JPH0940456A - ソフトフェライトコアの製造方法 - Google Patents
ソフトフェライトコアの製造方法Info
- Publication number
- JPH0940456A JPH0940456A JP7193757A JP19375795A JPH0940456A JP H0940456 A JPH0940456 A JP H0940456A JP 7193757 A JP7193757 A JP 7193757A JP 19375795 A JP19375795 A JP 19375795A JP H0940456 A JPH0940456 A JP H0940456A
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- JP
- Japan
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- temp
- temperature
- green compact
- ferrite core
- firing
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【課題】Fe2 O3 ,MnO,ZnOなどの主成分を混
合し、仮焼し、副成分を添加後粉砕し、加圧成形し、焼
成するMn−Zn系フェライトコアの製造方法におい
て、磁気特性の優れたMn−Znフェライトを短時間で
製造する。 【解決手段】加圧成形体の焼成温度に到るまでの第1加
熱過程は、室温から600℃までの昇温時間を30分以
上5時間以内とし、600℃から焼成温度に達するまで
の第2加熱過程は、圧粉体の体積と表面積の比の関数と
して決定される昇温速度で加熱する。
合し、仮焼し、副成分を添加後粉砕し、加圧成形し、焼
成するMn−Zn系フェライトコアの製造方法におい
て、磁気特性の優れたMn−Znフェライトを短時間で
製造する。 【解決手段】加圧成形体の焼成温度に到るまでの第1加
熱過程は、室温から600℃までの昇温時間を30分以
上5時間以内とし、600℃から焼成温度に達するまで
の第2加熱過程は、圧粉体の体積と表面積の比の関数と
して決定される昇温速度で加熱する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は民生機器や通信機等
の高周波用軟磁性部品に使用されるMn−Znフェライ
トコアの製造方法、とりわけ焼成温度に達するまでの昇
温速度を調整することにより生産性を高めたMn−Zn
フェライトコアの製造方法に関する。
の高周波用軟磁性部品に使用されるMn−Znフェライ
トコアの製造方法、とりわけ焼成温度に達するまでの昇
温速度を調整することにより生産性を高めたMn−Zn
フェライトコアの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソフトフェライトは高周波において損失
が低く透磁率が高い特長を有することから、近年電子機
器の小型化、高周波化に対応して幅広く応用されてい
る。ソフトフェライトの1種であるMn−Znフェライ
トは優れた磁気特性を得るために、焼成時雰囲気中の酸
素含有量を温度と関連して微妙にコントロールすること
が必要である。特に、昇温過程における、脱バインダ、
結晶粒成長、微量含有元素の粒界への偏析挙動、冷却過
程におけるFe2+量の調整等に関して、精密な制御が要
求される。そのため、短時間、高効率で磁気特性の優れ
たMn−Znフェライトを焼成する技術の確立には困難
性がある。
が低く透磁率が高い特長を有することから、近年電子機
器の小型化、高周波化に対応して幅広く応用されてい
る。ソフトフェライトの1種であるMn−Znフェライ
トは優れた磁気特性を得るために、焼成時雰囲気中の酸
素含有量を温度と関連して微妙にコントロールすること
が必要である。特に、昇温過程における、脱バインダ、
結晶粒成長、微量含有元素の粒界への偏析挙動、冷却過
程におけるFe2+量の調整等に関して、精密な制御が要
求される。そのため、短時間、高効率で磁気特性の優れ
たMn−Znフェライトを焼成する技術の確立には困難
性がある。
【0003】特公平6−76257号公報では、短時
間、高効率で磁気特性の優れたMn−Znフェライトを
焼成する技術が開示されている。しかしながら、この方
法においても、600℃から焼成温度(1350℃)到
達までには、3時間強を要しているのが現状である。ま
た、加圧成形体の形状および大きさと昇温速度との関係
については、なんら述べられていない。
間、高効率で磁気特性の優れたMn−Znフェライトを
焼成する技術が開示されている。しかしながら、この方
