JP5318425B2 - 建物の制振構造 - Google Patents
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Description
前記振り子部材6は、前記建物躯体1の震動によって前記一対の支持部7,7が変位した場合に、該一対の支持部7,7間の略中央部を中心として振れるように構成され、
前記振り子部材6の端部と前記構造材との間に、エネルギー吸収性能を有する制振部材が前記振り子部材6と前記構造材に固定されて設けられている制振構造であって、
前記振り子部材6に、一対の貫通孔が離間して形成されており、これら一対の貫通孔のうち一方の孔は左右に長い長穴となっており、
前記一対の支持部7,7にはそれぞれピンが設けられており、前記一対の貫通孔にそれぞれ前記ピンを挿通することによって、前記振り子部材6が前記一対の支持部7,7によって支持されていることを特徴とする。
建物躯体が在来の軸組みによって構築される場合、支持部は対向する柱や壁等に設けることができる。柱に支持部を設ける場合、振り子部材は柱間に配置して前記一対の支持部材によって支持すればよい。柱間には壁材を設けることによって振り子部材を覆い隠すことができる。また、建物が鋼製の柱や梁によって構築される場合でも同様にして支持部、振り子部材、制振部材を設けることができる。さらに、建物がパネル工法によって構築される場合、壁パネル内に振り子部材を配置するとともに、壁パネルを構成するフレームに支持部材を設ければよい。なお、パネル工法は、壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組立てることによって建物を構築する工法である。また、建物がツーバイフォー工法によって構築される場合、壁内にある骨組みを構成する木材に、支持部、振り子部材、制振部材を設けてもよい。
また、支持部、振り子部材、制振部材は柱や梁、壁パネル、床パネル等の構造材に直接取り付けてもよいし、支持部、振り子部材、制振部材を設けたフレームを介して間接的に取り付けつけてもよい。
さらに、制振部材としては、バネとダンパからなる制振部材、ゴム、オイルダンパー、粘弾性材料などが好適に使用され、さらには摩擦で震動を減衰させるものでもよい。
また、前記支持部、振り子部材、制振部材等は、新築の建物に組み込んでもよいし、既設の建物にリフォームとして組み込んでもよい。
すなわち、建物躯体1に地震等の震動によって変形が生じると、この建物躯体1の柱、梁、壁、床等の構造材に水平方向に対向して設けられた一対の支持部7,7が変位する。一対の支持部7,7が変位することによって、振り子部材6が一対の支持部7,7間の略中央部を中心として振り子のように振れ、この振り子部材6の端部は振れが増幅され、これによって、前記一対の支持部7,7の変位が増幅される。したがって、振り子部材6の端部と建物躯体1の構造材(矩形フレーム3)との間に設けられている制振部材の変形を増幅できるので、建物躯体1の小さな変形から制振機能を有効に働かせることができる。
また、制振部材11の変形速度も建物躯体の変形速度より増幅することができるため、エネルギー吸収性能が変形速度に比例する制振部材(例えば粘弾性材料など)を用いる場合には、より効率的にエネルギーを吸収でき、大きな減衰力を発揮できる。
前記建物躯体が在来の軸組みによって構築される場合に、前記支持部は対向する柱、壁等に設けられていることを特徴とする。
前記建物躯体がパネル工法によって構築される場合に、前記支持部は壁パネル2を構成するフレーム3の縦框材4,4に設けられていることを特徴とする。
前記建物躯体がツーバイフォー工法によって構築される場合に、前記支持部材は壁内にある骨組みを構成する縦方向の木材に設けられていることを特徴とする。
また、制振部材の変形速度も建物躯体の変形速度より増幅することができるため、エネルギー吸収性能が変形速度に比例する制振部材(例えば粘弾性材料など)を用いる場合には、より効率的にエネルギーを吸収でき、大きな減衰力を発揮できる。
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、本発明の第1実施形態を説明するもので、図1は本発明に係る建物の制振構造(以下、制振構造と略称する。)が設けられた建物を示す正面図、図2は本発明に係る制振構造を示す正面図、図3は図2におけるA−A線断面図である。
前記壁パネル2を構成する矩形フレーム3は、図2に示すように、2本の縦框材4,4と2本の横框材5,5を矩形枠状に組み立ててなるものであり、その内部には以下のようにして振り子部材6が設けられている。
