JP2934589B2 - Ni―Zn系フェライトの製造方法 - Google Patents

Ni―Zn系フェライトの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、民生機器や通信機など
の高周波用軟磁性部品に使用されるフェライトの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライトの焼成には、従来、バッチ式
焼成炉およびプッシャー式トンネル炉が用いられてき
た。バッチ式焼成炉は、焼成の1サイクル毎に炉内に成
形体を充填して炉を閉じ、所定のプログラムを設定して
焼成し、終了後炉を開いて焼成品を取り出す方式であ
る。このため、多量に製品を焼成する場合には効率的で
ない。これに対しプッシャー式トンネル炉は、成形体を
耐火物でできている台板上に積載し、これを炉の入り口
側から間欠的に1台板ずつ挿入して入炉させ、炉内を台
板が出口側に向かって送られ、焼成を終えて出てきた焼
成体を炉の出口で取り出す方式であり、工業的に生産さ
れているフェライトのほとんどはプッシャー式トンネル
炉で焼成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、高周波用軟磁性
部品における低コスト、高品質の要求はますます強まっ
ており、これに使用されるフェライト磁心においても低
コスト、高品質化が望まれている。フェライトの製造に
おいて、焼成工程はかなりの時間を要する工程であり、
焼成工程の時間短縮が生産効率の改善につながるのは明
かである。しかしながら、焼成時間を短くするとフェラ
イト磁心の諸特性が劣化する恐れがあり、部品の信頼性
が損なわれる危険を伴う。本発明は、上記のことを鑑み
て、50分〜8時間という短い焼成時間でも、高い焼結
密度と初透磁率を有するフェライト磁心を得ることが可
能な、Ni―Zn系フェライトの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、Ni―Zn系
フェライトの製造方法において、室温から600℃まで
の昇温時間を3分以上1.5時間以内とする脱バインダ
工程と、600℃から焼成温度に達するまでの昇温時間
を18分以上時間以内とする昇温工程と、焼成温度に
達してから降温を開始するまでの時間を5分以上時間
以内とする恒温工程と、さらに降温開始以降150℃ま
での時間を24分以上1.5時間未満とする降温工程か
ら成り、かつ前記4工程の時間の総和を50分〜時間
とするものである。また、上記のNi―Zn系フェライ
トの製造方法に用いられるフェライト原料粉のBET比
表面積を4500〜15000m/kgとするもので
ある。
【0005】
【作用】本発明において、フェライトの焼成時間を限定
した理由は、以下の通りである。脱バインダ工程におい
て、室温から600℃までの昇温時間が3分未満の場
合、脱バインダの反応が急激に進行するため、クラック
が発生する。昇温工程および恒温工程において、600
℃から焼成温度に達するまでの昇温時間が18分未満の
場合、あるいは焼成温度に達してから降温を開始するま
での時間が5分未満の場合、緻密化および結晶の成長が
不十分となり、十分な磁気特性および強度が得られなく
なる。降温工程において、降温開始以降150℃までの
時間が24分未満の場合、製品に残留応力が発生した
り、あるいは温度分布の不均一による変形が生じ、上記
と同様に特性が劣化する。前記4工程の時間の総和が
時間を越える場合、生産効率の改善が不十分となる。よ
って、請求範囲に示す焼成時間が限定される。さらに好
ましくは、室温から600℃までの昇温時間を37分以
上1.5時間以内とする脱バインダ工程と、600℃か
ら焼成温度に達するまでの昇温時間を30分以上1時間
以内とする昇温工程と、焼成温度に達してから降温を開
始するまでの時間を13分以上1時間以内とする恒温工
程と、さらに降温開始以降150℃までの時間を40分
以上1.5時間以内とする降温工程から成り、かつ前記
4工程の時間の総和を120分〜5時間とするものであ
る。また、上記のフェライトの製造方法に用いられるフ
ェライト原料粉のBET比表面積が4500m/kg
