JPH0848118A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH0848118A
JPH0848118A JP18706494A JP18706494A JPH0848118A JP H0848118 A JPH0848118 A JP H0848118A JP 18706494 A JP18706494 A JP 18706494A JP 18706494 A JP18706494 A JP 18706494A JP H0848118 A JPH0848118 A JP H0848118A
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    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/06Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead
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    • B60C15/0607Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead characterised by features of the bead filler or apex comprising several parts, e.g. made of different rubbers
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操縦安定性の確保とロードノイズの低減を両
立したタイヤについて提案する。 【構成】 タイヤのビードコア上に据えたスティフナー
が、タイヤを規定リムに装着した状態においてリムのフ
ランジとビード部外壁部との離反点のタイヤ径方向内側
に配置した、断面略三角形状のスティフナー本体と、該
スティフナー本体から離反点のタイヤ径方向外側へカー
カス本体及びその折り返し部間にて延びる薄肉部とから
成り、ゴムチェファーが上記離反点のタイヤ径方向内側
の領域に最大厚み部を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空気入りラジアルタ
イヤ、中でも乗用車用空気入りラジアルタイヤに関し、
特にロードノイズの低減を有利に実現しようとするもの
である。
【0002】
【従来の技術】ロードノイズは、荒れた路面を走行する
際に車室内に発生する音であり、主にタイヤの振動特性
に影響を受けることから、このロードノイズの低減に
は、タイヤのクラウン部の剛性を高める一方で、サイド
ウォール部の剛性を低減する手法が有効であると考えら
れている。すなわち、クラウン部の剛性を高めて路面か
らの入力を低減するとともに、路面からの入力がタイヤ
のトレッドからサイドウォール部を介して車室内に伝達
するのを、サイドウォール部の剛性低下にて抑制し、ロ
ードノイズの低減をはかるのである。
【0003】ここで、クラウン部の剛性を高めるには、
ベルト幅を拡げることおよびベルトのコードをタイヤの
赤道面に近づけてコード角度を小さくすること、またサ
イドウォール部の剛性を低減するには、カーカスプライ
の枚数を2枚から1枚にすること、カーカスプライをビ
ードコアで折り返した折り返しプライ端のビードコアか
らの距離を小さくすること、カーカスプライとその折り
返しプライとの間に配置するスティフナーのタイヤ径方
向高さを低くすること、そしてスティフナーのゴム硬度
を下げること、などの手段がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、サイドウォ
ール部の剛性を低下すると、タイヤの軸方向の入力に対
する剛性すなわち横剛性、さらにタイヤの進行方向およ
びその逆方向の入力に対する剛性すなわち前後剛性が、
ともに低下するため、操縦安定性が損なわれるところに
問題があった。従って、この発明は、操縦安定性を犠牲
にすることなしにロードノイズを低減した、すなわち操
縦安定性の確保とロードノイズの低減を両立したタイヤ
について提案することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、1対のビー
