JPH07320923A - Mn−Znフェライトの製造方法 - Google Patents
Mn−Znフェライトの製造方法Info
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- JPH07320923A JPH07320923A JP6108811A JP10881194A JPH07320923A JP H07320923 A JPH07320923 A JP H07320923A JP 6108811 A JP6108811 A JP 6108811A JP 10881194 A JP10881194 A JP 10881194A JP H07320923 A JPH07320923 A JP H07320923A
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- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/34—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
- H01F1/342—Oxides
- H01F1/344—Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
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- Magnetic Ceramics (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高周波帯域でのパワーロスを低減したMn−
Znフェライトを製造する方法。 【構成】 水熱合成法により得られたMn−Znフェラ
イト原料粉末を造粒、成形した後に、焼成による収縮率
が安定する安定領域の温度範囲で焼成し、平均結晶粒径
を5μm以下とすることを特徴とする。 【効果】 電子機器等をその性能が低下することなく、
高周波帯域に対応させることが可能となり、特性の向上
や小型化を図るうえで極めて有益である。
Znフェライトを製造する方法。 【構成】 水熱合成法により得られたMn−Znフェラ
イト原料粉末を造粒、成形した後に、焼成による収縮率
が安定する安定領域の温度範囲で焼成し、平均結晶粒径
を5μm以下とすることを特徴とする。 【効果】 電子機器等をその性能が低下することなく、
高周波帯域に対応させることが可能となり、特性の向上
や小型化を図るうえで極めて有益である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】トランスなどの各種の電子機器に
用いられるMn−Znフェライトに関するもので、特に
高周波帯域におけるパワーロスを改善したものである。
用いられるMn−Znフェライトに関するもので、特に
高周波帯域におけるパワーロスを改善したものである。
【0002】
【従来の技術】トランスなどの様々な電子機器などにお
いては、従来からMn−Znフェライトがしばし利用さ
れている。近年、各種の電子機器は、そのさらなる高性
能化および小型化が要求されている。その為、機器を高
周波帯域に対応させることが行なわれ、用いられるMn
−Znフェライトにも高周波帯域での特性の向上が希求
されている。なかでも、トランス用のMn−Znフェラ
イトにおける高周波帯域でのコアロスの低減は急務であ
る。そこで、Mn−Znフェライトにおいて、高周波帯
域でのパワーロスの低減を図るためには、その結晶の粒
径を小さくすることが効果的であることを示唆する技術
発表もなされている。しかしながら、従来からあるMn
−Znフェライトの製造方法であっては、パワーロスを
低減しえるほどに十分にその結晶粒径を小さくする(5
μm以下とされる)ことができず、依然、高周波帯域に
対応したMn−Znフェライトの特性を向上させること
はできないでいた。
いては、従来からMn−Znフェライトがしばし利用さ
れている。近年、各種の電子機器は、そのさらなる高性
能化および小型化が要求されている。その為、機器を高
周波帯域に対応させることが行なわれ、用いられるMn
−Znフェライトにも高周波帯域での特性の向上が希求
されている。なかでも、トランス用のMn−Znフェラ
イトにおける高周波帯域でのコアロスの低減は急務であ
る。そこで、Mn−Znフェライトにおいて、高周波帯
域でのパワーロスの低減を図るためには、その結晶の粒
