JP2009091737A - 波形鋼板耐震壁 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐震性能を維持しつつ、簡易な構成で開口を設置可能でき、設備計画の自由度を向上させた波形鋼板耐震壁を提供する。
【解決手段】架構18の構面に、上側波形鋼板40と下側波形鋼板42とを、構面と直交する方向に間を空け、上側波形鋼板40及び下側波形鋼板42の一部を重ねて配置する。これにより、上側波形鋼板40及び下側波形鋼板42自体に開口を設けずとも、上側波形鋼板40と下側波形鋼板42との間に、開口部46を確保することができる。そのため、上側波形鋼板40及び下側波形鋼板42に特別な補強を施さなくても、波形鋼板の耐震性能を維持しつつ、開口部46を設けることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、柱と水平部材で囲まれた構面に波形鋼板を配置して構成された波形鋼板耐震壁に関する。
耐震壁としては、特許文献1に、鋼板を波形に加工した波形鋼板を、波形の折り筋の向きを水平にして構面に配置した波形鋼板耐震壁が提案されている。この波形鋼板耐震壁は、垂直方向にアコーディオンのように伸縮するため鉛直力を負担しないが、水平せん断力に対しては抵抗可能である。そのため、せん断剛性・せん断耐力を確保しつつ、優れた変形性能を有しており、剛性及び設計強度の自由度が高い耐震壁を実現している。
しかしながら、建築設計の実情に鑑みると、耐震壁においても、各種電気・通信配線、給排水用の設備配管、空調用の設備配管、空調ダクト等を貫通させたいとの要望や、貫通せざるを得ない場合が想定されるところ、特許文献1の波形鋼板耐震壁は、開口部を設けない構成である。そのため上記のような設備用の配線、配管等を通すことができず、波形鋼板の設置個所が限定され、設備計画の自由度が制限される場合がある。
一方、特許文献2には、図8(A)、(B)に示すように、架構100の構面に、波形鋼板102、104によって開口部106を形成して配置した波形鋼板耐震壁108が提案されている。開口部106の口縁部には、横補剛板110と縦補剛板112とから構成されるフレーム枠114が組み立てられ、波形鋼板102、104がそれぞれ横補剛板110、縦補剛板112と溶接接合されている。このように、特許文献2では、波形鋼板102、104で負担する水平せん断力を架構100に伝達するため、開口部106の口縁部に補強部材としてのフレーム枠114を設ける必要があり、波形鋼板の組み立て作業等に手間がかかる。また、開口部106の間口が大きくなるにつれ、低下したせん断耐力を補うために、波形鋼板102の板厚を厚くする等の補強が必要となる場合があり、生産コストが増加するだけでなく、上記のような波形鋼板耐震壁の特性を十分に活かすことできない。
特開2005−264713号公報 特開2006−37585号公報
本発明は、上記の事実を考慮し、耐震性能を維持しつつ、簡易な構成で開口を設置でき、設備計画の自由度を向上させた波形鋼板耐震壁を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、柱と水平部材で囲まれた構面へ波形鋼板を配置して構成された波形鋼板耐震壁において、左右の前記柱と上側又は下側の前記水平部材に前記波形鋼板を接合して、波形鋼板と下側又は上側の前記水平部材との間に開口部を形成し、前記波形鋼板における前記開口部側端部に左右の前記柱に水平力を伝達する水平力伝達部材を設けたことを特徴としている。
上記の構成によれば、波形鋼板自体に開口を設けず、波形鋼板と水平部材との間に開口部を形成している。そのため、波形鋼板に特別な補強を施さなくても、波形鋼板の耐震性能を維持することができ、設備開口の自由度を高めることができる。
請求項2に記載の発明は、柱と水平部材で囲まれた構面へ波形鋼板を配置して構成された波形鋼板耐震壁において、左右の前記柱及び上側の前記水平部材と接合された第1の波形鋼板と、左右の前記柱及び下側の前記水平部材と接合され前記第1の波形鋼板との間に開口部を形成する第2の波形鋼板と、前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板における前記開口部側端部に設けられ左右の前記柱に水平力を伝達する水平力伝達部材と、を有することを特徴としている。
