JPH11321251A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH11321251A
JPH11321251A JP11031517A JP3151799A JPH11321251A JP H11321251 A JPH11321251 A JP H11321251A JP 11031517 A JP11031517 A JP 11031517A JP 3151799 A JP3151799 A JP 3151799A JP H11321251 A JPH11321251 A JP H11321251A
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tire
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bead filler
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一臣 小林
Tomohisa Nishikawa
智久 西川
Kenji Matsuo
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C17/00Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor
    • B60C17/0009Tyres characterised by means enabling restricted operation in damaged or deflated condition; Accessories therefor comprising sidewall rubber inserts, e.g. crescent shaped inserts

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来タイヤよりランフラット耐久性能を顕著
に向上させた空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 1プライ以上のラジアル配列コードのゴ
ム被覆になるカーカスを有し、ビードコアからタイヤ半
径方向外側に向け先細りで延びるビードフィラーゴムと
タイヤ内面の一対の断面三日月形状厚肉補強ストリップ
ゴムとは、25℃のJIS A硬さが70度以上であると共に25
℃の反ぱつ弾性が65%以上であり、ビードフィラーゴム
のJIS A硬さHS (F) に対する補強ストリップゴムのJI
S A硬さH S (R) の比HS (R) /HS (F) の値が0.9 〜
1.15の範囲内にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気入りタイ
ヤ、より詳細にはパンクなどにより内圧がゼロ乃至ゼロ
に近い微圧状態で所定距離走行可能な、いわゆるランフ
ラットタイプのラジアルタイヤに関し、特に優れたラン
フラット(パンク状態での走行)耐久性を備えた空気入
りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】ランフラットタイプのラジアルタイヤ
(以下ランフラットタイヤという)は、主としてタイヤ
の負荷荷重が比較的小さな乗用車などの車両の使途に供
するもので、タイヤがフラット(パンク)状態となって
も、それがたとえ急速に生じたとしても一般道路走行中
はもとより高速道路の高速中であっても、車両、特に乗
用車の操縦安定性を損なうことなく安全に走行可能で、
かつ走行を継続しても使用リム(適用リム)から離脱す
ることなく、しかもタイヤが破壊することなく、安全か
つ確実にタイヤ交換が可能な場所まで所定距離、例えば
80〜160km走行可能であることが要求される。
【0003】そのため各種の構造をもつランフラットタ
イヤが、ときには工夫をこらした特殊使用リムとの組合
わせで提案されている。しかし特殊リムとの組合わせは
高価過ぎるうえ汎用性にも欠け、タイヤのリムからの離
脱防止に効果は認められる反面、タイヤ耐久性の向上に
は直接、間接を問わずそれほど寄与するところがないた
め、以下ランフラットタイヤ単体について例を挙げ述べ
るものとする。
【0004】特開昭55−68406号公報では、ビー
ド部からサイドウォール部を経てトレッド部の端部に至
る間の最内側カーカスプライのタイヤ内面又はカーカス
プライ相互間に、対をなす断面三日月状の厚肉ゴム補強
を配設し、このゴム補強は少なくとも70度のJIS硬
度を有し、140℃±1℃の不活性環境における24時
間の老化試験後の引張応力M25が10kgf/cm2 以上でか
つ、ダンロップトリプソメータ式反発弾性が65%以上
のゴム物性を有する、パンク耐久走行性能に優れた空気
入り安全タイヤを提案している。
【0005】また特開平1−278806号公報は、サ
イドウォール部内面に断面三日月状のサイドウォール補
強ゴム層を設け、該補強ゴム層をタイヤ回転軸方向に内
側層、中間層及び外側層の3層に分け、内側層及び外側
層に、ショアA硬度が50〜70°かつ100%伸長モ
ジュラスが10〜30kgf/cm2 の軟質ゴムを適用し、中
間層にショアA硬度が70〜90°かつ100%伸長モ
ジュラスが30〜70kgf/cm2 の硬質ゴムを適用し、さ
