JP2000336218A - ポリプロピレン系樹脂シート及び熱成形容器 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂シート及び熱成形容器

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JP2000336218A
JP2000336218A JP11149781A JP14978199A JP2000336218A JP 2000336218 A JP2000336218 A JP 2000336218A JP 11149781 A JP11149781 A JP 11149781A JP 14978199 A JP14978199 A JP 14978199A JP 2000336218 A JP2000336218 A JP 2000336218A
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polypropylene
sheet
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resin sheet
talc
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JP11149781A
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English (en)
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Junichi Fujii
純一 藤井
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Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】剛性、耐熱性及び熱成形性に優れるポリプロピ
レン系樹脂シートと、該シートよりなる優れた剛性と電
子レンジでの使用にも十分対応できるだけの耐熱性を有
する熱成形容器を提供する。 【解決手段】メルトフローレイトが0.1〜5g/10
分でアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が
0.97以上のポリプロピレンと平均粒子径が0.1〜
9μmのタルクを配合したポリプロピレン系樹脂からな
るポリプロピレン系樹脂シート及びこれを熱成形した熱
成形容器により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂シート及び該シートよりなる熱成形容器に関する。
詳しくは、剛性と耐熱性に優れ且つ熱成形性が良好なシ
ートおよび剛性と耐熱性に優れる熱成形容器に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは優れた加工性及び機械
的性質を有する事から、自動車部品、家電部品等の構造
材料をはじめ、シート、フィルム等の包装材料として広
く用いられており、中でもポリプロピレンシートは、熱
成形等の2次加工により食品容器、カップ、トレーをは
じめとする各種熱成形用途の材料として多く用いられて
いる。特に食品用途においては、環境ホルモン等の発生
が懸念されているポリスチレン製の容器からポリプロピ
レン製の容器への代替要求が大きくなっている。
【0003】近年、コンビニエンスストア等で使用され
る弁当、惣菜等の食品容器に対する性能要求は、電子レ
ンジでの使用に耐えるだけの耐熱性を持つ容器が望まれ
ており、食材の大きさや種類に応じて耐熱性に対する改
良要求は拡大傾向にある。
【0004】容器の耐熱性を改良する方法としてはポリ
プロピレン樹脂自体の耐熱性を向上させる方法やタルク
等の無機充填剤を添加したポリプロピレン系樹脂を使用
する方法等が知られている。例えば、特開平2−102
242号公報には、特定のアイソタクチックペンタッド
分率を有する結晶性プロピレン重合体に特定の化合物と
ジベンジリデンソルビトール系化合物を配合し、剛性、
耐熱剛性を改良する方法が提案されている。
【0005】上記方法によれば、樹脂としての耐熱性は
ある程度改良されるものの、通常厚みが0.3〜1.0
mm程度のシートにより製造される熱成形容器として見
た場合には、耐熱性に対して未だ改良に余地を残してい
る。
【0006】一方、ポリプロピレン系樹脂にタルク等の
無機充填剤を添加したシートは、上記熱成形容器の材料
として使用した場合に、比較的剛性、耐熱性の良好な熱
成形容器が得られる事が知られている。例えば、特開昭
59−157131号公報にはポリプロピレン、ポリエ
チレン、タルクを配合したポリオレフィン系樹脂シート
が、また、特開平2−80454号公報にはプロピレン
ブロック共重合体、高密度ポリエチレン、無機充填剤を
特定の比率で配合した熱成形シート用樹脂組成物が提案
されている。
【0007】しかし、上記組成物はポリエチレンを必須
とするものであるため、その耐熱性は、元来低く、タル
クの添加により得られる樹脂組成物の耐熱性の改善効果
はある程度得られるものの、未だ改良の余地があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は優れた剛性と耐熱性を有し、且つ、熱成形時のドロー
ダウンや、成形品のしわ、偏肉の少ない優れた熱成形性
を有するポリプロピレン系樹脂シートおよび該シートよ
りなる優れた剛性と耐熱性を有する熱成形容器を提供す
