JP5718817B2 - 吸水性樹脂粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸水性樹脂粉末の製造方法に関する。さらに詳しくは、表面架橋を行うことで、高加圧下条件で高通液性の吸水性樹脂粉末を得る製造方法に関する。
吸水性樹脂(SAP/Super Absorbent Polymer)は、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤であり、紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収物品、さらには、農園芸用保水剤、工業用止水材等として、主に使い捨て用途に多用されている。このような吸水性樹脂としては、原料として多くの単量体や親水性高分子が提案されているが、特に、アクリル酸および/またはその塩を単量体として用いたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が、その吸水性能の高さから工業的に最も多く用いられている。
かかる吸水性樹脂は、重合工程、乾燥工程、(必要により未乾燥物の除去工程)、粉砕工程、分級工程、表面架橋工程等を経て製造される(特許文献1〜5)。主用途である紙おむつの高性能化に伴い、吸水性樹脂にも多くの機能が求められている。具体的には、単なる吸水倍率の高さに限らず、ゲル強度、水可溶分、吸水速度、加圧下吸水倍率、通液性、粒度分布、耐尿性、抗菌性、耐衝撃性、粉体流動性、消臭性、耐着色性、低粉塵等、多くの物性が吸水性樹脂に要求されている。そのため、多くの表面架橋技術、添加剤、製造工程の変更等、数多くの提案が、上記ないし下記の特許文献1〜49以外にもなされている。
上述した物性の中でも、通液性は、近年、紙おむつ中での吸水性樹脂の使用量が増加(例えば50重量%以上)するに従い、より重要な因子と見られるようになっている。そして、SFC(Saline Flow Conductivity/特許文献6)やGBP(Gel Bed Permeabilty/特許文献7〜9)等の荷重下通液性や無荷重下通液性の改善方法や改良技術が多く提案されている。
また、かかる上記物性において、通液性を含めた複数のパラメーターの組み合わせも多く提案され、耐衝撃性(FI)を規定する技術(特許文献10)、吸水速度(FSR/Vortex)等を規定する技術(特許文献11)、液体拡散性能(SFC)および60分後の芯吸収量(DA60)の積を規定する技術(特許文献12)が知られている。
さらに、SFCやGBP等の通液性向上方法として、重合前または重合中に石膏を添加する技術(特許文献13)、スペーサーを添加する技術(特許文献14)、5〜17モル/kgのプロトン化可能な窒素原子を有する窒素含有ポリマーを使用する技術(特許文献15)、ポリアミンおよび多価金属イオンまたは多価陰イオンを使用する技術(特許文献16)、pH6未満の吸水性樹脂をポリアミンで被覆する技術(特許文献17)、ポリアンモニウムカーボネートを使用する技術(特許文献18)が知られている。この他、可溶分3%以上でポリアミンを使用する技術、吸い上げ指数(WI)やゲル強度を規定する技術(特許文献19〜21)が知られている。また、着色および通液性を改善するために、重合時の重合禁止剤であるメトキシフェノールを制御したうえで多価金属塩を使用する技術(特許文献22,23)も知られている。さらに、粒子を研磨して嵩比重を高く制御する技術(特許文献24)も知られている。
また、通液性に加えて、吸水速度も吸水性樹脂の重要な基本物性であり、かかる吸水速度を向上させる方法として、比表面積を向上させて吸水速度を向上させる技術が知られている。具体的には、粒子径を細かく制御する技術(特許文献25)、表面積の大きな微粒子を造粒する技術(特許文献26〜28)、含水ゲルを凍結乾燥して多孔質とする技術(特許文献29)、粒子を造粒と同時に表面架橋する技術(特許文献30〜32)、発泡重合する技術(特許文献33〜48)、重合後に発泡および架橋する技術(特許文献49)等が提案されている。
上記発泡重合において、単量体に使用する発泡剤として、具体的には、炭酸塩を使用する技術(特許文献33〜40)、有機溶媒を使用する技術(特許文献41,42)、不活性ガスを使用する技術(特許文献43〜45)、アゾ化合物を使用する技術(特許文献46,47)、不溶性無機粉末を使用する技術(特許文献48)等が知られている。
米国特許第6576713号明細書 米国特許第6817557号明細書 米国特許第6291636号明細書 米国特許第6641064号明細書 米国特許出願公開第2008/0287631号明細書 米国特許第5562646号明細書 米国特許出願公開第2005/0256469号明細書 米国特許第7169843号明細書 米国特許第7173086号明細書 米国特許第6414214号明細書 米国特許第6849665号明細書 米国特許出願公開第2008/125533号明細書 米国特許出願公開第2007/293617号明細書 米国特許出願公開第2002/0128618号明細書 米国特許出願公開第2005/0245684号明細書 国際公開第2006/082197号パンフレット 国際公開第2006/082188号パンフレット 国際公開第2006/082189号パンフレット 国際公開第2008/025652号パンフレット 国際公開第2008/025656号パンフレット 国際公開第2008/025655号パンフレット 国際公開第2008/092843号パンフレット 国際公開第2008/092842号パンフレット 米国特許第6562879号明細書 米国特許第5505718号明細書 米国特許出願公開第2007/015860号明細書 国際公開第2005/012406号パンフレット 米国特許第5002986号明細書 米国特許第6939914号明細書 米国特許第5124188号明細書 欧州特許第0595803号明細書 欧州特許第0450922号明細書 米国特許第5118719号明細書 米国特許第5154713号明細書 米国特許第5314420号明細書 米国特許第5399591号明細書 米国特許第5451613号明細書 米国特許第5462972号明細書 国際公開第95/02002号パンフレット 国際公開第2005/063313号パンフレット 国際公開第94/022502号パンフレット 米国特許第4703067号明細書 国際公開第97/017397号パンフレット 国際公開第00/052087号パンフレット 米国特許第6107358号明細書 米国特許第5856370号明細書 米国特許第5985944号明細書 国際公開第2009/062902号パンフレット 欧州特許第1521601号明細書
以上、吸水性樹脂の物性向上のために、多くの表面架橋技術、添加剤、製造工程の変更が提案されている。中でも、通液性(特許文献6〜24)や吸水速度(特許文献25〜49)は、吸水性樹脂の基本物性として重要であり、多くの改良技術が提案されてきた。
しかし、表面架橋剤や添加剤(ポリアミンポリマー、無機微粒子、熱可塑性ポリマー)等、吸水性樹脂の原料の変更や追加は、原料の安全性の低下やコストアップだけでなく、他の物性の低下を引き起こすことがあった。また、新たな製造工程の追加は、高額な設備投資やそのエネルギーによるコストアップの要因となるのみならず、工業的には複雑な運転を必要とし、かえって生産性や物性の低下を引き起こすことがあった。
