JPH11292919A - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
吸水性樹脂の製造方法Info
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Abstract
水性樹脂の製造に当たり、乾燥工程における未乾燥物の
発生に伴う問題点を回避し、高品質の吸水性樹脂を効率
的に製造する製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法
は、含水ゲル状架橋重合体を粒粉状の乾燥物とする乾燥
工程と、この乾燥物を粉砕する粉砕工程とに加えて、乾
燥物中に混入している未乾燥物を分離する分離工程を有
している。上記未乾燥物の粒子は乾燥物の粒子よりも大
きいので、上記分離工程では、乾燥物を所定の範囲内の
大きさに分級することにより、乾燥物から未乾燥物を容
易に分離することができる。その結果、未乾燥物が粉砕
工程に達することがなく、乾燥物の粉砕を妨げたり、吸
水性樹脂に未乾燥物が混入したりすることが回避でき
る。
Description
性に富む塊状の含水ゲル状架橋重合体を効率的に乾燥・
粉砕することによって、吸水速度や吸水倍率に優れた吸
水性樹脂を製造する方法に関するものである。
の架橋剤の存在下で水溶液重合することにより、吸水性
架橋重合体として、含水ゲル状架橋重合体が得られるこ
とはよく知られている。
水ゲルとする)は、半固体状で弾性に富むゲル状物であ
り、そのまま使用されることはほとんどなく、多くの場
合、一旦、細粒化されて乾燥される。この乾燥工程の後
に、上記含水ゲルは適宜粉砕されて乾燥粉末状態の粉砕
生成物となり、吸水性樹脂、すなわち吸水剤として使用
される。上記の乾燥工程における具体的な乾燥方法とし
ては、従来より、薄膜乾燥機や棚段式乾燥機、ドラム乾
燥機、またはバンド乾燥機などを用いた方法が知られて
いる。
いた方法は、無端で金網状や多孔板状となっているバン
ドを備えているベルトコンベヤーやスクリューコンベヤ
ー上に含水ゲルを搭載して乾燥機内部を移動させ、この
移動する含水ゲルに対して熱風を送ることにより乾燥を
行うものである。このバンド乾燥機による方法は、含水
ゲルの弾性や強度に依存せず、連続して含水ゲルを投入
することが可能であり、さらに、乾燥機に含水ゲルが付
着することによるトラブルが少ないなど優れた特長を有
している。
の状態で次の粉砕工程に進むことを極力回避する必要が
ある。これは、未乾燥の含水ゲル(以下、未乾燥物とす
る)はゴム状で非常に大きな粘着力を有しているため
に、粉砕工程における粉砕機に上記未乾燥物が付着して
粉砕機の稼動を停止させるトラブルが発生し易くなるた
めである。特に、乾燥した含水ゲルを1mm以下の大き
さに粉砕しようとする場合に上記未乾燥物が含まれてい
ると、粉砕機に該未乾燥物が非常に付着し易くなり、粉
砕機停止のトラブルが頻発することになる。
均一に乾燥させるために、上記バンド上に含水ゲルを一
定の厚さで積層する必要がある。しかしながら、実際に
は、バンド上に含水ゲルを一定の厚さに積層することは
困難であり、未乾燥物の発生を回避することは非常に難
しくなっている。
るために、特開平8−73518号公報に開示されてい
る含水ゲル状重合体の連続的乾燥方法のように、含水ゲ
ルに吹き付けられる熱風の圧力と、この熱風が吹き付け
られる側とは含水ゲルを介して反対側の圧力との圧力差
を計測することによって、ベルト上の含水ゲルの層の厚
さをオンタイムで検知し、この検知結果に基づいて乾燥
機の条件を制御する技術が知られている。この技術で
は、バンド上の含水ゲルの層の厚さをオンタイムで経済
的かつ効果的に測定し、乾燥機の稼動条件を適宜制御す
ることができるため、特別な設備を用いることなく未乾
燥物の少ない含水ゲルの乾燥物を製造することができ
る。
平8−73518号公報に開示されているような技術は
未乾燥物の発生を抑制するためのものであって、未乾燥
物の発生を完全に防止することはできない。そのため、
粉砕工程における粉砕機の稼動停止などのトラブルの発
生を効果的に抑制する技術は未だ知られていない。
乾燥機の稼動条件を細かく制御することはできるが、含
水ゲルの層の厚さを一定にすることはできないために、
未乾燥物の発生を根本的に防止する技術とはなっていな
い。
るために塊状の含水ゲルを一旦細粒化することが行われ
ることが多いが、この細粒化した含水ゲルの粒径が10
mm以上となると未乾燥物は非常に発生し易くなり、乾
燥機の稼動条件を設定するのみでは、未乾燥物の発生を
防止することができない。また、バンド乾燥法では、乾
燥途中に被乾燥物(含水ゲル)を撹拌したり、被乾燥物
の層を裏返したりはしないために、部分的に熱風が当た
りにくい箇所が生じるが、乾燥機の稼動条件を設定する
のみでは、やはり未乾燥物の発生を防止することができ
ない。
された含水ゲルの乾燥物よりも低いために、未乾燥物が
粉砕工程で含水ゲルの乾燥物と混合すると、吸水性樹脂
としての物性の低下も招来する。
めには、乾燥工程において、未乾燥の含水ゲルが完全に
なくなるように長時間、あるいは高熱で乾燥する方法も
考えられる。しかしながら、このような方法では、乾燥
時間が長くなったり、乾燥機の稼動に必要なエネルギー
が増大したりするなど乾燥物の製造効率や製造コストを
大幅に低下させることになる。
含水ゲルは水分の少ない状態で、未乾燥の含水ゲルが乾
燥するまで高温の条件下にさらされることになる。それ
ゆえ、速く乾いた含水ゲルは過乾燥されて吸水性樹脂と
しての物性が低下してしまうことになる。
乾燥するに当たって、未乾燥物の発生を完全に防止する
とともに、該含水ゲルの乾燥物である吸水性樹脂の物性
の低下も防止することはできなかった。
問題点に鑑み、吸水性樹脂の製造過程において、乾燥工
程では、未乾燥物はごく微量であれ必ず生じるものであ
ると見なし、生じた未乾燥物を乾燥物から分離すること
によって、吸水性樹脂の製造を効率的に行うとともに、
高品位の吸水性樹脂を製造することが可能であることを
見いだし、本発明を完成するに至った。
過程において、乾燥工程の後に得られる粒粉状の含水ゲ
ルの乾燥物中では、未乾燥物の粒子は乾燥物の粒子より
も体積や重量が大きくなっていることから、粒粉状の乾
燥物を分級することによって未乾燥物を効率的に分離す
ることが可能であることを見いだし、本発明を完成させ
るに至った。
樹脂の製造方法は、上記の課題を解決するために、含水
ゲル状架橋重合体を乾燥物とする乾燥工程と、該乾燥物
を粉砕する粉砕工程とを有する吸水性樹脂の製造方法に
おいて、上記粉砕工程前あるいは粉砕工程中に行われ、
乾燥物に含まれる含水ゲル状架橋重合体の未乾燥物を分
離する分離工程を有することを特徴としている。
となった含水ゲルの未乾燥物が粉砕機に付着して、該粉
砕機による粉砕を円滑に行うことができなくなったり、
粉砕機が停止したりすることを効果的に防止することが
できる。さらに、最終製品である吸水性樹脂に未乾燥物
が混入しないため、吸水性樹脂の物性の低下を抑制し、
より高品質の吸水性樹脂を製造することができる。
方法は、上記の課題を解決するために、上記請求項1記
載の方法に加えて、上記分離工程における未乾燥物の分
離は、乾燥物を分級することによりなされることを特徴
としている。
有するゴム状態となっているため、容易に砕かれず大き
な粒子のまま残存する。また、含水ゲルが元から粒粉状
の粒子である場合でも、含水率が高くまた凝集し易いた
め、乾燥物の粒子と比べて相対的に大きくなる。したが
って、粒粉状の乾燥物中には、比較的小さい体積の乾燥
物の粒子に加え、砕かれず残存した体積の大きい未乾燥
物が混入していることになる。
ば、上記粒粉状の乾燥物を所定のふるいなどによってふ
るい分けて分級すると、大きい未乾燥物を乾燥物から容
易に分離することができる。しかも、分離に伴い複雑な
装置を用いることはなく簡単かつ効率的に乾燥物から未
乾燥物を分離することができるので、製造コストの増大
を抑制しつつ高品質の吸水性樹脂を製造することができ
る。
方法は、上記の課題を解決するために、上記請求項1ま
たは2記載の方法に加えて、上記乾燥工程に用いられる
乾燥機がバンド乾燥機であるとともに、さらに、上記分
離工程前または分離工程中に行われる、乾燥物の凝集体
を大まかに砕く解砕工程を有することを特徴としてい
る。
燥機は連続的に含水ゲルを乾燥させることが可能である
ため、吸水性樹脂を大量生産することができる。このバ
ンド乾燥機による乾燥では、乾燥に伴い含水ゲルが凝集
して凝集体となるが、この凝集体を解砕工程で解砕する
ことによって、含水ゲルの乾燥物を連続的に大量に生産
することができる上に、乾燥物中に含まれる未乾燥物を
分離することによって、吸水性樹脂の製造を効率的に行
うことができる。また得られる吸水性樹脂に未乾燥物が
混入しないので、吸水性樹脂の品質を向上させることが
できる。
水ゲルの弾性や強度に依存せず、連続して含水ゲルを投
入することが可能であるとともに、乾燥機に含水ゲルが
付着することによるトラブルが少ない。そのため、吸水
性樹脂の製造をより効率的かつ低コストで行うことがで
きる。
方法は、上記の課題を解決するために、上記請求項1か
ら3の何れか1項に記載の方法に加えて、上記粉砕工程
における乾燥物の粉砕は一段以上のロールミルによりな
されることを特徴としている。
ミルは比較的構成が簡素であるにもかかわらず、被粉砕
物(この場合、含水ゲルの乾燥物)に対して複雑な作用
を与えて、被粉砕物を良好に粉砕することができる。特
に、バンド乾燥機を用いる場合には、バンド乾燥機の乾
燥処理に伴って乾燥物を連続的に粉砕することができ
る。
方法は、上記の課題を解決するために、上記請求項1ま
たは2記載の方法に加えて、上記乾燥工程に用いられる
乾燥機が、含水ゲル状架橋重合体を粉砕して粉砕生成物
とする粉砕機と、該粉砕生成物を分級する分級器とを備
えている気流乾燥機であることを特徴としている。
程、分離工程、粉砕工程を一工程で行うことが可能とな
る。そのため、吸水性樹脂の製造効率を非常に向上させ
ることができるとともに、製造コストの低減も可能とな
る。
方法は、上記の課題を解決するために、上記請求項1か
ら5の何れか1項に記載の方法に加えて、上記未乾燥物
の含水率は15重量%を超えていることを特徴としてい
る。
を超えると、非常に強い粘着力と凝集性を示す大きなゴ
ム状のゲルとなる。一方、含水率が15重量%以下とな
ると、該含水ゲルは粘着性や凝集性は非常に低下し、小
さな粒子となる。
ルの性質に着目し、未乾燥の含水ゲル(含水率が15重
