JP2005170763A - MnZn系フェライト、その製造方法及び電子部品 - Google Patents

MnZn系フェライト、その製造方法及び電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 目的とする組成のフェライトを確実に製造することができ、かつ焼結密度を十分に確保し、その結果、軟磁気特性を十分に確保した、MnZn系フェライトなどのフェライトを製造する方法を提供すること。
【解決手段】 Feに換算して50モルを超える酸化鉄を含むMnZn系フェライトを製造する方法であって、MnZn系フェライトを粉砕し、3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物を得る工程と、該微粉砕物を、少なくともFe、Mn及びZnの各元素の化合物とともに混合して混合物を得る工程と、該混合物を仮焼して仮焼材料を得る工程と、該仮焼材料を粉砕、成形、焼成してフェライトを得る工程とを、有するフェライトの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、MnZn系フェライト焼成体のリサイクルに関する技術である。
軟磁性を有する酸化物磁性材料(ソフトフェライト)としては、たとえばMnZn系フェライトが知られている。MnZn系フェライトは、従来より、スイッチング電源トランス、フライバックトランスなどに用いられる低損失材、各種インダクタンス素子、EMI対策用インピーダンス素子などに広く使用されている。
近年、MnZn系フェライトの製造過程で生じる焼成後の、寸法不良、ひび割れ、欠けなどの欠陥を含むフェライト屑を再利用する技術が提案されている(特許文献1)。この技術は、MnZn系フェライト中のFeの含有量を50モル%未満に抑えたことに特徴がある。フェライト屑を、Feの含有量を50モル%未満に抑えたフェライトに再利用することにより、フェライト製造過程における焼成時のOイオンの空孔濃度を高くし、焼結密度を向上させる、というものである。
また、焼成後のフェライトを研磨することにより生じるフェライト研磨屑を再利用する技術も提案されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、フェライト屑をFeが50モル%以下のMnZn系フェライトに再利用するため、飽和磁束密度が低い、コアロスが大きい、初透磁率が小さいなどの欠点がある。従って、スイッチング電源、フライバック、通信機などに用いられる各種トランス用としては使用できない。
特許文献2に記載の技術では、フェライト研磨屑をフェライト仮焼粉と混合した後、焼成することとしているので、得られるフェライトの磁気特性が大幅に劣化する。
なお、いわゆるハードフェライトの分野では、焼成後のフェライトを粉末化したものを、次のフェライトの製造に使用することは知られている(特許文献3)。
特開2002−167272号公報 特許第2870996号公報 特開2002−353021号公報
本発明の目的は、焼結密度を十分に確保し、その結果、軟磁気特性を十分に確保した、安価な、MnZn系フェライトを製造する方法と、該方法により製造されるMnZn系フェライトと、該MnZn系フェライトを有する電子部品とを、提供することである。また、本発明は、このようなMnZn系フェライトの製造用再生原料を提供することも目的とする。
本発明者らは、50モル%を超えるFeを含むMnZn系フェライトを対象とし、このフェライトを再利用するために研究を重ねた。その結果、該フェライトを非常に細かく粉砕(微粉砕)することで、再利用に供しても、上述した目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明でいうフェライトは、焼成後の磁器状態のものを意味しており、一般にはフェライト焼成体なる用語や、フェライト焼結体あるいは、単に焼成体または焼結体なる用語を用いることもある。
本発明の第1の観点によれば、Feに換算して50モルを超える酸化鉄を含むMnZn系フェライトを製造する方法であって、MnZn系フェライトを粉砕して得られた3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物を、フェライトの製造原料の少なくとも一部として使用することを特徴とするMnZn系フェライトの製造方法が提供される。
