JPWO2014084281A1 - ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1−1)「吸水性樹脂」
本発明における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味し、以下の物性を有するものをいう。即ち、「水膨潤性」として、ERT441.2−02(2002)で規定されるCRC(無加圧下吸水倍率)が5(g/g)以上、かつ、「水不溶性」として、ERT470.2−02(2002)で規定されるExt(水可溶分)が50重量%以下である高分子ゲル化剤を意味する。
本発明における「ポリアクリル酸(塩)」とは、グラフト成分を任意に含み、繰り返し単位として、アクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を主成分として含む重合体を意味する。
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定方法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。本発明では、特に断りのない限り、ERT原本(2002年改定/公知文献)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、無加圧下吸水倍率(「吸水倍率」と称することもある)を意味する。具体的には、不織布袋中の吸水性樹脂0.2gについて、大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対して、30分間浸漬し自由膨潤させた後、遠心分離機(250G)で水切りした後の吸水倍率(単位;g/g)である。
「Ext」は、Extractablesの略称であり、水可溶分(水可溶成分量)を意味する。具体的には、吸水性樹脂1.0gについて、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに対して、500rpmで16時間攪拌した後の溶解したポリマー量をpH滴定で測定した値(単位;重量%)である。
「Residual Monomers」は、吸水性樹脂中に残存する単量体(モノマー)量(以下、「残存モノマー」と称する)を意味する。具体的には、吸水性樹脂1.0gについて、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに対して、500rpmで1時間攪拌した後の溶解した残存モノマー量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した値(単位;ppm)である。
「PSD」は、Particle Size Disributionの略称であり、篩分級により測定される粒度分布を意味する。なお、重量平均粒子径(D50)及び粒子径分布幅は、米国特許第7638570号明細書カラム27〜28に記載された「(3) Mass−Average Particle Diameter (D50) and Logarithmic Standard Deviation (σζ) of Particle Diameter Distribution」と同様の方法で測定した。
「Moisture Content」は、吸水性樹脂の含水率を意味する。具体的には、吸水性樹脂4.0gについて、105℃で3時間乾燥した際の乾燥減量から算出した値(単位;重量%)である。なお、本発明では、吸水性樹脂を1.0g、乾燥温度を180℃に変更して測定した。
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、加圧下吸水倍率を意味する。具体的には、吸水性樹脂0.9gについて、大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対して、1時間、2.06kPa(21g/cm2、0.3psi)の荷重下で膨潤させた後の吸水倍率(単位;g/g)である。なお、本発明では、荷重条件を4.83kPa(49g/cm2、0.7psi)に変更して測定した。
「pH」(ERT400.2−02):吸水性樹脂のpHを意味する。
本発明における吸水性樹脂の「通液性」とは、荷重下又は無荷重下での膨潤ゲルの粒子間を通過する液の流れ性のことを意味し、代表的な測定方法として、SFC(Saline Flow Conductivity/生理食塩水流れ誘導性)や、GBP(Gel Bed Permeability/ゲル床透過性)がある。
本発明における吸水性樹脂の「吸水速度」とは、当該吸水性樹脂が水性液を吸収する際の吸収速度のことを意味し、代表的な測定方法として、FSR(Free Swell Rate)や、Vortexがある。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」であることを意味する。また、特に注釈のない限り、重量の単位である「t(トン)」は「Metric ton(メトリック トン)」を意味し、「ppm」は「重量ppm」又は「質量ppm」を意味する。更に、「重量」と「質量」、「重量部」と「質量部」、「重量%」と「質量%」はそれぞれ同義語として扱う。また、「〜酸(塩)」は「〜酸及び/又はその塩」、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」をそれぞれ意味する。
(2−1)単量体水溶液の調製工程
本工程は、アクリル酸(塩)を主成分として含む水溶液(単量体水溶液)を調製する工程である。なお、単量体水溶液の代わりに、吸水物性を下げない程度に単量体のスラリーを用いてもよいが、便宜上、単量体水溶液として説明する。
本発明では公知のアクリル酸が使用でき、このようなアクリル酸には通常重合禁止剤や不純物等の微量成分が含まれている。重合禁止剤としてはフェノール類が好ましく、メトキシフェノール類がより好ましい。また、その単量体水溶液中の含有量は、重合性や吸水性樹脂の色調の観点から、好ましくは1〜200ppm、より好ましくは10〜160ppmである。不純物としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0161512号明細書が参照される。
本発明において、アクリル酸(塩)と共に他の単量体を併用することもできる。当該他の単量体としては、水溶性又は疎水性の不飽和単量体が挙げられ、より具体的には、米国特許出願公開第2005/215734号の段落[0035]に記載された単量体(ただし、アクリル酸を除く)が挙げられる。なお、本発明の吸水性樹脂には、上記水溶性又は疎水性の不飽和単量体を共重合成分とするものも含まれる。
本発明で得られる吸水性樹脂は、アクリル酸(塩)を架橋重合したポリアクリル酸(塩)である。当該ポリアクリル酸塩は、アクリル酸を塩基性組成物で中和(中和工程)した後に架橋重合する、または、アクリル酸を架橋重合して得られる含水ゲル状架橋重合体を塩基性組成物で中和(後中和)することによって得られる。なお、本発明において「塩基性組成物」とは、塩基性化合物を含有する組成物を意味する。
本発明の中和工程として、単量体としてのアクリル酸に対する中和、又は、アクリル酸を架橋重合して得られる含水ゲル状架橋重合体に対する中和(後中和工程)が含まれる。中和工程は前記中和の違いに関わらず連続式でもバッチ式でも適用することができるが、好ましくは連続式である。装置、塩基性組成物、温度条件、滞留時間等の中和条件については、米国特許出願公開第2011/0021725号や同第2008/0194863号に開示された内容が好ましく適用される。
