JP6894263B2 - エチレン系重合体組成物およびフィルム - Google Patents
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下記要件(iv)〜(vi)を満たす、エチレンと少なくとも1種以上の炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体(b)15〜70質量%と、を含み(ただし、前記重合体(a)と前記エチレン・α−オレフィン共重合体(b)との合計は100質量%である)、
下記要件(vii)〜(ix)を満たすことを特徴とするエチレン系重合体組成物。
(i)135℃にてデカリン中で測定した極限粘度([η])が0.50〜1.50dl/gである。
(ii)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0〜8.0である。
(iii)JIS K 7112に準拠して測定した密度d(a)が940〜980kg/m3である。
(iv)135℃にてデカリン中で測定した極限粘度([η])が2.0〜8.0dl/gである。
(v)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.0〜15.0である。
(vi)JIS K 7112に準拠して測定した密度d(b)が910〜950kg/m3である(ただし、密度d(b)≦密度d(a))。
(vii)ASTM D1238に準拠して測定した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が0.01〜20g/10分である。
(viii)JIS K 7112に準拠して測定した密度dが930〜960kg/m3である。
(ix)クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量が10質量%以下である。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体(b)が下記要件(iv)’〜(vi)’を満たし、
前記エチレン系重合体組成物が、前記重合体(a)30〜60質量%と、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(b)40〜70質量%とを含み、
前記エチレン系重合体組成物が下記要件(vii)’〜(ix)’を満たす[1]に記載のエチレン系重合体組成物。
(i)’135℃にてデカリン中で測定した極限粘度([η])が0.70〜1.20dl/gである。
(ii)’GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0〜8.0である。
(iii)’JIS K 7112に準拠して測定した密度d(a)が960〜980kg/m3である。
(iv)’135℃にてデカリン中で測定した極限粘度([η])が2.0〜5.0dl/gである。
(v)’GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.0〜15.0である。
(vi)’JIS K 7112に準拠して測定した密度d(b)が910〜950kg/m3である(ただし、密度d(b)≦密度d(a))。
(vii)’ASTM D1238に準拠して測定した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜2.0g/10分である。
(viii)’JIS K 7112に準拠して測定した密度dが930〜960kg/m3である。
(ix)’クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量が10質量%以下である。
本発明に係るエチレン系重合体組成物は、下記要件(i)〜(iii)を満たす、エチレン単独重合体および/またはエチレンと少なくとも1種以上の炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体からなる重合体(a)(以下、重合体(a)とも示す)30〜85質量%と、下記要件(iv)〜(vi)を満たす、エチレンと少なくとも1種以上の炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体(b)(以下、重合体(b)とも示す)15〜70質量%と、を含む。ただし、前記重合体(a)と前記重合体(b)との合計は100質量%である。さらに、本発明に係るエチレン系重合体組成物は、下記要件(vii)〜(ix)を満たす。
(ii)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0〜8.0である;
(iii)JIS K 7112に準拠して測定した密度d(a)が940〜980kg/m3である;
(iv)135℃にてデカリン中で測定した極限粘度([η])が2.0〜8.0dl/gである;
(v)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.0〜15.0である;
(vi)JIS K 7112に準拠して測定した密度d(b)が910〜950kg/m3である(ただし、密度d(b)≦密度d(a));
(vii)ASTM D1238に準拠して測定した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が0.01〜20g/10分である;
