JP4701591B2 - フェライト組成物及び電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、インダクタンス素子やフェライト基板などの電子部品に好適に使用されるフェライト組成物と、該フェライト組成物を有し、特に高周波帯域・高磁界(磁場)下で使用されるインダクタンス素子やフェライト基板などの電子部品とに、関する。
近年、各種電子機器の小型・軽量化が益々に進み、また動作周波数もより高周波帯域へと向かっている。このため、各種電子機器の電気回路を構成する電子部品の小型化・軽量化・高性能化への要求が益々に高まっている。特に、高周波帯域・高磁界下で安定して使用できるインダクタンス素子やフェライト基板が要望されている。
このような用途に用いられるフェライト組成物は、その磁気特性として、大電流印加による高磁界においても飽和しないこと、すなわち高い飽和磁束密度(Bs)を備えていることが望まれる。高いBsを持つフェライト組成物としては、Mn−Zn系フェライトが知られている。
しかし、Mn−Zn系フェライトは、電気抵抗が低く、直巻線ができないことから小型・薄型化への対応が困難であった。また、高周波帯域で損失が大きくなる傾向があった。
これに対し、Ni−Zn系またはNi−Cu−Zn系のフェライトも知られている(特許文献1〜2参照)。
特許文献1では、Fe:48〜50モル%、ZnO:15〜25モル%、NiO:22〜37モル%、CuO:2.5モル%以下、残部不可避不純物およびMoOを3000ppm以下添加したフェライト組成物が開示されている。
特許文献2では、Feの含有量が全フェライト組成の半分程度以上と多く、残部のNiO、ZnOあるいはCuOの含有量を少量としたフェライト組成物が開示されている。具体的には、Feの含有量が50モル%<Fe<80モル%で、残部NiO、ZnOあるいはCuOの含有量が15モル%以下のフェライト組成物である。
このようなNi−Zn系またはNi−Cu−Zn系のフェライトは、上記Mn−Zn系フェライトに比べてBsの絶対値は低いものの、電気抵抗が高く、直接巻線が可能である。このため、小型化・薄型化・低コスト化を図る上で有利である。
しかしながら、特許文献1〜2に記載の組成を持つフェライトからなるドラム型コアなどを用いてコイルを形成した場合には、ギャップ(Gap)ができ、100kHz程度の低周波帯域では問題ないが、より小型化を図る場合にギャップ(Gap)がないような状態になり、このような閉磁路・高周波数帯域で使用した場合には、直流重畳特性が大幅に劣化したり、磁界変動の影響を受け、特性(インダクタンス)が大幅に劣化することがあった。
特開平6−295811号公報 特開2001−217115号公報
本発明の目的は、閉磁路で高周波帯域の直流重畳特性において、特性(インダクタンス)の優れるフェライト組成物と、該フェライト組成物を有するインダクタンス素子(コイル)やフェライト基板などの電子部品とを、提供することである。
本発明者らは、フェライト中でのZnOのモル%を多くする代わりに、Feのモル%を50モル%以下と少なくすることで、一般的には、直流(磁界)が重畳されるにしたがってインダクタンス(透磁率)が大幅劣化(急激に劣化)する高周波帯でも、インダクタンスの低下レベルをなだらかにできることを見出した。また、SiやCoを積極的に含有させると、特性(インダクタンス)が劣化することがあるとの知見も得た。これらの知見に基づいて本発明を完成させた。
(1)すなわち、本発明の第1の観点によれば、
酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化ニッケルを含む主成分を有するフェライト組成物であって、
前記主成分100モル%中の各酸化物の含有量が、
酸化鉄:Feに換算して38.5〜48.5モル%、
酸化亜鉛:ZnOに換算して32.0〜43.0モル%、
酸化ニッケル:NiOに換算して11.5〜21.5モル%、であるフェライト組成物が提供される。