らにショアA硬度が74〜95°のビードエーペックス
ゴムを配置した安全タイヤを提案している。
【0006】また特開平3−176213号公報では、
カーカスをアップ−ダウンの2プライ構成とし、サイド
ウォール部のカーカスプライ内側に、100%モジュラ
スが60kgf/cm2 以上、100℃での損失正接が0.3
5以下のゴムからなる断面三日月状の補強ライナー層を
設けると共に、JIS A硬度60〜80のビードフィ
ラーゴムを配設するランフラット空気入りラジアルタイ
ヤを提案している。
【0007】最後に、特開平4−345505号公報
は、アップ−ダウン構造のカーカスプライを有し、サイ
ドウォール部の内側カーカスの内面に、タイヤ半径方向
内側の第一補強ゴム層と外側の第二補強ゴム層とに分け
た、合わせて断面三日月状の肉厚補強ゴムを配置すると
共にビードフィラーゴムを配設し、これらゴムのショア
A硬度が第一補強ゴム層、第二補強ゴム層、ビードフィ
ラーゴムの順に高い空気入り安全タイヤを提案してい
る。
【0008】上に述べた各種提案のなかでコスト−パー
フォーマンスに優れ、従って最も多く市場で実用に供さ
れているランフラットタイヤは、ビード部のビードコア
近傍位置からサイドウォール部を経てトレッド部の端部
までにわたる最内側ターンアッププライ内面側に対をな
す、断面三日月状の硬質一体の厚肉補強ストリップゴム
を有し、フラット転動下で成るべく潰れ変形度合いを軽
減する上で効果を発揮するアップ−ダウン構造のラジア
ルカーカスプライを有し、ここにアップ−ダウン構造プ
ライとはビードコアの周りをタイヤ内側から外側へ巻上
げるターンアッププライと、このターンアッププライを
外包みするダウンプライとの2プライ乃至2プライ以上
のプライ構成を言い、かつターンアッププライとダウン
プライとで包み込む、ビードコア外周面からタイヤ最大
幅位置近くまで延びる硬質のビードフィラーゴムを備え
る空気入りラジアルタイヤであり、ときにビード部から
サイドウォール部に至る間にケブラーコード又はスチー
ルコードのゴム被覆層(インサートプライと呼ばれる
層)を配置するタイヤである。
【0009】それでも上に述べたこの種のタイヤは汎用
タイヤに比しコスト高を免れず、よってスポーツカー、
スポーツタイプカー、高級乗用車などいずれも高価な車
種に装着されることが多く、従いランフラットタイヤは
偏平比の呼びが55以下の偏平タイヤが主たる対象であ
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし先に述べた各公
報が提案する、上記のような構成を有するタイヤであっ
ても、急激な内圧ゼロ状態となったとき、高速走行中の
車両の操縦安定性確保は十分としても、ランフラット状
態での高速走行継続と長距離走行とにおける耐久性は未
だに十分とは言えず、成るべく低コストを確保した上で
ランフラット耐久性を一層改善したタイヤが望まれてい
る。
【0011】これまでに見られるランフラット耐久性に
係わる主たる故障形態は、フラット走行が進むにつれビ
ード部寄りのビードフィラーゴムとターンアッププライ
(内側プライ)との間にセパレーションの核が発生し、
このセパレーション核がサイドウォール部の最大幅位置
まで進展し、その結果この最大幅位置より僅かトレッド
部寄りの部位における厚肉補強ストリップゴムに著しく
大きなクラックが発生し、結局タイヤ破壊から走行継続
不可能に至るものである。
【0012】従ってこの発明の請求項1又は2に記載し
た発明は、パンクなどによる急速なエアー抜け時点での
乗用車などの車両の安全走行を保証するのは勿論のこ
と、特にフラット走行を継続したときのタイヤの耐久性
能をランフラットタイヤとして使用者に満足される性能
まで向上させた空気入りタイヤの提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明の請求項1に記載した発明は、一対のビード部
内に埋設したビードコア相互間にわたり一対のサイドウ
ォール部とトレッド部とを補強する1プライ以上のラジ
アル配列コードのゴム被覆になるカーカスと、カーカス
の外周でトレッド部を強化する2層以上のコード交差層
を有するベルトとを備え、ビードコアからトレッド部に
向け延びるビードフィラーゴムを有し、ビード部のビー
ドコア近傍位置からサイドウォール部を経てトレッド部
の端部までにわたる最内側カーカスプライ内面側に対を
なす、断面三日月形状の厚肉補強ストリップゴムを有す
る空気入りタイヤにおいて、上記ビードフィラーゴムと
補強ストリップゴムとの双方は、25℃におけるJIS
A硬さが70度以上であると共に25℃における反ぱ
つ弾性が65%以上であるゴム物性を有し、かつビード
フィラーゴムの上記JIS A硬さHS (F) に対する補
強ストリップゴムの上記JIS A硬さHS (R) の比H
S (R) /HS (F) の値が0.9〜1.15の範囲内にあ
ることを特徴とする空気入りタイヤである。
【0014】請求項1に記載した1プライ以上のカーカ
スは、ビードコアの周りをタイヤ内側から外側に巻上げ
るターンアッププライのみで構成する場合と、ターンア
ッププライと、このターンアッププライをビードフィラ
ーゴムと共に外包みするダウンプライとで構成する場合
(2プライ以上)との双方を含む。また、ターンアップ