(viii)JIS K 7112に準拠して測定した密度dが930〜960kg/m3である;
(ix)クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量が10質量%以下である。
重合体(a)は、前記要件(i)〜(iii)を満たす、エチレン単独重合体および/またはエチレンと少なくとも1種以上の炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体からなる。炭素数3〜8のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
重合体(a)の、135℃にてデカリン中で測定した極限粘度([η])は0.50〜1.50dl/gである。該極限粘度([η])は、好ましくは0.60〜1.40dl/gであり、より好ましくは0.70〜1.30dl/gであり、さらに好ましくは0.80〜1.20dl/gである。該極限粘度([η])が前記範囲内であることにより、機械強度、成形性および耐環境応力破壊性に優れる。該極限粘度([η])は、例えば重合器への水素、エチレン、α−オレフィンの供給量比、エチレン単独重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体との重合量比などを変更することで、前記範囲内で値を増減させることができる。なお、該極限粘度([η])は後述する方法により測定される値である。
重合体(a)の、GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は4.0〜8.0である。該Mw/Mnは、好ましくは4.2〜7.5であり、より好ましくは4.5〜7.0であり、さらに好ましくは5.0〜6.5である。該Mw/Mnが前記範囲内であることにより、機械強度、成形性および耐環境応力破壊性に優れる。後述する触媒系を用い、後述する多段重合を実施する際に、各成分の分子量および重合量比を制御することで、Mw/Mnを前記範囲内に制御できる。例えば、各成分の分子量差を広げることにより、Mw/Mnの値を大きくすることができる。なお、該Mw/Mnは後述する方法により測定される値である。
重合体(a)の、JIS K 7112に準拠して測定した密度d(a)は940〜980kg/m3である。該密度d(a)は、好ましくは950〜980kg/m3であり、より好ましくは960〜980kg/m3であり、さらに好ましくは965〜975kg/m3である。該密度d(a)が前記範囲内であることにより、機械強度、成形性および耐環境応力破壊性に優れる。該密度d(a)は、例えば重合器への水素、エチレン、α−オレフィンの供給量比、エチレン単独重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体との重合量比などを変更することで、前記範囲内で値を増減させることができる。なお、該密度d(a)は、具体的には後述する方法により測定される値である。
重合体(b)は、前記要件(iv)〜(vi)を満たす、エチレンと少なくとも1種以上の炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体である。炭素数3〜8のα−オレフィンとしては、前述した重合体(a)における炭素数3〜8のα−オレフィンと同様のα−オレフィンを用いることができる。
重合体(b)の、135℃にてデカリン中で測定した極限粘度([η])は2.0〜8.0dl/gである。該極限粘度([η])は、好ましくは2.0〜6.0dl/gであり、より好ましくは2.0〜5.0dl/gであり、さらに好ましくは2.5〜4.0dl/gである。該極限粘度([η])が前記範囲内であることにより、機械強度、成形性および耐環境応力破壊性に優れる。該極限粘度([η])は、例えば重合器への水素、エチレン、α−オレフィンの供給量比などを変更することで、前記範囲内で値を増減させることができる。なお、該極限粘度([η])は後述する方法により測定される値である。
重合体(b)の、GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は5.0〜15.0である。該Mw/Mnは、好ましくは6.0〜13.0であり、より好ましくは7.0〜11.0であり、さらに好ましくは8.0〜10.0である。該Mw/Mnが前記範囲内であることにより、機械強度、成形性および耐環境応力破壊性に優れる。後述する触媒系を用い、後述する多段重合を実施する際に、各成分の分子量および重合量比を制御することで、Mw/Mnを前記範囲内に制御できる。例えば、各成分の分子量差を広げることにより、Mw/Mnの値を大きくすることができる。なお、該Mw/Mnは後述する方法により測定される値である。
重合体(b)の、JIS K 7112に準拠して測定した密度d(b)は910〜950kg/m3である。また、密度d(b)≦密度d(a)を満たす。該密度d(b)は、好ましくは915〜945kg/m3であり、より好ましくは920〜940kg/m3であり、さらに好ましくは925〜935kg/m3である。該密度d(b)が前記範囲内であることにより、機械強度、成形性および耐環境応力破壊性に優れる。該密度d(b)は、例えば重合器への水素、エチレン、α−オレフィンの供給量比などを変更することで、前記範囲内で値を増減させることができる。なお、該密度d(b)は、具体的には後述する方法により測定される値である。