径を小さくすることが効果的であることを示唆する技術
発表もなされている。しかしながら、従来からあるMn
−Znフェライトの製造方法であっては、パワーロスを
低減しえるほどに十分にその結晶粒径を小さくする(5
μm以下とされる)ことができず、依然、高周波帯域に
対応したMn−Znフェライトの特性を向上させること
はできないでいた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者等は、
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特に高周
波帯域でのパワーロスを低減したMn−Znフェライト
を製造し得ることを見い出し、本発明に至った。
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特に高周
波帯域でのパワーロスを低減したMn−Znフェライト
を製造し得ることを見い出し、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のMn−Znフェ
ライトの製造方法は、水熱合成法により得られたMn−
Znフェライト原料粉末を造粒、成形した後に、焼成に
よる収縮率が大きい値で安定する安定領域の温度範囲で
焼成し、平均結晶粒径を5μm以下とすることものであ
る。
ライトの製造方法は、水熱合成法により得られたMn−
Znフェライト原料粉末を造粒、成形した後に、焼成に
よる収縮率が大きい値で安定する安定領域の温度範囲で
焼成し、平均結晶粒径を5μm以下とすることものであ
る。
【0005】請求項2に記載の発明は、その製法におけ
るMn−Znフェライトの組成が、Fe2O3が52以上
55mol%以下、ZnOが5以上20mol%以下、MnO
が25以上40mol%以下であることを特徴とするもの
である。
るMn−Znフェライトの組成が、Fe2O3が52以上
55mol%以下、ZnOが5以上20mol%以下、MnO
が25以上40mol%以下であることを特徴とするもの
である。
【0006】請求項3記載の発明は、焼成する温度範囲
が900以上1130℃以下であることを特徴とするも
のである。
が900以上1130℃以下であることを特徴とするも
のである。
【0007】請求項4記載の発明は、焼成後の平均結晶
粒径が、2以上4μm以下であることを特徴とするもの
である。
粒径が、2以上4μm以下であることを特徴とするもの
である。
【0008】本発明で用いる水熱合成法とは、液相から
の粉末合成における溶液法の一種で、粗大な固着粒子の
形成が比較的少ない粉末の製造法として知られているも
ので、アルカリ懸濁液を高温、高圧下で水処理すること
により粉末粒子を製造するものである。この方法では、
溶液や固体の酸化物など二種類以上の化合物が関与して
反応が進み、所望の化合物が合成されもので、このよう
にして反応が起こる場合、一方の化合物は溶液として存
在しているアルカリ金属イオンなどが多用される。
の粉末合成における溶液法の一種で、粗大な固着粒子の
形成が比較的少ない粉末の製造法として知られているも
ので、アルカリ懸濁液を高温、高圧下で水処理すること
により粉末粒子を製造するものである。この方法では、
溶液や固体の酸化物など二種類以上の化合物が関与して
反応が進み、所望の化合物が合成されもので、このよう
にして反応が起こる場合、一方の化合物は溶液として存
在しているアルカリ金属イオンなどが多用される。
【0009】
【作用】本発明のMn−Znフェライトの製造方法によ
れば、最終的に得られるMn−Znフェライトの平均結
晶粒径を5μm以下とすることが可能なる。この平均結
晶粒径が5μm以下と小さいMn−Znフェライトであ
ると、周波数が1MHz以上の高周波帯域におけるパワ
ーロスを低減し得ることができる。
れば、最終的に得られるMn−Znフェライトの平均結
晶粒径を5μm以下とすることが可能なる。この平均結
晶粒径が5μm以下と小さいMn−Znフェライトであ
ると、周波数が1MHz以上の高周波帯域におけるパワ
ーロスを低減し得ることができる。
【0010】
〔製造および試験例1〕水熱合成法を利用してMn−Z
nフェライト原料粉末を製造する。まず、Mn、Zn、
Feを所定量含む水溶液を調製する。これらの元素の化
合物は種々の水溶性化合物を使用し得るが、好ましくは
塩化物、硝酸塩などである。そして、金属化合物水溶液
に、例えば、NaOH、KOH、NH3OHなどの水溶
