁取り合い部: φ100の板材
なお、図9〜図12において、モーメントを圧縮側に表示した。
モデルAでは、梁G12A、梁G13、および柱C3Aがほぼ均等に曲げモーメントを負担している。また、このモデルAでは、梁が十分に変形している。
ここで、粘性壁の変形角は、梁芯から粘性壁取り合い部までの距離を考慮しているため、層間変形角に比べて大きな値となっている。この粘性壁の変形角は、階高と粘性壁の高さとの関係、粘性壁を支持するコマ材の曲げ剛性の評価によって変化する。
この図13に示すように、モデルC、Dでは、モデルBに比べて、層間変形角および粘性壁の変形角がかなり大きくなっており、構造体が十分に変形していることが判る。また、モデルDは、モデルCに比べて層間変形角および粘性壁の変形角が大きくなっており、構造体がより変形していることが判る。
例えば、上述の各実施形態では、粘性壁1を、1枚の抵抗板32で構成するシングルタイプとしたが、これに限らず、粘性壁を、略平行な2枚の抵抗板32で構成するダブルタイプとしてもよい。
2 上梁
3 下梁
10 箱体
32 抵抗板
50 粘性体
Claims (1)
- 建物の骨組に設けられ、外乱による当該建物の応答を低減する粘性壁の接合構造であって、
前記骨組を構成する梁のうち前記粘性壁の上方に位置する上梁の下部には、所定長さの上側接合部材が固定され、前記粘性壁の下方に位置する下梁の上部には、所定長さの下側接合部材が固定され、
前記粘性壁の上部は、当該粘性壁と前記上梁との間に隙間が形成されるように、前記粘性壁の幅方向を回転軸として、両端側の2個所で前記上側接合部材にピン接合され、
前記粘性壁の下部は、当該粘性壁と前記下梁との間に隙間が形成されるように、前記粘性壁の幅方向を回転軸として、両端側の2個所で前記下側接合部材にピン接合されることを特徴とする粘性壁の接合構造。
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