支持部7,7は、矩形フレーム3の内部に突出するようにして設けられており、その対向する先端部間には若干の隙間が設けられている。
前記振り子部材6は、上下方向に長い板材で形成されており、その厚さは矩形フレーム3の厚さとほぼ等しいか若干薄くなっている。振り子部材6の長手方向中央部には、一対の貫通孔が左右に離間して形成されている。また、この一対の貫通孔のうちの少なくとも一方は左右に長い長穴になっている。一方、支持部7を構成する板材8,8の先端部には貫通孔が対向して形成されており、これら貫通孔は前記振り子部材6に形成された貫通孔と同軸に形成されている。
そして、振り子部材6は、それに形成された一対の貫通孔にそれぞれピン10,10を、支持部7を構成する一方の板材8の貫通孔から他方の板材8の貫通孔に向けて挿通することによって、支持部7によって支持されている。また、ピン10は振り子部材6の貫通孔には、振り子部材6が回転可能となるように、また、長穴の長さ方向に摺動可能となるように挿通されており、板材8,8の貫通孔には固定されている。
このような、振り子部材6は、建物躯体の震動によって矩形フレーム3が変形して、一対の支持部7,7が変位した場合に、該一対の支持部7,7間の略中央部、つまりピン10,10間の略中央部を中心として振れるようになっている。
すなわち、制振部材11は、例えば、バネと粘性ダンパで構成されたものであり、図2および図3においては、矩形状に簡略化して記載している。制振部材11は、振り子部材6の両端部における側端面6aと、矩形フレーム3を構成する縦框材4の側端面4aとの間にそれぞれ挿入され、これら側端面6a,4aに固定されている。制振部材11は、矩形フレーム3内に合計4個設けられている。
そして、地震等によって建物躯体1が左右に震動した場合、以下のようにして、この震動が制振部材11に伝達される。
図4は、前記矩形フレーム3に、支持部7,7、振り子部材6、制振部材11・・・が組み込まれた制振構造を模式的に示すものであり、図4(a)は矩形フレームが通常状態、すなわち変形していない状態を示し、図4(b)は矩形フレームが略平行四辺形状の変形した状態を示す図である。なお、図4では前記制振部材11を、バネ11aと粘性ダンパ11bとで構成している。
矩形フレーム3が略平行四辺形状に変形すると、一対の支持部7,7が斜め上下に互いに離間するようにして変位する。
一対の支持部7,7が変位することによって、振り子部材6が一対の支持部7,7間の略中央部を中心として振り子のように振れ、この振り子部材6の端部は振れが増幅され、これによって、前記一対の支持部7,7の変位が増幅される。
したがって、振り子部材6の端部と矩形フレーム3の縦框材4との間に設けられている制振部材11の変形を増幅できるので、矩形フレーム3の小さな変形、つまり建物躯体1の小さな変形から制振機能を有効に働かせることができる。なお、振り子部材6の振動エネルギーは制振部材11の粘性ダンパ11bによって吸収され、これによって、建物躯体の震動を抑制できる。
図5および図6は、本発明の第2実施形態を説明するもので、図5は本発明に係る制振構造を示す正面図、図6は図5におけるB−B線断面図である。
図5および図6に示す制振構造が、図1〜図4に示す第1実施形態の制振構造と異なる点は、支持部の位置、振り子部材の支持位置であるので、以下ではこの点について説明し、第1実施形態の制振構造と共通する構成要素には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
支持部17,17は、矩形フレーム3の内部に突出するようにして設けられており、その対向する先端部間には若干の隙間が設けられている。
そして、振り子部材6は、それに形成された一対の貫通孔にそれぞれピン10,10を、支持部17を構成する一方の板材の貫通孔から他方の板材の貫通孔に向けて挿通することによって、支持部17によって支持されている。つまり、振り子部材6の下端部が一対の支持部17,17によって支持されている。
このような、振り子部材6は、建物躯体の震動によって矩形フレーム3が変形して、一対の支持部17,17が変位した場合に、該一対の支持部17,17に挿通されているピン10,10間の略中央部を中心として振れるようになっている。
図7〜図9は、本発明の第3実施形態を説明するもので、図7は本発明に係る制振構造を示す正面図、図8は図7におけるC−C線断面図、図9は図7におけるD−D線断面図である。