法においても、600℃から焼成温度(1350℃)到
達までには、3時間強を要しているのが現状である。ま
た、加圧成形体の形状および大きさと昇温速度との関係
については、なんら述べられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、600℃〜最高
保持温度(焼成温度)における昇温速度を250℃/h
以上にすると、結晶粒および粒界の不均一生成が起こ
り、磁気特性に優れたMn−Znフェライトを製造する
ことができないとされていた。したがって必然的に焼成
工程全体に長時間を要することとなり、生産性が低くな
らざるを得なかった。本発明は、このような磁気特性の
優れたMn−Znフェライトを短時間で製造する技術を
提供することを目的とするものであり、加圧成形体の体
積と表面積の比に着目し、この比と昇温速度との関係
が、焼結体(フェライトコア)の磁気特性に及ぼす影響
を鋭意検討した結果、この比に応じて昇温速度の上限を
規定することにより、磁気特性に優れたMn−Znフェ
ライトコアを短時間で製造する技術を完成するに至っ
た。
保持温度(焼成温度)における昇温速度を250℃/h
以上にすると、結晶粒および粒界の不均一生成が起こ
り、磁気特性に優れたMn−Znフェライトを製造する
ことができないとされていた。したがって必然的に焼成
工程全体に長時間を要することとなり、生産性が低くな
らざるを得なかった。本発明は、このような磁気特性の
優れたMn−Znフェライトを短時間で製造する技術を
提供することを目的とするものであり、加圧成形体の体
積と表面積の比に着目し、この比と昇温速度との関係
が、焼結体(フェライトコア)の磁気特性に及ぼす影響
を鋭意検討した結果、この比に応じて昇温速度の上限を
規定することにより、磁気特性に優れたMn−Znフェ
ライトコアを短時間で製造する技術を完成するに至っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】ソフトフェライト焼成方
法の上記問題点に鑑み、上述したごとく優れた磁気特性
を持つMn−Znフェライトコアを短時間で焼成する技
術の開発を目標として鋭意実験を繰り返した。その結
果、Mn−Znフェライト加圧成形体の体積と表面積の
比に応じて、600℃から焼成温度に達するまでの昇温
速度の上限を規定することによって、磁気特性の優れた
Mn−Znフェライトコアの短時間焼成が可能となっ
た。本発明は上記知見を最も特徴とするもので、上記知
見にもとづいてなされたものである。すなわち本発明
は、Fe2 O3 ,MnO,ZnOなどの主成分を混合
し、仮焼し、副成分を添加後粉砕し、加圧成形し、その
後焼成してなるMn−Znフェライトコアの製造方法に
おいて、加圧成形体の焼成温度に到るまでの昇温過程
が、室温から600℃までの昇温時間を30分以上5時
間以内とする第1加熱過程と、600℃から焼成温度に
達するまでの昇温速度v(℃/h)が圧粉体の体積V
(mm3 )と表面積S(mm2 )の比V/S(mm)の
関数として(1)式で表される第2加熱過程とからなる
ことを特徴とするMn−Znフェライトの製造方法であ
る。
法の上記問題点に鑑み、上述したごとく優れた磁気特性
を持つMn−Znフェライトコアを短時間で焼成する技
術の開発を目標として鋭意実験を繰り返した。その結
果、Mn−Znフェライト加圧成形体の体積と表面積の
比に応じて、600℃から焼成温度に達するまでの昇温
速度の上限を規定することによって、磁気特性の優れた
Mn−Znフェライトコアの短時間焼成が可能となっ
た。本発明は上記知見を最も特徴とするもので、上記知
見にもとづいてなされたものである。すなわち本発明
は、Fe2 O3 ,MnO,ZnOなどの主成分を混合
し、仮焼し、副成分を添加後粉砕し、加圧成形し、その
後焼成してなるMn−Znフェライトコアの製造方法に
おいて、加圧成形体の焼成温度に到るまでの昇温過程
が、室温から600℃までの昇温時間を30分以上5時
間以内とする第1加熱過程と、600℃から焼成温度に
達するまでの昇温速度v(℃/h)が圧粉体の体積V
(mm3 )と表面積S(mm2 )の比V/S(mm)の
関数として(1)式で表される第2加熱過程とからなる
ことを特徴とするMn−Znフェライトの製造方法であ
る。
【0006】 v≦−205V/S+1230 ……(1)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明による技術が適用されるM
n−Znフェライトは、主成分としてFe2O3 ,Mn
O,ZnOを含むフェライトを意味し、各種特性を改善
するために、NiO,MgO,CuO等を添加したも