また、上記手法は、実験室等の小スケールではある程度の効果を示すが、実機プラントでの大スケール(例えば、生産量が1[t/hr]以上)では、十分な効果を示さないこともあった。
そこで本発明は、上記問題点を改善するために、原料の変更や高額な設備投資を必要とせずに、簡便な手法で、大スケールの生産において、吸水性樹脂の物性(例えば、通液性や耐ダメージ性)を向上および安定させる方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、従来、上記の通液性や吸水速度の改良方法でなんら注目されて来なかった吸水性樹脂の粉砕工程に着目し、所定量以上を循環させることで、(同じ粒度で比較しても)吸水性樹脂の通液性や耐ダメージ性が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、
アクリル酸(塩)水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程;
得られた含水ゲル状架橋重合体を乾燥して乾燥重合体を得る乾燥工程;
得られた乾燥重合体を粉砕手段により粉砕して粉砕重合体を得る粉砕工程;
得られた粉砕重合体を分級して分級重合体を得る分級工程;および、
得られた分級重合体を表面架橋する表面架橋工程;
を順次含む、吸水性樹脂粉末の製造方法である。そして、表面架橋工程前に、分級重合体の少なくとも一部が同一または別の粉砕工程に再度供給される。また、この際、粉砕工程における下記式:
ただし、(粉砕工程への吸水性樹脂の総供給量)=(乾燥工程での吸水性樹脂の総排出量)+(同一または別の粉砕工程に再度供給される分級重合体の量)である、
で表される循環粉砕比が1.50よりも大きい点にも特徴を有する。
原料の変更や高額な設備投資を必要とせず、表面架橋工程前の粉砕工程の循環量を制御するという簡便な手法で、吸水性樹脂の通液性や耐ダメージ性を向上させることができる。
図1は、粉砕重合体を分級後に同一の粉砕工程に再度供給するフローを示す概略図である。乾燥物(全量)の粉砕工程ののちに分級工程を設けて、該分級工程で”目的粒度(例えば850〜150μm)”/on品/微粉に分級して、on品のみを粉砕工程に循環させる、フローを示す概略図である。なお、図には示されないが、必要により乾燥物は粉砕工程の前に解砕されてもよい。 図2は、粉砕重合体を分級後に別の粉砕工程(第2粉砕工程)に再度供給するフローを示す概略図である。図1の概念図において、on品のみを第2粉砕工程に供給した後、第2分級工程で再度、”目的粒度(例えば850〜150μm)”/on品/微粉に分級して、on品のみを粉砕工程(第2の粉砕工程)に供給し、第2分級工程のon品は必要により再粉砕(例えば第1粉砕工程または第2粉砕工程)に供給する。 図3は、粉砕重合体を分級工程後に粉砕工程に供給し、さらに同一の粉砕工程に再度供給するフローを示す概略図である。図2の概念図において、第1の粉砕工程の省略した場合の概念図であり、乾燥物は直接、分級工程(第1の分級工程)で分級されたのち、目的粒度のon品のみが粉砕工程に供給される。 図4は、凝集乾燥物の解砕工程後に分級工程(第1分級工程)を設けて、第1分級工程で”目的粒度(例えば850〜150μm)”/on品/微粉に分級して、on品のみを粉砕工程(第1の粉砕工程)に供給し、全体の粉砕重合体を分級工程(第2分級工程)で再度、”目的粒度(例えば850〜150μm)”/on品/微粉に分級して、on品のみを粉砕工程(第2の粉砕工程)に供給し、全体の粉砕重合体を分級工程(第3分級工程)で再度、”目的粒度(例えば850〜150μm)”/on品/微粉に分級して、on品のみを第2の粉砕工程に循環させる、フローを示す概略図である。第1分級工程〜第3分級工程で得られた”目的粒度(例えば850〜150μm)”および”微粉”は次工程に、例えば、表面架橋工程や微粉リサイクル工程に供給される。ここで、目的粒度が微粉を含んでもよい場合(例えば、850μm通過物)、分級工程での微粉除去は任意であり、各分級工程はon品と通過物に2分される。また、分級工程の目開き、粉砕工程の装置(例えばロールミルとピンミル)や条件(例えばロールギャップ)はそれぞれ同じでもよく、変化させてもよい。 図5は、図4の概念図において、さらに粉砕工程および分級工程がひとつ追加された概念図であり、図4でさらに第4分級工程および第3粉砕工程を有し、第4分級工程のon品は第3粉砕工程に循環される。 図6は、図5の概念図(第4分級工程のon品は第3粉砕工程に循環)において、第4分級工程のon品は第2粉砕工程に循環される概念図である。 図7は、図4の概念図において、第3分級工程を省略した概念図であり、第2粉砕工程後に(図4の)第2分級工程(図7では第2分級工程)に循環させる、フローを示す概略図である。 図8は、図7の概念図において、第1分級工程での”on品(粗粒)”を大小2つの粒度(例えば、小粗粒として5mm〜850μm、大粗粒として5mm−on)に分級して、得られた2種類のon品を異なる粉砕工程(粉砕工程1、粉砕工程1’)に供給する概念図である。図7の概念図において、大粗粒は追加された粉砕工程1’(図8の左の粉砕機)に供給され、第1分級工程に循環される。 図9は、図8の概念図(第2分級工程のon品を、第2粉砕工程を経て第2分級工程に循環)において、第2分級工程のon品を第1分級工程に循環される概念図である。 図10は、図8の概念図(第2分級工程のon品を、第2粉砕工程を経て第2分級工程に循環)において、第2分級工程のon品を第1’粉砕工程(図10の左の粉砕機)に供給されたのちに第1分級工程に循環される概念図である。 図11は、図5の概念図において、さらに、図8の概念図にある、第1分級工程での”on品(粗粒)”を大小2つの粒度(例えば、小粗粒として5mm〜850μm、大粗粒として5mm−on)に分級して、得られた2種類のon品を異なる粉砕工程(粉砕工程1、粉砕工程1’)に供給する概念図である。 図12は、本発明の製造方法に使用されうる粉砕装置(c1、c2)および分級装置(d)の構成を示す概略図である。ここで、粉砕装置(c1、c2)は直列に併用されてなり、粉砕工程c1ののちに吸水性樹脂は2等分されて、粉砕工程c2(粉砕装置c2)、分級工程d(分級装置d)は並列の2系列とされてなる。
以下、本発明に係る吸水性樹脂の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更、実施されうる。具体的には、本発明は下記の各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
〔1〕用語の定義
(a)「吸水性樹脂」
本明細書において、「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の「高分子ゲル化剤(gelling agent)」を意味し、以下の物性を有するものをいう。すなわち、水膨潤性として無加圧下吸水倍率(CRC)が、5[g/g]以上のものである。CRCは、好ましくは10〜100[g/g]、さらに好ましくは20〜80[g/g]である。また、水不溶性として水可溶分(Extractables)は、0〜50重量%であることが必要である。水可溶分は、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%、特に好ましくは0〜10重量%である。
