JP4548870B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りタイヤ、より詳細にはパンクなどにより内圧がゼロ乃至ゼロに近い微圧状態で所定距離走行可能な、いわゆるランフラットタイプのラジアルタイヤに関し、特に優れたランフラット(パンク状態での走行)耐久性を備えた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
ランフラットタイプのラジアルタイヤ(以下ランフラットタイヤという)は、主としてタイヤの負荷荷重が比較的小さな乗用車などの車両の使途に供するもので、タイヤがフラット(パンク)状態となっても、それがたとえ急速に生じたとしても一般道路走行中はもとより高速道路の高速中であっても、車両、特に乗用車の操縦安定性を損なうことなく安全に走行可能で、かつ走行を継続しても使用リム(適用リム)から離脱することなく、しかもタイヤが破壊することなく、安全かつ確実にタイヤ交換が可能な場所まで所定距離、例えば80〜160km走行可能であることが要求される。
【0003】
そのため各種の構造をもつランフラットタイヤが、ときには工夫をこらした特殊使用リムとの組合わせで提案されている。しかし特殊リムとの組合わせは高価過ぎるうえ汎用性にも欠け、タイヤのリムからの離脱防止に効果は認められる反面、タイヤ耐久性の向上には直接、間接を問わずそれほど寄与するところがないため、以下ランフラットタイヤ単体について例を挙げ述べるものとする。
【0004】
特開昭55−68406号公報では、ビード部からサイドウォール部を経てトレッド部の端部に至る間の最内側カーカスプライのタイヤ内面又はカーカスプライ相互間に、対をなす断面三日月状の厚肉ゴム補強を配設し、このゴム補強は少なくとも70度のJIS硬度を有し、140℃±1℃の不活性環境における24時間の老化試験後の引張応力M25が10kgf/cm2 以上でかつ、ダンロップトリプソメータ式反発弾性が65%以上のゴム物性を有する、パンク耐久走行性能に優れた空気入り安全タイヤを提案している。
【0005】
また特開平1−278806号公報は、サイドウォール部内面に断面三日月状のサイドウォール補強ゴム層を設け、該補強ゴム層をタイヤ回転軸方向に内側層、中間層及び外側層の3層に分け、内側層及び外側層に、ショアA硬度が50〜70°かつ100%伸長モジュラスが10〜30kgf/cm2 の軟質ゴムを適用し、中間層にショアA硬度が70〜90°かつ100%伸長モジュラスが30〜70kgf/cm2 の硬質ゴムを適用し、さらにショアA硬度が74〜95°のビードエーペックスゴムを配置した安全タイヤを提案している。
【0006】
また特開平3−176213号公報では、カーカスをアップ−ダウンの2プライ構成とし、サイドウォール部のカーカスプライ内側に、100%モジュラスが60kgf/cm2 以上、100℃での損失正接が0.35以下のゴムからなる断面三日月状の補強ライナー層を設けると共に、JIS A硬度60〜80のビードフィラーゴムを配設するランフラット空気入りラジアルタイヤを提案している。
【0007】
最後に、特開平4−345505号公報は、アップ−ダウン構造のカーカスプライを有し、サイドウォール部の内側カーカスの内面に、タイヤ半径方向内側の第一補強ゴム層と外側の第二補強ゴム層とに分けた、合わせて断面三日月状の肉厚補強ゴムを配置すると共にビードフィラーゴムを配設し、これらゴムのショアA硬度が第一補強ゴム層、第二補強ゴム層、ビードフィラーゴムの順に高い空気入り安全タイヤを提案している。
【0008】
上に述べた各種提案のなかでコスト−パーフォーマンスに優れ、従って最も多く市場で実用に供されているランフラットタイヤは、ビード部のビードコア近傍位置からサイドウォール部を経てトレッド部の端部までにわたる最内側ターンアッププライ内面側に対をなす、断面三日月状の硬質一体の厚肉補強ストリップゴムを有し、フラット転動下で成るべく潰れ変形度合いを軽減する上で効果を発揮するアップ−ダウン構造のラジアルカーカスプライを有し、ここにアップ−ダウン構造プライとはビードコアの周りをタイヤ内側から外側へ巻上げるターンアッププライと、このターンアッププライを外包みするダウンプライとの2プライ乃至2プライ以上のプライ構成を言い、かつターンアッププライとダウンプライとで包み込む、ビードコア外周面からタイヤ最大幅位置近くまで延びる硬質のビードフィラーゴムを備える空気入りラジアルタイヤであり、ときにビード部からサイドウォール部に至る間にケブラーコード又はスチールコードのゴム被覆層(インサートプライと呼ばれる層)を配置するタイヤである。
【0009】