第2の観点によれば、Feに換算して50モルを超える酸化鉄を含むMnZn系フェライトを製造する方法であって、MnZn系フェライトを粉砕して得られた3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物を、少なくともFe、Mn及びZnの各元素の化合物とともに混合して得られた混合物を用いて、フェライトを製造することを特徴とするMnZn系フェライトの製造方法が提供される。
第3の観点によれば、Feに換算して50モルを超える酸化鉄を含むMnZn系フェライトを製造する方法であって、
MnZn系フェライトを粉砕し、3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物を得る工程と、
該微粉砕物を、少なくともFe、Mn及びZnの各元素の化合物とともに混合して混合物を得る工程と、
該混合物を仮焼して仮焼材料を得る工程と、
該仮焼材料を粉砕、成形、焼成してフェライトを得る工程とを、有する
MnZn系フェライトの製造方法が提供される。
本発明では、粉砕前のMnZn系フェライトと略同組成のMnZn系フェライト製造する場合に適用することが好ましい。
この場合に製造されるMnZn系フェライトは、酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化マンガンを含む。
フェライト100モル%中の各酸化物の含有量は、酸化鉄:Feに換算して50.0モル%を超え、好ましくは51.0〜60.0モル%、より好ましくは52.0〜55.0モル%、酸化亜鉛:ZnOに換算して2.0〜15.0モル%、好ましくは4.0〜12.0モル%、酸化マンガン:MnOに換算して30.0〜40.0モル%、好ましくは33.0〜39.0モル%、である。
組成が上記範囲を外れると、飽和磁束密度が低くなる、コアロスが大きくなる等の特性劣化を生じる。
好ましくは、5〜90%の前記微粉砕物を含む混合物を用いる。
好ましくは、本発明方法は、Feに換算して50モルを超える酸化鉄を含み、さらに酸化ニッケル、酸化マグネシウム及び酸化コバルトの少なくとも一つを含むMnZn系フェライトを製造する方法である。
本発明によれば、MnZn系フェライトを粉砕して得られた3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物で構成してある、MnZn系フェライトの製造用再生原料が提供される。
本発明によれば、MnZn系フェライトを粉砕して得られた3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物を用いて製造された、MnZn系フェライトが提供される。
本発明によれば、上記MnZn系フェライトを有する電子部品が提供される。
本発明によると、焼結密度を十分に確保し、その結果、軟磁気特性を十分に確保(つまり、微粉砕物を添加しないものと比較して、ほぼ同等の磁気特性を確保)した、安価な、MnZn系フェライトを製造することができる。
具体的には、微粉砕物(再生材料)の添加量が0%のサンプルに対して、焼結密度の減少を0.1Mg/m以下に、初透磁率の低下を10%以下に、100℃での飽和磁束密度の低下を5%以下に、100℃での電力損失(コアロス)の劣化を30%以下に、それぞれ抑えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ここにおいて、図1は微粉砕物の比表面積とこれを用いて製造されたフェライトの焼結密度dとの関係を示すグラフ、図2は微粉砕物の比表面積とこれを用いて製造されたフェライトの初透磁率μiとの関係を示すグラフ、図3は微粉砕物の比表面積とこれを用いて製造されたフェライトの電力損失(コアロス)Pcvとの関係を示すグラフ、である。
本実施形態では、以下に示すMnZn系フェライトを製造する場合を例示して説明する。
このMnZn系フェライトは、実質的に、酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化マンガンで構成してある。フェライト100モル%中の各酸化物の含有量は、酸化鉄:Feに換算して51.0〜60.0モル%、酸化亜鉛:ZnOに換算して2.0〜15.0モル%、酸化マンガン:MnOに換算して30.0〜40.0モル%、である。なお、これらの他に、 酸化ニッケル、酸化マグネシウム及び酸化コバルトの少なくとも一つを含んでいても良い。
(1)まず、既に製造されたMnZn系フェライトを粉砕して微粉末を得る。
ここで用いるフェライトは、焼成後に生じた、寸法不良、ひび割れ、欠けなどの欠陥を含むフェライト屑の他に、フェライトを所定形状に研磨した後に生じるフェライト研磨屑を含む。