なお、「吸水性樹脂」とは全量(100重量%)が重合体である形態に限定されず、上記性能を維持する範囲において添加剤等(後述)を含んでいてもよい。すなわち、吸水性樹脂および添加剤を含む吸水性樹脂組成物であっても、本発明では「吸水性樹脂」と総称する。吸水性樹脂が吸水性樹脂組成物である場合の、吸水性樹脂(ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂)の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは70〜99.9重量%であり、より好ましくは80〜99.7重量%であり、さらに好ましくは90〜99.5重量%である。吸水性樹脂以外の成分としては、吸水速度や粉末(粒子)の耐衝撃性の観点から水が好ましく、必要により後述の添加剤が含まれる。
(b)「ポリアクリル酸(塩)」
本明細書において、「ポリアクリル酸(塩)」とは、任意にグラフト成分を含み、繰り返し単位として、アクリル酸(塩)を主成分とする重合体を意味する。具体的には、架橋剤を除く単量体として、アクリル酸(塩)を、必須に50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%、特に好ましくは実質100モル%含む重合体を意味する。重合体としての塩は、必須に水溶性塩を含み、好ましくは一価塩、より好ましくはアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、さらに好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩を含む。なお、ポリアクリル酸(塩)の形状は特に問わないが、粒子または粉体が好ましい。
(c)「EDANA」および「ERT」
「EDANA」は、European Disposables and Nonwovens Associationsの略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(ERT/EDANA Recomended Test Method)の略称である。本明細書においては、特に断りのない限り、ERT原本(公知文献:2002年改定)に基づいて、吸水性樹脂の物性を測定する。
(c−1)「CRC」(ERT441.2−02)
「CRC」とは、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、無加圧下吸水倍率(単に「吸水倍率」とも称することもある)を意味する。具体的には、不織布中の吸水性樹脂0.200gを0.9重量%食塩水で30分、自由膨潤させた後、遠心分離機(250G)で水切りした後の吸水倍率(単位;[g/g])である。
(c−2)「AAP」(ERT442.2−02)
「AAP」とは、Absorption Against Pressureの略称であり、加圧下吸水倍率を意味する。具体的には、吸水性樹脂0.900gを0.9重量%食塩水に1時間、1.9kPaでの荷重下で膨潤させた後の吸水倍率(単位;[g/g])である。なお、本発明および実施例では4.8kPaで測定した。
(c−3)「Extractables」(ERT470.2−02)
「Extractables」とは、水可溶分量(可溶分)を意味する。具体的には、0.9重量%食塩水200mlに、吸水性樹脂1.000gを添加し、16時間攪拌した後、溶解したポリマー量をpH滴定で測定した値(単位;重量%)である。
(c−4)「PSD」(ERT420.2−02)
「PSD」とは、Particle Size Disributionの略称であり、篩分級により測定される粒度分布を意味する。なお、重量平均粒子径および粒子径分布幅は、欧州公告特許第0349240号明細書7頁25〜43行や国際公開第2004/069915号に記載された「(1) Average Particle Diameter and Distribution of Particle Diameter」と同様の方法で測定される。
(c−5)その他
「pH」(ERT400.2−02):吸水性樹脂のpHを意味する。
「Moisture Content」(ERT430.2−2):吸水性樹脂の含水率を意味する。
「Flow Rate」(ERT450.2−02):吸水性樹脂粉末の流下速度を意味する。
「Density」(ERT460.2−02):吸水性樹脂の嵩比重を意味する。
(d)「吸水剤」
本明細書において、「吸水剤」とは、吸水性樹脂を主成分とする水性液のゲル化剤を意味する。なお、該水性液としては、水に限らず、尿、血液、糞、廃液、湿気や蒸気、氷、水と有機溶媒および/または無機溶媒との混合物、雨水、地下水等であってもよく、水を含めば特に制限されるものではない。これらの中でも、尿、特に人尿がより好ましい。本発明に係る吸水性樹脂(ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂)の含有量は、吸水剤の重量全体に対して、好ましくは70〜99.9重量%であり、より好ましくは80〜99.7重量%であり、さらに好ましくは90〜99.5重量%である。吸水性樹脂以外の成分としては、吸水速度や粉末(粒子)の耐衝撃性の観点から、水が好ましく、必要により後述の添加剤が含まれる。
(e)「その他」
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は、「X以上Y以下」であることを意味する。また、重量の単位である「t(トン)」は、「Metric ton(メトリック トン)」であることを意味する。さらに、特に注釈のない限り、「ppm」は「重量ppm」または「質量ppm」を意味する。
さらに、吸水性樹脂の物性の測定は、特に注釈のない限り、温度:20〜25℃(単に「室温」、あるいは「常温」と称することもある)、相対湿度:40〜50%の条件下で実施している。
〔2〕吸水性樹脂の製造方法
(1)重合工程
本工程は、アクリル酸(塩)水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る工程である。
(a)単量体(架橋剤を除く)
本発明に係る吸水性樹脂は、その原料(単量体)として、アクリル酸(塩)水溶液を使用する。該水溶液は、アクリル酸および/またはその塩を主成分として含む。また、重合により得られる含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」とも称する)は、吸水特性や残存モノマー量の観点から、重合体の酸基の少なくとも一部が中和されていることが好ましい。このようなアクリル酸の部分中和塩としては、特に制限されないが、吸水性樹脂の吸水性能の観点から、アクリル酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩から選ばれるアクリル酸の一価塩が好ましく、アクリル酸のアルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩から選ばれるアクリル酸塩がさらに好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
