JPH11293048A - 成形用ポリオレフイン系樹脂組成物 - Google Patents

成形用ポリオレフイン系樹脂組成物

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JPH11293048A
JPH11293048A JP11786898A JP11786898A JPH11293048A JP H11293048 A JPH11293048 A JP H11293048A JP 11786898 A JP11786898 A JP 11786898A JP 11786898 A JP11786898 A JP 11786898A JP H11293048 A JPH11293048 A JP H11293048A
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JP
Japan
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molding
sheet
pressure
polypropylene resin
resin composition
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Application number
JP11786898A
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English (en)
Inventor
Masahiro Nakamura
雅弘 中村
Kanji Yuyama
完二 湯山
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Zeon Kasei Co Ltd
Original Assignee
Zeon Kasei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絞り比の値が1より大きいトレイ状容器等を
成形する際に、寸法安定性とともにシートの厚さにむら
が無く、安定したシート成形性を有するポリプロピレン
系樹脂組成物及び該ポリプロピレン樹脂組成物を成形し
てなる成形品を提供すること。 【解決手段】 エチレン含有量15重量%のエチレン−
プロピレンブロック共重合体等のポリプロピレン系樹脂
45重量%と低圧法ポリエチレン55重量%とからなる
樹脂混合物100重量部に対して、高圧法ポリエチレン
10重量部を配合し、予め、タンブラーミキサーにて混
合し、続いて二軸押出機にて200〜230℃の温度で
溶融混合し、その後、単軸押出機から押し出して調製し
たポリプロピレン系樹脂組成物。さらに、このシートを
加熱して、金型を用いて真空成形法により成形した成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形用ポリオレフ
ィン系樹脂組成物及びそれを成形してなる成形品に関
し、より詳しくは、例えば、開口部の最小寸法値よりも
高さの値が大きい容器を成形する際にも、良好なシート
成形性を有するポリオレフィン系樹脂組成物及びそれを
成形してなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンやポリエチレン等のポリ
オレフィン系樹脂は、安価で加工性が良好なことから、
真空成形、圧空成形またはこれらを併用した真空圧空成
形法等によるシート成形で広く使用される。なかでも、
いわゆる絞り比の値が1より大きいトレイ状容器等を成
形するには、寸法安定性とともにシートの厚さにむらが
無いことが要求される。ここで絞り比とは、トレイ状容
器の高さの値(H)を開口部の最小寸法値(D)で除し
た値(H/D)である。
【0003】ところが、従来から使用されているポリプ
ロピレンは、成形後の収縮率が小さく、また、耐熱性に
優れるものの、絞り比の大きい容器等を成形する場合に
は、厚みの薄い部分ができやすいという問題点がある。
【0004】また、中圧法又は低圧法の重合法により製
造される高密度ポリエチレン等は、絞り比が大きい成形
品を製造するには適しているものの、成形後の収縮率が
大きいために寸法安定性が不良であり、また、成形品の
厚みも不均一となりやすく、さらに、耐熱性が劣るとい
う問題点がある。
【0005】このような、ポリオレフイン系樹脂を用い
た場合のシート成形性を改良すべくいくつかの方法が提
