JPH1151762A - 赤外線固体撮像装置及びその製造方法 - Google Patents

赤外線固体撮像装置及びその製造方法

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JPH1151762A JP9211978A JP21197897A JPH1151762A JP H1151762 A JPH1151762 A JP H1151762A JP 9211978 A JP9211978 A JP 9211978A JP 21197897 A JP21197897 A JP 21197897A JP H1151762 A JPH1151762 A JP H1151762A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱電対の温接点と半導体基板との間の熱コン
ダクタンスを十分に小さくすることができ、赤外線検出
感度の向上をはかる。 【解決手段】 半導体基板1上に、赤外線吸収体層への
赤外線照射により生じた温度変化を電気的信号に変換す
るための熱電変換部と、熱電変換部により発生した信号
を出力する信号出力部とを有する赤外線固体撮像装置で
あって、熱電変換部は熱電対により構成され、熱電対の
温接点金属7−1及び赤外線吸収体層を支持する第1の
ダイアフラム10と熱電対の配線部分3,4を支持する
第2のダイアフラム9とが形成され、第1及び第2のダ
イアフラム10,9は半導体基板1との間に支持部分1
0a,9aを独立に有しており、赤外線吸収体層と熱電
対の温接点金属7−1は第1のダイアフラムにより、配
線部分3,4は第2のダイアフラム10,9により半導
体基板1上の中空構造8上に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線固体撮像装
置に係わり、特に非冷却型の赤外線固体撮像装置及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】赤外線撮像は、昼夜にかかわらず撮像可
能であると共に、可視光により煙,霧に対して透過性が
高いという特長があり、また被写体の温度情報をも得る
ことができることから、防衛分野をはじめ監視カメラや
火災検知カメラとして広い応用範囲を有する。
【0003】近年、従来の主流素子である光電変換型赤
外線固体撮像装置の最大の欠点である低温動作のための
冷却機構を不要にした、「非冷却型赤外線固体撮像素
子」の開発が盛んであり、次のような各種方式が提案さ
れている。
【0004】(1) ゼーベック効果により温度差を電位差
に変換する、サーモパイルを熱電変換素子として用いた
赤外線固体撮像装置(Toshio Kanno, et al., Proc. SP
IE Vol.2269, pp.450-459, 1994 )。
【0005】(2) 抵抗体の温度変化により温度変化を抵
抗変化に変換する、ボロメータを熱電変換素子とて用い
た赤外線固体撮像装置(R. A. Wood, Proc. IEDM, pp.1
75-177, 1993)。
【0006】(3) 焦電効果により温度変化を電荷に変換
する、焦電素子を熱電変換素子として用いた赤外線固体
撮像装置(Charles Hanson, et al., Proc. SPIE Vol.2
020,pp.330-339, 1993 )。
【0007】一方、上記の3種類の熱電変換方式を比較
した場合には、その素子製造工程の全てを現行のシリコ
ンプロセスにより実現可能であるという点で、特にポリ
シリコン膜を熱電変換材料としたサーモパイル素子が製
造上で有利と考えられる。
【0008】ところで、赤外線固体撮像装置の感度R
は、サーモパイル型の場合には次式によって表現される
(例えば、Paul W. Kruse, Proc. SPIE, Vol.2552, pp.
556-563 )。
【0009】 R=N・S・η/{G(1+ω2 τ2 1/2 } =N・S・η/(G2 +ω2 2 1/2 …(式1) 但し、N:サーモパイルの直列回数 S:サーモパイルのゼーベック係数 η:赤外線吸収率 G:熱コンダクタンス ω:入射赤外線の変調角周波数 τ:熱応答時間(τ=C/G) C:熱電変換部の熱容量 また、ボロメータ型における感度Rは、次式で表現され
る。
【0010】 R=Ib・α・Re・η/{G(1+ω2 τ2 1/2
…(式2) 但し、Ib:バイアス電流 α:抵抗の温度係数(=(1/Re)・(dRe/dT)) Re:素子抵抗 なお、Ib増加による感度向上は可能であるが、その場
合にはIb2 ・Reなるエネルギー消費に伴う自己発熱
の影響を考慮する必要がある。
【0011】(式1),(式2)共に熱コンダクタンス
G及び熱容量Cを含む、熱的な項は同一の表式では次式
で表現されている。
【0012】 Rt=1/{G(1+ω2 τ2 1/2 } =1/(G2 +ω2 2 1/2 ‥‥‥‥(式3) このRtを向上するためには、熱コンダクタンスGと熱
容量Cを低減することが重要であることが分る。ここ
で、特に低周波領域では熱コンダクタンスGの低減によ
り感度が向上する。逆に、熱容量Cについては、高周波
領域での感度、いわゆるレスポンスへの寄与が大きい。
【0013】このとき、(式1)〜(式3)における熱
コンダクタンスG及び熱容量Cは、サーモパイル或いは
ボロメータからの出力信号を半導体基板側に伝達するた
めの、必然的に発生する値のみでは無く、熱電変換の材
料と半導体基板との間に存在する材料層による熱コンダ
クタンスG及び熱容量Cの値も含まれている。
【0014】上記の理由から非冷却型赤外線固体撮像装
置では、熱電変換素子部と読み出しのための半導体基板
とを熱的に分離し、熱コンダクタンスGの増加を低減す
るために、半導体基板に窪みを形成して中空構造とした
り(図12(a):特公平8−2560824号公
報)、半導体基板上の多層構造中に犠牲層を形成した後
にエッチング除去して中空構造としたり(図12
(b):特開平7−134066号公報)、或いは熱的
に相互を分離した熱電変換素子群と半導体基板をバンプ
で接続するという方法を用いており、これらの熱的分離
構造により高感度を実現している。
【0015】また、図13に示すように、熱電対をN対
直列接続することでサーモパイルからの出力電圧を増大
する方法が一般的である(:N=12の例、特開平7−
134066号公報)。
【0016】しかしながら、上述したようにシリコンプ
ロセスが使用できるという点で製造上有利と考えられる
サーモパイル型赤外線固体撮像装置においては、原理的
に、熱的分離構造上の不利が生じてしまう。
【0017】何故なら、抵抗体の抵抗変化により温度変
化を検知するボロメータ型においては、抵抗変化を検知
する手段として、一対の配線対を感熱側としてヒートシ
ンク側との間に形成すれば良いので、その場合には感熱
部とヒートシンクとの間の熱伝導経路は2つで済む。こ
れに対してサーモパイル型素子においては、熱電対の温
接点と冷接点との間の温度差を電位差に変換するという
ゼーベック効果を動作原理としているために、その電位
差を増大させるためには、熱電対を直列接続することが
必要である。その結果として、温接点と冷接点との間
に、直列接続する熱電対数の2倍の数の熱伝導経路が熱
電対自身により形成されてしまうからである。
【0018】従って、特にサーモパイル型の場合には、
熱電対を直列接続することに伴う、熱電対材料自身によ
る熱コンダクタンスG及び熱容量Cの増加を抑制するこ
とが極めて重要となる。
【0019】このとき、熱電対材料であるポリシリコン
自身による熱コンダクタンス:Gpolyは次式により表現
できる。
【0020】 Gpoly=2N・G0(Si) ・Spoly/Lpoly…(式4) 但し、G0(Si) :ポリシリコンの熱伝導率(= 29 W/K/
m) Spoly:ポリシリコンの断面積[m2 ] Lpoly:温接点端部と冷接点端部との間のポリシリコン
の長さ[m] 従って、同一の画素寸法の中で、より長いLpolyを実現
するかという設計技術が、極めて重要である。
【0021】ところが、前述のように複数の熱電対を直
列接続する方法では、熱伝導パスの数が増加するだけで
なく、このLpolyを十分に長くできないために、単一の
熱伝導パスの熱コンダクタンスを十分に低減できないと
いう欠点もある。
【0022】さらに、上述の画素内部での熱電変換構造
において、熱電対の温接点及びこれに熱的に接続されて
いる赤外光吸収体と熱電対の配線部分との熱分離構造
は、これまでに配慮されないことが多かったが、例えば
同一のダイアフラム上に両者が存在することによって、
熱電対の温接点と半導体基板との間の熱コンダクタンス
は増加しており、さらに高感度化をはかる場合には何ら
かの対策手段が必要である。
【0023】前記の中空構造を構築するための支持層と
しては、シリコン酸化膜或いはシリコン窒化膜により形
成する方法が報告されている(Toshio Kanno, et., Pro
c. SPIE Vol.2269,pp.450-459,1994, R.A.Wood, Proc.
