JP2006265881A - 建物の制振構造及び制振パネル - Google Patents

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Fumiyoshi Sugimoto
文義 杉本
Shuzo Suzuki
秀三 鈴木
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Abstract

【課題】 簡易な構成で、低コストで、効率的な制振を行うことが可能な建物の制振構造及び制振パネルを提供する。
【解決手段】 隣接する2本の柱1、2、及び相対向する上下梁3、4で形成される内側空間に配置されるフレーム6と、フレーム6の内側開口部及び外側開口部を覆い、フレーム6に固定された壁材7、8と、フレーム6と隣接する2本の柱1、2との間、及び/又はフレーム6と相対向する上下梁3、4との間に介在する弾性体5とで構成される建物の制振構造。壁材7は、柱1、2に接着しない。弾性体5は、フレーム6と隣接する2本の柱1、2との間、及びフレーム6と相対向する上下梁3、4との間に介在するようにフレーム状に形成してもよく、間欠的に介在するように棒状又はL字状に形成してもよい。この建物の制振構造と同様の構成を有する制振パネルとすることもできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築物の制振技術に関し、特に、在来工法である木造軸組工法、及び2X4工法等の軸組壁工法による木造建築物等の制振を行う制振構造及び制振パネルに関する。
従来、強風や地震等による木造建築物の建築物の揺れを抑えるため、種々の制振構造が提案されている。例えば、特許文献1には、床パネルと、壁パネルとで構成されるユニット建物の制振構造において、床パネルの内部に制振装置を設けて建物の水平振動を制振している。
特開平11−324404号公報
しかし、上記特許文献1に記載の建物の制振構造は、取付金具と、制振ゴムと、ウエイトと、制振ばねとを組み立てることにより構成しているため、構造が複雑で、一つの建物に多数設置すると設置コストが高騰するという問題があった。また、その他の建物の制振構造についても、構造が複雑なものがほとんどであり、設置コストが高い割には、それに見合う効果を奏するものは見当たらなかった。
そこで、本発明は、上記従来の建物の制振構造における問題点に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で、低コストで、効率的な制振を行うことが可能な建物の制振構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、建物の制振構造であって、隣接する2本の柱、及び相対向する上下梁で形成される内側空間に配置されるフレームと、該フレームの内側開口部及び外側開口部を覆い、該フレームに固定された壁材と、前記フレームと前記隣接する2本の柱との間、及び/又は前記フレームと前記相対向する上下梁との間に介在する弾性体とで構成されることを特徴とする。
そして、本発明によれば、弾性体を、2本の柱及び上下梁と、フレームとの間に介在させ、この弾性体で柱に加えられた振動エネルギーを吸収する制振構造を形成したため、在来工法である木造軸組工法による木造建築物等について、簡易な構成で、低コストで、効率的な制振を行うことが可能となる。
前記建物の制振構造において、前記弾性体を、前記フレームと前記隣接する2本の柱との間、及び前記フレームと前記相対向する上下梁との間に介在するようにフレーム状に形成することができる。また、前記弾性体を、前記フレームと前記隣接する2本の柱との間、及び/又は前記フレームと前記相対向する上下梁との間に、間欠的に介在するように棒状又はL字状に形成することもできる。
また、本発明は、制振パネルであって、隣接する2本の間柱、及び相対向する上下繋ぎ材で形成される内側空間に配置されるフレームと、該フレームの内側開口部及び外側開口部を覆い、該フレームに固定された壁材と、前記フレームと前記隣接する2本の間柱との間、及び/又は前記フレームと前記相対向する上下繋ぎ材との間に介在する弾性体とで構成されることを特徴とする。
