JP2007138407A - 制振パネル及び制振構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で、低コストで、効率的な制振を行うことが可能な制振パネル等を提供する。
【解決手段】隣接する2本の間柱2、3及び相対向する上下繋ぎ材4、5で形成される内側空間に2本の横架材6、7を設け、上側の横架材6と、2本の間柱2、3と、上繋ぎ材4とで形成されるフレームに振動追従板8を固定し、下側の横架材7と、2本の間柱2、3と、下繋ぎ材5とで形成されるフレームに振動追従板9を固定し、中間部11を空間10のままとした制振パネル1等。制振パネル1の中間部11のみが変形し、層間変形を空間10に凝結させるとともに、せん断抵抗機能を発揮し、軸組壁工法等において効率的な制振を行う。空間10に粘弾性ダンパー、摩擦ダンパー又は鋼材ダンパーを収装し、制振効果をさらに上げることもできる。振動追従板8、9には、鉄板、OSBボード、石膏ボード、合板、BLB等を使用できる。
【選択図】図1
【解決手段】隣接する2本の間柱2、3及び相対向する上下繋ぎ材4、5で形成される内側空間に2本の横架材6、7を設け、上側の横架材6と、2本の間柱2、3と、上繋ぎ材4とで形成されるフレームに振動追従板8を固定し、下側の横架材7と、2本の間柱2、3と、下繋ぎ材5とで形成されるフレームに振動追従板9を固定し、中間部11を空間10のままとした制振パネル1等。制振パネル1の中間部11のみが変形し、層間変形を空間10に凝結させるとともに、せん断抵抗機能を発揮し、軸組壁工法等において効率的な制振を行う。空間10に粘弾性ダンパー、摩擦ダンパー又は鋼材ダンパーを収装し、制振効果をさらに上げることもできる。振動追従板8、9には、鉄板、OSBボード、石膏ボード、合板、BLB等を使用できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、建築物の制振技術に関し、特に、2X4工法等の軸組壁工法、及び在来工法である木造軸組工法による木造建築物等の制振を行う制振パネル及び制振構造に関する。
従来、強風や地震等による木造建築物の揺れを抑えるため、種々の制振構造が提案されている。例えば、特許文献1には、床パネルと、壁パネルとで構成されるユニット建物の制振構造において、床パネルの内部に制振装置を設けて建物の水平振動を制振している。
しかし、上記特許文献1に記載の建物の制振構造は、取付金具と、制振ゴムと、ウエイトと、制振ばねとを組み立てることにより構成しているため、構造が複雑で、一つの建物に多数設置すると設置コストが高騰するという問題があった。また、その他の建物の制振構造についても、構造が複雑なものがほとんどであり、設置コストが高い割には、それに見合う効果を奏するものは見当たらなかった。また、2X4工法等の軸組壁工法においても、同様の問題が存在していた。
そこで、本発明は、上記従来の建物の制振構造等における問題点に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で、低コストで、効率的な制振を行うことが可能な制振パネル及び制振構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、制振パネルであって、隣接する2本の間柱、及び相対向する上下繋ぎ材で形成される内側空間に、互いに離間して配置される2本の横架材と、該2本の横架材のうち上側の横架材と、前記2本の間柱と、前記上繋ぎ材とで形成されるフレームに固定される振動追従板と、前記2本の横架材のうち下側の横架材と、前記2本の間柱と、前記下繋ぎ材とで形成されるフレームに固定される振動追従板とを備えることを特徴とする。
そして、本発明によれば、上下に振動追従板を備えたフレーム構造の間に空間を設けたため、地震等の際には、この空間を含む中間部のみが変形し、層間変形を中間部の空間位置に凝結させることができるとともに、せん断抵抗機能を併せ持つ制振パネル得ることができ、軸組壁工法等において、簡易な構成で、低コストで、効率的な制振を行うことが可能となる。
前記制振パネルにおいて、前記互いに離間して配置される2本の横架材と、前記2本の間柱との間に、粘弾性ダンパー、摩擦ダンパー又は鋼材ダンパーを収装することができる。これらのダンパーによって振動エネルギーを吸収することにより、さらに効率的な制振を行うことができる。
また、前記制振パネルにおいて、前記振動追従板を、鉄板、OSBボード、石膏ボード、合板又はBLBを含む面材とすることができる。
