JPH1143375A - ソフトフェライト焼成用セッターの製造方法 - Google Patents

ソフトフェライト焼成用セッターの製造方法

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JPH1143375A
JPH1143375A JP9195681A JP19568197A JPH1143375A JP H1143375 A JPH1143375 A JP H1143375A JP 9195681 A JP9195681 A JP 9195681A JP 19568197 A JP19568197 A JP 19568197A JP H1143375 A JPH1143375 A JP H1143375A
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JP
Japan
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setter
firing
zinc oxide
soft ferrite
atm
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Withdrawn
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JP9195681A
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English (en)
Inventor
Shinya Shiraishi
真也 白石
Yoshihiro Ohinata
義宏 大日向
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフトフェライトの磁気特性を劣化させるこ
とがなく、かつ強度が高いソフトフェライト焼成用セッ
ターを製造する。 【解決手段】 酸化亜鉛の組成比がモル比で50.0±
0.7%となるように酸化亜鉛とアルミナを均一に混合
し、この混合粉を成形し、酸素富化雰囲気中において1
500〜1650℃の温度で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は亜鉛を含むソフトフ
ェライト成形体を載せて焼成するためのソフトフェライ
ト焼成用セッターを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子材料の一つであるソフトフェ
ライトは主にMn−Zn系、Ni−Zn系に分類され、
透磁率の大きな磁性材料であることから高周波コイル、
ノイズフィルター等に用いられる。ソフトフェライトは
一般に原料の酸化物を混合し、仮焼し、造粒し、所望形
状に成形した後、焼成することにより製造される。焼成
にあたってソフトフェライト成形体は高温での強度が高
いセラミックス製のセッター(敷板)上に載置される。
セッターの材料としては通常はアルミナ又はムライト系
のセラミックが使用され、特殊な場合にはジルコニアが
使用される。しかしアルミナやムライト系のセッターを
用いる場合、セッターに接するソフトフェライトの部分
が焼成中に変質し、ソフトフェライトの磁気特性が劣化
する欠点があった。即ち、焼成中にフェライト底面部の
Zn成分がアルミナやムライト系のセッターに移動する
ことにより、フェライト表面層のスピネルの格子定数が
収縮し、このためにコアの引張り残留応力が発生して磁
気特性を劣化させていた。
【0003】この欠点を改善するために、酸化亜鉛の組
成比がモル比で10〜52%のアルミナと酸化亜鉛がほ
ぼ均一に混合・焼成された敷板(セッター)を用いるこ
とを特徴とする亜鉛を含有するソフトフェライトの製造
方法が提案されている(例えば特開平5−3114)。
このソフトフェライトを製造するときに用いられるセッ
ターは空気中、1440℃の温度でその成形板を焼成す
ることにより得られる。この焼成温度は焼成中にZnO
のZn成分を揮散させないために1440℃に抑えられ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記製造方法で
用いられるセッターはソフトフェライトの磁気特性を劣
化させない反面、焼成温度が1450℃程度に抑えられ
るため、焼結密度が向上せず、衝撃荷重を受けると破損
し、強度が不足するという問題点がある。本発明の目的
は、ソフトフェライトの磁気特性を劣化させることがな
く、かつ強度が高いソフトフェライト焼成用セッターを
製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
酸化亜鉛の組成比を所定のモル比にしてこの酸化亜鉛と
アルミナを均一に混合し、この混合粉を板状に成形し焼
成するソフトフェライト焼成用セッターの製造方法にお
いて、上記酸化亜鉛の組成比をモル比で50.0±0.
7%にし、焼成時の雰囲気を酸素富化雰囲気にして、1
500〜1650℃の温度で焼成することを特徴とする
ソフトフェライト焼成用セッターの製造方法である。焼
成雰囲気を酸素富化雰囲気とすることにより、非常に高
温の1500〜1650℃で焼成しても、次式(1)で
示すように成形板中のZnOの分解反応が抑制され、焼
成後のセッター中の酸化亜鉛のモル比を所望の50±
0.7%に維持する。また1500〜1650℃の高温
焼成により焼結密度が向上し、セッターの強度が増大す
る。 ZnO → Zn↑ + 1/2O2↑ …………(1) 請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、
焼成時の雰囲気が酸素分圧30〜100%atmである
製造方法である。上記請求項1に係る発明の効果を更に
増大させる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の方法において、酸化亜鉛
の組成比がモル比で50.0±0.7%となるように酸
化亜鉛とアルミナは均一に混合される。この組成比は好
ましくは50.0±0.5%、更に好ましくは50%で
ある。本発明のセッターにおける酸化亜鉛の組成比をモ
ル比で50.7%を超える比率にした場合には、四角形
に成形した成形板の辺部が角部より速く焼結すること等
に起因して、歪んだ四角形のセッターが製造され、商品
価値が損われる。また上記組成比をモル比で49.3%
未満にした場合には、焼成後成形板と同形のセッターが
得られるものの、このセッターを用いてソフトフェライ
ト成形体を焼成した場合には、アルミナやムライト系の
セッターと同様にフェライト底面部のZn成分がセッタ
