JP2542776B2 - 低温焼結磁性材料 - Google Patents
低温焼結磁性材料Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば積層チップイン
ダクタに用いられる磁性材料に係るもので、特に、90
0℃未満の温度で焼成しても焼結密度が高く、高い透磁
率を有する磁性材料に関するものである。
ダクタに用いられる磁性材料に係るもので、特に、90
0℃未満の温度で焼成しても焼結密度が高く、高い透磁
率を有する磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品の薄型化、小型化等の要求に伴
って、インダクタの分野においても、線材を巻いてなる
巻線を用いずに、フェライトと電極材料とを一体化し焼
成して、フェライトの磁性体内に周回する導体パターン
を備えた積層チップインダクタが用いられるようになっ
ている。
って、インダクタの分野においても、線材を巻いてなる
巻線を用いずに、フェライトと電極材料とを一体化し焼
成して、フェライトの磁性体内に周回する導体パターン
を備えた積層チップインダクタが用いられるようになっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】積層チップインダクタ
の内部電極に、例えば電極材料として銀を用いた場合、
900℃以上の温度で焼成を行うと銀が溶融してしま
い、部品の作製上、大きな障壁となっている。一方、積
層チップインダクタ用の磁性材料としては、Niフェラ
イト、NiZnフェライト、NiCuZnフェライト等
のNi系フェライトが用いられている。これらの材料は
900℃未満の温度で焼成した場合、焼結密度が低い
か、あるいは透磁率が400未満となり、機械的強度が
低いか、あるいは十分なインダクタンスが得られないと
いう問題点があった。本発明の目的は、900℃未満の
温度で焼成した場合に5.0×103kg/m3以上の焼
結密度が得られ、機械的強度が高く、透磁率が400以
上の磁性材料を提供することにある。
の内部電極に、例えば電極材料として銀を用いた場合、
900℃以上の温度で焼成を行うと銀が溶融してしま
い、部品の作製上、大きな障壁となっている。一方、積
層チップインダクタ用の磁性材料としては、Niフェラ
イト、NiZnフェライト、NiCuZnフェライト等
のNi系フェライトが用いられている。これらの材料は
900℃未満の温度で焼成した場合、焼結密度が低い
か、あるいは透磁率が400未満となり、機械的強度が
低いか、あるいは十分なインダクタンスが得られないと
いう問題点があった。本発明の目的は、900℃未満の
温度で焼成した場合に5.0×103kg/m3以上の焼
結密度が得られ、機械的強度が高く、透磁率が400以
上の磁性材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁性材料は、Fe2O3 40〜52.5m
ol%、CuO 12.5〜30mol%、およびZn
O 15〜35mol%の組成のCuZnフェライトを
主成分とし、さらに0.05〜2.0wt%の酸化バナ
ジウム(V2O5)および0.01〜4.0wt%の二酸
化マンガン(MnO2)あるいは相当量のマンガンイオ
ンを含む塩類を含有する組成を有し、900℃未満の温
度で焼成した場合に5.0×103kg/m3以上の焼結
密度および、400以上の透磁率を有するものである。
本発明において、フェライト組成物の組成範囲を限定し
た理由は、以下の通りである。まず主成分の内、Fe2
O3が52.5mol%を越える時、または/および、
CuOが12.5mol%より少ない時は、900℃未
満の焼成温度における焼結密度は5.0×103kg/
m3未満となり、十分な機械的強度が得られない。Fe2
O3が40mol%より少ない場合やZnOが15mo
l%より少ない場合には透磁率が低く、十分な電磁気特
性が得られない。ZnOが35mol%を越えると、キ
ュリー温度Tcが100℃以下となり、実用的でない。
また、以上の組成限定理由からCuO 45mol%以
上はあり得ない。よって、請求範囲に示す主成分組成が
限定される。また、酸化バナジウム(V2O5)の含有量
が0.05〜2.0wt%、酸化マンガン(MnO2)
の含有量が0.01〜4.0wt%の場合、無添加の場
合と比べて高い焼結密度と透磁率を有する。なお本発明
の磁性材料は、前記の組成を有するものであれば製造方
法には特に制限はない。
に、本発明の磁性材料は、Fe2O3 40〜52.5m
