JPH0696930A - 微結晶フェライトを用いたトランス - Google Patents

微結晶フェライトを用いたトランス

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JPH0696930A
JPH0696930A JP4272327A JP27232792A JPH0696930A JP H0696930 A JPH0696930 A JP H0696930A JP 4272327 A JP4272327 A JP 4272327A JP 27232792 A JP27232792 A JP 27232792A JP H0696930 A JPH0696930 A JP H0696930A
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JP
Japan
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ferrite
transformer
sample
microcrystalline
grain size
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Pending
Application number
JP4272327A
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English (en)
Inventor
Yutaka Yamamoto
豊 山本
Yoichi Kimura
洋一 木村
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶を微細化したフェライトをトランスのコ
ア材に使用することにより、加工性の優れたコア損の少
ないトランスを提供する。 【構成】 焼成後の結晶粒径が5μm以下の微結晶フェ
ライトをトランスのコア材に使用する。 【効果】 脱粒の低減と抗折強度の増大、さらにはコア
損の少ないトランスを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波トランス等種々
のトランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高密度フェライト材の製造に関し
ては、通常セラミックスの製造と同様の方法により製造
されている。まず、原料の酸化物、水酸化物、あるいは
炭酸塩を秤量し、次に粉砕媒体として鋼球を分散媒とし
て水を用いた鋼球ボールミルで粉砕する。この結果、原
料均一になるように混合されている。続いて、原料を8
00〜1300℃に加熱し(予備焼成)、フェライト化
合物とする。ここで炭酸塩は分解し、固相拡散による反
応によって、最終的な化合物となる。予備焼成の後、材
料をさらに均質にするため、及び次工程に成型・焼成を
行うので粒子サイズを小さくするため粉砕を行う。粉砕
した材料は流動性を持つよう造粒し目的とする形状に乾
式成型する。焼成過程で密度が上昇し、最終的な磁気特
性が付与されるようになる。
【0003】しかし、上記のような製造方法によるフェ
ライトは、内部に気孔が残り多孔質であり、加工中に欠
け易く、これをトランスに使用する場合、特にエッジ部
分画欠けるなど精密な加工をすることが困難である。そ
こで、時勢粉末をさらに高温高圧下で成形するホットプ
レス法を応用した超高密度フェライトは、上記の製造方
法による焼結フェライトに比較して高密度であるばかり
ではなく、高度が極めて高く、精密機械加工が可能であ
る。
【0004】また、さらに進んだ方法として今日珍法に
よって形成された原料粉を用いたフェライトの製造方法
が知られているがこれは金属水酸化物を共沈させ、順次
沈殿させた溶液を攪拌しながら乾燥させることにより共
沈フェライトを得るものであるり、このように得られた
共沈フェライト材料は、すでにスピネル化しているの
で、造粒、成形、焼成という簡単なプロセスで焼成でき
るという利点がある。しかし、前記共沈フェライト材料
も、やはり1300℃以上の高温雰囲気下で長時間焼成
して初めて気孔率を低減することが可能であり、そせい
の均一性の良好な低保磁力、高透磁率のフェライトが得
られるものである。
【0005】また、上記方法のほかに、一般に粗大な固
着粒子の形成が比較的少ない粉末の製造方法として水熱
合成方法が知られている。この水熱合成方法は、アルカ
リ懸濁液を高温高圧下で水熱処理することにより粉末粒