の、またはSiO2 ,CaO,V2 O5,Bi2 O3 ,
In2 O3 等の微量元素を添加したものを含む。
n−Znフェライトは、主成分としてFe2O3 ,Mn
O,ZnOを含むフェライトを意味し、各種特性を改善
するために、NiO,MgO,CuO等を添加したも
の、またはSiO2 ,CaO,V2 O5,Bi2 O3 ,
In2 O3 等の微量元素を添加したものを含む。
【0008】焼成に使用される炉は本発明の条件が満た
される焼成ができれば特に限定しないが、例えば特開平
2−21187号公報で提案されているローラーハース
式連続焼成炉を用いることが推奨される。ローラーハー
ス式連続焼成炉では、台板に積載された成形体の炉内の
移動は炉内に多数本装着されている耐火物製のロールの
回転によってなされるため、プッシャー式トンネル炉の
ように堅固な構造を持つ台板を必要とせず、実質的に非
常に軽量で薄い台板で十分であり、この点からも焼成中
の製品の温度の均一性が高まり製品の寸法・特性の面で
著しく安定性を高めることが可能になる。
される焼成ができれば特に限定しないが、例えば特開平
2−21187号公報で提案されているローラーハース
式連続焼成炉を用いることが推奨される。ローラーハー
ス式連続焼成炉では、台板に積載された成形体の炉内の
移動は炉内に多数本装着されている耐火物製のロールの
回転によってなされるため、プッシャー式トンネル炉の
ように堅固な構造を持つ台板を必要とせず、実質的に非
常に軽量で薄い台板で十分であり、この点からも焼成中
の製品の温度の均一性が高まり製品の寸法・特性の面で
著しく安定性を高めることが可能になる。
【0009】加熱方式はすべて従来のプッシャー式トン
ネル炉で使用されている電気加熱としても良いが、一部
をガス燃焼方式としてもよい。すなわち、雰囲気中の酸
素量を厳密に制御しなければならない焼成温度の最高温
度部から冷却帯までの部分を除いた領域については、ガ
ス燃焼方式を採用してもよい。ガス燃焼方式では加熱原
単位を削減できる経済的効果に加えて、多量の高温の燃
焼排ガスが積載された加圧成形体間を流れることによる
対流熱伝達によって当該成形体各部の温度の不均一性お
よび積載状況すなわち位置による温度の不均一性が改善
される利点がある。
ネル炉で使用されている電気加熱としても良いが、一部
をガス燃焼方式としてもよい。すなわち、雰囲気中の酸
素量を厳密に制御しなければならない焼成温度の最高温
度部から冷却帯までの部分を除いた領域については、ガ
ス燃焼方式を採用してもよい。ガス燃焼方式では加熱原
単位を削減できる経済的効果に加えて、多量の高温の燃
焼排ガスが積載された加圧成形体間を流れることによる
対流熱伝達によって当該成形体各部の温度の不均一性お
よび積載状況すなわち位置による温度の不均一性が改善
される利点がある。
【0010】Mn−Znフェライト加圧成形体の焼成に
あたり、室温から600℃までの昇温時間を30分以上
5時間以内とする第1加熱過程を経ることにより、加圧
成形体中に含まれる例えばPVA等のバインダやプレス
時の潤滑性を高めるために添加されているステアリン酸
亜鉛等の潤滑剤が雰囲気ガスと反応し除去される。第1
加熱過程に要する時間が30分未満だとバインダや潤滑
剤の除去が不十分となるので好ましくなく、一方5時間
以内で完了するので5時間を超える時間を設定するのは
無駄であり、非能率となり好ましくない。よって30分
以上5時間以内と規定する。
あたり、室温から600℃までの昇温時間を30分以上
5時間以内とする第1加熱過程を経ることにより、加圧
成形体中に含まれる例えばPVA等のバインダやプレス
時の潤滑性を高めるために添加されているステアリン酸
亜鉛等の潤滑剤が雰囲気ガスと反応し除去される。第1
加熱過程に要する時間が30分未満だとバインダや潤滑
剤の除去が不十分となるので好ましくなく、一方5時間
以内で完了するので5時間を超える時間を設定するのは
無駄であり、非能率となり好ましくない。よって30分
以上5時間以内と規定する。
【0011】続いて、第2加熱過程では、600℃から
Mn−Znフェライトの種類や必要とする特性に応じて
決定される焼成温度に達するまでの昇温速度の上限を、
加圧成形体の体積と表面積の比に応じて前記(1)式に
より決定される値として昇温を行う。この昇温速度は従
来よりも高速である。この第2昇温過程では、結晶粒成
長と微量含有元素の粒界への偏析が起こる。この時昇温
速度が早いと、閉空孔が形成され易くなり、これに起因
するスピネル化の遅れ、焼成雰囲気のズレが起こる。ま
た、粒界の不均一生成が起こりやすくなる。昇温速度の
上昇に伴う磁気特性の劣化は、焼結体製造のための加圧
成形体が大きいほど顕著である。これは、閉空孔の形成