図7〜図9に示す制振構造が、図1〜図4に示す第1実施形態の制振構造と異なる点は、矩形フレームの構成、振り子部材の構成、制振部材の構成および取付け位置であるので、以下ではこの点について説明し、第1実施形態の制振構造と共通する構成要素には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
また、一対の縦框材4,4には、前記横框材25より内側において、縦框材4,4どうしを連結して矩形フレーム3を補強する補強部材27,27が固定されている。補強部材27は、矩形フレーム3の厚さ方向に対向配置された一対の補強部構成部材27a,27aによって構成されており、補強部構成部材27a,27aは縦框材4を挟むようにして対向配置され、また、補強部構成部材27aの端部は、縦框材4,4の端部にそれぞれ固定されている。このように補強部構成部材27a,27aは振り子部材26を挟むようにして配置されているので、振り子部材26の厚さ方向における振れや撓みを防止するようになっている。
さらに詳しく説明すると、振り子部材26の上下端部には、それぞれ一対の制振部材21,21が振り子部材26を挟むようにして、その一方の面が接着剤等によって固定されている。また、制振部材21の他方の面は、横框構成部材25aの内側の面に当接されており、この面に接着剤等によって固定されている。このように、制振部材21は矩形フレーム3内において、合計4つ設けられている。
したがって、振り子部材26の上下端部と横框材25との間に設けられている制振部材21の剪断変形を最も増幅できるので、矩形フレーム3の小さな変形、つまり建物躯体1の小さな変形から制振機能をさらに有効に働かせることができる。
また、制振部材21の変形速度も建物躯体1の変形速度より増幅することができ、この制振部材21として、エネルギー吸収性能が変形速度に比例する粘弾性材料を用いているので、より効率的にエネルギーを吸収でき、大きな減衰力を発揮できる。
また、矩形フレーム3の変形を振り子部材26の上下2ヵ所に分散、伝達できるため、1ヶ所当りの制振部材26および振り子部材26の負担応力は小さくなり、制振部材21および振り子部材26をコンパクトにできる。
さらに、振り子部材26の端部と矩形フレーム3の長辺部との間が狭くて、この間に制振部材を設けることが困難である場合に、制振部材21が振り子部材26の端部と、矩形フレーム3の横框材25との間に設けられているので、制振部材21を容易に組み込むことができる。
さらに、前記補強材27を、第1実施形態や第2実施形態における矩形フレーム3に設け、この補強部材27と第1実施形態や第2実施形態における振り子部材6との間に粘弾性材料によって形成された制振部材21を設けてもよい。この場合、第1実施形態や第2実施形態における制振部材11は設置したままでもよいし、取り外してもよい。
図10および図11は、本発明の第4実施形態を説明するもので、図10は本発明に係る制振構造を示す正面図、図11は同背面図である。
図10および図11に示す制振構造が、図1〜図4に示す第1実施形態の制振構造と異なる点は、振り子部材の構成、制振部材の構成および取付け位置であるので、以下ではこの点について説明し、第1実施形態の制振構造と共通する構成要素には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
同様に、矩形フレーム3が略平行四辺形状に変形すると、一対の第2支持部37,37が斜め左右に互いに離間するように変位し、これによって第2振り子部材38がピン30を中心として振り子のように振れ、この第2振り子部材38の他方の端部は振れが増幅され、これによって、一対の第2支持部37,37の変位が大きく増幅される。したがって、第2振り子部材37の他方の端部と縦框材4との間に設けられている制振部材42の変形を増幅できるので、矩形フレーム3の小さな変形、つまり建物躯体1の小さな変形から制振機能をさらに有効に働かせることができる。
すなわち、本実施の形態では、振り子部材36と制振部材41による制振機能に加えて、第2振り子部材38と第2振り子部材41による制振機能を備えているので、矩形フレーム3の小さな変形、つまり建物躯体1の小さな変形から制振機能をバランスよくしかも有効に働かせることができる。
図12は、本発明の第5実施形態を説明するもので、本発明に係る制振構造を示す正面図である。
図12に示す制振構造が、図1〜図4に示す第1実施形態の制振構造と異なる点は、支持部の構成、振り子部材の構成、制振部材の取付け位置であるので、以下ではこの点について説明し、第1実施形態の制振構造と共通する構成要素には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