子を製造するものであるが、粗大固着粒子の形成が比較
的少ない反面、飽和磁化の大きいものが得られにくいと
いった問題を有する。
【0006】従って、上述した代表的なフェライト粉末
の製造方法においては、高温長時間の焼成によるコスト
高、高温かでの酸素放出による気孔率の増大、さらに高
温かによる粒成長による大粒径化などの問題を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特に,Mn−Znフェ
ライト材料は、産業機器および民生用の磁気ヘッド材
料、トランス材料として用いられることが多いが、上述
したような高温下での酸素放出による気孔率の増大、さ
らに高温化による粒成長による大粒径化などの問題は、
上記Mn−Znフェライトをトランスのコア材として使
用した場合にコア加工時に表面からの脱粒が発生した
り、機械的強度が弱いなどの問題があった。また、コア
損が大きいなどの問題があった。
【0008】本発明は上記課題を鑑みてなされたもので
あり、フェライトの構造上の均一性、緻密性を図り、こ
れらをトランスのフェライト表面からの脱粒問題を低減
し、抗折強度の向上を図り、コア損の少ないトランスを
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、フェライト粉末を圧粉した後に焼成して得
られる微結晶フェライトにおいて、焼成後の結晶粒径が
1〜5μmであることを特徴とする微結晶フェライトを
コア材に使用したトランスとしたものである。
【0010】
【作用】焼成後のフェライトの結晶粒径を結晶粒径を5
μm以下とすることにより、構造上の均一化、緻密化を
図り、低気孔率及び低コア損を実現できる。また、抗折
強度を向上させ、精密加工ができて、磁気特性の良好な
トランスを製造することができる。
【0011】
【実施例】本発明のトランス,特に高周波トランスは、
結晶粒径が1〜5μmの微結晶フェライトをコア材に用
いたものである。フェライトの製造方法は種々あるが、
以下に説明する。
【0012】試料1:(共沈フェライト) :硫酸鉄の溶液にZnOを加えて加熱する。すると、鉄
は水酸化物として沈殿し、マンガンは硝酸塩として沈殿
する。これに、MnCO3 を加えると亜鉛は水酸化物と
して沈殿し、マンガンは硝酸塩として溶液中に溶解す
る。そして、この溶液をアンバーライトIRA−400
(オルガノ製)を通して陰イオンをOHと交換するとP
Hは、約9.0となりマンガンも水酸化物として沈殿す
る。この溶液をろ過して交換樹脂を含む相を水洗いする
と、沈殿は容易に交換樹脂から遊離するので、水洗液を
攪拌乾燥し、得られた水酸化物を500〜600℃に加
熱することによって製作されたフェライト原料粉を92
5〜1100℃で焼成し900℃、100℃、1100
℃で2時間HIP処理することにより結晶粒径1.1
2、2.40、4.39ミクロンのフェライト試料を作
成した。
【0013】試料2:(水熱合成フェライト) :Mn,Zn,Feを含むアルカリ懸濁液を加熱処理し
て、フェライト沈殿物を得、ついでこの沈殿物を650
〜950度の温度範囲で焼成してフェライト原料粉を得
る。そして、このフェライト原料粉を直接成形して、9
00℃、1000℃、1100℃の温度で2時間焼成す
ることによって結晶粒径1.40、3.40、5.45
ミクロンのフェライト試料を作成した。
【0014】試料3:(従来例のフェライト) :粒径0.3〜0.5μmの酸化鉄、四三酸化マンガ
ン、酸化亜鉛の各粉末を混合、仮焼、粉砕、造粒、成
形、焼成一般的なセラミックプロセスを使用し、予備焼
結を1300℃、HIP処理を1250℃で行うことに
よって製造された結晶粒径9μmの試料を作成した。
【0015】試料4:(従来例のフェライト) :粒径0.3〜0.5μmの酸化鉄 、四三酸化マンガ
ン、酸化亜鉛の各粉末を混合、仮焼、粉砕、造粒、成
形、焼成一般的なセラミックプロセスを使用し、予備焼
結を1220℃、HIP処理を1180℃で行うことに
よって製造された結晶粒径8μmの試料を作成した。
【0016】試料5:(単結晶フェライト) :27.5mol%MnO,20.0mol%ZnO,
52.5mol%Fe2 O3 の組成からなり、ブリッジ
マン法により製造された単結晶の試料を作成した。
【0017】また、上記試料1〜5においては、その組
成を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】(試験例1)まず上記試料1〜5につい