したがって、単量体としてのアクリル酸または重合後の重合体(含水ゲル)の中和に用いられる塩基性物質としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物や、炭酸(水素)ナトリウム、炭酸(水素)カリウム等の炭酸(水素)塩、等の一価の塩基性物質が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
上記中和は、重合後の重合体(含水ゲル)に行ってもよく、または、単量体として塩の形態のアクリル酸を使用して重合を行ってもよいが、生産性やAAP(加圧下吸水倍率)の向上等の観点から、中和された単量体を使用する、すなわち、アクリル酸の部分中和塩を単量体として使用することが好ましい。
上記中和の中和率は、特に制限されないが、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜95モル%、さらに好ましくは50〜90モル%、特に好ましくは60〜80モル%である。また、中和時の温度(中和温度)としては、特に制限されないが、好ましくは10〜100℃、さらに好ましくは30〜90℃で適宜決定される。この他、中和処理の好ましい条件等は、欧州特許第574260号明細書に例示されており、該公報に記載の条件も本発明に適用されうる。
上述した単量体(下記の架橋剤を含む)は、通常、水溶液の形態で重合され、その固形分濃度は、通常10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量%、特に好ましくは35〜60重量%である。なお、重合は、飽和濃度を超えたスラリー(水分散液)で行ってもよいが物性面から、好ましくは飽和濃度以下の水溶液で行う。
さらに、得られる吸水性樹脂の諸物性を改善するために、アクリル酸(塩)水溶液または重合後の含水ゲル、乾燥物または粉体に、澱粉、ポリアクリル酸(塩)、ポリエチレンイミン等の水溶性樹脂または吸水性樹脂や、各種の発泡剤(炭酸塩、アゾ化合物、気泡等)、界面活性剤、後述の添加剤を任意成分として添加してもよい。その添加量として、上記水溶性樹脂または吸水性樹脂は、単量体100重量%に対して0〜50重量%が好ましく、0〜20重量%がより好ましく、0〜10重量%が特に好ましく、0〜3重量%が最も好ましい。また、上記発泡剤、界面活性剤または添加剤は、単量体100重量%に対して0〜5重量%が好ましく、0〜1重量%がより好ましい。
また、キレート剤、ヒドロキシカルボン酸、還元性無機塩を使用する場合、その使用量としては、得られる吸水性樹脂の全量100重量%に対して、10〜5000ppmが好ましく、10〜1000ppmがより好ましく、50〜1000ppmがさらに好ましく、100〜1000ppmが特に好ましい。これらの中でも、キレート剤の使用が好ましい。キレート剤の使用によって、吸水性樹脂の色安定性(高温高湿条件下で長期間保存した場合の色安定性)や耐尿性(ゲル劣化防止)の向上を達成することができる。上記キレート剤としては、米国特許第6599989号明細書や国際公開第2008/090961号パンフレット等に例示されているものを適用することができ、その中でも、アミノカルボン酸系金属キレート剤や多価リン酸系化合物が好ましい。なお、その他成分を使用して得られたグラフト重合体(例えば、澱粉アクリル酸グラフト重合体)または吸水性樹脂組成物も、本発明ではポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂と総称する。
また、本発明においては、アクリル酸(塩)を主成分として用いる場合、アクリル酸(塩)以外の親水性または疎水性不飽和単量体(以下、「他の単量体」とも称する)を含んでいてもよい。このような他の単量体としては、特に限定されないが、例えば、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリルアクリレートやそれらの塩等が挙げられる。このような他の単量体を使用する場合、その使用量としては、所望の特性を損なわない程度であれば特に制限されないが、全単量体100重量%に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは0〜20重量%である。
(b)架橋剤(内部架橋剤)
本発明では、吸水特性の観点から架橋剤(「内部架橋剤」と称することもある)を使用することが特に好ましい。内部架橋剤の使用量は、物性面から、架橋剤を除く上記単量体100モル%に対して、0.001〜5モル%が好ましく、0.005〜2モル%がより好ましく、0.01〜1モル%がさらに好ましく、0.03〜0.5モル%が特に好ましい。
使用できる内部架橋剤としては、特に限定されず、例えば、アクリル酸との重合性架橋剤や、カルボキシル基との反応性架橋剤、それらを併せ持った架橋剤等を例示することができる。具体的には、重合性架橋剤としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリオキシエチレン)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アリロキシアルカン等、分子内に重合性二重結合を少なくとも2個有する化合物が例示できる。また、反応性架橋剤としては、ポリグリシジルエーテル(エチレングリコールジグリシジルエーテル等)、多価アルコール(プロパンジオール、グリセリン、ソルビトール等)等の共有結合性架橋剤、アルミニウム等、多価金属化合物であるイオン結合性架橋剤が例示できる。これらの中でも、吸水特性の面から、アクリル酸との重合性架橋剤が好ましく、特に、アクリレート系、アリル系、アクリルアミド系の重合性架橋剤が好適に使用される。これらの内部架橋剤は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(c)重合開始剤
本発明で使用される重合開始剤は、重合の形態によって適宜選択される。このような重合開始剤としては、例えば、光分解型重合開始剤、熱分解型重合開始剤、レドックス系重合開始剤等が例示される。重合開始剤の使用量は、前記単量体100モル%に対して、0.0001〜1モル%が好ましく、0.001〜0.5モル%がより好ましい。
光分解型重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、アゾ化合物等を例示することができる。また、熱分解型重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩(過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム)、過酸化物(過酸化水素、t−ブチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド)、アゾ化合物(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド等)等が例示されうる。なお、これらラジカル重合開始剤のうち、過硫酸塩、過酸化物、アゾ化合物は光重合開始剤とすることもできる。
