JPH1136881A - エンジン発電機 - Google Patents

エンジン発電機

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JPH1136881A
JPH1136881A JP9198670A JP19867097A JPH1136881A JP H1136881 A JPH1136881 A JP H1136881A JP 9198670 A JP9198670 A JP 9198670A JP 19867097 A JP19867097 A JP 19867097A JP H1136881 A JPH1136881 A JP H1136881A
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隆司 都留
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勝己 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの遠心ファンによって運転騒音の漏出を
小さく抑えつつ、エンジンと発電機を効率良く冷却する
ことができるコンパクトなエンジン発電機を供する。 【解決手段】 エンジン30および同エンジン30により駆
動される発電機35を回転軸方向に並べて配置して遮音ケ
ース2内に収容したエンジン発電機において、前記発電
機35をアウターロータ型発電機で構成し、同発電機35の
アウターロータ36のエンジン30と反対の端面に遠心ファ
ン40を設け、遠心ファン40側に吸風開口16aを有したダ
クト7,8,16が前記遠心ファン40,発電機35,エンジ
ン30を覆い、ダクト7,8,16の下流側排風開口8aが
前記遮音ケース2の外部に向いて形成されており、発電
機35と前記エンジン30との間にエンジン30に向かう冷却
風の一部を発電機35内に導入し再び遠心ファン40に還流
する還流用空隙43を形成したエンジン発電機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装置全体を遮音ケ
ースで覆ったエンジン発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンにより駆動される発電機をエン
ジンと一体化したエンジン発電機は、一般に建設工事現
場等で使用されるが、作業環境もしくは市街地で特に夜
間運転する場合の現場周辺への配慮から、運転音をなる
べく低く抑えるために装置全体を遮音ケースで覆ったも
のが広く使用されている。
【0003】この種のエンジン発電機は、上述のように
静粛性を追求すべく吸気口や排気口等の開口をできるだ
け少なく、かつ小さくしてあるが、一方においては開口
面積が小さいことから遮音ケース内部の冷却について十
分な考慮が必要になる。
【0004】そこで本出願人は、先の出願に係る実公昭
64−3777号公報等に記載した例を提案しており、
同例においてはエンジンとマフラーとをダクトで覆って
他の機器とは隔離し、このダクト内に冷却風を強制的に
通風してマフラー側から遮音ケースの外へ排風すること
により、遮音ケース内に温度の高い冷却排風が再循環す
るのを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし遮音ケース内に
あってダクトの外にある発電機については、前記ダクト
とは別の冷却風路を構成するか発電機専用の冷却ファン
を用意する等の措置を講じなければならず、装置の大型
化の要因の一つとなっていた。
【0006】前記実公昭64−3777号公報記載の例
では、エンジンとマフラーを覆うダクトに強制的に通風
する冷却ファンとは別個に発電機を冷却するファンを備
え、同ファンによる排風を前記ダクトに合流させるよう
になっているので、冷却風路が複雑化するとともに、フ
ァン騒音源が2か所となり、またファンの設置自体も大
型化の要因となる。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、1つの遠心ファンとすること
によってファン騒音源を1カ所にして騒音の漏出対策を
容易とするとともに、エンジンと発電機を効率良く冷却
することができるコンパクトなエンジン発電機を供する
点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用効果】上記目的
を達成するために、本発明は、エンジンおよび同エンジ
ンにより駆動される発電機を回転軸方向に並べて配置し