量%を超える)は乾燥した含水ゲル(含水率が15重量
%以下となる)よりも相対的に大きくなりことを利用し
て、乾燥工程後に得られる粒粉状の乾燥物をふるいなど
によりふるい分けて分級したり、気流乾燥機を用いて粒
子の大小や軽重を分級したりすることによって、未乾燥
物を容易に分離することができる。
一形態について、図1ないし図6に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定され
るものではない。本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法
は、エチレン性不飽和単量体を微量の架橋剤の存在下で
水溶液重合して得られる含水ゲル状架橋重合体を乾燥し
て含水ゲル状架橋重合体の粒粉状の乾燥物とした後に、
該乾燥物中に含まれる未乾燥物を分離し、乾燥物のみを
得て、これを粉砕して最終製品である吸水性樹脂とする
方法である。
いられるエチレン性不飽和単量体は、水溶性を有する単
量体であり、具体的には、たとえば、(メタ)アクリル
酸、β−アクリロイルオキシプロピオン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン
酸、ケイ皮酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホ
ン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリ
ルスルホン酸、ビニルホスホン酸、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルリン酸、(メタ)アクリロキシアル
カンスルホン酸などの酸基含有単量体、およびこれらの
アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩、アルキルアミン塩;N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート類およびこれら四級化物
(たとえば、アルキルハイドライドとの反応物、ジアル
キル硫酸との反応物など);ジアルキルアミノヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート類およびこれら四級化
物;N−アルキルビニルピリジニウムハライド;ヒドロ
キシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エ
チル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレートなどのアルコキ
シポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ビニル
ピリジン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリド
ン、N−アクリロイルピペリジン;N−ビニルアセトア
ミド;などが挙げられる。これらエチレン性不飽和単量
体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を
適宜混合してもよい。
ち、アクリル酸塩系単量体を主成分として含む単量体を
用いると、得られる含水ゲル状架橋重合体の吸水特性や
安全性がより一層向上するので好ましい。ここで、アク
リル酸塩系単量体とは、アクリル酸、および/またはア
クリル酸の水溶性塩類を示す。
率が30モル%〜100モル%の範囲内、好ましくは5
0モル%〜99モル%の範囲内であるアクリル酸のアル
カリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ヒ
ドロキシアンモニウム塩、アミン塩、アルキルアミン塩
を示す。上記例示の水溶性塩類のうち、ナトリウム塩お
よびカリウム塩がさらに好ましい。
いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。な
お、吸水性樹脂の平均分子量(重合度)は、特に限定さ
れるものではない。
て含む単量体組成物を、架橋剤の存在下で重合させるこ
とによって上記の含水ゲル状架橋重合体を得ることがで
きるが、上記単量体組成物には、得られる含水ゲル状架
橋重合体の親水性を阻害しない程度に、上記エチレン性
不飽和単量体と共重合可能な他の単量体(共重合性モノ
マー)を含んでいてもよい。
には、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートな
どの(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニルなどの疏水性単量体;などが挙げられ
る。これら共重合性モノマーは、単独で用いてもよく、
また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
いられる架橋剤としては、たとえば、分子内にビニル基
を複数有する化合物;分子内にカルボキシル基やスルホ
ン酸基と反応することのできる官能基を複数含有する化
合物;などが挙げられる。これら架橋剤は、単独で用い
てもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
しては、具体的には、たとえば、N,N−メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリ
レート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチ
レンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、N,N−ジアリルアクリルアミド、
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ジア
リルオキシ酢酸、ビス(N−ビニルカルボン酸アミ
ド)、テトラアリロキシエタンなどが挙げられる。
反応することのできる官能基を複数有する化合物として
は、(ポリ)エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコー
ル、(ポリ)グリセリン、2−ブテン−1,4−ジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメ
チロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキ
シプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトールなどの多価アルコール化合物;(ポ
リ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポ
リ)グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロ
ールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、グリシドールなどのエポ
キシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリアミドポリアミ
ン、ポリエチレンイミンなどの多価アミン化合物、並び
に、それら多価アミンとハロエポキシ化合物との縮合
物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートなどの多価イソシアネート化合物;
1,2−エチレンビスオキサゾリンなどの多価オキサゾ
リン化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシ
ランカップリング剤;1,3−ジオキソラン−2−オ
ン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒ
ドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−
ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジ
オキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン
などのアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒド
リンなどのハロエポキシ化合物;亜鉛、カルシウム、マ
グネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウムなどの水
酸化物あるいは塩化物などが挙げられる。
されるものではないが、上記単量体成分に対して、0.
0001モル%〜10モル%の範囲内であることが好ま
しく、0.001モル%〜1モル%の範囲内であること
がより好ましい。
する方法は、特に限定されるものではなく、バルク重
合、沈澱重合、水溶液重合または逆相懸濁重合などの従
来公知の種々の重合方法を採用することができる。その
なかでも、得られる吸水性樹脂の吸水特性を向上させる
とともに、重合の制御の容易さから、上記の単量体成分
を水溶液とした水溶液重合が好ましい。
ことなく、静置して重合させるほうが好ましい。さら
に、上記のエチレン性不飽和単量体を水溶液重合させる
際には、連続式重合、または回分重合の何れかの方式を
採用してもよく、また、常圧、減圧、加圧の何れの圧力
下で実施してもよい。なお、重合反応は、窒素、ヘリウ
ム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスの気流下で
行うことが好ましい。
とえば、重合開始剤、あるいは放射線や電子線、紫外
線、電磁線などの活性化エネルギー線などを用いること
ができる。上記重合開始剤としては、具体的には、たと
えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウム、過酸化水素などの無機化合物;t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、クメンハイ
ドロパーオキサイドなどの有機過酸化物;2,2’−ア
ゾビス(N,N’−メチレンイソブチルアミジン)また
はその塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン
アミジン)またはその塩、4,4’−アゾビス−4−シ
アノ吉草酸などのアゾ化合物;などのラジカル重合開始
剤が挙げられる。
く、また、二種類以上を併用してもよい。また、重合開
