JP6137084B2 - 補強梁 - Google Patents

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Description

本発明は、木製角材を鋼材で補強した補強梁に関する。
従来より木材を鋼材で補強することで、木材の断面積をほとんど大きくすることなく耐力や剛性を高めた複合材が知られている。このような複合材としては、例えば、図11(A)に示すように、木製角材101の全長に亘って鋼材102を埋入介在させた柱状の構築部材100が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、図11(B)に示すように、略四角筒状の鋼材201の内側に木製角材202が挿入されており、木材の持つ復元性と、鋼材の有する単位面積当たりの強度とを組み合わせた複合材200(例えば特許文献2参照)が提案されている。
特開平11−44044号公報 特開2003−343037号公報
しかし、従来の複合材は、構造上必要ない部分をも補強しているので、材料コストが増加する問題があった。
また、従来の複合材は、鋼材と木材との接合に主として接着剤を用いており、接着剤の塗布量、下地の種類、施工時の気温・湿度、通風の有無などの要因によって、耐力や剛性などの性能が安定しない問題があった。また、鋼材と木材とが完全に固定されるまでに時間が必要であり、耐力や剛性などの性能を十分に発揮するまでに時間を要する場合が多い問題があった。さらに、一旦、接着剤で固定すると、着脱できないので、他の梁や柱との接合のために複合材の一部を加工する必要がある場合や、修繕や増改築などの事情で当該複合材を再度加工する必要がある場合に、その加工を行うことが困難な場合があった。
そこで、本発明は、第一に、構造上必要な部分を適切に補強することができる補強梁を提供することを目的とする。また、本発明は、第二に、上述の接着剤による鋼材と木材との接合の問題点を解決することができる補強梁を提供することを目的とする。
請求項1に記載の補強梁は、建物の壁面に沿って設けられ、屋外側から屋内側に向かう方向に作用する水平方向の風荷重が加わる位置に架設され、両端が前記建物の構造躯体に支持される補強梁であって、木製角材から成る梁本体と、前記梁本体の前記荷重が加わる前記屋外面と逆側の前記屋内面に当該梁本体の長さ方向に沿って一方のフランジが固定される長手形状のH形鋼の鋼製補強材と、前記梁本体と前記鋼製補強材とを接合する複数の接合材と、を備えることを特徴としている。
建物の柱のない空間を有する下階の天井懐に設けられ、上階の床を支える下方向の荷重が加わる位置に、水平に架設され、両端が前記建物の構造躯体に支持される補強梁であって、木製角材から成る梁本体と、前記梁本体の前記荷重が加わる上面に隣り合う2つの側面のうち少なくともいずれか一方の側面に当該梁本体の長さ方向に沿って固定される長手形状のリップ溝形鋼の鋼製補強材と、前記梁本体と前記鋼製補強材とを接合する複数の接合材と、を備え、前記鋼製補強材は、前記側面の前記荷重が加わる上面から離反する位置に固定されることを特徴としている。
請求項3に記載の補強梁は、前記複数の接合材のうち、前記梁本体の長手方向の中央に近い位置の接合材よりも、前記梁本体の長手方向の端部に近い位置の接合材のせん断強度が強いことを特徴としている。
請求項4に記載の補強梁は、前記接合材はボルト及びナットであることを特徴としている。
請求項5に記載の補強梁は、建物の一方向から荷重が加わる位置に、前記一方向に対して垂直に架設され、両端が前記建物の構造躯体に支持される補強梁であって、木製角材から成る梁本体と、前記梁本体の前記荷重が加わる面と逆側の面に当該梁本体の長さ方向に沿って固定される長手形状の鋼製補強材と、前記梁本体と前記鋼製補強材とを接合する複数の接合材と、を備え、前記複数の接合材のうち、前記梁本体の長手方向の中央に近い位置の接合材よりも、前記梁本体の長手方向の端部に近い位置の接合材のせん断強度が強いことを特徴としている。