て遮音ケース内に収容したエンジン発電機において、前
記発電機をアウターロータ型発電機で構成し、同発電機
のアウターロータの前記エンジンと反対の端面に遠心フ
ァンを設け、遠心ファン側に吸風開口を有したダクトが
前記遠心ファン,発電機,エンジンを覆い、前記ダクト
の下流側排風開口が前記遮音ケースの外部に向いて形成
されており、前記発電機と前記エンジンとの間にエンジ
ンに向かう冷却風の一部を前記発電機内に導入し再び遠
心ファンに還流する還流用空隙を形成したエンジン発電
機とした。
【0009】遠心ファンによりダクトの吸風開口から遮
音ケース内の空気をダクト内に吸入してエンジン側に通
風するとともに、ダクト内でエンジン側へ向かう冷却風
の一部が発電機とエンジンとの間の還流用空隙から発電
機内に導入されて遠心ファンに還流するので、1つの遠
心ファンによるダクト内の通風によってエンジンと発電
機をともに冷却することができる。
【0010】それも1つのダクト内において比較的温度
の低い発電機を上流側にして下流側にエンジンを配置し
たので、温度の低い方から順に効率良く冷却することが
できる。また冷却用ファンは遠心ファン1つであり、同
遠心ファンはダクトと遮音ケースにより2重に覆われて
いるので、外部への騒音の漏出を小さく抑えることがで
きる。
【0011】アウターロータ型発電機でアウターロータ
でエンジンのフライホイールを兼用することにより回転
軸方向の寸法を小さくすることができるとともに、冷却
ファンをアウターロータに一体的に取り付けたので、容
易に大風量の遠心ファンを取り付けることができ、かつ
大きなファン支持強度を得ることができる。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載のエ
ンジン発電機において、前記遠心ファンが、前記ダクト
の吸風開口から前記遮音ケース内の空気を吸入する主フ
ァンと、前記還流用空隙から前記発電機内に導入された
空気を遠心ファンに還流する副ファンとを一体的に形成
した両面ファンとしたことを特徴とする。
【0013】主ファンにより、ダクトの吸風開口から前
記遮音ケース内の空気を吸入し、エンジン側に通風する
主空気流を形成し、該主空気流の一部を発電機とエンジ
ンとの間の還流用空隙により発電機内に導入し副ファン
の作用により遠心ファンに還流することで発電機を冷却
することができる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1記載のエ
ンジン発電機において、前記遠心ファンが、前記還流用
空隙から前記発電機内に導入された空気を遠心ファンに
還流する貫通孔が形成された孔開きファンであることを
特徴とする。
【0015】遠心ファンにより、ダクトの吸風開口から
前記遮音ケース内の空気を吸風し、エンジン側に通風す
る主空気流を形成し、該主空気流の一部を発電機とエン
ジンとの間の還流用空隙により発電機内に導入し貫通孔
が遠心ファンに還流することで発電機を冷却することが
できる。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1から請求
項3のいずれかの項記載のエンジン発電機において、前
記発電機が前記エンジンのフライホイールを兼用する磁
石回転子を有するアウターロータ型の多極発電機で構成
され、前記発電機の出力を所定周波数の交流に変換する
制御回路を設けたことを特徴とする。
【0017】多極発電機の出力を制御回路が所定周波数
の交流に変換するので、従来使用されていた同期発電機
のように常に一定の回転数を維持する必要がなく、大負
荷時以外は回転数を低下させておくことが可能となり、
定格運転時あるいは軽負荷運転時の運転音を大幅に低減
することが可能となる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1から請求
項4のいずれかの項記載のエンジン発電機において、前
記エンジンがシリンダを斜め側方に傾斜させて配設さ
れ、前記シリンダの上方の前記ダクト内の空間に前記マ
フラーを配置したことを特徴とする。
【0019】シリンダを傾斜させてできたエンジンの上
方の空間に大きなマフラーを配置できるため、回転軸方
向の寸法を小さくすることができるとともに、高熱部分
ほど上方に位置するので、合理的な冷却空気流を形成し
て効率良く冷却できる。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項5記載のエ
ンジン発電機において、前記マフラーが、前記エンジン