ドコア間にわたりトロイド状をなして跨がるゴム被覆コ
ードのラジアル配列プライからなるカーカス本体と、該
カーカス本体から各ビードコア及びこのビードコア上に
据えたスティフナーのまわりにそれぞれタイヤの内側か
ら外側へ巻返してのびる上記プライの折返し部とを有す
るカーカスを骨格とし、さらにプライの折返し部の外側
をゴムチェファーで補強した、空気入りラジアルタイヤ
であって、スティフナーは、タイヤを規定リムに装着し
た状態においてリムのフランジとビード部外壁部との離
反点のタイヤ径方向内側に配置した、断面略三角形状の
スティフナー本体と、該スティフナー本体から離反点の
タイヤ径方向外側へカーカス本体及びその折り返し部間
にて延びる薄肉部とから成り、ゴムチェファーは上記離
反点のタイヤ径方向内側の領域に最大厚み部を有するこ
とを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
【0006】ここで、スティフナーの薄肉部は、離反点
と、タイヤ最大幅位置からリムベースラインに下ろした
垂線の長さの0.70〜0.95倍の距離をリムベースラインか
ら隔てた位置と、に挟まれた領域での厚みが、上記離反
点のタイヤ径方向内側に配置したスティフナーの最大厚
み部の0.11〜0.20倍であること、そしてゴムチェファー
の最大厚みは、スティフナーの最大厚みの0.85〜1.60倍
であることが、有利に適合する。
【0007】さて、図1に、この発明に従う空気入りラ
ジアルタイヤのサイドウォール部およびビード部につい
て示した。図中1は片側だけを図示したビードコア、2
は1枚のプライからなるカーカスで、タイヤの内壁に沿
ってビードコアに延びるカーカス本体3およびこのカー
カス本体3と一連なりをなすカーカスの折返し部4から
なる。また、5はビードコア1上に据えたスティフナ
ー、6は折返し部4の外側を補強するゴムチェファー、
7は規定リムおよび8はそのフランジである。
【0008】カーカス本体3は、有機繊維コードまたは
スチールコードのラジアル配列プライの1枚を、1対の
ビードコア1間にわたってトロイド状に跨がって配置
し、ビードコア1のまわりにタイヤの内側から外側へ巻
返して更にサイドウォール部へと延びる折返し部4を有
する。そして、折返し部4のタイヤ内側にはスティフナ
ー5を配置する一方、そのタイヤ外側にはゴムチェファ
ー6を配置して成る。
【0009】上記構成のタイヤは、カーカスを1枚のプ
ライで構成し、かつスティフナーのタイヤ径方向高さを
低くすることによって、サイドウォール部の剛性を低下
してロードノイズの低減を実現するが、さらにサイドウ
ォール部剛性の低下に伴う操縦安定性の悪化を、次に示
す構造によって回避するものである。
【0010】すなわち、タイヤを規定リム7に装着した
状態において、スティフナー5は、リムのフランジ8と
ビード部外壁部との離反点Pのタイヤ径方向内側に配置
した、断面略三角形状のスティフナー本体5aと、該ステ
ィフナー本体5aから離反点Pのタイヤ径方向外側へカー
カス本体3及びその折り返し部4間にて延びる薄肉部5b
とから成り、ゴムチェファー6は上記離反点Pのタイヤ
径方向内側の領域に最大厚み部を有することを特徴とす
る。
【0011】より具体的には、スティフナー5の薄肉部
5bは、タイヤ回転軸と平行なリムベースの接線、つまり
リムベースラインLから離反点Pまでの距離をh1 およ
びリムベースラインLを基準としタイヤ最大幅位置から
リムベースラインに下ろした垂線の長さHの0.70〜0.95
倍の距離をh2 としたとき、h1 〜h2 の領域に配置し
たスティフナー5の厚みt1 を該スティフナー5の最大
厚みDの0.11〜0.20倍に減厚すること、換言すると、h
1 〜h2 の領域に厚みt1 の帯状体を配置することが肝
要である。
【0012】さらに、スティフナー5は、ビードコア1
と接触する基底部において最大厚みDを示し、この基底
部からタイヤ径方向外側へh1 の位置まで徐々に減厚す
る断面略三角形状のスティフナー本体5aおよび、ここか
ら0.11〜0.20Dの厚みt1 にてh2 の位置まで延びる薄
肉部5bから成り、スティフナー5のスティフナー本体5a
の高さを低くしてサイドウォール部の剛性を低下する一
方、この剛性低下による操縦安定性の悪化を、h1 〜h