プライの場合、巻上げ端をビード部からサイドウォール
部に位置させる構成と、トレッド部にて、巻上げ端をベ
ルトと最外側カーカスプライとの間に位置させる構成
(いわゆるエンベロープ構成その一)と、ベルトのタイ
ヤ半径方向外側に位置させる構成(エンベロープ構成そ
の二)とのいずれをも含む。
【0015】また、カーカスプライコードは、ポリエス
テルコード、レーヨンコードのような有機繊維コード及
びスチールコードのような無機繊維コードのいずれも適
用する。スチールコードの詳細については後述する。
【0016】請求項1に記載したJIS A硬さ及び反
ぱつ弾性の測定は、JIS K6301−1995の
「加硫ゴム物理試験方法」に記載されている「硬さ試
験」のうちスプリング式硬さ試験(A形)及び「反ぱつ
弾性試験」に従うものとする。
【0017】請求項1に記載した発明を実施するに当
り、ビードフィラーゴム厚さと補強ストリップゴム厚さ
との関係を規定するのが実用上有効であり、よって請求
項2に記載した発明のように、タイヤの最大幅位置近傍
の最内側カーカスプライ内面に立てた法線方向に測った
全補強ゴムストリップの最大厚さGR (mm)に対す
る、ビードコア外周近傍の最内側カーカスプライの外面
に立てた法線方向に測った全ビードフィラーゴムの最大
厚さGF (mm)の比GF /GR の値は0.5〜0.9
の範囲内にあるものとする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
1〜図3に基づき説明する。図1は、この発明による乗
用車用空気入りラジアルタイヤの左半断面図であり、図
2は、カーカスプライの1本のスチールコードとその素
線内部に存在するゴム(斜線で示す)とのX線撮影図で
あり、図3は、図2に斜線で示すゴム分を取り除いた1
本のスチールコードのみのX線撮影図である。
【0019】図1において、乗用車用空気入りラジアル
タイヤ(以下タイヤという)1は、一対のビード部2
(片側のみ示す)と、一対のサイドウォール部3(片側
のみ示す)と、両サイドウォール部3に連なるトレッド
部4とを有し、一対のビード部2内に埋設したビードコ
ア5相互間にわたり上記各部2、3、4を補強する1プ
ライ以上、図示例は2プライのラジアル配列コードのゴ
ム被覆になるカーカス6と、カーカス6の外周でトレッ
ド部4を強化するベルト7とを有する。
【0020】図示例のカーカス6は、ビードコア5をタ
イヤ1の内側から外側へ向け巻上げる折返し部6−1u
を有するターンアッププライ6−1と、ターンアッププ
ライ6−1の外側でビードコア5近傍に終端を有するダ
ウンプライ6−2とを備える。この種のプライ構成をも
つカーカス6は、一般にアップ−ダウンカーカスと呼
ぶ。図示例のアップ−ダウンカーカス6ではターンアッ
ププライ6−1が最内側カーカスプライを形成する。た
だし、図示を省略したが、カーカス6は、1プライのタ
ーンアッププライ6−1のみの構成、2プライのターン
アッププライと1プライのダウンプライとのアップ−ダ
ウン構成及び1プライのターンアッププライと2プライ
のダウンプライとのアップ−ダウン構成など、各種のプ
ライ構成をとることができる。
【0021】カーカス6が、1プライのターンアッププ
ライ6−1のみの構成になる場合、折返し部6−1uの
終端6−1uEを、図示するビード部2の近傍位置か
ら、図示を省略したが、トレッド部4のベルト7領域の
位置までにわたる間に配置する。ベルト7領域における
折返し部6−1uの終端6−1uEは、ベルト7とプラ
イ6−1との間及びベルト7とトレッドゴム8との間の
いずれかに位置させる。このタイプは、特にエンベロー
プカーカス6と呼ばれている。エンベロープカーカス6
の折返し終端6−1uEは、ベルト7領域内であれば位
置は問わないが、タイヤ1の半径方向曲げ剛性の向上を
考慮して、成るべくタイヤ赤道面E近傍に位置させるの
が望ましい。
【0022】カーカス6のプライコードには、ポリエス
テルコードやレーヨンコードなどの有機繊維コードを適
用する場合と、スチールコードを適用する場合との双方
が存在する。スチールコードは、2プライ以上のアップ
−ダウン構成のカーカス6に適用する他に、1プライ構
成のカーカス6に適用するのが特に有効である。スチー
ルコードの詳細は後述する。
【0023】ベルト7は2層以上、図示例は2層のコー
ド交差層、望ましくは2層のスチールコード交差層7−
1、7−2を有する他、これら交差層の外周に図1で破
線で示す有機繊維コード層、例えばナイロン66コード
の螺旋巻回層7−3を有する。スチールコード交差層7
−1、7−2はタイヤ赤道面Eを挟んでそれぞれの層の
スチールコードが交差する配置になり、図示例ではカー
カス6に隣接する層7−1の幅が層7−2の幅より広
い。
【0024】またタイヤ1は、ランフラットタイヤに固
有の、対をなす断面三日月形状の厚肉補強ストリップゴ
ム8(片側のみ示す)を、カーカス6のターンアッププ
ライ6−1の内面側に備える。補強ストリップゴム8は
内圧ゼロでも走行中の車両総重量を安定して支持し、タ
イヤ1の使用リムからの離脱を防止し、タイヤ1の破壊
を阻止するため、さらには、例えば80〜160km/hで
の高速走行での急速なパンク時にも走行安定性を保持可
能とするため、タイヤ半径方向中央領域を8〜16mm
の厚肉部とする一方、タイヤ半径方向両端部は先細り状