それでも上に述べたこの種のタイヤは汎用タイヤに比しコスト高を免れず、よってスポーツカー、スポーツタイプカー、高級乗用車などいずれも高価な車種に装着されることが多く、従いランフラットタイヤは偏平比の呼びが55以下の偏平タイヤが主たる対象であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし先に述べた各公報が提案する、上記のような構成を有するタイヤであっても、急激な内圧ゼロ状態となったとき、高速走行中の車両の操縦安定性確保は十分としても、ランフラット状態での高速走行継続と長距離走行とにおける耐久性は未だに十分とは言えず、成るべく低コストを確保した上でランフラット耐久性を一層改善したタイヤが望まれている。
【0011】
これまでに見られるランフラット耐久性に係わる主たる故障形態は、フラット走行が進むにつれビード部寄りのビードフィラーゴムとターンアッププライ(内側プライ)との間にセパレーションの核が発生し、このセパレーション核がサイドウォール部の最大幅位置まで進展し、その結果この最大幅位置より僅かトレッド部寄りの部位における厚肉補強ストリップゴムに著しく大きなクラックが発生し、結局タイヤ破壊から走行継続不可能に至るものである。
【0012】
従ってこの発明の請求項1又は2に記載した発明は、パンクなどによる急速なエアー抜け時点での乗用車などの車両の安全走行を保証するのは勿論のこと、特にフラット走行を継続したときのタイヤの耐久性能をランフラットタイヤとして使用者に満足される性能まで向上させた空気入りタイヤの提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためこの発明の請求項1に記載した発明は、一対のビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり一対のサイドウォール部とトレッド部とを補強する1プライ以上のラジアル配列コードのゴム被覆になるカーカスと、カーカスの外周でトレッド部を強化する2層以上のコード交差層を有するベルトとを備え、ビードコアからトレッド部に向け延びるビードフィラーゴムを有し、ビード部のビードコア近傍位置からサイドウォール部を経てトレッド部の端部までにわたる最内側カーカスプライ内面側に対をなす、断面三日月形状の厚肉補強ストリップゴムを有する空気入りタイヤにおいて、上記ビードフィラーゴムと補強ストリップゴムとの双方は、25℃におけるJIS A硬さが70度以上であると共に25℃における反ぱつ弾性が65%以上であるゴム物性を有し、かつビードフィラーゴムの上記JIS A硬さHS (F) に対する補強ストリップゴムの上記JIS A硬さHS (R) の比HS (R) /HS (F) の値が0.9〜1.15の範囲内にあり、
前記カーカスの各プライのコードは1×n、または1+n構成のスチールコードよりなり、コードの、最外側素線から外にはみ出した部分を除くコード複合体面積に占める素線合計面積の割合(素線合計の面積占有率R)が0.45〜0.95の範囲内であり、かつ、前記1×n、または1+n構成におけるnは2〜7の範囲内の整数であり、コードの素線径は0.125〜0.275mmの範囲内であることを特徴とする空気入りタイヤである。
【0014】
請求項1に記載した1プライ以上のカーカスは、ビードコアの周りをタイヤ内側から外側に巻上げるターンアッププライのみで構成する場合と、ターンアッププライと、このターンアッププライをビードフィラーゴムと共に外包みするダウンプライとで構成する場合(2プライ以上)との双方を含む。また、ターンアッププライの場合、巻上げ端をビード部からサイドウォール部に位置させる構成と、トレッド部にて、巻上げ端をベルトと最外側カーカスプライとの間に位置させる構成(いわゆるエンベロープ構成その一)と、ベルトのタイヤ半径方向外側に位置させる構成(エンベロープ構成その二)とのいずれをも含む。
【0016】
請求項1に記載したJIS A硬さ及び反ぱつ弾性の測定は、JIS K6301−1995の「加硫ゴム物理試験方法」に記載されている「硬さ試験」のうちスプリング式硬さ試験(A形)及び「反ぱつ弾性試験」に従うものとする。
【0017】
請求項1に記載した発明を実施するに当り、ビードフィラーゴム厚さと補強ストリップゴム厚さとの関係を規定するのが実用上有効であり、よって請求項2に記載した発明のように、タイヤの最大幅位置近傍の最内側カーカスプライ内面に立てた法線方向に測った全補強ゴムストリップの最大厚さGR (mm)に対する、ビードコア外周近傍の最内側カーカスプライの外面に立てた法線方向に測った全ビードフィラーゴムの最大厚さGF (mm)の比GF /GR の値は0.5〜0.9の範囲内にあるものとする。
また、請求項1もしくは2に記載した発明を実施するに当り、前記カーカスを、1プライのターンアッププライで構成し、折返し部の終端をトレッド部のベルト領域の位置に配置するのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1〜図3に基づき説明する。
図1は、この発明による乗用車用空気入りラジアルタイヤの左半断面図であり、
図2は、カーカスプライの1本のスチールコードとその素線内部に存在するゴム(斜線で示す)とのX線撮影図であり、