2 の領域で帯状体となる薄肉部5bを配置することによっ
て回避する。この図示例では、スティフナー5の薄肉部
5bの厚みは一様であるが、厚みが0.11〜0.20Dの範囲に
あれば必ずしも厚みを一様にする必要はなく、例えば漸
増または漸減することも可能である。
【0013】また、ゴムチェファー6はフランジ高さh
1 をこえない領域で最大厚みt2 を示す形状にし、かつ
この最大厚みt2 はスティフナーの最大厚みDの0.85〜
1.60倍にすることが肝要である。
【0014】なお、タイヤのクラウン部は、カーカス本
体3のタイヤ径方向外側に順に配置したベルト層および
トレッド部から構成されるが、これらはこの種タイヤの
一般に従うものである。例えば、ベルト層は、カーカス
本体3のクラウン部外周を取囲んで積層した、ゴム被覆
スチールコードの複数層からなり、トレッドゴム中に埋
設することによってトレッド部の補強に供される点にお
いて在来のこの種タイヤにおける慣例に従う。
【0015】
【作用】タイヤのサイドウォール部の剛性を低減する
と、ロードノイズが抑制される反面、タイヤの横剛性お
よび前後剛性の低下をまねいて操縦安定性が悪化するこ
とが問題となる。ここで、ロードノイズの抑制機構につ
いて詳細に調査したところ、ロードノイズの抑制には主
に横剛性の低下が寄与することが新たに判明した。従っ
て、横剛性のみを低下し前後剛性を確保することによっ
て、ロードノイズの抑制と操縦安定性の向上を両立する
ことが可能になるのである。
【0016】この横剛性の低下には、まずカーカスのプ
ライ枚数の減少が有効であり、さらにビード部の補強を
司るスティフナーおよびゴムチェファーの主体をリム組
み後のリムフランジ高さ以内の位置に配置することも有
効である。すなわち、リムフランジ部分に固定される領
域に、スティフナーやゴムチェファーの厚みのある主体
部分を配置しても横剛性の増加には繋がらないが、該領
域にスティフナーおよびゴムチェファーの主体部分を配
置してビードコアまわりの補強を強化すると、前後剛性
の増加が得られるため、極めて有意義である。
【0017】ここで、リムフランジ部分に固定される領
域に収めたゴムチェファーの最大厚み部の厚みをスティ
フナーの最大厚みDの0.85〜1.60倍にすることが有利で
あるのは、厚みが0.85D未満では前後剛性の増加と、ゴ
ムチェファーを厚くしてカーカスの折り返し部をタイヤ
の内側に移行させることによる、ロードノイズ低減効果
と、を期待できず、一方1.60Dをこえると、ビード部が
極端に大きくなり、リム組み時のリムベースに対するビ
ード部の密着性が阻害される。
【0018】さらに、フランジ高さをこえる領域におけ
るカーカス本体と折り返し部との間には、厚みを最大厚
みDの0.11〜0.20倍に減少したスティフナーの薄肉部を
2の位置まで延ばして形成することが、操縦安定性の
向上に極めて有効である。すなわち、ゴムチェファー及
びスティフナーの主体をフランジによる固定域内に収め
たことによる、特に前後剛性の低下を、スティフナーの
薄肉部をh2 の位置まで延ばすことによって、補うので
ある。なお、カーカス本体と折り返し部との間に配置す
るスティフナーの厚みが0.11D未満であると、十分な前
後剛性を確保することが難しく、一方0.20Dをこえる
と、横剛性が高くなってロードノイズの低減効果が期待
できない。
【0019】ここで、スティフナーの薄肉部の形成は、
タイヤの成形工程において所定の位置にゴムシートを張
りつけることにて行うが、材料のゴムシートを0.5 mm未
満に薄く押し出すことは難しいため、実質的にはスティ
フナーの薄肉部は0.5 mm以上の厚みを有することにな
る。なお、スティフナーの上端がh2 の位置をこえる
と、横剛性が増加して所期したロードノイズの低減が達
成できない。
【0020】
【実施例】図1、さらに図2および3に示した構造に従
う、タイヤサイズ 175/65R14の乗用車用空気入りラジ
アルタイヤを、表1に示す仕様の下に種々試作した。な
お、これらの供試タイヤを規定リムに組み込んだ状態に
おける、フランジ高さh1は、いずれも25mmである。い
ずれの供試タイヤにおいても、スチールコードよりなる
ラジアル配列構造の1枚のプライ(打込み数:51.7本/5
cm) とし、ベルト層は、スチールコードよりなるプライ