の回転軸と直角方向に長尺に配置されたことを特徴とす
る。傾斜したシリンダの上方の空間に装置の上下方向の
寸法を小さく抑えながら大きな容量のマフラーを配設す
ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る一実施の形態に
ついて図1ないし図11に図示し説明する。本実施の形
態のエンジン発電機1は、図1に外観図を示すように装
置全体を遮音ケース2で覆った立方体状をなしている。
【0022】遮音ケース2その他内部フレーム等の分解
斜視図を図2に示す。偏平な受け皿状をなすアンダーフ
レーム3は、前側壁3aと右側壁3bに外部と連通する
吸気口4a,4bが形成され、後側壁3cは着脱可能と
し、内部には左右方向に長尺の前後一対の支持メンバー
3p,3qが互いに平行に敷設されている。
【0023】このアンダーフレーム3に概ね矩形板状の
フロントフレーム5とリアフレーム6とが互いに所定間
隔を存して対向するように立設される。フロントフレー
ム5は、上側周縁が後方に屈曲してフランジ5aが形成
され、矩形板の上部に左右方向に長尺の長方形状の開孔
5b、下部に円形の一部が膨出したような連通開孔5c
が形成されている。
【0024】一方リアフレーム6は、上下分割型で合体
すると、中央に大きく矩形状をなす貫通孔7aが形成さ
れ、この貫通孔7aに前方へ膨出したダクト7が一体に
形成され、リアフレーム6の上側周縁は前方に屈曲して
フランジ6aが形成されている。前記ダクト7の前部は
矩形筒状をなして開口している。
【0025】そしてリアフレーム6の後方には貫通孔7
aに設けられダクト7に連接して後方に膨出したように
構成されるグラスウール製のダクト8が配設される。ダ
クト8は前方と下方を開口した概ね矩形の箱状をなし、
上側壁に排風口8aが設けられる。
【0026】アンダーフレーム3の上に立設された前後
のフロントフレーム5とリアフレーム6との間に前後方
向に指向した左右に一対の補強レール9,9が上側角部
を貫通して架設される。こうして補強された前後のフロ
ントフレーム5とリアフレーム6の対向する空間を外部
から仕切るように外周縁に沿って半角筒状のセンターカ
バー11が覆う。
【0027】センターカバー11は、プレートを屈曲して
左側壁11aと上壁11bと右上側壁11cの半角筒状をな
し、右下側壁は別部材である開閉可能な蓋部材12が覆う
ようになっており、内部にセンター室22が区画形成され
る。センターカバー11の上壁には燃料タンク55の給油口
55bが突出する円孔11dが形成されている。
【0028】そしてフロントフレーム5の前方に概ね矩
形箱状をしたフロントカバー13が被せられフロント室21
が区画形成され、リアフレーム6の後方には概ね矩形箱
状をしたリアカバー14が被せられリア室23が区画形成さ
れるが、このリアカバー14の内面に沿って前記グラスウ
ール製のダクト8が内張りされたような構造となり、ダ
クト8内がリア室23となる。
【0029】フロントカバー13の前壁中央は矩形に凹出
して開口したコントロールパネル62用の矩形口13aが形
成され、リアカバー14の上壁には前記ダクト8に設けら
れる排風口8aに対応して矩形口14aが形成されてい
る。
【0030】以上のようにエンジン発電機1の外壁をな
す遮音ケース2は、アンダーフレーム3,センターカバ
ー11,蓋部材12,フロントカバー13,リアカバー14によ
って6面を形成してケースを構成している。そして遮音
ケース2の内部空間は、フロントフレーム5とリアフレ
ーム6によってフロント室21,センター室22,リア室23
の3つの室に区画されている。
【0031】なおリアフレーム6よりセンター室22に膨
出したダクト7の矩形筒状部に、連続してさらにセンタ
ー室22内にダクトでもあるファンカバー16が設置され
る。ファンカバー16は発電機35と遠心ファン40を覆うべ
く概ね円筒状をなし、前端の円開口が吸風口16aをな
し、吸風口16aの環状の開口端面に突出長を一定にした
突起16bが複数設けられている。
【0032】ファンカバー16の後端開口面は外周方向に
延出したフランジ16cが形成され、同フランジ16cに後
方から矩形枠部材17が取り付けられる。矩形枠部材17の
矩形外周縁にはシールラバー18が周設されており、前記
ダクト7の矩形筒状部内にシールラバー18で周囲をシー
ルして矩形枠部材17が嵌合される。
【0033】すなわちファンカバー16は、矩形枠部材17
を介してリアフレーム6のダクト7に連接し、ダクト7
はリアフレーム6より後方に膨出してリア室23を形成す