ol%、CuO 12.5〜30mol%、およびZn
O 15〜35mol%の組成のCuZnフェライトを
主成分とし、さらに0.05〜2.0wt%の酸化バナ
ジウム(V2O5)および0.01〜4.0wt%の二酸
化マンガン(MnO2)あるいは相当量のマンガンイオ
ンを含む塩類を含有する組成を有し、900℃未満の温
度で焼成した場合に5.0×103kg/m3以上の焼結
密度および、400以上の透磁率を有するものである。
本発明において、フェライト組成物の組成範囲を限定し
た理由は、以下の通りである。まず主成分の内、Fe2
O3が52.5mol%を越える時、または/および、
CuOが12.5mol%より少ない時は、900℃未
満の焼成温度における焼結密度は5.0×103kg/
m3未満となり、十分な機械的強度が得られない。Fe2
O3が40mol%より少ない場合やZnOが15mo
l%より少ない場合には透磁率が低く、十分な電磁気特
性が得られない。ZnOが35mol%を越えると、キ
ュリー温度Tcが100℃以下となり、実用的でない。
また、以上の組成限定理由からCuO 45mol%以
上はあり得ない。よって、請求範囲に示す主成分組成が
限定される。また、酸化バナジウム(V2O5)の含有量
が0.05〜2.0wt%、酸化マンガン(MnO2)
の含有量が0.01〜4.0wt%の場合、無添加の場
合と比べて高い焼結密度と透磁率を有する。なお本発明
の磁性材料は、前記の組成を有するものであれば製造方
法には特に制限はない。
【0005】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)Fe2O3 47.5mol%、CuO 2
2.5mol%およびZnO 30mol%相当量の高
純度原料粉末を秤量し、これを振動ミルにて混合し、電
気炉を用いて最高温度750℃で1.5時間仮焼した
後、これを炉冷し、40メッシュのふるいで解砕する。
しかる後、所定量の粉末原料に対して、0.05wt%
の二酸化マンガン(MnO2)と所定量の酸化バナジウ
ム(V2O5)と水および分散剤を添加したものをアトラ
イターにて粉砕し、粉砕されたスラリー状の原料を乾燥
および解砕する。これにバインダー(PVA)を加えて
造粒し、50メッシュのふるいにて整粒した顆粒を乾式
圧縮成形機と金型を用いて、外径35mm、内径23m
m、厚さ8mmのトロイダル状コアを成形し、これを空
気中で各焼成温度で1.5時間焼成した。このようにし
て得られた各サンプルについて、焼結密度および1MH
zにおける透磁率を測定した。その結果を表1に示す。
2.5mol%およびZnO 30mol%相当量の高
純度原料粉末を秤量し、これを振動ミルにて混合し、電
気炉を用いて最高温度750℃で1.5時間仮焼した
後、これを炉冷し、40メッシュのふるいで解砕する。
しかる後、所定量の粉末原料に対して、0.05wt%
の二酸化マンガン(MnO2)と所定量の酸化バナジウ
ム(V2O5)と水および分散剤を添加したものをアトラ
イターにて粉砕し、粉砕されたスラリー状の原料を乾燥
および解砕する。これにバインダー(PVA)を加えて
造粒し、50メッシュのふるいにて整粒した顆粒を乾式
圧縮成形機と金型を用いて、外径35mm、内径23m
m、厚さ8mmのトロイダル状コアを成形し、これを空
気中で各焼成温度で1.5時間焼成した。このようにし
て得られた各サンプルについて、焼結密度および1MH
zにおける透磁率を測定した。その結果を表1に示す。
【0006】
【表1】
【0007】(実施例2)Fe2O3 47.5mol
%、CuO 23.5mol%およびZnO 29mo
l%相当量の高純度原料粉末を秤量し、これを実施例1
と同様の方法で混合し、仮焼し、炉冷後40メッシュの
ふるいで解砕する。しかる後、所定量の粉末原料に対し
て、0.3wt%の酸化バナジウム(V2O5)と所定量
の二酸化マンガン(MnO2)と水および分散剤を添加
したものをアトライターにて粉砕し、以下実施例1と同
様の工程を経て各サンプルを得た。このようにして得ら
れた各サンプルについて、焼結密度および1MHzにお
ける透磁率を測定した。その結果を表2に示す。
%、CuO 23.5mol%およびZnO 29mo
l%相当量の高純度原料粉末を秤量し、これを実施例1
と同様の方法で混合し、仮焼し、炉冷後40メッシュの
ふるいで解砕する。しかる後、所定量の粉末原料に対し
て、0.3wt%の酸化バナジウム(V2O5)と所定量
の二酸化マンガン(MnO2)と水および分散剤を添加