レドックス系重合開始剤としては、例えば、上記過硫酸塩や過酸化物に、L−アスコルビン酸や亜硫酸水素ナトリウム等の還元性化合物を併用し、両者を組み合わせた系が例示されうる。また、上記光分解型開始剤と熱分解型重合開始剤とを併用することも、好ましい態様として挙げることができる。
(d)重合方法
本発明の実施形態に係る重合方法は、通液性や吸水速度といった吸水性樹脂の物性や重合制御の容易さといった観点から、噴霧重合または液滴重合でもよいが、好ましくは、通常、水溶液重合または逆相懸濁重合で行われる。これらの重合方法の中でも、従来、重合の制御や着色の改善が困難であった水溶液重合が好ましく、連続水溶液重合がより好ましく、高濃度・高温開始連続水溶液重合が特に好ましい。さらに、1ラインで単量体水溶液を重合して吸水性樹脂を0.5[t/hr]以上、さらには1[t/hr]以上、よりさらには5[t/hr]以上、特に10[t/hr]以上の巨大スケールで製造する連続重合および連続製造(乾燥工程〜表面架橋工程)において好適に制御できる。
上記連続水溶液重合の好ましい形態として、例えば、連続ニーダー重合(米国特許第6987151号や同第6710141号等に記載)や、連続ベルト重合(米国特許第4893999号、同第6241928号や米国特許出願公開第2005/215734号等に記載)が挙げられる。これらの連続水溶液重合では、高生産性で吸水性樹脂を生産することができるが、スケールアップに伴い、物性の振れ(上記標準偏差の増大)が見られる傾向にあるが、本発明ではかかる問題も解決する。
このような高濃度や高温での重合であっても、本発明では単量体の安定性に優れ、また、白色度の高い吸水性樹脂が得られるため、かかる条件でより顕著に効果を発揮する。このような高温開始重合は、米国特許第6906159号および同第7091253号等に例示されているが、本発明の方法では、重合前の単量体の安定性にも優れるので、工業的なスケールでの生産が容易である。
これらの重合は、空気雰囲気下でも実施できるが、着色改善の観点から、好ましくは、窒素やアルゴン等の不活性気体雰囲気(例えば、酸素濃度1容積%以下)で行うことが好ましい。また、単量体または単量体を含む溶液中の溶存酸素が、不活性気体で十分に置換(例えば、酸素1[mg/L]未満)された後に、重合に用いられることが好ましい。このように脱気しても単量体の安定性に優れ、重合前のゲル化も起こらず、より高物性で高白色の吸水性樹脂を提供することができる。
(2)ゲル細粒化工程
上記重合工程で得られた含水ゲル状架橋重合体(含水ゲル)は、そのまま乾燥工程(後述)に供してもよいが、吸水速度や通液性の面から、重合時または重合後、必要により解砕機(ニーダー、ミートチョッパー等)を用いてゲル解砕されて粒子状にされる。すなわち、上記ゲル解砕後の粒子状含水ゲルの重量平均粒子径(篩分級で規定)は、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.5〜5mm、さらに好ましくは1〜3mmの範囲である。
ゲル解砕時の含水ゲルの温度は、物性の面から、好ましくは40〜95℃、より好ましくは50〜80℃に保温または加熱される。含水ゲルの樹脂固形分は、特に限定されるものではないが、物性の面から、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。
(3)乾燥工程
乾燥工程では、上記含水ゲル状架橋重合体が乾燥され、乾燥重合体とされる。乾燥減量(粉末または粒子1gを180℃で3時間加熱)から求められる乾燥重合体の樹脂固形分は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは85〜99重量%、さらに好ましくは90〜98重量%、特に好ましくは92〜97重量%の範囲に調整される。
乾燥温度は、特に限定されるものではないが、好ましくは100〜300℃の範囲内、より好ましくは150〜250℃の範囲内とすればよい。乾燥方法としては、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、(ゲルを加熱回転ドラム内で攪拌乾燥する)回転ドラム式乾燥、ローターによる攪拌乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸脱水、熱風乾燥において高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等、種々の方法を採用することができる。乾燥は連続式または回分式(別称バッチ式)、好ましくは、連続乾燥で行われる。好ましくは熱風乾燥、特に露点が40〜100℃、より好ましくは露点が50〜90℃の気体による熱風乾燥である。熱風乾燥には通気バンド式乾燥機が採用され、必要により他の乾燥機を併用してもよい。
上記粒子状含水ゲル(重量平均粒子径で例えば0.1〜10mm)を乾燥する場合、乾燥重合体の形状は通常、粒子状またはその凝集物(例;ブロック状物;特許文献1を参照)であるが、特に限定されない。乾燥物の粒子の大きさは乾燥前の含水ゲルの粒子径で決定され、乾燥前後での粒子径の収縮率は含水率から計算でも求めることができる。乾燥工程で得られた凝集物はそのまま粉砕工程に供給されてもよいが、乾燥機出口で必要により解砕(凝集をほぐし)されて、再度、重量平均粒子径で50mm以下、30mm以下、0.1〜10mm、好ましくは0.5〜5mm、さらに好ましくは1〜3mmの粒子状とされ、次の工程、特に粉砕工程に供給される。なお、粒子状含水ゲルを乾燥する場合、特に積層して乾燥、さらには通気バンド式乾燥で乾燥する場合、粒子状含水ゲルの乾燥粒子からなる凝集物、特にブロック状物となるため、粉砕工程ないし粉砕工程への輸送工程の前に解砕工程を設けることが好ましい。解砕には低速のピン型解砕機などが適宜使用される。ここで、疎砕工程とは凝集前の乾燥粒子のサイズ(重量平均粒子径)程度ないしそれ以上まで、乾燥凝集物、特にブロック状乾燥凝集物を上記範囲(好ましくは50mm以下、0.5〜5mm、さらには1〜3mm程度にほぐす操作を指し、その際に一部の乾燥物が粉砕されていても、全体として乾燥粒子一粒(一次粒子)のサイズ(重量平均粒子径)程度ないしそれ以上である場合、解砕工程と呼び、後述の粉砕工程、すなわち、乾燥物(特に乾燥粒子(一次粒子)やその乾燥凝集物)を目的粒度まで粉砕(砕く)する操作とは異なる概念である。こうして、必要により解砕された乾燥物は粒子状乾燥物ないしその凝集物(好ましくは50mm以下)であり、さらに輸送工程(好ましくは空気輸送工程)を経て粉砕工程ないし分級工程に供給される(解砕工程を含む図4〜図11を参照)
(4)粉砕工程
本発明では通液性や吸水速度の向上のために、粉砕工程での循環量を一定以上とする点に特徴がある。粉砕工程での循環量を一定以上に制御する手段としては、分級重合体の少なくとも一部を同一または別の粉砕工程に再度供給することにより達成される。