る事にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべくポリプロピレン系樹脂シートと熱成形
容器について鋭意検討を行った。その結果、特定のアイ
ソタクチックペンタッド分率(mmmm)を有するポリ
プロピレンと特定の平均粒子系のタルクとの組み合わせ
により得られるポリプロピレン系樹脂シートが、極めて
優れた剛性と耐熱性を有し、しかも、熱成形性が良好で
あること、更に、該シートを熱成形して得られる容器
は、従来の容器に対して剛性と耐熱性を飛躍的に改良で
きる事を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、(A)メルトフローレイ
トが0.1〜5g/10分、アイソタクチックペンタッ
ド分率(mmmm)が0.97以上のポリプロピレン9
0〜50重量%、及び(B)平均粒子径が0.5〜9μ
mのタルク10〜50重量%よりなる樹脂組成物によっ
て成形されたポリプロピレン系樹脂シート及び該シート
よりなる熱成形容器である。
【0011】また、本発明は、(A)メルトフローレイ
トが0.1〜5g/10分、アイソタクチックペンタッ
ド分率(mmmm)が0.97以上のポリプロピレン9
0〜50重量%、(B)平均粒子径が0.5〜9μmの
タルク10〜50重量%、及び(A)と(B)との合計
量100重量部に対して(C)粒子径10μm以下のポ
リテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体粒子とか
らなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体0.1
〜5重量部よりなる樹脂組成物によって成形されたポリ
プロピレン系樹脂シート及び該シートよりなる熱成形容
器も提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において使用されるポリプ
ロピレンのメルトフローレイトは、0.1〜5g/10
分の範囲にある事が必要である。即ち、メルトフローレ
イトが0.1g/10分未満場合には、シート成形時の
生産性が著しく低下し、また、メルトフローレイトが5
g/10分を越える場合には、得られるシートの熱成形
性が著しく低下する。より好ましい上記メルトフローレ
イトの範囲は、0.3〜3g/10分であり、更には
0.3〜1g/10分である。また、本発明に使用され
るポリプロピレンは、その立体規則性を示す、13C−N
MRによって求められたアイソタクチックペンタッド分
率(mmmm)の測定値が0.97以上、好ましくは、
0.98以上であることが、後記の特定のタルクとの組
み合わせにより本発明の効果を十分に発揮するため特に
重要である。
【0013】即ち、上記アイソタクチックペンタッド分
率(mmmm)が0.97未満の場合は、タルクとの組
み合わせにおいて、得られるシートおよび熱成形容器の
剛性と耐熱性の改良効果が十分得られない。
【0014】従って、本発明において、上記立体規則性
を満足するためには、ポリプロピレンの構成はプロピレ
ンの単独重合体が最も好ましいが、上記立体規則性を満
足する範囲で、プロピレンに他のα−オレフィンを共重
合させたプロピレン・α−オレフィン共重合体も使用す
ることができる。
【0015】上記プロピレン以外のα−オレフィンとし
ては、エチレン、1−ブテン、3−メチルブテン−1、
1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテ
ン、ビニルシクロヘキセン等が挙げられる。また、上記
プロピレン単独重合体及びプロピレン・α−オレフィン
共重合体はそれぞれ単独、或いは2種以上を混合して使
用しても良い。
【0016】本発明に使用される上記ポリプロピレンに
ついて、他の諸物性は特に制限されるものではない。好
適な物性を示せば、例えば、分子量分布は、シート製造
時の加工性および得られるシートと熱成形容器の剛性を
勘案すると、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
法により測定した、重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)の比で表される分子量分布(Mw/Mn)
が4〜15である事が好ましく、5〜10である事が特
に好ましい。本発明で使用される上記ポリプロピレンの
製造方法は特に制限されるものではなく、公知の重合触
媒より、得られるポリプロピレンの立体規則性が高い重
合触媒を選択し、公知の重合方法に準じて、上記の特定
のメルトフローレイトとアイソタクチックペンタッド分
率を制御することによって得ることができる。
【0017】上記重合触媒としては、所謂チーグラー・
ナッタ触媒及びそれをベースにした種々の改良触媒、或
いはメタロセン触媒が挙げられる。
【0018】また、本発明において使用されるタルク
は、平均粒子径が0.5〜9μm、好ましくは、0.5
〜7μmである事が前記特定のポリプロピレンとの組み
合わせにおいて重要である。
【0019】ここで、平均粒子径はレーザ回折散乱法を
用いて測定した累積量50重量%の時の粒子径である。
【0020】上記タルクの平均粒子径が0.5μm未満
の場合は、かさ比重が小さく取扱いが困難となり、また
コストも高くなるため好ましくない。また、平均粒子径
が9μmを超える場合は、前記した高い立体規則性を有
するポリプロピレンとの組成とした場合でも、得られる
シート及び熱成形容器の耐熱性と剛性の改良効果が低
