JPH11508664A - 加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は特に、内燃機関のクランクケースからブローバイガスを吸入域に供給するための導管の凍結又は氷結を防止するための加熱装置に関する。この加熱装置には弁（１２，１８）が設けられており、該弁は少なくとも１つの金属板を有している。該金属板にはＰＴＣサーミスタ又は抵抗加熱エレメントが配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】 加熱装置 技術分野 本発明は、ガスを加熱するための加熱装置に関する。 背景技術 ドイツ連邦共和国特許出願公告第２３４３１８５号明細書に基づき公知の装置 の場合、燃料は熱せられた排気ガスによって内燃機関の吸入システム内で気化さ れる。このため吸入管内には、燃料混合気が貫流する透過性のエレメントによっ て構成された熱交換器が配置されている。この熱交換器を通って排気ガスの一部 が案内される。このような装置の欠点は、付加的なエレメント、つまり熱交換器 部材が必要であるということである。この熱交換器部材は流過横断面を著しく減 少させる。そのため貫流抵抗は必然的に高まる。また、ガスの温度を変化させる ための別のエレメントも公知である。例えばドイツ連邦共和国特許第２０４２９ ０７号明細書には、壁内部にコイル状パイプを有する管が開示されており、この コイル状パイプ内には温度を変化させる媒体が導入されている。しかし、この構 成は極めて手間がかかりかつ貫流する媒体の温度変化を壁領域内のみにしか生ぜ しめない。 課題 本発明の課題は、以上で述べた欠点を回避して流れ抵抗を減少させずに簡単な 方法で製造可能な、ガスを加熱するための加熱装置を提供することである。 この課題は、請求項１の特徴部に記載した構成によって解決される。 発明の利点 本発明の主な利点は、付加的な加熱エレメント、例えばヒーティンググリッド 等が必要ではなく、熱エネルギを伝達するために使用されるエレメントが流れ通 路内に設けられている点にある。このエレメントは本発明の有利な構成において は、少なくとも１つの金属の弁板を有する弁である。この金属板にはＰＣＴサー ミスタ又は抵抗加熱エレメントが配置されている。金属板への熱伝達によって、 周囲若しくは流入するガスの均一な加熱が得られる。 この加熱装置は、エンジンのブローバイガス(blow by gas)を供給する導管の 凍結を防止するために働く。特にエンジンのコールドスタート後及び冷たく湿っ た周囲空気においては、ブローバイガスを空気フィルタの清浄空気域に供給する 前記導管は氷結してしまう。この氷結は、ＰＴＣサーミスタ若しくは抵抗加熱エ レメントによって加熱することで効果的に防止される。 本発明の構成によれば、負圧調節のために設けられ た弁が使用される。このような弁は、空気フィルタの清浄空気域へ供給されるブ ローバイガスのための導管の入口に配置されていて、空気フィルタの清浄空気域 に極めてわずかな負圧が形成されている作動状態において、クランクケースに十 分大きな負圧を生ぜしめるために働くという課題を有している。勿論、空気フィ ルタの清浄空気域内の著しく高い吸入圧力を所定の最大値に制限する圧力制限弁 に金属の弁板を装備して、この弁板を加熱エレメントに設ける可能性もある。 本発明の別の構成では、弁部材がプラスチック体によって埋め込まれている。 このことは、弁部材が例えば互いにロック又はスナップ係合(verschnappen)され ているだけであり、このプラスチック部材が弁の最終的な形状を形成するという 利点を有している。これにより組立費用が低減されるばかりでなく、確実なシー ルが保証される。 本発明の選択的な構成では、ブローバイガスを供給するための導管に冷却水導 管が装備されている。この冷却水導管は実質的に、ブローバイガスを供給するた めの導管のコアに延在しており、これによってやはり冷却水導管を取り巻くガス の均一な加熱が得られる。このような組み合わせは特に簡単に製造可能でかつ電 気的なエネルギを全く必要としないという利点を有する。 本発明の別の有利な構成は、請求の範囲以外に実施 例の説明及び図面から引き出すことが出来る。 図面 図１は加熱装置を備えた弁を示した図であり、図２は図１に示した弁の平面図 である。図３は組み込まれた暖気管を備えたブローバイガスのための導管を示し た図である。図４はプラスチック体に埋め込まれた弁を示した図である。図５は 暖気管の第１の変化実施例を示した図であり、図６は暖気管の第２の変化実施例 を示した図である。 実施例の説明 図１には、管１０に配置された簡単な板弁が断面図で示されている。この管を 通ってブローバイガスは矢印１１の方向で空気フィルタの清浄空気域に流入する 。前記弁は図２に図示したように、貫通部１３，１４，１５，１６，１７を有す る銅板１２から成っている。この銅板には弾性的な弁板１８が載置されている。 この弁板は、図２では前記貫通部をより正確に図示するために図示されていない 。銅板１２には舌片１９が設けられている。この舌片１９にはＰＴＣサーミスタ エレメント２０が載置されている。ＰＴＣサーミスタエレメント２０にはコンセ ント２２が、銅板１２にはコンセント２１がそれぞれ配置されている。これらの コンセントを介して所定の電圧が供給される。銅板の温度ひいては銅板に結合さ れたＰＴＣサーミスタの温度が規定の基準点を下回ると直ちに、銅板を加熱する 加熱電流が流れる。このことは付加的な制御装置を必要としないという利点を有 している。 図３には選択的な実施例が示されている。ここではブローバイガスは、ホース ２３によって案内される。ブローバイガスは上側の開口２４に流入し、下側の開 口２５を通ってこのホースから流出する。ホースの中央には冷却水導管２６が設 けられている。