とする。
【0025】また先に述べた図示省略のカーカス6が2
プライのターンアッププライと1プライのダウンプライ
とを有するタイヤ1の場合は、上記厚肉補強ストリップ
ゴム8の他に、最外側ターンアッププライの外面とダウ
ンプライの内面との間に厚肉補強ストリップゴム(図示
省略)を備えるものとする一方、カーカス6が1プライ
のターンアッププライと2プライのダウンプライとを有
するタイヤ1の場合は、上記厚肉補強ストリップゴム8
の他に、最内側ダウンプライと最外側ダウンプライとの
間に厚肉補強ストリップゴム(図示省略)を備えるもの
とする。
【0026】さらに上記の補強ストリップゴム8に加
え、ビードコア5の外周面からタイヤ半径方向外方に向
かい先端部先細り状に延びるビードフィラーゴム9を、
ターンアッププライ6−1とダウンプライ6−2との間
に配置する。ビードフィラーゴム9のタイヤ半径方向外
方終端を少なくともタイヤ最大幅位置Mまで延ばす。よ
ってダウンプライ6−2はビードフィラーゴム9を挟ん
でターンアッププライ6−1を外包みする形態をとる。
これはターンアッププライが2プライの場合も同じであ
る。
【0027】カーカス6が1プライのタイヤ1における
ビードフィラーゴム9は、ターンアッププライ6−1本
体(一対のビードコア5相互間にわたり延びるプライ)
と折返し部6−1uとの間で、プライ6−1本体に沿っ
て上記同様に延びる。なお、符号10で示す部分は空気
不透過性に優れるハロゲン化ブチルゴムのインナーライ
ナである。よってタイヤ1はチューブレスタイヤであ
る。
【0028】ここで補強ストリップゴム8及びビードフ
ィラーゴム9の双方は、25℃におけるJIS A硬さ
が共に70度以上であり、かつ25℃における反ぱつ弾
性が共に65%以上であるゴム物性を有することが必要
である。しかも同時に補強ストリップゴム8のJIS
A硬さHS (R) の、ビードフィラーゴム9のJISA硬
さHS (F) に対する比HS (R) /HS (F) の値が0.9
〜1.15の範囲内にあることを要する。
【0029】上記のゴム物性と比HS (R) /HS (F) の
値の範囲との根拠を、乗用車用タイヤの代表として、サ
イズが225/60R16のタイヤでの実験結果に基づ
き以下に述べる。タイヤの構成は図1に示すところに従
い、カーカス6のプライ6−1、6−2にはポリエステ
ルコードを適用した。
【0030】まず実験その一は、補強ストリップゴム8
の最大ゲージGR (詳細は後述する)を11.0mm、
タイヤ半径方向高さを135mmとし、ビードフィラー
ゴム9の最大ゲージGF (詳細は後述する)を6.0m
m、タイヤ半径方向高さを45mmとし、補強ストリッ
プゴム8のJIS A硬さ80度、反ぱつ弾性70%を
共通とし、比HS (R) /HS (F) の値を4水準にとり、
従来タイヤPは比の値が下限値で0.88(HS (F) の
値は90度)、実験用タイヤQの比の値が1.00、実
験用タイヤRの比の値が1.10、実験用タイヤSは比
の値が上限値で1.20とした。
【0031】従来タイヤP及び実験用タイヤQ、R、S
の内圧をゼロとし、該タイヤを装着する車両総重量に見
合うタイヤ荷重570kgf をタイヤP、Q、R、Sに負
荷させ、これらタイヤを周速度90km/hで回転するドラ
ムに押し当て、ランフラット耐久性を比較評価した。評
価はタイヤ故障が生じるまでに走行した距離(km) によ
るものとし、従来タイヤPの走行距離を100とする指
数にてあらわした。この指数が大きいほどに優れるタイ
ヤであることはいうまでもなく、結果は、実験タイヤQ
の指数が140、実験タイヤRの指数が130であった
のに対し、実験タイヤSの指数は70に過ぎなかった。
これら指数を図4に小さなマル(○)印にて示すと共
に、これらマル印を滑らかな曲線にて連ねらてあらわし
た。
【0032】図4に示すところから明らかなように、従
来タイヤPを上回るランフラット耐久性を得るには、比
S (R) /HS (F) の値が0.9〜1.15の範囲内に
あることを要することがわかる。
【0033】先に述べた補強ストリップゴム8の最大ゲ
ージGR を10.0mm及びビードフィラーゴム9の最
大ゲージGF を6.0mmとしたのは、通常のタイヤ重
量に対するタイヤ重量増加を成るべく最少限度に止める
上で上限ゲージとみるべきであるが、さらに実験の普遍
性を確かめるため、実験その二として、補強ストリップ
ゴム8のJIS A硬さ80度、反ぱつ弾性70%をそ
のままとし、補強ストリップゴム8の最大ゲージGR
12.0mm(高さは同じ135mm)、ビードフィラ
ーゴム9の最大ゲージGF を8.0mm(高さは同じ4
5mm)とし、従来タイヤPに対応する実験タイヤT、
実験タイヤQに対応する実験タイヤU及び実験タイヤR
に対応する実験タイヤVの3種のタイヤを、上記と同じ
試験条件にてドラムによるランフラット耐久性テストを
実施した。
【0034】実験用タイヤTの比HS (R) /HS (F)
(以下同じ)の値は0.88、実験用タイヤUの比の値
は1.00、実験用タイヤVの比の値は1.10とし
た。テスト結果は、従来タイヤPを100とするドラム
走行距離指数で、実験タイヤTが125であったのに対
し、実験タイヤUが178、実験タイヤVが164の高
レベルであり、かつ実験タイヤUがピークを示す点を含