本発明によれば、弾性体を、2本の間柱及び上下繋ぎ材と、フレームとの間に介在させ、この弾性体でパネルに加えられた振動エネルギーを吸収するため、軸組壁工法による木造建築物等について、簡易な構成で、低コストで、効率的な制振を行うことが可能となる。
前記制振パネルにおいて、前記弾性体を、前記フレームと前記隣接する2本の間柱との間、及び前記フレームと前記相対向する上下繋ぎ材との間に介在するようにフレーム状に形成することができる。また、前記弾性体を、前記フレームと前記隣接する2本の間柱との間、及び/又は前記フレームと前記相対向する上下繋ぎ材との間に、間欠的に介在するように棒状又はL字状に形成してもよい。
以上のように、本発明によれば、簡易な構成で、低コストで、効率的な制振を行うことが可能な建物の制振構造及び制振パネルを提供することができる。
図1及び図2は、本発明にかかる建物の制振構造を在来工法の木造軸組工法に適用した場合を示す。
図1に示すように、2本の柱1、2の間には、弾性体としての高減衰ゴム5と、木製のフレーム6と、フレーム6の内側及び外側開口部を覆い、フレーム6に釘9で固定された壁材としての合板7、8と、断熱材10が設けられる。尚、合板7は、柱1、2には接着されず、互いに移動可能に構成される。
高減衰ゴム5は、ゴムに加わった変形を熱エネルギーに変換して振動エネルギーを吸収するゴムであり、図2に示すように、2本の柱1、2と、土台3と、梁4とで形成される内側空間に配置され、これらの部材と、フレーム6(図1参照)との間の全体にわたって隙間を埋めるように配置されている。
次に、上記構成を有する建物の制振構造の動作について図面を参照しながら説明する。
建物に水平方向(図2の矢印B方向)の振動が加わると、上述のように、図1の合板7は柱1、2に固定されていないため、合板7は、矢印A方向に移動する。これに伴い、高減衰ゴム5が収縮し、振動エネルギーを吸収して建物の制振を行う。これによって、加えられた振動エネルギーの20%程度を吸収することも可能となる。
尚、上記実施の形態においては、高減衰ゴム5をフレーム状にして、2本の柱1、2と、土台3と、梁4とで形成される内側空間の全体に配置したが、高減衰ゴム5を棒状又はL字状に形成し、前記内側空間に間欠的に配置してもよい。また、高減衰ゴムでなくとも、振動エネルギーを減衰させることができる弾性体であれば他の材料からなるものも使用することができる。
さらに、上記実施の形態においては、壁材として合板7を用いたが、OSBボード、石膏ボード、鉄板等を用いることもできる。特に、鉄板を用いると、高減衰ゴム5が鉄板によって強固に固定されるとともに、鉄板の重みで高減衰ゴム5に応力が集中するため、より効果的に振動エネルギーを減衰させることができる。
次に、本発明にかかる制振パネルを軸組壁工法に適用した場合について、図3及び図4を参照しながら説明する。
図3に示すように、2本の間柱21、22の間には、弾性体としての高減衰ゴム25と、木製のフレーム26と、フレーム26の内側及び外側開口部を覆い、フレーム26に釘29で固定された壁材としての合板27、28が設けられる。尚、合板27は、間柱21、22には接着されず、互いに移動可能に構成される。
高減衰ゴム25は、ゴムに加わった変形を熱エネルギーに変換して振動エネルギーを吸収するゴムであり、図4に示すように、間柱21、22と、上繋ぎ材23と、下繋ぎ材24とで形成される内側空間に配置され、これらの部材と、フレーム26(図3参照)との間の全体にわたって隙間を埋めるように配置されている。
次に、上記構成を有する制振パネルの動作について図面を参照しながら説明する。
建物に水平方向(図4の矢印E方向)の振動が加わると、上述のように、図3の合板27は間柱21に固定されていないため、合板27は、矢印F方向に移動する。これに伴い、高減衰ゴム25が収縮し、パネルに加えられた振動エネルギーを吸収し、この制振パネルを用いた建物の制振を行う。
尚、上記実施の形態においては、高減衰ゴム25をフレーム状にして、2本の間柱21、22と、上繋ぎ材23と、下繋ぎ材24とで形成される内側空間の全体に配置したが、第1の実施の形態と同様に、高減衰ゴム25を棒状又はL字状に形成し、前記内側空間に間欠的に配置してもよい。また、高減衰ゴムでなくとも、振動エネルギーを減衰させることができる弾性体であれば用いることができる。
