JPH0465853B2 - - Google Patents

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JPH0465853B2
JPH0465853B2 JP58177078A JP17707883A JPH0465853B2 JP H0465853 B2 JPH0465853 B2 JP H0465853B2 JP 58177078 A JP58177078 A JP 58177078A JP 17707883 A JP17707883 A JP 17707883A JP H0465853 B2 JPH0465853 B2 JP H0465853B2
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JP
Japan
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composition
inorganic filler
sheet
weight
propylene
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JP58177078A
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Teruo Hosokawa
Masashi Furuide
Koji Okamoto
Hideki Uchiumi
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[] 発明の目的 本発明は特殊な形状を有する無機充填剤を含有
する剛性のすぐれたオレフイン系重合体組成物の
熱成形用シートに関する。さらにくわしくは、(A)
プロピレン系重合体、(B)高密度ポリエチレンおよ
び(C)無機充填剤からなる組成物の熱成形用シート
であり、組成物中に占める無機充填剤の組成割合
は1〜40重量%であり、かつ該無機充填剤の粒度
は中心粒度で0.5〜5.0ミクロンであり、さらに粒
度分布を数平均に対する重量平均で表わすと1.0
〜5.0の範囲であり、また粒子形状は長径と短径
との比率で1.0〜4.0であつて、剛性が良好であ
り、かつ熱成形(すなわち、真空成形および圧空
成形)に適するオレフイン系重合体組成物のシー
トを提供することを目的とするものである。 [] 発明の背景 オレフイン系重合体(特に、プロピレン系重合
体)は、剛性が高いABS樹脂(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン三元共重合樹脂)の代
替物としてタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ムおよびマイカのごとき無機充填剤を強化剤とし
て複合化された組成物が広く使用されている。こ
のように複合化された組成物は主として射出成形
材料として利用されているが、射出成形では成形
が困難な製品を製造するために真空成形法あるい
は圧空成形法で製造する場合には適合する組成物
は少ない。このことは、無機充填剤の添加量を上
げて剛性の向上を企てることにより解決できるこ
とが考えられるが、ドローダウンの悪化にともな
い成形作業範囲が狭くなり、偏肉が大きくなるた
めに自ずから無機充填剤の添加量が限定されるの
で剛性率が高い組成物を得ることが困難となる。
これに対して射出成形法では、多量に無機充填剤
を添加させることによる成形性の低下を改善する
ために流動性の高いオレフイン系重合体を採用す
ること、成形温度を上昇させることによつて充分
改善することが可能である。一方、真空成形およ
び圧空成形では、材料として使われる重合体の性
質そのものが成形条件を大きく左右するために一
般的に使用されていない要因になつている。特
に、無機充填剤が高充填され易いプロピレン系重
合体は溶融時の粘度変化が大きく、真空成形また
は圧空成形をするさいにドローダウンの極端な変
化として現われることによつて成形範囲が狭くな
つている。これに加えて、剛性を向上させるため
に無機充填剤の添加量を増加させるにともないド
ローダウンは低下し、真空成形および圧空成形の
材料としては不適当である。この点を改善する試
みがなされているが、剛性が高く、かつ充分満足
し得る熱成形性を有する材料は現実にはいまだ開
発されていない。 これらのことから、無機充填剤の添加量を低減
し、かつ剛性を保持するために無機充填剤にチタ
ンブチラート、チタンプロピラート、ケイ酸エチ
ルおよびケイ酸ブチルのごとき処理剤を用いて表
面処理を行ない、樹脂と無機充填剤との界面接着
強度を改良することが提案されている。しかしな
がら、これらの処理剤は通常高価であるのみなら
ず、作業が煩雑であり、さらに処理剤の使用量を
増加させることは得られる組成物(複合材)の物