ーに移動してソフトフェライトの磁気特性が劣化する。
また上記モル比の範囲で得られたセッター中には原料の
酸化亜鉛(ZnO)及びアルミナ(Al23)は存在せ
ず、ZnAl24のスピネル相のみが存在する。従っ
て、本発明のセッターを使用してソフトフェライトを焼
成する場合には、焼成中にセッター中のZn成分がソフ
トフェライト中に拡散せず、逆にソフトフェライト中の
Zn成分もセッター中に拡散しないため、ソフトフェラ
イトの磁気特性を劣化させない。
【0007】本発明において、焼成時の酸素富化雰囲気
は、好ましくは酸素分圧30〜100%atm、より好
ましくは50〜100%atm、更に好ましくは100
%atmである。酸素富化雰囲気にすることにより、焼
成温度を高温にしても、前記式(1)に示すように、成
形板を構成するZnOがZnにイオン化して揮散する好
ましくない分解反応が抑制され、かつセッターの強度が
増大する。焼成温度が1500℃未満では焼結密度が十
分に向上せず、焼成されたセッターの強度が不足する。
1650℃を超えても、焼結密度はそれ程向上せず、省
エネルギーと炉の耐久性から上限温度は1650℃に決
められる。好ましくは1530〜1600℃である。
【0008】本発明のセッターは次の方法により製造さ
れる。先ず酸化亜鉛とアルミナの原料粉末を、酸化亜鉛
の組成比がモル比で50.0±0.7%になるようにそ
れぞれ秤量し、これらの原料粉末をバインダ、分散剤及
び溶剤等とともに混合して、スラリー化する。次いでこ
のスラリーをスプレドライヤ造粒機で噴霧乾燥して約1
00〜200μmの粒径の造粒粉末にする。この造粒粉
末を金型に入れてプレスし、板状に成形する。成形物を
脱バインダのために300〜500℃で加熱処理した
後、酸素富化雰囲気中、1500〜1650℃で焼成す
る。
【0009】
【実施例】次に本発明の具体的態様を示すために、本発
明の実施例を比較例とともに説明する。 <実施例1>酸化亜鉛の組成比がモル比で50%になる
ように酸化亜鉛とアルミナの原料粉を秤量した後、これ
らの原料粉末をバインダ、分散剤及び溶剤等とともに混
合して、スラリー化した。次いでこのスラリーをスプレ
ドライヤ造粒機で噴霧乾燥して造粒粉末した後、100
mm×100mmの金型に入れ、300kgf/cm2
の圧力を加えて乾式プレス成形した。これにより縦10
0mm、横100mm、厚さ4mmの成形板を得た。こ
の成形板を表1に示すように、電気炉を用いて酸素分圧
100atmの雰囲気中、1550℃の温度で2時間焼
成して実施例1のセッターを作製した。
【0010】<比較例1>実施例1と同一の方法で得ら
れた成形板を、実施例1と同一の電気炉を用いて、表1
に示すように空気中(酸素分圧20atm)、1450
℃の温度で2時間焼成して比較例1のセッターを作製し
た。 <比較例2>実施例1と同一の方法で得られた成形板
を、実施例1と同一の電気炉を用いて、表1に示すよう
に空気中(酸素分圧20atm)、1550℃の温度で
2時間焼成して比較例2のセッターを作製した。 <比較例3>実施例1と同一の方法で得られた成形板
を、実施例1と同一の電気炉を用いて、表1に示すよう
に酸素分圧100atmの雰囲気中、1450℃の温度
で2時間焼成して比較例3のセッターを作製した。 <比較例4>実施例1と同一の方法で得られた成形板
を、実施例1と同一の電気炉を用いて、表1に示すよう
にN2雰囲気(酸素分圧0atm)中、1450℃の温
度で2時間焼成して比較例4のセッターを作製した。 <比較評価>実施例1及び比較例1〜4のセッターにつ
いて、各セッターをそれぞれ粉末にしてセッター中のZ
nOのモル比を測定した。また3点曲げ法にて常温曲げ
強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1から明らかなように、実施例1のセッ
ターの常温曲げ強度は比較例1、3及び4の強度よりも
極めて大きいことが判る。比較例2のセッターの強度は
実施例1と同様に大きいが、焼成後のZnOのモル比が
49.2%と低く、このセッターを用いてソフトフェラ
イト成形体を焼成した場合には、フェライト底面部のZ
n成分がセッターに移動してソフトフェライトの磁気特
性を劣化させる恐れがあった。この比較例2のセッター
の焼成後のZnOのモル比が50%を下回るのは、焼成
中に前述した式(1)の反応が生じたものと考えられ
る。
【0013】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、酸
化亜鉛の組成比がモル比で50.0±0.7%となるよ
うに酸化亜鉛とアルミナを均一に混合し、造粒した後、
成形し、酸素富化雰囲気中において1500〜1650
℃の温度で焼成するようにしたので、ソフトフェライト
の磁気特性を劣化させることがなく、かつ強度が高いソ
フトフェライト焼成用セッターを製造することができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛の組成比を所定のモル比にして
    この酸化亜鉛とアルミナを均一に混合し、前記混合粉を
    板状に成形し焼成するソフトフェライト焼成用セッター
    の製造方法において、 前記酸化亜鉛の組成比をモル比で50.0±0.7%に
    し、焼成時の雰囲気を酸素富化雰囲気にして、1500
    〜1650℃の温度で焼成することを特徴とするソフト
    フェライト焼成用セッターの製造方法。
  2. 【請求項2】 焼成時の雰囲気が酸素分圧30〜100
    %atmである請求項1記載の製造方法。
JP9195681A 1997-07-22 1997-07-22 ソフトフェライト焼成用セッターの製造方法 Withdrawn JPH1143375A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100671745B1 (ko) * 2005-07-27 2007-01-22 (주)두림세라믹 페라이트 셋터 제조방법과 그에 의해 제조된 페라이트셋터
JP2012214378A (ja) * 2012-06-18 2012-11-08 Kyocera Corp フェライト焼結体およびそれを用いたフェライトコアならびにフェライトコイル
CN114436636A (zh) * 2022-04-11 2022-05-06 天通控股股份有限公司 一种差共模电感用高磁导率锰锌铁氧体材料及其制备方法

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Effective date: 20041005