に起因するスピネル化の遅れ、焼成雰囲気とのズレは、
体積と表面積の比が大きいもの、すなわち大きな加圧成
形体ほど顕著に起こるためと推察される。そのため、加
圧成形体の体積と表面積の比に応じて昇温速度の上限を
設定することによって、磁気特性を劣化させることのな
い短時間焼成が可能となった。すなわち、実施例で詳述
するごとく、体積と表面積の比が異なる各種の加圧成形
体を作製し、これらに対し室温から600℃までを2時
間で昇温し、600℃から焼成温度(1350ないし1
370℃)までの昇温速度を変えて実験を行った結果、
図1および図2に示すごとく、比初透磁率ないしコアロ
スの代表的磁気特性について、(1)式にて示される昇
温速度以下であれば十分な特性を顕現するのに対し、こ
れを超える昇温速度では特性は著しく低下する。
Mn−Znフェライトの種類や必要とする特性に応じて
決定される焼成温度に達するまでの昇温速度の上限を、
加圧成形体の体積と表面積の比に応じて前記(1)式に
より決定される値として昇温を行う。この昇温速度は従
来よりも高速である。この第2昇温過程では、結晶粒成
長と微量含有元素の粒界への偏析が起こる。この時昇温
速度が早いと、閉空孔が形成され易くなり、これに起因
するスピネル化の遅れ、焼成雰囲気のズレが起こる。ま
た、粒界の不均一生成が起こりやすくなる。昇温速度の
上昇に伴う磁気特性の劣化は、焼結体製造のための加圧
成形体が大きいほど顕著である。これは、閉空孔の形成
に起因するスピネル化の遅れ、焼成雰囲気とのズレは、
体積と表面積の比が大きいもの、すなわち大きな加圧成
形体ほど顕著に起こるためと推察される。そのため、加
圧成形体の体積と表面積の比に応じて昇温速度の上限を
設定することによって、磁気特性を劣化させることのな
い短時間焼成が可能となった。すなわち、実施例で詳述
するごとく、体積と表面積の比が異なる各種の加圧成形
体を作製し、これらに対し室温から600℃までを2時
間で昇温し、600℃から焼成温度(1350ないし1
370℃)までの昇温速度を変えて実験を行った結果、
図1および図2に示すごとく、比初透磁率ないしコアロ
スの代表的磁気特性について、(1)式にて示される昇
温速度以下であれば十分な特性を顕現するのに対し、こ
れを超える昇温速度では特性は著しく低下する。
【0012】
【実施例】 実施例1 Fe2 O3 :53.0mol%,MnO:26.5mo
l%,ZnO:20.5mol%からなる原料混合物を
880℃で仮焼した後、湿式ボールミルで粉砕し平均粒
径1.20μmとした。粉砕時同時に微量成分としてS
iO2 ,CaCO3 およびV2 O5 をそれぞれ100,
1000,200ppm添加した。PVAをバインダと
して造粒し、体積と表面積の比が1.1,1.6,2.
5,5.0となるようにリング形状に成形した。この成
形体をローラーハース式連続炉を用いて室温から600
℃まで2時間、600℃から1370℃まで、それぞれ
200,400,600,800,1000,1200
℃/Hrで昇温し、40分間保持後、150℃まで4時
間かけて冷却した。得られた焼結体の100kHz、2
3℃での初透磁率を図1に示す。(1)式にて示される
昇温速度以下であれば比初透磁率は4500以上の高い
値を示すが、これを超えて昇温速度を早めると3000
以下に急減した。 実施例2 Fe2 O3 :52.6mol%,MnO:35.4mo
l%,ZnO:12.0mol%からなる原料混合物を
950℃で仮焼した後、湿式ボールミルで粉砕し平均粒
径1.20μmとした。粉砕時同時に微量成分としてS
iO2 ,CaCO3 ,Nb2 O5 およびTiO2 をそれ
ぞれ85,650,170および2500ppm添加し
た。PVAをバインダとして造粒し、体積と表面積の比
が1.1,1.6,2.5,5.0となるようにリング
形状に成形した。この成形体をローラーハース式連続炉
を用いて室温から600℃まで2時間、600℃から1
350℃まで200,400,600,800,100
0,1200℃/Hrで昇温し、40分間保持後、15
0℃まで4時間かけて冷却した。得られた焼結体の10
0kHz、0.2T,80℃における鉄損値を図2に示
す。(1)式で示される昇温速度以下であればコアロス
は410以下の低い値であるが、この値を超えて昇温速
度を速めると490以上に急増した。
l%,ZnO:20.5mol%からなる原料混合物を
880℃で仮焼した後、湿式ボールミルで粉砕し平均粒
径1.20μmとした。粉砕時同時に微量成分としてS
iO2 ,CaCO3 およびV2 O5 をそれぞれ100,
1000,200ppm添加した。PVAをバインダと
して造粒し、体積と表面積の比が1.1,1.6,2.