るダクト8に連接している。
【0034】したがって遮音ケース2内には、ファンカ
バー16,ダクト7,ダクト8からなるダクト内空間が、
センタ室22の一部とリア室23を占有して形成されてお
り、ダクト内空間の上流側吸風口16aはセンター室22内
に開口しており、下流側排風口8aはダクト8の上側壁
に設けられ、同排風口8aはリアカバー14の矩形口14a
に臨んで遮音ケース2の外部に開口している。
【0035】以上のような遮音ケース2内のフレーム構
造およびダクト構造に各種機器が配設される。エンジン
30は、図4に示すように遮音ケース2の後部のダクト
7,8内に収容され、アンダーフレーム3に敷設された
支持メンバー3qに固着された左右一対の防振マウント
部材31により支持される(図4、図6参照)。
【0036】図6に示すようにエンジン30は、クランク
ケース30aを左側に偏って位置させ、シリンダ30bを右
方向で若干上向きに傾斜させて突設しており、前後水平
方向に指向したクランク軸30cは前方へ突出している。
【0037】このようにエンジン30はシリンダ30bを傾
斜させているので、ダクト7,8の上部空間を大きく確
保でき、同空間に大型筒状のマフラー32を左右方向に指
向させて配設している。マフラー32はエンジン30にブラ
ケット33を介して支持され、シリンダ30b部より上方へ
延出した排気管34が連結され、マフラー32の右側壁から
延びたテールパイプ32aがマフラー32の後面に回り込ん
で排気口を排風口8aに沿わせている。
【0038】クランクケース30aより前方へ突出したク
ランク軸30cに発電機35が設けられている。発電機35
は、アウターロータ型の多極発電機であり、図7に示す
ようにクランク軸30cに一体に固着されたアウターロー
タ36は有底円筒状をなし、周壁の内周面に磁石36aが複
数周方向に亘って貼着されてクランク軸30cと一体に回
転し、エンジンにおけるフライホイールの作用も果して
いる。
【0039】アウターロータ36は、底壁を前側にして後
方を開口し、内部のインナーステータ37は放射状に突出
した複数のヨークに発電コイルが巻回されたステータコ
アがクランクケース30aに固定されている。なおアウタ
ーロータ36の底壁には通気口36bが複数形成されてい
る。このアウターロータ36の底壁に遠心ファン40が前方
から固着されている。
【0040】図8ないし図11を参照して遠心ファン40
は、円板状基盤40aの前面に主ファン41,後面に副ファ
ン42がそれぞれ形成された両面ファンである。該遠心フ
ァン40が回転すると、主ファン41は前方から空気を中心
部分に吸込み円板状基盤40aの前面に沿って遠心方向に
吐き出す空気流を形成し、主ファン41と一体に回転する
副ファン42は後方の空気を中心部分に吸込み円板状基盤
40aの後面に沿って遠心方向に吐き出す空気流を形成す
る(図11の破線矢印参照)。
【0041】前記ファンカバー16は、上記発電機35と遠
心ファン40を覆っており、前端の吸風口16aが遠心ファ
ン40に対向して開口し、後端は矩形枠部材17とともにエ
ンジン30のクランクケース30aに固着されて支持され
る。
【0042】このファンカバー16の前端吸風口16aに対
向してリコイルスタータ45が設けられている。リコイル
スタータ45はファンカバー16の吸風口16aの開口端面に
突出した突起16bによってファンカバー16の端面から所
定間隔を存して配置され、スタータケース46のボス部46
bをファンカバー16に固着して一体に支持される。
【0043】リコイルスタータ45は、図3を参照してク
ランク軸30cと同軸の回転軸にラチェットホイール47が
後方への飛び出しが可能に設けられており、同ラチェッ
トホイール47に対向して遠心ファン40の中心部分にラチ
ェット48が取り付けられている。
【0044】ラチェットホイール47は、ギア列47aを介
してスタータレバーで駆動されるとともに、スタータケ
ース46の左端に設けられたスタータモータ49によっても
駆動される。
【0045】通常ラチェット48と離れているラチェット
ホイール47がスタータモータ49等により駆動されるとき
は、後方へ飛びだしてラチェット48に係合しラチェット
48とアウターロータ36を介して一体のクランク軸30cを
強制的に回転してエンジン30の始動を行うことができ
る。
【0046】リコイルスタータ45の概ね円錐形状をした
スタータケース46は、母線に沿った長孔46aが周方向に
亘って複数本形成されており、ファンカバー16の端面と
