JP3230414B2 - 磁性体コアの製造方法及びインダクタの製造方法 - Google Patents

磁性体コアの製造方法及びインダクタの製造方法

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JP3230414B2 JP18792995A JP18792995A JP3230414B2 JP 3230414 B2 JP3230414 B2 JP 3230414B2 JP 18792995 A JP18792995 A JP 18792995A JP 18792995 A JP18792995 A JP 18792995A JP 3230414 B2 JP3230414 B2 JP 3230414B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はコイルや変成器な
どの磁心に使用されているフェライト製の磁性体コアの
製造方法及びインダクタの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】磁性体コアの材料として使用されている
フェライトとしては、Mn−Zn系フェライト、Ni−
Zn系フェライト又はCu−Zn系フェライト等が知ら
れている。これらのフェライトの中で、Mn−Zn系フ
ェライトは大きな飽和磁気を持っており、初透磁率も大
きいなど、コイルや変成器の磁心として特性が優れてい
るので、多く使用されている。
【0003】フェライトからなる磁性体コアの製造方法
としては種々のものが知られているが、工業的には次に
説明する乾式法によって製造されている。
【0004】まず、製造する磁性体コアのフェライト組
成に応じて原料を調製し、これらを充分に混合させる。
混合は乾式ミキサーでも行なえるが、ボールミルを用い
た湿式の方が良く混合できるので、通常はこちらの方で
行なわれる。この混合によって得られた原料混合物は乾
燥させてから800〜900℃程度の温度で仮焼させ
る。この仮焼は後の工程における反応を円滑に進めさせ
るために行なわれる。
【0005】次に、この仮焼によって得られた仮焼物を
微粉砕し、これにポリビニルアルコール等の結合剤を加
えて充分に混合し、これをスプレードライヤ中に強制的
に噴霧させ、低温で乾燥させてフェライトの顆粒を得
る。フェライトはこの操作により流動性の良い球状の顆
粒になり、次の成形工程における成形性が良くなる。
【0006】次に、このフェライトの顆粒を金型に入
れ、高圧を加えて成型し、所望の形状の成形体を得る。
そして、この成形体を多数、耐火物製の入れ物(以下、
匣鉢という)に入れ、この匣鉢を焼成炉内に入れ、12
00〜1400℃程度の高温で焼成する。成形体はこの
高温の焼成によって焼結し、磁性体コアになる。
【0007】次に、焼成炉からこの磁性体コアを匣鉢と
ともに取り出し、匣鉢から網製のバットに空ける。この
とき、磁性体コアの一部を抜き取り、L値を測定する。
このL値の測定は、その後の工程を進める上での目安に
なる。
【0008】次に、磁性体コアを網製のバットごと超音
波洗浄器内に入れ、超音波洗浄して磁性体コアの表面の
不純物を洗浄除去する。超音波洗浄が終わった磁性体コ
アは乾燥させ、コイルを巻回してインダクタとする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の磁性
体コア又はインダクタは、製造工程における衝撃等によ
る歪みによってL値が変動し易いことから、完成品のL
値のバラツキ幅が大きく、歩留が悪いという問題点があ
った。
【0010】この発明はL値のバラツキ幅の小さな磁性
体コアの製造方法及びインダクタの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、フェライトの焼結体からな
る磁性体コアにおいて、該焼結体の表面の、3個の結晶
粒の粒界が交差する三重点に小孔を設けた。
【0012】ここで、フェライトとしては、Mn−Zn
系フェライト、Ni−Zn系フェライト又はCu−Zn
系フェライトを挙げることができるが、これは例示であ
り、これら以外のフェライトを除外するものではない。
【0013】また、上記問題点を解決するため、請求項
3記載の発明は、フェライトの焼結体からなる磁性体
と、該磁性体の表面又は内部に設けられたコイルとを備
えたインダクタにおいて、該焼結体の表面の、3個の結
晶粒の粒界が交差する三重点に小孔を設けた。
【0014】ここで、フェライトとしては、Mn−Zn
系フェライト、Ni−Zn系フェライト又はCu−Zn
系フェライトを挙げることができるが、これは例示であ
り、これら以外のフェライトを除外するものではない。
【0015】インダクタは、磁性体コアにコイルを巻回
したもののみならず、積層タイプのチップインダクタで
あってもよい。
【0016】また、上記問題点を解決するため、請求項
5記載の発明は、所定の形状に成形したフェライト原料
を焼結させてなる磁性体コアの製造方法において、該焼
結によって得られた焼結体の表面を酸又はアルカリで腐
食させて、該焼結体の表面の、3個の結晶粒の粒界が交
差する三重点に小孔を設けた。
【0017】ここで、フェライト原料としては、Mn−
Zn系フェライト原料、Ni−Zn系フェライト原料又
はCu−Zn系フェライト原料を挙げることができる
が、これは例示であり、これら以外のフェライト原料を
除外するものではない。
【0018】焼結体の表面を腐食させる酸としては、例
えば塩酸、硫酸、硝酸又はこれらの混酸を、アルカリと
しては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用するこ
とができるが、焼結体の表面を腐食させて、該焼結体の
表面の、3個の結晶粒の粒界が交差する三重点に小孔を
形成できるものであればこれら以外の酸又はアルカリを
使用してもよい。
【0019】また、上記問題点を解決するため、請求項
7記載の発明は、フェライト原料を所定の形状に焼結さ
せるとともに、該焼結によって得られた焼結体の表面又
は内部にコイルを設けてなるインダクタの製造方法にお
いて、該焼結によって得られた焼結体の表面を酸又はア
ルカリで腐食させて、該焼結体の表面の、3個の結晶粒