請求項6に記載の補強梁は、建物の一方向から荷重が加わる位置に、前記一方向に対して垂直に架設され、両端が前記建物の構造躯体に支持される補強梁であって、木製角材から成る梁本体と、前記梁本体の前記荷重が加わる面に隣り合う2つの側面のうち少なくともいずれか一方の側面に当該梁本体の長さ方向に沿って固定される長手形状の鋼製補強材と、前記梁本体と前記鋼製補強材とを接合する複数の接合材と、を備え、前記鋼製補強材は、前記側面の前記荷重が加わる面から離反する位置に固定され、前記複数の接合材のうち、前記梁本体の長手方向の中央に近い位置の接合材よりも、前記梁本体の長手方向の端部に近い位置の接合材のせん断強度が強いことを特徴としている。
請求項1に記載の補強梁は、建物の一方向から荷重が加わる位置に、当該一方向に対して垂直に架設され、両端が前記建物の構造躯体に支持されているので、補強梁に一方向から加わる荷重は、当該補強梁の曲げ荷重に変換される。したがって、梁本体の荷重が加わる面と逆側には、長手方向への引張荷重が作用することになり、この逆側の面を鋼製補強材により補強するで、鋼製補強材が十分な補強効果を発揮することができ、補強梁の耐力及び剛性を高めることができる。このように、鋼製補強材で梁本体を補強する位置を補強効果の高くなる位置に限定することで、材料コストを低減することができるとともに、補強梁自体の重量を小さくすることができる。また、鋼製補強材により補強されていない面を残すことで、他の梁や柱との接合を容易にすることができる。
また、請求項1に記載の補強梁によると、壁面に沿って設けられ、当該壁面に作用する水平方向の風荷重に抵抗する耐風梁であるので、長いスパンの耐風梁であっても十分な耐力及び剛性を保つことができる
請求項2に記載の補強梁によると、請求項1の場合と同様に、補強梁に一方向から加わる荷重が、補強梁の曲げ荷重に変換され、梁本体の荷重が加わる面と逆側には、長手方向への引張荷重が作用することになる。したがって、梁本体の荷重が加わる面に隣り合う2つの側面のうち少なくとも一方の側面における、荷重が加わる面から離反する位置に梁本体の長さ方向に沿って鋼製補強材が設けられることで、荷重が加わる面と逆側の位置を鋼製補強材により補強するので、鋼製補強材が十分な補強効果を発揮することができ、補強梁の耐力及び剛性を高めることができる。そして、鋼製補強材で梁本体を補強する位置を補強効果の高くなる位置に限定することで、材料コストを低減することができるとともに、補強梁自体の重量を小さくすることができる。また、鋼製補強材により補強されていない面を残すことで、他の梁や柱との接合を容易にすることができる。
また、請求項2に記載の補強梁によると、床梁であるので、通常の床梁よりも長いスパンで床を支持することができ、下階の空間を広く取ることができる。
請求項3に記載の補強梁によると、複数の接合材のうち、梁本体の長手方向の中央に近い位置の接合材よりも、梁本体の長手方向の端部に近い位置の接合材のせん断強度が強いので、補強梁に曲げ荷重が作用した場合に梁本体と鋼製補強材との間に最も水平方向のずれが生じやすい位置をせん断強度が強い接合材で接合することになり、より効率的に梁本体を補強することができる。
請求項4に記載の補強梁によると、接合材はボルト及びナットであるので、梁本体と鋼製補強材とを機械的に接合することができ、接着剤で接合する場合に比べて、外部要因や施工者の技量に影響されることが少なく、耐力や剛性などの性能を安定させることができる。また、梁本体と鋼製補強材とは接合後すぐに所望の性能を発揮することができる。また、ボルトを緩めることで着脱することができるので、他の梁や柱との接合のために複合材の一部を加工する必要がある場合や、修繕や増改築などの事情で当該複合材を再度加工する必要がある場合に、その加工を簡単に行うことができる。