さらに、本発明は、制振構造であって、隣接する2本の柱、及び相対向する上下梁で形成される内側空間に、互いに離間して掛け渡される横桟と、該2本の横桟のうち上側の横桟と、前記2本の柱と、前記上梁とで形成されるフレームに固定される振動追従板と、前記2本の横桟のうち下側の横桟と、前記2本の柱と、前記下梁とで形成されるフレームに固定される振動追従板とを備えることを特徴とする。
そして、本発明によれば、上下に振動追従板を備えたフレーム構造の間に空間を設けたため、地震等の際には、この空間を含む中間部のみが変形し、層間変形を中間部の空間位置に凝結させることができるとともに、せん断抵抗機能を併せ持つ制振構造を得ることができ、在来工法である木造軸組工法等において、簡易な構成で、低コストで、効率的な制振を行うことが可能となる。
前記制振構造において、前記互いに離間して配置される2本の横桟と、前記2本の柱との間に、粘弾性ダンパー、摩擦ダンパー又は鋼材ダンパーを収装し、振動エネルギーを吸収して、さらに効率的な制振を行うことができる。
また、前記制振構造において、前記振動追従板を、鉄板、OSBボード、石膏ボード、合板又はBLBを含む面材とすることができる。
以上のように、本発明によれば、簡易な構成で、低コストで、効率的な制振を行うことが可能な制振パネル及び制振構造を提供することができる。
図1は、本発明にかかる制振パネルの一実施の形態を示し、この制振パネル1は、隣接する2本の間柱2、3と、相対向する上下繋ぎ材4、5と、2本の横架材6、7と、上側及び下側のフレーム内に配置された振動追従板としての鉄板8、9とで構成され、中央フレームは空間10となっている。
次に、上記構成を有する制振パネル1の動作について、図2を参照しながら説明する。図2(b)は、2本の間柱12、13と、上下繋ぎ材14、15のみからなり、フレーム状に形成された従来のパネルが地震等によって変形した状態を示す。このように、従来は、2本の間柱12、13が全体的に傾斜し、図中の層間変形がδ2>δ2’となっていた。一方、本発明では、図2(a)に示すように、横架材6、7と、鉄板8、9とを備えるため、中間部11のみが変形し、層間変形がδ1=δ1’となる。このように、本発明では、層間変形を中間部の空間位置に凝結させることができるとともに、せん断抵抗機能を併せ持つ制振パネルを得ることができる。
尚、前記振動追従板として、鉄板8、9の代わりに、OSBボード、石膏ボード、合板、BLB等の面材を用いることもできる。
また、上記空間10に、弾性ダンパー、摩擦ダンパー又は鋼材ダンパー等の制振デバイスを収装し、振動エネルギーを吸収し、さらに制振効果を上げることもできる。
次に、本発明にかかる制振構造の一実施の形態について図3及び図4を参照しながら説明する。
この制振構造21は、隣接する2本の柱22、23と、土台24及び梁25と、2本の横桟26、27と、上方及び下方のフレーム内に配置された振動追従板としての鉄板28、29と、2本の横桟26、27の間に形成された空間30に収装された2つの壁制振ゴム構造31、32とで構成される。
壁制振ゴム構造31(32)は、図4に示すように、鉄板41、42と、制振ゴム43〜45とで構成され、横桟26及び横桟27に、接着剤、及びボルト46、47及びナット48、49を介して固定される。
上述のような構成を有する制振構造21(図3参照)は、上記制振パネル1と同様、地震等の際に、図3の中間部の壁制振ゴム構造31、32が収装された空間30のみが変形することとなるため、層間変形を中間部の空間位置に凝結させることができ、また、せん断抵抗機能を併せ持つこととなる。さらに、本実施の形態では、2つの壁制振ゴム構造31、32を設けたため、これらのダンパ31、32によって地震等の際の振動エネルギーを吸収し、より大きな制振効果を発揮する。
尚、振動追従板として、鉄板28、29の代わりに、OSBボード、石膏ボード、合板、BLB等の面材を用いてもよい。
また、空間30には、壁制振ゴム構造31、32の他、弾性ダンパー、摩擦ダンパー等の制振デバイスを収装することもできる。
1 制振パネル
2 間柱
3 間柱
4 上繋ぎ材
5 下繋ぎ材
6 横架材
7 横架材
8 鉄板
9 鉄板
10 空間
11 中間部
12 間柱
13 間柱
14 上繋ぎ材
15 下繋ぎ材
21 制振構造
22 柱
23 柱
24 土台
25 梁
26 横桟
27 横桟
28 鉄板
29 鉄板
30 空間
31 壁制振ゴム構造
32 壁制振ゴム構造
41 鉄板
42 鉄板
43 制振ゴム
44 制振ゴム
45 制振ゴム
46 ボルト
47 ボルト
48 ナット
49 ナット
2 間柱
3 間柱
4 上繋ぎ材
5 下繋ぎ材
6 横架材
7 横架材
8 鉄板
9 鉄板
10 空間
11 中間部
12 間柱
13 間柱