始剤として過酸化物を用いる場合には、たとえば、亜硫
酸塩、重亜硫酸塩、L−アスコルビン酸などの還元剤を
併用して酸化還元(レドックス)重合を行ってもよい。
て得られる含水ゲル状架橋重合体は、内部に気泡を含有
していると、得られる吸水性樹脂の吸水特性を向上させ
ることができるので特に好ましい。内部に気泡を含有す
る含水ゲル状架橋重合体は、上記単量体成分を、気泡を
含有するように、架橋剤の存在下で重合させることによ
って容易に得ることができる。
剤の存在下での重合方法;発泡剤として炭酸塩(特開平
5−237378号公報、特開平7−185331号公
報)を用いての重合方法;ペンタンやトリフルオロエタ
ンなどの水に不溶な発泡剤をモノマー中に分散させての
重合方法(米国特許第5328935号公報、米国特許
第5338766号公報);固体微粒子状発泡剤を用い
ての重合法(国際公開WO96/17884号公報);
界面活性剤の存在下に、不活性気体を分散させながら重
合する方法;など、従来公知の種々の方法を採用するこ
とができる。
せる際には、溶媒として水を用いることが好ましい。つ
まり、上記単量体成分および架橋剤を水溶液とすること
が好ましい。これは、得られる吸水性樹脂の吸水特性を
向上させるとともに、発泡剤による発泡を効率的に行う
ためである。
中の単量体成分の濃度は、20重量%〜60重量%の範
囲内がより好ましい。単量体成分の濃度が20重量%未
満の場合には、得られる吸水性樹脂の水可溶性成分量が
増加するおそれがあるとともに、発泡剤による発泡が不
十分となり、吸水速度を向上させることができなくなる
おそれがある。一方、単量体成分の濃度が60重量%を
越える場合には、反応温度並びに発泡剤による発泡を制
御することが困難となるおそれがある。
水に可溶な有機溶媒とを併用することもできる。該有機
溶媒としては、具体的には、たとえば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、アセトン、ジメチルスルホキシ
ド、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリ
ン、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレン
グリコール、アルキレンカーボネートなどが挙げられ
る。これら有機溶媒は、単独で用いてもよく、また、二
種類以上を併用してもよい。
該単量体水溶液に分散あるいは溶解するものを使用する
ことができる。該発泡剤としては、具体的には、たとえ
ば、n−ペンタン、2−メチルプロパン、2,2−ジメ
チルプロパン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、置換さ
れたベンゼン、クロロメタン、クロロフルオロメタン、
1,1,2−トリクロロトリフルオロメタン、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アゾジ
カルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリルなどの上
記単量体水溶液に分散あるいは溶解する揮発性の有機化
合物;重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸ア
ンモニウム、亜硝酸アンモニウム、塩基性炭酸マグネシ
ウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩;ドライアイス;ア
ミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩などが挙げられ
る。上記発泡剤は、単独で用いてもよく、二種類以上を
併用してもよい。
および発泡剤の組み合わせなどに応じて適宜設定すれば
よく、特に限定されるものではない。しかしながら、単
量体100重量部に対して0.001重量部〜10重量
部の範囲内であることがより好ましい。発泡剤の使用量
が上記の範囲から外れると、得られる吸水性樹脂の吸水
特性が不十分となるおそれがある。
橋重合体(以下、単に含水ゲルとする)から本発明にお
ける吸水性樹脂が製造されるが、本発明にかかる吸水性
樹脂の製造方法は、上記含水ゲルを所定の範囲内の含水
率となるまで乾燥して粒粉状の乾燥物とする乾燥工程
と、該乾燥物を粉砕して最終製品(吸水性樹脂)とする
粉砕工程とに加え、上記乾燥物中に含まれる含水ゲルの
未乾燥物を分離する分離工程とを少なくとも有してい
る。
〜80重量%の範囲内であることが好ましい。含水率が
20重量%未満では、含水ゲルの細粒化が困難となった
り、気泡を含有する含水ゲルの場合、気泡が潰れてしま
うことがある。また、含水率が80重量%よりも高くな
ると、乾燥に時間を要しすぎることになる。
トチョッパー、ギロチンカッター、カッティングミル
(竪型切断機)などにより重合時、または重合後に細粒
化される。細粒化された含水ゲルの90%以上は、その
粒径が0.1〜10mmの範囲内となっていることが好
ましい。また、この粒状の含水ゲルの平均粒径は0.5
〜5mmの範囲内であることが好ましく、0.8〜4m
mの範囲内であることがより好ましい。含水ゲルの粒径
または平均粒径が上記の範囲内から外れると、乾燥が効
率的に行われなくなることがある。
しては特に限定されるものではないが、本実施の形態で
は、箱型乾燥機、ドラム乾燥機、並行流バンド・トンネ
ル乾燥機や通気バンド乾燥機などのバンド乾燥機といっ
た乾燥過程で含水ゲルが凝集する乾燥機(以下、凝集式
乾燥機とする)を用いている。なお、乾燥過程で含水ゲ
ルが凝集しない乾燥機(非凝集式乾燥機)も好適に用い
ることができるが、これについては、後述する実施の形
態2で説明する。
いた場合における本発明にかかる吸水性樹脂の製造過程
について、以下にさらに具体的に説明する。上記箱型乾
燥機は、所定の大きさの箱型のケーシングの中に複数の
乾燥棚を備えており、被乾燥物(本発明では含水ゲル)
を乾燥棚に静置して熱風などを通気させることにより乾
燥を行うものである。
のと熱風によらないものがあり、たとえば、図1に示す
ように、熱風を通気流として利用することににより含水
ゲルを乾燥する箱型乾燥機10が挙げられる。この箱型
乾燥機10は、ケーシング11の内部に複数の乾燥棚1
2…を備えており、さらに、熱風を生成するための空気
加熱器13および熱風を循環させるための循環用送風機
14、熱風を排出する排風機15などを備えている。こ
の箱型乾燥機10では、ケーシング11内において、図
中矢印で示すように熱風が循環利用され、この熱風によ
り、乾燥棚12上の含水ゲルが乾燥される。
行うために、少量多品種の生産に適しているとともに、
本発明における含水ゲルのような粒状や塊状となる被乾
燥物の乾燥に適している。しかも、経費を安く抑えるこ
とができるため、製造コストの低減も可能である。
は、他に、並行流によるものがある。さらに、熱風によ
らない箱型乾燥機としては、ケーシング内を真空とする
真空型や伝導加熱型、あるいは放射加熱型のものがあ
る。これら乾燥方式については、被乾燥物である含水ゲ
ル、または得られる吸水性樹脂の特性に合わせて適宜選
択することができる。
の他の熱媒体で加熱された回転ドラムの表面に液状また
は泥状の被乾燥物を薄膜状に形成して、回転ドラムの一
回転する間に乾燥させるものである。被乾燥物が液状で
ある場合には、液中に回転ドラムを浸漬させたり、回転
翼により跳ねかけたり、噴霧したりして回転ドラムに被
乾燥物の薄膜を積層するが、本発明における含水ゲルの
ように泥状のものは、別の小型ローラーで回転ドラムに
粘着させる手法が取られることが多い。
(a)に示すように、図中矢印の方向に回転する一つの
回転ドラム21と、この回転ドラム21に対向するよう
に、図中矢印の方向に回転して、含水ゲル(泥状の被乾
燥物)5を供給する供給ローラー22と、乾燥した薄膜
状の乾燥物を回転ドラム21から剥離するための固定ナ
イフ23などを備えている。含水ゲル5は回転ドラム2
1が一回転する間に乾燥してすぐに固定ナイフ23によ
り剥離されるので、含水ゲル5が過乾燥することがない
という利点を有している。
に示す方向に、二つの回転ドラム21a・21aが互い
に対向しているドラム乾燥機20aでもよい。このドラ
ム乾燥機20aは、上記回転ドラム21a・21aの上
方に含水ゲル5の供給部24が設けられ、該回転ドラム
21a・21aの間に含水ゲル5を供給する。含水ゲル
5は乾燥されると同時に、回転ドラム21a・21a同
士の巻き込みにより含水ゲル5の乾燥物が砕かれ、さら
に固定ナイフ23により剥離される。そのため、乾燥と
後述する解砕とを同時に行うことができるという利点を
有している。
ゲルを直接接触させるために、80〜90%の高い熱効
率実現することができる。さらに、一般に設備費や維持
費が少なくてすむとともに、操作そのものも融通性に富
む利点もある。たとえば、乾燥を回分式することも連続
式にすることも選択可能である。なお、ドラム乾燥機の
形式は、被乾燥物である含水ゲル、または得られる吸水
性樹脂の特性に合わせて適宜選択することができる。
異なり、乾燥を連続式で行うものであり、たとえば、幅
1〜3mの無端の金網や多孔板製のバンドを備えてお
り、このバンド上に被乾燥物を搭載して移動させながら
乾燥を行うものである。乾燥には通常熱風が用いられ、
この熱風を並行流また通気流としているものが多い。
乾燥機としては、並行流バンド・トンネル乾燥機が挙げ
られる。この並行流バンド・トンネル乾燥機30aは、
図3に示すように、トンネル型の乾燥室31内に、図示
しない駆動装置によって駆動される無端のバンド32を
備えている。このバンド32上に含水ゲル5を搭載し、
図中矢印Bで示す熱風の中で被乾燥物を矢印Aで示す方
向に移動させて乾燥を行う。
では、熱風の偏流を防止するために、十字流などの熱風
流を形成しており、送風機33により、熱風を全体とし
て並、向流に流すようになっている。このような熱風が
含水ゲル5に連続的に接触することで含水ゲル5を良好
に乾燥させることができる。なお、送風機33毎に吸排
気する回分式を連ねたような構成であってもよい。
ては、通気バンド乾燥機が挙げられる。この通気バンド
乾燥機30bは、図4(a)に示すように、トンネル型
の乾燥室31内に図示しない駆動装置によって駆動され
る無端のバンド32を備えている点は、上記並行流バン
ド・トンネル乾燥機と同様であるが、図4(b)・
(c)に示すように、熱風をバンド32上の含水ゲル5
の上下方向から通気させるようになっている。
35からバンド32上に供給された含水ゲル5は、図中