め、先の実験その一の正当性を裏付けている。これら指
数を図4に小さな四角形(□)印にて示すと共に、これ
ら四角形(□)印を滑らかな曲線(破線)にて連ねらて
あらわした。
【0035】以下、図1同様にタイヤ左半断面を示す図
5を参照して、従来タイヤP及び実験タイヤT共に、比
S (R) /HS (F) の値が0.88のようにビードフィ
ラーゴム9の硬さHS (F) が補強ストリップゴム8の硬
さHS (R) に比し大幅に硬い、従ってより剛性が高いビ
ードフィラーゴム9とカーカス6のターンアッププライ
6−1との間にひずみが集中する結果、図5に破線bで
示すプライセパレーション核が発生し、このセパレーシ
ョン核bからタイヤ半径方向外側に向けプライセパレー
ションが進展し、遂には図5にマルで囲んだ符号c部分
にクラックが発生してタイヤ破損に至り、走行継続不可
能となることが分かった。
【0036】その反面、実験タイヤSの例が示すよう
に、補強ストリップゴム8の硬さHS(R) がビードフィ
ラーゴム9の硬さHS (F) に比し限度を超えて硬すぎ
と、今度は補強ストリップゴム8の剛性がビードフィラ
ーゴム9の剛性に比し過大に高くなるので、補強ストリ
ップゴム8とカーカス6のターンアッププライ6−1と
の間にひずみが集中する結果、図5に示す破線a位置で
プライセパレーション核が発生し、上記同様にセパレー
ション核aからタイヤ半径方向外側に向けプライセパレ
ーションが進展し、遂には符号c部分にクラックが発生
してタイヤ破損に至り、走行継続不可能となることも分
かった。
【0037】タイヤ1の荷重負荷ランフラット走行下
で、ターンアッププライ6−1を挟んで互いに向かい合
う補強ストリップゴム8とビードフィラーゴム9との間
の剛性差が大きい場合にこれらゴム8、9相互間に「ず
れ」が生じることになり、この「ずれ」が大きいときタ
ーンアッププライ6−1との間に大きなせん断ひずみが
集中的に作用することにより上に述べたプライセパレー
ション核a、bが発生するものである。
【0038】その一方で、実験タイヤQ、R、U、Vの
場合は、補強ストリップゴム8の硬さHS (R) とビード
フィラーゴム9の硬さHS (F) とが適度なバランスを保
持しているので、両者ゴム8、9相互間に適度な剛性配
分を有する結果、破線a、b部にひずみ集中が生じるこ
となく、よってプライセパレーション核a、bは発生せ
ず、セパレーションのタイヤ半径方向外側への進展もな
く、符号c部分又は符号d部分に単独でクラックが生じ
るのみである。このことは符号c部分又は符号d部分の
クラック発生時期を大幅に遅らせることになるので、先
に述べたドラム走行距離で従来タイヤP及び実験タイヤ
Tに対し20〜40%もの大幅延長が可能となり、ラン
フラット耐久性が大幅に向上することになる。
【0039】またタイヤ1の荷重負荷下のランフラット
走行中に、ターンアッププライ6−1を挟んで互いに向
かい合う補強ストリップゴム8部分とビードフィラーゴ
ム9部分との発熱量が増大して高温度になり勝ちであ
り、特にビードフィラーゴム9の高温度によるブローア
ウト故障を防止するのも重要である。そこで実験その三
は、実験タイヤQを代表として、25℃における反ぱつ
弾性(%)が50%、65%、80%の3種類のビード
フィラーゴム9を備えるタイヤ1を準備し、実験その一
と同じ条件でドラム走行距離と、ビードフィラーゴム9
内部の最高温度(℃)とを測定した。結果を図6に示
す。
【0040】図6において、左側の縦軸は先の従来タイ
ヤPの走行距離を100とする指数を示し、右側の縦軸
はビードフィラーゴム9内部の最高温度(℃)を示す。
図6から反ぱつ弾性が65%を下回るとドラム走行距離
の低下度合いが著しく、また反ぱつ弾性が65%を下回
るとビードフィラーゴム9の温度上昇度合いも著しくな
ることがわかる。ビードフィラーゴム9の高温度による
ブローアウト故障を防止する上から最高温度を150℃
以下とすることを必要とし、指数140以上のドラム走
行距離を確保する上でも、ビードフィラーゴム9の反ぱ
つ弾性は65%以上であることを必要とする。勿論図示
を省略したが補強ストリップゴム8の場合も同じであ
る。
【0041】以上は乗用車用タイヤの1サイズについて
述べたが、その他の多くのサイズについても同じ実験を
繰り返したが、得られる結果は全て同じであった。よっ
て、少なくとも乗用車用タイヤ1について、25℃にお
けるJIS A硬さが70度以上であり、25℃におけ
る反ぱつ弾性が65%以上であるゴム物性を有する補強
ストリップゴム8とビードフィラーゴム9とを備え、そ
して補強ストリップゴム8の硬さHS (R) の、ビードフ
ィラーゴム9の硬さHS (F) に対する比、HS(R) /H
S (F) の値が0.9〜1.15の範囲内にあるタイヤ1
のランフラット耐久性は大幅に向上する。
【0042】さらに図1を参照して、実際上、タイヤの
最大幅位置Mを結ぶ線分(片側のみ示す)近傍の最内側
ターンアッププライ6−1内面に立てた法線方向に測っ
た全補強ゴムストリップ8の最大厚さGR (mm)に対
する、ビードコア5の外周近傍の最内側ターンアッププ
ライの外面に立てた法線方向に測った全ビードフィラー
ゴム9の最大厚さGF (mm)の比GF /GR の値を
0.5〜0.9の範囲内とすることが、より一層のラン