本発明で使用される内部架橋剤としては、アクリル酸と反応しうる置換基を2個以上もつ化合物であり、例えば米国特許第6241928号の第14カラムに記載の架橋剤が挙げられる。これらのうち、1種又は2種以上が用いられる。なお、得られる吸水性樹脂の吸水特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物、更には後述の乾燥温度程度で熱分解性をもつ化合物、特に(ポリ)アルキレングリコール構造単位を有する2個以上の重合性不飽和基(好ましくは、アリル基、(メタ)アクリレート基、特にアクリレート基)を有する架橋剤、例えば、(ポリ)アルキレングリコール構造単位を有するジ(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)アクリレートを重合時に用いることが好ましい。アルキレングリコール構造単位としてはn数(繰り返し単位数)が1〜100、好ましくは6〜50のポリエチレングリコールが例示される。
本発明においては、単量体水溶液を調製する際に、上述した物質以外に下記の物質を添加してもよい。下記物質を添加する場合、具体的には、吸水性樹脂の諸物性を改善することを目的として、単量体水溶液中の単量体濃度を100重量%としたときに、水溶性樹脂又は吸水性樹脂を0重量%を超えて好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下を添加したり、各種の発泡剤(例えば、炭酸塩、アゾ化合物、気泡等)、界面活性剤、キレート剤、連鎖移動剤等を0重量%を超えて好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下を添加したりすることもできる。これらの物質は単量体水溶液に添加する形態のみならず、重合途中に添加してもよい。
本工程において、上述した各物質を混合することで単量体水溶液を調製する。その際、単量体水溶液中の単量体成分の濃度としては特に限定されないが、吸水性樹脂の物性の観点から10〜80重量%とすることが好ましく、20〜75重量%がより好ましく、30〜70重量%が更に好ましい。
本工程は、上記単量体調製工程で得られたアクリル酸(塩)系単量体水溶液を重合させて含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」と称する)を得る工程である。
本発明で使用される重合開始剤は、重合形態等によって適宜選択されるため、特に限定されないが、例えば、熱分解型重合開始剤、光分解型重合開始剤又はこれらの重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用したレドックス系重合開始剤等が挙げられる。具体的には、米国特許第7265190号の第5カラムに例示された重合開始剤のうち1種又は2種以上が用いられる。なお、取扱いのしやすさや、吸水性樹脂の物性面から、過酸化物又はアゾ化合物、更には過酸化物、特に過硫酸塩を用いることが好ましい。
本発明で適用される重合方法は、特に限定されないが吸水特性や重合制御の容易性等の観点から、噴霧液滴重合、水溶液重合、逆相懸濁重合が好ましく、水溶液重合、逆相懸濁重合がより好ましく、水溶液重合が更に好ましい。中でも、連続水溶液重合が特に好ましく、連続ベルト重合でも連続ニーダー重合の何れでもよい。
本工程は、上記重合工程で得られた含水ゲルを例えば、ニーダー、ミートチョッパー、カッターミル等のゲル粉砕機でゲル粉砕し、粒子状の含水ゲル(以下、「粒子状含水ゲル」と称する)を得る工程である。なお、上記重合工程がニーダー重合の場合、重合工程とゲル粉砕工程が同時に実施されている。
本工程は、上記重合工程及び/又はゲル粉砕工程で得られた粒子状含水ゲルを所望する樹脂固形分まで乾燥させて乾燥重合体を得る工程である。なお、当該樹脂固形分は、乾燥減量(吸水性樹脂1gを180℃で3時間加熱した際の重量変化)から求められ、80重量%以上が好ましく、85〜99重量%がより好ましく、90〜98重量%が更に好ましく、92〜97重量%が特に好ましい。
本工程は、上記乾燥工程で得られた乾燥重合体について、粉砕(粉砕工程)及び所定範囲の粒度への調整(分級工程)を行うことにより、吸水性樹脂粉末(表面架橋を施す前の、粉末状の吸水性樹脂を便宜上「吸水性樹脂粉末」と称する)を得る工程である。
本発明の粉砕工程において使用される粉砕装置は、乾燥重合体をロールミルに供給するための配管又はコンベア、当該乾燥重合体をロールミルのロール軸方向に分散させる手段、及びロールミルから構成されており、これらはこの順に上下方向に配置されている。なお、当該「上下方向」は鉛直方向に限らず、斜め方向も含み得る概念である。
本発明において、上記乾燥工程で得られる乾燥重合体は、1つ又は複数の配管又はコンベアを用いて、ロールミルに供給される。当該供給は、一箇所でもよく、複数箇所でもよい。その際、生産コストの観点から、粉砕工程で使用される上記配管に対して動力装置の設置は行わず、したがって、乾燥重合体は重力によって当該配管内を移動(落下、特に自由落下)し、ロールミルに供給される形態とすることが好ましい。
本発明(第1の方法)では、粉砕工程で用いられるロールミルに乾燥重合体を供給する際、当該ロールミルのロール軸方向に乾燥重合体を分散させて供給することを必須とする。
本発明の粉砕工程で使用されるロールミルは特に限定されないが、ロール表面に凹凸パターンを有するものが好ましい。また、一対のロールは同一形状(凹凸パターン、直径)でも異形状でもよいが、好ましくは同一形状(対称関係を含む)のロールが使用される。
上記「凹凸パターン」とは、ロール表面上の凹凸を指し、具体的には、溝(「襞(ひだ)」と称する場合もある)が縞模様状に並んだもの、三角形や四角形の突起物を敷き詰めたもの、突起物が間隔を置いて設置され、その際三角形や四角形の頂点上に突起物を設置したもの等が挙げられる。中でも粉砕効率の観点から、本発明では溝が縞模様状に並んだものが好ましい。
上述した溝は、必要に応じて、回転刃としての機能を発揮するよう、傾斜角を鋭利とすることが好ましい。なお、「傾斜角が鋭利」とは、溝の斜面が急であることを意味する。即ち、溝の斜面とロール表面(溝と溝との間の部分)とが成す角が小さいことをいう。この場合、溝の両端、又は片方のみの傾斜角を鋭利にしてもよい。また、一対のロールにおいて、回転方向が逆向きで非等速である場合、一方のロールの溝の斜面と、他方のロールの溝の斜面とで、乾燥重合体を挟み込むようにして粉砕する。また、上記溝の断面の形状が非対称である場合、鋭利角と非鋭利角との組み合わせとして、(1)鋭利角−鋭利角、(2)鋭利角−非鋭利角、(3)非鋭利角−非鋭利角の3通りある。中でも、本発明で規定する含水率を有する乾燥重合体の粉砕に対しては、上記(1)の一対のロール間の鋭利な角同士で乾燥重合体を挟み込むように粉砕する方法がより好ましい。
本発明で使用されるロールミルにおけるロールの長さ(ロール長)は、本発明の効果の観点(大スケールでより発揮される)から、好ましくは50cm以上、より好ましくは60cm以上、更に好ましくは70cm以上、特に好ましくは1m以上である。また、ロール長の上限としては特に限定されないが、好ましくは5m以下、より好ましくは3m以下である。