矢印Cで示すバンド32の回動に伴い、バンド32上方
側に設けられている第一のファン36a近傍に到達す
る。第一のファン36a近傍では、図4(b)に示すよ
うに、バンド32下方に設けられている空気加熱器37
によって加熱された空気が、第一のファン36aにより
下方側から上方側へ通気するようになっている(図中矢
印)。この通気によって、主にバンド32に接触する側
の含水ゲル5が乾燥される。
2の下方側に設けられている第二のファン36b近傍に
含水ゲル5が到達すると、図4(c)に示すように、バ
ンド32上方に設けられている空気加熱器37によって
加熱された空気が、第二のファン36bにより上方側か
ら下方側へ通気するようになっている。この通気によっ
て、主にバンド32上方側の含水ゲル5が乾燥される。
ルを乾燥させることが可能であるため、箱型乾燥機やド
ラム乾燥機に比べて、吸水性樹脂の大量生産に向く乾燥
機となっている。また、このバンド乾燥機による乾燥
は、含水ゲルの弾性や強度に依存せず、連続して含水ゲ
ルを投入することが可能であり、さらに、乾燥機に含水
ゲルが付着することによるトラブルが少ないなど多くの
優れた特長を有している。そのため、上記バンド乾燥機
を用いる乾燥法は、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方
法においてより好ましい乾燥法となっている。
で得られる含水ゲルの乾燥物は、乾燥過程で互いに凝集
して凝集体になり、粒粉状の乾燥体が得られない。そこ
で、上記乾燥法による乾燥工程の後に、凝集体を解砕し
て粒粉状の乾燥体とする工程(解砕工程)を実施する。
まかに砕くことを「解砕」と表現し、この解砕を行う工
程を「解砕工程」とする。具体的には、たとえば、凝集
体が板状であり、その幅が20〜200cm、厚さが5
〜100mmとなっているとすると、この板状凝集体を
砕いて20〜100mm角の角状凝集体とする。なお、
板状凝集体を解砕するに当たっては、板状凝集体の一部
がほぐれて一次粒子に戻ったり、あるいは一次粒子の一
部も砕かれ得る。
細かく砕いて粒状凝集体と一次粒子とにすることを「粗
砕」と表現し、この粗砕を行う工程を「粗砕工程」とす
る。具体的には、上記解砕工程で得られた角状凝集体の
大きさが20〜100mm角であれば、粗砕によって、
この角状凝集体を1〜10mm角粒状凝集体とする。こ
の粗砕においても凝集体だけでなく一次粒子の一部も砕
かれる。また、一次粒子も生成する。
や、粗砕により得られる粒状凝集体や一次粒子をより細
かく砕いて、最終製品である吸水性樹脂とすることを
「粉砕」と表現し、この粉砕を行う工程を「粉砕工程」
とする。具体的には、上記粗砕工程で得られた粒状凝集
体の大きさが1〜10mm角であれば、粉砕によって、
この凝集体を0.01〜1mm角の吸水性樹脂とする。
において、含水ゲルを砕く方法については特に限定され
るものではない。たとえば、解砕法としては圧縮による
解砕が好適に用いられ、凝集式乾燥機としてバンド乾燥
機を用いた場合では、バンドの回動速度よりも速い速度
で回転するニーダーをバンド下流に配置し、乾燥が終了
した凝集体をこのニーダーで巻き込むようにして解砕す
るといった方法を用いることができる。
たとえば、所定の間隔で突き出た複数のピンとこの複数
のピンとかみ合うような複数のピンを備えるピンミルを
用いて凝集体を粗砕する方法を用いることができる。
いても構わず、特に限定されるものではないが、この粉
砕工程は、最終製品となる吸水性樹脂を得る直前の工程
であるため、乾燥物をより細かく砕く必要がある。そこ
で、粉砕工程に用いられる粉砕機としては、ピンミル、
ハンマーミル、ロールミルなどの高速回転式粉砕機や、
気流粉砕機、ボールミル、あるいは、二つの歯板の間に
板状の凝集体をはさみ込んで圧縮により解砕を行う解砕
機や、さらには、シュレッダーや二軸または三軸のスク
リュー型破砕機などを好適に用いることができる。
は、ハンマーで砕くような手法であってもよい。さら
に、ドラム乾燥機を用いる場合では、回転ドラムが二つ
対向して設けられていれば、これら回転ドラムの間に乾
燥物を通して粗砕することができる。
バンド乾燥機を用いるような場合は、一段以上設けられ
たロールミル、好ましくは二段以上、三段前後のロール
ミルを用いる。ロールミルは比較的構成が簡素であるに
もかかわらず、被粉砕物(この場合、含水ゲルの乾燥
物)に対して複雑な作用を与えて、被粉砕物を良好に粉
砕することができる。特に、バンド乾燥機を用いる場合
には、バンド乾燥機の乾燥処理に伴って乾燥物を連続的
に粉砕することができるため好ましい。
ることにより、粒度分布がシャープで100μm以下の
微粉の少ない粉砕生成物を得ることができる。ロールに
は縦または横の溝が刻まれているものが好適に用いられ
る。対向するロールは互いに等速で回転してもよいし、
あるいは一方がより速い速度で回転してもよい。
法では、乾燥工程において、上記凝集式乾燥機を用いて
いるため、乾燥の進行に伴って粒粉状の含水ゲルが互い
に凝集し板状の凝集体となる。そこで、この凝集体を解
砕工程で解砕した後に、さらに粉砕して吸水性樹脂を得
ることになるが、上記板状の凝集体が乾燥工程におい
て、一定の厚さを有する均一な層として積層されていれ
ば、含水ゲルを非常に均一に乾燥することが可能とな
り、高品質の吸水性樹脂が得られることになる。
は、含水ゲルの層を均一に積層することが困難であり、
また、含水ゲルに10mmよりも大きい粒子が含まれて
いると、上記の何れの凝集式乾燥機を用いた方法であっ
ても、含水ゲルの未乾燥物の発生は回避できない。この
ような未乾燥物の発生により、後の粉砕工程で、粉砕に
用いられる粉砕機に未乾燥物が付着して粉砕機の稼動を
停止させるトラブルが発生し易くなり、吸水性樹脂の製
造効率を低下させることになるとともに、未乾燥物が乾
燥物に混入すると、得られる吸水性樹脂の物性を低下さ
せることになる。
の製造方法では、含水ゲルの乾燥物に混入している未乾
燥物を分離する分離工程を有している。すなわち、本発
明にかかる吸水性樹脂の製造方法では、乾燥工程の後の
解砕工程、または粗砕工程で得られる粒粉状の乾燥物か
ら、含水ゲルの未乾燥物を分離している。これによっ
て、高品質の吸水性樹脂を効率良く製造することができ
る。
物を分級することにより、未乾燥物を分離している。こ
れは、含水ゲルが有する次のような性質に基づいてい
る。
れる板状の凝集体を解砕すると、凝集体中における含水
ゲルの乾燥物は容易に解砕されて粒粉状となるが、未乾
燥物は強い粘着性を有するゴム状態となっているため、
容易に解砕されない。したがって、解砕工程により得ら
れる粒粉状の乾燥物は、比較的小さい体積の乾燥物の粒
子と、解砕工程では解砕されないため残存している体積
の大きい未乾燥物とからなっていることになる。
いなどによってふるい分けて分級することにより、小さ
い粒子である乾燥物とより大きな粒子である未乾燥物と
を分離する。このように粒粉状の乾燥物を大きさを基準
にふるいなどで分級することにより、複雑な装置を用い
ることなく簡単かつ効率的に未乾燥物を分離することが
できる。
ゲルの乾燥物は、その含水率が15重量%以下となって
いる。換言すれば、含水ゲルの含水率が15重量%を超
えるものは未乾燥物であるとみなす。
分が30〜40重量%の範囲内、すなわち含水率が60
〜70重量%程度の範囲内となっていることが多い。こ
の含水ゲルが乾燥して固形分が50〜70重量%の範囲
内、すなわち含水率が30〜50重量%程度の範囲内に
達すると、急激に粘着性が上昇する。このような粒状の
含水ゲルは互いに凝集して最終的には凝集体となり易
い。
を超える程度、すなわち含水率が10〜15重量%程度
になると粘着性は急激に低下するとともに、外力によっ
て非常に粉砕し易くなる。つまり、含水率が15重量%
を超える含水ゲルは非常に強い粘着力を示すゴム状のゲ
ルとなり、粉砕機などで粉砕することができず、逆に粉
砕機に付着して粉砕機の稼動を停止させるようなことに
なる。一方、含水率が15重量%以下となると、粘着性
は非常に低下し、粉砕機で粉砕し易くなる。
工程では乾燥物が凝集体となるが、この凝集体を解砕す
る際に、15重量%以下の含水率となっている部分は容
易に解砕されるが、15重量%を超える部分は容易に解
砕されず、そのまま大きな凝集体として残存する。
程では、乾燥物も未乾燥物も粒粉状の粒子であるが、こ
の未乾燥物の粒子は乾燥物の粒子よりも含水率が高くそ
の粘着性が大きいため、互いに凝集したり、乾燥物が付
着したりして、乾燥物の粒子に比べて相対的に大きくか
つ重くなる。
この含水ゲルの性質に着目し、未乾燥の含水ゲル(含水
率が15重量%を超える)が乾燥した含水ゲル(含水率
が15重量%以下となる)よりも相対的に大きくなるこ
とを利用して、乾燥工程後に得られる粒粉状の乾燥物を
ふるいなどによりふるい分けて分級したり、気流乾燥機
を用いて粒子の大小や軽重を分級したりすることによっ
て、未乾燥物を容易に分離することができる。
含水ゲルの未乾燥物(含水率が15重量%を超える)は
非常に解砕または粉砕されにくい性質を有しているた
め、通常の解砕工程では砕かれず、大きな粒子として残
存する。すなわち、含水ゲルの未乾燥物の粒子は、単に
解砕が不十分なことによるものではなく、解砕されない
がために粒子として残存しているものである。それゆ
え、粒粉状の乾燥物を分級すると大きい粒子である未乾
燥物が容易に分離することができる。
物としては、粘着性の高い未乾燥物に乾燥物が付着して
凝集しているものを含む。また、ある程度乾燥された未
乾燥物は、単なるゲル状態ではなく、表面は乾燥してい
るものの内部の含水率は高くなっているゴム状態となっ
ているが、このゲル状態の含水ゲルも未乾燥物に含め
る。
ゲルの乾燥前の重量を測定し、さらにこの含水ゲルを1
80℃で3時間の乾燥を行った後に乾燥後の重量を測定
し、乾燥前と乾燥後の重量の変化から算出する。この含
水率の算出に用いる式を次に示す。なお、wt0 は乾燥前
の含水ゲルの重量を示し、wt1 は乾燥後の含水ゲルの重
量を示す。
実施の形態における吸水性樹脂の製造の流れを図5に基
づいて説明する。まず、ステップ1(以下、ステップを
Sと略す)では、エチレン性不飽和単量体を微量の架橋
剤の存在下で水溶液重合して含水ゲルを得る(含水ゲル
重合工程)。さらに、S2として、得られた含水ゲルを
細粒化する(細粒化工程)。次に、S3として、得られ
た含水ゲルを上記の各乾燥機を用いた方法で乾燥させる
(乾燥工程)。このとき、S2で得られた含水ゲルは細
粒化され粒粉状となっているが、S3の乾燥工程では、