性を低下させることが多く、これらの使用範囲が
限られることが現実である。 [] 発明の構成 以上のことから、本発明者らは、成形材料とし
て無機充填剤の添加量が少なく、かつ剛性が高い
オレフイン系重合体組成物の熱成形用シートを得
ることについて種々検索した結果、 (A) プロピレン系重合体 (B) 高密度ポリエチレン (C) 無機充填剤 からなる組成物の熱成形用シートであり、組成物
中に占める無機充填剤の組成割合は1〜40重合%
であり、かつ該無機充填剤の粒度は中心粒度で
0.5〜5.0ミクロンであり、さらに粒度分布を数平
均に対する重量平均で表わすと1.0〜5.0の範囲で
あり、また粒子形状は長径と短径との比で1.0〜
4.0であるオレフイン系重合体組成物が、無機充
填剤の添加量が比較的に少ないにもかかわらず、
剛性が高い組成物であり、熱成形用に優れている
ことを見出し、本発明に到達した。 [] 発明の効果 本発明によつて得られるオレフイン系重合体組
成物の熱成形用シートは下記のごとき効果(特
徴)を発揮する。 (1) 剛性が優れているばかりでなく、その他の機
械的強度[たとえば、曲げ強度、低温(−20
℃)における耐衝撃性]についても良好であ
る。 (2) 用いられる無機充填剤が前記のごとき処理剤
を使つて表面処理をしないものも使用可能であ
るために製造コストの点で有利である。 (3) 射出成形法では成形し難い薄肉で投影面積が
大きい製品でも真空成形法または圧空成形法に
よつて容易に製造することが可能である。 本発明によつて得られるオレフイン系重合体組
成物の熱成形用シートは以上のごとき効果を発揮
するために多方面にわたつて利用することができ
る。代表的な用途して、冷蔵庫のドアライナーお
よびインナーボツクスのように剛性が高く、かつ
耐クリープが要求される薄肉の成形物ならびに耐
寒強度および耐熱強度が要求される自動車のカー
クーラーケースおよびコンソールボツクスのごと
き成形物があげられる。 このような真空成形または圧空成形によつて得
られる製品は従来ABS樹脂やポリスチレン(PS)
が主として用いられており、いずれも製品が薄肉
であるため剛性および耐衝撃性が要望されてい
る。とりわけ、耐衝撃性はかならずしも充分では
ないが、その成形性が良好なために用いられてい
る。そのために製品の用途範囲が限定されてい
る。しかし、ポリプロピレンをはじめとするオレ
フイン系重合体は融点が160℃と高いために熱変
形温度はABS樹脂やPSに比べて高く、かつ剛性
を向上するために充填剤を添加させることによつ
て熱変形温度をさらに高めることができるのみな
らず、充填剤を添加させたとしても、ABS樹脂
やPSに比べて低温における耐衝撃性がすぐれて
いる。したがつてこれらの特徴を活かして、種々
の工業部品材料の分野において材料コストが低い
ことも含めて用途分野を大きく拡大することが期
待できる。 [] 発明の具体的説明 (A) プロピレン系重合体 本発明において用いられるプロピレン系重合体
としては、プロピレンの単独重合体、エチレンと
プロピレンとのランダムまたはブロツク共重合体
ならびにプロピレンと炭素数が多くとも12個の他
のα−オレフインとのランダムまたはブロツク共
重合体(α−オレフインの共重合割合は多くとも
20重量%)があげられる。これらのプロピレン系
重合体のメルトフローインデツクス(JIS K−
6758にしたがい、温度が230℃および荷重が2.16
Kgの条件で測定、以下「MFI」と云う)が0.01〜
10g/10分のものが好ましく、とりわけ0.01〜5
g/10分のものが好適である。MFIが0.01g/10
分未満のプロピレン系重合体を使用すると、得ら
れる組成物がよくないのみならず、後記の溶融混
練性が悪いために均一状の組成物を得ることが困
難となる。一方、10g/10分を超えたプロピレン
系重合体を用いるならば、溶融混練性および成形
性はすぐれているが、得られる成形物の機械的特
性がよくない。 (B) 高密度ポリエチレン JIS K−6748に規定されているように密度が
0.942g/cm3以上であり、上限は通常0.980g/cm3
である。メルトインデツクス(JIS K−6760にし
たがい、温度が190℃、荷重が2.16Kgの条件で測
定、以下「M.I.」と云う)が0.01〜10g/10分の
ものが好ましく、とりわけ0.01〜5g/10分のも
のが好適である。M.I.が0.01g/10分未満では溶
融混練性が悪く、また10g/10分を超えると成形
物の機械的特性がよくない。 これらのプロピレン系重合体及び高密度ポリエ
チレンは遷多金属化合物(たとえば、チタン含有
化合物)または担体(たとえば、マグネシウム化
合物、その処理物)に遷多金属化合物を担持させ
ることによつて得られる担体担持触媒と助触媒と
して有機金属化合物(たとえば、有機アルミニウ
ム化合物)を用いて得られる触媒系(いわゆるチ
ーグラー触媒)、担体(たとえば、シリカ)にク
ロームの化合物など(たとえば、酸化クローム)
を担持させることによつて得られる触媒系(いわ
ゆるフイリツプス触媒)またはラジカル開始剤
(たとえば、有機過酸化物)を用いてオレフイン
を単独重合または共重合することによつて得られ
る。 (C) 無機充填剤 また、本発明において使用される無機充填剤
は、その粒度は沈降法によるストークス径で重量
積算法により荒い粒度から積算して50重量%の粒
径を中心粒径(以下「D50」と云う)として、0.5
〜5.0ミクロンであり、0.5〜4.5ミクロンのものが
好ましく、特に0.5〜4.0ミクロンのものが好適で
ある。D50が0.5ミクロン未満の無機充填剤を使用
すると、得られる組成物を製造するさいに無機充
填剤の凝集力が大きくなり、充填剤の分散が悪く
なるために剛性の低下がみられる。一方、D50
5.0ミクロンを超えた無機充填剤を用いると、得
られる組成物の剛性(曲げ弾性率)が低いばかり
でなく、曲げ強度もよくない。さらに、粒度分布
は数平均(以下「DN」と云う)に表わすと(す
なわち、DW/DN)は1.0〜5.0の範囲であり、1.0
〜4.5のものが望ましく、とりわけ1.0〜4.0のもの
が好適である。DW/DNが5.0を超えた無機充填剤
を使うと、得られる組成物の剛性が低いために好
ましくない。また、粒子形状は顕微鏡写真におい
て500個以上の粒の長径(以下「Dl」と云う)と
短径(以下「DS」と云う)との比(Dl/DS)は
1.0〜4.0であり、1.0〜3.5のものが好ましく、特
に1.0〜3.0のものが好適である。Dl/DSが4.0を超
えたものを用いると、混練によつて組成物を製造
するさいに混練性がよくない。さらに、混練
(300℃以下)時において脱水、脱炭酸のごとく分
解しないものが好適である。また、酸素および水
と反応しないものが望ましい。該無機充填剤の代
表例としては、鉄、鉛、銅、アルミニウムおよび
ニツケルのごとき金属、これらの金属ならびにマ
グネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジル
コニウム、モリブデン、ケイ素、アンチモンおよ
びチタンなどの金属の酸化物、その水和物(水酸
化物)、硫酸塩、炭酸鉛およびケイ素塩のごとき
化合物、これらの複塩ならびにこれらの混合物に
大別される。本発明において用いられる無機充填
剤の代表例としては、前記の金属、酸化アルミニ
ウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシ
ア)、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)、
鉛丹および鉛白のごとき鉛の酸化物、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、ホワイトカーボン、タルク、マイカ、ガラス
粉末、クレー、硅藻土、シラスバルーン、フライ
アツシユ、シリカ、ワラストナイト、酸化鉄、酸
化アンチモン、酸化チタン(チタニア)、リトポ
ン、軽石粉、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム
(石膏など)、硅酸ジルコニウム、酸化ジルコニウ
ム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、ドロマイト、
二硫化モリブデンおよび砂鉄があげられる。さら
に、グラフアイトも好んで用いることができる。
これらの無機充填剤のなかでも、前記のD50
DW/DNおよびDl/DSの範囲外のものでは、粉砕
などの手段によつて調整しなければならない。こ
れらの無機充填剤は1種もしくは2種以上併用す
ることもできる。 (D) 組成割合 本発明の組成物のシートを製造するにあたり、
組成物中に占める無機充填剤の組成割合は1〜40
重量%であり、2〜40重量%が望ましく、とりわ
け5〜40重量%が好適である(すなわち、プロピ
レン系重合体と高密度ポリエチレンの合計量の割
合は99〜60重量%であり、98〜60重量%が好まし
く、特に95〜60重量%が好適である)。組成物中
に占める無機充填剤の組成割合が1重量%未満で
は、得られる組成物の剛性が低いために好ましく
ない。一方、40重量%を超えると、得られる組成
物の耐寒衝撃性が著しく低いために望ましくな
い。 本発明の組成物のシートは融点の異なるプロピ
レン系重合体と高密度ポリエチレンを併用してい
るので、溶融後の粘度の湿度依存性が小さくなる
ため、これによつて作業範囲が広くなるために好
都合である。その上、成形後の冷却固化の過程に
おいて異なる融点あるいは軟化点を有するプロピ
レン系重合体と高密度ポリエチレンを用いること
は成形によつて発生する歪を解放しやすいのみな
らず、面積の大きな製品(成形物)にはツイスト