く、本発明の目的を達成することができない。
【0021】上記タルクは、ポリプロピレン中での分散
性を向上させ、更にシート製造時に「目ヤニ」と呼ばれる
付着物を低減する目的で、高級脂肪酸金属塩とシリコー
ンオイルで表面処理する事が好ましい。
【0022】上記表面処理は、タルクをプロピレンと混
合する前に行う事が必要である。また、高級脂肪酸金属
塩とシリコーンオイルの使用量は、タルク100重量部
に対して、それぞれ0.1〜5重量部の範囲が一般的で
ある。
【0023】上記高級脂肪酸金属塩は公知のものが何等
制限なく使用できるが、炭素数10〜30の飽和高級脂
肪酸とマグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バリ
ウム、亜鉛等の金属との高級脂肪酸金属塩が特に好まし
い。
【0024】また、シリコーンオイルについても、スト
レートシリコーンオイルや変性シリコーンオイル等の公
知のものが何等制限なく使用できる。例えば、ジメチル
シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、
メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ポリエーテル
変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイ
ル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シ
リコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、
メタクリル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シ
リコーンオイル等が挙げられる。
【0025】これらの中でも特にジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイド
ロジェンシリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコー
ンオイルが化学的安定性の点から特に好ましく使用でき
る。
【0026】本発明のポリプロピレン系樹脂シートを成
形する樹脂組成物は、上述したポリプロピレン90〜5
0重量%、好ましくは80〜55重量%及びタルク10
〜50重量%、好ましくは20〜45重量%よりなるこ
とが重要である。
【0027】即ち、ポリプロピレンの配合量が90重量
%を越える場合は、得られるポリプロピレン系樹脂シー
ト、更には該シートより得られる熱成形容器の剛性と耐
熱性の改良効果が不足し、また、ポリプロピレンの配合
量が50重量%未満の場合には得られるポリプロピレン
系樹脂シートの熱成形性が低下し、良好な熱成形容器の
製造が困難となる。
【0028】本発明において、得られるシートの耐熱性
と熱成形性及び得られる熱成形容器の耐熱性を更に向上
させる目的で、本発明のポリプロピレン、タルクからな
る樹脂組成物に、粒子径10μm以下のポリテトラフル
オロエチレン粒子と有機系重合体粒子からなるポリテト
ラフルオロエチレン含有混合粉体を配合した樹脂組成物
によって成形されたポリプロピレン系樹脂シートをも提
供する。
【0029】上記、ポリテトラフルオロエチレン含有混
合粉体は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重
合体粒子との混合物よりなる公知のものが特に制限なく
使用される。
【0030】上記ポリテトラフルオロエチレン粒子とし
ては、平均粒子径0.05〜10μmのものが一般に使
用される。また、有機系重合体粒子は、本発明のポリプ
ロピレン系樹脂に配合する際のポリテトラフルオロエチ
レン粒子の分散性を向上させる機能を有する重合体であ
る。有機系重合体粒子は上記機能を有するものであれば
その種類は特に制限されないが、ポリプロピレン系樹脂
に親和性を有する物である事が好ましい。
【0031】有機系重合体粒子を生成する為の単量体の
具体例としては、スチレン、p−メチルスチレン、p−
クロルスチレン、p−メトキシスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、
アクリル酸−2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル
酸エステル系単量体、ビニルメチルエーテル等のビニル
エーテル系単量体、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニル系
単量体、エチレン、プロピレン等のオレフィン系単量体
等が挙げられる。これらの中でも、スチレン系単量体、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体、オレフィン系単
量体が特に好ましい。かかる有機系重合体の平均粒子径
は、特に制限されないが、0.01〜50μmが一般的
である。
【0032】上記ポリテトラフルオロエチレン含有混合
粉体において、それぞれの重合体粉の混合割合は、ポリ
テトラフルオロエチレン粒子100重量部に対して有機
系重合体粒子10〜300重量部が一般的である。
【0033】上記ポリテトラフルオロエチレン含有混合
粉体及びその製造方法は、例えば、特開平11−296
79号公報に記載されており、かかる記載に準じて製造
することができる。また、メタブレンA−3000(商