この発明によると、主成分100モル%中のFeとZnとの含有バランスあえてを崩すような組成範囲としてある。通常、酸化亜鉛の含有量を多くすると、キュリー温度(Tc)が低くなりすぎると考えられていたが、実際に多くしてみても、100℃以上のキュリー温度(Tc)を有することが確認でき、たとえば1MHzの高周波帯での使用に際して実用レベルを確保できることを見出した。すなわち、直流重畳下(周波数1MHz、直流磁界H=1000A/m)にて、50以上の透磁率を有することが確認できた。従来、1MHzで、50以上の透磁率を持つフェライト組成物は存在しなかった。
また、一般的には、直流(磁界)が重畳されるにしたがってインダクタンスが大幅劣化(急激に劣化)する高周波帯でも、インダクタンスの低下レベルをなだらかにすることができる(図1参照)。
すなわち、本発明によれば、閉磁路・高周波帯域・高磁界下でも優れた直流重畳特性(50以上の透磁率を持つ)を得ることができ、特性(インダクタンス)の劣化が少ないフェライト組成物が提供される。
なお、Ni−Zn系またはNi−Cu−Zn系のフェライトにおいて、35〜36モル%程度の比較的多量のZnOを含有する技術も知られている(特開平6−333719号、特公昭59−10566号、特許第2898343号、特公平7−24243号、特許第2662810号、特許第2599887号)。
しかしながら、これらの技術では、Ni、Cu、Zn以外のその他の添加成分を含有するため、高周波帯での直流重畳特性が劣る。特に、SiOやCoOを含有する場合は、高周波帯での直流重畳特性がより劣ることが確認されている。特に、ZnSiO相を多く含む場合には、直流重畳特性に悪影響を与えうる。
(2)上記第1の観点では、前記主成分が、酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化ニッケルで構成されているNi−Zn系フェライト組成物であることが好ましい。
すなわち、第2の観点によれば、
実質的に、酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化ニッケルで構成してある主成分を有するフェライト組成物であって、
前記主成分100モル%中の各酸化物の含有量が、
酸化鉄:Feに換算して38.5〜48.5モル%、
酸化亜鉛:ZnOに換算して32.0〜43.0モル%、
酸化ニッケル:NiOに換算して11.5〜21.5モル%、であるフェライト組成物が提供される。
”実質的に構成”とは、ここに挙げた酸化物以外の化合物が不純物レベルの量を超えて含有されていないことを意味し、不純物レベルの量であれば含有されていてもよい趣旨である。
(3)本発明のフェライト組成物では、前記主成分の他に、副成分として酸化銅を有していてもよい。この場合、組成物中の該酸化銅の含有量は、CuOに換算して0〜7重量%(ただし、0重量%を除く)であることが好ましい。
本発明では、組成物中に、酸化硅素(SiO)及び酸化コバルト(CoO)を含まないことが好ましい。
”酸化硅素及び酸化コバルトを含まない”とは、不純物レベルとは言えない量を超える酸化硅素及び酸化コバルトを含まないことを意味し、不純物レベルの量(組成物中の含有量がたとえば0.05重量%以下)であれば含有されていてもよい趣旨である。
酸化硅素及び酸化コバルトが含まれていると、特性(インダクタンス)が劣化するからである。
(4)本発明のフェライト組成物は、100℃以上のキュリー温度を有することが好ましい。
(5)本発明のフェライト組成物は、直流重畳下にて(周波数1MHz、直流磁界H=1000A/m)、50以上の透磁率を有することが好ましい。
(6)本発明によれば、上記何れかのフェライト組成物を有する電子部品が提供される。
電子部品としては、特に限定されないが、インダクタンス素子(コイル)、フェライト基板などが挙げられる。特に、高磁界下で使用される、インダクタンス素子(コイル)またはフェライト基板に適用して好ましい。
本発明によると、−40℃〜130℃の実用温度帯域においても、閉磁路・高周波帯域(たとえば500kHz以上、好ましくは1MHz以上、より好ましくは2MHz以上)・高磁界下で優れた直流重畳特性を得ることができ、特性(インダクタンス)の劣化が少ないフェライト組成物が提供される。
したがって、本発明のフェライト組成物は、インダクタンス素子およびフェライト基板の用途等に優れた特性・効果を有する。特に、閉磁路・高周波帯域・高磁界下で使用されるインダクタンス素子およびフェライト基板に優れた特性・効果を発揮する。