第一実施形態の補強梁を小口面側からみた図。 (A)は第一実施形態の補強梁を上方から見た図、(B)は第一実施形態の補強梁を一方の側面から見た図。 第一実施形態の補強梁を用いた床組を上方から見た図。 図3のI−I線断面図。 単純梁及び第一実施形態の補強梁の最大耐力及び剛性を比較する表。 (A)は第二実施形態の補強梁を屋内側から見た図、(B)は第二実施形態の補強梁を屋外側から見た図。 第二実施形態の補強梁を上方から見た図。 (A)は、図6(B)のII−II線断面図、(B)は、図6(B)のIII−III線断面図。 第二実施形態の補強梁を通し柱に架設した状態を屋外側から見た図。 単純梁及び第二実施形態の補強梁の最大耐力及び剛性を比較する表。 従来の複合材を示す図。
〔第一実施形態〕
以下、本発明に係る補強梁の第一実施形態について、図1から図4を参照しつつ説明する。まず、図1及び図2に基づいて、補強梁1aの構成を説明する。図1は補強梁1aの端部を説明する図であり、図2(A)は補強梁1aを上から見た図であり、図2(B)は補強梁1aを側方から見た図である。補強梁1aは、例えば木造住宅等の建物に設けられる梁であり、建物の一方向から荷重が加わる位置に、当該一方向に対して垂直に架設される。本実施形態においては、補強梁1aは建物の2階以上の床に設けられる床梁である。また、本実施形態においては荷重が加わる方向は、鉛直方向の下向きである。すなわち、当該床に載置された家具や居住者の重量が、鉛直方向の下側に向かって補強梁1aに加わる。補強梁1aは、木製角材からなる梁本体2と、梁本体2に固定される鋼製補強材3aと、梁本体2及び鋼製補強材3aを接合する接合材4とから構成されている。
梁本体2は、集成材の角材である。梁本体2は、梁せいが390mm、梁幅が120mm、長さが5880mmである。なお、梁本体2の寸法はこれに限定されるものではないが、6m近い長いスパンで荷重を負担することができる。梁本体2の両端の小口面には、図示しない梁受金物が挿入可能なスリット21が設けられている。
鋼製補強材3aは、リップ溝形鋼である。鋼製補強材3aの寸法は、長さ4000mm、ウエブ31の幅が200mm、フランジ32の幅が70mm、リップ33の幅が25mmに形成されている。なお、鋼製補強材3aの寸法はこれに限られるものではないが、梁本体2よりも長さが短く、また梁本体2の梁せいよりもウエブ31の幅が短く形成されている。鋼製補強材3aは、本実施形態では2本設けられており、梁本体2の両側面にそれぞれ固定されている。鋼製補強材3aは、そのウエブ31が梁本体2の側面に当接するように配置されており、鋼製補強材3aの長さ方向が梁本体2の長さ方向に沿うように固定されている。
なお、本発明における鋼製補強材3aは2本に限定されるものではなく、梁本体2の両側面のうち少なくともいずれか一方の面に1本固定されていればよい。
鋼製補強材3aは、梁本体2の側面において、上下方向が、梁本体2の上面から160mm離れており、下面から30mm離れた位置であり、梁本体2の長さ方向の中央の位置に固定される。すなわち、梁本体2の荷重が加わる面である上面から大きく離れており、下面に近い位置に固定される。
接合材4は、M12の寸法規格のボルト41及びナット42で構成されている。接合材4は、本実施形態においては、それぞれ32個設けられており、梁本体2と鋼製補強材3aとを互いに接合している。接合材4は、鋼製補強材3aの上下方向の中心線に対して上下に50mm離れた位置にそれぞれ16個ずつ2列に配置されている。接合材4は、一方の側面側の鋼製補強材3aのウエブ31に設けられた貫通孔から、梁本体2を貫通して、他方の側面側の鋼製補強材3aのウエブ31に設けられた貫通孔まで、ボルト41が挿通しており、他方の側面側からナット42を締結して、両側の鋼製補強材3aを梁本体2に接合している。接合材4は、鋼製補強材3aの長さ方向に交互に300mm、200mmずつ離して2列に配置されている。