したものをアトライターにて粉砕し、以下実施例1と同
様の工程を経て各サンプルを得た。このようにして得ら
れた各サンプルについて、焼結密度および1MHzにお
ける透磁率を測定した。その結果を表2に示す。
【0008】
【表2】
【0009】表1および表2から明らかなように、本発
明の磁性材料は、900℃未満という低温での焼成でも
十分な焼結密度と高い透磁率を有するものであり、酸化
バナジウム(V2O5)を0.05〜2.0wt%、二酸
化マンガン(MnO2)を0.01〜4.0wt%を添
加することにより、5.0×103kg/m3以上の焼結
密度と400以上の透磁率を有する。
明の磁性材料は、900℃未満という低温での焼成でも
十分な焼結密度と高い透磁率を有するものであり、酸化
バナジウム(V2O5)を0.05〜2.0wt%、二酸
化マンガン(MnO2)を0.01〜4.0wt%を添
加することにより、5.0×103kg/m3以上の焼結
密度と400以上の透磁率を有する。
【0010】
【発明の効果】本発明の磁性材料は、900℃未満とい
う低温での焼成が可能である。すなわち、900℃未満
温度で焼成しても5.0×103kg/m3以上の高い焼
結密度を得ることができ、機械的強度が高く、また40
0以上の透磁率を有する等、電磁気特性にも優れてい
る。また上記の理由により、積層チップインダクタ用の
磁性材料としても非常に優れたもので、産業上極めて有
益なものである。
う低温での焼成が可能である。すなわち、900℃未満
温度で焼成しても5.0×103kg/m3以上の高い焼
結密度を得ることができ、機械的強度が高く、また40
0以上の透磁率を有する等、電磁気特性にも優れてい
る。また上記の理由により、積層チップインダクタ用の
磁性材料としても非常に優れたもので、産業上極めて有
益なものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 Fe2O3 40〜52.5mol%、C
uO 12.5〜30mol%、およびZnO 15〜
35mol%の組成を主成分とし、これに0.05〜
2.0wt%の酸化バナジウム(V2O5)および0.0
1〜4.0wt%の二酸化マンガン(MnO2)あるい
は相当量のマンガン原子を含む酸化物または/および塩
類を添加含有し、900℃未満の温度で焼成され、5.
0×103kg/m3以上の焼結密度および400以上の
透磁率を有することを特徴とする低温焼結磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4289617A JP2542776B2 (ja) | 1992-10-01 | 1992-10-01 | 低温焼結磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4289617A JP2542776B2 (ja) | 1992-10-01 | 1992-10-01 | 低温焼結磁性材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06116020A JPH06116020A (ja) | 1994-04-26 |
JP2542776B2 true JP2542776B2 (ja) | 1996-10-09 |
Family
ID=17745560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4289617A Expired - Fee Related JP2542776B2 (ja) | 1992-10-01 | 1992-10-01 | 低温焼結磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2542776B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002198212A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-12 | Fdk Corp | 低損失酸化物磁性材料 |
-
1992
- 1992-10-01 JP JP4289617A patent/JP2542776B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06116020A (ja) | 1994-04-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |