JP4315647B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビード部の耐久性を向上しうる重荷重車用に好適な空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
トラック、バス等の重荷重車両に使用される重荷重用の空気入りタイヤは、高内圧かつ高荷重といった過酷な状況で使用される。このため、耐久性の向上、とりわけ損傷が発生しやすいビード部の耐久性の向上が重要な課題となっている。
【0003】
例えば特許第2816143号公報では、カーカスパスライン上のリム径ラインから測ったプライ巻上げ端の高さに相当する位置の近傍に、カーカス内面側に配置した凸レンズ状断面形状のウエッジゴムを設けることによりビード部の耐久性を高めることが提案されている。この提案では、前記ウエッジゴムを介在させることにより、プライ巻き上げ端の近傍のゴムに圧縮応力を生じさせ巻上げ部の外端での引張歪を低減することを試みている。
【0004】
また特開2001−80316号公報では、カーカスプライの折返し部をビードコアのタイヤ半径方向の外面に沿ってさらに折り返すことを提案している。そして、この提案では、カーカスプライの折返し部の末端への圧縮、引張の入力を減じ、該末端での損傷を防ぐことを期待している。
【0005】
発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ビード部の耐久性を向上させる一つの手段として、タイヤ外表面とタイヤ内部とに発生する歪を小さくすることが有効であることを突き止めた。そして、このためには、50kPaの内圧充填時におけるカーカスプライのビード部とバットレス部との各位置での曲率半径を実質的に同一とすることが効果的であることを突き止め、本発明を完成させるに至った。
【0006】
以上のように本発明は、ビード部の耐久性を向上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【0007】
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部に前記ビードコアの回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部を一体に設けたカーカスと、
このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層と、
前記本体部と折返し部との間で、前記ビードコアからタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスとを具えた空気入りタイヤであって、
正規リムにリム組みしかつ50kPaを充填した無負荷の仮組み状態において、
ビードベースラインBLから前記カーカスのタイヤ半径方向の最外側位置までのカーカス高さHcの0.8倍の距離を前記ビードベースラインから隔てる0.8倍高さ位置での前記カーカスプライの本体部の曲率半径R1と、
カーカス高さHcの0.25倍の距離を前記ビードベースラインから隔てる0.25倍高さ位置を中心として、インナーライナーゴムの厚さを増し、又はインナーライナーとは別のゴムストリップfなどを追加して加硫ブラダーと当たらせることによって形成する、前記0.25倍の距離での前記カーカスプライの本体部の曲率半径R2とは、前記曲率半径R1,R2は、タイヤ内側にそれぞれ中心を有し、かつ前記曲率半径の比(R1/R2)が0.75〜1.25であり、
しかも前記ビードエーペックスはタイヤ軸方向の内側面8iが、前記本体部6aに沿いタイヤ軸方向内側に中心を有する円弧状で形成されるとともに、タイヤ軸方向の外側面8oはタイヤ軸方向外側に中心を有する円弧状で形成し、
かつ前記折返し部は、前記本体部との間のカーカスコード間距離が最も小さくなる近接部を該折返し部の外端よりもタイヤ半径方向内側に有するるとともに、この近接部から該折返し部の外端まで前記カーカスコード間距離が漸増することを特徴としている。
【0008】
又請求項2記載の発明は、前記折返し部はビードエーペックスの外端をタイヤ半径方向外側に超えてのびかつビードべースラインBLからの高さh1がカーカス高さHcの0.35〜0.45倍、
ビードエーペックスのビードベースラインBLからの高さhaは、カーカス高さHcの0.13〜0.17倍としたことを特徴とする。
【0009】
また請求項3記載の発明は、前記ビード部は、前記折返し部に沿って該折返し部のタイヤ軸方向外側をのびるコード補強層が配されるとともに、該コード補強層のタイヤ半径方向の外端は、前記折返し部の外端よりも4mm以上タイヤ半径方向内側に位置することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1、図2には、空気入りタイヤとして、トラック、バスなどに使用されるチューブレス式の重荷重用ラジアルタイヤ1(以下、単に「タイヤ1」ということがある)の断面図を示している。また図1は、タイヤ1を正規リムJ(15°テーパ深底リム)に装着しかつ50kPaを充填した無負荷の仮組み状態、図2は、タイヤ1を正規リムJに装着しかつ正規内圧を充填した無負荷の正規内圧状態を夫々示している。
【0011】
本明細書において前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim" とする。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
【0012】
図において、タイヤ1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウオール部3の内方端に位置するとともに前記正規リムJに着座するビード部4とを具える。またタイヤ1は、トレッド部2からサイドウオール部3をへてビード部4のビードコア5に至る本体部6aに、前記ビードコア5でタイヤ軸方向内側から外側に折り返す折返し部6bを一体に設けた1枚以上のカーカスプライ6Aからなるカーカス6を具える。
【0013】
前記カーカスプライ6Aは、図2のA−A’断面である図3に示す如く、カーカスコード6cを配列したコード配列体をトッピングゴム6gにて被覆したプライからなる。前記カーカスコード6cは、タイヤ赤道Cに対して例えば70〜90°、より好適には80〜90゜の角度範囲で傾けて配されている。カーカスコード6cとしては、本例では、スチールコードが採用されるが、必要に応じてまたタイヤのカテゴリに応じてナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードをも使用できる。なお本実施形態のカーカス6は、スチールコードをタイヤ赤道Cに対して略90°の角度で傾けた1枚のカーカスプライ6Aから形成されたものを示す。
【0014】
前記カーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内方には、ベルト層7が配される。ベルト層7は、本例ではスチールコードをタイヤ赤道Cに対して、例えば55±10°程度の角度で傾けた最も内のベルトプライ7Aと、タイヤ赤道Cに対してスチールコードを30°以下の小角度で傾けて並べたベルトプライ7B、7C、7Dとを、例えば前記ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けて重ね合わせた4層構造を例示している。なお、ベルト層7には、必要に応じてレーヨン、ナイロン、芳香族ポリアミド、ナイロンなど他のコード材料を用いることができる。
【0015】
また前記ビード部4には、前記本体部6aと折返し部6bとの間に、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックス8が配置されている。ビードエーペックス8は、図4に拡大して示すように、タイヤ軸方向の内側面8iが、前記本体部6aに沿いタイヤ軸方向内側に中心を有する円弧状で形成されるとともに、タイヤ軸方向の外側面8oはタイヤ軸方向外側に中心を有する円弧状で形成し、断面略滴状に形成されている。該ビードエーペックス8は、ビード部4の曲げ剛性を十分に確保しうるよう、例えばJISA硬度が60〜99°、より好ましくは70〜95゜のゴムにて形成するのが望ましい。
【0016】
また正規内圧状態において、ビードエーペックス8のビードベースラインBLからの高さhaは、例えばカーカス高さHcの0.07〜0.35倍、より好ましくは0.07〜0.20倍、さらに好ましくは0.13〜0.17倍とするのが望ましい。前記カーカス高さHcは、ビードベースラインBLからカーカス6のタイヤ半径方向の最外側位置までの高さである。前記高さhaがカーカス高さHc0.07倍未満になると、タイヤの製造が困難となる傾向があり、逆に0.35倍を超えると、ビード耐久性の向上効果が薄れるとともにタイヤ重量を不必要に増加させる。
【0017】
また図4に示すように、カーカスプライ6Aの前記折返し部6bは、前記ビードエーペックス8の外端8tをタイヤ半径方向外側に超えてのびる。また折返し部6bの外端6tは、本例ではタイヤ最大巾位置をなす最大巾点M(図1に示す)より半径方向内方とし、荷重負荷時の歪量が比較的小さい高さh1としたものを示す。ビードベースラインBLからの前記高さh1は、カーカス高さHcの0.25〜0.50倍、より好ましくは0.35〜0.45倍程度の高さに設定される。前記高さh1がカーカス高さHcの0.25倍未満であると、本体部6aと折返し部6bとの間に発生するせん断応力を十分に減じることができず、ビード耐久性の低下を招く傾向があり、逆に0.50倍を超えると、ビード部4の曲げ剛性を過度に高め乗り心地の悪化を招きやすくなる。
【0018】
またタイヤ1は、図1に示した前記仮組み状態において、ビードベースラインBLから前記カーカス6のタイヤ半径方向の最外側位置までのカーカス高さHcの0.8倍の距離を前記ビードベースラインBLからタイヤ半径方向外側に隔てる0.8倍高さ位置P1でのカーカスプライの本体部6aの曲率半径R1と、カーカス高さHcの0.25倍の距離をビードベースラインBLからタイヤ半径方向外側に隔てる0.25倍高さ位置P2でのカーカスプライの本体部6aの曲率半径R2とは、タイヤ内側にそれぞれ中心O1、O2を有し、かつ前記曲率半径の比(R1/R2)が0.75〜1.25に設定される。なお前記各曲率半径R1、R2は、カーカスプライ6Aの本体部6aの厚さの中心線で特定する。
【0019】
空気入りタイヤ1は、正規内圧の充填によりカーカスプライ6Aの本体部6aが最も安定する曲率に変化する。具体的には、正規内圧の充填により、前記0.8倍高さ位置P1から0.25倍高さ位置P2の区間の本体部6aは、ほぼ一定の曲率に近づくよう変化する。このとき、タイヤ外側では表面歪が生じるとともに、タイヤの内部では、カーカスプライ6Aの折返し部6bを本体部6a側に引っ張ろうとする引き抜き力が生じかつこの力に基づく内部歪が生じる。
【0020】
しかし、仮組み状態において、0.8倍高さ位置P1と0.25倍高さ位置P2との各曲率半径R1、R2がタイヤ内側にそれぞれ中心O1、O2を有し、かつ曲率半径の比(R1/R2)を0.75〜1.25に予め設定することにより、内圧の充填に伴うカーカスプライ6Aの曲率変化の挙動を最小限に抑えることができる。これにより、タイヤ外表面の歪を小とするとともに、前記引き抜き力の減少に伴ってビード部4の内部の歪も低減でき、ひいてはビード部の耐久性を向上しうる。特に好ましくは前記曲率半径の比(R1/R2)を0.9〜1.1とするのが望ましい。
【0021】
前記仮組み状態は、カーカスコード6cに内圧による張力を極力作用させずにタイヤ形状を一義的に定める必要がある。このために、50kPaの内圧を充填することとしている。もし内圧が50kPa未満では、同一のタイヤであっても形状が一義的に定まらず、逆に50kPaを超えると、カーカスコード6cに内圧による張力が作用し形状変化をもたらし易いためである。
【0022】
このような膨張変化をなすタイヤ1は、例えば図6(A)に示すように、前記0.25倍高さ位置を中心として、インナーライナーゴムiの厚さを増すこと、さらには図6(B)に示すように、インナーライナーiとは別のゴムストリップfなどを追加することによって、本体部6aを従来に比して大きく湾曲させ、加硫成形中のブラダー(加硫ブラダーという)の当たり位置を従来と異ならせることにより製造できる。
【0023】
また本実施形態のタイヤ1は、図1に示す仮組み状態において、カーカスプライ6Aの本体部6aは、ベルト層7の外端7eから前記ビードコア5に至る区間のプロファイルが、いずれもタイヤ内方に中心を有する単一ないし複数の円弧により形成されたものを例示している。このようなプロファイルは、内圧充填により本体部6aの曲率が反転することがなく、正規内圧充填時のカーカスコード張力を均一化させる。これにより、サイドウォール部3、ビード部4にかけてタイヤの内部歪、表面歪をさらに小さくかつ均一化することができ、ビード部の耐久性をより一層向上するのに役立つ。
【0024】
また折返し部6bは、ビードエーペックス8の外側面8oに沿ってタイヤ半径方向外側にのび、かつ該ビードエーペックス8の外端8tの近傍で該折返し部6bと前記本体部6aのカーカスコード6c間の距離であるコード間距離t(図3の如く測定する)が最小値tmin となる近接部10を有している。即ち、折返し部6bは、前記本体部6aとの間のカーカスコード間距離tが最も小さくなる(前記距離tがtmin となる)近接部10を該折返し部6bの外端6tよりもタイヤ半径方向内側に有する。前記コード間距離(tmin )は、例えば前記カーカスコード6cの直径Dの0.15〜4.5倍、より好ましくは1.3〜3.5倍とするのが好ましい。
【0025】
このように、折返し部6bの外端6tよりも内側に前記コード間距離tを最小とする近接部を設けたことにより、折返し部6bがタイヤ変形時の応力のニュートラルラインに近づき、該折返し部6bと本体部6aとの間のせん断応力が減少してコード破壊といった損傷を効果的に抑制しうる。なお前記コード間距離tmin が、カーカスコード6cの直径Dの0.15倍を下回ると、前記せん断応力の緩和効果が不十分となり、また時にカーカスコード6Cが部分的に接触するおそれがあり、コードルースなどの原因にもなりかねない。逆に4.5倍を超えると、折返し部6bに圧縮による破断損傷を招き易いだけでなく、ビード部4の厚さを不必要に増大させるなど発熱性の点からも好ましくない。このような近接部10は、例えば局部的であってもよいが、前記コード間距離tが最小値tmin をなしつつ連続することにより、前記本体部6aと折返し部6bのカーカスコードが実質的に平行にのびる平行領域Gを形成することも好ましい。
【0026】
前記のような近接部Xが連続する平行領域Gを形成すると、この部分に働くせん断力に基づく発熱を効果的に分散でき、ビードエーペックス8の外端8tの近傍にて生じるセパレーションなどの抑制効果がより一層向上するため、ビード部の耐久性をさらに向上させうる。
【0027】
また本実施形態では、図4に拡大して示す如く、この近接部10のタイヤ半径方向の外側に(本例では平行領域Gに続けて)、カーカスプライの本体部6aと前記折返し部6bとのコード間距離tが前記折返し部6bの外端6tまで漸増する漸増領域Yを形成している。このような漸増領域Yは、折返し部6bの外端6tの位置において本体部6aとの間のプライ間ゴムの厚さtを前記近接部10に相対して増大(本例では最大値tmax に増大)でき、該折返し部6bの外端6tでのセパレーションを長期に亘って抑制しうる。他方、本体部6aと折返し部6bとのプライ間ゴムの厚さは、ビードエーペックス8の外端に向けては逆に漸減することとなるため、ビードエーペックス8の外端8tの近傍位置でのプライ間ゴム厚さを相対的に小にでき、この部分においてもセパレーションの起点の発生などを防止しうる。
【0028】
図5には、本発明の他の実施形態を示す。
本実施形態では、前記ビード部4のカーカスプライ6Aの外側に1層のコード補強層13が配されたものを示す。このコード補強層13は、前記折返し部6bのタイヤ軸方向外側に沿ってタイヤ半径方向外側にのびる外側部14と、この外側部14のタイヤ半径方向の内端側に連なりかつ前記ビードコア5のタイヤ半径方向内側をのびる巻き込み部15とを含む。
【0029】
コード補強層13は、例えば本例の重荷重用タイヤの場合、スチールコードが好ましいが、これ以外にも芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドなどの有機繊維コードをも適宜採用することが可能である。そして、コード補強層13は、前記コードを、例えばタイヤ周方向に対して30〜90゜の角度で傾けて配列するのが補強効果が高く好ましい。本実施形態では、このコード補強層13の前記外側部14のタイヤ半径方向の外端14tは、前記折返し部6bの外端よりも4mm以上、より好ましくは6〜14mmの距離Tを隔ててタイヤ半径方向内側に位置するものを示す。これにより、折返し部6bの外端6tと、コード補強層13の前記外端14tとが近接して各端部でセパレーションなどが生じるのを抑制しうる。
【0030】
一方、コード補強層13の巻き込み部15の端部15tは、この例のように、ビードコア5の内方で終端するものでも良く、また図5に仮想線で示すように、巻き込み部15の端部15tが、カーカスプライ6Aの本体部6aのタイヤ軸方向内側に沿ってタイヤ半径方向外方にのびるものでも良い。
【0031】
以上詳述したが、本発明では、タイヤのカテゴリーも上記の例に限定されることなく、乗用車用、小型トラック用、二輪車用など種々のカテゴリのタイヤに採用しうる。
【0032】
【実施例】
タイヤサイズが11R22.5(14PR)の重荷重用ラジアルタイヤを試作し、耐久性をテストした。テスト内容は次の通りである。
【0033】
(1)ビード耐久性
供試タイヤをリムサイズ8.25×22.5のリムに組み、内圧を1000kPa充填し、ドラム試験機上を速度20km/H、荷重88.3kNの条件で走行させ、タイヤが破損するまでの走行距離を測定した。結果は、比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
【0034】
(2)ロードテスト
タイヤをトラックの前輪に装着して通常走行させるとともに、ビード部の外面にオゾンクラックが発生した時の走行距離を測定した。結果は比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
【0035】
タイヤの共通仕様などは次の通りである。
<カーカス>
・プライ数:1
・コード :スチール(3/0.20mm+7/0.23mm)
・コード角度:90゜(対タイヤ赤道)
<ベルト層>
・プライ数:4
・コード :スチール(1×5×0.38mm)
・コード打ち込み本数:26本/5cm
・コード角度:+50゜、+18゜、−18゜、−18゜(対タイヤ赤道)
【0036】
またたビード補強層を有するものについては、下記プライを使用した。
<ビード補強層>
・プライ数:1
・コード :スチール(3/0.20mm+7/0.23mm)
・コード角度:25゜(対タイヤ赤道)
テストの結果などを表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
テストの結果、実施例のものは、ビード部の耐久性を向上していることが確認できた。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の空気入りタイヤは、仮組み状態において、カーカス高さHcの0.8倍高さ位置でのカーカスプライの曲率半径R1と、カーカス高さHcの0.25倍高さ位置でのカーカスプライの曲率半径R2とは、タイヤ内側にそれぞれ中心を有し、かつ前記曲率半径の比(R1/R2)を0.75〜1.25と実質的に同一としたことにより、正規内圧充填時においてカーカスプライの曲率変化を最小限とし、タイヤ外表面とタイヤ内部とに発生する歪を小さくする。これにより、ビード部の耐久性を向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す仮組み状態のタイヤ子午線断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す正規内圧状態のタイヤ子午線断面図である。
【図3】図1のA−A’断面図である。
【図4】図1のビード部を拡大して示す拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す正規内圧状態のビード部の断面図である。
【図6】(A)、(B)は、ビード部の部分断面図である。
【図7】比較例タイヤのビード部の拡大断面図である。
【図8】比較例タイヤのビード部の拡大断面図である。
【図9】比較例タイヤのビード部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a カーカスプライの本体部
6b カーカスプライの折返し部
7 ベルト層
Hc カーカス高さ
P1 0.8倍高さ位置
P2 0.25倍高さ位置
R1 仮組み状態における0.8倍高さ位置でのカーカスプライの曲率半径
R2 仮組み状態における0.25倍高さ位置でのカーカスプライの曲率半径
Claims (3)
- トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部に前記ビードコアの回りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部を一体に設けたカーカスと、
このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層と、
前記本体部と折返し部との間で、前記ビードコアからタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペックスとを具えた空気入りタイヤであって、
正規リムにリム組みしかつ50kPaを充填した無負荷の仮組み状態において、
ビードベースラインBLから前記カーカスのタイヤ半径方向の最外側位置までのカーカス高さHcの0.8倍の距離を前記ビードベースラインから隔てる0.8倍高さ位置での前記カーカスプライの本体部の曲率半径R1と、
カーカス高さHcの0.25倍の距離を前記ビードベースラインから隔てる0.25倍高さ位置を中心として、インナーライナーゴムの厚さを増し、又はインナーライナーとは別のゴムストリップfなどを追加して加硫ブラダーと当たらせることによって形成する、前記0.25倍の距離での前記カーカスプライの本体部の曲率半径R2とは、前記曲率半径R1,R2は、タイヤ内側にそれぞれ中心を有し、かつ前記曲率半径の比(R1/R2)が0.75〜1.25であり、
しかも前記ビードエーペックスはタイヤ軸方向の内側面8iが、前記本体部6aに沿いタイヤ軸方向内側に中心を有する円弧状で形成されるとともに、タイヤ軸方向の外側面8oはタイヤ軸方向外側に中心を有する円弧状で形成し、
かつ前記折返し部は、前記本体部との間のカーカスコード間距離が最も小さくなる近接部を該折返し部の外端よりもタイヤ半径方向内側に有するるとともに、この近接部から該折返し部の外端まで前記カーカスコード間距離が漸増することを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記折返し部はビードエーペックスの外端をタイヤ半径方向外側に超えてのびかつビードべースラインBLからの高さh1がカーカス高さHcの0.35〜0.45倍、
ビードエーペックスのビードベースラインBLからの高さhaは、カーカス高さHcの0.13〜0.17倍としたことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 前記ビード部は、前記折返し部に沿って該折返し部のタイヤ軸方向外側をのびるコード補強層が配されるとともに、
該コード補強層のタイヤ半径方向の外端は、前記折返し部の外端よりも4mm以上タイヤ半径方向内側に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
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