直流重畳下での透磁率(直流重畳特性)は、50以上であることが好ましく、より好ましくは65以上である。透磁率が高い方が、閉磁路・高磁界下でも有利であるからである。この高い透磁率は、上述したような特定組成にすることで達成できるものである。一般的に、高Bsのフェライト組成物の高周波帯での直流重畳特性は、直流(磁界)が重畳されるにしたがって、インダクタンスは大幅劣化(急峻に低下)する。これに対し、本発明のフェライト組成物は、インダクタンスの低下レベルがなだらかとなり、特性が劣化しにくい。
以下、本発明の実施形態を説明する。ここにおいて、
図1は実施例において、試料13と試料18のサンプルを用いた場合の直流重畳特性を示すグラフである。
フェライト組成物
本発明の一実施形態に係るフェライト組成物は、主成分を有する。
主成分は、実質的に、酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化ニッケルで構成してある。
主成分100モル%中の各酸化物の含有量は、
酸化鉄:Feに換算して38.5〜48.5モル%、好ましくは44〜46モル%、
酸化亜鉛:ZnOに換算して32.0〜43.0モル%、好ましくは36〜39モル%、
酸化ニッケル:NiOに換算して11.5〜21.5モル%、好ましくは17〜18モル%、である。
次に、数値範囲の限定理由について説明する。
上記主成分100モル%中で、
(1)酸化鉄がFeに換算して38.5モル未満であると、焼結体密度が低下する。一方、48.5モル%を超えると、直流重畳特性(透磁率)が低下する。
(2)酸化亜鉛がZnOに換算して32モル未満でも43モルを超えても、直流重畳特性(透磁率)が低下する。
(3)酸化ニッケルがNiOに換算して11.5モル未満でも21.5モルを超えても、直流重畳特性(透磁率)が低下する。
本発明の一実施形態に係るフェライト組成物は、上記主成分の他に、種々の副成分を有していてもよい。副成分としては、酸化銅などが挙げられる。酸化銅の含有量は、全フェライト組成物中で、CuOに換算して0〜7重量%(ただし、0重量%を除く)が好ましく、より好ましくは1〜3重量%である。
本実施形態に係るフェライト組成物は、酸化硅素及び酸化コバルトを含有しないことが好ましい。これらを含有させないことで、高周波帯におけるフェライト組成物の特性(インダクタンス)が劣化することはない。
本実施形態に係るフェライト組成物には、上記主成分及び副成分としての酸化銅の他に、不可避的不純物元素の酸化物が含まれ得る。
製造方法
次に、本実施形態に係るフェライト組成物の製造方法の一例を説明する。
まず、出発原料を、所定の組成比となるように秤量して混合し、原料混合物を得る。混合法としては、たとえば、ボールミルを用いる湿式混合と、乾式ミキサーを用いる乾式混合とが挙げられる。なお、平均粒径が0.1〜3μmの出発原料を用いることが好ましい。
原料混合物は、酸化鉄(α−Fe )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、あるいは焼成により上記酸化物となる金属で、好ましくは上記例示金属の酸化物からなる主成分原料を含有する。原料混合物は、酸化銅(CuO)、あるいは焼成により酸化銅となる金属の化合物からなる副成分原料を含有していてもよい。焼成により上記酸化物になるものとしては、金属単体、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物などが含まれる。各原料は、フェライトの最終組成として前記した量比になるように混合される。
なお、原料混合物中には、原料中の不可避的不純物元素が含まれ得る。このような元素としては、B、Al、Si、P、Ca、Cr、Co、Na、K、S、Clなどが挙げられる。電力損失や磁気特性への影響を抑えるためには、これら各元素の組成物全体に対する重量比率が500ppm以下であることが好ましい。