支持部57,57は、矩形フレーム3の内部に突出するようにして設けられており、その対向する先端部間には若干の隙間が設けられている。
そして、振り子部材58は、それに形成された一対の貫通孔にそれぞれピン10,10を、支持部57を構成する一方の板材の貫通孔から他方の板材の貫通孔に向けて挿通することによって、支持部57によって支持されている。つまり、振り子部材58の下端部が一対の支持部57,57によって支持されている。
このような、振り子部材58は、建物躯体の震動によって矩形フレーム3が変形して、一対の支持部57,57が変位した場合に、該一対の支持部57,57に挿通されているピン10,10間の略中央部を中心として振れるようになっている。
また、上記の各実施の形態では、パネル工法で使用される壁パネル2を構成する矩形フレーム3に、支持部、振り子部材、制振部材等を組み込んだが、これに限ることなく、例えば、別途、金属板等によって矩形枠を形成し、この矩形枠に、支持部、振り子部材、制振部材等を組み込み、これらが組み込まれた矩形枠を、壁パネル2を構成する矩形フレーム3に取り付けてもよい。このようにすれば、既設の建物の壁パネルに容易に本発明に係る制振構造を容易に組み込むことができる。
図13は本発明の第6の実施の形態を説明するもので、本発明に係る制振構造を示す正面図である。
本実施の形態では、図示しない建築用の木質の壁パネル内に図13に示すような制振構造を内蔵している。
壁パネルは、例えば、上部の小壁パネルと下部の腰壁パネルとを左右の柱材で連結してなるものであり、その中央部には、開口部が形成され、この開口部に図13に示すような制振構造が設けられている。
一対の縦フレーム66,66は平行離間して配置されており、それぞれ帯板状の取付板66aと、この取付板66aに直角に立設された帯板状の立設板66bとから構成され、断面T字状に形成されている。
取付板66aは壁パネルに形成された矩形状の開口部の内周面に取り付けられるものでる。また、取付板66aには、図示しないビス孔が上下に所定で2列形成されている。そして、取付板66aは、開口部の内周面に当接固定したうえで、ビス孔にビスを通して開口部の内周面にねじ込むことによって、該内周面に取り付けられるようになっている。
また、前記立設板67bには、固定板68a,68aが設けられており、この固定板68a,68a間に、前記制振ボックス65が設置固定されている。
また、一対の支持部63,63は、その先端部を振り子部材64の中央部において対向させて設けられている。
すなわち、振り子部材64は板状でかつ縦長の八角形状に形成されており、長手方向を上下に向けて配置されている。振り子部材64の中央部の左半分は、一方の支持部63の支持板間に挟まれており、右半分は他方の支持部63の支持板間に挟まれている。
また、一方の支持部63の支持板の頂部には孔が形成されており、他方の支持部63の支持板の頂部にも孔が形成されている。一方、振り子部材64の中央部には、左右に離間して孔が形成されており、これら孔のうち左側の孔64aは左右に長い長孔となっている。
また、他方の支持部63の支持板に形成された孔と、振り子部材64の中央部に形成された他方の孔とには、軸70が振り子部材64を回転可能とするように挿通されている。この軸70も先端部にねじ部を有するボルト70で形成されており、このボルト70は前記孔に挿通され、これら孔に挿通されたボルト70にはナットが螺合されている。
これによって、振り子部材64は、一対の支持部63,63によって軸70,70を介して支持されており、この振り子部材64は、震動によって一対の支持部63,63が変位した場合に、該一対の支持部63,63間の略中央部、言い換えれば、軸70,70間の中央部を中心として振れるように構成されている。
ボックス75の対向する内面にはそれぞれ制振ゴム76,76が接着剤等によって固着されている。これら制振ゴム76,76間には、プレート77が挿入されており、該プレート77の表面は前記制振ゴム76,76に固着されている。プレート77の一端部は、ボックス75より突出しており、この突出している一端部は、振り子部材64の端部にプレート80を介して連結されている。
フレーム62が略平行四辺形状に変形すると、一対の支持部63,63が斜め上下に互いに離間するようにして変位する。
一対の支持部63,63が変位することによって、振り子部材64が一対の支持部63,63間の略中央部を中心として振り子のように振れ、この振り子部材64の端部は振れが増幅され、これによって、前記一対の支持部63,63の変位が増幅される。