図3は、図2に斜線で示すゴム分を取り除いた1本のスチールコードのみのX線撮影図である。
【0019】
図1において、乗用車用空気入りラジアルタイヤ(以下タイヤという)1は、一対のビード部2(片側のみ示す)と、一対のサイドウォール部3(片側のみ示す)と、両サイドウォール部3に連なるトレッド部4とを有し、一対のビード部2内に埋設したビードコア5相互間にわたり上記各部2、3、4を補強する1プライ以上、図示例は2プライのラジアル配列コードのゴム被覆になるカーカス6と、カーカス6の外周でトレッド部4を強化するベルト7とを有する。
【0020】
図示例のカーカス6は、ビードコア5をタイヤ1の内側から外側へ向け巻上げる折返し部6−1uを有するターンアッププライ6−1と、ターンアッププライ6−1の外側でビードコア5近傍に終端を有するダウンプライ6−2とを備える。この種のプライ構成をもつカーカス6は、一般にアップ−ダウンカーカスと呼ぶ。図示例のアップ−ダウンカーカス6ではターンアッププライ6−1が最内側カーカスプライを形成する。ただし、図示を省略したが、カーカス6は、1プライのターンアッププライ6−1のみの構成、2プライのターンアッププライと1プライのダウンプライとのアップ−ダウン構成及び1プライのターンアッププライと2プライのダウンプライとのアップ−ダウン構成など、各種のプライ構成をとることができる。
【0021】
カーカス6が、1プライのターンアッププライ6−1のみの構成になる場合、折返し部6−1uの終端6−1uEを、図示するビード部2の近傍位置から、図示を省略したが、トレッド部4のベルト7領域の位置までにわたる間に配置する。ベルト7領域における折返し部6−1uの終端6−1uEは、ベルト7とプライ6−1との間及びベルト7とトレッドゴム8との間のいずれかに位置させる。
このタイプは、特にエンベロープカーカス6と呼ばれている。エンベロープカーカス6の折返し終端6−1uEは、ベルト7領域内であれば位置は問わないが、タイヤ1の半径方向曲げ剛性の向上を考慮して、成るべくタイヤ赤道面E近傍に位置させるのが望ましい。
【0022】
カーカス6のプライコードにはスチールコードを適用するスチールコードは、2プライ以上のアップ−ダウン構成のカーカス6に適用する他に、1プライ構成のカーカス6に適用するのが特に有効である。スチールコードの詳細は後述する。
【0023】
ベルト7は2層以上、図示例は2層のコード交差層、望ましくは2層のスチールコード交差層7−1、7−2を有する他、これら交差層の外周に図1で破線で示す有機繊維コード層、例えばナイロン66コードの螺旋巻回層7−3を有する。スチールコード交差層7−1、7−2はタイヤ赤道面Eを挟んでそれぞれの層のスチールコードが交差する配置になり、図示例ではカーカス6に隣接する層7−1の幅が層7−2の幅より広い。
【0024】
またタイヤ1は、ランフラットタイヤに固有の、対をなす断面三日月形状の厚肉補強ストリップゴム8(片側のみ示す)を、カーカス6のターンアッププライ6−1の内面側に備える。補強ストリップゴム8は内圧ゼロでも走行中の車両総重量を安定して支持し、タイヤ1の使用リムからの離脱を防止し、タイヤ1の破壊を阻止するため、さらには、例えば80〜160km/hでの高速走行での急速なパンク時にも走行安定性を保持可能とするため、タイヤ半径方向中央領域を8〜16mmの厚肉部とする一方、タイヤ半径方向両端部は先細り状とする。
【0025】
また先に述べた図示省略のカーカス6が2プライのターンアッププライと1プライのダウンプライとを有するタイヤ1の場合は、上記厚肉補強ストリップゴム8の他に、最外側ターンアッププライの外面とダウンプライの内面との間に厚肉補強ストリップゴム(図示省略)を備えるものとする一方、カーカス6が1プライのターンアッププライと2プライのダウンプライとを有するタイヤ1の場合は、上記厚肉補強ストリップゴム8の他に、最内側ダウンプライと最外側ダウンプライとの間に厚肉補強ストリップゴム(図示省略)を備えるものとする。
【0026】
さらに上記の補強ストリップゴム8に加え、ビードコア5の外周面からタイヤ半径方向外方に向かい先端部先細り状に延びるビードフィラーゴム9を、ターンアッププライ6−1とダウンプライ6−2との間に配置する。ビードフィラーゴム9のタイヤ半径方向外方終端を少なくともタイヤ最大幅位置Mまで延ばす。よってダウンプライ6−2はビードフィラーゴム9を挟んでターンアッププライ6−1を外包みする形態をとる。これはターンアッププライが2プライの場合も同じである。
【0027】
カーカス6が1プライのタイヤ1におけるビードフィラーゴム9は、ターンアッププライ6−1本体(一対のビードコア5相互間にわたり延びるプライ)と折返し部6−1uとの間で、プライ6−1本体に沿って上記同様に延びる。なお、符号10で示す部分は空気不透過性に優れるハロゲン化ブチルゴムのインナーライナである。よってタイヤ1はチューブレスタイヤである。
【0028】