の間隙とともに、スタータケース46の外部とファンカバ
ー16の吸風口16aとを連通している。
【0047】リコイルスタータ45はセンター室22内にあ
ってアンダーフレーム3に敷設された支持メンバー3p
に固着された左右一対の防振マウント部材50により支持
される(図4、図5参照)。
【0048】エンジン30とリコイルスタータ45は、ファ
ンカバー16を介して一体に連結されており、後部のエン
ジン30を防振マウント部材31が支持し、前部のリコイル
スタータ45を防振マウント部材50が支持するので、振動
体の前後の両端部分に近い位置を効果的に支持すること
ができる。
【0049】リア室23からセンター室22にかけて左寄り
に位置したクランクケース30aの前方に発電機35および
リコイルスタータ45が配設されるので、センター室22内
においてファンカバー16とリコイルスタータ45の右方に
空間が開き、同空間に気化器52とエアクリーナ53がエア
クリーナ53を前側にして前後に配設される。
【0050】エンジン30の上方にはマフラー32が配設さ
れたが、センター室22内のファンカバー16,リコイルス
タータ45,気化器52,エアクリーナ53の上方空間に燃料
タンク55が配設される。
【0051】前記フロントフレーム5とリアフレーム6
との間に架設された左右一対の補強レール9に燃料タン
ク55のフランジ55aを防振ラバー56を介してボルト57で
固定し燃料タンク55を懸架する。
【0052】なお燃料タンク55はフロントフレーム5の
上部開孔5bから一部フロント室21内にはみ出してお
り、燃料タンク55の上方へ突出した給油口55bはセンタ
ーカバー11の円孔11dを貫通して上端に燃料キャップ58
が螺合される。
【0053】したがってセンター室22内であってファン
カバー16およびダクト7の外部空間に、燃料タンク55が
気化器52やエアクリーナ53の吸気系機器とともに一緒に
配設され、エンジン30の燃料系部品を一括集中させてス
ペースを効率良く利用しており、装置のコンパクト化が
図られている。
【0054】フロントフレーム5の前方のフロントカバ
ー13に覆われたフロント室21の偏平矩形空間には右側に
インバータ装置60、左側にバッテリ61がアンダーフレー
ム3上に配設され、その上方にコントロールパネル62が
フロントカバー13の前面矩形口13aに臨んで設けられて
いる。すなわちフロント室21には電装機器が集中的に配
設されている。
【0055】インバータ装置60は、多極発電機35の発電
出力を所定周波数の交流に変換するものであり、同イン
バータ装置60はフロント室21のフロントカバー13の吸気
口4a,4bに近い右側に配置されて吸入外気により最
初に冷却されるようになっている。
【0056】遮音ケース2を備えた本エンジン発電機1
は、以上のようにダクト7,8およびファンカバー16内
に発電機35,エンジン30,マフラー32が、この順序に収
容された構造をしている。
【0057】ファンカバー16の吸風口16aはセンター室
22内に開口し、吸風口16aの内側に設けられた遠心ファ
ン40の回転により遮音ケース2外部からフロント室21を
介してセンター室22へ導入した空気をリコイルスタータ
45のスタータケース46の複数の長孔46bおよびファンカ
バー16とスタータケース46との間の間隙を通じて吸風口
16aからファンカバー16内に吸入することができる(図
4および図7において空気の流れを破線矢印で示す)。
【0058】図7に示すように遠心ファン40の前面に設
けられた主ファン41によって空気が吸風口16aからファ
ンカバー16内に吸入され、吸入された空気は遠心方向に
吐き出されファンカバー16の内周面に沿って発電機35の
アウターロータ36の外側をエンジン30側に流れてエンジ
ン30を冷却する。
【0059】かかる主空気流の流路途中に発電機35とエ
ンジン30との間の空隙43が構成されていて、主空気流の
一部が、分岐して同空隙43に導入されアウターロータ36
の内側に回り込む。この還流空気を前記遠心ファン40の
後面に設けられた副ファン42と空隙43とが形成する。
【0060】アウターロータ36の内側に回り込んだ空気
は、発電コイルを冷却してアウターロータ36の底壁に設
けられた通気口36bより副ファン42に至り、遠心方向に
吐き出さて主空気流に還流する。
【0061】こうして一部発電機35を冷却した空気を含
んでエンジン30に流れた空気は、エンジン30を冷却して
ダクト7,8に案内されて上方に向かいマフラー32を冷
却する(図4参照)。マフラー32を冷却した空気は、そ