案されている。たとえば、特開昭59−157136号
公報には、ポリプロピレン系樹脂と高密度ポリエチレン
との混合物にタルクを配合して調製した組成物から得ら
れる成形シートは、耐熱性等が改善されるとされてい
る。
【0006】しかし、このように調製した成形シートで
あっても、絞り比が1よりも大きい値の条件で、容器等
の成形品を成形する場合には、厚みが薄い部分が発生し
やすく、また、タルクを多量に配合すると、成形性がか
えって低下するという問題がある。
【0007】また、特開昭64−90249号公報に
は、エチレン含有量が5重量%程度のプロピレン−エチ
レンブロツク共重合体、高密度ポリエチレン及びポリス
チレン混合物にスチレン−ブタジエンブロツク共重合体
を15重量%程度配合した組成物が、良好なシート成形
性を有するとされている。
【0008】しかし、このように調製された組成物は、
もともと相溶性が低い成分を混合してあるために、相分
離を起こしやすいという問題がある。
【0009】さらに、ポリプロピレンとエチレン−プロ
ピレン−ジエン3元共重合ゴムなどを混合する方法も検
討されているが、耐熱性等の観点から好ましくない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、絞り
比の値が1より大きいトレイ状容器等を成形する際に、
寸法安定性とともにシートの厚さにむらが無く、安定し
たシート成形性を有するポリプロピレン系樹脂組成物を
提供することである。また、本発明は、上記ポリプロピ
レン樹脂組成物を成形してなる成形シートを提供するこ
とである。
【0011】そこで本発明者らは鋭意研究の結果、ポリ
プロピレン樹脂と高密度ポリチレンとの1対1の混合物
100重量部に対して、高圧法の重合法により製造され
る低密度ポリエチレンを10重量部配合した組成物が、
絞り比が1よりも大きい条件下で、容器等を成形する場
合に、良好なシート成形性を示すことを見出し、この知
見に基づき本発明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明によれ
ば、以下の(1)及び(2)が提供される。 (1) (A)ポリプロピレン系樹脂90〜10重量%
と中圧法又は低圧法ポリエチレン10〜90重量%から
なる樹脂混合物100重量部に対し、(B)高圧法ポリ
エチレン5〜50重量部を配合してなる成形用ポリオレ
フィン系樹脂組成物。 (2) (1)の成形用ポリオレフィン系樹脂組成物を
成形してなる成形品。
【0013】なお、本発明の具体的な実施態様は以下の
とおりである。 1. (A)ポリプロピレン系樹脂と中圧法又は低圧法
ポリエチレンからなる樹脂混合物中のポリプロピレン系
樹脂、中圧法又は低圧法ポリエチレンが、230℃にお
ける溶融張力が5〜20gのものである。 2. ポリプロピレン系樹脂が、メルトフローインデッ
クス(JIS K 7210)が0.01〜5g/10
分のものである。 3. 中圧法又は低圧法ポリエチレンが、メルトフロー
インデックスが0.01〜1g/10分、比重0.92
5〜0.97のものであり、高圧法ポリエチレンが、メ
ルトフローインデックスが0.01〜1g/10分、比
重0.915〜0.925のものである。 4. 中圧法又は低圧法ポリエチレンが、230℃にお
ける溶融張力が5〜20gのものであり、高圧法ポリエ
チレンが、230℃における溶融張力が10〜30gの
ものである。 5. 成形用ポリオレフィン系樹脂組成物100重量部
に対し、さらに無機充填材10〜70重量部配合してな
る樹脂組成物である。 6.無機充填材が、粒径が1〜50μmのタルク及び炭
酸カルシウムまたはこれらの混合物である。 7.成形用ポリオレフィン系樹脂組成物を成形してなる
成形品が、絞り比1.25〜1.75のものである。 8.成形品が、温度180〜280℃の条件で、厚さ
0.2〜2mmのシート状に押し出した後、170〜2
00℃で加熱して成形してなるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。A.樹脂混合物 (ポリプロピレン系樹脂)本発明で使用するポリプロピ
レン系樹脂は、プロピレン又はプロピレンと炭素数2〜
12の他のα−オレフインとを、通常、チーグラー・ナ
ッタ系触媒等の重合触媒を用いて重合することにより製
造される重合体または共重合体である。
【0015】プロピレンと炭素数2〜12の他のα−オ
レフインと共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合
体及びブロック共重合体を含むものである。
【0016】プロピレンと共重合する炭素数2〜12の
他のα−オレフインの含有量は、通常、5〜20重量
%、好ましくは、7〜15重量%である。
【0017】かかる他のα−オレフインとしては、例え
ば、エチレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−
1、オクテン−1等が挙げられる。なかでも、エチレン
が好ましい。
【0018】ポリプロピレン系樹脂は、とくに限定され
ないが、通常、融点が160〜180℃、メルトフロー
インデックス(JIS K 7210)が、0.01〜
5g/10分、好ましくは0.2〜3g/10分、比重
は0.90〜0.92のものが、好適に使用される。
【0019】具体的には、プロピレン単独重合体、エチ
レン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピ
レンランダム共重合体、エチレン−プロピレン交互共重
合体、α−オレフィン−プロピレン共重合体、α−オレ
フィン−プロピレンランダム共重合体、α−オレフィン
−プロピレン交互共重合体などが挙げられる。これら
は、単独または2種以上混合したものが用いられる。
【0020】(中圧法又は低圧法ポリエチレン)本発明
で使用する中圧法又は低圧法ポリエチレンは、通常、比
重が0.925〜0.970であり、一般的に高密度ポ
リエチレンと称されるエチレンの重合体である。中圧法
ポリエチレンは、通常、エチレンを、シリカーアルミナ
を担体とした六価の酸化クロムを触媒として、温度が1
00〜150℃、圧力が30〜40気圧の条件で重合を
おこなう中圧法・フイリツプス法により製造される重合
体である。
【0021】中圧法ポリエチレンは、とくに限定されな
いが、通常、メルトフローインデックスが0.01〜
1.0g/10分、比重が0.940〜0.970の範
囲にあるものが用いられる。
【0022】また、低圧法ポリエチレンは、通常、エチ
レンを、チーグラー・ナッタ触媒を用いて、重合温度が
60〜80℃、圧力が0〜7気圧の条件で重合を行う低
圧法・チーグラー法により製造される重合体である。
【0023】低圧法ポリエチレンは、とくに限定されな
いが、通常、メルトフローインデックスが0.01〜
1.0g/10分、比重が0.925〜0.940の範
囲にあるものが用いられる。
【0024】なお、本発明で使用する中圧法又は低圧法
ポリエチレンには、直鎖状低密度ポリエチレン(L−L
DPE)を使用することもできる。L−LDPEには、
飽和炭化水素を溶媒として、高活性触媒を用いてエチレ
ンとα−オレフインとを溶液重合して製造されるもの
(三井石油化学法、Du Pont法、 Dow法)、
及び、クロム系触媒又はクロム系触媒とチーグラー触媒
の混合物を用いて、エチレンとαーオレフインとを気相
流動相型重合法により製造されるもの(UCC法)が挙
げられる。L−LDPEは、通常、比重0.925〜
0.94のものが用いられる。
【0025】本発明で使用するポリプロピレン系樹脂及
び中圧法又は低圧法ポリエチレンは、230℃における
溶融張力が5〜20g、好ましくは7〜15gであるこ
とを要する。ここで溶融張力(メルトテンションまたは
メルトストレングスともいう)は、次の方法によって求
めるものである。すなわち、JIS K7199に規定
されたキャピラリーレオメーターのバレル内で230℃
にて溶融状態となった樹脂を、内径2.095mm、長
さ8mmのキャピラリーから一定速度で押出し、押出さ
れた樹脂をフィラメント状に引き取る際の荷重をテンシ
ョンセルで測定する。引き取りは1〜10m/分の速度
で行い、単位は当技術分野の慣行に従いその荷重で表示
する。この溶融張力が過度に小さいと、絞り比が1以上
の成形品を成形する場合は、局部的に厚みの薄い部分や
穴開きが発生しやすいので好ましくない。また、過度に
大きいと、ダイスを備え付けた押出機でシートを作成す
るときにシートの厚みが変動しやすくなり、安定したシ
ートの作成が困難となるので好ましくない。
【0026】(ポリプロピレン系樹脂と中圧法又は低圧
法ポリエチレンの混合比率)本発明で使用する(A)樹
脂混合物におけるポリプロピレン系樹脂と中圧法又は低
圧法ポリエチレンの混合比率は、ポリプロピレン系樹脂
10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、中圧
法又は低圧法ポリエチレン90〜10重量%、好ましく
は80〜20重量%である。ポリプロピレン系樹脂が過
度に少ないときは、成形品の表面にソリ、フクレ、肌荒
れ等が多く発生し、さらに耐熱変形性も低下するので好
ましくない。また、過度に多い場合は、絞り比が1より
大きい場合の成形品を得ようとするとに、局部的に厚み
の薄い部分や穴開きが発生しやすいので好ましくない。
【0027】B.高圧法ポリエチレン 本発明で使用する高圧法ポリエチレンは、例えば、温度
200℃、圧力1000気圧の条件で行われるICI法
・塊状重合法により製造される重合体であり、一般的に
低密度ポリエチレンと称されるものである。
【0028】高圧法ポリエチレンは、とくに限定されな
いが、通常、メルトフローインデックスが0.01〜
1.0g/10分、比重が0.915〜0.925の範
囲にあるものが用いられる。
【0029】成形用ポリオレフイン系樹脂組成物 本発明の成形用ポリオレフイン系樹脂組成物は、前記の
(A)ポリプロピレン系樹脂と中圧法又は低圧法ポリエ
チレンからなる樹脂混合物100重量部に対して、
(B)高圧法ポリエチレン5〜50重量部、好ましくは
10〜40重量部配合してなるものである。高圧法ポリ
エチレンが過度に少ないと、成形品の厚みに均一性を持
たせることが充分にできない。また、過度に多いと、成
形品の剛性が著しく低下して、実用に耐え得る剛性、耐
熱変形性等が得られない。
【0030】(無機充填材)本発明の成形用ポリオレフ
イン系樹脂組成物には、必要に応じて、さらに無機充填
材を配合することができる。無機充填材としては、シリ
カ、タルク、クレー、マイカ等の天然無機物;酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ等
の金属酸化物;珪酸ナトリウム、珪酸カルシウム等の珪
酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸
カルシウム等の水酸化物などの微粉末を単独または2種
以上混合したものが挙げられる。特に粒径が1〜50μ
mと細かいタルク及び炭酸カルシウムまたはこれらの混
合物が好ましい。
【0031】これらの無機充填剤は、成形品の剛性及び
耐熱変形性等の強度を向上させ、さらに、使用後に廃棄
・焼却する際の燃焼カロリーを抑制する効果を奏するも
のである
【0032】これらの無機充填剤の使用量は、とくに限
定されないが、通常、本発明の成形用ポリオレフイン系
樹脂組成物100重量部に対して10〜70重量部、好
ましくは20〜60重量部である。無機充填剤の使用量
が過度に少ないと、使用済みの成型品を焼却する際に、
燃焼カロリーを低減する効果が小さいために好ましくな
い。また、過度に多いと、樹脂組成物の低温耐衝撃強度
が著しく低下するので、好ましくない。
【0033】なお、本発明の成型用ポリオレフイン系樹
脂組成物には、上記の無機充填剤以外に、必要に応じて
酸化防止剤、加工助剤、滑剤、顔料等の各種樹脂用添加
剤を添加することができる。
【0034】(成型用ポリオレフイン系樹脂組成物の製
造)本発明の成型用ポリオレフィン系樹脂組成物は、ポ
リプロピレン系樹脂、中圧法又は低圧法ポリエチレン及
び高圧法ポリエチレン(以下、ポリプロピレン系樹脂等
と記す)を、または、これらの樹脂成分に無機充填材及
び各種添加剤を加えたものを、予め、ダンブラーミキサ
ー等の常温単発乾式混合機、リボンブレンダー、ヘンシ
ェルミキサー等の低温単発乾式混合機を用いて混合し、
次いで、この混合物を加熱ヒーターが設置された高温乾
式混合機にて均一に溶融混合して製造することができ
る。
【0035】高温乾式混合機としては、単軸押出機、二
軸押出機、コニーダー等の連続高温乾式混合機;バンバ
リーミキサー、加圧ニーダー等の単発高温乾式混合機が
用いられる。連続高温乾式混合機を使用する場合は、ポ
リオレフィン系樹脂組成物がペレット状で得られる。単
発高温乾式混合機を使用する場合は、均一混合された樹
脂組成物をシート作成用ロールに投入してシートとし、
次いで、このシートを直方体状に裁断することによりペ
レットが得られる。また、単発高温乾式混合機で均一混
合された樹脂組成物を連続高温乾式混合機に投入し、円
柱状ペレットしてもよい。なお、単軸押出機、二軸押出
機、コニーダー等の連続高温乾式混合機を使用して溶融