やソリの発生が抑制されるなどの利点がある。こ
の場合、プロピレン系重合体と高密度ポリエチレ
ンの合計量中に占める融点の低い高密度ポリエチ
レンの組成割合は多くとも60重量%であり、特に
5〜55重量%の場合これらの効果が著しい。 (E) 組成物の製造 本発明のオレフイン系重合体組成物の熱成形用
シートを製造するには、プロピレン系重合体、高
密度ポリエチレンおよび無機充填剤を前記の組成
割合の範囲内になるように均一に混合して組成物
とし、これを押出成形等によつてシートに成形す
ればよい。この組成物を製造するにあたり、組成
成分の一部をあらかじめ混合していわゆるマスタ
ーバツチを製造し、このマスターバツチと残りの
組成成分とを製造して前記の組成割合になるよう
に組成物を製造してもよい。 また、該組成物はプロピレン系重合体、高密度
ポリエチレンおよび無機充填剤からなるものでも
よいが、混合物の使用目的に応じてこれらの組成
成分がさらに、酸素、熱および紫外線に対する安
定剤、金属劣化防止剤、難燃化剤、着色剤、電気
的特性改良剤、帯電防止剤、滑剤、加工性改良剤
および粘着性改良剤のごとき添加剤を本発明の組
成物のシートが有する特性をそこなわない範囲で
あるならば混合してもよい。 この組成物を製造するには、オレフイン系重合
体の業界において一般に使われているヘンシエル
ミキサーのごとき混合機を使つてドライブレンド
してもよく、バンバリーミキサー、ニーダー、ロ
ールミルおよびスクリユー式押出機のごとき混合
機を用いて溶融混練することによつて製造するこ
ともできる。このさい、あらかじめドライブレン
ドし、得られる混合物をさらに溶融混練すること
によつて一層均一な組成物を得ることができる。 以上の溶融混練りの場合でも後記の成形の場合
でも、高い温度で実施すると、オレフイン系重合
体が劣化することがある。しかし、使用されるオ
レフイン系重合体の融点以上で実施する必要があ
る。したがつて、溶融混練りおよび成形は用いら
れるオレフイン系重合体の種類によつて異なる
が、一般には160〜300℃の温度範囲において実施
される。 (F) 成形物の製造 以上のようにして得られる組成物をシート(原
反)に成形し、真空成形または圧空成形で成形物
とする。真空成形では、成形物の原材料であるあ
らかじめ製造した原反シートを鉄製のワクあるい
は爪状のもので固定し、ハンドリングしやすいよ
うな治具に装置し、これを上下に配列したセラミ
ツクスヒーターまたはシーズ線のヒーターで加熱
できる装置に引込み、加熱する。シートは加熱に
よつて溶融を開始するが、そのさいシートの垂れ
は、一度垂れてから加熱を続けると、シートを押
えているワク中で張る。この張る現象のみられる
ときが一番シートの成形のタイミングとしては成
形物にシワや偏肉の発生しない良好な加熱状態で
ある。このとき、シートワクを引き出し、金型の
上部に置き、金型側から一気圧の減圧下で真空成
形を行なうことによつて目的とする成形物が得ら
れる。ついで、風または水スプレーによつて冷却
を行ない、離型し製品が得られる。 一方、圧空成形では、成形しやすくなつたシー
トを金型の上部に引き出し、シートの上方から圧
空のためのチヤンバー(箱)をかぶせて、3〜5
気圧の圧力で金型側にシートを押しつけるととも
に金型をつき上げることによつて成形物を得るこ
とができる。 なお、いずれの成形法でも表面温度は130〜175
℃が好適である。 [] 実施例および比較例 以下、実施例によつて本発明をさらにくわしく
説明する。 なお、実施例および比較例において、アイゾツ
ト衝撃強度はASTM D−256にしたがい、温度
が−20℃の条件で測定した。また、剛性の測定は
曲げ弾性率にて行ない、ASTM D−790にした
がつて測定した。融点はDSC法により測定し、
溶融終了点を融点とした。 なお、実施例および比較例において使つたオレ
フイン系重合体および無機充填剤の物性を下記に
示す。 [(A)プロピレン系重合体及び(B)高密度ポリエチレ
ン] プロピレン系重合体として、非晶性エチレン−
プロピレン共重合体を19重量%を含むプロピレン
−エチレンブロツク共重合体[MFI 1.8g/10
分、融点 168℃、非晶性エチレン−プロピレン
共重合体中のエチレン含有量55重量%、以下
「PP(1)」と云う]、プロピレン単独重合体
[MFI0.70g/10分、融点 168℃、以下「PP(2)」
と云う]および密度が0.960g/cm3である高密度
ポリエチレン(M.I.0.2g/10分、融点 137℃、
以下「HDPE」と云う)を使用した。 [(C)無機充填剤] 無機充填剤として、市販のタルク、グラフアイ
トおよび炭酸カルシウムを粉砕機(ボールミル)
を使つて粉砕し、得られた粉砕物をそれぞれ風力
分級機(ミクロンセパレーター)を用いて分級す
ることによつて調整されたものを使つた。なお、
このようにして得られた無機充填剤のD50、DN