液を接触、混合し、アルカリ懸濁液とする。次いで、こ
のアルカリ懸濁液をオートクレーブなどの圧力容器中に
入れて、120〜250℃で水熱反応処理してフェライ
ト沈殿物を生成させる。そして、この水熱反応処理して
得られたフェライト沈殿物を水洗、乾燥後させて、所望
のMn−Znフェライト原料粉末を製造する。次に、こ
のMn−Znフェライト原料粉末を造粒し、目的とする
形状の内部空間を有する型内に入れて成形する。造粒
は、少量の有機バインダを添加し、100メッシュのフ
ルイを通すことで行い、二次凝集のない粉体を作製し
た。また、原料粉末に水を加えてスラリー状態とした後
に、スプレードライヤーを用いて乾燥と造粒を同時に行
うことによって、中空の顆粒状の粉体粒子をつくる方法
も利用できる。本実施例においては、成形には、冷間静
水圧プレスを用い、圧力を3000kgf/cm2とし、円板
状(底面の直径:15mm、厚さ:4mm)の成形体を成形
した。次に、この成形体を熱処理装置を用いて大気中で
種々の温度で焼成した。熱処理装置には、回転炉、流動
層炉などの種々の型式の装置を利用することができる。
また、昇温速度は300℃/hとした。得られたMn−
Znフェライトの粒径を測定した。測定結果も表1に示
す。
nフェライト原料粉末を製造する。まず、Mn、Zn、
Feを所定量含む水溶液を調製する。これらの元素の化
合物は種々の水溶性化合物を使用し得るが、好ましくは
塩化物、硝酸塩などである。そして、金属化合物水溶液
に、例えば、NaOH、KOH、NH3OHなどの水溶
液を接触、混合し、アルカリ懸濁液とする。次いで、こ
のアルカリ懸濁液をオートクレーブなどの圧力容器中に
入れて、120〜250℃で水熱反応処理してフェライ
ト沈殿物を生成させる。そして、この水熱反応処理して
得られたフェライト沈殿物を水洗、乾燥後させて、所望
のMn−Znフェライト原料粉末を製造する。次に、こ
のMn−Znフェライト原料粉末を造粒し、目的とする
形状の内部空間を有する型内に入れて成形する。造粒
は、少量の有機バインダを添加し、100メッシュのフ
ルイを通すことで行い、二次凝集のない粉体を作製し
た。また、原料粉末に水を加えてスラリー状態とした後
に、スプレードライヤーを用いて乾燥と造粒を同時に行
うことによって、中空の顆粒状の粉体粒子をつくる方法
も利用できる。本実施例においては、成形には、冷間静
水圧プレスを用い、圧力を3000kgf/cm2とし、円板
状(底面の直径:15mm、厚さ:4mm)の成形体を成形
した。次に、この成形体を熱処理装置を用いて大気中で
種々の温度で焼成した。熱処理装置には、回転炉、流動
層炉などの種々の型式の装置を利用することができる。
また、昇温速度は300℃/hとした。得られたMn−
Znフェライトの粒径を測定した。測定結果も表1に示
す。
【0011】
【表1】
【0012】表1からは、水熱合成法を利用したこの組
成比のMn−Znフェライトの製法の場合、その粒径は
焼成温度の影響を受けることが明らかにわかる。
成比のMn−Znフェライトの製法の場合、その粒径は
焼成温度の影響を受けることが明らかにわかる。
【0013】また、上記方法により製造された成形体に
ついて、焼成温度と収縮率の関係を調べた。測定結果を
図1に示す。収縮率は、成形体の焼成前の長さをl0、
焼成により変化した長さをΔlとした場合に、Δl/l
0 (%)を測定したものである。図1から、焼成温度
が高くなるにつれて収縮率は大きくなり(図1中では下
方)、極大値を経た後に再び収縮率が小さくなる傾向が
見られる。この収縮率が極大となる値の近辺には、焼成
温度が変化しても収縮率がほとんど変化しない安定した
領域が存在する。本発明ではこの温度範囲のことを安定
領域と称する。図1から、安定領域は、試料aであれば
900〜1130℃、試料bであれば960〜1130
℃、試料cであれば1040〜1130℃であることが
わかる。これらから、水熱合成法により得られた原料粉
末の安定領域はおよそ900〜1130℃になることが
類推され、このときの組成比は、Fe2O3が52以上5
5mol%以下、ZnOが5以上20mol%以下、MnOが
25以上40mol%以下の範囲である。さらに、表1お
よび図1の結果から、安定領域の温度範囲での焼成を行
なったMn−Znフェライトであると、その粒径は5μ
m以下になることが見受けられる。
ついて、焼成温度と収縮率の関係を調べた。測定結果を
図1に示す。収縮率は、成形体の焼成前の長さをl0、
焼成により変化した長さをΔlとした場合に、Δl/l
0 (%)を測定したものである。図1から、焼成温度
が高くなるにつれて収縮率は大きくなり(図1中では下
方)、極大値を経た後に再び収縮率が小さくなる傾向が
見られる。この収縮率が極大となる値の近辺には、焼成
温度が変化しても収縮率がほとんど変化しない安定した
領域が存在する。本発明ではこの温度範囲のことを安定
領域と称する。図1から、安定領域は、試料aであれば
900〜1130℃、試料bであれば960〜1130
℃、試料cであれば1040〜1130℃であることが
わかる。これらから、水熱合成法により得られた原料粉
末の安定領域はおよそ900〜1130℃になることが
類推され、このときの組成比は、Fe2O3が52以上5
5mol%以下、ZnOが5以上20mol%以下、MnOが
25以上40mol%以下の範囲である。さらに、表1お
よび図1の結果から、安定領域の温度範囲での焼成を行
なったMn−Znフェライトであると、その粒径は5μ
m以下になることが見受けられる。
【0014】また、試料cについては、そのコアロスも
測定し、結果を表1中に示した。その結果から、粒径が
1.5〜3.2の試料c3〜5のものが、コアロスが特に
低減されていることがわかる。
測定し、結果を表1中に示した。その結果から、粒径が
1.5〜3.2の試料c3〜5のものが、コアロスが特に
低減されていることがわかる。
【0015】〔製造および試験例2〕水熱合成法により
粒子径が約0.125μmのMn−Znフェライト原料粉
末を製造した。この原料粉末の組成は、Fe2O3が53
mol%、ZnOが10mol%、MnOが37mol%であ
る。この水熱合成フェライト粉体に有機バインダとし
て、アクリルポリマーを適量添加した後、CIP成形を
196MPaで180秒間行ない、その後、焼成した。
焼成は、真空中で、1000、1025、1050、1
075、1100、1150℃としたものをそれぞれ4
時間処理した。得られた焼結体から、リング状(外径:
10mm、内径6mm、厚さ:1.5mm)試料を切り出し
て、各試料の結晶の平均粒径、固有抵抗、保磁力、コア
ロスを測定した。保磁力の測定には直流BHトレーサを
用い、コアロスの測定装置には、磁化測定装置(凌和電
子社製、MMS−0375−2.1B)を用いた。測定
結果を表2と、Bmを5mTとしたときのコアロスの測
定結果を図2に示す。
粒子径が約0.125μmのMn−Znフェライト原料粉
末を製造した。この原料粉末の組成は、Fe2O3が53
mol%、ZnOが10mol%、MnOが37mol%であ
る。この水熱合成フェライト粉体に有機バインダとし
て、アクリルポリマーを適量添加した後、CIP成形を
196MPaで180秒間行ない、その後、焼成した。
焼成は、真空中で、1000、1025、1050、1
075、1100、1150℃としたものをそれぞれ4
時間処理した。得られた焼結体から、リング状(外径:
10mm、内径6mm、厚さ:1.5mm)試料を切り出し
て、各試料の結晶の平均粒径、固有抵抗、保磁力、コア
ロスを測定した。保磁力の測定には直流BHトレーサを
用い、コアロスの測定装置には、磁化測定装置(凌和電
子社製、MMS−0375−2.1B)を用いた。測定
結果を表2と、Bmを5mTとしたときのコアロスの測
定結果を図2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2から、焼成温度が1150℃よりも低
い温度であると、粒径を5μmよりも小さくし得ること
がわかる。また、粒径が5μm未満であると、固有抵抗
が格段に小さいことがわかる。図2から、今後、電子機
器等に使用される場合に特に注目される周波数が1〜5
MHzの高周波帯域でのコアロス特性においては、粒径
が5μmよりも小さいもののコアロスが小さいことがわ
かる。中でも、周波数が1MHzのものでは粒径が約3
μmにしたもの、1.5MHzのものでは粒径が約2μm
のもの、2MHzのものでは約1.5μmのものがコアロ
スが非常に低減されており、この高周波帯域において
は、粒径が1.5〜4μmのものが優れることがわかる。
したがって、以上の表1、図1,2から、高周波帯域に
おいてパワーロスを低減するためには、粒径を5μm以
下とすることが必要で、その為には、焼成温度を上記安
定領域にすることが極めて有効とされることが見い出さ
れる。