未満の場合、反応の速度が遅いために上記の焼成時間で
は十分な磁気特性および強度が得られなくなる。よっ
て、請求範囲に示すフェライト原料のBET比表面積が
限定される。さらに好ましくは、フェライト原料粉のB
ET比表面積を5000〜7000m/kgとするも
のである。このBET比表面積が5000〜7000m
/kgのフェライト原料粉の平均粒径は、空気透過法
による測定で0.9〜0.6μmである。なお、ここで言
うフェライト原料粉とは、粉砕後あるいは焼成前のフェ
ライト原料粉を意味する。本発明による技術が適用され
るフェライトは、主成分として、焼成後にLi、Mg、
Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnの酸化物とな
る成分を少なくとも2種類以上含むフェライトを意味す
る。また上記成分以外に、副成分として、焼成後にB、
Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Zr、Nb、M
o、In、Sn、Ta、WおよびBiの酸化物となる成
分を含んでも良い。焼成に使用される炉は、本発明の条
件が満たされる焼成が可能であれば特に限定はしない
が、例えばローラハース式連続焼成炉を用いることが好
ましい。このローラハース式連続焼成炉では、炉内に多
数本装着された耐火物製のローラの上に成形体を積載し
た台板を載せ、このローラが回転することにより製品を
入り口から出口まで搬送する。このためプッシャー式ト
ンネル炉のような堅固な台板を必要とせず、軽量で薄い
台板で十分であることから、焼成中の製品の温度差が少
なく、製品の寸法および特性の面で著しく品質が安定す
る。また加熱方法についても、本発明の条件が満たされ
る焼成が可能であれば特に限定はせず、電気加熱方式、
ガス燃焼方式あるいは両方の方式を用いても構わない。
【0006】
【実施例】以下に、本発明に係るフェライトの焼成方法
の実施例を詳細に説明する。まず、Fe23 49mo
l%、NiO 27mol%、CuO 6mol%およ
びZnO 18mol%相当量の酸化物原料粉末を秤量
し、これを振動ミルにて1時間混合し、電気炉を用いて
最高温度800℃で2時間仮焼した後、これを炉冷し、
40メッシュのふるいで解砕する。しかる後、所定量の
水と分散剤を添加したものを媒体撹拌ミルにて粉砕し、
これに原料に対して2wt%のバインダー(ポリビニル
アルコール)を加え、スプレードライヤにて造粒し、4
0メッシュのふるいにて整粒した顆粒を乾式圧縮成形機
と金型を用いて、外径16.8mm、内径8.5mm、
高さ5.4mmのリング状コアに成形圧1.5ton/
cm2で成形した。これをローラハース式連続焼成炉を
用いて、以下の6種類の焼成条件で焼成した。 焼成条件1 大気中、室温から600℃までを1分、600℃から1
136℃までを7分で昇温し、1136℃で2分間保持
した後、8分で150℃まで降温した(焼成時間18
分)。これを比較例1とする。 焼成条件2 大気中、室温から600℃までを3分、600℃から1
136℃までを7分で昇温し、1136℃で2分間保持
した後、8分で150℃まで降温した(焼成時間20
分)。これを比較例2とする。 焼成条件3 大気中、室温から600℃までを4.5分、600℃か
ら1130℃までを10.5分で昇温し、1130℃で
3分間保持した後、12分で150℃まで降温した(焼
成時間30分)。これを比較例3とする。 焼成条件4 大気中、室温から600℃までを3分、600℃から1
130℃までを18分で昇温し、1130℃で5分間保
持した後、24分で150℃まで降温した(焼成時間5
0分)。これを実施例1とする。 焼成条件5 大気中、室温から600℃までを37分、600℃から
1120℃までを30分で昇温し、1120℃で13分
間保持した後、40分で150℃まで降温した(焼成時
間120分)。これを実施例2とする。 焼成条件6 大気中、室温から600℃までを90分、600℃から
1120℃までを60分で昇温し、1120℃で60分
間保持した後、90分で150℃まで降温した(焼成時
間300分)。これを実施例3とする。また比較例とし
て、BET比表面積の異なるフェライト原料を作製し、