IEDM,pp.175-177,1993)。しかし、画素サイズの縮小に
伴い熱電変換材料が微細化するに従い、この支持層の存
在による熱コンダクタンスGや熱容量Cの増加が感度に
及ぼす影響が無視できなくなっている。
【0024】従って、仮に同一の中空構造を構築したと
しても、熱電変換素子自身による熱伝導経路を多数持つ
サーモパイル型素子は、ボロメータ型素子と比較して、
熱電変換素子部と半導体基板との間の熱コンダクタンス
Cが高くなってしまい、その結果として感度が低下して
しまう。
【0025】さらに、感度と共に重要な特性の一つであ
る雑音等価温度差(Noise Equivalent Temperature Dif
ference :NETD )については、検出面積Adと感度Rの
積(Ad・R)の逆数に比例するので、赤外線固体撮像
装置の画素サイズ縮小のためには、感度Rを維持するに
止まらず、検出面積Adの減少によるNETDの低下を
補うために、感度Rをさらに向上させることが必要なこ
とが判る。
【0026】一方、従来の加工技術においては、ポリシ
リコンの薄膜化によってSpolyを低減してきたが、ポリ
シリコン幅はフォトグラフィー技術により制限されるた
めに十分なSpolyの微細化を行うことができなかった。
【0027】さらに、微細画素構造において熱電対の温
接点の熱容量Cを低減し、かつ熱コンダクタンスGを低
減するためには、中空構造上の熱電対を熱電対自身で支
持することが有効である。
【0028】ところで、このように中空構造上の熱電対
を熱電対自身で支持する場合には、熱電対材料自身に支
持体としての機械的強度が要求される。
【0029】前述の(式4)において用いたポリシリコ
ンによる熱電対構造を考え、冷接点端部で固定されたポ
リシリコンの温接点側に荷重をかけた場合の温接点部で
の重力方向への変位:Zは次式で表現される。単純化の
ために断面構造は長方形とした。
【0030】 Z=(4Lpoly3 /Wpoly・Hpoly3 )×{M・g/E
(Si)}……(式5) 但し、Wpoly:ポリシリコンの幅[m] Hpoly:ポリシリコンの高さ[m] M:温接点の質量[kg] g:重力加速度[m/sec2] E(Si):シリコンのヤング率(=113.0[GN/m2 ]) (式5)から明らかなように、同一の断面積を得る場合
には、よりWpolyを微細化して、よりHpolyを大きくす
ることが熱電対の変形を防止するために、極めて重要で
ある。
【0031】この傾向は、今後益々進むであろう画素の
微細化において、特に重要となるはずであるが、従来の
技術ではSpolyの微細化においては、むしろ逆に傾向に
あり、そのために熱コンダクタンスGや熱容量Cの増加
という犠牲を払いながらも、酸化シリコンや窒化シリコ
ン膜による支持層を形成することが必要である。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の非
冷却型赤外線固体撮像装置においては、熱電変換手段と
しての熱電対の温接点と半導体基板との間の熱コンダク
タンスを十分小さくすることができず、このために感度
の向上をはかるにも限界があった。また、熱電対を直列
接続して感度の向上をはかる試みもあるが、直列接続す
ることに伴う熱電対材料自身による熱コンダクタンス及
び熱容量の増大を招き、十分な感度向上を達成すること
は困難であった。
【0033】本発明は、上記の事情を考慮して成された
もので、その目的とするところは、熱電変換手段として
の熱電対の温接点と半導体基板との間の熱コンダクタン
スを十分に小さくすることができ、赤外線検出感度の向
上をはかり得る赤外線固体撮像装置を提供することにあ
る。
【0034】
【課題を解決するための手段】
(構成)上記課題を解決するために本発明は、次のよう
な構成を採用している。
【0035】(1)半導体基板上に、赤外線吸収体層へ
の赤外線照射により生じた温度変化を電気的信号に変換
するための熱電変換手段と、この熱電変換手段により発
生した信号を出力する信号出力手段とを有する赤外線固
体撮像装置であって、前記熱電変換手段は熱電対により
構成されており、該熱電対の温接点及び前記赤外線吸収
体層を支持する第1のダイアフラムと前記熱電対の配線
部分を支持する第2のダイアフラムとが形成され、第1
及び第2のダイアフラムは前記半導体基板との間に各々
第1及び第2の支持部分を独立に有しており、前記赤外
線吸収体層と前記熱電対の温接点及び配線部分は第1及
び第2のダイアフラムにより半導体基板上の中空構造上
に配置されていることを特徴とする。
【0036】(2)(1)において、第1のダイアフラ
ムは矩形状に形成され、その一つの角部が第1の支持部
分を介して前記半導体基板に接続され、第2のダイアフ
ラムは第1のダイアフラムの回りを囲むように形成さ
れ、第1の支持部分に近接した2箇所の第2の支持部分
を介して前記半導体基板に接続され、第1のダイアフラ
ム上に形成される赤外線吸収体層は第1のダイアフラム
の第1の支持部分の対角位置で前記熱電対の温接点と接
続されること。
【0037】(3)半導体基板上に、赤外線吸収体層へ
の赤外線照射により生じた温度変化を電気的信号に変換
するための熱電変換手段と、この熱電変換手段により発
生した信号を出力する信号出力手段を有する赤外線固体
撮像装置であって、前記熱電変換手段は熱電対により構
成されており、該熱電対の温接点及び前記赤外線吸収体
層を支持する第1のダイアフラムと前記熱電対の配線部
分を支持する第2のダイアフラムとが同一材料層により
一体形成されており、第2のダイアフラムは前記半導体
基板との間に支持部分を有しており、第1のダイアフラ
ムは前記半導体基板との間には直接の支持部分を持た
ず、前記熱電対の温接点と前記赤外線吸収体層との接続
部分において第1のダイアフラムに支持されており、前
記赤外線吸収体層と前記熱電対の温接点及び配線部分は
第1及び第2のダイアフラムにより前記半導体基板上の
中空構造上に配置されていることを特徴とする。
【0038】(4)半導体基板上に、赤外線吸収体層へ
の赤外線照射により生じた温度変化を電気的信号に変換
するための熱電変換手段と、この熱電変換手段により発
生した信号を出力する信号出力手段とを有する赤外線固
体撮像装置であって、前記熱電変換手段は熱電対により
構成されており、該熱電対の温接点及び前記赤外線吸収
体層を支持する第1のダイアフラムと前記熱電対の配線
部分を支持する第2のダイアフラムとが独立に形成され
ており、第2のダイアフラムは前記半導体基板との間に
支持部分を有しており、第1のダイアフラムは前記半導
体基板との間には直接の支持部分を持たず、前記熱電対
の温接点と前記赤外線吸収体層との接続部分において第
1のダイアフラムに支持されており、前記赤外線吸収体
層と前記熱電対の温接点及び配線部分は第1及び第2の
ダイアフラムにより前記半導体基板上の中空構造上に配
置されていることを特徴とする。
【0039】(5)半導体基板上に、赤外線照射により
生じた温度変化を電気的信号に変換するための熱電変換
手段と、この熱電変換手段により発生した信号電荷を出
力する信号出力手段とを有する赤外線固体撮像装置であ
って、前記熱電変換手段は熱電対により構成され、該熱
電対と前記半導体基板との間の一部に中空構造が形成さ
れており、該熱電対の温接点は該熱電対の配線を構成す
る材料によって前記中空構造上に支持されていることを
特徴とする。
【0040】(6)半導体基板上に、赤外線照射により
生じた温度変化を電気的信号に変換するための熱電変換
手段と、この熱電変換手段により発生した信号電荷を出
力する信号出力手段とを有する赤外線固体撮像装置の製
造方法であって、前記半導体基板上に酸化シリコン膜か
らなる犠牲層を形成した後、この犠牲層上に前記熱電変
換手段を構成する材料を形成し、次いで前記犠牲層をエ
ッチングすることによって、前記半導体基板と前記熱電
変換手段との間の中空構造を形成することを特徴とす
る。
【0041】(6')半導体基板上に、赤外線照射により
生じた温度変化を電気的信号に変換するための熱電変換
手段と、この熱電変換手段により発生した信号電荷を出
力する信号出力手段とを有する赤外線固体撮像装置の製
造方法であって、前記熱電変換手段は半導体基板上の第
1の犠牲層上に直接形成された熱電対材料であり、該熱
電対材料形成後に第2の犠牲層となる酸化シリコン膜を
形成した後に、前記熱電対材料を金属或いは金属シリサ
イドにより接続することで前記熱電対構造を形成し、そ
の後に第1及び第2の犠牲層を除去することで、前記半
導体基板と前記熱電変換手段との間の中空構造を形成す
ることを特徴とする。
【0042】(7)半導体基板上に、赤外線照射により
生じた温度変化を電気的信号に変換するための熱電変換
手段と、この熱電変換手段により発生した信号電荷を出
力する信号出力手段とを有する赤外線固体撮像装置であ
って、前記熱電変換手段は熱電対により構成され、該熱
電対と前記半導体基板との間の一部に中空構造が形成さ
れ、該熱電対の温接点は該熱電対の配線を構成する材料
によって前記中空構造上に支持されており、且つ前記熱
電対の配線材料の高さをh、該配線材料の幅をwとした
時に、h>wに設定してなることを特徴とする。
【0043】(8)半導体基板上に、赤外線照射により
生じた温度変化を電気的信号に変換するための熱電変換
手段としての熱電対と、この熱電対により発生した信号
電圧を出力する信号出力手段とを有する赤外線固体撮像
装置の製造方法であって、半導体基板上に前記信号出力
手段を形成した後に、前記熱電対の温接点と半導体基板
との間の中空構造を形成するための犠牲層を形成し、次
いで前記犠牲層に異方性エッチングによる段差構造を形
成し、次いで前記熱電対の配線を構成する材料を等方性
成膜法により成膜し、次いで前記熱電対の配線材料を異
方性エッチングによりエッチバックすることで、該配線
材料の高さをhを幅Wよりも大きくすることを特徴とす
る。
【0044】また、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものがあげられる。
【0045】(a)(1)において、熱電対の温接点及
び赤外線吸収体層を支持する第1のダイアフラム上には
概ね矩形の赤外線吸収体層が形成されており、該赤外線
吸収体層が前記温接点と接続される部分の位置と、第1
のダイアフラムと半導体基板との間にある第1の支持部
の位置との関係が、赤外線吸収体層により規定される概
略矩形面の概ね対角位置に設定されていること。
【0046】(b)(1)において、熱電対の配線部分
を支持するための第2のダイアフラムは、熱電対を構成
する2種類の材料に対して独立に分割形成されており、
これらの2分割された第2のダイアフラムは、半導体基
板との間に各々が独立の支持部分を有していること。
【0047】(c)(4)において、熱電対の温接点及
び赤外線吸収体層とを支持する第1のダイアフラムが窒
化シリコン膜からなること。
【0048】(d)(1)〜(4)において、第1のダ
イアフラムと第2のダイアフラムのいずれもが窒化シリ
コン膜からなること。
【0049】(e)(1)〜(4)において、熱電対
が、単位画素内に1組のみ形成されていること。
【0050】(f)(1)〜(4)において、赤外線吸
収体層が形成される全領域に渡って、熱電対の温接点を
形成するための金属、或いは金属シリサイドが形成され
ていること。
【0051】(g)(1)〜(8)において、熱電対の
材料としてポリシリコンを使用すること。
【0052】(h)(1)〜(4)において、熱電変換
手段がポリシリコンを材料とする熱電対により構成され
ており、該熱電対材料であるポリシリコンが、熱電対の
温接点において分離加工されておらず、該ポリシリコン
において第1導電型の不純物を添加する第1の領域と、
第1の導電型と反対の導電型の第2の導電型の不純物を
添加する第2の領域との他に、第1の導電型の不純物と
第2の導電型の不純物の両方を添加された第3の領域が
存在しており、第1の領域の一部と第2の領域の一部と
を含む領域において、金属或いは金属シリサイドによる
接続が形成されることで前記熱電対の温接点が形成され
ていること。
【0053】(i)(1)〜(4)において、熱電変換
手段がポリシリコンを材料とする熱電対により構成され
ており、該熱電対材料であるポリシリコンが熱電対の温
接点において分離加工されておらず、該ポリシリコンに
おいて第1導電型の不純物を添加する第1の領域と、第
1の導電型と反対の導電型の第2の導電型の不純物を添
加する第2の領域との他に、第1の導電型の不純物と第
2の導電型の不純物のいずれもが添加されない第3の領
域が存在しており、第1の領域の一部と第2の領域の一
部とを含む領域において、金属或いは金属シリサイドに
よる接続が形成されることで前記熱電対の温接点が形成
されていること。
【0054】(j)(6)又は(8)において、中空構
造を形成するための犠牲層が酸化シリコンからなるこ
と。
【0055】(k)(8)において、犠牲層に形成され
る段差形状のひとつの凹部の側壁部に形成される1組の
前記熱電対材料を金属或いは金属シリサイドにより接続
することで熱電対の温接点を形成すること。
【0056】(作用)本発明(請求項1,2)によれ
ば、熱電変換型の非冷却赤外線固体撮像装置において、
熱電変換手段として微細に加工したポリシリコン等を材
料とした熱電対を設けており、同時にこの熱電対の温接
点及び赤外線吸収体層を支持する第1のダイアフラム
と、熱電対の配線部分を支持する第2のダイアフラム
が、各々独立に設けられた半導体基板との接続部分によ
り半導体基板との熱的分離のための中空構造上に支持さ
れているので、ダイアフラムによる熱電対の温接点と半
導体基板との間の熱コンダクタンスの増加を大幅に低減
することができる。従って、従来よりも赤外線検出感度
を大幅に向上させることができる。
【0057】また、本発明(請求項3)によれば、第1
のダイアフラムと第2のダイアフラムとが同一材料層に
より一体形成され、第2のダイアフラムは半導体基板と
の間に支持部分を有し、第1のダイアフラムは半導体基
板との間には直接の支持部分を持たず、熱電対の温接点
と赤外線吸収体層との接続部分において第2のダイアフ
ラムに支持されているため、第1のダイアフラムによる
熱電対の温接点と半導体基板との間の熱コンダクタンス
の増加は発生せず、これにより感度の向上をはかること
が可能となる。
【0058】また、本発明(請求項4)は、第1のダイ
アフラムと第2のダイアフラムとが独立に形成され、第
2のダイアフラムは半導体基板との間に支持部分を有
し、第1のダイアフラムは半導体基板との間には直接の
支持部分を持たず、熱電対の温接点と赤外線吸収体層と
の接続部分において第2のダイアフラムに支持されてい
るため、第1のダイアフラムによる熱電対の温接点と半
導体基板との間の熱コンダクタンスの増加は発生せず、
これにより感度の向上をはかることが可能となる。さら
に、第1のダイアフラムを第2のダイアフラムよりも上
方(赤外線検出側)に設ければ、赤外線吸収体層の有効
面積を増大させることができ、これによっても感度の向
上をはかることが可能となる。
【0059】また、本発明(請求項5,6)によれば、
基板との熱絶縁のための中空構造を構成するための支持
層は形成されておらず、熱電変換手段の支持は熱電変換
手段の自身のみ(熱電対の配線部分)により成されてい
るので、熱電変換手段の熱容量及び熱電変換手段と半導
体基板との間の熱コンダクタンスを大幅に低減すること
ができ、これにより感度の向上と温度分解能の向上が実
現できる。
【0060】さらに、熱電変換手段として1組のみの熱
電対を使用すれば、上記の中空構造と併せて微細画素の
構成が可能であると同時に、十分な感度と温度分解能を
得ることが可能となる。
【0061】また、熱電変換手段を第1の犠牲層上に直
接形成された熱電対材料とし、該熱電対材料形成後に第
2の犠牲層となる酸化シリコン膜を形成した後に、熱電
対材料を金属或いは金属シリサイドにより接続すること
で熱電対構造を形成し、その後に第1及び第2の犠牲層
を除去することで、半導体基板と熱電変換手段との間の
中空構造を形成するようにすれば、極めて簡単な製造工
程により高感度な赤外線固体撮像装置を実現することが
可能となる。
【0062】また、本発明(請求項7,8)によれば、
熱電変換手段として極めて微細に加工したポリシリコン
等を材料とした熱電対を用いており、この極めて微細に
加工されたポリシリコンの厚さはその幅よりも大きく、
同時に熱電対を半導体基板と熱的に絶縁するための中空
構造上に支持するのは熱電対材料自身(熱電対の配線材
料)であるので、熱電変換型手段における感度を支配す
る、温接点と冷接点との間の熱コンダクタンスと温接点
の熱容量は大幅に低減される。このため、画素の微細化
においても、従来技術より大幅に高い感度を実現でき
る。
【0063】また、熱電変換素子として使用する熱電対
の材料となるポリシリコン等を、温接点と半道体基板と
の間の熱絶縁のための中空構造を形成するための犠牲層
上に形成した段差構造を利用した、等方性成膜技術と異
方性エッチング技術とからなる側壁残し技術により、極
めて微細に形成しているので、ポリシリコンをフォトリ
ソグラフィー技術の加工限界以下に微細加工可能であ
り、その制御も段差領域の段差と、等方性成膜膜厚及び
異方性エッチング量というプロセスパラメータにより容
易に制御可能であるので、高感度かつ微細な画素構造を
有する赤外線固体撮像装置を極めて容易に製造可能とな
る。
【0064】さらに、熱電変換素子として1組のみの熱
電対を使用しており、上記の中空構造及び微細加工され
たポリシリコン構造と併せて、微細画素の構成が可能で
あると同時に、非常に高い感度を得ることが可能となっ
ている。
【0065】また、熱電変換手段を構成する材料を酸化
シリコン膜からなる犠牲層上に直接形成し、その後に該
犠牲層をエッチングすることによって半導体基板と熱電
変換手段との間の中空構造を形成しているので、極めて
簡単な製造工程により、高感度な赤外線固体撮像装置を
形成できる。
【0066】さらに、熱電変換手段を第1の犠牲層上に
直接形成された熱電対材料とし、該熱電対材料形成後に
第2の犠牲層となる酸化シリコン膜を形成した後に、熱
電対材料を金属或いは金属シリサイドにより接続するこ
とで熱電対構造を形成し、その後に第1及び第2の犠牲
層を除去することで、半導体基板と熱電変換手段との間
の中空構造を形成すれば、極めて簡単な製造工程により
高感度な赤外線固体撮像装置を形成できる。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図を用
いて説明する。
【0068】(第1の実施形態)図1は本発明の第1の
実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の単位画素部構造
を説明するための模式図であり、シリコン基板1上に酸
化シリコン膜2の一部を犠牲層としてエッチングして形
成した中空構造8上にp型ポリシリコン3とn型ポリシ
リコン4とをアルミニウム等の温接点コンタクト金属7
−1により接続したサーモパイル型の赤外線固体撮像値
の単位画素構造を示している。
【0069】図1の(a)は単位画素構造の平面図であ
り、(b)(c)は各々(a)のA−A´,B−B´に
沿った断面構造図である。
【0070】中空構造8上には、矩形状に形成されてそ
の一つの角部が第1の支持部分10aを介して基板側に
接続された第1のダイアフラム10が配置されている。
そして、第1のダイアフラム10を囲むように第2のダ
イアフラム9が配置され、このダイアフラム9は第1の
支持部分10aに近接した2箇所で第2の支持部分9
a,9bを介して基板側に接続されている。各々のダイ
アフラム9,10は、例えば窒化シリコン膜で形成され
ている。
【0071】第1のダイアフラム10上にはアルミニウ
ム等の温接点コンタクト金属7−1及び赤外線吸収体層
(図示せず)が積層され、第2のダイアフラム9上には
熱電対材料の配線部分となるp型ポリシリコン膜3とn
型ポリシリコン膜4が設けられている。さらに、各ポリ
シリコン膜3,4は、第1のダイアフラム10の第1の
支持部分10aの対角位置6−1で温接点コンタクト金
属7−1に接続されている。
【0072】また、図1における冷接点は熱電対材料で
あるポリシリコン膜3,4と接続した金属、例えばアル
ミニウム等の冷接点金属7−2が酸化シリコン膜2,5
中に埋め込まれた構造としており、シリコン基板1を冷
接点としている。
【0073】図1の構造においては、入射した赤外線は
赤外線吸収体層(図示せず)において熱に変換され赤外
線吸収体層と温接点金属7−1の温度を上昇させる。一
方、冷接点金属7−2はシリコン基板1により冷却され
ているので温度上昇しない。従って、入射赤外線量によ
って比例した温度差が温接点−冷接点間に生じ、この温
度差がゼーベック効果により温接点−冷接点間の電位差
に変換されて、出力される。
【0074】ここで、図1においては、従来構造として
示した図13と比較して、熱電対の温接点−冷接点間の
熱コンダクタンスGが大幅に低減されていることが判
る。
【0075】図1と図13との比較のために、適当なサ
イズとして中空構造部分の面積を100μm×100μ
m=1×104 μm2 、熱電対材料としてp型及びn型
に不純物ドーピングされたポリシリコン膜を、その厚さ
が0.07μm、その加工線幅が0.6μmとなるよう
に形成した場合における温接点と冷接点との間の熱コン
ダクタンスGを概算する。
【0076】図13に示す従来構造では、ダイアフラム
上の温接点とダイアフラムに隣接する冷接点との距離L
が3種類の熱電対を合計12対直列配列しており、その
うちわけはL1=50μm;2対、L2=35μm;6
対、L3=15μm;4対である。
【0077】また、ダイアフラムによる付加的な熱コン
ダクタンスの増加を無視して、熱コンダクタンスは熱電
対材料のみによるとすれば、熱コンダクタンスGは1.