ここで補強ストリップゴム8及びビードフィラーゴム9の双方は、25℃におけるJIS A硬さが共に70度以上であり、かつ25℃における反ぱつ弾性が共に65%以上であるゴム物性を有することが必要である。しかも同時に補強ストリップゴム8のJIS A硬さHS (R) の、ビードフィラーゴム9のJIS A硬さHS (F) に対する比HS (R) /HS (F) の値が0.9〜1.15の範囲内にあることを要する。
【0029】
上記のゴム物性と比HS (R) /HS (F) の値の範囲との根拠を、乗用車用タイヤの代表として、サイズが225/60R16のタイヤでの実験結果に基づき以下に述べる。タイヤの構成は図1に示すところに従い、カーカス6のプライ6−1、6−2にはポリエステルコードを適用した。
【0030】
まず実験その一は、補強ストリップゴム8の最大ゲージGR (詳細は後述する)を11.0mm、タイヤ半径方向高さを135mmとし、ビードフィラーゴム9の最大ゲージGF (詳細は後述する)を6.0mm、タイヤ半径方向高さを45mmとし、補強ストリップゴム8のJIS A硬さ80度、反ぱつ弾性70%を共通とし、比HS (R) /HS (F) の値を4水準にとり、従来タイヤPは比の値が下限値で0.88(HS (F) の値は90度)、実験用タイヤQの比の値が1.00、実験用タイヤRの比の値が1.10、実験用タイヤSは比の値が上限値で1.20とした。
【0031】
従来タイヤP及び実験用タイヤQ、R、Sの内圧をゼロとし、該タイヤを装着する車両総重量に見合うタイヤ荷重570kgf をタイヤP、Q、R、Sに負荷させ、これらタイヤを周速度90km/hで回転するドラムに押し当て、ランフラット耐久性を比較評価した。評価はタイヤ故障が生じるまでに走行した距離(km) によるものとし、従来タイヤPの走行距離を100とする指数にてあらわした。この指数が大きいほどに優れるタイヤであることはいうまでもなく、結果は、実験タイヤQの指数が140、実験タイヤRの指数が130であったのに対し、実験タイヤSの指数は70に過ぎなかった。これら指数を図4に小さなマル(○)印にて示すと共に、これらマル印を滑らかな曲線にて連ねらてあらわした。
【0032】
図4に示すところから明らかなように、従来タイヤPを上回るランフラット耐久性を得るには、比HS (R) /HS (F) の値が0.9〜1.15の範囲内にあることを要することがわかる。
【0033】
先に述べた補強ストリップゴム8の最大ゲージGR を10.0mm及びビードフィラーゴム9の最大ゲージGF を6.0mmとしたのは、通常のタイヤ重量に対するタイヤ重量増加を成るべく最少限度に止める上で上限ゲージとみるべきであるが、さらに実験の普遍性を確かめるため、実験その二として、補強ストリップゴム8のJIS A硬さ80度、反ぱつ弾性70%をそのままとし、補強ストリップゴム8の最大ゲージGR を12.0mm(高さは同じ135mm)、ビードフィラーゴム9の最大ゲージGF を8.0mm(高さは同じ45mm)とし、従来タイヤPに対応する実験タイヤT、実験タイヤQに対応する実験タイヤU及び実験タイヤRに対応する実験タイヤVの3種のタイヤを、上記と同じ試験条件にてドラムによるランフラット耐久性テストを実施した。
【0034】
実験用タイヤTの比HS (R) /HS (F) (以下同じ)の値は0.88、実験用タイヤUの比の値は1.00、実験用タイヤVの比の値は1.10とした。テスト結果は、従来タイヤPを100とするドラム走行距離指数で、実験タイヤTが125であったのに対し、実験タイヤUが178、実験タイヤVが164の高レベルであり、かつ実験タイヤUがピークを示す点を含め、先の実験その一の正当性を裏付けている。これら指数を図4に小さな四角形(□)印にて示すと共に、これら四角形(□)印を滑らかな曲線(破線)にて連ねらてあらわした。
【0035】
以下、図1同様にタイヤ左半断面を示す図5を参照して、従来タイヤP及び実験タイヤT共に、比HS (R) /HS (F) の値が0.88のようにビードフィラーゴム9の硬さHS (F) が補強ストリップゴム8の硬さHS (R) に比し大幅に硬い、従ってより剛性が高いビードフィラーゴム9とカーカス6のターンアッププライ6−1との間にひずみが集中する結果、図5に破線bで示すプライセパレーション核が発生し、このセパレーション核bからタイヤ半径方向外側に向けプライセパレーションが進展し、遂には図5にマルで囲んだ符号c部分にクラックが発生してタイヤ破損に至り、走行継続不可能となることが分かった。
【0036】
その反面、実験タイヤSの例が示すように、補強ストリップゴム8の硬さHS (R) がビードフィラーゴム9の硬さHS (F) に比し限度を超えて硬すぎと、今度は補強ストリップゴム8の剛性がビードフィラーゴム9の剛性に比し過大に高くなるので、補強ストリップゴム8とカーカス6のターンアッププライ6−1との間にひずみが集中する結果、図5に示す破線a位置でプライセパレーション核が発生し、上記同様にセパレーション核aからタイヤ半径方向外側に向けプライセパレーションが進展し、遂には符号c部分にクラックが発生してタイヤ破損に至り、走行継続不可能となることも分かった。