さらに、上記実施の形態においては、壁材として合板27を用いたが、OSBボード、石膏ボード、鉄板等を用いることもできる。特に、鉄板を用いた場合の効果は上述のとおりである。
図5は、本発明にかかる制振パネルの他の実施の形態を示し、上記実施の形態における高減衰ゴムの断面形状を変更した場合を示している。図5(a)に示すように、断面が長方形状の高減衰ゴム35を、間柱31とフレーム36との間に介在させ、フレーム36を合板37、38で挟んで釘39で固定する。この場合でも、間柱31と合板37とは接着しない。
また、図5(b)に示すように、断面が台形状の高減衰ゴム45を、間柱41とフレーム46との間に介在させ、フレーム46を合板47、48で挟んで釘49で固定する。この場合でも、間柱41と合板47とは接着しない。
尚、上記図5に示した改変例は、制振パネルに適用した場合について説明したが、図1及び図2に示した建物の制振構造の場合についても同様の構造を適用することができる。
本発明にかかる建物の制振構造の一実施の形態を示す断面図である。 本発明にかかる建物の制振構造の一実施の形態を示す図であって、(a)は2本の柱間に制振構造を適用した状態を示す正面図、(b)は側面図、(c)は3本の柱間に制振構造を適用した状態を示す正面図である。 本発明にかかる制振パネルの一実施の形態を示す断面図である。 本発明にかかる制振パネルの一実施の形態を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は(a)のD−D線断面図である。 本発明にかかる制振パネルの他の実施の形態を示す断面図である。
符号の説明
1 柱
2 柱
3 土台
4 梁
5 高減衰ゴム
6 フレーム
7 合板
8 合板
9 釘
10 断熱材
21 間柱
22 間柱
23 上繋ぎ材
24 下繋ぎ材
25 高減衰ゴム
26 フレーム
27 合板
28 合板
29 釘
31 間柱
35 高減衰ゴム
36 フレーム
37 合板
38 合板
39 釘
41 間柱
45 高減衰ゴム
46 フレーム
47 合板
48 合板
49 釘

Claims (6)

  1. 隣接する2本の柱、及び相対向する上下梁で形成される内側空間に配置されるフレームと、
    該フレームの内側開口部及び外側開口部を覆い、該フレームに固定された壁材と、
    前記フレームと前記隣接する2本の柱との間、及び/又は前記フレームと前記相対向する上下梁との間に介在する弾性体とで構成されることを特徴とする建物の制振構造。
  2. 前記弾性体は、前記フレームと前記隣接する2本の柱との間、及び前記フレームと前記相対向する上下梁との間に介在するようにフレーム状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の建物の制振構造。
  3. 前記弾性体は、前記フレームと前記隣接する2本の柱との間、及び/又は前記フレームと前記相対向する上下梁との間に、間欠的に介在するように棒状又はL字状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の建物の制振構造。
  4. 隣接する2本の間柱、及び相対向する上下繋ぎ材で形成される内側空間に配置されるフレームと、
    該フレームの内側開口部及び外側開口部を覆い、該フレームに固定された壁材と、
    前記フレームと前記隣接する2本の間柱との間、及び/又は前記フレームと前記相対向する上下繋ぎ材との間に介在する弾性体とで構成されることを特徴とする制振パネル。
  5. 前記弾性体は、前記フレームと前記隣接する2本の間柱との間、及び前記フレームと前記相対向する上下繋ぎ材との間に介在するようにフレーム状に形成されることを特徴とする請求項4に記載の制振パネル。
  6. 前記弾性体は、前記フレームと前記隣接する2本の間柱との間、及び/又は前記フレームと前記相対向する上下繋ぎ材との間に、間欠的に介在するように棒状又はL字状に形成されることを特徴とする請求項4に記載の制振パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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