混合により円柱状ペレットを作成する方法が、樹脂組成
物の均一性とペレット作成に要する費用の兼ね合いの点
から好ましい。
【0036】ポリプロピレン系樹脂等の形態は、パウダ
ー状、フレーク状、顆粒状もしくはペレット状にするこ
とが好適である。また、酸化防止剤等の各種樹脂用添加
剤は、予め混合することなく、高温乾式混合機における
混合時に添加しても良い。
【0037】また、ポリプロピレン系樹脂等、無機充填
剤及び各種樹脂用添加剤は、予め、ポリプロピレン系樹
脂等を高濃度に包含させたマスターバッチペレットを調
製し、このマスターバッチペレットと残りのポリプロピ
レン系樹脂等とを高温乾式混合機にて溶融混合する方法
を採っても良い。
【0038】(成型品)本発明の成型用ポリオレフィン
系樹脂組成物は、一般的なシート成形法により成形さ
れ、成型品とすることができる。シート成形法として
は、真空成形法、圧空成形法または真空圧空成形法等が
挙げられる。なかでも、成形に使用する金型の作成が簡
単かつ安価であること、容器の大量生産が可能であるこ
とから真空成形法が好ましく用いられる。
【0039】シート成形法の条件は、とくに限定されな
いが、例えば、まず、上記樹脂組成物のペレットを、T
型ダイス、サーキュラーダイ等のダイスを備えた押出機
に投入し、押出機内の温度を180〜280℃の範囲に
制御し、さらに、ダイスの口金部の温度を175〜23
0℃の範囲に制御してシート状で押し出す。この方法で
得られるシートの厚みは、通常0.2〜2.0mm程度
である。
【0040】次に、このように得られたシートを温度1
70〜200℃の範囲に加熱した後、さらに、温度20
〜100℃の範囲に保たれた金型を用いて、真空吸引ま
たは圧縮空気吹付け等の真空成形、圧空成形または真空
圧空成形法により、所定の形状の容器とする。
【0041】本発明の成形品の用途としては、食品用途
では、コーヒー・ジュース用カップ、即席麺用容器、行
楽弁当用容器、惣菜用容器、調味料用容器、電子レンジ
食品用容器、贈答品収納用中仕切りなどが挙げられる。
これらの食品用途のなかでも、とくに、成形品の絞り比
が1以上のものに好適である。
【0042】工業用途では、携帯電話、PHS、液晶小
型テレビ、カーナビゲーションシステム、コンパクトデ
ィスクプレーヤー、携帯用カセットプレイヤー、ノート
型パーソナルコンピューターなどの小型の電子機器;フ
ァクシミリ、ビデオデキ、レーザーディスクプレーヤ
ー、デジタルビデオディスク、デスクトップ型パーソナ
ルコンピューター、プリンターなど比較的大型の電子機
器;電子レンジ、オーブンレンジ、トースター、電子炊
飯器等の調理用家電機器を収納して、輸送時の落下衝撃
や振動衝撃などから保護する梱包材が挙げられる。これ
らの工業用途では、梱包材料使用量の低減を目的として
梱包材のコンパクト化が進んでいることから、絞り比が
1.25〜1.75と大きい形状が求められるようにな
っている。
【0043】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらによってなんら限定されるもの
ではない。
【0044】(実施例1〜5、比較例1〜5)(a)ポ
リプロピレン系樹脂、(b)中圧法又は低圧法ポリエチ
レ、(c)高圧法ポリエチレン及び(d)重質炭酸カル
シウムを、予め、表1に示す配合比でタンブラーミキサ
ーにて混合し、続いて、シリンダー径35mmの二軸押
出機(東芝機械(株)社製TEM−35B)にて200
〜230℃の温度で溶融混合し、直径3mm、長さ4m
mの円柱状ペレットを作成した。
【0045】(a)エチレン−プロピレンブロック共重
合体 エチレン含有量15重量%、メルトフローインデックス
(230℃×2.16kgf)0.35g/10分、2
30℃の溶融張力7g(フィラメント引取りスピード5
m/分、ピストンスピード20mm/分)。 (b)低圧法ポリエチレン 比重0.954、メルトフローインデックス(190℃
×2.16kgf)0.25g/10分、230℃の溶
融張力は12g(フィラメント引取りスピード5m/
分、ピストンスピード20mm/分)。 (c)高圧法ポリエチレン メルトフローインデックス(190℃×2.16kg
f)0.28g/10分、比重0.920、230℃の
溶融張力16g(フィラメント引取りスピード5m/
分、ピストンスピード20mm/分)。 (d)重質炭酸カルシウム 三共精粉社製エスカロン#800、平均粒径5μm。