本実施形態では、粉砕は、上記組成のフェライトを、たとえば、一旦、振動ミルなどで粗粉砕した後、ボールミルなどで微粉砕し、得られる微粉末が、3.0m/g以上の比表面積を持つこととなるように行う。比表面積3.0m/gを平均粒径に換算すると、およそ2μm程度となる。つまり得られる粉末が、平均粒径2μm以下となるように粉砕を行う。比表面積が3.0m/g未満の粉末では、粗大粒子が焼成工程での焼結性を阻害し、十分な緻密化ができず、フェライトの焼結密度が低下する。その一方で、比表面積をあまりに大きくするには、多大なエネルギーを要し、生産性を低下させるので、比表面積の上限は、好ましくは10.0m/g程度(平均粒径がおよそ0.7μm)とする。
(2)次に、得られた微粉末を、酸化鉄(α−Fe )、酸化マンガン(Mn)、酸化亜鉛(ZnO)、さらには必要に応じて添加される酸化ニッケル(NiO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化コバルト(Co)とともに、所定の組成比となるように秤量して混合し、目標成分組成(上記組成のMnZn系フェライトと同組成)の混合物を得る。
原料としては、金属単体、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物を用いてもよい。
秤量は、通常1/1000の精度で行う。混合法としては、たとえば、ボールミルを用いる湿式混合と、乾式ミキサーを用いる乾式混合とが挙げられる。なお、微粉末の他に新たに加える前記原料は、通常、比表面積が3〜4m/g(平均粒径=2〜10μm)程度である。
前記微粉末は、混合物中に、好ましくは5〜90%、より好ましくは5〜50%、さらに好ましくは5〜30%、特に好ましくは5〜10%含まれることとなるように添加する。
なお、混合物中には、原料中の不可避的不純物元素が含まれ得る。このような元素としては、B、Al、Si、P、Ca、Cr、Co、Na、K、S、Clなどが挙げられる。電力損失や磁気特性への影響を抑えるためには、これら各元素の混合物全体に対する重量比率が200ppm以下であることが好ましいが、特にPおよびBは、電力損失や磁気特性への影響が大きいため、混合物全体に対するPの重量比率は、好ましくは0〜30ppmとし、また混合物全体に対するBの重量比率は、好ましくは0〜50ppmとする。
本実施形態では、微粉砕物を仮焼前に投入することで、得られるフェライトの特性劣化を効果的に防止できる。
(3)次に、混合物の仮焼を行い、仮焼材料を得る。仮焼は、原料の熱分解、成分の均質化、フェライトの生成、焼結による超微粉の消失と適度の粒子サイズへの粒成長を起こさせ、混合物を後工程に適した形態に変換するために行われる。こうした仮焼は、好ましくは800〜1100℃の温度で、通常1〜3時間程度行う。仮焼は、大気(空気)中で行ってもよく、大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気や酸素分圧が低い雰囲気や純酸素雰囲気で行っても良い。なお、フェライト中に副成分(酸化鉄、酸化マンガン及び酸化亜鉛以外の化合物)を含める場合には、主成分原料と副成分原料との混合は、仮焼の前に行なってもよく、仮焼後に行なってもよい。
なお、上記微粉末とともに、新たに加える原料が微量(混合物全体の好ましくは10%以下)である場合は、仮焼を行わなくても良い。
(4)次に、仮焼材料の粉砕を行い、粉砕材料を得る。粉砕は、仮焼材料の凝集をくずして適度の焼結性を有する粉体を製造するために行われる。仮焼材料が大きい塊を形成しているときには、粗粉砕を行ってからボールミルやアトライターなどを用いて湿式粉砕を行う。湿式粉砕は、仮焼材料の平均粒径が、好ましくは1〜2μm程度となるまで行う。
(5)次に、粉砕材料の造粒(顆粒)を行い、造粒物を得る。造粒は、粉砕材料を適度な大きさの凝集粒子とし、成形に適した形態に変換するために行われる。こうした造粒法としては、たとえば、加圧造粒法やスプレードライ法などが挙げられる。スプレードライ法は、粉砕材料に、ポリビニルアルコールなどの通常用いられる結合剤を加えた後、スプレードライヤー中で霧化し、乾燥する方法である。
(6)次に、造粒物を所定形状に成形し、成形体を得る。造粒物の成形としては、たとえば、乾式成形、湿式成形、押出成形などが挙げられる。乾式成形法は、造粒物を、金型に充填して圧縮加圧(プレス)することにより行う成形法である。成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜決定すればよい。