て、1.7mm×10mm×1.65mmの直方体形状
の試料を用意し、80℃、90%RHの環境下に24時
間放置するといった耐湿条件のもとで、耐湿試験を行っ
た。そして、耐湿試験後に粗研磨した場合に各サンプル
の表面から起こった粒子の脱粒数を測定した。その結果
を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2の結果から、試料3では平均で3個
(/検査面)脱粒しているのに対して、試料1及び2で
は0〜0.1個と少ないことが判る。従って、以上の結
果より本発明による微結晶フェライトは脱粒に対し効果
があることが判る。
【0022】次に上記試験による試料1及び2の脱硫数
の粒径依存性を図1に示した。その結果粒径が大きくな
ればなるほど脱粒数が増加するがその程度は試料2の水
熱合成法による原料粉を使用したフェライトの方が大き
いことが判る。また図1より粒径を1〜2μmにするこ
とにより脱粒数を試料3の1/5、試料4の1/3以下
にできることが予測できる。
【0023】以上の結果より本発明に使用される微結晶
フェライトは試料3、4よりも脱粒数が低く、従って、
このようなフェライトをトランスのコア材に用いればコ
アの加工時に脱粒したりして磁気特性の低下を招くこと
を防止できる。
【0024】また、試験例1において明らかになった前
記微結晶フェライトの機械的性質を測定するために、そ
の結晶粒径に対する抗折強度の測定を行った。
【0025】(試験例2)本試験で用いた原料は、水熱
合成法により作成したMn−Znフェライト原料粉であ
り、その粒子径は0.04〜0.125μmの範囲であ
る。測定に使用した試料はCIPで294MPaの圧力
で圧粉後、850〜1200℃出7.2〜14.4ks
真空中で焼成し、さらに900〜1100℃、108M
Paの条件でHIP処理を行い作成した。そして、抗折
強度は2×2×25mmのサンプルについて万能試験機
を用いて3点曲げ法により測定した。その結果を表3に
示した。そして表3をグラフ化して図2に示した。
【0026】
【表3】
【0027】図2に示されるように、上記水熱合成法を
用いたフェライト結晶粒子の抗折強度は、ほぼ結晶粒径
の(−1/2)上に比例する傾向があった。そして従来
材(試料3)の抗折強度試験の結果を比較例として表3
及び図2に示したがこの水熱合成法の原料粉を使用した
フェライト結晶粒子の抗折強度は結晶粒径5μm以下で
高い値を示すことが判る。
【0028】(試験例3)水熱合成法により作成した微
結晶フェライトをB−Hアナライザーによりコア損を測
定した。比較例として従来の結晶粒径5μm以上のMn
−Znフェライトのコア損を測定して図3に示した。図
3より本発明に使用されるフェライトのコア損は、従来
例と比較して500kHz〜2MHzにおいて低い値を
示しており、結晶粒径の微細化により高周波領域で鉄損
が少なくなっていることが判る。
【0029】
【発明の効果】従って、本発明によるトランスによれ
ば、微結晶フェライトをコア材として使用することによ
り構造上の均一化、緻密化を図り、低気孔率及び低コア
損を実現できる。また、抗折強度を向上させ、精密加工
ができて、磁気特性の良好なトランスを製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1における結果を示す図である。
【図2】試験例2における結果を示す図である。
【図3】試験例3における結果を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト粉末を圧粉した後に焼成して
    得られる微結晶フェライトにおいて、焼成後の結晶粒径
    が5μm以下であることを特徴とする微結晶フェライト
    をコア材に使用したことを特徴とするトランス。
JP4272327A 1992-09-16 1992-09-16 微結晶フェライトを用いたトランス Pending JPH0696930A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102131584B1 (ko) 2019-04-02 2020-07-09 한국전력공사 변압기 코어부의 모서리 포화 저감 구조체 및 그 제조 방법
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Effective date: 19990706