本発明における「フィード幅比」とは、下記式で規定される値を指し、ロール長に対する乾燥重合体の供給範囲幅を意味する。当該値が大きくなるほど、乾燥重合体がロールミルに対し、ロール軸方向に広範囲にわたって供給されていることとなり、偏磨耗等が小さいことを示す。
本発明に係る製造方法によって、ロールミルに供給される乾燥重合体の供給位置の偏りを抑えることができる。その偏りの程度を示す指標として、ロールをロール軸方向に3等分し、乾燥重合体の供給量が最も多い部分と最も少ない部分との比率で評価することができる。当該比率は、好ましくは1.0〜10倍、より好ましくは1.0〜5倍、更に好ましくは1.0〜3倍、特に好ましくは1.0〜2倍、最も好ましくは1.0〜1.5倍である。当該比率が1.0に近づくほど、乾燥重合体の供給位置に対するムラが小さくなり、均等に供給されることとなる。その結果として、安定した粉砕が可能となり、所望する粉砕物の粒度分布が得られる。更に、ロールミルの磨耗が均一であり、磨耗後であってもロールクリアランスの微調整で粉砕を継続することが可能となる。更にロールミルの交換頻度を削減することもできる。
本発明の粉砕工程における粉砕装置は、通常、2つのロールを一対とするロールミルである。当該一対のロールミルのみを有する単段ロールミル、又は、複数の対を有する多段ロールミルとして、使用することができるが、吸水性樹脂の物性向上やロールミルの耐久性向上の観点から、多段ロールミルが好ましい。この場合、段数として、好ましくは2〜10段、より好ましくは2〜5段である。なお、多段とする場合、段数によっては複数系列に分岐させることもできる。
本発明において、上記一対のロールミルのロール間の隙間(ロールクリアランス)は、目的とする粒度に合わせて適宜決定されるが、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.15〜5mm、更に好ましくは0.2〜1.5mm、特に好ましくは0.3〜1.2mmである。なお、上記ロールミルを多段で使用する場合には、上段から下段にかけて順次狭まるように選択することが好ましい。
本発明において上記第1の方法(分散方法)の達成手段の一例として、ロールクリアランス変化幅、ロールクリアランス変化率が下記の範囲内に制御される。
本発明に係る製造方法(第1〜5の方法)によって、ロールの偏摩耗を低減することができ、その結果として、ロールの交換頻度の低減が図れる。なお、ロールの交換頻度としては、乾燥重合体の性状や粉砕条件にも影響されるため特に限定されないが、延べ運転時間が1年以上(延べ24時間×365日)であることが好ましい。
本発明におけるロールの交換頻度は、運転時間や乾燥重合体の性状、粉砕条件にも影響されるが、1年以上交換が必要とならないことが好ましい。上述したように、ロールクリアランスを適切に設定することで、ロールの偏摩耗の影響を受けずにロールクリアランスを再調整することができ、ロール交換までの期間、即ち、ロールの寿命を延ばすことができる。なお、使用後に凹凸パターンが擦り減ったロールは、再度、凹凸パターンを掘り直すことで再使用することができる。
本発明の粉砕工程において使用される2つのロールを一対としたロールミルにおいて、一対のロールは、回転方向が内回りに逆向きで非等速とすることができる。なお、「内回り」とは2つのロールが上から下に向かって乾燥重合体を噛み込む回転形式をいう。
本発明で使用されるロールミルのロールは、長期運転における耐久性の観点から、遠心チルド鋳鉄であることが好ましく、更にその材質として、鉄(Fe)に炭素(C)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)等を含有した合金であってもよい。
本発明で使用されるロールミルは、付着防止の観点から、加熱(所定温度に制御)されていることが好ましい。当該加熱温度(ロールミルの壁面及びロール表面の温度)としては、好ましくは30〜100℃、より好ましくは35〜90℃、更に好ましくは40〜80℃である。なお、ロールミルを所定温度に制御する方法として、ロールミルを外部から加熱する方法、所定温度に加熱された乾燥重合体を連続供給することで乾燥重合体からの伝導伝熱及び摩擦熱や粉砕熱で加熱する方法等が挙げられるが、ロールミル装置(装置全体)又はロールミルのロール内部若しくは表面を保温又は加熱する方法が好ましい。この場合、加熱した液体(例えば温水)や気体をロール内部に導入するか、加熱及び/又は乾燥された気体をロールミルに吹き込むことが好ましい。当該気体は、窒素等の不活性ガスや空気が好ましい。
本発明において使用されるロールミルを必須に含む粉砕装置は、通常、ケーシングで覆われている。そこで、ケーシング内の気体を粉砕工程の雰囲気と称し、後述のように制御されることが好ましい。
本発明の粉砕工程での雰囲気圧力は、常圧、加圧、減圧のいずれでもよいが、好ましくは減圧状態とする。この場合、微減圧でもよく、大気圧に対して好ましくは0.01〜30kPa、より好ましくは0.05〜10kPa低下させる。
本発明に係る製造方法は、大スケールでの連続粉砕、特に乾燥重合体の処理量が100(kg/hr)以上でかつ24時間以上での連続粉砕に好ましく適用される。上記乾燥重合体の連続粉砕の処理量としては、好ましくは200(kg/hr)以上、より好ましくは500(kg/hr)以上、更に好ましくは1000(kg/hr)以上である。なお、処理量の上限としては、運転のしやすさから20(t/hr)程度である。
本発明において、乾燥工程で得られた乾燥重合体は、そのまま全量をロールミルで粉砕してもよいが、乾燥重合体の形状に応じて、ロールミルで粉砕する前に、別の工程、例えば、粗粉砕工程や粗解砕工程に供してもよく、更に分級工程に供してもよい。
本発明の乾燥重合体の含水率(実施例に記載の方法で規定)は、例えば、1〜20重量%、2〜15重量%、3〜10重量%である。また、本発明の乾燥重合体の含水率は、ロールミルによる粉砕直前で好ましくは3.0〜15重量%、より好ましくは3.5〜12重量%、更に好ましくは4.0〜9.0重量%である。なお、乾燥工程を経て得られる乾燥後の乾燥重合体全体の平均値と、上記粉砕前の分級によりロールミル粉砕される乾燥重合体とでは、含水率が異なる場合がある。また、本発明の乾燥重合体の粒度(実施例に記載の方法で規定)は、ロールミルによる粉砕前で重量平均粒子径(D50)が0.5〜50mm、より好ましくは0.7〜10mm、さらに好ましくは1.0〜5.0mmである。なお、乾燥重合体の性状は、ゲル粉砕工程や乾燥工程に大きく依存するため、その他の性状については適宜、後述のゲル粉砕工程や乾燥工程の記載が参照される。
本発明では、分級工程を、乾燥工程後又は粉砕工程後に行う。ここで、「乾燥工程後又は粉砕工程後の分級工程」および「分級工程を、乾燥工程後又は粉砕工程後に行う」とは、乾燥工程および粉砕工程の少なくとも一方の工程の後に分級工程を行うことを意味し、具体的には、(a)重合工程→乾燥工程→粉砕工程→分級工程を順次行う形態;(b)重合工程→乾燥工程→分級工程→粉砕工程を順次行う形態;および(c)重合工程→乾燥工程→分級工程→粉砕工程→分級工程を順次行う形態を包含する。好ましくは、(a)および(c)の形態が好ましい。