2×10-6W/Kと概算される。
【0078】このとき、十分に低い周波数で変調されて
いる赤外光を想定すれば、(式1)より、熱電対を12
対直列配列することによる出力電圧の増加効果を、単一
熱電対構造における熱コンダクタンスの低減効果に置換
することが可能であるので、その効果を考慮すれば、G
´=G/N=G/12=1.7×10-7W/Kとなる。
【0079】一方、図1に示す構造では、熱電対は1対
のみであり、熱電対材料であるポリシリコンの、温接点
と冷接点との間の長さLは150μmである。図1にお
いても従来構造と同様の仮定のもとで、熱コンダクタン
スGを概算すれば、G=3×10-8W/Kという値を得
る。従って、熱電対の直列効果を含めての比較において
も、図1の構造によれば図13の従来構造の約6倍もの
高感度化が得られることが判る。
【0080】このように本実施形態によれば、赤外線吸
収体層及び温接点コンタクト金属7−1を設置するため
の第1のダイアフラム10と、熱電対の配線部分となる
ポリシリコン膜3,4を支持するための第2のダイアフ
ラム9とを設け、ポリシリコン膜3,4を第1のダイア
フラム10上のコンタクト金属7−1に接続して熱電対
の温接点を形成しているので、熱電対の温接点とシリコ
ン基板1との間の熱コンダクタンスの極めて小さくする
ことができ、これにより赤外線検出感度の大幅な向上を
はかることができる。
【0081】(第2の実施形態)図2は、本発明の第2
の実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の単位画素部構
造を説明するための模式図であり、シリコン基板1上に
酸化シリコン膜2の一部を犠牲層としてエッチングして
形成した中空構造8上にp型ポリシリコン3とn型ポリ
シリコン型4とをアルミニウム等の温接点コンタクト金
属7−1により接続したサーモパイル型の赤外線固体撮
像値の単位画素構造を示している。
【0082】図2の(a)は単位画素構造の平面図であ
り、(b)(c)は各々(a)のA−A´,B−B´に
沿った断面構造図である。
【0083】また、図2における冷接点は熱電対材料で
あるポリシリコン膜3,4と接続した金属、例えばアル
ミニウム等の冷接点金属7−2が酸化シリコン膜2,5
中に埋め込まれた構造としており、シリコン基板1を冷
接点としている。
【0084】図2の構造においても、入射した赤外線は
赤外線吸収体層において熱に変換され赤外線吸収体層と
温接点金属7−1の温度を上昇させる。一方、冷接点金
属7−2はシリコン基板1により冷却されているので温
度上昇しない。
【0085】図2と図1との違いは、熱電対の温接点コ
ンタクト金属7−1及び赤外線吸収材料層を支持する第
1のダイアフラム10と、熱電対材料となっているポリ
シリコンの配線層3,4を支持する第2のダイアフラム
9とが、同一の材料層により一体形成されており、かつ
半導体基板1との支持構造は第2のダイアフラム9のみ
が有しており、熱電対の温接点コンタクト金属7−1及
び赤外線吸収材料層を支持する第1のダイアフラム10
は第2のダイアフラム9によって支持されていることで
ある。
【0086】より具体的には、第1のダイアフラム10
は矩形の一部を対角線方向に沿って周辺部から一部切欠
した形状であり、第2のダイアフラム9はZ字型に形成
されており、各々の中心部が共通となっている。
【0087】図2の構造においては、赤外線の吸収によ
り温度が上昇する領域を支持する第1のダイアフラム1
0がシリコン基板1には直接支持されていないために、
第1のダイアフラム10の熱伝導に起因する熱電対の温
接点と冷接点間との間の熱コンダクタンスの増加は全く
発生しない。
【0088】従って、同一の入射赤外光に対する感熱部
の温度上昇を大きくすることが可能であるので、高感度
の赤外線固体撮像装置が実現できる。
【0089】(第3の実施形態)図3は、本発明の第3
の実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の単位画素部構
造を説明するための模式図であり、シリコン基板1上に
酸化シリコン膜2の一部を犠牲層としてエッチングして
形成した中空構造8上にp型ポリシリコン3とn型ポリ
シリコン型4とをアルミニウム等の温接点コンタクト金
属7−1により接続したサーモパイル型の赤外線固体撮
像値の単位画素構造を示している。
【0090】図3の(a)は単位画素構造の平面図であ
り、(b)(c)は各々(a)のA−A´,B−B´に
沿った断面構造図である。
【0091】また、図3における冷接点は熱電対材料で
あるポリシリコン膜3,4と接続した金属、例えばアル
ミニウム等の冷接点金属7−2が酸化シリコン膜2,5
中に埋め込まれた構造としており、シリコン基板1を冷
接点としている。
【0092】図3の構造においても、入射した赤外線は
赤外線吸収体層において熱に変換され赤外線吸収体層と
温接点金属7−1の温度を上昇させる。一方、冷接点金
属7−2はシリコン基板1により冷却されているので温
度上昇しない。
【0093】図3と図2との違いは、熱電対の温接点金
属7−1及び赤外線吸収材料層を支持する第1のダイア
フラム10と、熱電対材料となっているポリシリコンの
配線層3,4を支持する第2のダイアフラム9とが、異
なる材料層により形成されていることであり、図3の例
では第1のダイアフラム10と第2のダイアフラム9の
いずれも窒化シリコン膜により形成した例である。
【0094】図3の構造においても、図2と同様に、半
導体基板1との支持構造は第2のダイアフラム9のみが
有しており、熱電対の温接点金属7−1及び赤外線吸収
材料層(不図示)を支持する第1のダイアフラム10は
第2のダイアフラム9によって支持されている。
【0095】従って、図3の構造においては、図2と同
様に赤外線の吸収により温度が上昇する領域を支持する
第1のダイアフラム10が直接、半導体基板1に支持さ
れていないために、第1のダイアフラム10の熱伝導に
起因する熱電対の温接点7−1と冷接点7−2との間の
熱コンダクタンスの増加は全く発生しない。
【0096】さらに、図2及び図3における赤外線吸収
体層(不図示)が、熱電対の温接点金属7−1を覆うよ
うに形成されるという一般的構造である場合で比較すれ
ば、図2において温接点金属7−1に示される面積と比
べて、図3における温接点金属7−1の面積が、明らか
に大面積化されていることから、図3の構造において
は、赤外線吸収体層(不図示)が図2よりも大面積化さ
れている。
【0097】従って、単位画素面積Spと赤外線吸収体
層面積Saとの比により定義される開口率(Fill Facto
r :FF=Sa/Sp)は図2の構造よりも図3の構造
の方が向上している。
【0098】一方、入射赤外線パワーPirと、画素面積
Sp、赤外線吸収体層の吸収率Aとを用いれば、赤外線
吸収体層における吸収パワーPinは、 Pin=Pir×A×FF×Sp として表現される。
【0099】また、熱電対両端に発生している温度差を
ΔTとした場合の、熱電対配線を含む熱コンダクタン
ス:Gによる赤外線吸収体層からの損失パワーPout
は、 Pout =G×ΔT である。
【0100】一方、十分低周波領域で熱容量の影響が無
い状況を仮定すれば、Pin=Poutなので、 Pir×A×FF×Sa=G×ΔT となる。
【0101】図1、2、3に示すように、熱電対が画素
内部に1対のみ構成されている場合には、ゼーベック係
数をSとすれば、出力電圧Voutは、 として表現される。
【0102】即ち、図3においては図2の構造よりも、
開口率FFを増大可能であるので、同一の入射赤外光に
対する感熱部の温度上昇を大きくすることが可能であ
り、従って、さらに高感度の赤外線固体撮像装置が実現
できる。
【0103】また、図3に示すように、第1のダイアフ
ラム10として窒化シリコン膜を用いることは、第1の
ダイアフラム10を単なる支持板としての機能だけでは
なく、赤外線吸収体層(不図示)及び温接点金属7−1
とポリシリコン膜3,4との間の熱コンダクタンスを低
下させる効果も発生する。
【0104】何故なら、図3(c)の断面構造に示され
るように第1のダイアフラム10と第2のダイアフラム
9とがオーバーラップする領域における、中空構造部分
には赤外線固体撮像装置をパッケージした際の封止雰囲
気が存在しているために、この雰囲気の熱伝導に起因し
た感度低下が発生する可能性があるからである。
【0105】この場合には、雰囲気による熱伝導は、上
記のオーバーラップ領域の面積に比例し、オーバーラッ
プ部分の距離に反比例する。そして、図3の構造のよう
に第1のダイアフラム10を窒化シリコン膜により形成
することで、第1のダイアフラム形状を下に凸とするこ
とが可能であり、従って、上記の雰囲気による熱伝導に
よる感度低下を防止可能であり、より好ましい。
【0106】このダイアフラム形状の変形は、2種類の
物理的作用に起因している。一つは窒化シリコン膜の内
部応力が温接点金属7−1よりも大きく、かつ圧縮応力
であることであり、もう一つは窒化シリコン膜と温接点
金属との熱膨張係数が異なり、窒化シリコン膜堆積後の
冷却により温接点金属が収縮することである。
【0107】例えば、プラズマCVDにより堆積した窒
化シリコン膜の内部応力は約1000MPaの圧縮応力
であり、アルミニウムの約0.001MPaやチタンの
約0.0001MPaの応力を遥かに上回る。
【0108】また、これらの材料の熱膨張率(線膨脹
率)は各々5×10-7-1、2.5×10-5-1、8.
5×10-6-1であり、堆積温度が高いとはいえ、絶対
温度で表現すれば高々2〜3倍程度の温度で堆積する窒
化シリコン膜の変形は最も小さく、従って温接点金属の
収縮によって、ダイアフラムは下に凸となる形に変形す
る。
【0109】上記の各種定数を用いれば、例えば図3
(c)断面におけるダイアフラム10の長さ(図3
(a)におけるダイアフラム10の対角長)が50μm
であるときには、上記の2種類の効果によってダイアフ
ラム10の端部は、図3(c)の状態からさらに、約5
μm上昇した位置でバランスするような形状となる。
【0110】同様に図1、2、3に示すように、全ての
ダイアフラム9、10を窒化シリコン膜とすれば、全く
同様の理由から、ダイアフラム9と半導体基板1との間
隔を拡大することが可能であるので、上記の雰囲気によ
る熱伝導による感度低下を防止可能であり、より好まし
い。
【0111】勿論、図1、2、図3の構造を基本構造と
して、例えばポリシリコン膜3,4及び第2のダイアフ
ラムを画素内部の中空構造8上で折り返す構造とするこ
とでポリシリコン配線長Lをさらに延長することも可能
であり、この方法によれば熱電対の温接点と冷接点との
間の熱コンダクタンスを容易に低減可能であり、従って
更に赤外線感度を向上可能であり、より好ましい。
【0112】また、図1、2、3においては、ダイアフ
ラム材料として窒化シリコン膜9を用いた例を示した
が、例えばこのダイアフラム材料を酸化シリコン膜とし
て同様に製造すれば、図1の構造において熱電対及び赤
外線吸収体層は、各々熱電対配線自身3,4及び温接点
金属7−1自身とそして赤外線吸収体層(不図示)自身
により支持される形状となる。
【0113】この場合には、ダイアフラムの存在そのも
のが無くなるために、温接点と冷接点間の熱コンダクタ
ンスはダイアフラムによる付加的なコンダクタンス増加
が発生しない。従って、熱コンダクタンスは低減され、
さらに高感度化される。
【0114】また、図1、2、3では、シリコン基板1
を、シリコン酸化膜2内部の中空構造8を形成するため
のエッチングにおけるエッチングストッパとして示して
いるが、シリコン基板1とシリコン酸化膜2の界面に相
当する位置にシリコン窒化膜等の、シリコン酸化膜2と
のエッチング選択性のある材料層を形成すれば、このシ
リコン窒化膜とシリコン基板1との間には自由に構造物
を内蔵可能である。
【0115】さらに、コンタクト金属7−1,7−2と
して金属シリサイド、例えばモリブデンシリサイド等を
使用することも可能であり、その場合には一般的に金属
シリサイドが薬品耐性が高いことから、よりエッチング
速度の速い、例えば弗化水素酸溶液等を用いることが可
能となり、より好ましい。
【0116】(第4の実施形態)図4は本発明の第4の
実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の単位画素部構造
を説明するための模式図であり、シリコン基板1上に酸
化シリコン膜2の一部を犠牲層としてエッチングして形
成した中空構造8上にp型ポリシリコン膜3とn型ポリ
シリコン膜4とを温接点コンタクトホール6−1を介し
て、例えばアルミニウム等の温接点コンタクト金属7−
1により接続したサーモパイル型の赤外線固体撮像値の
単位画素構造を示している。
【0117】図4の(a)は単位画素構造の平面図であ
り、(b)は(a)のA−A′に沿った断面構造図であ
る。
【0118】また、図4における冷接点は冷接点コンタ
クト6−2を介して熱電対材料であるポリシリコン膜
3,4と接続した金属、例えばアルミニウム等の冷接点
金属7−2が酸化シリコン膜2,5中に埋め込まれた構
造としており、シリコン基板1を冷接点としている。
【0119】図4の構造においては、入射した赤外線は
温接点金属7−1の温度を上昇させるが、冷接点金属7