含水ゲルは板状に凝集する。
などで解砕し、含水ゲルの乾燥物の角状凝集体を得る
(解砕工程)。ここで、S5として、解砕工程で得られ
る含水ゲルの角状凝集体をさらに解砕して粒状凝集体と
する粗砕工程を加えてもよい。解砕工程で得られる角状
凝集体が大き過ぎて、後の分離工程での未乾燥物の分離
が良好に行われなくなるような場合には、粗砕工程を加
えることが好ましい。
了後、S6として、角状凝集体または粒状凝集体中に含
まれる含水ゲルの未乾燥物を分離する(分離工程)。こ
のときの分離法は、上述したように、ふるいなどにより
粒子を所定の大きさにふるい分ける分級法を用いること
が特に好ましい。また、このとき、大幅なロスとならな
い限り、未乾燥物とともに乾燥物が分級されて分離され
ても構わない。つまり、最終製品を得るための粉砕工程
に未乾燥物が到達しなければよい。
ゲルの未乾燥物は、適宜回収して、再び所定の範囲内の
含水率となるまで乾燥してもよい(S7の再乾燥工
程)。この再乾燥工程では、先に、再乾燥するか否かを
判断する。S6において分離・回収された未乾燥物の量
が非常に少なく、再利用する方がコストの増大を招くよ
うな場合には、未乾燥物を廃棄する。これに対して、未
乾燥物を再乾燥する場合には、回収される未乾燥物の状
態や、吸水性樹脂の製造過程全体の流れを鑑みた場合の
コストや製造効率などに基づき、その乾燥法を適宜選択
する。
における乾燥工程で用いられた乾燥機に未乾燥物をフィ
ードバックしてもよいし、S3とは独立した乾燥機を用
いて再乾燥してもよい。すなわち、未乾燥物がS3にお
ける乾燥機を用いて好適に乾燥できるのであれば、コス
トの抑制や製造過程の簡素化を招来できる点から未乾燥
物をフィードバックする方法が好ましい。
バックしても未乾燥物を十分に乾燥できないような場合
には、S3とは独立した乾燥機により乾燥を行う方が効
率的である。なお、この独立した乾燥機としては、S3
で用いられたものと同種類の乾燥機であっても別の種類
の乾燥機であってもよい。乾燥機の種類は、未乾燥物の
状態により、適宜選択することができる。また、S3と
は独立した再乾燥工程の後に得られる角状凝集体や粒状
凝集体の乾燥物は、適宜、粉砕工程などで所定の大きさ
に分級される。
燥物のみとなった角状凝集体、粒状凝集体および一次粒
子を所定の粒径(たとえば、850μm)以下の一次粒
子に粉砕する(粉砕工程)。最後に、粉砕されて得られ
た粉砕生成物は、最終製品である吸水性樹脂とするため
に、S9として、所定の範囲内の大きさに分級される
(分級工程)。
物は、粉砕工程で負荷の軽減、並びに、たとえば100
μm以下の微粉末の発生を防ぐため、粉砕工程の前に分
級され、たとえば850μm以下の一次粒子は除かれて
もよい。除かれた850μm以下の粒子は、適宜、最終
製品に加えられる。
の大きさとなった粉砕生成物が最終製品である吸水性樹
脂となったり、図示しない造粒工程や表面架橋処理工程
に送られる。一方、所定の範囲から外れる大きな粉砕生
成物は、粉砕が不十分であることによるため再度粉砕す
るか、その量が少量であれば廃棄する。これによって、
本発明における物性の優れた吸水性樹脂が効率よく得ら
れることになる。
程を有する吸水性樹脂の製造方法では、乾燥工程の後に
解砕工程、好ましくは粗砕工程も加えることによって、
粒粉状の凝集体を効率的に得ることができる。そして、
得られた粒粉状の凝集体から未乾燥物を分離することに
よって、粉砕工程に未乾燥物が到達せず、粉砕工程にお
ける種々のトラブルの発生を防止することができる。ま
た、最終製品である吸水性樹脂に未乾燥物が混入しない
ために、高品位の吸水性樹脂を効率的に得ることができ
る。
性樹脂の製造方法において、最後の粉砕工程の後に通常
行われている工程である。そのため、本発明にかかる吸
水性樹脂の製造方法に独自の工程である分離工程でなさ
れる分級とは、根本的に異なる工程である。
分なものを選別するための工程であるが、本発明におけ
る分離工程は、含水ゲルの未乾燥物を分離するための工
程であり、この分離工程において分級という手法を用い
ると上記未乾燥物を容易に分離することが可能となる。
したがって、分離工程では、未乾燥物を効果的に分離で
きるのであれば、分級に限定されるものではない。
吸水性樹脂を得る直前に行われることがほとんどであ
る。そのため、本発明における分離工程のように、粉砕
工程の前に行われる工程ではない。この点からも、上記
分級工程と分離工程とは全くことなる工程であることは
明らかである。
も含めて、図6に基づいてさらに詳細に説明する。な
お、以下の説明では、バンド乾燥機を用いて乾燥工程を
実施した場合を具体例として製造の流れを説明する。
1を行って含水ゲルを得た後、S2でミートチョッパー
により細粒化する。次に、S3で、バンド乾燥機により
細粒化された含水ゲルを乾燥させる。含水ゲルはバンド
上に搭載されバンドの回動に伴って下流側に移動しなが
ら乾燥し、凝集していくが、このバンドの下流端となる
位置にバンドの移動速度よりも速くなるような回転数
(たとえば、バンドの移動速度の1.01〜10倍程
度)で回転するニーダーを設け、このニーダーにより、
乾燥して凝集した板状の凝集体を巻き込みながら解砕し
ていく(S4)。
集体をさらにピンミルにより粗砕して粒状凝集体を得る
(S5)。この粒状凝集体、すなわち粒粉状の乾燥物中
には、未乾燥物の粒子が含まれている。このような未乾
燥物の粒子は、乾燥物の粒子と比較して相対的に大きい
ものであるので、ふるいによりふるい別けて分級する
(S6)。
には、(1)解砕・粗砕工程ではほぐされない未乾燥物
の粒子や凝集体、(2)解砕・粗砕工程でほぐされたが
一次粒子になるまでは解砕されていない乾燥物の凝集
体、および(3)解砕・粗砕工程で十分にほぐされた
り、粗砕された乾燥物の粒子、の三種類が存在する、と
見なすことができる。
乾燥物の粒子や凝集体が最も大きく、(2)の凝集体が
次に大きく、(3)の粒子が最も小さいことになる。そ
こで、上記分離工程ではふるい目の開きがもっとも大き
いものを用いる。たとえば、本実施の形態では、ふるい
目の開きが10mmのものを用いて、未乾燥物の分離を
行っている。なお、以下の説明では、たとえばふるい目
の開きが10mmのものを10mmのふるいと表現す
る。
mmのふるいのふるい上分、すなわち、粒粉状の乾燥物
中で最も粒径の大きい未乾燥物(すなわち、上記(1)
の粒子)は、バンド乾燥機にフィードバックして再乾燥
する(S7)。未乾燥物が非常に少量であればそのまま
廃棄してもよい。一方、バンド乾燥機で良好に再乾燥で
きなければ、別の乾燥機を用いてもよい。
ら、未乾燥物ではなく、粗砕や解砕された比較的粒径が
大きい凝集体(すなわち、上記(2)の凝集体)と一次
粒子とを粉砕する(S8、粉砕工程)。図5におけるS
8である粉砕工程は、上記分離工程の後に行われる。ま
た、このときの粉砕には、二段以上のロールミルやピン
ミル、ハンマーなどが用いられる。
終的な工程であるS9の分級工程で、たとえば、0.8
5mmのふるいによってふるい分けられる。この0.8
5mmのふるいのふるい上分は、上記(2)の粒子に相
当するので、再びピンミルにより粉砕されて0.85m
mのふるいで再びふるい分けが行われる。
る分級では、上記(1)の未乾燥物を分離することを目
的としている。一方、S9の分級工程では、上記(2)
の凝集体や一次粒子を分離することを目的としている。
そのため、これら各工程は根本的に異なるものである。
そして、大きさを選別する分級を上記分離工程に適用す
ると、未乾燥物を効果的に分離することが可能となって
いる。
は、上述したようなふるい分けによる分級法を好適に用
いることができる、熱風により軽く小さい粒子を巻き上
げて、この粒子を分級・回収するような分級法であって
もよく、他の方法であってもよい。すなわち、上記分離
法は、未乾燥物を効率的に分離できる方法であれば特に
限定されるものではない。
製造方法では、含水ゲルを乾燥して粉砕することに際し
て、最終製品である吸水性樹脂を製造するに当たって少
なくとも粉砕工程に含水ゲルの未乾燥物が混入しないよ
うに、粉砕工程前に、未乾燥物を分離・除去する方法で
ある。
法では、粒粉状の乾燥物の中から未乾燥物を分離・除去
するに際し、未乾燥物の粒子は乾燥物の粒子よりも相対
的に大きくなっていることから、ふるいなどを用いたふ
るい分けにより未乾燥物を分離する。
った含水ゲルの未乾燥物が粉砕機、特にロールミルに付
着して、該粉砕機による粉砕を円滑に行うことができな
くなったり、粉砕機が停止したりすることを効果的に防
止することができる。さらに、最終製品である吸水性樹
脂に未乾燥物が混入しないため、吸水性樹脂の物性の低
下を抑制し、より高品質の吸水性樹脂を製造することが
できる。
機としては、バンド乾燥機が特に好ましい。この乾燥機
を用いると、連続的に大量の含水ゲルを処理することが
できるため、吸水性樹脂の製造効率を向上させ、製造コ
ストを抑制する効果が得られる。
回収して再乾燥することにより、さらに吸水性樹脂の製
造コストの低減を抑制することが可能である。また、含
水ゲルの乾燥物を粉砕して最終製品である吸水性樹脂を
得るための粉砕工程では、二段以上のロールミルを用い
ると、簡素な構成で微粉の少ない粉砕生成物を得ること
が可能となる。
について、図7ないし図15に基づいて説明すれば、以
下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるもの
ではない。前記実施の形態1では、乾燥工程において、
凝集式乾燥機を用いた場合について説明したが、本実施
の形態では、乾燥工程おいて、非凝集式乾燥機を用いた
場合について説明する。
しながら乾燥する乾燥機であり、この撹拌により含水ゲ
ルが凝集することがない。この非凝集式乾燥機として
は、具体的には、流動層乾燥機、撹拌乾燥機、円盤乾燥
機、回転乾燥機、気流乾燥機などを挙げることができ
る。
場合における本発明にかかる吸水性樹脂の製造過程につ
いてさらに具体的に説明する。まず、流動層乾燥機、撹
拌乾燥機、円盤乾燥機、および回転乾燥機の構成とこれ
ら凝集式乾燥機を用いた場合の吸水性樹脂の製造過程に
ついて説明する。
(整流板)上に形成される粒粉体状の被乾燥物(含水ゲ
ル)に対して、下方側から熱風を送って流動層を形成さ
せつつ乾燥を行うものである。被乾燥物の粒子と熱風の
接触効率が極めて良好なため、熱の伝導が迅速で、処理
能力が大きいなどの利点を有する。
り、さらに、流動層を多段式または多室式にするものが
ある。たとえば、図7に示すように、横型多室式の流動