フラット耐久性向上に有効である。
【0043】ここに全補強ゴムストリップ8の最大厚さ
R (mm)及び全ビードフィラーゴム9の最大厚さG
F (mm)とは、前者につきカーカス6が2プライのタ
ーンアッププライを有し、これら2プライ間に補強ゴム
ストリップ(図示省略)を有するときは、これら補強ゴ
ムストリップの厚さ(mm)を全て足し合わせた値を用
いること、2プライのダウンプライを有し、これらプラ
イ間に補強ゴムストリップ(図示省略)を有するときは
これら補強ゴムストリップの厚さ(mm)を全て足し合
わせたGR (mm)値を用いることを意味し、また後者
についても上記同様にビードフィラーゴム9が二つ以上
に分割されている場合も全て足し合わせた最大厚さGF
(mm)を用いることを意味する。
【0044】最大厚さGR (mm)位置及び最大厚さG
F (mm)位置は以下のようにして定めるのが良い。ま
ず最大厚さGR (mm)位置については、図1におい
て、ビードベースBbの延長線とリムのフランジと接す
るビード部2下部表面の延長線との交点を通る、タイヤ
の回転軸線と平行なビードベースラインBLから測った
タイヤ最大幅位置Mの高さH(mm)に関し、タイヤの
最大幅位置Mを結ぶ線分よりのタイヤ半径方向外側高さ
1 を0.6Hとし、上記線分よりのタイヤ半径方向内
側高さh2 を0.3Hとして、これら高さの和(h1
2 )の範囲内に最大厚さGR (mm)部分を位置させ
る。次に最大厚さGF (mm)位置については、図1に
示すように、ビードコア外周面からタイヤ半径方向外側
に測った最大高さJ(mm)がタイヤ最大幅位置Mの高
さH(mm)の0.3倍となる範囲内に収める。
【0045】ここでタイヤ1の荷重負荷の下でのランフ
ラット走行時に、比GF /GR の値が0.5未満では、
符号c(図5参照)近傍における補強ゴムストリップ8
の撓曲変形度合いに比しビードフィラーゴム9の符号d
(図5参照)近傍の撓曲変形度合いがより大きくなり、
その結果符号d近傍のビードフィラーゴム9に早期の故
障が生じる一方、比GF /GR の値が0.9を超える
と、ビードフィラーゴム9の符号d近傍の撓曲変形度合
いに比し符号c近傍における補強ゴムストリップ8の撓
曲変形度合いがより大きくなり、その結果符号c近傍に
おける補強ゴムストリップ8に早期の故障が生じるた
め、いずれも不可である。
【0046】これに対し、比GF /GR の値を0.5〜
0.9の範囲内とすれば、符号c近傍における補強ゴム
ストリップ8の撓曲変形度合いと、符号d近傍における
ビードフィラーゴム9の撓曲変形度合いとが適当にバラ
ンスをとり、このことは符号c近傍における補強ゴムス
トリップ8及び符号d近傍におけるビードフィラーゴム
9双方のひずみがほぼ同等となり、符号c近傍ゴム故障
と符号d近傍ゴム故障がほぼ同時に生じることを意味
し、よってランフラット走行距離が最長となるのであ
る。
【0047】以下実験その四として、先に述べた実験そ
の一と同じサイズのタイヤ、同じ荷重条件及び同じ周速
度で、比GF /GR の値を変えたときのランフラットド
ラム走行距離を測定した結果をコントロールタイヤを1
00とする指数であらわしたプロット図及び線図を図7
に示し、加えて比GF /GR の値を変えたときのランフ
ラット走行距離指数を、(補強ゴムストリップ8の重量
(kg 重) ))+(ビードフィラーゴム9の重量(kg 重)
)=合計重量(kg 重) で除した値を算出した結果をコ
ントロールタイヤを100とする指数であらわしたプロ
ット図及び線図を図8に示す。合わせて厚さGF (m
m)、GR (mm)、比GF /GR の値、走行距離指
数、上記各種重量(kg 重) 、(走行距離指数)/合計重
量(kg 重) などを表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】以下、カーカス6のプライ6−1(1プラ
イ構成、エンベロープを含む)及びプライ6−1、6−
2(アップ−ダウン構成)に適用するスチールコードに
ついて詳述する。スチールコード構造は1×n、1+n
の2種類が適合し、ただしn=2〜7の範囲内の整数と
し、素線径は0.125〜0.275mmの範囲内であ
る。
【0050】ここで、実験その五として、図1に示すタ
イヤ1構造で実験その一と同じサイズのタイヤを用い、
カーカス6のプライ6−1、6−2に、1×5×0.1
5(素線径=0.15mm)構造のスチールコードを適
用した実験用タイヤW1 、1650D/2(SIで18
40dtex(デシテックス)/2)のレーヨンコードを適
用した実験用タイヤW2 、1500D/2(SIで16
70dtex(デシテックス)/2)のポリエステルコード
を適用した実験用タイヤW3 を製造し、まず、内圧ゼロ
での撓み率(%)を測定し、その後、内圧ゼロ状態のま
ま、実験その一と同じ荷重条件及び同じ周速度の下で、
故障発生までのドラム走行距離を測定した。
【0051】撓み率(%)は、タイヤ荷重570kgf に
対応する内圧1.5kgf/cm2 (JATMA YEAR
BOOK 、1998年による)充てん時のタイヤ高さ
SH(mm)に対する、内圧ゼロのタイヤに荷重570
kgf を負荷したときの撓みδ(mm)の比の値の100
分率(δ/SH)×100(%)であらわす。撓み率
(%)の測定結果は、実験用タイヤW1 が35.0%、