−2はシリコン基板1により冷却されているので温度上
昇しない。従って、入射赤外線量によって比例した温度
差が温接点−冷接点間に生じ、この温度差がゼーベック
効果により温接点−冷接点間の電位差に変換されて、出
力される。
【0120】ここで、図4においては、従来構造として
示した図12と比較して、温接点金属7−1の熱容量C
及び温接点−冷接点間の熱コンダクタンスGが大幅に低
減されている。
【0121】図4の構造においては、温接点金属7−1
をヒートシンクであるシリコン基板1との間に存在する
中空構造8により熱分離するための支持材が、熱電対材
料であるポリシリコン膜3,4自身からなっている。
【0122】また、図4の構造においては、温接点金属
7−1の熱容量は温接点金属7−1及び熱電対材料であ
るポリシリコン膜3,4の一部のみから決定される。即
ち、図4の構造においては、従来例で示される支持材の
存在による熱コンダクタンスG及び熱容量Cの増加が発
生しないために、従来構造よりも高感度の赤外線固体撮
像が可能となる。
【0123】本実施形態は、熱電対を複数個直列接続し
た場合や、ボロメータ型の赤外線固体撮像装置において
も、その熱容量と熱コンダクタンスを低減することで高
感度化が実現できることは言うまでもない。
【0124】なお、図4のように、熱容量及び熱コンダ
クタンスが熱電対材料自身のみによって決まる構造の場
合には、通常のサーモパイル型赤外線固体撮像装置で採
用されている熱電対の直列接続は、もはや高感度化の手
段としては不適当となる。
【0125】図4の構造を基本熱電対構造として、これ
をN個直列接続した場合には、熱コンタクダンスはN・
Gで表現され、同様に熱容量はN・Cで表現される。こ
れらの値を、前述の(式1)に適用すれば、Nの項が相
殺される。即ち、図4の構造では熱電対のN個直列接続
は高感度化の手段ではなく、その微細化を含めて考えて
も図4に示した構造を単独の画素構造として使用するこ
とが好ましい。
【0126】(第5の実施形態)図5は本発明の第5の
実施形態に係わる赤外線固体撮像装置を説明するための
もので、(a)は単位画素構造の平面図、(b)は
(a)のA−A´に沿った断面構造図である。
【0127】図5に示す赤外線固体撮像装置の画素構造
は基本的には図4と等価であるが、熱電対材料の配置が
図4とは異なり、p型ポリシリコン膜3とn型ポリシリ
コン膜4が並行して配置されており、冷接点金属7−2
同士も隣接配置されている。
【0128】図5の構造においては、その平面構造を正
方形とした、いわゆる正方画素を容易に構築できるとい
う効果がある。また、同時に、熱電対材料であるポリシ
リコン膜3,4の温度変化による膨張の影響を、図5の
左側の空間にて吸収可能でもある。
【0129】なお、図4及び図5では、シリコン基板1
を、シリコン酸化膜2内部の中空構造8を形成するため
のをエッチングにおけるエッチングストッパとして用い
ているが、シリコン基板1とシリコン酸化膜2との界面
に相当する位置にシリコン窒化膜等の、シリコン酸化膜
2とのエッチング選択性のある材料層を形成すれば、こ
のシリコン窒化膜とシリコン基板1との間には自由に構
造物を内蔵することが可能である。
【0130】次に、図4及び図5の構造を得るための製
造工程について、図5を例に図6で説明するが、熱電変
換手段と関係の無い、信号読み出し手段の製造工程につ
いては省略する。
【0131】まず、図6(a)に示すように、シリコン
基板1上にシリコン酸化膜2を1μm形成する。このシ
リコン酸化膜2の形成は、熱酸化法でもCVD法でもか
まわないが、製造工程をより短縮するためには、信号読
み出し回路(不図示)の素子分離のための厚い酸化膜と
同時に形成することが、より好ましい。
【0132】次いで、図6(b)に示すように、熱電対
材料としてp型ポリシリコン膜3を所望の形状に形成す
る。例えば、アンドープのポリシリコン膜をLP−CV
D法により50nm堆積し、p型不純物としてボロンを
15kVでドーズ量=1×1015cm-2としてイオン注
入し、不純物活性化のための熱処理を800℃の窒素ガ
ス雰囲気中で行う。さらに、所望の形状に加工するため
に、フォトグラフィーにより形成した所望のレジストパ
ターンをマスクとして、RIEによりエッチングする。
この工程により、膜中ボロン濃度が2×1019cm-3
p型ポリシリコン膜3のパターンが完成する。
【0133】なお、図6には示していないが、n型ポリ
シリコン膜4もp型ポリシリコン膜3と同様の工程で形
成可能であり、イオン注入の不純物をn型不純物、例え
ばリンとすればよい。
【0134】次いで、図6(c)に示すように、ポリシ
リコン膜3,4上に、例えばLP−CVD法によりシリ
コン酸化膜5を50nm形成し、RIE等により温接点
コンタクトホール6−1及び冷接点コンタクトホール6
−2を形成する。
【0135】次いで、図6(d)に示すように、温接点
コンタクト金属7−1及び冷接点コンタクト金属7−2
として、例えばアルミニウムをスパッタ等により100
nm形成し、所望の形状にRIE等により加工する。
【0136】最後に、図6(e)に示すように、中空構
造8(図6には不図示)を形成するためのレジスト9を
形成し、このレジスト9をマスクとして、コンタクト金
属7−2,7−2及びポリシリコン膜3,4に対して選
択性のあるエッチング方法によりシリコン酸化膜2,5
を等方的にエッチングすれば、前記図5に示す断面構造
を得ることができる。
【0137】この中空構造8を形成するための選択エッ
チングとしては、例えばコンタクト金属7−1,7−2
としてアルミニウムを使用する場合には、酢酸:弗化ア
ンモニウム=1:2の混合エッチング液を使用すること
が可能である。このとき、1μmのシリコン酸化膜なら
ば、室温で6分程度のエッチングで中空構造8が形成で
きる。
【0138】また、コンタクト金属として金属シリサイ
ド、例えばモリブデンシリサイド等を使用することも可
能であり、その場合には一般的に金属シリサイドが薬品
耐性が高いことから、よりエッチング速度の速い、例え
ば弗化水素酸水溶液等を用いることが可能となり、より
好ましい。
【0139】(第6の実施形態)図7は本発明の第6の
実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の単位画素部構造
を説明するための模式図であり、シリコン基板1上に酸
化シリコン膜2の一部を犠牲層としてエッチングして形
成した中空構造8上にp型ポリシリコン膜3とn型ポリ
シリコン膜4とをアルミニウム等の温接点コンタクト金
属7−1により接続したサーモパイル型の赤外線固体撮
像値の単位画素構造を示している。
【0140】図7の(a)は単位画素構造の平面図であ
り、(b)(c)は(a)のA−A′,B−B′に沿っ
た断面構造図である。
【0141】また、図7における冷接点は熱電対である
ポリシリコン膜3,4と接続した金属、例えばアルミニ
ウム等の冷接点金属7−2が酸化シリコン膜2,5中に
埋め込まれた構造としており、シリコン基板1を冷接点
としている。
【0142】図7の構造においては、入射した赤外線は
温接点金属7−1の温度を上昇させるが、冷接点金属7
−2はシリコン基板1により冷却されているので温度上
昇しない。従って、入射赤外線量によって比例した温度
差が温接点−冷接点間に生じ、この温度差がゼーベック
効果により温接点−冷接点間の電位差に変換されて、出
力される。
【0143】ここで、図7においては、従来構造として
示した図12と比較して、温接点金属7−1の熱容量C
及び温接点−冷接点間の熱コンダクタンスGが大幅に低
減されている。
【0144】図7の構造においては、温接点金属7−1
をヒートシンクであるシリコン基板1との間に存在する
中空構造8により熱分離するための支持材が、熱電対材
料であるポリシリコン膜3,4の自身からなっている。
【0145】また、図7の構造においては、温接点金属
7−1の熱容量は温接点金属7−1及び熱電対材料であ
るポリシリコン膜3,4の一部のみから決定される。即
ち、図7の構造においては、従来例で示される支持材の
存在による熱コンダクタンスG及び熱容量Cの増加が発
生しないために、従来構造よりも高感度の赤外線固体撮
像が可能となる。
【0146】本実施形態は、熱電対を複数個直列接続し
た場合や、ボロメータ型の赤外線固体撮像装置において
も、その熱容量と熱コンダクタンスを低減することで高
感度化が実現できることは言うまでもない。
【0147】なお、図7のように、熱容量及び熱コンダ
クタンスが熱電対材料自身のみによって決まる構造の場
合には、通常のサーモパイル型赤外線固体撮像装置で採
用されている熱電対の直列接続は、もはや高感度化の手
段としては不適当となる。
【0148】図7の構造を基本熱電対構造として、これ
をN個直列接続した場合には、熱コンタクダンスはN・
Gで表現され、同様に熱容量はN・Cで表現される。こ
れらの値を、前述の(式1)に適用すれば、Nの項が相
殺される。即ち、図7の構造では熱電対のN個直列接続
は高感度化の手段ではなく、その微細化を含めて考えて
も図7に示した構造を単独の画素構造として使用するこ
とが好ましい。
【0149】また、図7においては、単一の熱電対を熱
電変換手段として使用し、熱電対自身での中空構造上支
持という特徴だけでなく、熱電対材料であるポリシリコ
ン膜3,4が極めて微細に加工されているという特徴が
示されている。そして、そのポリシリコン膜3,4の断
面形状に注目すれば、図7(c)に示されるように、そ
の高さがその幅よりも大きい、縦長の断面構造に加工さ
れている。
【0150】図7(c)に示す断面構造においては、前
述したように温接点を支持するときの温接点の変位を大
幅に抑制できる。即ち、機械的な強度が大幅に向上する
ことになり、赤外線固体撮像装置の外部から機械的ショ
ックに対する耐久性が大幅に向上することになる。そし
て、ポリシリコン膜3,4が極めて微細に加工されてい
ることから、その断面積は大幅に微細化されるために、
熱電対の温接点7−1と冷接点7−2との間の熱コンダ
クタンスGは大幅に低減されるので、赤外線固体撮像装
置としての感度が大幅に向上している。
【0151】ここで、図7に示す本発明の実施形態と従
来技術とを、感度の点で比較する。サーモパイル型赤外
線固体撮像装置における感度は、前記(式1)に示した
通りだが、実際にサーモパイルを2次元的に配列した固
体撮像装置においては、(式1)に示した感度だけでは
なく、単位画素面積Spixel と実際に赤外光を検出する
検出部面積Sdetectとの比として定義される開口率FF
=Sdetect/Spixelと感度Rとの積が実質的な感度と
なる。
【0152】勿論、画素毎に形成された光学系であるマ
イクロレンズにより画素部への入射光を検出部に集光す
ることで、光学的に開口率を向上することで実感度R・
FFを向上可能であるが、その内部に中空構造を有する
熱電変換型の赤外線固体撮像装置では、その形成は極め
て困難であるので、以下の計算では、光学的な開口率向
上手段を施さない状態での比較を行う。
【0153】また、感度Rの比較を行うにあたって、そ
の時の入射光の変調周波数の増加による感度低下を考慮
する必要があるが、以下の計算では入射光の変調周波数
の影響が現れない、十分低い周波数領域での比較を行
う。さらに、検出部における赤外光の吸収率を向上する
膜として、その吸収率が約0.9である金の黒化膜を形
成して比較している。
【0154】まず、第1の従来構造として画素面積:S
pixel =100×100=104 μmで、熱電対の直列
接続数:N=32、熱電対材料が幅:Wpoly=0.6μ
mで厚さ:Hpoly=0.07μmのポリシリコンであ
り、熱電対の支持層として酸化シリコン層を形成し、ポ
リシリコン犠牲層のエッチングにより中空構造を形成し
ているサーモパイル型の赤外線固体撮像装置(Toshio K
anno, et al.,Proc.SPIEVol.2269, pp.450-459, 1994
)を考えれば、感度Rとして1550V/Wが報告さ
れている。この素子においては、開口率FFは約10%
程度であり、実質的な感度は、R・FF=155V/W
となる。
【0155】次に、比較例として図5に示す微細画素構
造については、画素寸法:Pix=5.6μm、温接点と
冷接点との間隔:Lpoly=1.2μm、ポリシリコン
幅:Wpoly=0.8μm、ポリシリコン厚さ:Hpoly=
0.05μmであり、熱電対は直列接続しておらず、N
=1である。
【0156】この画素構造では、開口率FF=6.1%
であり、実質的な感度は、R・FF=4.8V/Wとな
ってしまい、微細化によって大幅に感度が低下してしま
う。この原因は、微細化に伴って温接点と冷接点との間
隔:Lpoly=1.2μmにまで短縮されてしまったにも
拘らず、ポリシリコン幅Wpolyや、ポリシリコン厚さH
polyが縮小されなかったことによる、熱コンダクタンス
Gの増加による。
【0157】一方、本発明の実施形態である図7の構造
によれば、画素寸法:Pixや温接点と冷接点との間隔L
polyを図5と同一寸法とした微細画素であるにも拘ら
ず、ポリシリコンを微細に加工したことで、熱コンダク
タンスGの増加を抑制しており、従って感度の低下も大
幅に抑制されている。
【0158】具体的には、ポリシリコン幅Wpoly=0.