の粒界が交差する三重点に小孔を設けた。
【0020】ここで、フェライト原料としては、Mn−
Zn系フェライト原料、Ni−Zn系フェライト原料又
はCu−Zn系フェライト原料を挙げることができる
が、これは例示であり、これら以外のフェライト原料を
除外するものではない。
【0021】焼結体の表面を腐食させる酸としては、例
えば塩酸、硫酸、硝酸又はこれらの混酸を、アルカリと
しては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用するこ
とができるが、焼結体の表面を腐食させて、該焼結体の
表面の、3個の結晶粒の粒界が交差する三重点に小孔を
形成できるものであればこれら以外の酸又はアルカリを
使用してもよい。
【0022】インダクタは、磁性体コアにコイルを巻回
したもののみならず、積層タイプのチップインダクタで
あってもよい。
【0023】
【実施例】
実施例1 まず、磁性体コアの原料粉末として、表1に示す量のF
23 ,MnO2 ,ZnOを秤量し、これらを水とと
もにボールミル内に入れ、4時間混合してスラリー状の
原料混合物を得た。
【0024】
【表1】
【0025】次に、このスラリー状の原料混合物を熱風
乾燥機内に入れ、150℃で10時間乾燥させ、乾燥状
態の原料混合物を得た。そして、この乾燥状態の原料混
合物を仮焼炉内に入れ、900℃で2時間仮焼して仮焼
物を得た。
【0026】次に、この仮焼物を微粉砕し、これにポリ
ビニルアルコール等の結合剤を加えて混合し、スラリー
状になったものをスプレードライヤ中で強制的に霧化
し、低温乾燥させてフェライトの顆粒を得た。
【0027】次に、このフェライトの顆粒を金型内に入
れ、圧力1トン/cm2 て成形し、磁性体コアの成形体
を多数得た。
【0028】次に、この多数の成形体を匣鉢に入れ、こ
の匣鉢を焼成炉内に入れ、酸素分圧2%の酸化性雰囲気
中において1350℃で3時間焼成し、その後、N2
囲気中において冷却した。成形体はこの焼成によって焼
結し、フェライト製の磁性体コアになった。
【0029】次に、焼成炉から磁性体コアを匣鉢ととも
に取り出し、磁性体コアを網製のバット内に空け、この
網製のバットを超音波洗浄装置内に入れ、磁性体コアを
5分間、超音波洗浄した。
【0030】次に、バット内の磁性体コアを濃度18wt
%、温度70℃の塩酸水溶液に入れ、1分間浸漬し、取
り出して充分に水洗し、その後、乾燥させた。そして、
これらの磁性体コアのL値を測定してその分布を求めた
ところ、図1に示す通りであった。
【0031】また、これらの磁性体コアの1つについ
て、その表面の状態を電子顕微鏡で観察したところ、図
2に示す通り、多数の結晶粒12によって磁性体コア1
0が形成され、3個の結晶粒の粒界が交差する三重点に
小孔が形成されていた。
【0032】比較例1 酸洗浄しなかった他は実施例1と同様にして磁性体コア
を製造し、超音波洗浄後における磁性体コアのL値を測
定してその分布を求めたところ、図3に示す通りであっ
た。また、これらの磁性体コアの1つについて、その表
面の状態を電子顕微鏡で観察したところ、図4に示す通
りであった。
【0033】実施例1及び比較例1から、図1及び図3
に示す通り、実施例1の磁性体コアのL値は比較例1の
磁性体コアのL値よりもバラツキが小さいことがわか
る。
【0034】実施例2 積層チップインダクタを濃度18wt%、温度70℃の塩
酸水溶液に入れ、1分間浸漬し、取り出して充分に水洗
し、その後、乾燥させた。そして、この積層チップイン
ダクタについて実施例1と同様の実験をしたところ、実
施例1と同様の結果が得られた。
【0035】
【発明の効果】この発明によれば、L値のバラツキの小
さな、歩留の良い磁性体コア及びインダクタを提供する
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の磁性体コアのL値の分布を示すグラ
フである。
【図2】実施例1に係る磁性体コアの表面を正面側から
電子顕微鏡で見た状態を模式的に示す説明図である。
【図3】比較例1の磁性体コアのL値の分布を示すグラ
フである。
【図4】比較例1に係る磁性体コアの表面を正面側から
電子顕微鏡で見た状態を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 磁性体コア 12 結晶粒 14 小孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/34 - 1/37 H01F 17/04 H01F 27/32,41/02 C04B 35/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の形状に成形したフェライト原料を
    焼結させてなる磁性体コアの製造方法において、該焼結
    によって得られた焼結体の表面を酸又はアルカリで腐食
    させて、該焼結体の表面の、3個の結晶粒の粒界が交差
    する三重点に小孔を設けたことを特徴とする磁性体コア
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フェライト原料がMn−Zn系フェ
    ライト原料、Ni−Zn系フェライト原料又はCu−Z
    n系フェライト原料であることを特徴とする請求項1記
    載の磁性体コアの製造方法。
  3. 【請求項3】 フェライト原料を所定の形状に焼結させ
    るとともに、該焼結によって得られた焼結体の表面又は
    内部にコイルを設けてなるインダクタの製造方法におい
    て、該焼結によって得られた焼結体の表面を酸又はアル
    カリで腐食させて、該焼結体の表面の、3個の結晶粒の
    粒界が交差する三重点に小孔を設けたことを特徴とする
    インダクタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記フェライト原料がMn−Zn系フェ
    ライト原料、Ni−Zn系フェライト原料又はCu−Z
    n系フェライト原料であることを特徴とする請求項3記
    載のインダクタの製造方法。
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