品名)として市販されており、これを入手して使用する
こともできる。
【0034】尚、上記公報において、ポリテトラフルオ
ロエチレン含有混合粉体を含有する熱可塑性樹脂からな
る熱成形シートが提案されているが、本発明で使用され
る特定のアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)
を有するポリプロピレンと特定の平均粒子径を有するタ
ルクとを共に使用する事については記載も示唆もない。
【0035】これに対して、本発明のポリプロピレン系
樹脂シートは、上記ポリプロピレンとタルクとよりなる
樹脂組成に、更に、ポリテトラフルオロエチレン含有混
合粉体を配合することにより、得られるシートの熱成形
性を著しく向上できるという驚くべき効果を発揮する。
【0036】本発明のポリプロピレン系樹脂シートの成
形方法は公知の方法が特に制限なく採用される。例え
ば、ポリプロピレン系樹脂をシートに成形する際の原料
供給の形態は特に限定されず、各成分を必要に応じた割
合で含有していれば良い。例えば、ポリプロピレン、タ
ルク、及びポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体等
の原料成分を混合し、粉体状のままで成形機に供給する
方法、全ての成分を予め混合し、押出機等により造粒し
たペレットを成形機に供給する方法、タルク、ポリテト
ラフルオロエチレン含有混合粉体をそれぞれマスターバ
ッチとし、ポリプロピレンペレットとドライブレンドし
て成形機に供給する方法等を挙げる事ができる。
【0037】本発明のシートの成形は、T−ダイ法やカ
レンダー法等の公知のシート製造方法が何等制限なく採
用できる。また、シートの厚みは特に限定されないが、
通常0.2〜3mm程度の範囲となるように成形され
る。
【0038】本発明のポリプロピレン系樹脂シートは、
上述したように優れた特性を有するため、これを熱成形
することにより、かかる特性を反映した、剛性及び耐熱
性に著しく優れた熱成形容器を得ることができる。
【0039】上記熱成形容器に成形する方法は、真空成
形、圧空成形、真空圧空成形等の公知の熱成形方法が何
等制限なく採用できる。熱成形時の加熱方法に関しても
特に限定されず、例えば、直接熱版で加熱する方法や遠
赤外線ヒーターで加熱する方法等が挙げられる。また、
容器の形状も、弁当箱型、丼型、プリン容器型等目的に
応じて任意に選択することができる。
【0040】このようにして得られた、本発明の熱成形
容器は優れた剛性と電子レンジの使用に十分対応できる
耐熱性を有する為、食品容器として好適に使用する事が
できる。
【0041】また、本発明では、必要に応じてシート及
び熱成形容器を発泡させ、断熱性を向上させる方法も好
適に採用できる。発泡倍率は、特に限定されないが、製
造の安易さを勘案すると、通常1.1〜3倍程度の発泡
倍率が好ましい。上記発泡の方法は、公知の方法が何等
制限なく採用できる。例えば、シート製造時に、本発明
のポリプロピレン系樹脂にアゾジカルボンアミド等の化
学発泡剤を添加し、発泡シートを製造する事で、剛性、
耐熱性、熱成形性に優れ、且つ、断熱性良好なシートを
得ることができ、更に該発泡シートを熱成形する事で剛
性、耐熱性に優れ、且つ、断熱性良好な熱成形容器を得
る事が可能となる。
【0042】その他、本発明の組成物には、本発明の効
果を損なわない範囲において、他の添加剤、例えば熱安
定剤、中和剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶化核
剤、滑剤、難燃剤、顔料、タルク以外の他の無機充填
剤、有機充填剤等が配合されても良い。
【0043】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明のポリプロピレン系樹脂シートは、剛性、耐熱性及び
熱成形性に優れたものであり、熱成形容器の材料として
好適に用いる事ができる。
【0044】また、その他の熱成形製品の材料として、
例えば、自動車内装材等の用途に対しても好適に使用す
る事ができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0046】以下に実施例において用いた測定方法につ
いて説明する。 (1)メルトフローレイト(以下、MFRと略す) JIS K 7210に準拠した。 (2)アイソタクチックペンタッド分率(mmmm) A.Zambelli等によってMaclomolec
ules,,697(1975)に発表されている方
法、すなわち13C−NMRを用いポリマー分子鎖中の連
続したモノマー5個のアイソタクチックに結合した分率
を求めた。測定はJEOL GSX−270を用いてパ
ルス幅90゜、パルス間隔15秒、積算10000回で
行った。ピークの帰属はMaclomolecule
s,,697(1975)に従って行った。 (3)引張弾性率 JIS K 7113に準拠し、作成したシートの流れ方
向について測定を行った。 (4)ドローダウン時間 得られたポリプロピレン系樹脂シートをクランプ枠(4
00mm×400mm)に挟み、300℃に設定した遠
赤外線ヒーターで上下から加熱した。加熱されたシート
は一旦垂れ下がり、垂れ戻った後、再び垂れ下がる。垂
れ戻った位置(時間T1)からのシートの垂れ量が、1
0mm(時間T2)となるまでの時間を測定し、ドロー
ダウン時間とした。
【0047】ドローダウン時間(秒)=T2−T1 上記に従って測定したドローダウン時間が長いほど、熱