本発明に係るエチレン系重合体組成物は、前記重合体(a)30〜85質量%と、前記重合体(b)15〜70質量%とを含み、かつ、前記要件(vii)〜(ix)を満たす。該エチレン系重合体組成物は、該重合体(a)30〜70質量%と、該重合体(b)30〜70質量%とを含むことが好ましく、該重合体(a)30〜60質量%と、該重合体(b)40〜70質量%とを含むことがより好ましく、該重合体(a)35〜55質量%と、該重合体(b)45〜65質量%とを含むことがさらに好ましい。なお、該重合体(a)と該重合体(b)との合計は100質量%である。該エチレン系重合体組成物が、該重合体(a)を30質量%以上含む(該重合体(b)を70質量%以下含む)ことにより、剛性に優れ、流動性に優れる。また、該エチレン系重合体組成物が、該重合体(a)を85質量%以下含む(該重合体(b)を15質量%以上含む)ことにより、耐衝撃性などの機械強度に優れる。
エチレン系重合体組成物の、ASTM D1238に準拠して測定した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)は、0.01〜20g/10分である。該MFRは、好ましくは0.05〜10g/10分であり、より好ましくは0.1〜2.0g/10分であり、さらに好ましくは0.2〜1.0g/10分である。該MFRが0.01g/10分以上であることにより、押出等の成形性に優れる。また、該MFRが20g/10分以下であることにより、耐衝撃等、機械強度に優れる。該MFRは、例えば重合体(a)と重合体(b)との配合比を変更する、重合体(a)の極限粘度[η](dl/g)および、重合体(b)のMFR(g/10分)を変更する等により制御することができる。
エチレン系重合体組成物の、JIS K 7112に準拠して測定した密度dは930〜960kg/m3である。該密度dは、好ましくは935〜960kg/m3であり、より好ましくは940〜960kg/m3であり、さらに好ましくは945〜955kg/m3である。該密度dが前記範囲内であることにより、機械強度、成形性および耐環境応力破壊性に優れる。該密度dは、重合体(a)と重合体(b)との配合比、重合体(a)の極限粘度[η](dl/g)、重合体(b)のα−オレフィン含有量(質量%)などを変更することで、前記範囲内で値を増減させることができる。なお、該密度dは、具体的には後述する方法により測定される値である。
エチレン系重合体組成物の、クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量は10質量%以下である。該成分量は、9.5質量%以下であることが好ましく、9質量%以下であることがより好ましい。該成分量が前記範囲内であるエチレン系重合体組成物は、α−オレフィンが共重合した高分子量成分のα−オレフィン含有量が少なく、かつα−オレフィンの組成が均一なこと、また、比較的分子量が低く、かつ短鎖分岐を有するような成分を含有しないことを意味し、成形体としての機械強度、耐環境応力破壊性(ESCR)などの長期物性に優れる。なお、従来のチーグラー触媒やクロム触媒などからなるエチレン系重合体は、組成分布が広いため該範囲を満たさない。該成分量は、後述するような触媒系を用い、後述するような重合条件を設定し、重合体(a)と重合体(b)との配合比を本発明の範囲内で調整することにより、前記範囲内とすることができる。なお、該成分量は、具体的には後述する方法により測定される値である。
本発明に係るエチレン系重合体組成物は、前記重合体(a)と前記重合体(b)とを所定の配合比で混合することにより得ることができる。前記重合体(a)および前記重合体(b)は、例えば、下記式(I)又は(II)で示される遷移金属化合物(以下、(A)遷移金属化合物または成分(A)とも示す)と、
(B−1)有機金属化合物(以下、成分(B−1)とも示す)、
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物(以下、成分(B−2)とも示す)、および
(B−3)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物(以下、成分(B−3)とも示す)
からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(B)(以下、成分(B)とも示す)と、(C)担体と、を含むオレフィン重合用触媒を用いて、エチレンと、炭素数3〜8のα−オレフィンとを共重合させる(エチレン単独重合体の場合には、エチレンを重合させる)ことによって得ることができる。また、前記オレフィン重合用触媒は、必要に応じて(D)有機化合物成分(以下、成分(D)とも示す)を含むこともできる。
前記(A)遷移金属化合物は、下記式(I)又は(II)で表される化合物である。
前記(B−1)有機金属化合物としては、例えば下記式で示される有機アルミニウム化合物が挙げられる。