層乾燥機40は、乾燥室41、空気加熱器42、サイク
ロン43、送風機44、排風機(ブロアー)45、乾燥
物排出口48などを備えており、さらに乾燥室41内
に、複数の多孔板(整流板)46と仕切板47とを備え
ている。
送風機44で送られる空気は空気加熱器42で加熱され
熱風となり、乾燥室41内で図中矢印で示す方向に流さ
れる。乾燥室41の下方には、多孔板46が備えられて
おり、この多孔板46の上部に含水ゲル5が搭載されて
いる。この含水ゲル5の下方から熱風が送られ、乾燥室
41内で流動層となり、連続的に含水ゲル5を乾燥する
ことができるが、この流動層乾燥機40は、多孔板46
上に隙間を残した仕切り板47を複数並べて多室化して
いるため、滞留時間分布を狭くすることが可能となって
いる。これによってより効率的な乾燥が可能となる。
させ、被乾燥物(含水ゲル)を撹拌しながら連続乾燥さ
せるものである。乾燥は、熱伝導による場合と熱風によ
る場合とがある。被乾燥物の撹拌に当たっては、撹拌羽
を用いて被乾燥物を撹拌する方法もあるが、本発明にか
かる吸水性樹脂の製造方法のように、被乾燥物が凝集性
の高い含水ゲルであれば、ローターにより撹拌すること
が好ましい。
たとえば、図8(a)に示すように、乾燥室としての胴
ジャケット部51、熱風入口52、熱風出口53、被乾
燥物入口54、乾燥物出口55などを備えており、胴ジ
ャケット部51の内部には、図8(b)に示すように、
ローター56が設けられている。
ャケット部51内を通り、熱風出口53から排出され
る。被乾燥物入口54から含水ゲルが投入され、上記熱
風が通る胴ジャケット部51内で、図8(b)に示すよ
うに、図中矢印方向にローター56が回転することによ
り含水ゲルが撹拌されながら乾燥される。乾燥された含
水ゲルは、乾燥物出口55から排出される。このように
して連続的に含水ゲルが乾燥される。
0段ほど重ね、各段上に中心軸から2〜4本の腕を出
し、これに撹拌翼を取り付けているものである。たとえ
ば、図9(a)に示すように、円盤乾燥機60は、複数
の円盤62を多段に備える乾燥室61と、撹拌翼64を
備える中心軸63と、被乾燥物供給機65と、エロフィ
ンヒーター66、バッグフィルター67、サイクロン6
8、送風機69などを備えている。
上述した通り円盤62により形成される各段毎に設けら
れており、1〜4rpmで回転して円盤62上に被乾燥
物(含水ゲル)の山や谷を形成しながら、撹拌翼64の
角度によって各段交互となるように円盤62上を被乾燥
物が外向き、内向きに移動して順次下段に落下する。そ
して、最終的な乾燥物は円盤乾燥機60の最下段より取
り出される。
の空気流をエロフィンヒーターにより加熱して熱風とす
ることにより乾燥を行っているが、乾燥形式は、これに
限定されるものではなく、円盤に熱媒体を通して加熱す
る形式であってもよい。このような円盤型乾燥機は、乾
燥時間を容易に変えることができるとともに、乾燥機の
設置面積を小さくすることができるという利点を有して
いる。
上げ翼を備える乾燥室内に乾燥室自身の回転によって被
乾燥物(含水ゲル)を撹拌しながら移動させ、この移動
に伴いカーテン状に落下する被乾燥物に熱風を向流や並
流を接触させて撹拌を行うものである。
転乾燥機70は、円筒状の乾燥室71、この乾燥室71
を回転させるための駆動ローラー72、乾燥室を支持す
る支持ローラー73、熱風供給口74、熱風排気口7
5、被乾燥物投入口76、および乾燥物排出口77など
を備えている。乾燥室71の断面は、図10(b)に示
すように、内側方向に向かって、乾燥室71の回転方向
(図中矢印で示す)に沿うようなかき上げ翼71aが複
数備えられている。
持されながら、駆動ローラー72により回転駆動され
る。熱風は、熱風供給口74から供給され乾燥室71内
を流れて熱風排気口75から排気される。含水ゲル5は
被乾燥物投入口76から乾燥室71内に投入されるが、
投入された含水ゲル5は、乾燥室71内で、図10
(b)に示すように、複数のかき上げ翼71a…により
かき上げられてカーテン状に落下しながら、熱風との接
触を繰り返す。この撹拌作用によって含水ゲル5は乾燥
し、乾燥物排出口77から排出される。
丈夫である上に、操作性が容易、大型のものを製作し易
い、処理量が大きい、安全性が高いなどの各種の利点を
有している。上記回転乾燥機には、他に、水蒸気加熱管
付き回転乾燥機や通気回転乾燥機などがある。
燥物であり、湿潤時に泥状、塊状、もしくは粒粉状のも
のを熱気流中で粒子として分散させ、この粒子を浮遊状
態で搬送しながら乾燥させるものである。この気流乾燥
機としては、たとえば、図11に示すように、乾燥室8
1、熱風発生器82、サイクロン83、被乾燥物供給器
84、送風機85などを備える気流解砕機80を挙げる
ことができる。
熱風発生器82および送風機85により下方から上方に
向かって熱風が発生している。この乾燥室81に被乾燥
物供給器84から含水ゲルを供給する。供給された含水
ゲルは、乾燥室81中で熱風により巻き上げられ、これ
によって迅速、かつ連続的に含水ゲルが乾燥する。
粉状であれば、直接気流乾燥機に投入することができる
が、被乾燥物が凝集して塊状となり易い場合には、被乾
燥物を分散させるための分散機を使用してもよい。ま
た、被乾燥物を粗砕したり、被乾燥物が泥状であったり
する場合、解砕機を使用してもよい。
は、被乾燥物が粒状の含水ゲルであるが、この含水ゲル
同士は凝集して塊状になり易い。そのため、気流乾燥機
には上記分散機などを用いてもよいが、後述するように
界面活性剤を添加して含水ゲルを表面処理して凝集を防
止する方法が好ましい。
所定の含水率まで乾燥した含水ゲルが分散・流動するこ
とになるが、この分散・流動の過程で分離工程を同時に
行うことができる。すなわち、乾燥した含水ゲル(乾燥
物)は含水率の高い未乾燥物に比べて水分が除去されて
いることから、体積が小さくなりかつ重量が軽くなるた
め、熱気流により乾燥室上方へ分散し易くなる。一方、
未乾燥物は乾燥物に比べて含水率が高いため、体積も大
きく重量も重くなり上方へ分散しにくい。それゆえ、乾
燥室の上方に含水ゲルの乾燥物を分離するための分級部
などを設けることにより、乾燥工程と分離工程を一工程
で行うことができる。
って乾燥室上方に分散し易くなる。すなわち、乾燥室の
下方には、大きい乾燥物が留まり易くなる。そのため、
乾燥室の下方に粉砕部を設けることにより、大きな乾燥
物を粉砕することができるので、乾燥工程と粉砕工程と
を一工程で行うことが可能となる。
いると、乾燥工程、分離工程、粉砕工程を一工程で行う
ことが可能となり、吸水性樹脂の製造効率を非常に向上
させることができる。また、製造コストの低減も可能と
なる。
粉砕工程の三工程を一工程で行うことができるような気
流乾燥機としては、たとえば、図12に示すように、乾
燥室81、熱風発生器82、被乾燥物供給器84、粉砕
部(粉砕機)86、分級部(分級器)87、乾燥物回収
部88、ブロワー89などを備えている気流乾燥機80
aを挙げることができる。
乾燥室81の下方に粉砕部86を備えるとともに、この
粉砕部86に対向するように、乾燥室81の上方に分級
部87が備えられている。粉砕部86としては、たとえ
ば、図13(a)・(b)に示すように、円筒状の本体
から外周部に向かって複数の粉砕翼を突出させたアブミ
式粉砕機86aを用いることができる。また、分級部8
7としては、図14(a)・(b)に示すように、円錐
状の形状を有しており、円錐の頂点が乾燥室下方(すな
わち、粉砕部側)に向かって設けられ、円錐の表面状に
分級用の刃が設けられている分級器87aを用いること
ができる。
熱風が発生しており(図中矢印H)、被乾燥物供給器8
4から供給された(図中矢印I)含水ゲルがこの熱風に
よって巻き上げられる(図中矢印H)点は、上記の気流
乾燥機80と同様である。ここで、乾燥室81の下方に
は、たとえばアブミ式粉砕機86aが備えられているた
め、これによって、粒径の大きい含水ゲルは粉砕され
る。粉砕された含水ゲルは熱風によってより巻き上げら
れ易くなるとともに、乾燥し易くなる。
器87aにより分級され、所定の大きさであれば、その
まま乾燥物回収部88に送られる(図中矢印J)。所定
よりも大きい含水ゲルはアブミ式粉砕機86aで再び粉
砕されて所定の大きさとなると分級器87aを通って乾
燥物回収部88に達することになる。
る分級器87aは、乾燥物と未乾燥物とを単に分離する
のではなく、アブミ式粉砕機86aで所定の大きさに粉
砕された乾燥物のみが分離される。そのため、含水ゲル
が過乾燥して気流乾燥機80a内に残留することがな
く、また、未乾燥物の乾燥が完了するまで、気流乾燥機
80aにより乾燥処理が続けられる。それゆえ、上述し
たその他の乾燥機のように、未乾燥物をフィードバック
したり、未乾燥物を改めて別の乾燥機により乾燥させた
りする必要がない。
工程を大幅に短縮できる上に、乾燥時間が比較的短くて
済み、熱効率も高く、さらには構造が簡単な上に、小型
であるにもかかわらず処理量が大きいという多くの利点
がある。したがって、上記気流乾燥機80aを用いる乾
燥法は、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法において
特に好ましい乾燥法となっている。
形態における吸水性樹脂の製造の流れを図15に基づい
て説明する。本実施の形態における吸水性樹脂の製造の
流れは、好ましくは7つのステップ(以下、Sと略す)
からなっている。
態1)における製造過程のS1と同一である。次にS1
2として、得られる含水ゲルを細粒化する(細粒化工
程)。この細粒化工程は適宜省略可能である。この細粒
化された含水ゲルに対して、該含水ゲルが凝集しないよ
うに界面活性剤を添加する。この界面活性剤は、含水ゲ
ルの乾燥前、乾燥途中の何れの工程においても添加する
ことができる。中でも、細粒化工程前または粗砕工程中
に、粒粉状の含水ゲルに対して界面活性剤を加えること
が好ましい。これによって、乾燥工程での含水ゲルの凝
集をより効果的に回避することができる。次に、S13
として、上述した非凝集式乾燥機により乾燥を行う(乾
燥工程)。
物中には、乾燥物の粒子以外に未乾燥物の粒子が混入し
ている。ここで、たとえば、乾燥物の粒子と未乾燥物の
粒子とが同量の架橋重合体からなるとすると、未乾燥物
の粒子の方が高い含水率を有していることから、乾燥物
の粒子よりも体積や重量が大きくなる。また、未乾燥物
の粒子は高い粘着性を有しているために、未乾燥物の粒
子同士が凝集したり未乾燥物の粒子に乾燥物が付着する
などして、やはり乾燥物の粒子よりも体積が大きくな
る。