なお、梁本体2と鋼製補強材3aとを、接着剤などで接合するのではなく、ボルト41及びナット42からなる接合材4を用いて機械的に接合することで、接着剤で接合する場合に比べて、外部要因や施工者の技量に影響されることが少なく、耐力や剛性などの性能を安定させることができる。また、梁本体2と鋼製補強材3aとは接合後すぐに所望の性能を発揮することができる。また、ボルト41を緩めることで着脱することができるので、他の梁や柱との接合のために複合材の一部を加工する必要がある場合や、修繕や増改築などの事情で当該複合材を再度加工する必要がある場合に、その加工を簡単に行うことができる。
補強梁1aを設置する床組6は、図示をしないが、下階に柱のない大きな空間を有しており、当該空間の上方の天井懐に設けられる上階の床組6である。下階の空間は壁芯間の距離が6m四方の空間であり、その上方の天井懐に設けられる上階の床組6も、図4に示すように、6m四方となっている。床組6の4つの頂点には通し柱7が設けられており、これら、通し柱7の間に梁9がそれぞれ架設されている。そして、これらの梁9のうち対向する2本の梁9の間に補強梁1aが架設されている。補強梁1aは、1500mm間隔で互いに平行に3本架設されている。補強梁1aの両端は、梁9の側面にボルト41で固定された図示しない梁受金物により固定されている。なお、本発明における「構造躯体」は、本実施形態においては、通し柱7に架設されている梁9がこれに相当する。本発明における「構造躯体」は例えば通し柱7であってもよく、補強梁1aの両端を支持することができる構成であればよい。
通し柱7に架設される4本の梁9のうち、3本の補強梁1a、及び当該補強梁1aに平行な2本の梁9には長さ方向の中央において、隣接する補強梁1a又は梁9の間にそれぞれ、当該梁1a,9に直交する短梁10が架設されている。この短梁10の一端は、補強梁1aの梁本体2の側面に設けられた梁受金物5に固定されている。梁本体2の側面には鋼製補強材3aが固定されているが、当該鋼製補強材3aは、梁本体2の上面から大きく離れた位置に固定されているので、梁本体2の側面の上面に近い位置に梁受金物5をボルトで固定することにより、鋼製補強材3aと干渉することなく短梁10を梁本体2の側面に固定することができる。
補強梁1a及び短梁10を架設した後、これらの上に図示しない根太を設置し、その上に床材を配置して床組6を完成させる。この床組6の上に家具や居住者などが乗ることで、床組6に鉛直方向の荷重が加わると、補強梁1aの両端は通し柱7に架設されている梁9に支持されるので下方に変位することがない一方、補強梁1aの中央は柱等の構造躯体に支持されていないので下方に変位しようとして、補強梁1aに曲げ荷重が作用する。補強梁1aに曲げ荷重が作用すると、補強梁1aの梁本体2の上面側には長手方向の圧縮荷重が生じ、梁本体2の下面側には長手方向の引張荷重が生じる。本実施形態の補強梁1aには、梁本体2の側面における、梁本体2の荷重が加わる面である上面から大きく離れており、上面と逆側の下面に近い位置に鋼製補強材3aが梁本体2の長手方向に沿って固定されているので、鋼製補強材3aが梁本体2の下面側に生じる引張荷重に抵抗することができ、補強梁1aの曲げ荷重に対する抵抗を効率的に高めることができる。したがって、必要な部分だけを補強することで、補強梁1aの耐力及び剛性を高めることができるとともに、不必要な部分を補強をしないことで補強梁1aの材料コストや重量を減らすことができる。