上記の構成によれば、第1の波形鋼板と第2の波形鋼板との間に開口部を形成することで、配線、配管等に適した高さに合わせて開口部を形成することができる。また、左右の柱間に渡る幅の広い開口部を備えるため、大量の配線、配管等を通すことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の波形鋼板耐震壁において、前記開口部を区画する左右の前記柱の区画部分には、該柱の他の部分よりもせん断補強筋が密に配筋されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、地震時に水平剛性の違いによる変形集中が生じる開口部を区画する柱の区画部分に、該柱の他の部分よりもせん断補強筋を密に配筋することで、耐震性能を維持することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の波形鋼板耐震壁において、前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板が、前記構面と直交する方向に間を空けて配置され、前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板の一部が重なっていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1の波形鋼板及び第2の波形鋼板を構面と直交する方向に間を空けて配置することで、第1の波形鋼板と第2の波形鋼との隙間に形成される開口部から配線、配管等を通すことができる。また、第1の波形鋼板と第2の波形鋼板とが重なっているため、当該構面全体でみれば力学的に開口部のない波形鋼板耐震壁と同等程度となり、開口部周辺に水平剛性の違いによる変形集中が生じることがなく、耐震性能を維持することができる。更に、波形鋼板耐震壁は、コンクリート造の耐震壁に比べて変形性能に優れるため板厚を薄く抑えることができ、2枚の波形鋼板を重ねて配置しても、設置幅を小さく抑えることができる。
請求項5に記載の発明は、柱と水平部材で囲まれた構面へ波形鋼板を配置して構成された波形鋼板耐震壁において、左側の前記柱と上側及び下側の水平部材と接合された第1の波形鋼板と、右側の前記柱と上側及び下側の水平部材と接合され第1の波形鋼板との間に開口部を形成する第2の波形鋼板と、前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板における前記開口部側端部に設けられ上側及び下側の前記水平部材に水平力を伝達する水平力伝達部材と、を有し、前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板が、前記構面と直交する方向に間を空けて配置され、前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板の一部が重なっていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1の波形鋼板及び第2の波形鋼板を構面と直交する方向に間を空けて配置することで、第1の波形鋼板と第2の波形鋼板との隙間に形成される開口部から配線、配管等を通すことができる。また、第1の波形鋼板と第2の波形鋼板とが重なっているため、当該構面全体でみれば力学的に開口部のない波形鋼板耐震壁と同等程度となり、開口部周辺に水平剛性の違いによる変形集中が生じることがなく、耐震性能を維持することができる。更に、波形鋼板耐震壁は、コンクリート造の耐震壁に比べて変形性能に優れるため板厚を薄く抑えることができ、2枚の波形鋼板を重ねて配置しても、設置幅を小さく抑えることができる。
本発明は、上記の構成としたので、耐震性能を維持しつつ、簡易な構成で開口を設置可能とし、設備計画の自由度を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態に係る波形鋼板耐震壁について説明する。
先ず、第1の実施形態では、図1(A)、(B)に示すように、鉄筋コンクリート造の左右の柱10、12と鉄筋コンクリート造の上側及び下側の梁14、16に囲まれた架構18の構面に、鋼板を波形に加工した波形鋼板20が、波形の折り筋の向きを水平にして配置されている。波形鋼板20の外周部のうち、左右及び上側の端部には接合用フレーム枠22が溶接され、接合用フレーム枠22を介して、左右の柱10、12及び上側の梁14と波形鋼板20が、後述する接合工法により水平力を伝達可能に接合されている。
一方、波形鋼板20の外周部のうち、下側の端部には、左右の柱10、12に水平力を伝達可能な端部フランジ鋼板24が構面と直交する方向が面となるように溶接され、端部フランジ鋼板24と下側の梁16との間に開口部26が形成されている。また、開口部26を区画する柱10、12の下部10A、12Aの柱主筋28、30の周囲には、せん断補強として、柱10、12の他の部分よりもフープ32、34が密に配筋されている。
図2(A)、(B)は、図1(A)、(B)に示す構成において、開口部26を形成する位置を波形鋼板20の上方に変更した第1の実施形態の変形例である。即ち、波形鋼板20の外周部のうち、下側の端部に接合用フレーム枠22が溶接され、接合用フレーム枠22を介して梁16と波形鋼板20が接合されており、一方、上側の端部には、構面と直交する方向が面となるように端部フランジ鋼板24が取り付けられ、端部フランジ鋼板24と上側の梁14との間に開口部26が形成されている。更に、開口部26を区画する柱10、12の上部10B、12Bには、図1に示す構成と同様に、柱主筋28、30(不図示)の周囲にせん断補強として、柱10、12の他の部分よりものフープ32、34(不図示)が密に配筋されている。