上記と同様の手順で造粒、成形したリング状コアを、ロ
ーラハース式連続焼成炉を用いて焼成条件5と同じ条件
で焼成した。これを比較例4とする。このようにして得
られた焼成体の焼結密度と初透磁率を測定した。それぞ
れ比較例1〜4および実施例1〜3とし、結果を表1に
示す。又、実施例1〜3及び比較例2〜3の初透磁率と
焼成時間の関係を図1に示す。
【0007】
【表1】
【0008】次に、Fe23 49mol%、NiO
17mol%、CuO 6mol%およびZnO 28
mol%相当量の酸化物原料粉末を秤量し、上記実施例
と同一手順でリング状コアを成形した。これを、上記実
施例と同様の条件で焼成を行い、得られた焼成体の焼結
密度と初透磁率を測定した。それぞれ比較例5〜8およ
び実施例4〜6とし、結果を表2に示す。又、実施例4
〜6及び比較例6〜7の初透磁率と焼成時間の関係を図
2に示す。
【0009】
【表2】
【0010】さらに、Fe23 49mol%、NiO
15mol%、CuO 6mol%およびZnO 3
0mol%相当量の酸化物原料粉末を秤量し、上記実施
例と同一手順でリング状コアを成形した。これを、上記
実施例と同様の条件で焼成を行い、得られた焼成体の焼
結密度と初透磁率を測定した。それぞれ比較例9〜12
および実施例7〜9とし、結果を表3に示す。又、実施
例7〜9及び比較例10〜11の初透磁率と焼成時間の
関係を図3に示す。
【0011】
【表3】
【0012】表1〜3より、室温から600℃までの昇
温時間が3分未満の場合、焼成体にクラックが発生し、
部品の信頼性が低くなることが判る。600℃から焼成
温度に達するまでの時間が18分未満の場合、焼成温度
に達してから降温を開始するまでの時間が5分未満の場
合、あるいは降温開始以降150℃までの時間が24分
未満の場合、焼結密度および初透磁率が低くなり品質の
高い部品が得られなくなる。また、BET比表面積が4
500m/kg未満のフェライト原料粉を用いる場
合、焼結密度および初透磁率が低くなり品質の高い部品
が得られなくなることが明かである。以上の結果から、
本発明のフェライトの製造方法により、高い初透磁率と
焼結密度を有するフェライトが50分〜時間という短
い焼成時間で得られ、生産効率が改善されコストが低減
されることが明かである。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、焼結密度と初透磁率が
ともに高いフェライト磁心が、50分〜時間という短
い焼成時間で得られ、フェライトの製造において、コス
トの低減と生産効率の改善に非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例1〜3及び比較例2〜3
の初透磁率と焼成時間の関係を表す図である。
【図2】本発明における実施例4〜6及び比較例6〜7
の初透磁率と焼成時間の関係を表す図である。
【図3】本発明における実施例7〜9及び比較例10〜
11の初透磁率と焼成時間の関係を表す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni―Zn系フェライトの焼成におい
    て、室温から600℃までの昇温時間を3分以上1.5
    時間以内とする脱バインダ工程と、600℃から焼成温
    度に達するまでの昇温時間を18分以上時間以内とす
    る昇温工程と、焼成温度に達してから降温を開始するま
    での時間を5分以上時間以内とする恒温工程と、さら
    に降温開始以降150℃までの時間を24分以上1.5
    時間未満とする降温工程から成り、かつ前記4工程の時
    間の総和を50分〜時間とすることを特徴とするNi
    ―Zn系フェライトの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のNi―Zn系フェライ
    トの製造方法において、BET比表面積が4500〜1
    5000m/kgのフェライト原料粉を用いることを
    特徴とするNi―Zn系フェライトの製造方法。
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