い温度であると、粒径を5μmよりも小さくし得ること
がわかる。また、粒径が5μm未満であると、固有抵抗
が格段に小さいことがわかる。図2から、今後、電子機
器等に使用される場合に特に注目される周波数が1〜5
MHzの高周波帯域でのコアロス特性においては、粒径
が5μmよりも小さいもののコアロスが小さいことがわ
かる。中でも、周波数が1MHzのものでは粒径が約3
μmにしたもの、1.5MHzのものでは粒径が約2μm
のもの、2MHzのものでは約1.5μmのものがコアロ
スが非常に低減されており、この高周波帯域において
は、粒径が1.5〜4μmのものが優れることがわかる。
したがって、以上の表1、図1,2から、高周波帯域に
おいてパワーロスを低減するためには、粒径を5μm以
下とすることが必要で、その為には、焼成温度を上記安
定領域にすることが極めて有効とされることが見い出さ
れる。
【0018】〔Mn−Znフェライトの組成とコアロス
の関係〕Fe2O3とZnOとMnOの組成比を変化させ
て上記試験例2の試料を作製した際と同様にしてMn−
Znフェライトを製造し、その渦電流損失(Pe)と残
留損失(Pr)の和(J/m3)を測定した。測定結果
を図3に示す。図3から、組成比は、Fe2O3が53.
5〜55.0mol%、ZnOが8.5〜12.5mol%、M
nOが34.5〜37.0mol%の範囲内にあるものが、
図3のAの領域に該当し、(Pe+Pr)が小さく、M
n−Znフェライトとして優れていることがわかる。
の関係〕Fe2O3とZnOとMnOの組成比を変化させ
て上記試験例2の試料を作製した際と同様にしてMn−
Znフェライトを製造し、その渦電流損失(Pe)と残
留損失(Pr)の和(J/m3)を測定した。測定結果
を図3に示す。図3から、組成比は、Fe2O3が53.
5〜55.0mol%、ZnOが8.5〜12.5mol%、M
nOが34.5〜37.0mol%の範囲内にあるものが、
図3のAの領域に該当し、(Pe+Pr)が小さく、M
n−Znフェライトとして優れていることがわかる。
【0019】以上から、水熱合成法によりMn−Znフ
ェライト原料粉末を製造し、これを造粒、成形した後
に、さらに焼成による収縮率が安定する安定領域の温度
範囲で焼成することにより、得られるMn−Znフェラ
イトの平均結晶粒径を5μm以下とすることができ、も
ってパワーロスを低減し得ることができることがわか
る。
ェライト原料粉末を製造し、これを造粒、成形した後
に、さらに焼成による収縮率が安定する安定領域の温度
範囲で焼成することにより、得られるMn−Znフェラ
イトの平均結晶粒径を5μm以下とすることができ、も
ってパワーロスを低減し得ることができることがわか
る。
【0020】尚、本発明においては、成形するものの目
的に応じて、適宜さらにHIPなどの諸工程が加えられ
てもかまわない。
的に応じて、適宜さらにHIPなどの諸工程が加えられ
てもかまわない。
【0021】本発明のパワーロスの小さいMn−Znフ
ェライトは、トランスの鉄心としては勿論のこと、イン
ダクター、磁気ヘッドなどの様々磁気応用製品に広く用
いることができる。
ェライトは、トランスの鉄心としては勿論のこと、イン
ダクター、磁気ヘッドなどの様々磁気応用製品に広く用
いることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明のMn−Znフェライトの製造方
法は、水熱合成法により得られたMn−Znフェライト
原料粉末を造粒、成形した後に、焼成による収縮率が大
きい値で安定する安定領域の温度範囲で焼成し、平均結
晶粒径を5μm以下とすることを特徴とするものであ
る。
法は、水熱合成法により得られたMn−Znフェライト
原料粉末を造粒、成形した後に、焼成による収縮率が大
きい値で安定する安定領域の温度範囲で焼成し、平均結
晶粒径を5μm以下とすることを特徴とするものであ
る。
【0023】この際、その組成は、Fe2O3が52以上
55mol%以下、ZnOが5以上20mol%以下、MnO
が25以上40mol%以下であることが望ましい。さら
に、焼成する際の温度範囲は、900以上1130℃以
下であることが好ましい。また、焼成後の平均結晶粒径
は、2以上4μm以下であることがより好ましい。
55mol%以下、ZnOが5以上20mol%以下、MnO
が25以上40mol%以下であることが望ましい。さら
に、焼成する際の温度範囲は、900以上1130℃以