本発明において、上記ロールミルは、物性の安定化の観点から、定期的に洗浄されることが好ましく、乾式洗浄されることが特に好ましい。当該乾式洗浄としては、特に限定されないが、好ましくはブラッシング、バキューム等が挙げられる。
本発明における粉砕物の粒度として、重量平均粒子径(D50)は200〜600μmが好ましく、200〜550μmがより好ましく、250〜500μmが更に好ましく、300〜500μmが特に好ましい。また、粒子径150μm未満の粒子の割合は、給水性樹脂粉末全体の0〜30重量%が好ましく、0〜25重量%がより好ましく、0〜20重量%が更に好ましく、0〜15重量%が特に好ましく、粒子径850μm以上の粒子の割合は0〜8重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましく、0〜4重量%が更に好ましく、0〜3重量%が特に好ましい。更に、粒子径分布の対数標準偏差(σζ)は0.20〜0.62が好ましく、0.25〜0.60がより好ましく、0.27〜0.58が更に好ましい。なお、これらの粒度は、米国特許出願公開第2006/0204755号やEDANA ERT420.2−02に開示されている測定方法に準じて、標準篩を用いて測定される。
本発明における吸水性樹脂粉末の粒度として、重量平均粒子径(D50)は200〜600μmが好ましく、200〜550μmがより好ましく、250〜500μmが更に好ましく、350〜450μmが特に好ましい。また、粒子径150μm未満の粒子の割合は0〜10重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましく、0〜1重量%が更に好ましく、粒子径850μm以上の粒子の割合は0〜5重量%が好ましく、0〜3重量%がより好ましく、0〜1重量%が更に好ましい。更に、粒子径分布の対数標準偏差(σζ)は0.20〜0.50が好ましく、0.25〜0.40がより好ましく、0.27〜0.35が更に好ましい。なお、これらの粒度は、米国特許出願公開第2006/0204755号やEDANA ERT420.2−02に開示されている測定方法に準じて、標準篩を用いて測定される。
本発明は、粒度分布が重要な高通液性(特にSFC)の吸水性樹脂(好ましいSFCの範囲は後述(3−3))、及び粉砕工程で微粉が発生しやすい高吸水速度(特にFSR)の吸水性樹脂(好ましいFSRの範囲は後述(3−7))の製造に特に好適である。つまり、本発明の製造方法は、高通液性と高吸水速度を兼ね備えた吸水性樹脂の製造に好ましく適用される。したがって、本発明で好ましい吸水性樹脂粉末は、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が10(×10−7・cm3・s・g−1)以上、及び吸水速度(FSR)が0.20(g/g/s)以上、より好ましくは0.36(g/g/s)以上である。また、下記(3−3)及び(3−7)を満たすことが好ましい。
本工程は、上述した工程を経て得られる吸水性樹脂粉末の表面層(吸水性樹脂粉末の表面から数10μmの部分)に、更に架橋密度の高い部分を設ける工程であり、吸水性樹脂粉末と表面架橋剤溶液とを混合して混合物を得る混合工程、当該混合物を加熱処理する加熱処理工程、必要により冷却する冷却工程から構成される。
本発明で使用され得る表面架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、種々の有機又は無機の表面架橋剤が挙げられ、これらの中でも吸水性樹脂の物性や表面架橋剤の取扱性の観点から、カルボキシル基と反応して共有結合を形成する有機表面架橋剤が好ましく挙げられる。より具体的には、米国特許第7183456号の第9、10カラムに記載の1つ又は2つ以上の表面架橋剤、及び必要により親水性有機溶媒を本発明に適用できる。トータルの表面架橋剤の使用量は、吸水性樹脂粉末100重量部に対し0.01〜10重量部が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましい。また、表面架橋剤を添加する際水を使用することが好ましく、表面架橋剤は水溶液として添加されることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂粉末100重量部に対し0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。必要により親水性有機溶媒を用いる場合の使用量は吸水性樹脂粉末100重量部に対し10重量部以内が好ましく、5重量部以内がより好ましい。以上の表面架橋剤(水溶液)に加え、後述の「再湿潤(別称;再加湿)工程」で用いる添加剤をそれぞれ5重量部以内の範囲で表面架橋剤(水溶液)と混合して、又は別途本工程中に添加してもよい。
本発明の表面架橋工程での表面架橋剤溶液の添加・混合方法は、特に限定されないが、表面架橋剤、溶媒としての水及び必要により親水性有機溶媒、又はこれらの混合物を予め用意した後、吸水性樹脂粉末に対して、噴霧又は滴下して添加・混合することが好ましく、噴霧して添加・混合することがより好ましい。
上述した表面架橋剤溶液を添加・混合された吸水性樹脂粉末は加熱処理され、その後、必要に応じて冷却処理される。加熱には公知の乾燥機が適用できるが、好ましくはパドルドライヤーである。加熱温度は80〜250℃が好ましく、100〜220℃がより好ましい。
本工程は、上記表面架橋工程で得られた吸水性樹脂粒子に、下記の多価金属塩化合物、ポリカチオン性ポリマー、キレート剤、無機還元剤、ヒドロキシカルボン酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を添加する工程である。
本発明において、得られる吸水性樹脂の吸水速度(Vortex)向上、通液性(SFC)向上や吸湿時の流動性等の観点から、多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマーを添加することが好ましい。
本発明において、得られる吸水性樹脂の着色防止や劣化防止の観点から、キレート剤を更に添加することができる。
本発明において、得られる吸水性樹脂の着色防止や劣化防止、残存モノマー低減の観点から、無機還元剤を更に添加することができる。
本発明において、得られる吸水性樹脂の着色防止の観点から、α−ヒドロキシカルボン酸化合物を更に添加することができる。なお、「α−ヒドロキシカルボン酸化合物」とは、分子内にヒドロキシル基を有するカルボン酸又はその塩のことで、α位にヒドロキシル基を有するヒドロキシカルボン酸である。
通液性やAnti−Caking性のために、水不溶性粉末、特に水不溶性無機粉末を使用してよい。代表的には、シリカ(SiO2)、アルミナ、酸化チタン、粘土、カオリン等が挙げられる。
上述した添加剤以外の添加剤を、吸水性樹脂に種々の機能を付与させるため、添加することができる。かような添加剤として具体的には、界面活性剤、リン原子を有する化合物、酸化剤、有機還元剤、国際公開第2011/040530号パンフレットの「〔5〕水不溶性無機微粒子」に記載された水不溶性無機微粒子、金属石鹸等の有機粉末、消臭剤、抗菌剤、パルプや熱可塑性繊維等が挙げられる。なお、上記界面活性剤は、米国特許出願公開第2005/0209352号に開示された界面活性剤が好ましく適用される。
上述した工程以外に、造粒工程、整粒工程、微粉除去工程、微粉の再利用工程等を必要に応じて設けることができる。また、輸送工程、貯蔵工程、梱包工程、保管工程等の1種又は2種以上の工程を更に含んでもよい。ここで整粒工程とは、表面架橋工程以降の微粉除去工程や吸水性樹脂が凝集し、所望の大きさを超えた場合に分級、粉砕を行う工程を含む。また、微粉の再利用工程は微粉をそのまま、又は微粉造粒工程で大きな含水ゲルにして、吸水性樹脂の製造工程のいずれかの工程で添加する工程を含む。
本発明に係る吸水性樹脂は、当該吸水性樹脂を衛生用品、特に紙オムツに使用する場合には、下記の(3−1)〜(3−11)の少なくとも1つ以上、好ましくは加圧下吸水倍率(AAP)を含めた2つ以上、より好ましくは3つ以上の物性を、所望する範囲に制御することが望まれる。これらの物性が下記の範囲を満たさない場合、本発明の効果が十分に得られず、高濃度紙オムツで十分な性能を発揮しない虞がある。
本発明の吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率(CRC)は、好ましくは5(g/g)以上、より好ましくは15(g/g)以上、更に好ましくは25(g/g)以上である。上限値は特に限定されないが、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは70(g/g)以下、より好ましくは50(g/g)以下、更に好ましくは40(g/g)以下である。
本発明の吸水性樹脂の加圧下吸水倍率(AAP)は、好ましくは20(g/g)以上、より好ましくは21(g/g)以上、更に好ましくは22(g/g)以上、特に好ましくは23(g/g)以上である。上限値は特に限定されないが、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは30(g/g)以下である。
本発明の吸水性樹脂の生理食塩水流れ誘導性(SFC)は、好ましくは10(×10−7・s・cm3・g−1)以上、より好ましくは50(×10−7・s・cm3・g−1)以上、更に好ましくは60(×10−7・s・cm3・g−1)以上、特に好ましくは70(×10−7・s・cm3・g−1)以上、最も好ましくは80(×10−7・s・cm3・g−1)以上である。上限値は特に限定されないが、好ましくは3000(×10−7・s・cm3・g−1)以下、より好ましくは2000(×10−7・s・cm3・g−1)以下である。
本発明の吸水性樹脂の含水率は、好ましくは0重量%を超えて15重量%以下、より好ましくは1〜13重量%、更に好ましくは2〜10重量%、特に好ましくは2〜9重量%である。当該含水率を上記範囲に制御することで、粉体特性(例えば、流動性、搬送性、耐ダメージ性等)に優れた吸水性樹脂を得ることができる。
本発明の吸水性樹脂の残存モノマーは、安全性の観点から、好ましくは0〜500ppm、より好ましくは0〜400ppm、更に好ましくは0〜300ppmである。当該残存モノマーを上記範囲に制御することで、皮膚等への刺激が軽減される吸水性樹脂を得ることができる。
本発明の吸水性樹脂の水可溶分(Ext)は、好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下である。
本発明の吸水性樹脂の吸水速度(FSR)は、好ましくは0.10(g/g/s)以上、より好ましくは0.15(g/g/s)以上、更に好ましくは0.20(g/g/s)以上、特に好ましくは0.25(g/g/s)以上、最も好ましくは0.36(g/g/s)以上である。上限値は特に限定されないが、好ましくは5.0(g/g/s)以下、より好ましくは4.0(g/g/s)以下である。
本発明の吸水性樹脂の粒度(粒子径分布・重量平均粒子径(D50)及び粒子径分布の対数標準偏差(σζ))は、前記範囲の粒度と同様となるように制御される。
本発明の吸水性樹脂の初期色調(ハンターLab表色系で規定)は、L値として好ましくは88以上、より好ましくは89以上、更に好ましくは90以上である。上限値は100であるが、少なくとも88を示せば初期色調による問題は発生しない。また、a値として好ましくは−3〜3、より好ましくは−2〜2、更に好ましくは−1〜1である。更に、b値としては好ましくは0〜12、より好ましくは0〜10、更に好ましくは0〜9である。なお、上記L値は100に近づくほど白色度が増し、a値及びb値は0に近づくほど低着色で実質的に白色となる。
本発明の吸水性樹脂の経時色調(ハンターLab表色系で規定)は、L値として好ましくは80以上、より好ましくは81以上、更に好ましくは82以上、特に好ましくは83以上である。上限値は100であるが、少なくとも80を示せば経時色調による問題は発生しない。また、a値として好ましくは−3〜3、より好ましくは−2〜2、更に好ましくは−1〜1である。更に、b値としては好ましくは0〜15、より好ましくは0〜12、更に好ましくは0〜10である。なお、上記L値は100に近づくほど白色度が増し、a値及びb値は0に近づくほど低着色で実質的に白色となる。
本発明の吸水性樹脂の内部気泡率(実施例で規定)は、好ましくは1.0〜4.0%、より好ましくは1.2〜3.8%、更に好ましくは1.4〜3.6%である。上記内部気泡率が1.0%未満の場合、吸水速度(FSR)向上効果が小さくなるため、好ましくない。また、上記内部気泡率が4.0%を超える場合、耐ダメージ性の低下に伴って通液性(SFC)が低下するため、好ましくない。
本発明の吸水性樹脂の用途としては特に限定されないが、好ましくは紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パッド等の衛生用品の吸収体に使用され得る。特に、原料由来の臭気、着色等が問題となっていた高濃度紙オムツ(紙オムツ1枚あたりの吸水性樹脂の使用量が多いもの)の吸収体として使用することができる。更に、上記吸収体の上層部に使用される場合に、顕著な効果が期待できる。
(a)粒度(粒子径分布・重量平均粒子径(D50)・粒子径分布の対数標準偏差(σζ))
本発明の吸水性樹脂のふるい粒度分布(PSD)、重量平均粒子径(D50)および粒子径分布幅は米国特許第7638570号明細書第27、28カラムに記載された「(3) Mass-Average Particle Diameter (D50) and Logarithmic Standard Deviation (σζ) of Particle Diameter Distribution」と同様の方法で測定した。
本発明の吸水性樹脂について、EDANA法(ERT442.1−02)に準じて、CRC(無加圧下吸水倍率)を測定した。
本発明の吸水性樹脂について、EDANA法(ERT442.2−02)に準じて、AAP(加圧下吸水倍率)を測定した。なお、荷重条件を4.83kPa(0.7psi)に変更した。
本発明の吸水性樹脂について、米国特許第5669894号明細書(特許文献29)の記載に準じて、SFC(生理食塩水流れ誘導性)を測定した。
本発明の吸水性樹脂について、EDANA法(ERT430.2−02)に準じて、含水率を測定した。なお、試料量を1g、乾燥温度を180℃に変更した。
本発明の吸水性樹脂について、米国特許出願公開第2010/0184594号の記載に準じて、FSR(吸水速度)を測定した。
本発明の吸水性樹脂について、米国特許出願公開第2012/0258851号の記載に準じて、内部気泡率を測定した。