式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。Xはハロゲン原子を示す。mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。該有機アルミニウム化合物としては、例えばトリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、公知のアルミノキサンであってもよく、また、例えば特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、例えば特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、米国特許第5321106号公報などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。このような(B−3)イオン化イオン性化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合せて用いることができる。
前記(C)担体は、例えば無機化合物または有機化合物であって、顆粒状または微粒子状の固体であることができる。無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。多孔質酸化物としては、種類および製法によりその性状は異なるが、粒径が好ましくは1〜300μm、より好ましくは3〜200μmであって、比表面積が好ましくは50〜1000m2/g、より好ましくは100〜800m2/gの範囲にあり、細孔容積が好ましくは0.3〜3.0cm3/gの範囲にあることが望ましい。前記(C)担体は、必要に応じて好ましくは80〜1000℃、より好ましくは100〜800℃で焼成して使用される。なお、前記(C)担体を用いる代わりに、国際公開第2010/55652号等に例示されている固体状アルミノキサンを用いてもよい。
前記(D)有機化合物成分は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。(D)有機化合物成分としては、例えばアルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
本発明に係るエチレン単独重合体およびエチレン・α−オレフィン共重合体は、例えば前記オレフィン重合用触媒を用いて、エチレンを単独で重合、またはエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンとを共重合させることにより得ることができる。重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、例えば以下に示される(P1)〜(P10)が挙げられる。
(P1)成分(A)と成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(P2)成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒を重合器に添加する方法。
(P3)成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合各々の成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(P4)成分(A)を(C)担体に担持した触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(P5)成分(A)と成分(B)とを(C)担体に担持した触媒を、重合器に添加する方法。
(P6)成分(A)と成分(B)とを(C)担体に担持した触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合各々の成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(P7)成分(B)を(C)担体に担持した触媒成分、および成分(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(P8)成分(B)を(C)担体に担持した触媒成分、成分(A)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合各々の成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(P9)成分(A)と成分(B)とを(C)担体に担持した触媒を、成分(B)と予め接触させた触媒成分を、重合器に添加する方法。この場合各々の成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(P10)成分(A)と成分(B)とを(C)担体に担持した触媒を、成分(B)と予め接触させた触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合各々の成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(1)重合体粒子および所望により添加される他の成分を、押出機、ニーダー等を用いて機械的にブレンドして、所定の大きさにカットする方法。
(2)重合体および所望により添加される他の成分を適当な良溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素溶媒)に溶解し、溶媒を除去した後、押出機、ニーダー等を用いて機械的にブレンドして、所定の大きさにカットする方法。
本発明に係るエチレン系重合体組成物は、公知のポリオレフィン用途に広く用いることができ、例えば発泡シートなどのシート、未延伸または延伸フィルム、フィラメント、他の種々形状の成形体にして利用することができる。本発明に係るエチレン系重合体組成物を加工することにより、成形性に優れ、かつ機械強度に優れた成形体、好ましくはインフレーションフィルムなどのフィルム、またはシートが得られる。