下であることが好ましい。また、焼成後の平均結晶粒径
は、2以上4μm以下であることがより好ましい。
【0024】この本発明の製法によれば、結晶の平均結
晶粒径を5μm以下に小さくすることもでき、特に高周
波帯域におけるパワーロスを従来になく低減することが
できる。したがって、本発明は、今後、電子機器等をそ
の性能が低下することなく、高周波帯域で使用するが可
能となり、特性の向上や小型化を図るうえで極めて有益
なMn−Znフェライトを製造し得るものである。
晶粒径を5μm以下に小さくすることもでき、特に高周
波帯域におけるパワーロスを従来になく低減することが
できる。したがって、本発明は、今後、電子機器等をそ
の性能が低下することなく、高周波帯域で使用するが可
能となり、特性の向上や小型化を図るうえで極めて有益
なMn−Znフェライトを製造し得るものである。
【図1】焼成温度と収縮率の関係を示すグラフである。
【図2】平均結晶粒径とコアロスの関係を示すグラフで
ある。
ある。
【図3】組成比と疑似磁気損失の関係を示すグラフであ
る。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 水熱合成法により得られたMn−Znフ
ェライト原料粉末を造粒、成形した後に、焼成による収
縮率が安定する安定領域の温度範囲で焼成し、平均結晶
粒径を5μm以下とすることを特徴とするMn−Znフ
ェライトの製造方法。 - 【請求項2】 組成は、Fe2O3が52以上55mol%
以下、ZnOが5以上20mol%以下、MnOが25以
上40mol%以下であることを特徴とする請求項1記載
のMn−Znフェライトの製造方法。 - 【請求項3】 焼成する温度範囲が900以上1130
℃以下であることを特徴とする請求項1記載のMn−Z
nフェライトの製造方法。 - 【請求項4】 焼成後の平均結晶粒径が、2以上4μm
以下であることを特徴とする請求項1記載のMn−Zn
フェライトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6108811A JPH07320923A (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | Mn−Znフェライトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6108811A JPH07320923A (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | Mn−Znフェライトの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07320923A true JPH07320923A (ja) | 1995-12-08 |
Family
ID=14494102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6108811A Pending JPH07320923A (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | Mn−Znフェライトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07320923A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104587948A (zh) * | 2015-01-23 | 2015-05-06 | 三峡大学 | 一种磁性可回收纳米吸附剂,制备方法及其应用 |
CN110668805A (zh) * | 2019-09-30 | 2020-01-10 | 常熟市三佳磁业有限公司 | 一种锰锌铁氧体颗粒 |
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1994
- 1994-05-23 JP JP6108811A patent/JPH07320923A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104587948A (zh) * | 2015-01-23 | 2015-05-06 | 三峡大学 | 一种磁性可回收纳米吸附剂,制备方法及其应用 |
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