なお、せん断補強として柱10、12の下部10A、12A又は上部10B、12Bにフープ32、34を密に配筋したが、これに限られず、設計強度に応じたせん断耐力及び靭性が確保できれば良い。例えば、柱10、12の下部10A、12A又は上部10B、12Bにおいて、高強度のフープを配筋したり、柱主筋28、30を交差させるX型配筋等を施しても良い。また、柱10、12の下部10A、12A又は上部10B、12Bを繊維補強コンクリート等で構成しても良い。
また、波形鋼板20の断面形状は、図1(B)、図2(B)に示す波形に限られず、図7(A)〜(D)に示すような種々の形状が適用可能である。せん断剛性及び強度については、鋼板の材質強度、板厚、重ね合わせ枚数、波形のピッチ、波高等の設計項目によって、設計剛性及び強度に適した波形鋼板を使用すれば良い。
更に、本実施形態では、波形鋼板20の開口部26側の端部に、平板である端部フランジ鋼板24を溶接したがこれに限られず、左右の柱10、12に水平力を伝達可能な部材であれば良く、例えば、H型鋼、アングル鋼、チャンネル鋼、丸棒鋼等であっても良い。
次に、本発明の第1の実施形態の係る波形鋼板20と柱10、12及び梁14との接合方法の例について説明する。なお、第1の実施形態における接合方法について説明するが、本接合方法は、全ての実施形態に適用可能である。
図3に示すように、接合用フレーム枠22には、水平力伝達要素としてのスタッド36が溶接等によって取り付けられている。そして、このスタッド36は、架構18の施工時において、柱10、12及び梁14の内部に埋め込まれ、波形鋼板20と架構18とが一体的に接合される。この際、波形鋼板20と梁16との間にスペーサを配置して波形鋼板20を支持し、開口部26を確保しておく。
なお、本実施形態では、接合用フレーム枠22にスタッド36を取り付け、このスタッド36を左右の柱10、12及び上側の梁14の内部に埋め込んで接合したが、これに限られず、波形鋼板20に作用する水平力を架構18に伝達できれば良い。例えば、柱10、12及び上側の梁14の内周部にスタッド36等の水平力伝達要素を備える接合用プレートを埋め込み、接合用プレートと波形鋼板20の接合用フレーム枠22とをボルト又は溶接によって接合しても良い。更に、柱10、12及び上側の梁14の内周部に埋め込まれた水平力を伝達できるナット等のジョイント部材に、接合用フレーム枠22を貫通するボルト等をねじ込んで定着させても良い。
次に、本発明の第1の実施形態に係る波形鋼板耐震壁の作用及び効果について説明する。
図1、図2に示すように、架構18の構面には、波形鋼板20が波形の折り筋の向きを水平にして配置されている。従って、波形の折り筋に垂直な方向(鉛直方向)において、波形鋼板20は、アコーディオンのように伸縮可能であるため、圧縮及び引張りを許容し、鉛直荷重を負担しない。一方、水平力(地震力)に対しては、波形鋼板20を構成する一枚一枚の折り板が抵抗すると共に、各折り板が集合し一体となって抵抗する。そのため、せん断剛性・せん断耐力を確保しつつ、優れた変形性能を発揮し得る。
また、波形鋼板20の開口部26側端部に、端部フランジ鋼板24を形成することで、波形鋼板20に作用する水平力が、端部フランジ鋼板24を介して左右の柱10、12に伝達される。一方、開口部26を区画する柱10、12の下部10A、12A又は上部10B、12Bに水平剛性の違いによる変形集中が生じるが、せん断補強を施すことで十分な強度・靭性を確保している。
このように、波形鋼板20自体に開口を設けず、開口部26を形成することで、波形鋼板に特別な補強を施さなくても、波形鋼板の耐震性能を維持することができ、設備開口の自由度を高めることができる。また、開口部26には、電気配線38のように、各種電気・通信配線、給排水用・空調用の設備配管、空調ダクト等を貫通させることができ、更に、左右の柱10、12間に渡る幅の広い開口部26が確保できるため、大量の配線、配管を貫通させることができ、また、多数の配線等を載置した大型のケーブルラック等も配設することができる。なお、必要に応じて波形鋼板20の高さを調整すれば、開口部26の間口を広げることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る波形鋼板耐震壁について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