05[μm]、厚さHpoly=0.1[μm]であり、図
7(c)に示すような断面構造であるので、ポリシリコ
ン断面積Spoly=4.46×10-15 [m2 ]と、大幅
に縮小されているので、実質的な感度R・FF=57
[V/W]が得られている。この値は、第1の従来例と
して示した画素寸法が100μmという、大型画素構造
の素子と比較しても遜色ない高い値である。
【0159】仮に、画素縮小を画素寸法が5.6μmと
いう水準まで求めなければ、この感度はさらに向上す
る。例えば、単純に図7の構造を2倍・3倍にスケーリ
ングすれば、2μm画素ではR・FF=114V/W
が、16.8μm画素ではR・FF=171V/Wとい
う高い値を、微細画素構造において実現できる。
【0160】なお、図7及び図5では、シリコン基板1
を、シリコン酸化膜2内部の中空構造8を形成するため
のをエッチングにおけるエッチングストッパとして示し
ているが、シリコン基板1とシリコン酸化膜2の界面に
相当する位置にシリコン窒化膜等の、シリコン酸化膜2
とのエッチング選択性のある材料層を形成すれば、この
シリコン窒化膜とシリコン基板1との間には自由に構造
物を内蔵可能である。
【0161】(第7の実施形態)次に、本発明の第6の
実施形態の赤外線固体撮像装置の製造方法を、図8〜1
0を用いて説明するが、熱電変換手段と関係の無い、信
号読み出し手段の製造工程について省略する。
【0162】図8は、赤外線固体撮像装置の熱電対材料
であるポリシリコン膜を極めて微細に加工する方法を説
明するための模式図である。図9は、赤外線固体撮像装
置の熱電対材料である微細加工されたポリシリコン膜
を、温接点及び冷接点近傍で、分離するための加工方法
を説明するための模式図である。図10は、赤外線固体
撮像装置の熱電対材料であるポリシリコン膜を、温接点
において接続する方法を説明するための模式図である。
【0163】ポリシリコン膜の微細加工方法について図
8を用いて説明する。まず、シリコン基板1上にシリコ
ン酸化膜2を1μm形成する。このシリコン酸化膜2の
形成は、熱酸化法でもCVD法でもかまわないが、製造
工程をより短縮するためには、信号読み出し回路(不図
示)の素子分離のための厚い酸化膜と同時に形成するこ
とが、より好ましい。
【0164】図8は、図7(a)における熱電対の温接
点7−1近傍に相当する部分を拡大したものとほぼ等価
の断面構造図であり、図8(a)はポリシリコン膜を微
細に形成するために酸化シリコン膜からなる犠牲層2に
段差構造を形成した状態である。
【0165】図8(a)では、フォトリソグラフィーに
よる加工限界によって犠牲層2の段差形状を形成したも
のとしており、犠牲層加工時のレジスト形成幅をLine
として、またレジスト除去幅Spaceとして各々記載して
いる。同時に、犠牲層2の段差構造の段差の高さをSte
p として記載しており、この段差構造凹部を9として定
義している。
【0166】このように段差加工した犠牲層2上に、図
8(b)に示すように、等方的膜法として例えば減圧C
VD法等によりポリシリコン膜11を、膜厚=Dpolyと
なるようにコンフォーマルに成膜する。
【0167】次いで、犠牲層2に対して選択性のある異
方性エッチングとして、例えばRIE等によりポリシリ
コン膜11をエッチングすることにより、図8(c)の
微細加工されたポリシリコン構造を得る。ここで、ポリ
シリコン膜11のエッチング量としてEpolyを図示して
いる。図8(c)に示したポリシリコン構造は、まさし
く図7(c)に示したポリシリコン構造と同一形状であ
ることが判る。
【0168】そして、完成したポリシリコン膜11にお
ける断面構造を、仮にその高さHpolyと、その幅Wpoly
とで規定するものとすれば、これらは、 Hpoly=Step +Dpoly−Epoly Wpoly=Dpoly として表現されるものであり、従ってフォトリソグラフ
ィーによる加工限界である図8(a)におけるLine や
Spaceには全く依存せず極めて微細な加工が可能であ
り、同時にStep ,Dpoly,Epolyという容易に制御可
能なプロセスパラメータによって容易に制御可能であ
る。
【0169】次に、図8に示したように微細加工された
ポリシリコン膜11を、温接点及び冷接点において分離
する方法を図9を用いて説明する。図9は、図7(a)
に示した画素構造のためのポリシリコン構造を形成する
方法を説明しており、図7(a)の平面構造とほぼ等価
な平面構造図である。
【0170】図8(c)に示した構造のポリシリコン構
造が完成した時点での画素部分の平面図が図9(a)に
相当しており、犠牲層2内部の凹部9の側壁部分に微細
加工されたポリシリコン膜11が形成されている。
【0171】そして、図9(a)に示すように、温接点
近傍のレジスト開口13−1と冷接点近傍のレジスト開
口13−2の開口部を形成したレジストパターン12を
形成する。
【0172】このレジストをマスクとして、犠牲層2に
対して選択性があるエッチングをポリシリコン膜11に
対して施すことで、図9(b)に示すように分離された
ポリシリコン膜3,4を形成する。そして、このように
分離したポリシリコン膜3,4に対して、各々独立に不
純物ドーピングを例えばイオン注入により行うことによ
って、各々p型とn型に不純物ドープされたポリシリコ
ン膜3,4が形成される。
【0173】例えば、p型不純物としてボロンを15k
Vでドーズ量=1×1015cm-2としてイオン注入し、
不純物活性化のための熱処理を800℃の窒素ガス雰囲
気中で行うことで、膜中ボロン濃度が2×1019cm-3
のp型ポリシリコン膜3のパターンが完成する。n型ポ
リシリコン膜4もp型ポリシリコン膜と同様の工程で形
成可能であり、イオン注入の不純物をn型不純物であ
る、例えばリンとすればよい。
【0174】次いで、温接点コンタクトホール6−1及
び冷接点コンタクトホール6−2をRIE等により形成
し、温接点コンタクト金属7−1及び冷接点コンタクト
金属7−2として、例えばアルミニウムをスパッタ等に
より100nm形成し、所望の形状にRIE等により加
工することで熱電対が完成するが、本発明の実施形態に
おいては、いわゆるコンタクトホールという概念とは若
干異なる方法でポリシリコン膜3,4と接点金属7−
1,7−2とを接続するので、その接続方法を図10に
より説明する。
【0175】図10は、図8に示した方法により形成し
たポリシリコン膜3,4上に酸化シリコンからなる犠牲
層2を追加形成し、さらにポリッシング法やリフロー法
やエッチング法等の技術により表面を平坦化した状態で
あり、図10(a)(b)は図8とほぼ等価である。
【0176】図10(a)の形状となった素子に温接点
コンタクト6−1及び冷接点コンタクト6−2を形成す
るのだが、本実施形態においては接続対象のポリシリコ
ン膜3,4がリソグラフィーによる加工限界よりも遥か
に微細に加工されているために、いわゆるコンタクトホ
ールを形成することはできない。
【0177】従って、図10(c)(d)に示される温
接点金属7−1の領域を僅かに拡大した領域にコンタク
トホールに相当する犠牲層2のエッチングを施すことに
なる。
【0178】図10では、図示した全部の領域がこのコ
ンタクトホールに相当するものとして説明を進める。
【0179】図10(a)なる構造の画素領域に対し
て、フォトリソグフィーにより定義されたコンタクトホ
ールに相当するレジストパターンをマスクに犠牲層2を
所望の量だけエッチングしたときの断面図が図10
(b)である。
【0180】次いで、図10(b)に対して、接点金属
として例えばアルミニウムをスパッタ等により100n
m形成し、所望の形状にRIE等により加工することで
図10(c)(d)に示すように熱電対が完成する。
【0181】ここで、図8、9の説明においては、犠牲
層2の凹部9内の側壁に形成されたポリシリコン膜を一
対の熱電対材料として形成する方法を説明してきたが、
逆に凸形状外の側壁に形成されたポリシリコン膜を一対
として熱電対を形成する方法も可能である。
【0182】図8においては、図中の3本のポリシリコ
ン膜のうち左側2本を一対とするのででなく、右側2本
を一対とすれば良く、図9においては、凹部として定義
した9の領域を逆に凸部として定義すれば、概ね同様に
説明できる。
【0183】しかし、一つの凹部内の側壁に形成された
ポリシリコン膜を一対として温接点7−1を形成する方
法(図10(c))が、幾つかの理由で優れている。
【0184】まず、出来上がりの最小寸法で比較する。
最小加工寸法がLine =Space(図8(a)参照)で同
一であり、ポリシリコン加工のためのプロセスパラメー
タが同一の場合について、図10(c)(d)に凹部内
壁の熱電対の温接点と凸部外壁の熱電対の温接点とを各
々示し、その接点金属幅を各々Whc1,Whc2とし
て表示してある。
【0185】その製造方法からも明らかなように、Wh
c1<Whc2となることが図からも判る。
【0186】従って、画素に微細化においては、一つの
凹部内壁のポリシリコン膜同士を接続することで温接点
を形成する方法が有利である。
【0187】さらに、図10(c)(d)に矢印で示し
た部分に注目すれば、凹部内壁のポリシリコン膜からな
る熱電対が構造的により安定であることが判る。
【0188】接点金属の形状方法としては、スパッタ等
の物理的堆積法を用いることが一般的であるが、その場
合には段差部でのステツプカバレージが問題となる。
【0189】従って、ポリシリコン膜の断面構造におい
て曲線部分同士が対向し接点を構成する図10(c)で
は確実に接点金属による接触が可能であるので対して、
図10(d)では矢印部分において接点金属膜厚が減少
し、いわゆる段切れが発性してしまう場合もある。
【0190】以上、2点の理由から、温接点側において
は、一つの凹部内の側壁に形成されたポリシリコン膜同
士を一対の熱電対として接続する図10(c)の構造が
より好ましい。
【0191】最後に、中空構造8を形成するためのレジ
ストを形成し、レジストをマスクとして、コンタクト金
属7−2,7−2及びポリシリコン膜3,4に対して選
択性のあるエッチング方法によりシリコン酸化膜2,5
を等方的にエッチングすれば、図7に示す構造を得るこ
とができる。