DWおよびDl/DSおよび無機充填剤の略称を第1
表に示す。
【表】
【表】 実施例1〜14、比較例1〜17 第2表にそれぞれの配合量が示されるオレフイ
ン系重合体および無機充填剤ならびに抗酸化剤と
して0.05重量部の2,6−ジ−第三級−ブチル−
p−クレゾールをヘンシエルミキサーを使用して
それぞ1分間よく混合した。得られた各混合物を
二軸の連続ミキサー(押出機)を用いて樹脂温度
が230℃を超えないように温度を設定して混練し
ながらペレツトを製造した。このようにして得ら
れたペレツト(組成物)を径が65mmのスクリユー
を有するTダイの幅が1100mmのシート成形機を使
つて樹脂温度が230℃において厚さが1.5mmのシー
トを押出した後、シートの両端をトリミングして
幅が800mm、長さが1600mmおよび厚さが1.5mmのシ
ートを成形した。 このようにして得られた各シートを175℃(シ
ートの表面温度)の条件で円錐台(底面の直径40
cm、上面の直径5cm、高さ60.5cm)の形状をした
雌型を使用して真空成形を行ない、成形物を製造
した。得られた成形物の深絞りによる偏肉の度合
をみるために元の原反の厚みをdpとし、フランジ
から測定場所までの距離lx、その位置での成形厚
みをdxとすると、(dx/dp)とlxとの関係をとる。
dx/dpとlpの勾配は負となり、その傾きの絶対値
が大きい程、偏肉は大きい。円錐台の形状ではい
ずれも単調減少のdx/dp〜lxの関係は認められ
る。ここではlxを一番薄肉になる円錐台上部の周
囲の位置に決めてdx/dpの値をもつて偏肉性の評
価を行なつた。第2表にdx/dpが0.5を超えるも
のを優(◎)、0.3〜0.5のものを良(○)、0.2〜
0.3のものを可(△)、0.2未満のものを不可(×)
として表わす。さらに、23℃のおける曲げ弾性
率、曲げ強度および−20℃におけるアイゾツト衝
撃強度(ノツチ付)の測定を行なつた。それらの
結果を第2表に示す。
【表】
【表】 以上の実施例および比較例の結果から、本発明
によつて得られる組成物を熱成形(たとえば、真
空成形)した場合、下記のごとき効果を発揮する
ことは明らかである。 (1) ABS樹脂を上回る曲げ弾性率を発揮するに
もかかわらず、低温(−20℃)における衝撃強
度もすぐれている。これに対し、粒径が大きい
無機充填剤、広い粒度分布(DW/DNが大き
い)を有する無機充填剤および粒子が不揃い
(Dl/DSが大きい)の無機充填剤を用いると、
いずれの場合でも、成形性、曲げ強度、剛性
(曲げ弾性率)のうち、少なくともいずれかが
よくない。 (2) 本発明の組成割合の範囲内では、種々の機械
的強度および成形性は良好であるが、この範囲
を逸脱すると、成形性がよくないのみならず、
衝撃強度についても低い。 (3) オレフイン系重合体とてPP(1),PP(2)あるい
はHDPEをそれぞれ単独で用いるとPP1単独で
は溶融時の粘度変化が大きいために成形性は満
足すべきものではなく、またPP(2)単独では成
形性がさらに悪く、一方、HDPE単独では
HDPEの粘度が高いために無機充填剤の分散性
が悪く、剛性が上らないばかりか、組成物が不
均一なために偏肉がみられる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1(A) プロピレン系重合体 (B) 高密度ポリエチレン (C) 無機充填剤 からなる組成物の熱成形用シートであり、組成物
    中に占める無機充填剤の組成割合は1〜40重量%
    であり、かつ該無機充填剤の粒度は中心粒度で
    0.5〜5.0ミクロンであり、さらに粒度分布を数平
    均に対する重量平均で表わすと1.0〜5.0の範囲で
    あり、また粒子形状は長径と短径との比で1.0〜
    4.0であるオレフイン系重合体組成物の熱成形用
    シート。
JP17707883A 1983-09-27 1983-09-27 オレフィン系重合体組成物の熱成形用シート Granted JPS6069145A (ja)

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JPS53106746A (en) * 1977-03-02 1978-09-18 Hitachi Ltd Polyolefin resin composition
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Patent Citations (4)

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JPS6069145A (ja) 1985-04-19

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