5,5.0となるようにリング形状に成形した。この成
形体をローラーハース式連続炉を用いて室温から600
℃まで2時間、600℃から1370℃まで、それぞれ
200,400,600,800,1000,1200
℃/Hrで昇温し、40分間保持後、150℃まで4時
間かけて冷却した。得られた焼結体の100kHz、2
3℃での初透磁率を図1に示す。(1)式にて示される
昇温速度以下であれば比初透磁率は4500以上の高い
値を示すが、これを超えて昇温速度を早めると3000
以下に急減した。 実施例2 Fe2 O3 :52.6mol%,MnO:35.4mo
l%,ZnO:12.0mol%からなる原料混合物を
950℃で仮焼した後、湿式ボールミルで粉砕し平均粒
径1.20μmとした。粉砕時同時に微量成分としてS
iO2 ,CaCO3 ,Nb2 O5 およびTiO2 をそれ
ぞれ85,650,170および2500ppm添加し
た。PVAをバインダとして造粒し、体積と表面積の比
が1.1,1.6,2.5,5.0となるようにリング
形状に成形した。この成形体をローラーハース式連続炉
を用いて室温から600℃まで2時間、600℃から1
350℃まで200,400,600,800,100
0,1200℃/Hrで昇温し、40分間保持後、15
0℃まで4時間かけて冷却した。得られた焼結体の10
0kHz、0.2T,80℃における鉄損値を図2に示
す。(1)式で示される昇温速度以下であればコアロス
は410以下の低い値であるが、この値を超えて昇温速
度を速めると490以上に急増した。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、とくに、600℃から
焼成温度に達するまでの第2昇温過程の昇温速度を加圧
成形体の体積と表面積の比に応じて決定される値とし
て、従来よりも高速で昇温を行うことにより、結晶粒生
産性が高くかつ磁気特性の優れたMn−Znフェライト
コアの焼成が可能となった。
焼成温度に達するまでの第2昇温過程の昇温速度を加圧
成形体の体積と表面積の比に応じて決定される値とし
て、従来よりも高速で昇温を行うことにより、結晶粒生
産性が高くかつ磁気特性の優れたMn−Znフェライト
コアの焼成が可能となった。
【図1】実施例の初透磁率を示すグラフである。
【図2】実施例の鉄損値を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有江 清詩 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 後藤 国宏 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 来島 慎一 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内
Claims (1)
- 【請求項1】 Fe2 O3 ,MnO,ZnOなどの主成
分を混合し、仮焼し、副成分を添加後粉砕し、加圧成形
し、その後焼成してなるMn−Zn系フェライトコアの
製造方法において、加圧成形体の焼成温度に到るまでの
昇温過程が、室温から600℃までの昇温時間を30分
以上5時間以内とする第1加熱過程と、600℃から焼
成温度に達するまでの昇温速度v(℃/h)が圧粉体の
体積V(mm3 )と表面積S(mm2 )の比V/Sの関
数として(1)式で表される第2加熱過程とからなるこ
とを特徴とするMn−Znフェライトの製造方法。 v≦−205V/S+1230 ……(1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7193757A JPH0940456A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | ソフトフェライトコアの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7193757A JPH0940456A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | ソフトフェライトコアの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0940456A true JPH0940456A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16313312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7193757A Pending JPH0940456A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | ソフトフェライトコアの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0940456A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003068516A (ja) * | 2001-08-28 | 2003-03-07 | Kawasaki Steel Corp | Mn−Zn−Ni系フェライトおよびその製造方法 |
JP2010180101A (ja) * | 2009-02-06 | 2010-08-19 | Jfe Chemical Corp | 高抵抗高飽和磁束密度MnZnCoフェライトおよびその製造方法 |
-
1995
- 1995-07-28 JP JP7193757A patent/JPH0940456A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003068516A (ja) * | 2001-08-28 | 2003-03-07 | Kawasaki Steel Corp | Mn−Zn−Ni系フェライトおよびその製造方法 |
JP2010180101A (ja) * | 2009-02-06 | 2010-08-19 | Jfe Chemical Corp | 高抵抗高飽和磁束密度MnZnCoフェライトおよびその製造方法 |
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