【0192】この中空構造8を形成するための選択エッ
チングとしては、例えばコンタクト金属7−1,7−2
としてアルミニウムを使用する場合には、酢酸:弗化ア
ンモニウム=1:2の混合エッチング液を使用すること
が可能である。このとき、1μmのシリコン酸化膜なら
ば室温で6分程度のエッチングで中空構造8が形成でき
る。
【0193】また、コンタクト金属として金属シリサイ
ド、例えばモリブデンシリサイド等を使用することも可
能であり、その場合には一般的にシリサイドが薬品耐性
が高いことから、よりエッチング速度の速い、例えば弗
化水素酸水溶液等を用いることが可能となり、より好ま
しい。
【0194】(第8の実施形態)図11は、本発明の第
8の実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の構造を説明
するための模式図であり、赤外線固体撮像装置が気密パ
ッケージ内に封止されている。
【0195】図11(a)は赤外線固体撮像装置の平面
図であり、図11(b)は赤外線固体撮像装置チップを
含んだ部分の断面構造図である。但し、図11において
は本発明の説明と関係のない部分を省略しており、例え
ば赤外線固体撮像装置チップ上のボンディングパットと
ボンディングワイヤーとパッケージ側のボンディングパ
ッド等のチップボンディングに関する部分や、パッケー
ジからの入出力ピンに関する部分は省略している。
【0196】以下、赤外線固体撮像装置チップの製造工
程及びダイシング工程が完了してから図11の構造に至
るまでの概略工程を説明しながら、図11の構造につい
て説明する。
【0197】まず、ダイシングが完了した赤外線固体撮
像装置チップ81を、接着剤(不図示)によって気密パ
ッケージ82に固定し、赤外線固体撮像装置チップ81
上のボンディングパッド(不図示)と気密パッケージ側
のボンディングパッド(不図示)とを、例えばアルミニ
ウム製のボンディングワイヤー(不図示)によって接続
する。ここで、赤外線固体撮像装置チップ81として
は、前記図12に示す構造のものは勿論のこと、第1〜
第7の実施形態のものを用いることができる。
【0198】次に、所定の充填ガス雰囲気中で、赤外線
固体撮像装置チップ81を固定した気密パッケージ82
上に赤外線透過窓83を気密接着剤84により固定す
る。このとき、気密接着剤84による気密パッケージ8
2と赤外線透過窓83との接着力及び気密性を向上する
ために、必要に応じて加熱処理を行ったり、高エネルギ
ー光照射を行うこともある。
【0199】以上の工程により、図11に示されるよう
に、所定の充填ガス85により気密封止された赤外線固
体撮像装置が完成する。
【0200】本実施形態においては、上記の所定の充填
ガス85を窒素ガスよりも熱伝導率の低い、例えばアル
ゴン,クリプトン,キセノン等のガスとしており、その
結果として赤外線感度の著しい低下を抑制し高感度を維
持したまま、気密パッケージ内部を真空封止する必要が
無いので、小型で低コストで長寿命の赤外線固体撮像装
置を実現している。
【0201】前述のように、非冷却型赤外線固体撮像装
置においては、前記図12に示すように、ヒートシンク
となる半導体基板と熱電変換部との間に空洞を形成する
ことで、熱電変換部とヒートシンクとの間の熱的コンダ
クタンスGの増加を抑制している。
【0202】この図12の空洞による熱的コンダクタン
スの増加を最小にするためには、前記の工程における充
填ガス雰囲気を無くして封止する方法、即ち赤外線固体
撮像装置チップ81を真空封止する方法が一般的である
(例えば、Toshio Kanno, etal., Proc. SPIE Vol.226
9, pp.450-459, 1994,や A.Wood, Proc. IEDM, pp.175-
177, 1993 など)。
【0203】しかし、この真空封止においては、赤外線
透過窓83に対して赤外線透過特性以外に大気圧と真空
との差圧に耐える力学的強度特性が必要とされるため
に、図11(b)においてdwで示した、赤外線透過窓
83の肉厚が増加してしまうと共に、当然赤外線透過特
性も劣化する。また、同様に、気密接着剤84及び気密
パッケージ82についても大気圧に耐え得る力学的強度
が必要とされるために、本実施形態の構造と比較して大
型化すると同時に高コスト化する。さらに、真空封止は
封止材からのガス放出等によるリークを伴うものであ
り、従って内部真空度の劣化に伴う赤外線固体撮像装置
の感度低下等の劣化が発生する。
【0204】一方、本実施形態によれば、上記のような
各種材料に対する力学的強度は要求されず、特に赤外線
透過窓83においては、その肉厚dwを大幅に低減でき
るので、大幅に材料コストが低下するとともにその赤外
線透過率も向上する。
【0205】ところで、現在の可視光固体撮像装置のパ
ッケージ封止においては、充填ガス85として不活性で
あり安価な窒素ガスを用いているが、この窒素ガスによ
る封止方法を赤外線固体撮像装置に適用することは、前
述の図12における空洞による熱的コンダクタンスの増
加が大きく、その結果として赤外線固体撮像装置の感度
が低下してしまい、好ましくない。
【0206】本実施形態においては、前記の充填ガス8
5に窒素ガスより熱伝導率の低いガスを封止すること
で、上記の熱的コンダクタンスの増加を抑制しながら、
素子を真空封止するに必要な力学的強度の要求を排除す
ることで、高感度であり、大幅に製造コストが低く、真
空度低下に伴う特性劣化がなく、従って長寿命である赤
外線固体撮像装置を実現している。
【0207】以下に充填ガス85として、可視光撮像装
置において一般的に使用されている窒素に対して、本発
明の実施例としてアルゴン,クリプトン,キセノンを選
択した場合について、その結果を説明する。
【0208】上記のガス中で最も熱伝導率Kが低いガス
はキセノンであり、その値は5.62×10-3W/m・
Kと窒素の熱伝導率2.60×10-2W/m・Kの1/
4以下である。また、アルルゴン、クリプトンの熱伝導
率は、各々1.77×10-2W/m・Kと、9.42×
10-3W/m・Kであり、いずれも窒素より熱伝導率は
低い。
【0209】このとき、図12に示した空洞が例えば、
平均深さd=2[μm]であり、空洞部において熱電変
換部と基板との対向面積S=100×100=104 μ
2であるとすれば、充填ガスによる熱的コンダクタン
スG(gas)=K×S/dによって求められ、キセノ
ンと窒素では各々2.81×10-5W/Kと、1.3×
10-4W/Kとなる。同様に、アルゴン、クリプトンで
は各々8.85e−5[W/m・k]、4.71e−5
[W/m・k]となる。
【0210】一方、赤外線固体撮像装置の感度Rは、例
えばサーモパイル型の場合には前記(式1)により表現
される。また、ボロメータ型,焦電型においてもGに関
しては類似の表式で表現され(例えば、Paul w. Kruse,
Proc. SPIE Vol. 2552, pp.556-563 )、第1次近似と
して考えれば感度Rは熱的コンダクタンスGに反比例す
る。
【0211】ところで、真空中においては充填ガスによ
る熱的コンタクタンスの増加は発性しないが、図12に
示す構造において熱電変換部を支持する構造物による熱
的コンダクタンスG0が存在する。
【0212】上記の100×100=104 μm2 なる
面積の熱電変換部を有する赤外線固体撮像装置におい
て、この正方形の熱電変換部を4辺から幅w=100μ
m、長さl=10μm、厚さd=1μmの酸化シリコン
膜により支持する場合を考えれば、その時の支持構造物
による熱的コンダクタンスG0は、 G0=4×G(SiO2 )×(w×d)/l により求められ、G0=1.4×10-5W/Kが得られ
る。但し、G(SiO2):酸化シリコン膜の熱伝導率
=1.4W/m・Kである。
【0213】上記の構造の赤外線固体撮像装置チップに
ついて、真空中,キセノン雰囲気中,窒素雰囲気中の3
種類の封止を行った場合の感度、前述の第1次近似によ
り比較するならば、輻射・対流の影響を無視し、支持構
造物による熱的コンダクタンスG0と、真空を含む封止
ガスによる熱的コンダクタンスG(gas)の和の逆数
1/(G0+G(gas))としての比較ができる。真
空中での感度を1とした場合に、窒素封止とキセノン封
止の感度は各々9.7%と、33.3%になることが簡
単な計算により求まる。
【0214】即ち、気密パッケージ構造を小型化,低コ
スト化する目的、可視光撮像装置における窒素ガス封止
を適用した場合には、赤外線固体撮像装置の感度は1/
10以下にまで低下してしまうが、本実施形態に示すキ
セノンガス封止を適用することで、構造の小型化,低コ
スト化に伴う感度の低下を僅か1/3に止めることが可
能となる。勿論、真空封止を行わないことによる効果
は、小型化,低コスト化のみならず、赤外線固体撮像装
置の長寿命化にも及ぶことは前述の通りである。
【0215】また、上述の実施形態における感度の概算
においては、図12に示す空洞部分の平均的深さを2μ
mとして計算しているが、赤外線固体撮像装置チップの
設計において、上記空洞部分をより深い構造とすること
で、気密パッケージ内部の充填ガスの熱伝導に起因する
熱的コンダクタンスの増加をさらに抑制することも可能
であり、より好ましい。同様の効果は、空洞部分の対向
面積を縮小することによって実現できる。
【0216】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種
々変形して実施することができる。
【0217】
【発明の効果】本発明(請求項1,2)によれば、熱電
変換手段としての熱電対の温接点及び赤外線吸収体層を
支持する第1のダイアフラムと、熱電対の配線部分を支
持する第2のダイアフラムが、各々独立に設けられた半
導体基板との接続部分により半導体基板との熱的分離の
ための中空構造上に支持されているので、ダイアフラム
による熱電対の温接点と半導体基板との間の熱コンダク
タンスの増加を大幅に低減することができる。従って、
熱電変換手段としての熱電対の温接点と半導体基板との
間の熱コンダクタンスを十分に小さくすることができ、
赤外線検出感度の向上をはかることが可能となる。
【0218】このように、赤外線固体撮像装置の熱電変
換構造を、その感度を低減することなく、大幅に微細化