本実施形態の補強梁1aは、図5に示すように、梁本体2の上面に対してその長さ方向の中央に鉛直荷重を加えた場合に134.7kNまで耐えることができた。また、本実施形態の補強梁1aの剛性は、24.0kN/cmであった。一方、鋼製補強材3aを接合していない単純梁(本実施形態における梁本体2と同一の断面形状)は、100.7kNまでの荷重に耐えることができ、剛性は16.7kN/cmであった。従って、本実施形態の補強梁1aは、単純梁に比べて、1.34倍の耐力を有し、1.44倍の剛性を有するものとなった。
〔第二実施形態〕
次に、本発明に係る補強梁の第二実施形態について、図6から図9を参照しつつ説明する。本実施形態の補強梁1bは、図示しない外壁面の屋内側に、当該外壁面に沿って設けられ、この外壁面に作用する水平方向の風荷重に抵抗する耐風梁である。まず、図6から図8に基づいて、補強梁1bの構成を説明する。図6(A)は、補強梁1bを屋内側から見た正投影図であり、図6(B)は、補強梁1bを屋外側から見た正投影図であり、図7は、補強梁1bを上方からみた正投影図である。なお、第一の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略している。
本実施形態において、補強梁1bに荷重が加わる方向は、水平な方向であり、且つ、屋外側から屋内側に向かう方向である。すなわち、屋外側から外壁面に向かって吹き付ける風によって、水平方向に荷重が補強梁1bに加わる。補強梁1bは、木製角材からなる梁本体2と、梁本体2に固定される鋼製補強材3bと、梁本体2及び鋼製補強材3bを接合する接合材4と、接合材4のボルト頭又はナット42a,bが梁本体2にめり込むことを抑制するめり込み防止プレート11と、から構成されている。
梁本体2は、集成材の角材であり、第一実施形態と同様の構成であるので、具体的な説明を省略する。
鋼製補強材3bは、2本のフランジ34をウエブ35で連結したH型鋼である。鋼製補強材3bの寸法は、長さ4500mm、ウエブ35の幅が200mm、フランジ34の幅が100mmに形成されている。なお、鋼製補強材3bの寸法はこれに限られるものではないが、梁本体2よりも長さが短く、また梁本体2の梁せいよりもフランジ34の幅が短く形成されている。鋼製補強材3bは、本実施形態では1本設けられており、梁本体2の屋内側の側面に固定されている。鋼製補強材3bは、一方のフランジ34が梁本体2の屋内側の側面に当接するように配置されており、鋼製補強材3bの長さ方向が梁本体2の長さ方向に沿うように固定されている。
鋼製補強材3bは、梁本体2の屋内側の側面において、上下端からそれぞれ145mm離れた位置に固定されており、梁本体2の長さ方向の中央の位置に固定される。すなわち、梁本体2の荷重が加わる面である屋外側の側面とは逆側の面である、梁本体2の屋内側の側面に固定される。
接合材4は、M12の寸法規格のボルト41a及びナット42aと、M16の寸法規格のボルト41b及びナット42bと、を含む構成であり、M12の寸法規格のボルト41a及びナット42aが24個で、M16の寸法規格のボルト41b及びナット42bが12個設けられており、梁本体2と鋼製補強材3bとを互いに接合している。
また、めり込み防止プレート11は、矩形の金属板であって、ボルト頭又はナット42a,bと梁本体2との間に介在して、ボルト頭又はナット42a,bが梁本体2にめり込むことを抑制している。
接合材4は、ウエブ35を挟んでフランジ34に上下2列に配置されており、梁本体2の端部から6個ずつが、それぞれ、M16の寸法規格のボルト41b及びナット42bとなっており、それよりも長手方向の内側に設けられる接合材4がM12の寸法規格のボルト41a及びナット42aとなっている。したがって、梁本体2の長手方向の中央に近い位置の接合材4よりも、梁本体2の長手方向の端部に近い位置の接合材4のせん断強度が強くなっている。したがって、補強梁1bに曲げ荷重が作用した場合に、梁本体2と鋼製補強材3bとの間で最も水平方向のずれが生じやすい位置をせん断強度が強い接合材4で接合することができ、より効率的に梁本体2を補強することができる。