【0046】次に、このように調製した円柱状ペレット
を、シリンダー径65mmの単軸押出機(田辺プラスチ
ィックス機械(株)社製VS65)内に供給し、220
〜280℃の温度で溶融させた後、500mm幅で20
0℃に保たれたT型ダイスから押し出して、厚み0.7
mmのシートを作成した。
【0047】さらに、このシートを170℃の温度に加
熱して、カップ形状の2種類の金型を用いて真空成形法
により成形し、その成形品の剛性、厚み分布、寸法安定
性、表面肌の4項目を以下の基準に基づき判定し、シー
トの成形性を評価した。
【0048】なお、評価に用いた2種類の金型は、金型
A(上部開口部直径70mm、底部直径40mm、深さ
122mm、絞り比H/D1.75)、金型B(上部開
口部直径70mm、底部直径55mm、深さ88mm、
絞り比H/D1.25)である。なお、金型の温度は4
0℃に保持した。
【0049】各項目の判定基準は以下の通りである。 (1)剛性 カップ型成形品を平らな台に立て、その上部に500g
の荷重を掛け、挫屈しないものは○、直ちにまたは徐々
に挫屈したものを×とした。 (ロ)厚み分布 カップ型成形品の外観について、偏肉、穴開きの有無を
観察し、偏肉及び穴開きが無いものを○、偏肉または穴
開きが観察されたものを×とした。 (ハ)寸法安定性 カップ型成形品の外観について、ソリ、フクレの有無を
観察し、ソリ及びフクレが無いものを○、ソリまたはフ
クレが観察されたものを×とした。 (ニ)表面肌 カップ型成形品の表面を観察し、小さいクレーター状の
肌荒れが無いものを○、クレーター状の肌荒れが観察さ
れたものを×とした。
【0050】
【表 1】
【0051】表1によれば、本発明の成形用ポリオレフ
ィン系樹脂組成物を成形してなる成形品(実施例1〜
5)は、絞り比が1.25及び1.75である場合に、
成形品の剛性、厚み分布、寸法安定性及び表面肌が良好
であり、シート成形性に優れた樹脂組成物であることが
分かる。
【0052】これに対して、ポリプロピレン系樹脂と低
圧法ポリエチレとの樹脂混合物に、高圧法ポリエチレン
を配合しない場合(比較例3)、高圧法ポリエチレンの
代わりに炭酸カルシウムのみを配合した場合(比較例
5)、また、ポリプロピレン系樹脂の割合が過度に少な
い場合(比較例4)は、成形品の剛性、厚み分布、寸法
安定性または表面肌が不良であり、バランスの良いシー
ト成形性が得られない。
【0053】
【発明の効果】かくして本発明により、例えば、開口部
の最小寸法値よりも高さの値が大きい容器を成形する際
にも、良好なシート成形性を有するポリオレフィン系樹
脂組成物及びそれを成形してなる成形品が提供される。
本発明の成形品は、コーヒー・ジュース用カップ、即席
麺用容器、行楽弁当用容器、惣菜用容器、調味料用容
器、電子レンジ食品用容器、贈答品収納用中仕切り等の
食品用途、及び、各種家電機器を収納する梱包材等の工
業用途において使用される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリプロピレン系樹脂90〜10
    重量%と中圧法又は低圧法ポリエチレン10〜90重量
    %からなる樹脂混合物100重量部に対し、(B)高圧
    法ポリエチレン5〜50重量部を配合してなる成形用ポ
    リオレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の成形用ポリオレフィン系樹脂
    組成物を成形してなる成形品。
JP11786898A 1998-04-13 1998-04-13 成形用ポリオレフイン系樹脂組成物 Pending JPH11293048A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020055872A (ko) * 2000-12-29 2002-07-10 서영준 트럭 적재함용 플로어 패널 제조 방법 및 그에 따른플로어 패널
KR20020086327A (ko) * 2002-08-09 2002-11-18 계형산 폐플라스틱 및 산업 폐기물을 이용한 열가소성 수지조성물과 이를 제조하는 제조장치 및 그 제조방법
JP2019147886A (ja) * 2018-02-27 2019-09-05 キョーラク株式会社 押出成形用樹脂、成形体の製造方法

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