(1)100μm厚みに換算した場合のフィルム成形の流れ方向(MD)のヤング率が、好ましくは700〜3500MPa、より好ましくは800〜3500MPa、さらに好ましくは850〜3500MPaの範囲内にある。
(2)100μm厚みに換算した場合のダートインパクト強度が、好ましくは300〜800g、より好ましくは350〜800g、さらに好ましくは400〜800g、特に好ましくは450〜800g、最も好ましくは500〜800gの範囲内にある。
密度dは、JIS K 7112に準拠して測定した値である。具体的には、得られた重合体(a)、重合体(b)およびエチレン系重合体組成物について、ヘキサン及び未反応モノマーを溶媒分離装置で除去して乾燥した。得られたパウダーを、190℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cm2の圧力で0.5mm厚のシートに成形した(スペーサー形状;240×240×0.5mm厚の板に45×45×0.5mm、9個取り)。その後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cm2の圧力で圧縮することで冷却して、測定用試料を作製した。熱板には5mm厚のSUS板を用いた。該測定用試料を120℃で1時間熱処理し、1時間かけて直線的に室温まで徐冷した後、密度勾配管で密度dを測定した。
極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて135℃で測定した値である。すなわち、得られた重合体(a)および重合体(b)について、ヘキサン及び未反応モノマーを溶媒分離装置で除去して乾燥した。得られたパウダー約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η]として求めた(下記式(iii)参照)。
得られたエチレン系重合体組成物について、メルトテンションを(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Cにより測定した。測定条件は、次の通りである。
使用ノズル:L=8.000mm、D=2.095mm、バレル径:9.55mm、測定温度:190℃、樹脂押出速度:15mm/分、樹脂引取速度:10m/分。
得られた重合体(a)および重合体(b)について、MwおよびMnをウォーターズ社製GPC−150Cを用いて以下のように測定した。
得られたエチレン系重合体組成物について、クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量を、PolymerChar社製CFC2型クロス分別クロマトグラフを用いて以下のように測定した。分離カラムにはShodex HT−806Mを3本用いた。溶離液にはo−ジクロロベンゼンを用いた。試料濃度は0.1〜0.3質量/体積%であった。注入量は0.5mlであった。流速は1.0ml/minであった。
得られたエチレン系重合体組成物について、MFRをASTM D1238に準拠して、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定した。
得られたフィルムについて、ダートインパクト強度をASTM D1709に従って、下記条件にて測定した。
試験片をエアークランプ方式で締め付け、半球径のダートを一定の高さの位置から落下させ、試験片が50%破壊する荷重をグラフから読み取った。一水準の落下回数は10回とし、A法を用いた。
得られたフィルムから、長さ方向がフィルムの流れ方向(MD)、幅方向(TD)となるように15mm幅、200mm長さの短冊状試験片を切りだした。オリエンテック社製テンシロンRT1225型を使用して、JIS K 7127に準拠してヤング率の測定を行った。
得られたフィルムから、引裂き方向(MD方向およびTD方向のそれぞれに対し)に63.5mm、および、引裂き方向と垂直な方向に75.0mmとなるように長方形の試験片を切り出し、引裂き方向の中央に端から20mmのスリットを入れて複数枚の試験片を用意した。東洋精機製作所製4NおよびSA−W(32N)を用い、JIS 7128−2に準拠してエルメンドルフ引裂き強度を測定した。
(固体触媒成分(γ1)の調製)
充分に窒素置換した室温下(20〜25℃)の反応器中に、トルエン31.0Lを投入し、固体状MAO成分(α)をアルミニウム原子換算で7.15mol(9.34L)入れ、その懸濁液を10分攪拌した。前記式(A−1)で示される化合物21.0mmolをトルエン溶液2.40Lに溶解させ、反応器に加えた後、10分攪拌した。続いて前記式(A−2)で示される化合物21.0mmolを添加して60分間撹拌し、固体触媒成分(γ1)を得た。
第1重合槽に、ヘキサンを53.0L/hr、前記固体触媒成分(γ1)をジルコニウム原子に換算して0.034mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを11.7mmol/hr、エチレンを7.50kg/hr、水素分子を53.0NL/hr、アデカプロニックL−71(商品名、(株)ADEKA製、以下L−71という)を0.600g/hr連続的に供給し、かつ重合槽内の液レベルが一定になるように重合槽内容物を連続的に抜出しながら、重合温度75.0℃、反応圧力0.460MPaG、平均滞留時間2.60hrの条件で重合を行い、重合体(a1)を得た。第1重合槽から連続的に抜出された内容物は、内圧0.030MPaG、40.0℃に保たれたフラッシュドラムにおいて、未反応エチレンおよび水素分子が実質的に除去された。