実験用タイヤW2 が37.8%、実験用タイヤW3 が3
8.5%であった。また、故障発生までのドラム走行距
離は、実験用タイヤW2 を100とする指数であらわし
たプロット図及び線図を図9に示す。これから、曲げ剛
性が高いスチールコード適用プライのタイヤのランフラ
ット耐久性が優れていることが分かる。
【0052】また、用いるスチールコードは生コードの
状態での切断時全伸び(JIS G3510 1986
制定に従う)が3.5%以上、望ましくは4.0%以上
の高い伸び特性を有するコードが適合する。ただしこの
スチールコードは以下に記す試験による特性を有するの
が望ましい。
【0053】図2及び図3において、カーカス6のプラ
イ6−1、6−2に埋設した1本のスチールコード〜ゴ
ム複合体のX線撮影像から任意に選択したコード軸方向
長さ15mm部分の、最外側素線から外にはみ出した部
分を除くコード複合体面積に占める素線合計面積の割合
(素線合計の面積占有率R)が0.45〜0.95の範
囲内である。ここでコード軸方向長さ15mmとは、X
線撮影像でのコード長さとして15mmということであ
り、またコード〜ゴム複合体全体(斜線部分)の面積を
A、素線の占有面積をFとしたとき、素線の面積占有率
R=F/Aであらわす。
【0054】面積占有率Rは、ソフテック社製K−2型
を用い、カーカス6が1プライの場合はサイドウォール
部3のタイヤ1の最大幅位置S付近で、サイドウォール
部3の表面の法線方向からX線を照射した撮影像をタイ
ヤ1の周方向に10箇所から得て、10箇所の平均値と
する。カーカス6が2プライの場合は各プライのスチー
ルコード−ゴム複合体が重なり合い、正確な測定が困難
であるから、それぞれ1プライをタイヤ1から取り出し
て各、プライにつき上記同様にX線撮影像を得て、10
箇所の面積占有率Rの平均値を求める。
【0055】面積占有率Rが0.45未満であると、各
素線とゴムとの接触面積が大きくなり水分による腐食伝
播性をより一層抑制することができる反面、スチールコ
ードとしての引張弾性率が低くなり過ぎ、カーカス6と
して必要とする曲げ剛性を満たすことができなくなり、
また面積占有率Rが0.95を超えると素線自体が変形
し難くなり耐圧縮疲労性が低下するのでいずれも不可で
ある。面積占有率Rは0.50〜0.90の範囲内であ
るのが望ましく、0.55〜0.75の範囲内であるの
がより望ましい。
【0056】特に、0.55〜0.75の範囲内の面積
占有率Rをもつスチールコードは、素線相互が実質上ゴ
ムマトリックス中に独立してせいぜい点接触し、コード
外側の包絡線内部に広い空間を有する、いわゆるオープ
ン撚りコードである。オープン撚りスチールコードを用
いることにより、(1)スチールコード内部に多量のゴ
ムが侵入するのでスチールコードの曲げ剛性を大きくす
ることができ、その結果、フラット走行時のタイヤ1の
撓み量δをより一層小さくすることができ、ランフラッ
ト耐久性の一層の向上に寄与し、(2)スチールコード
の各素線とゴムとの接触面積を最大限に増加させ、素線
相互間の摩擦による摩滅、すなわちフレッティングを抑
制し、フレッティングに基づくスチールコードの耐腐食
性を大幅に改善することができ、(3)さらに、各素線
とゴムとの接触面積増加は、スチールコード素線相互間
への水分の進入を抑制し、水分によるスチールコードの
腐食伝播性を抑制することとができ、タイヤ1の全走行
距離にわたり、ランフラット耐久性を一層向上させるこ
とができる。
【0057】
【実施例】空気入りラジアルプライタイヤで、サイズが
215/65R15であり、構成は図1に従い、カーカ
ス6はターンアッププライ6−1、ダウンプライ6−2
の2プライ構成になり、これらプライはラジアル配列1
650D/2(SIで1840dtex(デシテックス)/
2)のレーヨンコードのゴム被覆になり、ベルト7は2
層のスチールコード交差層7−1、7−2と1層のゴム
被覆ナイロン66コードの螺旋巻回層7−3とを有す
る。
【0058】実施例1〜6の各タイヤにつき、25℃に
おける補強ストリップゴム8のJIS A硬さHS (R)
及びビードフィラーゴム9のJIS A硬さHS (F) 、
比HS (R) /HS (F) の値、25℃における補強ストリ
ップゴム8の反ぱつ弾性R R (%)、ビードフィラーゴ
ム9の反ぱつ弾性RF (%)、補強ストリップゴム8の
最大厚さGR (mm)、ビードフィラーゴム9の最大厚
さGF (mm)及び比GF /GR の値のそれぞれを従来
例タイヤ及び比較例タイヤと共に表2に示す。なお補強
ストリップゴム8のタイヤ半径方向高さは140(m
m)とし、ビードフィラーゴム9のタイヤ半径方向高さ
は47(mm)とし、これらは各タイヤに共通とした。
【0059】
【表2】
【0060】実施例1〜6、従来例及び比較例の各タイ
ヤを供試タイヤとし、内圧ゼロの下で荷重540kgf
(JATMA YEAR BOOK−1998に記載さ
れた最大負荷能力の76%に相当する荷重)を負荷させ
てドラムによるランフラット耐久性テストを実施した。
故障が発生するまでの走行距離(km)を計測してこれをラ
ンフラット耐久性とし、計測した値は従来例タイヤを1
00とする指数にてあらわし、この指数を先に述べた
(走行距離指数)/合計重量(kg重)の指数と共に表2