【0037】
タイヤ1の荷重負荷ランフラット走行下で、ターンアッププライ6−1を挟んで互いに向かい合う補強ストリップゴム8とビードフィラーゴム9との間の剛性差が大きい場合にこれらゴム8、9相互間に「ずれ」が生じることになり、この「ずれ」が大きいときターンアッププライ6−1との間に大きなせん断ひずみが集中的に作用することにより上に述べたプライセパレーション核a、bが発生するものである。
【0038】
その一方で、実験タイヤQ、R、U、Vの場合は、補強ストリップゴム8の硬さHS (R) とビードフィラーゴム9の硬さHS (F) とが適度なバランスを保持しているので、両者ゴム8、9相互間に適度な剛性配分を有する結果、破線a、b部にひずみ集中が生じることなく、よってプライセパレーション核a、bは発生せず、セパレーションのタイヤ半径方向外側への進展もなく、符号c部分又は符号d部分に単独でクラックが生じるのみである。このことは符号c部分又は符号d部分のクラック発生時期を大幅に遅らせることになるので、先に述べたドラム走行距離で従来タイヤP及び実験タイヤTに対し20〜40%もの大幅延長が可能となり、ランフラット耐久性が大幅に向上することになる。
【0039】
またタイヤ1の荷重負荷下のランフラット走行中に、ターンアッププライ6−1を挟んで互いに向かい合う補強ストリップゴム8部分とビードフィラーゴム9部分との発熱量が増大して高温度になり勝ちであり、特にビードフィラーゴム9の高温度によるブローアウト故障を防止するのも重要である。そこで実験その三は、実験タイヤQを代表として、25℃における反ぱつ弾性(%)が50%、65%、80%の3種類のビードフィラーゴム9を備えるタイヤ1を準備し、実験その一と同じ条件でドラム走行距離と、ビードフィラーゴム9内部の最高温度(℃)とを測定した。結果を図6に示す。
【0040】
図6において、左側の縦軸は先の従来タイヤPの走行距離を100とする指数を示し、右側の縦軸はビードフィラーゴム9内部の最高温度(℃)を示す。図6から反ぱつ弾性が65%を下回るとドラム走行距離の低下度合いが著しく、また反ぱつ弾性が65%を下回るとビードフィラーゴム9の温度上昇度合いも著しくなることがわかる。ビードフィラーゴム9の高温度によるブローアウト故障を防止する上から最高温度を150℃以下とすることを必要とし、指数140以上のドラム走行距離を確保する上でも、ビードフィラーゴム9の反ぱつ弾性は65%以上であることを必要とする。勿論図示を省略したが補強ストリップゴム8の場合も同じである。
【0041】
以上は乗用車用タイヤの1サイズについて述べたが、その他の多くのサイズについても同じ実験を繰り返したが、得られる結果は全て同じであった。よって、少なくとも乗用車用タイヤ1について、25℃におけるJIS A硬さが70度以上であり、25℃における反ぱつ弾性が65%以上であるゴム物性を有する補強ストリップゴム8とビードフィラーゴム9とを備え、そして補強ストリップゴム8の硬さHS (R) の、ビードフィラーゴム9の硬さHS (F) に対する比、HS (R) /HS (F) の値が0.9〜1.15の範囲内にあるタイヤ1のランフラット耐久性は大幅に向上する。
【0042】
さらに図1を参照して、実際上、タイヤの最大幅位置Mを結ぶ線分(片側のみ示す)近傍の最内側ターンアッププライ6−1内面に立てた法線方向に測った全補強ゴムストリップ8の最大厚さGR (mm)に対する、ビードコア5の外周近傍の最内側ターンアッププライの外面に立てた法線方向に測った全ビードフィラーゴム9の最大厚さGF (mm)の比GF /GR の値を0.5〜0.9の範囲内とすることが、より一層のランフラット耐久性向上に有効である。
【0043】
ここに全補強ゴムストリップ8の最大厚さGR (mm)及び全ビードフィラーゴム9の最大厚さGF (mm)とは、前者につきカーカス6が2プライのターンアッププライを有し、これら2プライ間に補強ゴムストリップ(図示省略)を有するときは、これら補強ゴムストリップの厚さ(mm)を全て足し合わせた値を用いること、2プライのダウンプライを有し、これらプライ間に補強ゴムストリップ(図示省略)を有するときはこれら補強ゴムストリップの厚さ(mm)を全て足し合わせたGR (mm)値を用いることを意味し、また後者についても上記同様にビードフィラーゴム9が二つ以上に分割されている場合も全て足し合わせた最大厚さGF (mm)を用いることを意味する。
【0044】
最大厚さGR (mm)位置及び最大厚さGF (mm)位置は以下のようにして定めるのが良い。まず最大厚さGR (mm)位置については、図1において、ビードベースBbの延長線とリムのフランジと接するビード部2下部表面の延長線との交点を通る、タイヤの回転軸線と平行なビードベースラインBLから測ったタイヤ最大幅位置Mの高さH(mm)に関し、タイヤの最大幅位置Mを結ぶ線分よりのタイヤ半径方向外側高さh1 を0.6Hとし、上記線分よりのタイヤ半径方向内側高さh2 を0.3Hとして、これら高さの和(h1 +h2 )の範囲内に最大厚さGR (mm)部分を位置させる。次に最大厚さGF (mm)位置については、図1に示すように、ビードコア外周面からタイヤ半径方向外側に測った最大高さJ(mm)がタイヤ最大幅位置Mの高さH(mm)の0.3倍となる範囲内に収める。