の上方にあって遮音ケース2の外部に臨んで設けられた
排風口8aから外部に排出される。
【0062】なおセンター室22にはフロントフレーム5
の連通開孔5cにより連通状態にあるフロント室21を介
してフロントカバー13の吸気口4a,4bから外気が吸
入されるようになっているので、フロント室21が外気吸
入用の迷路状の導入ダクトとして作用し、センター室22
で発生する吸気音の漏出を抑えることができるととも
に、吸気口4a,4bからの吸入空気流の経路にあるイ
ンバータ装置60を冷却することができる。
【0063】そしてファンカバー16,ダクト7,8が、
熱源となる発電機35,エンジン30,マフラー32を覆って
他の機器と隔離し、前記したように遠心ファン40の駆動
によりセンター室22内に開口した吸風口16aからファン
カバー16内に吸入された空気が、比較的温度の低い発電
機35を還流空気が冷却した後、温度の高いエンジン30,
マフラー32の順に冷却して排風口8aから外部に排出さ
れるので、効率の良い冷却を行うことができる。
【0064】遠心ファン40によりファンカバー16および
ダクト7内に吸入されエンジン側へ向かう冷却風の一部
が発電機35とエンジン30との間の還流用空隙43から発電
機35内に導入されて遠心ファン40に還流するので、1つ
の遠心ファン40によるダクト7,8内の通風によってエ
ンジン30と発電機35をともに冷却することができ,それ
も1つのダクト7,8内において比較的温度の低い発電
機35を上流側にして下流側にエンジン30を配置したの
で、温度の低い方から順に効率良く冷却することができ
る。
【0065】また冷却用ファンは遠心ファン40が1つで
あり、同遠心ファン40はファンカバー16と遮音ケース2
により2重に覆われているので、外部への騒音の漏出を
小さく抑えることができる。なお遠心ファン40は、発電
機30のアウターロータ36に取り付けられるので、大風量
の遠心ファン40を容易に装着でき、かつ大きなファン支
持強度を得ることができる。
【0066】またエンジン30の上方にマフラー32が配置
され高熱機器ほど上方に位置し、さらに上方に排風口8
aを備える構成なので、合理的な冷却空気流を形成して
益々冷却を効率の良く行うことができる。
【0067】加えてエンジン30のシリンダ30bを傾斜さ
せ、その上方にマフラー32を配置しているので、大きな
容量のマフラー32を配設しながら上下方向の寸法を小さ
く抑えることができる。
【0068】またインバータ装置60が多極発電機35の出
力を所定周波数の交流に変換するので、従来のこの種の
エンジン発電機に用いられる同期発電機のように出力周
波数を一定に保持するために負荷の大小にかかわらず回
転数を一定に保持する必要はなく、大負荷時以外は回転
数を低下させておくことが可能となり、定格運転時ある
いは軽負荷運転時の運転音を大幅に低減することが可能
となる。
【0069】以上の実施の形態では遠心ファン40を両面
ファンとしたが、別の遠心ファンを用いた例を図12に
示す。本実施の形態で用いた遠心ファン70以外は、前記
実施の形態と同じ部材を用いており、同じ符号を用い
る。
【0070】該遠心ファン70は、円板状基盤71の前面に
ファン72が形成されるとともに、円板状基盤71の所定箇
所に還流用の開孔73が形成された孔開きファンである。
開孔73は、発電機35のアウターロータ36の底壁に形成さ
れた通気口36bに対応して設けられている。
【0071】遠心ファン70の回転により空気が吸風口16
aからファンカバー16内に吸入され、吸入された空気は
遠心方向に吐き出されファンカバー16の内周面に沿って
発電機35のアウターロータ36の外側をエンジン30側に流
れてエンジン30を冷却するとともに、その一部が発電機
35とエンジン30との間の空隙43に導入されアウターロー
タ36の内側に回り込む。
【0072】アウターロータ36の内側に回り込んだ空気
は、発電コイルを冷却してアウターロータ36の底壁に設
けられた通気口36bおよび開孔73を通って円板状基盤71
の前面に出て吸風口16aからの吸入空気に合流する。吸
風口16aから吸入され円板状基盤71の前面に沿って遠心
方向に流れる空気流が、開孔73の後方に負圧を形成して
上記還流空気を前記空隙43に招き入れるように作用して
いる。
【0073】こうして発電機35を冷却した空気が吸入空
気に還流してエンジン30側に向かいエンジン30を冷却す
るので、発電機35とエンジン30を双方とも効率良く冷却