本発明において、ロールクリアランスは、JIS B 7524(2008)で規定される隙間ゲージを用いて、JISに準じて測定した。当該隙間ゲージは、10μm単位で測定できる隙間ゲージであって、リーフ幅;12.7mm、リーフ形状;A、リーフ長;100mm又は150mmであった。なお、当該リーフの“厚さ、幅、長さ、反りの許容差”や“材質、表面粗さ”、“測定温度”等については、JIS規格に準ずる。中でも、JIS 100A12、又は150A12等の隙間ゲージが好ましく使用されるが、上記以外に、A10、A13、A19、A25等、ロールクリアランスやロール径に応じて、JIS規格品又はその相当品を適宜選択して、測定することができる。
(重合工程)
先ず、単量体水溶液(1)として、中和率73モル%、単量体濃度43重量%のアクリル酸部分中和ナトリウム塩水溶液を作製した。その際、内部架橋剤として、0.09モル%(対単量体)のポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量523)と、キレート剤として、100ppm(対単量体)のジエチレントリアミン5酢酸・4ナトリウムとを当該単量体水溶液(1)に添加した。
次に、上記シート状の含水ゲル(1)(表面温度約80℃)を、上記平面スチールベルトの進行方向に対して垂直方向に等間隔に切断した後、孔径22mmのミートチョッパーに連続的に供給して、細分化(ゲル粉砕)した。その際、含水ゲル(1)100重量部に対して、80℃の温水を7重量部添加した。当該操作によって、重量平均粒子径(D50)が1.1mm、粒子径分布の対数標準偏差(σζ)が1.7、固形分が49重量%である粒子状含水ゲル(1)を得た。
続いて、上記粒子状含水ゲル(1)を、連続通気ベルト式乾燥機の多孔板上にトラバースフィーダーを用いて連続的に積載した後、170℃の熱風を38分間通気させて乾燥した。
上記乾燥重合体(1)を、バケットコンベアを用いて輸送し、ホッパーに投入した。当該ホッパーや輸送配管は蒸気トレスで加温されており、ホッパー内の乾燥重合体(1)の温度は約60℃であった。当該ホッパーにおいて、平均15分間程度、滞留させた。
(粉砕工程)
製造例1で得られた乾燥重合体(1)をホッパー底部から定量フィーダーを用いて、600(kg/hr)で抜き出した。その後、管径10cmのステンレスパイプ中を落下させて、乾燥重合体(1)をロールミル中央部に投入して粉砕した。
続いて、比較粉砕物(a1)全量を、分級装置(1)(目開きが上から順に850μm/150μmの金属篩で構成される分級装置/MINOX製;篩直径600mm)に連続的に供給して分級した。
次に、比較吸水性樹脂粉末(1)100重量部に対して、エチレンカーボネート0.5重量部、工業用純水3重量部からなる比較表面架橋剤溶液(1)を作成した後、高速混合機(タービュライザー/1000rpm;ホソカワミクロン社製)中で噴霧添加した。その後、パドルドライヤーに移送し、198℃(熱媒温度)で35分間の熱処理を行った。
上記冷却の際、表面架橋された比較吸水性樹脂粉末(1)100重量部に対して、硫酸アルミニウム0.3重量部、水1重量部及びプロピレングリコール0.03重量部からなる処理剤を添加した。
続いて、目開き850μmのJIS標準篩を備えた分級装置(2)で上記表面処理後の比較吸水性樹脂粉末(1)を分級し、その全量が通過するまでフラッシュミルで粉砕した。以上の操作により、粒子径が850μm未満の比較吸水性樹脂(p1)を得た。比較吸水性樹脂(p1)の物性を表1に示す。
比較例1において、図1及び図2に示すスクリュー型フィーダーの回転式分散機をロールミルの入口(直上)に用いた以外は、比較例1と同様の操作を行って、粉砕物(A1)及び吸水性樹脂(P1)を得た。得られた粉砕物(A1)の粒度及び吸水性樹脂(P1)の物性を表1に示した。
比較例1において、図3に示すスリット型分散機をロールミルの入口(直上)に用い、スリット全体が乾燥重合体(1)に覆われる程度にホッパー内の貯蔵量を増加させた後に粉砕を開始した以外は、比較例1と同様の操作を行って、粉砕物(A2)及び吸水性樹脂(P2)を得た。得られた粉砕物(A2)の粒度及び吸水性樹脂(P2)の物性を表1に示した。
比較例1において、3つの山型分散板(角度60°)をロールミルの入口(直上)に設置した以外は、比較例1と同様の操作を行って、粉砕物(A3)及び吸水性樹脂(P3)を得た。得られた粉砕物(A3)の粒度及び吸水性樹脂(P3)の物性を表1に示した。
比較例1において、ステンレスパイプの管径を20cmとした以外は、比較例1と同様の操作を行って、比較粉砕物(a2)及び比較吸水性樹脂(p2)を得た。得られた比較粉砕物(a2)の粒度及び比較吸水性樹脂(p2)の物性を表1に示した。
実施例1において、下記(微粉再利用工程)を追加した以外は、実施例1と同様の操作を行って、粉砕物(A4)及び吸水性樹脂(P4)を得た。得られた粉砕物(A4)の粒度及び吸水性樹脂(P4)の物性を表1に示した。
分級工程で得られた吸水性樹脂微粉(4)100重量部に対して、工業用純水120重量部を表面架橋工程とは異なる高速混合機(タービュライザー/1000rpm;ホソカワミクロン社製)中で噴霧添加し、微粉造粒を行った。当該操作で得られた吸水性樹脂微粉(4)由来の造粒ゲルを、前述のゲル粉砕工程で得られる粒子状含水ゲル(1)に添加した後は、前述と同様の乾燥操作等を行った。
比較例1において、上記(微粉再利用工程)を追加した以外は、比較例1と同様の操作を行って、比較粉砕物(a3)及び比較吸水性樹脂(p3)を得た。得られた比較粉砕物(a3)の粒度及び吸水性樹脂(p3)の物性を表1に示した。
実施例4において、ロールミル(1段目)の下部に、1段目のロールミルと平行となるように、ロールミル2基を上下に直結(上から2段目のロールミル、3段目のロールミルと称する)し、仕様を以下の条件に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、粉砕物(A5)及び吸水性樹脂(P5)を得た。得られた粉砕物(A5)の粒度及び吸水性樹脂(P5)の物性を表1に示した。
実施例5において、回転式(スクリュー型フィーダー)分散機を使用しなかった以外は、実施例5と同様の操作を行って、比較粉砕物(a4)及び比較吸水性樹脂(p4)を得た。得られた比較粉砕物(a4)の粒度及び吸水性樹脂(p4)の物性を表1に示した。
実施例5において、下記(粉砕前分級工程)を追加した以外は、実施例5と同様の操作を行って、粉砕物(A6)及び吸水性樹脂(P6)を得た。得られた粉砕物(A6)の粒度及び吸水性樹脂(P6)の物性を表1に示した。
前述の乾燥工程において、乾燥機出口において緩く凝集しブロック状となっていた乾燥重合体を、回転軸に多数のピンが取り付けられた解砕機を用いて解した。その後、目開きが10mm、850μm、150μmの篩を有する分級装置(0)に供給して、連続的に分級した。
実施例1〜3と比較例1〜2との対比から、乾燥重合体をロールミルに投入する際に分散機を使用すること(第1の方法)によって、粉砕工程で発生する微粉(粒子径150μm未満の粒子)の割合が低減し、粒子径分布の対数標準偏差(σζ)が改善し、更に得られる吸水性樹脂の通液性(SFC)が向上することが分かる。
上記実施例5において、単量体水溶液を米国特許出願公開第2012/258851号の実施例2に準じて作製し、気泡を含有させた発泡重合を行った以外は、実施例5と同様の操作を行って、吸水性樹脂(P7)を得た。
実施例7において、粉砕工程で分散機を使用しなかった以外は、実施例7と同様の操作を行って、比較吸水性樹脂(p4)を得た。得られた吸水性樹脂(p4)の物性は、CRC:26.6(g/g)、AAP:22.5(g/g)、SFC:96(×10−7・s・cm3・g−1)、FSR:0.38(g/g/s)、内部気泡率:3.4%であった。また、粉砕後の微粉量(分級によって除去され、リサイクルされた微粉量)は生産量に対して20重量%であった。
実施例7及び比較例5では、多孔質の吸水性樹脂を製造したが、分散機の使用の有無によって、微粉量及び物性の差異がより顕著となることが分かる。なお、比較例1〜5では微粉量が多く、分級工程での目詰まりが発生し易い状態であった。
実施例5の条件で、92日間連続して稼働し、吸水性樹脂(P8)を得た。粉砕工程で使用した3段目のロールミルについて、ロールクリアランス変化率は5%、ロールクリアランス変化幅は10μmであったが、吸水性樹脂(P8)の物性は安定していた。
比較例4の条件で、92日間連続して稼働し、比較吸水性樹脂(p6)を得た。粉砕工程で使用した3段目のロールミルについて、ロールクリアランス変化率は38%、ロールクリアランス変化幅は120μmに拡大していた。更に、吸水性樹脂(p6)の物性(重量平均粒子径、SFC、FSR)が徐々に変化していく傾向が確認された。
実施例5の条件で、150日間連続して稼働した後、連続運転により拡大した3段目のロールミルのロールクリアランスを調整した。当該調整は、最大クリアランスを示した部分を稼働当初のクリアランス(0.2mm)に戻すことで実施した。その後、更に150日間連続して稼働し、吸水性樹脂(P9)を得た。
比較例4の条件で、150日間連続して稼働した後、3段目のロールミルのロールクリアランスを調整した。当該調整は、最大クリアランスを示した部分を稼働当初のクリアランス(0.2mm)に戻すことで実施した。その後、更に150日間連続して稼働し、比較吸水性樹脂(p7)を得た。
実施例8〜9及び比較例6〜7の対比から、分散機を使用しなければ、ロールミルの中央部に乾燥重合体が集合し、そのため長時間の稼働でロールの中央部が擦り減り、その結果として物性が低下することが分かる。
(粉砕前分級工程)
上記製造例1の乾燥工程で得られた乾燥重合体(1)について、目開きが10mm、850μm及び150μmのJIS標準篩を有する分級装置(0)に供給して、連続的に分級した。
上記粉砕前分級工程で得られた、粒子径が850μm以上10mm未満の粒子(乾燥重合体(2)と称する;D50 2.8mm)は、バケットコンベアを用いて輸送し、ホッパーに投入した。当該ホッパーや輸送配管は蒸気トレスで加温されており、ホッパー内の乾燥重合体(2)の温度は約60℃であった。当該ホッパーにおいて、平均15分間、滞留させた。
(粉砕工程)
製造例2で得られた乾燥重合体(2)をホッパー底部から定量フィーダーを用いて、600(kg/hr)で抜き出した。その後、当該乾燥重合体(2)は、2段ロールミルに投入して粉砕した。なお、当該2段ロールミルは、その最上段のロールミルの入口(真上)に図1及び図2に示す回転式分散機として、スクリュー型フィーダー分散機が設置されており、当該分散機によって、乾燥重合体(2)は分散されて2段ロールミルに投入された。当該操作によって、粉砕物(G10)を得た。
続いて、上記粉砕工程で得られた粉砕物(G10)全量について、分級装置(1)(目開きが上から順に850μm/150μmの金属篩で構成される分級装置/MINOX製;篩直径600mm)を用いて連続的に分級した。
上記分級工程で得られた吸水性樹脂微粉(F10)100重量部に対して、工業用純水120重量部を下記表面架橋工程とは異なる高速混合機(タービュライザー/1000rpm;ホソカワミクロン社製)を用いて噴霧添加し、微粉の造粒を行った。当該造粒操作で得られた吸水性樹脂微粉(F10)由来の造粒ゲルは、上述した粒子状含水ゲル(1)に添加して回収した。
上記分級工程で得られた吸水性樹脂粉末(B10)100重量部に対して、エチレンカーボネート0.5重量部及び工業用純水3重量部からなる表面架橋剤溶液を作成した後、高速混合機(タービュライザー/1000rpm;ホソカワミクロン社製)を用いて噴霧添加した。その後、パドルドライヤーに移送し、198℃(熱媒温度)で30〜40分間熱処理を行った。なお、吸水性樹脂(P10)の吸水倍率(CRC)が27g/gになるように、熱処理時間の微調整を繰り返した。
上記冷却の際、表面架橋された吸水性樹脂(S10)100重量部に対して、硫酸アルミニウム0.3重量部、水1重量部及びプロピレングリコール0.03重量部からなる処理剤を添加した。
続いて、目開き850μmのJIS標準篩を備えた分級装置(2)で上記再加湿工程後の吸水性樹脂を分級し、その全量が通過するまでフラッシュミルで粉砕した。以上の操作により、粒子径が850μm未満の吸水性樹脂(P10)を得た。
ロールミルの運転条件を表2の記載通りに変更した以外は、実施例10と同様の操作を行って、粉砕物(G11、G12)及び吸水性樹脂(P11、P12)を得た。安定稼働後の、粉砕物(G11、G12)の物性を表2に、吸水性樹脂(P11、P12)の物性を表3にそれぞれ示した。
ロールミルの運転条件を表2の記載通りに変更した以外は、実施例10と同様の操作を行って、粉砕物(G13〜15)及び吸水性樹脂(P13〜15)を得た。なお、参考例1においては、ロール上に乾燥重合体が堆積する傾向にあり、安定稼働する前に停止した。安定稼働後の、粉砕物(G13〜15)の物性を表2に、吸水性樹脂(P13〜15)の物性を表3にそれぞれ示した。
上記製造例1において、粒子状含水ゲル(1)の乾燥機への供給量を製造例1の1/2に変更して得られた乾燥重合体(重合平均粒子径(D50);2.4mm、粒子径分布の対数標準偏差(σζ);0.85、含水率;2.0重量%)について、製造例2と同様の操作を行って、乾燥重合体(3)を得た。
実施例11において、製造例3で得られた乾燥重合体(3)に変更した以外は、実施例11と同様の操作を行って、粉砕物(G16)及び吸水性樹脂(P16)を得た。安定稼働後の、粉砕物(G16)の物性を表2に、吸水性樹脂(P16)の物性を表3にそれぞれ示した。
低速ロールの回転数と、それに付随して周速比が異なる実施例13(周速比1:1)、実施例10(周速比1:1.5)、及び、実施例11(周速比1:2.5)を比較すると、粉砕物の重量平均粒子径(D50)は、粉砕物(G11)<粉砕物(G10)<粉砕物(G13)となった。その結果、吸水性樹脂(P13)の吸水速度(FSR)は非常に劣ったものとなった。
比較例1において、ロールの回転軸と3°の角度をなす溝を、ロールの回転軸と0°の角度をなす溝に変更した以外は比較例1と同様の操作を行い、比較粉砕物(a8)及び比較吸水性樹脂(p8)を得た。得られた比較粉砕物(a8)をサンプリングし、粒度を測定した。結果を表4に示す。
比較例1において、ロールの回転軸と3°の角度をなす溝を、ロールの回転軸と90°の角度をなす溝に変更した以外は比較例1と同様の操作を行い、比較粉砕物(a9)及び比較吸水性樹脂(p9)を得た。得られた比較粉砕物(a9)をサンプリングし、粒度を測定した。結果を表4に示す。なお、乾燥重合体(1)のロールミルへの噛み込みが悪く、乾燥重合体(1)の一部がロールミル上に残存したため、取り除く操作が必要になった。