図4(A)、(B)に示すように、架構18の構面には、2枚の波形鋼板が配置され、上側波形鋼板40と下側波形鋼板42との間に開口部44が形成されている。上側波形鋼板40の外周部のうち、左右及び上側の端部には接合用フレーム枠22が溶接され、接合用フレーム枠22を介して、左右の柱10、12及び上側の梁14と上側波形鋼板40が接合されている。一方、上側波形鋼板40の外周部のうち、下側の端部には、端部フランジ鋼板24が取り付けられている。
また、下側波形鋼板42は、上側波形鋼板40と上下反対の構成であり、外周部のうち、下側の端部に接合用フレーム枠22が溶接され、上側の端部に端部フランジ鋼板24が取り付けられている。なお、開口部44を区画する柱10、12の中部10C、12Cには、第1の実施形態と同様に柱10、12の他の部分よりもフープ32、34(不図示)が密に配筋されている。
次に、本発明の第2の実施形態に係る波形鋼板耐震壁の作用及び効果について説明する。
架構18の構面に2枚の波形鋼板40、42を配置し、上側波形鋼板40と下側波形鋼板42との間に開口部44を形成することで、電気配線38のように設備配線又は配管等を貫通させることができる。また、上側波形鋼板40及び下側波形鋼板42の高さを調整することにより、設備配線又は配管等に適した高さに開口部44を形成することができ、更に設備計画の自由度を向上している。
次に、本発明の第3の実施形態に係る波形鋼板耐震壁について説明する。なお、第1、2の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
図5(A)、(B)に示すように、架構18の構面には、上側波形鋼板40と下側波形鋼板42とが、構面と直交する方向に間を空け、上側波形鋼板40及び下側波形鋼板42の一部が重なって配置されている。そして、上側波形鋼板40と下側波形鋼板42との隙間には、開口部46が形成されている。
ここで、上側波形鋼板40及び下側波形鋼板42に溶接された端部フランジ鋼板24は、構面と直交する方向の幅が、接合用フレーム枠22の幅よりも短く設定され、これにより、開口部46の間口を広く確保している。また、幅を短くしたことに伴い、端部フランジ鋼板24の厚さ(鉛直方向の高さ)を増して、低下した剛性・強度を補っている。なお、端部フランジ鋼板24は、上記の通り上側波形鋼板40、下側波形鋼板42に作用する水平力(地震力)を左右の柱10、12に伝達可能であれば良く、設計強度に応じた幅、厚さに設定されていれば良い。
図6(A)、(B)は、図5(A)、(B)に示す構成において、上側波形鋼板40及び下側波形鋼板42に替えて、架構18の右側及び左側に、左側波形鋼板48、右側波形鋼板50をそれぞれ配置した第3の実施形態の変形例である。
即ち、左側波形鋼板48の外周部のうち、左側及び上下の端部には接合用フレーム枠22が溶接され、接合用フレーム枠22を介して、左側の柱10及び上下の梁14、16と左側波形鋼板48が接合されている。一方、左側波形鋼板48の外周部のうち、右側の端部には、端部フランジ鋼板24が取り付けられている。
また、右側波形鋼板50は、左側波形鋼板48と左右反対の構成であり、外周部のうち右側の端部に接合用フレーム枠22が溶接され、左側の端部に端部フランジ鋼板24が取り付けられている。そして、左側波形鋼板48及び右側波形鋼板50を構面と直交する方向に間を空けて構面に配置することで、左側波形鋼板48と右側波形鋼板50との隙間に、開口部52が形成されている。
次に、本発明の第3の実施形態に係る波形鋼板耐震壁の作用及び効果について説明する。
架構18の構面に、上側波形鋼板40と下側波形鋼板42とを構面と直交する方向に間を空けて配置することにより、開口部46を形成することができる。また、上側波形鋼板40と下側波形鋼板42の一部を重ねて配置することで、開口部46を区画する柱10、12の中部10C、12Cに水平剛性の違いによる変形集中が発生することがない。
また、上側波形鋼板40及び下側波形鋼板42は、水平力(地震力)に対して、一枚一枚の折り板が抵抗すると共に、各折り板が集合して一体となって抵抗するため、優れた剛性及びせん断耐力を有している。そのため、板厚を薄く抑えることができ、上側波形鋼板40と下側波形鋼板42とを重ねて設置しても、その設置幅を小さく抑えることができる。
更に、図6に示す構成であれば、上記の作用及び効果に加え、梁14、16間に渡る高さを有する開口部52を確保できるため、鉛直方向における設備配線、配管等の経路に自由度を持たせることができる。
なお、上記の全ての実施形態では、柱10、12及び梁14、16で囲まれる架構18の構面に波形鋼板を配置した場合の例について説明したがこれに限られず、波形鋼板は、種々の架構の構面に配置可能であり、例えば、梁14、16に替えてコンクリートスラブ又は小梁等であっても良い。また、柱10、12及び梁14、16は、鉄筋コンクリート造に限られず、鉄骨鉄筋コンクリート造、プレストレスコンクリート造、更には、現場打ち工法であってもプレキャスト工法によるものであっても良い。