【0045】
ここでタイヤ1の荷重負荷の下でのランフラット走行時に、比GF /GR の値が0.5未満では、符号c(図5参照)近傍における補強ゴムストリップ8の撓曲変形度合いに比しビードフィラーゴム9の符号d(図5参照)近傍の撓曲変形度合いがより大きくなり、その結果符号d近傍のビードフィラーゴム9に早期の故障が生じる一方、比GF /GR の値が0.9を超えると、ビードフィラーゴム9の符号d近傍の撓曲変形度合いに比し符号c近傍における補強ゴムストリップ8の撓曲変形度合いがより大きくなり、その結果符号c近傍における補強ゴムストリップ8に早期の故障が生じるため、いずれも不可である。
【0046】
これに対し、比GF /GR の値を0.5〜0.9の範囲内とすれば、符号c近傍における補強ゴムストリップ8の撓曲変形度合いと、符号d近傍におけるビードフィラーゴム9の撓曲変形度合いとが適当にバランスをとり、このことは符号c近傍における補強ゴムストリップ8及び符号d近傍におけるビードフィラーゴム9双方のひずみがほぼ同等となり、符号c近傍ゴム故障と符号d近傍ゴム故障がほぼ同時に生じることを意味し、よってランフラット走行距離が最長となるのである。
【0047】
以下実験その四として、先に述べた実験その一と同じサイズのタイヤ、同じ荷重条件及び同じ周速度で、比GF /GR の値を変えたときのランフラットドラム走行距離を測定した結果をコントロールタイヤを100とする指数であらわしたプロット図及び線図を図7に示し、加えて比GF /GR の値を変えたときのランフラット走行距離指数を、(補強ゴムストリップ8の重量(kg 重) ))+(ビードフィラーゴム9の重量(kg 重) )=合計重量(kg 重) で除した値を算出した結果をコントロールタイヤを100とする指数であらわしたプロット図及び線図を図8に示す。合わせて厚さGF (mm)、GR (mm)、比GF /GR の値、走行距離指数、上記各種重量(kg 重) 、(走行距離指数)/合計重量(kg 重) などを表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004548870
【0049】
以下、カーカス6のプライ6−1(1プライ構成、エンベロープを含む)及びプライ6−1、6−2(アップ−ダウン構成)に適用するスチールコードについて詳述する。
スチールコード構造は1×n、1+nの2種類が適合し、ただしn=2〜7の範囲内の整数とし、素線径は0.125〜0.275mmの範囲内である。
【0050】
ここで、実験その五として、図1に示すタイヤ1構造で実験その一と同じサイズのタイヤを用い、カーカス6のプライ6−1、6−2に、1×5×0.15(素線径=0.15mm)構造のスチールコードを適用した実験用タイヤW1 、1650D/2(SIで1840dtex(デシテックス)/2)のレーヨンコードを適用した実験用タイヤW2 、1500D/2(SIで1670dtex(デシテックス)/2)のポリエステルコードを適用した実験用タイヤW3 を製造し、まず、内圧ゼロでの撓み率(%)を測定し、その後、内圧ゼロ状態のまま、実験その一と同じ荷重条件及び同じ周速度の下で、故障発生までのドラム走行距離を測定した。
【0051】
撓み率(%)は、タイヤ荷重570kgf に対応する内圧1.5kgf/cm2 (JATMA YEAR BOOK 、1998年による)充てん時のタイヤ高さSH(mm)に対する、内圧ゼロのタイヤに荷重570kgf を負荷したときの撓みδ(mm)の比の値の100分率(δ/SH)×100(%)であらわす。撓み率(%)の測定結果は、実験用タイヤW1 が35.0%、実験用タイヤW2 が37.8%、実験用タイヤW3 が38.5%であった。また、故障発生までのドラム走行距離は、実験用タイヤW2 を100とする指数であらわしたプロット図及び線図を図9に示す。これから、曲げ剛性が高いスチールコード適用プライのタイヤのランフラット耐久性が優れていることが分かる。
【0052】
また、用いるスチールコードは生コードの状態での切断時全伸び(JIS G3510 1986制定に従う)が3.5%以上、望ましくは4.0%以上の高い伸び特性を有するコードが適合する。ただしこのスチールコードは以下に記す試験による特性を有するのが望ましい。
【0053】
図2及び図3において、カーカス6のプライ6−1、6−2に埋設した1本のスチールコード〜ゴム複合体のX線撮影像から任意に選択したコード軸方向長さ15mm部分の、最外側素線から外にはみ出した部分を除くコード複合体面積に占める素線合計面積の割合(素線合計の面積占有率R)が0.45〜0.95の範囲内である。ここでコード軸方向長さ15mmとは、X線撮影像でのコード長さとして15mmということであり、またコード〜ゴム複合体全体(斜線部分)の面積をA、素線の占有面積をFとしたとき、素線の面積占有率R=F/Aであらわす。