第1重合槽に、ヘキサンを53.0L/hr、実施例1で調製した固体触媒成分(γ1)をジルコニウム原子に換算して0.034mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを11.7mmol/hr、エチレンを7.50kg/hr、水素分子を39.4NL/hr、L−71を0.600g/hr連続的に供給し、かつ重合槽内の液レベルが一定になるように重合槽内容物を連続的に抜出しながら、重合温度75.0℃、反応圧力0.400MPaG、平均滞留時間2.60hrの条件で重合を行い、重合体(a2)を得た。第1重合槽から連続的に抜出された内容物は、内圧0.030MPaG、40.0℃に保たれたフラッシュドラムにおいて、未反応エチレンおよび水素分子が実質的に除去された。
第1重合槽に、ヘキサンを38.5L/hr、実施例1で調製した固体触媒成分(γ1)をジルコニウム原子に換算して0.035mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを8.5mmol/hr、エチレンを7.30kg/hr、水素分子を27.9NL/hr、L−71を0.600g/hr連続的に供給し、かつ重合槽内の液レベルが一定になるように重合槽内容物を連続的に抜出しながら、重合温度74.9℃、反応圧力0.390MPaG、平均滞留時間3.48hrの条件で重合を行い、重合体(a3)を得た。第1重合槽から連続的に抜出された内容物は、内圧0.030MPaG、40.0℃に保たれたフラッシュドラムにおいて、未反応エチレンおよび水素分子が実質的に除去された。
(固体触媒成分(γ2)の調製)
充分に窒素置換した室温下(20〜25℃)の反応器中に、トルエン22.8Lを投入し、固体状MAO成分(α)をアルミニウム原子換算で5.67mol(9.46L)入れ、その懸濁液を10分攪拌した。前記式(A−1)で示される化合物33.3mmolをトルエン溶液2.00Lに溶解させ、反応器に加えた後、60分間撹拌し、固体触媒成分(γ2)を得た。
第1重合槽に、ヘキサンを53.0L/hr、前記固体触媒成分(γ2)をジルコニウム原子に換算して0.036mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムを11.7mmol/hr、エチレンを7.60kg/hr、水素分子を37.3NL/hr、L−71を0.600g/hr連続的に供給し、かつ重合槽内の液レベルが一定になるように重合槽内容物を連続的に抜出しながら、重合温度75.1℃、反応圧力0.600MPaG、平均滞留時間2.60hrの条件で重合を行い、重合体(a4)を得た。第1重合槽から連続的に抜出された内容物は、内圧0.030MPaG、40.0℃に保たれたフラッシュドラムにおいて、未反応エチレンおよび水素分子が実質的に除去された。
Claims (3)
- 下記要件(i)’〜(iii)’を満たす、エチレン単独重合体および/またはエチレンと少なくとも1種以上の炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体からなる重合体(a)30〜60質量%と、
下記要件(iv)’〜(vi)’を満たす、エチレンと少なくとも1種以上の炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体(b)40〜70質量%と、を含み、
(ただし、前記重合体(a)と前記エチレン・α−オレフィン共重合体(b)との合計は100質量%である)、
下記要件(vii)’〜(ix)’を満たすことを特徴とするエチレン系重合体組成物。
(i)’135℃にてデカリン中で測定した極限粘度([η])が0.70〜1.20dl/gである。
(ii)’GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0〜8.0である。
(iii)’JIS K 7112に準拠して測定した密度d(a)が960〜980kg/m3である。
(iv)’135℃にてデカリン中で測定した極限粘度([η])が2.0〜5.0dl/gである。
(v)’GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が5.0〜15.0である。
(vi)’JIS K 7112に準拠して測定した密度d(b)が910〜950kg/m3である(ただし、密度d(b)≦密度d(a))。
(vii)’ASTM D1238に準拠して測定した190℃、2.16kg荷重
におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜2.0g/10分である。
(viii)’JIS K 7112に準拠して測定した密度dが930〜960kg/m3である。
(ix)’クロス分別クロマトグラフ(CFC)により85℃以下で溶出する成分量が10質量%以下である。 - 請求項1に記載のエチレン系重合体組成物からなるフィルムまたはシート。
- 請求項1に記載のエチレン系重合体組成物からなるインフレーションフィルム。
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