の下欄に記載し、さらに図5に示す故障部位を符号a〜
dにて表2の下欄に記載した。指数の値は大なるほど良
い。なお表2では(走行距離指数)/合計重量(kg重)
を距離/合計重量と略記した。
【0061】表2に記載したドラム走行距離(指数)の
値、すなわちランフラット耐久性の値が示すように実施
例1〜6のタイヤは従来例タイヤ及び比較例タイヤ対比
で格段に優れたランフラット耐久性を発揮しているばか
りでなく、距離/合計重量、すなわち(走行距離指数)
/合計重量(kg重)の指数値も実施例1〜6のタイヤは
従来例タイヤ及び比較例タイヤに比し顕著に優位にある
ことを実証している。
【0062】なお、カーカス6が1プライのターンアッ
ププライ6−1のみに、2プライのターンアッププライ
6−1とダウンプライ6−2とに、それぞれスチールコ
ードを適用したタイヤ1(前記と同じタイヤサイズ)の
実施例タイヤについても、別途に、同種スチールコード
プライを有する従来タイヤに対し、実施例1〜6のタイ
ヤ1と同様に、ランフラット耐久性と、走行距離指数/
合計重量(kg重)との顕著な向上が得られることを確か
めている。よって、僅かなタイヤ重量増加なら許容でき
る用途には、カーカスプライにスチールコードを適用し
たこの発明のタイヤが適合する。
【0063】
【発明の効果】この発明の請求項1又は2に記載した発
明によれば、ビードフィラーゴムと補強ストリップゴム
とのJIS硬さの値及び反ぱつ弾性の値を特定し、かつ
両ゴムのJIS硬さの比の値の範囲を特定し、さらに補
強ストリップゴム最大厚さとビードフィラーゴム最大厚
さとの比の値の範囲を特定することにより、カーカスプ
ライに有機繊維コードを適用するタイヤ相互間で、スチ
ールコードを適用するタイヤ相互間で、それぞれ従来タ
イヤと同じ重量で従来タイヤより顕著に優れたランフラ
ット耐久性を発揮する空気入りタイヤを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態例の空気入りタイヤの
左半断面図である。
【図2】 カーカスプライの1本のゴム被覆スチールコ
ードのX線撮影図である。
【図3】 図2に示すスチールコードのみのX線撮影図
である。
【図4】 補強ストリップゴム硬さのビードフィラーゴ
ム硬さに対する比の値とドラム走行距離との関係をあら
わす線図である。
【図5】 図1に示すタイヤの故障箇所の説明図であ
る。
【図6】 反ぱつ弾性とドラム走行距離及びビードフィ
ラーゴム最高温度との関係をあらわす線図である。
【図7】 補強ストリップゴムの最大厚さに対するビー
ドフィラーゴム最大厚さの比の値とドラム走行距離との
関係をあらわす線図である。
【図8】 図7に示す線図のうちドラム走行距離を補強
ストリップとビードフィラーゴムとの合計重量で除した
値に置き換えた線図である。
【図9】 撓み率とランフラット耐久性との関係を示す
線図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ 2 ビード部 3 サイドウォール部 4 トレッド部 5 ビードコア 6 カーカス 6−1、6−2 カーカスプライ 7 ベルト 7−1、7−2 スチールコード層 7−3 ナイロンコード巻回層 8 補強ストリップゴム 9 ビードフィラーゴム 10 インナーライナゴム E タイヤ赤道面 S タイヤ最大幅位置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部内に埋設したビードコア
    相互間にわたり一対のサイドウォール部とトレッド部と
    を補強する1プライ以上のラジアル配列コードのゴム被
    覆になるカーカスと、カーカスの外周でトレッド部を強
    化する2層以上のコード交差層を有するベルトとを備
    え、ビードコアからトレッド部に向け延びるビードフィ
    ラーゴムを有し、ビード部のビードコア近傍位置からサ
    イドウォール部を経てトレッド部の端部までにわたる最
    内側カーカスプライ内面側に対をなす、断面三日月形状
    の厚肉補強ストリップゴムを有する空気入りタイヤにお
    いて、 上記ビードフィラーゴムと補強ストリップゴムとの双方
    は、25℃におけるJIS A硬さが70度以上である
    と共に25℃における反ぱつ弾性が65%以上であるゴ
    ム物性を有し、かつ、 ビードフィラーゴムの上記JIS A硬さ(HS (F) )
    に対する補強ストリップゴムの上記JIS A硬さ(H
    S (R) )の比(HS (R) /HS (F) )の値が0.9〜
    1.15の範囲内にあることを特徴とする空気入りタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 タイヤの最大幅位置近傍の最内側カーカ
    スプライ内面に立てた法線方向に測った全補強ゴムスト
    リップの最大厚さ(GR )に対する、ビードコア外周近
    傍の最内側カーカスプライの外面に立てた法線方向に測
    った全ビードフィラーゴムの最大厚さ(GF )の比(G
    F /GR )の値は0.5〜0.9の範囲内にある請求項
    1に記載した空気入りタイヤ。
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