【0054】
面積占有率Rは、ソフテック社製K−2型を用い、カーカス6が1プライの場合はサイドウォール部3のタイヤ1の最大幅位置S付近で、サイドウォール部3の表面の法線方向からX線を照射した撮影像をタイヤ1の周方向に10箇所から得て、10箇所の平均値とする。カーカス6が2プライの場合は各プライのスチールコード−ゴム複合体が重なり合い、正確な測定が困難であるから、それぞれ1プライをタイヤ1から取り出して各、プライにつき上記同様にX線撮影像を得て、10箇所の面積占有率Rの平均値を求める。
【0055】
面積占有率Rが0.45未満であると、各素線とゴムとの接触面積が大きくなり水分による腐食伝播性をより一層抑制することができる反面、スチールコードとしての引張弾性率が低くなり過ぎ、カーカス6として必要とする曲げ剛性を満たすことができなくなり、また面積占有率Rが0.95を超えると素線自体が変形し難くなり耐圧縮疲労性が低下するのでいずれも不可である。面積占有率Rは0.50〜0.90の範囲内であるのが望ましく、0.55〜0.75の範囲内であるのがより望ましい。
【0056】
特に、0.55〜0.75の範囲内の面積占有率Rをもつスチールコードは、素線相互が実質上ゴムマトリックス中に独立してせいぜい点接触し、コード外側の包絡線内部に広い空間を有する、いわゆるオープン撚りコードである。オープン撚りスチールコードを用いることにより、
(1)スチールコード内部に多量のゴムが侵入するのでスチールコードの曲げ剛性を大きくすることができ、その結果、フラット走行時のタイヤ1の撓み量δをより一層小さくすることができ、ランフラット耐久性の一層の向上に寄与し、
(2)スチールコードの各素線とゴムとの接触面積を最大限に増加させ、素線相互間の摩擦による摩滅、すなわちフレッティングを抑制し、フレッティングに基づくスチールコードの耐腐食性を大幅に改善することができ、
(3)さらに、各素線とゴムとの接触面積増加は、スチールコード素線相互間への水分の進入を抑制し、水分によるスチールコードの腐食伝播性を抑制することとができ、
タイヤ1の全走行距離にわたり、ランフラット耐久性を一層向上させることができる。
【0057】
【実施例】
参考例となる空気入りラジアルプライタイヤ、サイズが215/65R15であり、構成は図1に従い、カーカス6はターンアッププライ6−1、ダウンプライ6−2の2プライ構成になり、これらプライはラジアル配列1650D/2(SIで1840dtex(デシテックス)/2)のレーヨンコードのゴム被覆になり、ベルト7は2層のスチールコード交差層7−1、7−2と1層のゴム被覆ナイロン66コードの螺旋巻回層7−3とを有する。
【0058】
参考例1〜6の各タイヤにつき、25℃における補強ストリップゴム8のJIS A硬さHS (R) 及びビードフィラーゴム9のJIS A硬さHS (F) 、比HS (R) /HS (F) の値、25℃における補強ストリップゴム8の反ぱつ弾性RR (%)、ビードフィラーゴム9の反ぱつ弾性RF (%)、補強ストリップゴム8の最大厚さGR (mm)、ビードフィラーゴム9の最大厚さGF (mm)及び比GF /GR の値のそれぞれを従来例タイヤ及び比較例タイヤと共に表2に示す。なお補強ストリップゴム8のタイヤ半径方向高さは140(mm)とし、ビードフィラーゴム9のタイヤ半径方向高さは47(mm)とし、これらは各タイヤに共通とした。
【0059】
【表2】
Figure 0004548870
【0060】
参考例1〜6、従来例及び比較例の各タイヤを供試タイヤとし、内圧ゼロの下で荷重540kgf (JATMA YEAR BOOK−1998に記載された最大負荷能力の76%に相当する荷重)を負荷させてドラムによるランフラット耐久性テストを実施した。故障が発生するまでの走行距離(km)を計測してこれをランフラット耐久性とし、計測した値は従来例タイヤを100とする指数にてあらわし、この指数を先に述べた(走行距離指数)/合計重量(kg重)の指数と共に表2の下欄に記載し、さらに図5に示す故障部位を符号a〜dにて表2の下欄に記載した。指数の値は大なるほど良い。なお表2では(走行距離指数)/合計重量(kg重)を距離/合計重量と略記した。
【0061】
表2に記載したドラム走行距離(指数)の値、すなわちランフラット耐久性の値が示すように参考例1〜6のタイヤは従来例タイヤ及び比較例タイヤ対比で格段に優れたランフラット耐久性を発揮しているばかりでなく、距離/合計重量、すなわち(走行距離指数)/合計重量(kg重)の指数値も参考例1〜6のタイヤは従来例タイヤ及び比較例タイヤに比し顕著に優位にあることを実証している。
【0062】