すなわち、本発明の一形態によれば、アクリル酸(塩)水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程;得られた含水ゲル状架橋重合体を乾燥して乾燥重合体を得る乾燥工程;得られた乾燥重合体を粉砕手段により粉砕して粉砕重合体を得る粉砕工程;得られた粉砕重合体を分級して分級重合体を得る分級工程;および、得られた分級重合体を表面架橋する表面架橋工程;を順次含む吸水性樹脂粉末の製造方法であって、前記表面架橋工程前に、前記分級重合体の少なくとも一部が同一または別の前記粉砕工程に再度供給され、この際、前記粉砕工程における循環粉砕比が1.50よりも大きいことを特徴とする、製造方法が提供される。
なお、本発明において「粉砕」とは、粒子またはその凝集物を細粒化する工程であり、バンド乾燥機の出口等で行われる凝集物の解砕工程(凝集のほぐし)は粉砕工程に含まず、好ましくはロール型粉砕機が粉砕機に使用され、必要により少量を他の粉砕機(例えばピンミル)などを使用してもよい。なお、ロール型粉砕機で主に粉砕、特に80重量%以上、特に90重量%を粉砕する際には、本発明の循環粉砕比はロール型粉砕機で粉砕工程での循環粉砕比で規定されることで実質的に問題はない。また、特許文献(米国特許第6562879号)にあるように、研磨と粉砕とは異なる概念である。
(循環粉砕比)
本発明において、「循環粉砕比」は下記式:
ただし、(粉砕工程への吸水性樹脂の総供給量)=(乾燥工程での吸水性樹脂の総排出量)+(同一または別の粉砕工程に再度供給される分級重合体の量)である、
で表され、同一または別の粉砕機での粉砕量で規定され、連続粉砕では平衡時の粉砕量[kg/hr]で規定される。ここで、小スケールでは本発明の効果が小さい場合もあり、本発明での循環粉砕比の規定は、上述した巨大スケール(1[t/hr])以上の範囲で好適に適用されうる。
ここで、循環粉砕比が1.50以下では吸水性樹脂の通液性(例えばSFC)が劣り、ダメージ後の微粉も大きく増加するため好ましくない。一方、循環粉砕比を1.50よりも大きい値に制御することで、吸水性樹脂の耐ダメージ性の低下を最小限に抑制しつつ、その通液性(例えばSFC)を向上させることができる。なお、ダメージ後の微粉増加は実施例の測定法で規定されるが、吸水性樹脂の製造直後において微粉(例;JIS標準篩150μm通過物)が少なくても、おむつ製造時のプロセスダメージによって微粉が発生し、おむつの実使用時に通液性低下などの悪影響をもたらすため、好ましくない。
本発明では、通液性(例えばSFC)の観点から、循環粉砕比の下限は1.50よりも大きく、さらには1.60以上、1.70以上、1.80以上、1.90以上、2.00以上、2.10以上の順に好ましい。一方、吸水速度(例えばFSR)の観点から、循環粉砕比の上限は、3.00以下、2.50以下、2.40以下、2.30以下、2.10以下、1.90以下、1.70以下、1.60以下の順に好ましい。
すなわち、吸水速度と通液性のバランスの観点から、循環粉砕比は上記の範囲で適宜決定されるが、好ましくは1.50超3.00以下である。このうち、通液性を目指す場合には好ましくは1.70〜2.80、さらには1.90〜2.70、特には2.10〜2.50に制御される。
従来、粉砕の技術常識からは、目的粒度(例えば、850〜150μmまたは710μm通過物)に対して可能な限り分級後のオン品(篩上部)を低減させており、通常、on10%未満(本発明で規定する循環粉砕比が1.10未満)、さらには5%未満(同1.05未満)、特に1%未満(同1.01未満)とされてきたが、本発明では、吸水性樹脂の表面架橋工程前に、目的粒度に比べて分級後のオン品を増加させることで、表面架橋(特に有機表面架橋剤での表面架橋)後の吸水性樹脂の耐ダメージ性の低下を抑えつつ、通液性(SFC)を向上させることができる。
(制御方法)
上述した範囲(1.50超)に循環粉砕比を制御するには、粉砕工程を経て得られた粉砕重合体(粉砕された吸水性樹脂)が分級工程を経て分級重合体(分級された吸水性樹脂)とされたうえで、上記分級重合体の少なくとも一部が同一または別の粉砕工程に再度供給される。分級工程は国際公開特許2008/123477号などに例示の風力分級や気流分級でもよいが、効果の面で好ましくは篩分級が適用され、その際に、1種類以上の目開きの篩で分級される。その際、好ましくは、分級工程で目開きの異なる2種類以上、さらには3種類以上の篩が使用され、その最上部を含むオン品(例:粒子径850μm以上の粒子)が再度粉砕され、通過物(例:粒子径850μm未満の粒子)の分級重合体が表面架橋工程に供給される。さらに好ましくは、最上部を含むオン品(粒子径850μm以上の粒子)が再度粉砕され、通過物(例:粒子径850μm未満の粒子)から微粉(例:粒子径150μm未満の粒子)が除去されたものが表面架橋工程に供給される。好適なフローは図1〜図3に示される。なお、図1〜図12において、物性の向上および安定化のため、粉砕工程や分級工程は好ましくは後述の一定温度以上(さらには減圧工程)であり、また、各工程間は好ましくは空気輸送(露点0℃以下)で連結されてなる。
本発明において用いられる篩の数や目開き(μm)は適宜決定され、目開きが1種類のみ(on品と通過物の分級)でもよいが、物性向上から好ましくは、異なる目開きで大小に2種類以上、好ましくは3〜6種類、さらに好ましくは4〜6種類で使用され、その目開きは大きい方の篩が710〜2000μm、中間篩は850〜150μm、下の篩は300〜45μm、さらには250〜106μmなどから選択される。また、本発明で目的粒度(例えば850〜150μm)に対して、on品除去の篩(や微粉除去の篩)は1つのみ(例えば850μm)でもよく、さらに2種類以上(特に2種類、例えば850μmと2mm)でもよく、微粉除去の篩も同様に1種類または2種類以上(特に2種類)が使用される。
(同一または別の粉砕工程(粉砕機)への循環)
ここで、図1に示すように、分級工程を経た分級重合体の所定量、特にオン品の所定量は分級工程前の同一の粉砕工程に再度供給されることが好ましい。ここで、目的粒度のon品を分級する場合、一般に100%の分級には長時間を要するため、除去するon品(例えば850μm−on)に多少の目的粒度(例えば850〜150μm)や微粉(150μm)が含まれてもよい。また、目的粒度への分級についても微粉が多少含まれていてもよい。同一の粉砕機で循環させることで、新たな粉砕手段を用いる必要もなく、通液性や耐ダメージ性などの物性を向上できる。同一の粉砕機に分級重合体を供給する場合、かかる1つの粉砕機への総供給量(乾燥工程由来および循環工程由来)を乾燥量で除することで、循環粉砕比は規定できる。ここで、本発明の課題を解決するうえで、好ましくは、粉砕機が後述のロール型粉砕機である。循環前および循環後にも、同一または別のロール型粉砕機で粉砕されることが好ましい。なお、循環後の粉砕工程で別のロール型粉砕機を用いる場合、それぞれの粉砕機のサイズや条件は異なってもよく、同じでもよい。