(7)次に、成形体の本焼成を行い、焼結体(フェライト)を得る。本焼成は、多くの空隙を含んでいる成形体の粉体粒子間に、融点以下の温度で粉体が凝着する焼結を起こさせ、緻密な焼結体を得るために行われる。こうした本焼成は、好ましくは1200〜1400℃の温度で、通常2〜5時間程度行う。本焼成は、酸素濃度を制御した雰囲気中で行う。
本実施形態では、以上のような工程を経て、上記組成のMnZn系フェライトが製造される。こうして製造されたMnZn系フェライトは、スイッチング電源トランス、フライバックトランスなどに用いられる低損失材、各種インダクタンス素子、EMI対策用インピーダンス素子などの電子部品に広く適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
次に、本発明の実施の形態をより具体化した実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
フェライトの製造
まず、出発原料として、Fe、Mn、ZnOを用意した。
次に、用意された各出発原料の粉末を、最終的に、Fe:53.0モル%、MnO:35.5モル%及びZnO:11.5モル%の組成を持つMnZn系フェライトが得られるように秤量した後、ボールミルで5時間湿式混合して原料混合物を得た。
次に、得られた原料混合物を、空気中において900℃で2時間仮焼して仮焼材料とした後、ボールミルで20時間湿式粉砕して粉砕材料を得た。
次に、得られた粉砕材料を乾燥した後、該粉砕材料100重量%に、バインダーとしてのポリビニルアルコールを1.0重量%添加して造粒して造粒物とし、これを、100MPaの圧力で加圧成形して、トロイダル形状(寸法=外径20mm×内径10mm×高さ5mm)の成形体を得た。
次に、得られた成形体を、酸素濃度を制御した雰囲気中で、1340℃で4時間焼成して、焼結体(フェライト)としてのトロイダルコアサンプル(サンプルA)を得た。
微粉砕物(焼成体粉末)の製造
次に、得られたトロイダルコアサンプルを、振動ミルで粗粉砕した後、ボールミルで微粉砕を行い、表1に示す比表面積を持つ微粉砕物を得た。なお、ここでの比表面積は、島津製作所製のフローソーブ2300型を用い、気体吸着法(BET法)により求めた。
次に、得られた微粉砕物を表1の割合で、Fe 、Mn、ZnOとともに、ボールミルで5時間湿式混合し、上記組成のMnZn系フェライトと同組成の混合物を得た。
次に、得られた混合物を、上記仮焼条件と同一条件で仮焼して仮焼材料とした後、同様にして粉砕材料を得た。
次に、得られた粉砕材料を乾燥した後、上記造粒条件と同一条件で造粒して造粒物とし、同様のトロイダル形状の成形体を得た。
次に、得られた成形体を、酸素濃度を制御した雰囲気中で、1340℃で4時間焼成して、焼結体(フェライト)としてのトロイダルコアサンプル(サンプルB)を得た。
サンプルBの評価
得られたサンプルB(試料2〜33)について、焼結密度d、初透磁率μi、飽和磁束密度Bs及び電力損失(コアロス)Pcvを、次のようにして測定した。なお、サンプルA(試料1)についても同様に測定した。結果を表1に示す。
得られたサンプルBの焼結密度dをアルキメデス法により測定した(単位:Mg/m)。dは4.7Mg/m以上を良好とした(STD対比0.1Mg/m以下の減少まで許容)。
得られたサンプルBに、銅製ワイヤー(線径0.35mm)を20回巻回した後、ヒューレットパッカード社製プレシジョンLCRメータ4284Aによりインダクタンス値を測定し、100kHz、0.4A/mにおける初透磁率μiを求めた(単位:なし)。μiは1880以上を良好とした(STD対比10%劣化まで許容)。
上記μiの測定に用いたサンプルBに、さらに巻線を40回巻回した後、理研電子社製 B−Hカーブトレーサーにて1kA/mの磁場を印加したときの飽和磁束密度Bsを測定した(単位:mT)。Bsは463mT以上を良好とした(STD対比5%劣化まで許容)。
得られたサンプルBに、1次巻線及び2次巻線を5回ずつ巻回し、100kHz、200mT、23℃、80℃、100℃、120℃での電力損失(コアロス)Pcvを測定した(単位:kW/m)。測定は、IWATSU社製 SY−8217 B−H アナライザー、 NF ELECTRONIC INSTRUMENTS社製 HIGH SPEED POWER AMPLIFIER IE−1125にて行った。Pcvは528kW/m以下を良好とした(STD対比30%劣化まで許容)。