次に、原料混合物の仮焼きを行い、仮焼き材料を得る。仮焼きは、原料の熱分解、成分の均質化、フェライトの生成、焼結による超微粉の消失と適度の粒子サイズへの粒成長を起こさせ、原料混合物を後工程に適した形態に変換するために行われる。こうした仮焼きは、好ましくは800〜1100℃の温度で、通常1〜3時間程度行う。仮焼きは、大気(空気)中で行ってもよく、大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気で行っても良い。なお、フェライト中に副成分を含める場合には、主成分原料と副成分原料との混合は、仮焼きの前に行なってもよく、仮焼後に行なってもよい。
次に、仮焼き材料の粉砕を行い、粉砕材料を得る。粉砕は、仮焼き材料の凝集をくずして適度の焼結性を有する粉体を製造するために行われる。仮焼き材料が大きい塊を形成しているときには、粗粉砕を行ってからボールミルやアトライターなどを用いて湿式粉砕を行う。湿式粉砕は、仮焼き材料の平均粒径が、好ましくは0.5〜2μm程度となるまで行う。
次に、粉砕材料の造粒(顆粒)を行い、造粒物を得る。造粒は、粉砕材料を適度な大きさの凝集粒子とし、成形に適した形態に変換するために行われる。こうした造粒法としては、たとえば、加圧造粒法やスプレードライ法などが挙げられる。スプレードライ法は、粉砕材料に、ポリビニルアルコールなどの通常用いられる結合剤を加えた後、スプレードライヤー中で霧化し、乾燥する方法である。
次に、造粒物を所定形状に成形し、成形体を得る。造粒物の成形としては、たとえば、乾式成形、湿式成形、押出成形などが挙げられる。乾式成形法は、造粒物を、金型に充填して圧縮加圧(プレス)することにより行う成形法である。成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜決定すればよい。
次に、成形体の本焼成を行い、焼結体(本実施形態のフェライト組成物)を得る。本焼成は、多くの空隙を含んでいる成形体の粉体粒子間に、融点以下の温度で粉体が凝着する焼結を起こさせ、緻密な焼結体を得るために行われる。こうした本焼成は、好ましくは900〜1300℃の温度で、通常2〜5時間程度行う。本焼成は、大気(空気)中で行ってもよく、大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気で行っても良い。本実施形態では、製造コストを抑えるために、空気中で本焼成を行っても、安定した特性を持つ焼結体を得ることができ、しかも比抵抗が劣化することもない。
このような工程を経て、本実施形態に係るフェライト組成物は製造される。
製造されたフェライト組成物は、高磁界下で使用される、インダクタンス素子(コイル)またはフェライト基板などの電子部品に適用される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
次に、本発明の実施の形態をより具体化した実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
まず、出発原料として、Fe、ZnO、NiO、CuOを用意した。また、参考のために、SiOやCoOも用意した。次に、用意された各出発原料の粉末を、各表に示す組成(ただし、CuO、SiOおよびCoOについては、組成物中での含有量(重量%)として表した)となるように秤量した後、ボールミルで5時間湿式混合して原料混合物を得た。次に、得られた原料混合物を、空気中において900℃で2時間仮焼して仮焼き材料とした後、ボールミルで20時間湿式粉砕して粉砕材料を得た。次に、この粉砕材料乾燥した後、該粉砕材料100重量%に、バインダーとしてのポリビニルアルコールを1.0重量%添加して造粒して造粒物とし、これを、100kPaの圧力で加圧成形して、トロイダル形状(寸法=外径36mm×内径23mm×高さ7mm)の成形体を得た。次に、これら各成形体を、空気中において、1200℃で2時間焼成して、焼結体としてのトロイダルコアサンプルを得た。
得られたトロイダルコアサンプルの、焼結密度、直流重畳特性およびキュリー温度(Tc)等を測定した。
焼結密度dは、トロイダルコアサンプルの寸法と質量を測定して、質量W/体積Vを算出することにより求めた(単位:g/cm)。
直流重畳特性(透磁率)は、測定条件:(周波数1MHz、H=0.4A/mにおいて直流磁界H=1000A/m)で透磁率を測定することにより求めた(単位なし)。透磁率50以上を良好、65以上を特に良好とした。