また、図2や図3に示すように、分級重合体が別の粉砕工程(第2粉砕工程)を経て別の分級工程(第2分級工程)に供給されることも、好ましい。ここで、別の粉砕機(第2粉砕工程ないしそれ以降)に循環させる場合、すなわち、異なる粉砕機に分級重合体を供給する場合、かかる複数の粉砕機への総供給量(乾燥工程由来および循環工程由来;例:粉砕機1および粉砕機2)を乾燥量で除することで、循環粉砕比は規定できる。ここで、本発明の課題を解決するうえで、好ましくは、いずれの粉砕機も後述のロール型粉砕機である。さらに、本発明の循環工程において、分級重合体を別の粉砕機(第2の粉砕機/第2粉砕工程)または別の粉砕機および分級機(第2の粉砕機と第2の分級機)に供給する場合は、かかる粉砕工程の設定条件を循環前の粉砕工程・循環工程(第1の粉砕機と第1の分級機)と異なった条件とすることで、粒子径の制御が容易であり、さらに、得られた吸水性樹脂の物性も向上できる。すなわち、図2や図3に示す多段粉砕(好ましくはロール型粉砕機)および/または(好ましくは、および)多段分級(好ましくは篩分級)が、得られる吸水性樹脂の物性向上の観点からは好ましい。ここで、多段は2段以上(直列に2台以上の粉砕機・分級機)、好ましくは2〜10段(直列に2〜10台)、さらに好ましくは2〜6段(直列に2〜6台)、特に好ましくは3〜5段(直列に3〜5台)とされる。
すなわち、最も好ましい実施形態として、図5、6、11などに示される粉砕工程および分級工程を繰り返す、多段粉砕(好ましくはロール型粉砕機)および多段分級(好ましくは篩分級)が例示され、好ましい段数は上記範囲である。ここで、多段粉砕(例えば、第1粉砕工程を含んでそれ以降)はそれぞれロール型粉砕機が好ましい使用でき、その場合には各粉砕工程での粉砕機のロールは1段(1対)でもよく、多段(2対以上)でもよい。
上記の図2および図3に加えて、図4〜図11も同様に複数の粉砕工程および複数の分級工程が直列に連結されてなり、分級工程を経てon品(目的粒度よりも粗大粒子)のみが別の粉砕工程に供給される。全量がさらに粉砕される方法に比べて、微粉も少なく、装置の負荷も小さく小型化でき、さらに、吸水性樹脂の物性(例えば通液性や吸水速度)も向上するので好ましい。かかる複数の粉砕工程および複数の分級工程が直列に連結されてなり、分級工程を経て目的粒度のon品(目的粒度よりも粗大粒子)のみが別の粉砕工程に供給されることで、より吸水性樹脂の物性が向上するうえに、目的該の吸水性樹脂微粉の低減し、さらに粉砕工程や分級工程の負荷も低減できるので好ましい。ここで、直列に連結される粉砕工程および分級工程は以下、順番に第1分級工程、第2分級工程、第3分級工程・・・、第2粉砕工程、第2粉砕工程、第3粉砕工程・・・、と総称することもあるが、本発明において、複数の分級工程の目開き、粉砕工程の装置(例えばロールミルとピンミル)や条件(例えばロールギャップ)はそれぞれ同じでもよく、変化させてもよい。
また、本発明で好ましくは分級工程(または第2分級工程以降の分級工程)で得られた”目的粒度(例えば850〜150μm)”および”微粉”は次工程に、例えば、表面架橋工程や微粉リサイクル工程に供給される。ここで、目的粒度が微粉を含んでもよい場合(例えば、850μm通過物)、分級工程での微粉除去は任意であり、各分級工程でon品と通過物に2分され、on品は再粉砕され、通過物は表面架橋ないしそのまま製品とされる。また、各分級工程で得られた目的粒度の吸水性樹脂は、次工程として好ましくは表面架橋工程に供給されるが、表面架橋なくそのまま製品としてもよく、また、表面架橋以外の改質工程(例えば、高分子、界面活性剤、無機微粒子などでの被覆)を行ってもよい。
具体的には、図2では、第1、2の分級工程、第1、2の粉砕工程を有し、第1分級工程でon品のみを第2粉砕工程に供給した後、第2分級工程で再度、”目的粒度(例えば850〜150μm)”/on品/微粉に分級して、on品のみを粉砕工程(第2の粉砕工程)に供給し、(図には示さないが)on品は必要により再粉砕(例えば第1粉砕工程または第2粉砕工程)に供給する。
図3では、粉砕重合体を分級後に別の粉砕工程に再度供給し、さらに同一の粉砕工程に再度供給するフローを示す概略図である。図2の概念図において、第1の粉砕工程の省略した概念図であり、乾燥物は直接、分級工程(第1の分級工程)で分級されたのち、目的粒度のon品のみが粉砕工程に供給される。
図4は、凝集乾燥物の解砕工程後に分級工程(第1分級工程)を設けて、第1分級工程で目的粒度/on品/微粉に分級して、on品のみを粉砕工程(第1の粉砕工程)に供給し、全体の粉砕重合体を分級工程(第2分級工程)で再度、目的粒度/on品/微粉に分級して、on品のみを粉砕工程(第2の粉砕工程)に供給し、全体の粉砕重合体を分級工程(第3分級工程)で再度、”目的粒度(例えば850〜150μm)”/on品/微粉に分級して、on品のみを第2の粉砕工程に循環させる、フローを示す概略図である。
図5は、図4の概念図において、さらに粉砕工程および分級工程がひとつ追加された概念図であり、図4でさらに第4分級工程および第3粉砕工程を有し、第4分級工程のon品は第3粉砕工程に循環される。
図6は、図5の概念図(第4分級工程のon品は第3粉砕工程に循環)において、第4分級工程のon品は第2粉砕工程に循環される。
図7は、図4の概念図において、第3分級工程を省略した概念図であり、第2粉砕工程後に(図4の)第2分級工程(図7では第2分級工程)に循環させる、フローを示す概略図である。
図8は、図7の概念図において、第1分級工程での”on品(粗粒)”を大小2つの粒度(例えば、小粗粒として5mm〜850μm、大粗粒として5mm−on)に分級して、得られた2種類のon品を異なる粉砕工程(粉砕工程1、粉砕工程1’)に供給する概念図である。図7の概念図において、大粗粒は追加された粉砕工程1’(図8の左の粉砕機)に供給され、第1分級工程に循環される。
図9は、図8の概念図(第2分級工程のon品を第2粉砕工程を経て第2分級工程に循環)において、第2分級工程のon品を第1分級工程に循環される概念図である。
図10は、図8の概念図(第2分級工程のon品を第2粉砕工程を経て第2分級工程に循環)において、第2分級工程のon品を第1’粉砕工程(図10の左の粉砕機)に供給されたのちに第1分級工程に循環される概念図である。
図11は、図5の概念図において、さらに、図8の概念図にある、第1分級工程での”on品(粗粒)”を大小2つの粒度(例えば、小粗粒として5mm〜850μm、大粗粒として5mm−on)に分級して、得られた2種類のon品を異なる粉砕工程(粉砕工程1、粉砕工程1’)に供給する。
本発明において、上記図1〜図11を好ましい代表例として、好ましくは、複数の粉砕工程および複数の分級工程が直列に連結(必要により一部が並列に分岐)されてなり、分級工程を経てon品(目的粒度よりも粗大粒子)のみが別の粉砕工程に供給される。すなわち本発明において、循環させる吸水性樹脂は乾燥され粉砕されてなる。従来、乾燥後の未乾燥物を除去し必要により粉砕し再乾燥する技術(特許文献3〜5)も知られているが、特許文献1〜5は循環粉砕比1.50超を開示せず、また、本発明では乾燥物(好ましくは含水率10重量%以下、8重量%以下、さらには6重量%以下、特に4重量%以下)の分級重合体が好ましくは直接、乾燥工程ではなく、そのまま粉砕工程に供給されてなる。未乾燥物を除去する特許文献3〜5とは異なり、本発明ではかかる粉砕工程(好ましくはロール型粉砕機、好ましくは減圧)に再循環される分級重合体は好ましくは10mm以下、5mm以下、3mm以下、2mm以下をそれぞれ好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上含む乾燥物(含水率10重量%以下)である。