Figure 2005170763
表1に示すように、比表面積の小さい(平均粒径の大きい)粉末を再生した場合(試料2〜9)、緻密化が十分に行われず、焼結密度dの低下が見られた。その結果、磁気特性(初透磁率μi、飽和磁束密度Bs、電力損失(コアロス)Pcv)も劣化した。具体的には、焼成体粉末使用前のサンプルAと比較して、0.1Mg/mを超えるdの低下、10%を超えるμiの劣化、5%を超えるBsの劣化、30%を超えるPcvの劣化が確認された。
これに対し、比表面積が3.0m/g以上と平均粒径の小さい粉末を再生した場合(試料10〜33)には、十分に緻密化が行われており、焼成体粉末使用前のサンプルAと比較しても、0.1Mg/m以下しかdが低下していなかった。これに伴い、磁気特性の劣化も抑えることができた。
また、焼成体粉末の再生量については、少なすぎると(試料10,17,24)、特性の劣化を認められないが、再利用の効果が得られない。逆に多すぎると(試料16,23,30)、焼結密度dが低下する傾向にあることが確認できた。
また、微粉砕物の比表面積と、これを用いて製造されたフェライトの焼結密度d、初透磁率μi及び電力損失(コアロス)Pcvとの関係を、図1〜3に示した。
図1〜3に示すように、50%再生時において、使用上問題のない磁気特性を得るためには、3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物を用い、焼成時、十分に緻密化が促進されるようにする必要があることが確認できた。
図1は微粉砕物の比表面積とこれを用いて製造されたフェライトの焼結密度dとの関係を示すグラフである。 図2は微粉砕物の比表面積とこれを用いて製造されたフェライトの初透磁率μiとの関係を示すグラフである。 図3は微粉砕物の比表面積とこれを用いて製造されたフェライトの電力損失(コアロス)Pcvとの関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. Feに換算して50モルを超える酸化鉄を含むMnZn系フェライトを製造する方法であって、
    MnZn系フェライトを粉砕して得られた3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物を、フェライトの製造原料の少なくとも一部として使用することを特徴とするMnZn系フェライトの製造方法。
  2. Feに換算して50モルを超える酸化鉄を含むMnZn系フェライトを製造する方法であって、
    MnZn系フェライトを粉砕して得られた3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物を、少なくともFe、Mn及びZnの各元素の化合物とともに混合して得られた混合物を用いて、フェライトを製造することを特徴とするMnZn系フェライトの製造方法。
  3. Feに換算して50モルを超える酸化鉄を含むMnZn系フェライトを製造する方法であって、
    MnZn系フェライトを粉砕し、3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物を得る工程と、
    該微粉砕物を、少なくともFe、Mn及びZnの各元素の化合物とともに混合して混合物を得る工程と、
    該混合物を仮焼して仮焼材料を得る工程と、
    該仮焼材料を粉砕、成形、焼成してフェライトを得る工程とを、有する
    MnZn系フェライトの製造方法。
  4. 5〜90%の前記微粉砕物を含む混合物を用いる、請求項2または3に記載のMnZn系フェライトの製造方法。
  5. Feに換算して50モルを超える酸化鉄を含み、さらに酸化ニッケル、酸化マグネシウム及び酸化コバルトの少なくとも一つを含むMnZn系フェライトを製造する方法である、請求項1〜3の何れかに記載のMnZn系フェライトの製造方法。
  6. MnZn系フェライトを粉砕して得られた3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物で構成してある、MnZn系フェライトの製造用再生原料。
  7. MnZn系フェライトを粉砕して得られた3.0m/g以上の比表面積を持つ微粉砕物を用いて製造された、MnZn系フェライト。
  8. 請求項7に記載のMnZn系フェライトを有する電子部品。
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