キュリー温度Tcは、JIS−C2561に準じて求めた(単位:℃)。具体的には、サンプルを恒温槽の中に入れ、毎分1℃以下の速さで温度を上げながら交流初透磁率μiacを測定する。このときの交流初透磁率と温度との関係図を作成し、その下降部において最大の80%と20%の点を結ぶ延長線がμiac=1の線と交わる点を求め、キュリー温度とした。
これらの結果を表1〜2に示す。
Figure 0004701591
(2)主成分100モル%中で、ZnO:32モル%未満でも(試料2)、43モル%を超えても(試料9)、直流重畳特性が劣る。これに対し、主成分100モル%中で、ZnO:32〜43モル%であると、透磁率が50以上となることが確認できた(試料3〜8)。特に、ZnO:36〜39モル%の範囲で、透磁率が65以上となることが確認された(試料6〜8)。
(3)主成分100モル%中で、NiO:11.5モル%未満でも(試料12)、21.5モル%を超えても(試料11)、直流重畳特性が劣る。これに対し、主成分100モル%中で、NiO:11.5〜21.5モル%であると、透磁率が50以上となることが確認できた(試料3〜8)。特に、NiO:17〜18モル%の範囲で、透磁率が65以上となることが確認された(試料6〜8)。
Figure 0004701591
なお、表2には、CuO含有量が0重量%の例として、試料6のデータも合わせて示す。
(2)CuOの含有量が7重量%以下(ただし、0重量%を除く)でも、主成分100モル%中で、Feが48.5モル%を超え、ZnOが32モル%未満であり、NiOが21.5モル%を超える場合には、直流重畳特性が劣る(試料18)。
(3)SiOやCoOを含む場合は、直流重畳特性が劣る傾向にある(試料19〜20)。
(4)試料13と試料18のサンプルを用い、直流重畳特性の関係を図1のグラフに示した。図1に示すように、試料13のサンプルでは、試料18のサンプルと比較して、インダクタンスの低下レベルがなだらかであり、高磁界下でも十分に高い透磁率を保持できていることが確認できた。
実施例2
表1の試料6のサンプルを用い、測定条件:(周波数500kHz、H=0.4A/mにおいて直流磁界H=1000A/m)で透磁率を測定し、直流重畳特性を評価した。その結果、透磁率は65であり、良好な結果が得られた。
実施例3
表1の試料6のサンプルを用い、測定条件:(周波数2MHz、H=0.4A/mにおいて直流磁界H=1000A/m)で透磁率を測定し、直流重畳特性を評価した。その結果、透磁率は65であり、良好な結果が得られた。
実施例において、試料13と試料18のサンプルを用いた場合の直流重畳特性を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 実質的に、酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化ニッケルで構成してある主成分を有するフェライト組成物であって、
    前記主成分100モル%中の各酸化物の含有量が、
    酸化鉄:Feに換算して44〜46モル%、
    酸化亜鉛:ZnOに換算して36〜39モル%、
    酸化ニッケル:NiOに換算して17〜18モル%、であり、
    酸化硅素(SiO)及び酸化コバルト(CoO)を含まず、
    前記主成分の他に、酸化銅を有し、組成物中の該酸化銅の含有量が、CuOに換算して0〜3重量%(ただし、0重量%を除く)であることを特徴とするフェライト組成物。
  2. 100℃以上のキュリー温度を有する請求項に記載のフェライト組成物。
  3. 直流重畳下(周波数1MHz、直流磁界H=1000A/m)にて、50以上の透磁率を有する請求項1または2に記載のフェライト組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のフェライト組成物を有する電子部品。
  5. 高磁界下で使用される、インダクタンス素子またはフェライト基板である請求項に記載の電子部品。
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