14 上繋ぎ材
15 下繋ぎ材
21 制振構造
22 柱
23 柱
24 土台
25 梁
26 横桟
27 横桟
28 鉄板
29 鉄板
30 空間
31 壁制振ゴム構造
32 壁制振ゴム構造
41 鉄板
42 鉄板
43 制振ゴム
44 制振ゴム
45 制振ゴム
46 ボルト
47 ボルト
48 ナット
49 ナット
Claims (6)
- 隣接する2本の間柱、及び相対向する上下繋ぎ材で形成される内側空間に、互いに離間して配置される2本の横架材と、
該2本の横架材のうち上側の横架材と、前記2本の間柱と、前記上繋ぎ材とで形成されるフレームに固定される振動追従板と、
前記2本の横架材のうち下側の横架材と、前記2本の間柱と、前記下繋ぎ材とで形成されるフレームに固定される振動追従板とを備えることを特徴とする制振パネル。 - 前記互いに離間して配置される2本の横架材と、前記2本の間柱との間に、粘弾性ダンパー、摩擦ダンパー又は鋼材ダンパーを収装したことを特徴とする請求項1に記載の制振パネル。
- 前記振動追従板は、鉄板、OSBボード、石膏ボード、合板又はBLBを含む面材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振パネル。
- 隣接する2本の柱、及び相対向する上下梁で形成される内側空間に、互いに離間して掛け渡される横桟と、
該2本の横桟のうち上側の横桟と、前記2本の柱と、前記上梁とで形成されるフレームに固定される振動追従板と、
前記2本の横桟のうち下側の横桟と、前記2本の柱と、前記下梁とで形成されるフレームに固定される振動追従板とを備えることを特徴とする制振構造。 - 前記互いに離間して配置される2本の横桟と、前記2本の柱との間に、粘弾性ダンパー、摩擦ダンパー又は鋼材ダンパーを収装したことを特徴とする請求項4に記載の制振構造。
- 前記振動追従板は、鉄板、OSBボード、石膏ボード、合板又はBLBを含む面材であることを特徴とする請求項4又は5に記載の制振構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005329755A JP2007138407A (ja) | 2005-11-15 | 2005-11-15 | 制振パネル及び制振構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005329755A JP2007138407A (ja) | 2005-11-15 | 2005-11-15 | 制振パネル及び制振構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007138407A true JP2007138407A (ja) | 2007-06-07 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005329755A Pending JP2007138407A (ja) | 2005-11-15 | 2005-11-15 | 制振パネル及び制振構造 |
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JP (1) | JP2007138407A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009091737A (ja) * | 2007-10-04 | 2009-04-30 | Takenaka Komuten Co Ltd | 波形鋼板耐震壁 |
US20150143764A1 (en) * | 2013-11-22 | 2015-05-28 | Kabushiki Kaisha Grape | Framework wall structure, building and framework wall construction method |
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JP2005290753A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Tama Tlo Kk | エネルギー吸収ブレース制振装置およびエネルギー吸収装置 |
-
2005
- 2005-11-15 JP JP2005329755A patent/JP2007138407A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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