更に、各種の波形鋼板20、40、42、48、50は、波形の折り筋の向きが水平方向となるように架構18に配置したがこれに限られず、波形の折り筋の向きが鉛直方向となるように架構18に配置しても良い。このように配置しても、波形鋼板に特有の変形性能に影響はなく、優れた耐震性能は確保される。
以上、本発明の第1〜第3の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、第1〜第3の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
(A)は、本発明の第1の実施形態に係る波形鋼板耐震壁を示す正面図であり、(B)は、図1(A)の1−1線断面図である。 (A)は、本発明の第1の実施形態に係る波形鋼板耐震壁の変形例を示す正面図であり、(B)は、図2(A)の2−2線断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る波形鋼板耐震壁の取付構造を示す正面図である。 (A)は、本発明の第2の実施形態に係る波形鋼板耐震壁を示す正面図であり、(B)は、図4(A)の4−4線断面図である。 (A)は、本発明の第3の実施形態に係る波形鋼板耐震壁を示す正面図であり、(B)は、図5(A)の5−5線断面図である。 (A)は、本発明の第3の実施形態に係る波形鋼板耐震壁の変形例を示す正面図であり、(B)は、図6(A)の6−6線断面図である。 本発明の全ての実施形態に係る波形鋼板耐震壁における波形鋼板の断面形状を示す断面図である。 (A)は、従来の波形鋼板耐震壁を示す正面図であり、(B)は、図8(A)の8−8線断面図である。
符号の説明
10 柱
10A 柱の下部(柱の区画部分)
10B 柱の上部(柱の区画部分)
12 柱
12A 柱の下部(柱の区画部分)
12B 柱の上部(柱の区画部分)
14 梁(水平部材)
16 梁(水平部材)
20 波形鋼板
24 端部フランジ鋼板(水平力伝達部材)
26 開口部
32 フープ(せん断補強筋)
34 フープ(せん断補強筋)
40 上側波形鋼板(第1の波形鋼板)
42 下側波形鋼板(第2の波形鋼板)
44 開口部
46 開口部
48 左側波形鋼板(第1の波形鋼板)
50 右側波形鋼板(第2の波形鋼板)
52 開口部

Claims (5)

  1. 柱と水平部材で囲まれた構面へ波形鋼板を配置して構成された波形鋼板耐震壁において、
    左右の前記柱と上側又は下側の前記水平部材に前記波形鋼板を接合して、波形鋼板と下側又は上側の前記水平部材との間に開口部を形成し、前記波形鋼板における前記開口部側端部に左右の前記柱に水平力を伝達する水平力伝達部材を設けたことを特徴とする波形鋼板耐震壁。
  2. 柱と水平部材で囲まれた構面へ波形鋼板を配置して構成された波形鋼板耐震壁において、
    左右の前記柱及び上側の前記水平部材と接合された第1の波形鋼板と、
    左右の前記柱及び下側の前記水平部材と接合され前記第1の波形鋼板との間に開口部を形成する第2の波形鋼板と、
    前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板における前記開口部側端部に設けられ左右の前記柱に水平力を伝達する水平力伝達部材と、
    を有することを特徴とする波形鋼板耐震壁。
  3. 前記開口部を区画する左右の前記柱の区画部分には、該柱の他の部分よりもせん断補強筋が密に配筋されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の波形鋼板耐震壁。
  4. 前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板が、前記構面と直交する方向に間を空けて配置され、前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板の一部が重なっていることを特徴とする請求項2に記載の波形鋼板耐震壁。
  5. 柱と水平部材で囲まれた構面へ波形鋼板を配置して構成された波形鋼板耐震壁において、
    左側の前記柱と上側及び下側の水平部材と接合された第1の波形鋼板と、
    右側の前記柱と上側及び下側の水平部材と接合され第1の波形鋼板との間に開口部を形成する第2の波形鋼板と、
    前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板における前記開口部側端部に設けられ上側及び下側の前記水平部材に水平力を伝達する水平力伝達部材と、
    を有し、
    前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板が、前記構面と直交する方向に間を空けて配置され、前記第1の波形鋼板及び前記第2の波形鋼板の一部が重なっていることを特徴とする波形鋼板耐震壁。
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