実施例1において、ロールの回転軸と3°の角度をなす溝を、ロールの回転軸と90°の角度をなす溝に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、粉砕物(A18)及び吸水性樹脂(P18)を得た。得られた粉砕物(A18)をサンプリングし、粒度を測定した。結果を表4に示す。なお、乾燥重合体(1)のロールミルへの噛み込みが悪く、乾燥重合体(1)の一部がロールミル上に残存したため、取り除く操作が必要になった。
比較例1と比較例8、9、及び実施例1と実施例17、18との対比から、ロールの溝の傾斜角が、粉砕物の粒子径に影響することが分かる。具体的には、ロールの回転軸との傾斜角が0°のときは、粒子径が150μm未満の吸水性樹脂微粉の発生が多くなり、当該傾斜角が90°のときは、乾燥重合体のロールミルへの噛み込み(巻き込まれ易さ)が悪く、重量平均粒子径(D50)が大きい値となった。粉砕物の重量平均粒子径(D50)を、例えば、520μmから実施例1の480μm程度にまで狭めるには、ロールクリアランスを更に狭くする必要がある。以上の知見から、本願第5の方法が好ましいことが分かる。
2 スクリューフィーダー、
2’ スリット型分散機、
3 ホッパー、
4 乾燥重合体、
5 ロールミルのロール、
6 粉砕物、
7 案内板
8 山型の分散版、
9 スクリュー型フィーダーの回転部、
10 ピン型の回転羽根を有するフィーダー。
本発明における粉砕物の粒度として、重量平均粒子径(D50)は200〜600μmが好ましく、200〜550μmがより好ましく、250〜500μmが更に好ましく、300〜500μmが特に好ましい。また、粒子径150μm未満の粒子の割合は、吸水性樹脂粉末全体の0〜30重量%が好ましく、0〜25重量%がより好ましく、0〜20重量%が更に好ましく、0〜15重量%が特に好ましく、粒子径850μm以上の粒子の割合は0〜8重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましく、0〜4重量%が更に好ましく、0〜3重量%が特に好ましい。更に、粒子径分布の対数標準偏差(σζ)は0.20〜0.62が好ましく、0.25〜0.60がより好ましく、0.27〜0.58が更に好ましい。なお、これらの粒度は、米国特許出願公開第2006/0204755号やEDANA ERT420.2−02に開示されている測定方法に準じて、標準篩を用いて測定される。
Claims (16)
- アクリル酸(塩)系単量体水溶液の重合工程と、重合工程で得られる含水ゲル状架橋重合体の乾燥工程と、乾燥工程で得られる乾燥重合体の粉砕工程と、乾燥工程後又は粉砕工程後の分級工程とを順次含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法であって、
上記粉砕工程において用いられるロールミルに乾燥重合体を供給する際、当該ロールミルのロール軸方向に、乾燥重合体を分散させて供給することを特徴とする、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法。 - 上記乾燥工程で得られる乾燥重合体を上記ロールミルで粉砕する前に分級する分級工程を含み、当該分級工程において用いられる篩の非通過物を分離し、当該分離された非通過物がロールミル以外の粉砕方法で粉砕される、請求項1に記載の製造方法。
- 上記乾燥重合体の含水率が、上記ロールミルによる粉砕直前で3.0〜15重量%である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 上記乾燥重合体を、機械的分散手段により分散させる、請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記ロールミルにおいて、ロール軸方向にロールを3等分した際、上記乾燥重合体の供給量が最も多い部分が最も少ない部分の1.0〜10倍である、
及び/又は
上記乾燥重合体をフィード幅比80〜99%の範囲内で、上記ロールミルに供給する、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
但し、上記フィード幅比は、下記式により規定される。
- 上記粉砕工程において使用される装置が、上記乾燥重合体を上記ロールミルに供給するための配管を含み、
当該ロールミルのロール長が、当該配管の径の2〜100倍である、請求項1〜5の何れか1項に記載の製造方法。 - 上記ロールミルがロール表面に、溝が縞模様状に並んだ凹凸パターンを有し、かつ、当該溝がロールの回転軸に対して1〜89°傾斜している、請求項1〜6の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記ロールミルの少なくとも一対のロールが、互いに逆方向に回転する低速ロールと高速ロールからなり、その周速比が1:1.05〜1:10である、請求項1〜7の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記低速ロールの周速が0.7〜15(m/s)である、請求項8に記載の製造方法。
- 上記ロールミルにおける最小のロールクリアランスが100〜1000μmであり、
上記粉砕工程で得られる粉砕物の重量平均粒子径(D50)が、ロールクリアランスの最小値に対して、0.5〜2.0倍となるように粉砕する、請求項1〜9に記載の製造方法。 - 上記粉砕工程の雰囲気温度が30〜100℃であり、かつ、雰囲気の相対湿度が50%RH以下である、請求項1〜10の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記粉砕工程が減圧下及び/又は気流下で行われる、請求項1〜11の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記粉砕工程において用いられるロールミル1基当たりの処理量が100(kg/hr)以上であり、かつ、総粉砕時間が30日間以上である粉砕工程において、
ロールクリアランス変化幅が100μm以下、及び/又は、ロールクリアランス変化率が50%以下の条件で、上記乾燥重合体を粉砕する、請求項1〜12の何れか1項に記載の製造方法。
但し、上記ロールクリアランス変化幅及びロールクリアランス変化率は、下記式により規定される。
- 上記粉砕工程において用いられるロールミル1基当たりの処理量が100(kg/hr)以上であり、かつ、総粉砕時間が200日間以上である粉砕工程において、
ロールクリアランス変化幅が300μm以下、及び/又は、ロールクリアランス変化率が90%以下の条件で、上記乾燥重合体を粉砕する、請求項1〜12の何れか1項に記載の製造方法。
但し、上記ロールクリアランス変化幅及びロールクリアランス変化率は、下記式により規定される。
- 得られる吸水性樹脂の重量平均粒子径(D50)が200〜600μmである、請求項1〜14の何れか1項に記載の製造方法。
- 得られる吸水性樹脂の吸水速度(FSR)が0.20(g/g/s)以上、かつ、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が10(×10−7・cm3・s・g−1)以上である、請求項1〜15の何れか1項に記載の製造方法。
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