接合材4は、鋼製補強材3bのフランジ34に設けられた貫通孔から、梁本体2を貫通して、屋外側のめり込み防止プレート11の貫通孔まで、ボルト41a,bが挿通しており、屋外側からナット42a,bを締結して、鋼製補強材3bを梁本体2に接合している。接合材4は、鋼製補強材3bの長さ方向に交互に300mm、200mmずつ離して2列に配置されている。めり込み防止プレート11は、6個の接合材4に固定される梁本体2の長さ方向に長い長プレート11aと、4個の接合材4に固定される梁本体2の長さ方向に短い短プレート11bとが設けられている。梁本体2の両側の端部に近い位置には、長プレート11aがそれぞれ配置されており、2つの長プレート11aの間に端プレートが等間隔で6つ並んで配置されている。
長プレート11aは、接合材4のうちM16の寸法規格のボルト41b及びナット42bにより固定されており、短プレート11bは、接合材4のうちM12の寸法規格のボルト41a及びナット42aにより固定されている。
本実施形態の補強梁1bは、図9に示すように、2本の通し柱8に架設されている。通し柱8には梁受金物5が設けられており、補強梁1bの梁本体2の両端部に設けられたスリット21に梁受金物5が挿入されて、補強梁1bを通し柱8の間に架設している。なお、補強梁1bは間柱12の柱頭を固定することもでき、間柱12の上端と補強柱の下面とに亘るようにホゾパイプ13を埋設し、当該ホゾパイプ13をドリフトピン14で抜け止めすることで、間柱12を固定し、補強梁1bの荷重の一部を間柱12で受けることができる。なお、本発明における「構造躯体」は、本実施形態においては、通し柱8がこれに相当する。
外壁に屋外側から風が吹き付けると、外壁の屋内側に沿って設けられる本実施形態の補強梁1bに屋外から屋内側に向かう水平方向の荷重が加わる。そして補強梁1bに荷重が加わると、補強梁1bの両端は通し柱8に支持されるので屋内側に変位することがない一方、補強梁1bの中央は柱等の構造躯体に支持されていないので屋内側に変位しようとして、補強梁1bに曲げ荷重が作用する。補強梁1bに曲げ荷重が作用すると、補強梁1bの梁本体2の屋外側の面には長手方向の圧縮荷重が生じ、梁本体2の屋内側には長手方向の引張荷重が生じる。本実施形態の補強梁1bは、梁本体2の屋内側の面に鋼製補強材3bが梁本体2の長手方向に沿って固定されているので、鋼製補強材3bが梁本体2の屋内側面に生じる引張荷重に抵抗することができ、補強梁1bの曲げ荷重に対する抵抗を効率的に高めることができる。したがって、必要な部分だけを補強することで、補強梁1bの耐力及び剛性を高めることができるとともに、不必要な部分を補強をしないことで補強梁1bの材料コストや重量を減らすことができる。
本実施形態の補強梁1bは、図10に示すように、梁本体2の屋外側面に対してその長さ方向の中央に屋内方向に向かう荷重を加えた場合に95.8kNまで耐えることができた。また、本実施形態の補強梁1bの剛性は、8.6kN/cmであった。一方、鋼製補強材3bを接合していない単純梁(本実施形態における梁本体2と同一の断面形状)は、35.0kNまでの荷重に耐えることができ、剛性は1.7kN/cmであった。従って、本実施形態の補強梁1bは、単純梁に比べて、2.74倍の耐力を有し、5.06倍の剛性を有するものとなった。
以上のように、本発明の補強梁1a,1bによると、下階に長い間隔で柱を設置したくない場合のように、長いスパンで柱に支持されずに梁を架設する場合に、補強梁1a,1bの補強が必要な箇所を的確に補強することができ、補強が必要のない箇所には補強を行わないので、補強梁1a,1bのコストを低減させることができ、又、補強梁1a,1b自体の重量を軽くすることができる。