状の乾燥物中では、未乾燥物の粒子は乾燥物の粒子と比
較して相対的に大きくなる。そこで、S14として、実
施の形態1と同様に、粒粉状の乾燥物をふるいなどを用
いて所定の範囲内の大きさに分級する(分離工程)。こ
の分級によって、未乾燥物を効率的に分離することがで
きる。
乾燥工程へ送られるか、または、廃棄される。この再乾
燥工程では、実施の形態1と同様に、未乾燥物をS13
へフィードバックするか、独立した乾燥機により再乾燥
を行うかを適宜選択することができる。その後、S16
およびS17の各工程は、前記実施の形態1におけるS
8およびS9と同様なのでその説明を省略する。このよ
うにして本発明における物性の優れた吸水性樹脂が効率
よく得られることになる。
工程では、非凝集式乾燥機を用いると含水ゲルが乾燥の
進行に伴っても凝集しないため、含水ゲルが凝集する場
合に比べて解砕工程を省略することが可能である。
分離工程、S17の分級工程は、前記実施の形態1にお
いて説明した場合と同様の方法を用いることができるの
でその説明を省略する。
方法では、上記乾燥工程において、図12に示すよう
な、乾燥工程、粉砕工程、および分離工程を一工程で行
うことができる気流乾燥機80aを用いることが特に好
ましいが、この気流乾燥機80aを用いた場合では、図
15に示す製造の流れにおいて点線で囲った部分(すな
わち、S13からS17までの工程、S23とする)を
一工程で行うことが可能となる。
造方法では、前記実施の形態1で説明したように、分離
工程における未乾燥物の分離を分級により行っている。
ここで、気流乾燥機80aでは、分離工程を粉砕工程と
同時に行っているので、分級工程と分離工程とを一工程
にまとめることが可能となる。その結果、事実上、二工
程で吸水性樹脂を製造することができる。
を行う場合、すなわち、粒粉状の含水ゲルを撹拌しなが
ら乾燥する場合には、乾燥の過程で含水ゲル同士が互い
に凝集すると乾燥が円滑に行われなくなり、状況によっ
ては乾燥ができなくなることもある。そこで、含水ゲル
に対して乾燥前あるいは乾燥中に界面活性剤や潤滑剤を
添加する。この界面活性剤の添加により、粒粉状の含水
ゲルを表面処理して該含水ゲル同士の凝集を効果的に抑
制することができる。
オン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性
界面活性剤、あるいは両性の各種界面活性剤を好適に用
いることができる。
性剤としては、具体的には、混合脂肪酸ナトリウム石け
ん、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム石けん、ステアリン酸
ナトリウム石けん、オレイン酸カリウム石けん、ヒマシ
油カリウム石けんなどの脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリ
ウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ト
リエタノールアミンなどのアルキル硫酸エステル塩;ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベ
ンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナ
トリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホ
コハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
ナトリウムなどのアルキルジフェニルエーテルジスルホ
ン酸塩;アルキルリン酸カリウムなどのアルキルリン酸
塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタ
ノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキ
ル(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応
型アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;
β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウ
ム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリ
ウム塩などのンフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;
特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエ
チレンアルキルリン酸エステル;などが挙げられる。
的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリ
コールブロック共重合体などのポリオレフィンオキサイ
ド;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポ
リオキシエチレン高級アルコールエーテルなどのポリオ
キシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソル
ビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、
ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレ
ート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレ
エート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジス
テアレート、などのソルビタン脂肪酸エステル;ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタント
リオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソル
ビットなどのポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エ
ステル;グリセロールモノステアレート、グリセロール
モノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレ
ートなどのグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレング
リコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノ
ステアレート、ポリエチレングリコールジステアレー
ト、ポリエチレングリコールモノオレエートなどのポリ
オキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンア
ルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アル
キルアルカノールアミド;などが挙げられる。
界面活性剤としては、具体的には、ココナットアミンア
セテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキル
アミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セ
チルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリル
ジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジ
メチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウ
ム塩;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリ
ルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウム
ベタインなどのアルキルベタイン;ラウリルジメチルア
ミンオキサイドなどのアミンオキサイド;などが挙げら
れる。
系界面活性剤やシロキサン系界面活性剤を用いることも
可能である。
面処理後の乾燥物の物性(すなわち吸水性樹脂の物性)
を阻害しない点、さらには使用上の安全性の点から、ポ
リプロレングリコールやポリエチレングリコール−ポリ
プロピレングリコールブロック共重合体などが好まし
い。
0重量部に対して0.001〜10重量部の範囲内であ
ることが好ましく、0.01〜5重量部の範囲内である
ことがより好ましく、0.1〜2重量部の範囲内である
ことがさらに好ましい。添加量が0.001重量部より
も少ないと粒状の含水ゲルが凝集してしまう。一方、添
加量が10重量部よりも多いと、添加に見合うだけの効
果が得られない上に、最終製品である吸水性樹脂の物性
を低下させるおそれがある。
樹脂の製造方法では、乾燥工程において、含水ゲルを撹
拌しながら乾燥する非凝集式乾燥機を用いている。この
非凝集式乾燥機を用いても、前記実施の形態1と同様に
未乾燥物を効率的に分離し、未乾燥物の混入によるさま
ざまな不都合の発生を回避することができる。また、得
られる吸水性樹脂の物性の低下を抑制し、より高品質の
吸水性樹脂を製造することができる。
機としては、粉砕機および分級器を備える気流乾燥機が
特に好ましい。この乾燥機を用いると、連続的に大量の
含水ゲルを処理することができるとともに、吸水性樹脂
の製造過程を大幅に縮小できるため特に好ましい。
は、そのまま製品にすることもできるが、その吸水性能
をさらに発揮するために、吸水性樹脂の有するカルボキ
シル基などの官能基と反応し得る官能基を二個以上有す
る表面架橋剤により該吸水性樹脂の表面近傍を架橋処理
することが好ましい。表面架橋剤としては、たとえば、
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、グリセリ
ンなどの多価アルコール;エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネートなどのアルキレンカーボネート化合
物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル
などの多価エポキシ化合物;エチレンジアミン、ポリエ
チレンイミンなどの多価アミン化合物;硫酸アルミニウ
ム、(ポリ)塩化アルミニウムなどの多価金属などが挙
げられる。