することができるので、光学系の縮小や多画素化への対
応が可能となり、微細画素構造からなる赤外線固体撮像
装置の実現に寄与することができる。
【0219】また、本発明(請求項3,4)によれば、
第1及び第2のダイアフラムのうち、第1のダイアフラ
ムを半導体基板には直接支持せずに、熱電対の温接点と
赤外線吸収体層との接続部分において第2のダイアフラ
ムに支持させているため、第1のダイアフラムによる熱
電対の温接点と半導体基板との間の熱コンダクタンスの
増加は発生せず、これにより感度の向上をはかることが
可能となる。さらに、第1及び第2のダイアフラムを独
立に形成した場合、第1のダイアフラムを第2のダイア
フラムよりも上方(赤外線検出側)に設ければ、赤外線
吸収体層の有効面積を増大させることができ、これによ
っても感度の向上をはかることが可能となる。
【0220】また、本発明(請求項5,6)によれば、
熱電変換手段の支持を熱電変換手段自身のみ(熱電対の
配線部分)で行うことにより、熱電変換手段の熱容量及
び熱電変換手段と半導体基板との間の熱コンダクタンス
を大幅に低減することができ、これにより感度の向上と
温度分解能の向上が実現できる。
【0221】また、本発明(請求項7,8)によれば、
熱電変換手段の支持を熱電変換手段自身のみ(熱電対の
配線部分)で行うと共に、熱電対の配線部分(ポリシリ
コン等から形成)の厚さを幅よりも大きくすることによ
り、機械的な強度を十分保持しながら、配線部分の熱コ
ンダクタンスを極めて小さくすることができ、これによ
り感度の向上と温度分解能の向上が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の
単位画素部構造を示す平面図と断面図。
【図2】第2の実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の
単位画素部構造を示す平面図と断面図。
【図3】第3の実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の
単位画素部構造を示す平面図と断面図。
【図4】第4の実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の
単位画素部構造を示す平面図と断面図。
【図5】第5の実施形態に係わる赤外線固体撮像装置を
単位画素部構造を示す平面図と断面図。
【図6】図5の赤外線固体撮像装置の製造工程を示す断
面図。
【図7】第6の実施形態に係わる赤外線固体撮像装置の
単位画素部構造を示す平面図と断面図。
【図8】図7の赤外線固体撮像装置の製造工程を示す断
面図。
【図9】図7の赤外線固体撮像装置の製造工程を示す平
面図。
【図10】図7の赤外線固体撮像装置の製造工程を示す
断面図。
【図11】第8の実施形態に係わる赤外線固体撮像装置
の単位画素部構造を示す示す平面図と断面図。
【図12】従来の赤外線固体撮像装置の単位画素部構造
を示す断面図。
【図13】従来の赤外線固体撮像装置の単位画素部構造
を示す平面図。
【符号の説明】
1…シリコン基板 2…酸化シリコン膜 3…p型ポリシリコン膜 4…n型ポリシリコン膜 5…酸化シリコン膜 6−1…温接点コンタクト(ホール) 6−2…冷接点コンタクト(ホール) 7−1…温接点金属 7−2…冷接点金属 8…中空構造 9…第2のダイアフラム 10…第1のダイアフラム 11…ポリシリコン膜 12…フォトレジスト 13−1…温接点付近におけるポリシリコン加工のため
のレジスト開口 13−2…冷接点付近におけるポリシリコン加工のため
のレジスト開口

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に、赤外線吸収体層への赤外
    線照射により生じた温度変化を電気的信号に変換するた
    めの熱電変換手段と、この熱電変換手段により発生した
    信号を出力する信号出力手段とを有する赤外線固体撮像
    装置であって、 前記熱電変換手段は熱電対により構成されており、該熱
    電対の温接点及び前記赤外線吸収体層を支持する第1の
    ダイアフラムと前記熱電対の配線部分を支持する第2の
    ダイアフラムとが形成され、第1及び第2のダイアフラ
    ムは前記半導体基板との間に各々第1及び第2の支持部
    分を独立に有しており、前記赤外線吸収体層と前記熱電
    対の温接点及び配線部分は第1及び第2のダイアフラム
    により前記半導体基板上の中空構造上に配置されている
    ことを特徴とする赤外線固体撮像装置。
  2. 【請求項2】第1のダイアフラムは矩形状に形成され、
    その一つの角部が第1の支持部分を介して前記半導体基
    板に接続され、第2のダイアフラムは第1のダイアフラ
    ムの回りを囲むように形成され、第1の支持部分に近接
    した2箇所の第2の支持部分を介して前記半導体基板に
    接続され、第1のダイアフラム上に形成される赤外線吸
    収体層は第1のダイアフラムの第1の支持部分の対角位
    置で前記熱電対の温接点と接続されることを特徴とする
    請求項1記載の赤外線固体撮像装置。
  3. 【請求項3】半導体基板上に、赤外線吸収体層への赤外
    線照射により生じた温度変化を電気的信号に変換するた
    めの熱電変換手段と、この熱電変換手段により発生した
    信号を出力する信号出力手段とを有する赤外線固体撮像
    装置であって、 前記熱電変換手段は熱電対により構成されており、該熱
    電対の温接点及び前記赤外線吸収体層を支持する第1の
    ダイアフラムと前記熱電対の配線部分を支持する第2の
    ダイアフラムとが同一材料層により一体形成されてお
    り、第2のダイアフラムは前記半導体基板との間に支持
    部分を有しており、第1のダイアフラムは前記半導体基
    板との間には直接の支持部分を持たず、前記熱電対の温
    接点と前記赤外線吸収体層との接続部分において第1の
    ダイアフラムに支持されており、前記赤外線吸収体層と
    前記熱電対の温接点及び配線部分は第1及び第2のダイ
    アフラムにより前記半導体基板上の中空構造上に配置さ
    れていることを特徴とする赤外線固体撮像装置。
  4. 【請求項4】半導体基板上に、赤外線吸収体層への赤外
    線照射により生じた温度変化を電気的信号に変換するた
    めの熱電変換手段と、この熱電変換手段により発生した
    信号を出力する信号出力手段とを有する赤外線固体撮像
    装置であって、 前記熱電変換手段は熱電対により構成されており、該熱
    電対の温接点及び前記赤外線吸収体層を支持する第1の
    ダイアフラムと前記熱電対の配線部分を支持する第2の
    ダイアフラムとが独立に形成されており、第2のダイア
    フラムは前記半導体基板との間に支持部分を有してお
    り、第1のダイアフラムは前記半導体基板との間には直
    接の支持部分を持たず、前記熱電対の温接点と前記赤外
    線吸収体層との接続部分において第1のダイアフラムに
    支持されており、前記赤外線吸収体層と前記熱電対の温
    接点及び配線部分は第1及び第2のダイアフラムにより
    前記半導体基板上の中空構造上に配置されていることを
    特徴とする赤外線固体撮像装置。
  5. 【請求項5】半導体基板上に、赤外線照射により生じた
    温度変化を電気的信号に変換するための熱電変換手段
    と、この熱電変換手段により発生した信号電荷を出力す
    る信号出力手段とを有する赤外線固体撮像装置であっ
    て、 前記熱電変換手段は熱電対により構成され、該熱電対と
    前記半導体基板との間の一部に中空構造が形成されてお
    り、該熱電対の温接点は該熱電対の配線を構成する材料
    によって前記中空構造上に支持されていることを特徴と
    する赤外線固体撮像装置。
  6. 【請求項6】半導体基板上に、赤外線照射により生じた
    温度変化を電気的信号に変換するための熱電変換手段
    と、この熱電変換手段により発生した信号電荷を出力す
    る信号出力手段とを有する赤外線固体撮像装置の製造方
    法であって、 前記半導体基板上に酸化シリコン膜からなる犠牲層を形
    成した後、この犠牲層上に前記熱電変換手段を構成する
    材料を形成し、次いで前記犠牲層をエッチングすること
    によって、前記半導体基板と前記熱電変換手段との間の
    中空構造を形成することを特徴とする赤外線固体撮像装
    置の製造方法。
  7. 【請求項7】半導体基板上に、赤外線照射により生じた
    温度変化を電気的信号に変換するための熱電変換手段
    と、この熱電変換手段により発生した信号電荷を出力す
    る信号出力手段とを有する赤外線固体撮像装置であっ
    て、 前記熱電変換手段は熱電対により構成され、該熱電対と
    前記半導体基板との間の一部に中空構造が形成され、該
    熱電対の温接点は該熱電対の配線を構成する材料によっ
    て前記中空構造上に支持されており、且つ前記熱電対の
    配線材料の高さをh、該配線材料の幅をwとした時に、
    h>wに設定してなることを特徴とする赤外線固体撮像
    装置。
  8. 【請求項8】半導体基板上に、赤外線照射により生じた
    温度変化を電気的信号に変換するための熱電変換手段と
    しての熱電対と、この熱電対により発生した信号電圧を
    出力する信号出力手段とを有する赤外線固体撮像装置の
    製造方法であって、 半導体基板上に前記信号出力手段を形成した後に、前記
    熱電対の温接点と半導体基板との間の中空構造を形成す
    るための犠牲層を形成し、次いで前記犠牲層に異方性エ
    ッチングによる段差構造を形成し、次いで前記熱電対の
    配線を構成する材料を等方性成膜法により成膜し、次い
    で前記熱電対の配線材料を異方性エッチングによりエッ
    チバックすることで、該配線材料の高さをhを幅Wより
    も大きくすることを特徴とする赤外線固体撮像装置の製
    造方法。
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