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るエンジン発電機の
外観図である。
【図2】遮音ケースその他内部フレーム等の分解斜視図
である。
【図3】センターカバーを外し燃料タンクを省略した状
態のエンジン発電機の平面図である。
【図4】一部省略したエンジン発電機の側面図である。
【図5】同前面図である。
【図6】同後面図である。
【図7】発電機およびその近傍の一部断面とした側面図
である。
【図8】遠心ファンの正面図である。
【図9】同裏面図である。
【図10】図8においてX−X線に沿って切断した断面
図である。
【図11】図9においてXI−XI線に沿って切断した
断面図である。
【図12】別の遠心ファンを用いた実施の形態に係るエ
ンジン発電機の発電機およびその近傍の一部断面とした
側面図である。
【符号の説明】
1…エンジン発電機、2…遮音ケース、3…アンダーフ
レーム、4a,4b…吸気口、5…フロントフレーム、
6…リアフレーム、7,8…ダクト、9…補強レール、
11…センターカバー、12…蓋部材、13…フロントカバ
ー、14…リアカバー、16…ファンカバー、17…矩形枠部
材、18…シールラバー、21…フロント室、22…センター
室、23…リア室、30…エンジン、31…防振マウント部
材、32…マフラー、33…ブラケット、34…排気管、35…
発電機、36…アウターロータ、37…インナーステータ、
40…遠心ファン、41,42…ファン、43…空隙、45…リコ
イルスタータ、46…スタータケース、47…ラチェットホ
イール、48…ラチェット、49…スタータモータ、50…防
振マウント部材、52…気化器、53…エアクリーナ、55…
燃料タンク、56…防振ラバー、57…ボルト、58…燃料キ
ャップ、60…インバータ装置、61…バッテリ、62…コン
トロールパネル、70…遠心ファン、71…円板状基盤、72
…ファン、73…開孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02B 77/13 F02B 77/13 M P

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンおよび同エンジンにより駆動さ
    れる発電機を回転軸方向に並べて配置して遮音ケース内
    に収容したエンジン発電機において、 前記発電機をアウターロータ型発電機で構成し、 同発電機のアウターロータの前記エンジンと反対の端面
    に遠心ファンを設け、 遠心ファン側に吸風開口を有したダクトが前記遠心ファ
    ン,発電機,エンジンを覆い、 前記ダクトの下流側排風開口が前記遮音ケースの外部に
    向いて形成されており、 前記発電機と前記エンジンとの間にエンジンに向かう冷
    却風の一部を前記発電機内に導入し再び遠心ファンに還
    流する還流用空隙を形成したことを特徴とするエンジン
    発電機。
  2. 【請求項2】 前記遠心ファンは、前記ダクトの吸風開
    口から前記遮音ケース内の空気を吸入する主ファンと、
    前記還流用空隙から前記発電機内に導入された空気を遠
    心ファンに還流する副ファンとを一体的に形成した両面
    ファンとしたことを特徴とする請求項1記載のエンジン
    発電機。
  3. 【請求項3】 前記遠心ファンは、前記還流用空隙から
    前記発電機内に導入された空気を遠心ファンに還流する
    貫通孔が形成された孔開きファンであることを特徴とす
    る請求項1記載のエンジン発電機。
  4. 【請求項4】 前記発電機は前記エンジンのフライホイ
    ールを兼用する磁石回転子を有するアウターロータ型の
    多極発電機で構成され、 前記発電機の出力を所定周波数の交流に変換する制御回
    路を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のい
    ずれかの項記載のエンジン発電機。
  5. 【請求項5】 前記エンジンはシリンダを斜め側方に傾
    斜させて配設され、 前記シリンダの上方の前記ダクト内の空間に前記マフラ
    ーを配置したことを特徴とする請求項1から請求項4の
    いずれかの項記載のエンジン発電機。
  6. 【請求項6】 前記マフラーは、前記エンジンの回転軸
    と直角方向に長尺に配置されたことを特徴とする請求項
    5記載のエンジン発電機。
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