り得られた吸水性樹脂は、優れた吸水性能によって、例
えば、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パッド、創傷保
護材、創傷治癒材等の衛生材料(体液吸収物品);ペッ
ト用の尿等の吸収物品;建材や土壌用保水材、止水材、
パッキング材、ゲル水嚢等の土木建築用資材;ドリップ
吸収材や鮮度保持材、保冷材等の食品用物品;油水分離
材、結露防止材、凝固材等の各種産業用物品;植物や土
壌等の保水材等の農園芸用物品等、種々の用途に好適に
用いられるものとなっている。
下の各実施例および比較例に基づきさらに具体的に説明
するが、本発明はこれら各実施例により限定されるもの
ではない。なお、以下の説明では、「部」は「重量部」
を、「%」は「重量%」を示す。
%アクリル酸ナトリウム水溶液257.7部、ポリエチ
レングリコールジアクリレート(平均ポリエチレングリ
コールユニット数8)0.46部、および水148.5
部を混合し、モノマー水溶液を調製した。このモノマー
水溶液に窒素ガスを吹き込み、溶存酸素を除去した。引
き続き、モノマー水溶液をジャケット付き双椀型ニーダ
ーに投入し、モノマー水溶液の温度を25℃に保持し
た。
を40rpmで回転させながら、重合開始剤として20
%過硫酸ナトリウム水溶液0.4部、10% 2,2`-アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩水溶液1.6部、
0.1%L−アスコルビン酸水溶液0.7部、および過
酸化水素水溶液0.4部をモノマー水溶液に添加し、重
合反応を開始させた。
認した後、モノマー水溶液の温度(内温)が30℃に達
した時点で回転しているブレードを停止した。ジャケッ
トにより除熱しながら内温が60℃になるまで静置し
た。内温が60℃を超えた時点でブレードを回転させ、
生成した含水ゲルを粒子状に粉砕し、内温が77℃にな
るようにさらに重合を行った。
乾燥機で160℃、65分間乾燥した。乾燥後、板状に
凝集した親水性の含水ゲルをハンマーで解砕し、10m
mのふるいを用いてふるい分けを行った。10mmのふ
るいのふるい上分をペンチで砕いたところ内部はゴム状
の含水ゲル(未乾燥物)であった。なお、この未乾燥物
の含水率は30%であった。
段ロールミル(各ロールのギャップは、上段から1.6
mm、0.4mm、0.15mmである)で粉砕した。
この粉砕工程では、未乾燥物が含有されていないため、
ロールミルにより良好な粉砕が可能であった。粉砕によ
り得られた粉砕生成物をさらに0.85mmのふるいに
より分級し、本発明の吸水性樹脂(1)を得た。
5%、吸水倍率は65倍、可溶分は15%であり、高品
質の吸水性樹脂であった。
した含水ゲルをふるいで分級することなく上記三段のロ
ールミルで粉砕したところ、該ロールミルにゴム状の未
乾燥物が付着した。
ウムおよびポリエチレングリコールジアクリレート(平
均エチレンオキサイドユニット数8)0.04モル%
(対アクリル酸ナトリウム)を含むモノマー水溶液を調
製した。アクリル酸ナトリウムの量は35%であった。
このモノマー水溶液に窒素を吹き込み、該モノマー水溶
液中の溶存酸素濃度を0.1ppm以下とした。
品名、和光純薬工業(株)製)0.02モル%(対アク
リル酸モノマー)、L−アスコルビン酸0.002g/
モル(対アクリル酸ナトリウムモノマー)、過酸化水素
0.001g/モル(対アクリル酸ナトリウムモノマ
ー)をこの順番でそれぞれモノマー水溶液に添加し、重
合を行った。重合開始温度は22℃であり、重合開始か
ら12分後に温度は82℃に達した。
ターにより25mm角に細断した。得られた角状の含水
ゲルにポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコ
ールブロック共重合体(商品名:アデカプルロニックL
44、旭電化工業(株)製)を0.5%(対固形分)添
加し、カッティングミルにてさらに細粒化した。この細
粒化により得られた粒粉状の含水ゲルの平均粒径は20
00μmであった。
乾燥機により、225℃の熱風により流動させながら乾
燥した。熱風の風量は20m3 /分であった。乾燥しな
がら粒粉状の含水ゲルをアブミ式粉砕機で粉砕(回転数
4000rpm)した。粉砕後得られた粉砕生成物を気
流分級器により分級して所定の乾燥物を乾燥機から排出
し、未乾燥物をさらに乾燥した。
(2)が得られた。この吸水性樹脂(2)の乾燥後にお
ける含水率は4%、吸水倍率は65倍、可溶分は12%
であり、高品質の吸水性樹脂であった。
の製造方法を用いることで、未乾燥の含水ゲルにより招
来されるさまざまな不都合を回避し、高品質の吸水性樹
脂を効率よく製造することができる。
造方法は、以上のように、含水ゲル状架橋重合体を乾燥
物とする乾燥工程と、該乾燥物を粉砕する粉砕工程とを
有する吸水性樹脂の製造方法において、さらに、上記粉
砕工程前あるいは粉砕工程中に行われる、乾燥物に含ま
れる含水ゲル状架橋重合体の未乾燥物を分離する分離工
程とを有する方法である。
燥物の発生に伴うさまざまな不都合の招来を回避し、高
品質の吸水性樹脂を効率良く得ることができるという効
果を奏する。
方法は、以上のように、上記請求項1記載の方法に加え
て、上記分離工程における未乾燥物の分離は、乾燥物を
分級することによりなされる方法である。
物から容易に分離することができる。しかも、分離に伴
い複雑な装置を用いることはなく簡単かつ効率的に乾燥
物から未乾燥物を分離することができるので、製造コス
トの増大を抑制しつつ高品質の吸水性樹脂を製造するこ
とができるという効果を奏する。
方法は、以上のように、上記請求項1または2記載の方
法に加えて、上記乾燥工程に用いられる乾燥機がバンド
乾燥機であるとともに、さらに、上記分離工程前または
分離工程中に行われる、乾燥物の凝集体を大まかに砕く
解砕工程とを有する方法である。
造をより効率的かつ低コストで行うことができるという
効果を奏する。
方法は、以上のように、上記請求項1から3の何れか1
項に記載の方法に加えて、上記粉砕工程における乾燥物
の粉砕は一段以上のロールミルによりなされる方法であ
る。
物に対して複雑な作用を与えて、被粉砕物を良好に粉砕
することができるという効果を奏する。また、バンド乾
燥機を用いる場合には、バンド乾燥機の乾燥処理に伴っ
て乾燥物を連続的に粉砕することができるという効果も
併せて奏する。
方法は、以上のように、上記請求項1または2記載の方
法に加えて、上記乾燥工程に用いられる乾燥機が、含水
ゲル状架橋重合体を粉砕して粉砕生成物とする粉砕機
と、該粉砕生成物を分級する分級器とを備えている気流
乾燥機である方法である。
工程、粉砕工程を一工程で行うことが可能となる。その
ため、吸水性樹脂の製造効率を非常に向上させることが
できるとともに、製造コストの低減も可能となるという
効果を奏する。
方法は、以上のように、上記請求項1から5の何れか1
項に記載の方法に加えて、上記未乾燥物の含水率は15
重量%を超えている方法である。
に分離することができるという効果を奏する。
造方法における乾燥工程で用いられる箱型乾燥機の構成
を示す模式図である。
の製造方法における乾燥工程で用いられるドラム乾燥機
の構成を示す模式図である。
乾燥工程で用いられる並行流バンド・トンネル乾燥機の
構成を示す説明図である。
法における乾燥工程で用いられる通気バンド乾燥機の構
成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す通気バ
ンド乾燥機におけるD−D線矢視断面図であり、(c)
は、(a)に示す通気バンド乾燥機におけるE−E線矢
視断面図である。
ける、本発明にかかる吸水性樹脂の製造過程を示すフロ
ーチャートである。
合における、本発明にかかる吸水性樹脂の製造過程を示
すフローチャートである。
製造方法における乾燥工程で用いられる流動層乾燥機の
構成を示す模式図である。
法における乾燥工程で用いられるローターを備えた撹拌
乾燥機の構成を示す側面図であり、(b)は、(a)に
示す撹拌乾燥機のF−F矢視断面図である。
法における乾燥工程で用いられる円盤乾燥機の構成を示
す模式図であり、(b)は、(a)に示す円盤乾燥機に
おける円盤および撹拌翼の構成を示す模式図である。
方法における乾燥工程で用いられる回転乾燥機の構成を
示す側面図であり、(b)は、(a)に示す回転乾燥機
に示す撹拌乾燥機のG−G矢視断面図である。
る乾燥工程で用いられる気流乾燥機の構成を示す模式図
である。
る乾燥工程で用いられる気流乾燥機であり、粉砕部およ
び分級部を備える気流乾燥機の構成を示す模式図であ
る。
の粉砕部の具体的構成を示す図である。
の分級部の具体的構成を示す図である。
場合における、本発明にかかる吸水性樹脂の製造過程を
示すフローチャートである。
Claims (6)
- 【請求項1】含水ゲル状架橋重合体を乾燥物とする乾燥
工程と、該乾燥物を粉砕する粉砕工程とを有する吸水性
樹脂の製造方法において、 上記粉砕工程前あるいは粉砕工程中に行われる、乾燥物
に含まれる含水ゲル状架橋重合体の未乾燥物を分離する
分離工程を有することを特徴とする吸水性樹脂の製造方
法。 - 【請求項2】上記分離工程における未乾燥物の分離は、
乾燥物を分級することによりなされることを特徴とする
請求項1記載の吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項3】上記乾燥工程に用いられる乾燥機がバンド
乾燥機であるとともに、 さらに、上記分離工程前または分離工程中に行われる、
乾燥物の凝集体を大まかに砕く解砕工程を有することを
特徴とする請求項1または2記載の吸水性樹脂の製造方
法。 - 【請求項4】上記粉砕工程における乾燥物の粉砕は一段
以上のロールミルによりなされることを特徴とする請求
項1から3の何れか1項に記載の吸水性樹脂の製造方
法。 - 【請求項5】上記乾燥工程に用いられる乾燥機が、含水
ゲル状架橋重合体を粉砕して粉砕生成物とする粉砕機
と、該粉砕生成物を分級する分級器とを備えている気流
乾燥機であることを特徴とする請求項1または2記載の
吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項6】上記未乾燥物の含水率は15重量%を超え
ていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に
記載の吸水性樹脂の製造方法。
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