(打込み数:34本/5cm) を2層配置した交差層とした。
【0021】
【表1】
【0022】かくして得られたタイヤに2.0 kgf /cm2
の内圧を充填後、それぞれ実車に装着して、ロードノイ
ズおよび操縦安定性を評価するとともに、各タイヤにお
ける横剛性および前後剛性を測定した。すなわち、ロー
ドノイズは、ロードノイズの発生しやすい荒い路面を60
km/hで走行したときの車内の騒音レベルをそれぞれ測
定し、図2に示した構造のタイヤにおける騒音レベルを
基準とした差で示した。操縦安定性は、各種のテストコ
ースを各種の速度で走行したときのドライバーの官能評
価を行って、図2に示した構造のタイヤでの評価を3点
とする±評価にて結果を示した。また、横剛性および前
後剛性は、規定リムに装着後に規定内圧を充填した状態
において、リムにタイヤ軸方向または進行(前後)方向
の変位を与えたときの、その変位量と変位を与えるのに
要した単位変位量当たりの力を測定し、この測定結果に
ついて図2に示した構造のタイヤの測定値を100 とした
ときの指数で示した。これらの評価および測定結果を、
表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2に示したように、基準とした図2の構
造のタイヤと比較して、図3の構造のタイヤは横剛性の
低下によってロードノイズが減少したが、操縦安定性の
悪化がみられた。これに対して、図1の構造に従うタイ
ヤでは、操縦安定性およびロードノイズともに良い結果
が得られた。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、従来はロードノイズ
の減少と二律背反の関係にあった操縦安定性を損なうこ
となしに、ロードノイズの発生を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従うタイヤ構造を示す模式図であ
る。
【図2】従来のタイヤ構造を示す模式図である。
【図3】従来のタイヤ構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ビードコア 2 カーカス 3 カーカス本体 4 折返し部 5 スティフナー 5a 厚肉部 5b 薄肉部 6 ゴムチェーファー 7 規定リム 8 フランジ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対のビードコア間にわたりトロイド状
    をなして跨がるゴム被覆コードのラジアル配列プライか
    らなるカーカス本体と、該カーカス本体から各ビードコ
    ア及びこのビードコア上に据えたスティフナーのまわり
    にそれぞれタイヤの内側から外側へ巻返してのびる上記
    プライの折返し部とを有するカーカスを骨格とし、さら
    にプライの折返し部の外側をゴムチェファーで補強し
    た、空気入りラジアルタイヤであって、 スティフナーは、タイヤを規定リムに装着した状態にお
    いてリムのフランジとビード部外壁部との離反点のタイ
    ヤ径方向内側に配置した、断面略三角形状のスティフナ
    ー本体と、該スティフナー本体から離反点のタイヤ径方
    向外側へカーカス本体及びその折り返し部間にて延びる
    薄肉部とから成り、ゴムチェファーは上記離反点のタイ
    ヤ径方向内側の領域に最大厚み部を有することを特徴と
    する乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 スティフナーの薄肉部は、離反点と、タ
    イヤ最大幅位置からリムベースラインに下ろした垂線の
    長さの0.70〜0.95倍の距離をリムベースラインから隔て
    た位置と、に挟まれた領域での厚みが、上記離反点のタ
    イヤ径方向内側に配置したスティフナーの最大厚み部の
    0.11〜0.20倍である、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 【請求項3】 ゴムチェファーの最大厚みは、スティフ
    ナーの最大厚みの0.85〜1.60倍である、請求項1に記載
    のタイヤ。
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