そして、振り子部材64の端部と制振ボックス65のプレート77とが連結されており、この連結プレート77は制振ゴム76,76間に挿入されかつ該一対の制振ゴム76,76に固着されているので、この制振ゴム76,76の変形を増幅できる。したがって、建物の小さな変形から制振機能を有効に働かせることができる。
また、制振ゴム76,76の変形速度も建物の変形速度より増幅することができるため、エネルギー吸収性能が変形速度に比例する粘弾性材料から形成された制振ゴムを用いる場合には、より効率的にエネルギーを吸収でき、大きな減衰力を発揮できる。
さらに、制振ボックス65を別途製造しておき、この制振ボックス65を横フレーム67に取り付けることができるので、制振構造を容易に施工できる。
また、振り子部材64はその中央部を境として対称的となるので、振り子部材64が、一対の支持部63,63間の略中央部を中心として振れる際のバランスがよくなる。
また、縦フレーム66と振り子部材64との間に所定の間隔が設けられているので、この間隔内で振り子部材64が振れることができ。該振り子部材64が振動によって縦フレーム66,66に衝突するのを防止できる。
さらに、一対の支持部63,63が変位することによって、振り子部材64が一対の支持部63,63間の略中央部を中心として振り子のように振れる際に、一対の支持部63,63にそれぞれ設けられている軸70,70間の距離が若干が増減するが、これら軸70,70が挿入されている一対の孔のうち、左側の孔は長孔64aとなっているので、この長孔64aによって前記軸70,70間の距離の増減を吸収して、振り子部材64をスムーズに振れさすことができる。
図14は本発明の第7の実施の形態を説明するもので、本発明に係る制振構造を示す正面図である。図14に示す制振構造が図13に示す制振構造と異なる点は振り子部材64の構成であるので、以下でこの振り子部材について説明し、その他の共通部分については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態では、振り子部材64を複数のパーツで構成している。すなわち、振り子部材64は、中央部に位置する中央板部641と、これら中央板部641の両端部にそれぞれ接合された端板部642,642とを備えている。
そして、中央板部641と端板部642とはそれぞれの端面を突き当てるとともに、この突き当て部に、ガセットプレート643を表裏から当てたうえで、ガセットプレート643からボルト644を中央板部641と端板部642に挿通してナットで締め付けることによって、強固に接合されている。
2 壁パネル(建築用木質壁パネル)
3 矩形フレーム
4 縦框材(長辺部)
5 横框材(短辺部)
6,26,36,58,64 振り子部材
7,17,57,63 支持部
11,21,41,42,60,76 制振部材
37 第2支持部
38 第2振り子部材
Claims (4)
- 建物躯体の柱、梁、壁、床等の構造材に、一対の支持部が水平方向に対向して設けられ、この一対の支持部によって上下方向に長い振り子部材が支持されており、
前記振り子部材は、前記建物躯体の震動によって前記一対の支持部が変位した場合に、該一対の支持部間の略中央部を中心として振れるように構成され、
前記振り子部材の端部と前記構造材との間に、エネルギー吸収性能を有する制振部材が前記振り子部材と前記構造材に固定されて設けられている制振構造であって、
前記振り子部材に、一対の貫通孔が離間して形成されており、これら一対の貫通孔のうち一方の孔は左右に長い長穴となっており、
前記一対の支持部にはそれぞれピンが設けられており、前記一対の貫通孔にそれぞれ前記ピンを挿通することによって、前記振り子部材が前記一対の支持部によって支持されていることを特徴とする建物の制振構造。 - 請求項1に記載の建物の制振構造において、
前記建物躯体が在来の軸組みによって構築される場合に、前記支持部は対向する柱、壁等に設けられていることを特徴とする建物の制振構造。 - 請求項1に記載の建物の制振構造において、
前記建物躯体がパネル工法によって構築される場合に、前記支持部は壁パネルを構成するフレームの縦框材に設けられていることを特徴とする建物の制振構造。 - 請求項1に記載の建物の制振構造において、
前記建物躯体がツーバイフォー工法によって構築される場合に、前記支持部材は壁内にある骨組みを構成する縦方向の木材に設けられていることを特徴とする建物の制振構造。
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