なお、カーカス6が1プライのターンアッププライ6−1のみに、2プライのターンアッププライ6−1とダウンプライ6−2とに、それぞれスチールコードを適用したタイヤ1(前記と同じタイヤサイズ)の実施例タイヤについても、別途に、同種スチールコードプライを有する従来タイヤに対し、参考例1〜6のタイヤ1と同様に、ランフラット耐久性と、走行距離指数/合計重量(kg重)との顕著な向上が得られることを確かめている。よって、僅かなタイヤ重量増加なら許容できる用途には、カーカスプライにスチールコードを適用したこの発明のタイヤが適合する。
【0063】
【発明の効果】
この発明の請求項1又は2に記載した発明によれば、ビードフィラーゴムと補強ストリップゴムとのJIS硬さの値及び反ぱつ弾性の値を特定し、かつ両ゴムのJIS硬さの比の値の範囲を特定し、さらに補強ストリップゴム最大厚さとビードフィラーゴム最大厚さとの比の値の範囲を特定することにより、カーカスプライに有機繊維コードを適用するタイヤ相互間で、スチールコードを適用するタイヤ相互間で、それぞれ従来タイヤと同じ重量で従来タイヤより顕著に優れたランフラット耐久性を発揮する空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態例の空気入りタイヤの左半断面図である。
【図2】 カーカスプライの1本のゴム被覆スチールコードのX線撮影図である。
【図3】 図2に示すスチールコードのみのX線撮影図である。
【図4】 補強ストリップゴム硬さのビードフィラーゴム硬さに対する比の値とドラム走行距離との関係をあらわす線図である。
【図5】 図1に示すタイヤの故障箇所の説明図である。
【図6】 反ぱつ弾性とドラム走行距離及びビードフィラーゴム最高温度との関係をあらわす線図である。
【図7】 補強ストリップゴムの最大厚さに対するビードフィラーゴム最大厚さの比の値とドラム走行距離との関係をあらわす線図である。
【図8】 図7に示す線図のうちドラム走行距離を補強ストリップとビードフィラーゴムとの合計重量で除した値に置き換えた線図である。
【図9】 撓み率とランフラット耐久性との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ
2 ビード部
3 サイドウォール部
4 トレッド部
5 ビードコア
6 カーカス
6−1、6−2 カーカスプライ
7 ベルト
7−1、7−2 スチールコード層
7−3 ナイロンコード巻回層
8 補強ストリップゴム
9 ビードフィラーゴム
10 インナーライナゴム
E タイヤ赤道面
S タイヤ最大幅位置

Claims (3)

  1. 一対のビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり一対のサイドウォール部とトレッド部とを補強する1プライ以上のラジアル配列コードのゴム被覆になるカーカスと、カーカスの外周でトレッド部を強化する2層以上のコード交差層を有するベルトとを備え、ビードコアからトレッド部に向け延びるビードフィラーゴムを有し、ビード部のビードコア近傍位置からサイドウォール部を経てトレッド部の端部までにわたる最内側カーカスプライ内面側に対をなす、断面三日月形状の厚肉補強ストリップゴムを有する空気入りタイヤにおいて、
    上記ビードフィラーゴムと補強ストリップゴムとの双方は、25℃におけるJIS A硬さが70度以上であると共に25℃における反ぱつ弾性が65%以上であるゴム物性を有し、かつ、ビードフィラーゴムの上記JIS A硬さ(HS (F) )に対する補強ストリップゴムの上記JIS A硬さ(HS (R) )の比(HS (R) /HS (F) )の値が0.9〜1.15の範囲内にあり、
    前記カーカスの各プライのコードは1×n、または1+n構成のスチールコードよりなり、コードの、最外側素線から外にはみ出した部分を除くコード複合体面積に占める素線合計面積の割合(素線合計の面積占有率R)が0.45〜0.95の範囲内であり、かつ、前記1×n、または1+n構成におけるnは2〜7の範囲内の整数であり、コードの素線径は0.125〜0.275mmの範囲内であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤの最大幅位置近傍の最内側カーカスプライ内面に立てた法線方向に測った全補強ゴムストリップの最大厚さ(GR )に対する、ビードコア外周近傍の最内側カーカスプライの外面に立てた法線方向に測った全ビードフィラーゴムの最大厚さ(GF )の比(GF /GR )の値は0.5〜0.9の範囲内にある請求項1に記載した空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカスを、1プライのターンアッププライで構成し、折返し部の終端をトレッド部のベルト領域の位置に配置する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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