なお、M12及びM16のボルト41a,b及びナット42a,bの具体的な寸法はそれぞれ「JIS B 1180」に記載の通りである。
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る補強梁1a,1bは、例えば木造住宅の床梁や耐風梁として、好適に用いることができる。
1a,1b 補強梁
2 梁本体
3a,3b 鋼製補強材
4 接合材
6 床組

Claims (6)

  1. 建物の壁面に沿って設けられ、屋外側から屋内側に向かう方向に作用する水平方向の風荷重が加わる位置に架設され、両端が前記建物の構造躯体に支持される補強梁であって、
    木製角材から成る梁本体と、
    前記梁本体の前記荷重が加わる前記屋外面と逆側の前記屋内面に当該梁本体の長さ方向に沿って一方のフランジが固定される長手形状のH形鋼の鋼製補強材と、
    前記梁本体と前記鋼製補強材とを接合する複数の接合材と、を備えることを特徴とする補強梁。
  2. 建物の柱のない空間を有する下階の天井懐に設けられ、上階の床を支える下方向の荷重が加わる位置に、水平に架設され、両端が前記建物の構造躯体に支持される補強梁であって、
    木製角材から成る梁本体と、
    前記梁本体の前記荷重が加わる上面に隣り合う2つの側面のうち少なくともいずれか一方の側面に当該梁本体の長さ方向に沿って固定される長手形状のリップ溝形鋼の鋼製補強材と、
    前記梁本体と前記鋼製補強材とを接合する複数の接合材と、を備え、
    前記鋼製補強材は、前記側面の前記荷重が加わる上面から離反する位置に固定されることを特徴とする補強梁。
  3. 前記複数の接合材のうち、前記梁本体の長手方向の中央に近い位置の接合材よりも、前記梁本体の長手方向の端部に近い位置の接合材のせん断強度が強いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の補強梁。
  4. 前記接合材はボルト及びナットであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の補強梁。
  5. 建物の一方向から荷重が加わる位置に、前記一方向に対して垂直に架設され、両端が前記建物の構造躯体に支持される補強梁であって、
    木製角材から成る梁本体と、
    前記梁本体の前記荷重が加わる面と逆側の面に当該梁本体の長さ方向に沿って固定される長手形状の鋼製補強材と、
    前記梁本体と前記鋼製補強材とを接合する複数の接合材と、を備え、
    前記複数の接合材のうち、前記梁本体の長手方向の中央に近い位置の接合材よりも、前記梁本体の長手方向の端部に近い位置の接合材のせん断強度が強いことを特徴とする補強梁。
  6. 建物の一方向から荷重が加わる位置に、前記一方向に対して垂直に架設され、両端が前記建物の構造躯体に支持される補強梁であって、
    木製角材から成る梁本体と、
    前記梁本体の前記荷重が加わる面に隣り合う2つの側面のうち少なくともいずれか一方の側面に当該梁本体の長さ方向に沿って固定される長手形状の鋼製補強材と、
    前記梁本体と前記鋼製補強材とを接合する複数の接合材と、を備え、
    前記鋼製補強材は、前記側面の前記荷重が加わる面から離反する位置に固定され、
    前記複数の接合材のうち、前記梁本体の長手方向の中央に近い位置の接合材よりも、前記梁本体の長手方向の端部に近い位置の接合材のせん断強度が強いことを特徴とする補強梁。
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