この冷却水導管２６は自動車若しくはエンジンの冷却循環部に接 続され、これによって前記ホースを冷却水の温度域にまで加熱する。これにより 前記ホース及び後続の導管の凍結又は氷結が確実に防止される。ホース自体には ２つの円筒形の付加部が設けられており、この付加部を貫通して管は簡単に取り 付けられ、相応の予負荷によって十分にシールされた状態になる。 図４には弾性的な弁板１８を備えた弁板若しくは銅板１２から成る弁が示され ている。この弁は管１０に配置されている。弁にはＰＴＣサーミスタエレメント ２０が設けられており、このＰＴＣサーミスタエレメントにはコンセント２１， ２２が設けられている。これらのコンセントはプラグケーシング２７に収納され ている。このプラグケーシングと弁と管１０とは、共にプラスチック体２８によ って結合域内で被覆されている。このプラスチック体２８は領域２９において管 １０と弁との間のインターフェースを取り囲んでいる。更にこのプラスチック体 ２８は、内燃機関の吸入管 に接続可能な接続管片を形成する。この結合は、例えばバットシーム溶接を介し て行われる。複数の部材を互いに最適に結合するために、管１０、プラグケーシ ング２７又は弁の外周面に複数の穴３０を設けることが可能であり、この穴を通 ってプラスチック材料が射出成形時に流入し、ひいては形状接続的（形状による 束縛）な結合を生ぜしめる。 図５には、ブローバイガスが案内されるホース２３の変化実施例が示されてい る。ブローバイガスは、開口２４に流入し、開口２５を通ってこのホースから流 出する。ホース内には、液体流入部３２と液体逆流部３３とを有する冷却水導管 ３１が設けられている。この冷却水導管は二分割されている。この二分割は冷却 水導管に設けられた分離壁３４によって生ぜしめられる。また、この冷却水導管 は互いに入れ子式に同軸的に組み込まれた２つの管から構成しても良い。冷却水 導管の前部域で液体は再び戻し案内される。この前部域には支持体３５が設けら れている。冷却水導管の領域における横断面損失は、ホース２３のより一層大き な直径によって補償されることが出来る。 図６に示した別の変化実施例では、簡単な形式で、前部域３６で１８０°だけ 曲げられた管から成る冷却水導管がホース２３内に配置されている。この屈曲領 域はホース２３のポケット３７に配置されているので、横断面損失を生ぜしめる ことはない。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年７月５日 【補正内容】 請求の範囲 １．内燃機関のクランクケースからブローバイガスを吸入域に供給するための 導管の凍結又は氷結を防止するための加熱装置において、ブローバイガスを加熱 するためのエレメントが設けられており、該エレメントが弁（１８）であり、該 弁が少なくとも１つの金属板（１２）を有しておりかつ該金属板（１２）にＰＴ Ｃサーミスタ（２０）及び抵抗加熱エレメントが設けられていることを特徴とす る、加熱装置。 ２．弁（１２，１８）が圧力制御弁である、請求項１記載の加熱装置。 ３．弁が貫流制限弁である、請求項１記載の加熱装置。 ４．弁部材がプラスチック体によって埋め込まれている、請求項１から３まで のいずれか１項記載の加熱装置。 ５．弁部材が互いにスナップ係合されているか又はロックされており、かつプ ラスチック部分との係合を可能にする空洞を有している、請求項４記載の加熱装 置。 ６．内燃機関のクランクケースからブローバイガスを吸入域に供給するための 導管の凍結又は氷結を防止するための加熱装置であって、ブローバイガスを加熱 するためのエレメントが設けられている形式のものに おいて、 ブローバイガスを供給する導管（２３）内に、ブローバイガスを冷却水温度域 にまで加熱するための冷却水導管（２６）が配置されていることを特徴とする、 加熱装置。 ７．冷却水導管が、流入部及び逆流部を備えた、互いに入れ子式に同軸的に組 み込まれた２つの管から成っているか、又は流入部及び逆流部を備えた、並列配 置された２つの管から成っている、請求項６記載の加熱装置。 ８．管（２６）に、冷却水の流入及び逆流のための接続部が設けられている、 請求項７記載の加熱装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハインツ ミュラー ドイツ連邦共和国 レムゼック コムブル クヴェーク ４

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．特に、内燃機関のクランクケースからブローバイガスを吸入域に供給する ための導管の凍結又は氷結を防止するための加熱装置であって、ブローバイガス を加熱するためのエレメントが設けられていることを特徴とする加熱装置。 ２．ブローバイガスを加熱するためのエレメントが弁（１２，１８）であり、 この弁が少なくとも１つの金属板（１２）を有しておりかつこの金属板（１２） にＰＴＣサーミスタ（２０）及び抵抗加熱エレメントが設けられている、請求項 １記載の加熱装置。 ３．弁（１２，１８）が圧力制御弁である、請求項２記載の加熱装置。 ４．弁が貫流制限弁である、請求項２記載の加熱装置。 ５．弁部材が、プラスチック体によって埋め込まれている、請求項１から４ま でのいずれか１項記載の加熱装置。 ６．弁部材が互いにスナップ係合されているか又はロックされており、かつプ ラスチック部分との結合を可能にする空洞を有している、請求項５記載の加熱装 置。 ７．導管（２３）内に、ブローバイガスを冷却水温度域にまで加熱するための 冷却水導管（２６）が配置 されている、請求項１記載の加熱装置。 ８．冷却水導管が、流入部及び逆流部を備えた、互いに入れ子式に同軸的に組 み込まれた２つの管から成っているか、又は流入部及び逆流部を備えた、並列配 置された２つの管から成っている、請求項７記載の加熱装置。 ９．管（２６）に、冷却水の流入及び逆流のための接続部が設けられている、 請求項８記載の加熱装置。