成形時の成形条件範囲が広いシートの指標となる。 (5)熱成形性 得られたポリプロピレン系樹脂シートについて、コスミ
ック成形機FK−0431−40(浅野製作所製)によ
り、ヒーター温度350℃、真空度700mg/hg、
圧空度5kg/cm2で真空圧空成形を行い、開口部2
00mm×200mm、底部180mm×180mm、
深さ50mmの丼容器を作成した。本容器を50個作成
し、目視によりシワや偏肉の発生したものを不良品と
し、不良品の数により以下の判定を行い、熱成形性の評
価とした。
【0048】○:不良品の数が0個 △:不良品の数が1〜3個 ×:不良品の数が4個以上 (6)電子レンジ耐熱温度 得られた熱成形容器にサラダ油400mlを入れ、電子
レンジで一定時間加熱を行い、サラダ油の温度を上昇さ
せた。加熱後、サラダ油を攪拌し、温度を測定した後、
1分間放置し、サラダ油を容器から出し、容器の変形を
確認した。加熱前、底部と水平であった容器上部の縁
が、熱変形により水平から角度10°以上にずれた時の
温度を電子レンジ耐熱温度とした。 実施例1 プロピレン単独重合体(メルトフローレイト0.5g/
10分、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)
0.983)のパウダー70重量%と予めジメチルシリ
コーンオイル(タルク量に対して0.8重量部)とステ
アリン酸カルシウム(タルク量に対して1重量部)で表
面処理を施した平均粒子径2.8μmタルク30重量%
をスーパーミキサーで混合した後、50mmφ短軸押出
機より240℃で押出し、ポリプロピレン系樹脂ペレッ
トを作成した。
【0049】次いで、上記ペレットを、T−ダイを備え
た65mmφ二軸押出機で、ダイ温度260℃で溶融押
出を行い、厚み0.5mmのシートを得た。更に、得ら
れたシートについてコスミック成形機FK−0431−
40(浅野製作所製)により、ヒーター温度350℃、
真空度700mg/hg、圧空度5kg/cm2で真空
圧空成形を行い、熱成形容器を得た。
【0050】得られたシート及び熱成形容器についての
評価結果を表1に示した。 実施例2〜4、比較例1〜5 ポリプロピレンとタルクについて、表1に記載した種類
と量を使用した以外は、実施例1と同様の操作によりポ
リプロピレン系樹脂シート及び熱成形容器の製造を行っ
た。結果を表1に併せて示した。 実施例5 実施例1のペレット作成時にポリプロピレンとタルクの
合計100重量部に対してポリテトラフルオロエチレン
含有混合粉体(メタブレンA−3000、三菱レイヨン
株式会社製)を1重量部添加した以外は、実施例1と同
様の操作によりポリプロピレン系樹脂シート及び熱成形
容器の製造を行った。結果を表1に併せて示した。
【0051】表1に示したように、得られたシートは、
剛性、耐熱性に加え、特にドローダウン時間が改良され
ており、熱成形性が極めて良好であった。 実施例6、比較例6〜7 ポリプロピレン、タルク、ポリテトラフルオロエチレン
含有混合粉体について、表1に記載した種類と量を使用
した以外は、実施例7と同様の操作によりポリプロピレ
ン系樹脂シート及び熱成形容器の製造を行った。結果を
表1に併せて示した。
【0052】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27:18) B29L 31:00 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA15X AA20 AA20X AA21 AA21X AA22 AA27 AA28 AA33 AA48 AA80 AB26 AE17 AH05 BA01 BB04 BB06 BC01 4F204 AA11A AA11C AA17 AB11 AB16 AB28 AG07 EA03 EB01 EF01 EF02 4J002 BB121 BD152 DJ046 FA082 FD016 GG01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)メルトフローレイトが0.1〜5g
    /10分、アイソタクチックペンタッド分率(mmm
    m)が0.97以上のポリプロピレン90〜50重量
    %、及び(B)平均粒子径が0.5〜9μmのタルク1
    0〜50重量%よりなる樹脂組成物によって成形された
    ポリプロピレン系樹脂シート。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂シ
    ートよりなる熱成形容器。
  3. 【請求項3】(A)メルトフローレイトが0.1〜5g
    /10分、アイソタクチックペンタッド分率(mmm
    m)が0.97以上のポリプロピレン90〜50重量
    %、(B)平均粒子径が0.5〜9μmのタルク10〜
    50重量%、及び(A)と(B)との合計量100重量
    部に対して(C)粒子径10μm以下のポリテトラフル
    オロエチレン粒子と有機系重合体粒子とからなるポリテ
    トラフルオロエチレン含有混合粉体0.1〜5重量部よ
    りなる樹脂組成物によって成形されたポリプロピレン系
    樹脂シート。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のポリプロピレン系樹脂シ
    ートよりなる熱成形容器。
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