(生産量)
本発明の効果は実験室レベルの小スケールよりも、高通液性の吸水性樹脂の製造や工業的な連続生産、特にFSRが特定の値以上の吸水性樹脂や大スケールの連続生産を24時間以上続ける際、顕著に発揮されるので好ましい。好ましい生産量は上記範囲である。
(粉砕機)
粉砕工程において用いられる粉砕機としては、ロールミル、ハンマーミル、ロールグラニュレーター、ジョークラッシャー、ジャイレクトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、カッターミル等、従来から知られている粉砕機を使用することができる。特に好ましくは、粒度制御の観点から、ロールミルないしロールグラニュレーターなどのロール型粉砕機が多段(好ましくは2〜10段、より好ましくは2〜4段)で使用される。なお、ロール型粉砕機を多段に使用する場合、複数のロール型粉砕を上下に連結させてもよく、また、上記図2〜図11のように、1段のロール型粉砕機ののちに分級工程をはさんでさらに1段のロール型粉砕機を設けてもよく、この場合も本発明でいう多段粉砕(多段ロール型粉砕機)の概念に属するものである。
すなわち、これら粉砕機の中でも、粉砕工程ではロール型粉砕機が使用されることが好ましい。さらに好ましい他の実施形態では、粉砕工程でロール型粉砕機およびそれ以外の粉砕機が併用されてなる。また、これらの粉砕工程では下記の範囲の減圧であることが好ましい。減圧とすることで、より通液性(SFC)が向上する。好ましい減圧度は下記のとおりである。
ロール型粉砕機において、ローラーの径(例えば10〜1000mm)や長さ(100〜5000mm)、ピッチ、クリアランス、ロール間隙、ローラーの材質、ロール間圧力範囲(ほぼ0〜80N/mm超まで)、ローラーの速度、速度比(等速または非等速)、スクレーパー、ピッチ、クリアランスなどは適宜決定される。
(減圧状態)
本発明では物性向上(例:加圧下吸水倍率、通液性)や粉砕効率の面から、好ましくは粉砕工程が減圧とされ、さらに好ましくは分級工程も減圧とされる。ここで、「減圧状態」とは、大気圧よりも気圧が低い状態を意味し、正(プラス)の値の「減圧度」として表現される。つまり、大気圧が標準大気圧(101.3kPa)である場合、「減圧度が10kPa」とは、気圧が91.3kPaであることを指す。本発明において、減圧度の下限値は、0kPaを超えるのが好ましく、0.01kPa以上がより好ましく、0.05kPa以上がより好ましい。また、分級装置内での粉体の吊り上り防止、および排気装置のコスト削減等の観点から、減圧度の上限値は、通常30kPa以下で、10kPa以下が好ましく、5kPa以下がより好ましく、2kPa以下がさらに好ましい。減圧度の好ましい数値範囲は、上記下限値と上限値との間で任意に選択できる。
(加熱)
本発明では物性向上(例:加圧下吸水倍率、通液性)の面から、好ましくは粉砕工程が一定温度以上、さらに好ましくは分級工程も一定温度以上で行われる。本発明で好ましくは35℃以上、さらに40〜100℃、50〜90℃、60〜80℃とされる。かかる一定温度以上するために、粉砕工程および/または分級工程は加熱(外部加熱)または保温(好ましくは断熱)とされる。
なお、粉砕工程や分級工程の温度は、装置内面または吸水性樹脂(分級重合体、粉砕重合体)の温度で規定され、好ましくは、吸水性樹脂(分級重合体、粉砕重合体)、さらには装置内面の温度の両方が上記温度とされる。吸水性樹脂を上記温度する手段としては乾燥工程終了からの放熱ないし冷却を含んで吸水性樹脂が加熱状態であればよく、必要により乾燥工程後に保温ないし加熱すればよい。また、粉砕機や分級機を上記温度する手段は上記範囲の吸水性樹脂からの伝熱によってもよく、また、装置を適宜保温ないし加熱してもよい。
(粒度)
本発明では上記粉砕工程および分級工程を経て(さらに必要により複数の分級工程からの吸水性樹脂を混合して)目的粒度の吸水性樹脂を得ることで粒度が制御され、好ましくはさらに表面架橋される。表面架橋前の重量平均粒子径(D50)としては200〜600μm、好ましくは200〜550μm、より好ましくは250〜500μm、特に好ましくは350〜450μmに調整される。また、150μm未満の粒子径を有する粒子が少ないほどよく、通常0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%、特に好ましくは0〜1重量%に調整される。さらに、850μm以上(さらには710μm以上)の粒子径を有する粒子が少ないほどよく、通常0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%、特に好ましくは0〜1重量%に調整される。また、本発明では好ましくは850〜150μmの粒子径を有する粒子の割合、さらには710〜150μmの粒子径を有する粒子の割合が95重量%以上さらには98重量%以上(上限100重量%)で表面架橋される。粒度分布の対数標準偏差(σζ)は0.25〜0.45、好ましくは0.30〜0.40、好ましくは0.32〜0.38とされる。これらの測定方法については、標準篩を用いて、例えば、国際公開第2004/69915号やEDANA−ERT420.2−02に記載されている。上記表面架橋前の粒度は好ましくは表面架橋後さらには最終製品(別称:吸水剤または粒子状吸水剤)にも適用される。表面架橋後にも粒度制御のために、分級工程、解砕工程(表面架橋での凝集物のほぐす操作)、造粒工程(粒子を決着されて微粉低減ないし平均粒子径の増大)などを設けてもよく、好ましくは、表面架橋後にも分級工程が設けられる。
吸水性樹脂の嵩比重(ERT460.2−02で規定)は、0.50〜0.80[g/cm]であることが好ましく、0.60〜0.70[g/cm]であることがさらに好ましい。嵩比重が上記範囲を満たさない場合、攪拌動力指数が制御し難く、物性が低下したり、粉化したりすることがある。
(5)輸送工程および循環工程
本発明では、粉砕工程−分級工程およびその前後は輸送装置で連結されてなることが好ましい。用いられる輸送装置として、上記輸送工程で用いられる輸送機としては、例えば、ベルトコンベヤー、スクリューコンベヤー、チェーンコンベヤー、振動コンベヤー、ニューマチックコンベヤー等であり、その内壁面を外側から加熱する手段および/または保温する手段を備えたものを挙げることができる。これらの輸送工程では減圧または加圧とされる。
これらの輸送機のうちでも、空気輸送が好ましい。吸水性樹脂の空気輸送は国際公開第2007/104657号、同第2007/104674号、同第2007/104676号に例示されるが、空気輸送の中でも、好ましくは露点0℃以下で搬送されてなる。本発明の空気輸送は、加圧輸送であってもよいし、減圧輸送であってもよい。用いられる圧力は適宜決定されるが、例えば、−0.8bar〜10barの範囲である。
好ましい吸水性樹脂の輸送方法では、粉砕工程−分級工程およびその前後の少なくとも一部、好ましくは、粉砕工程−分級工程およびその前後で空気輸送がいずれも使用される。吸水性樹脂粉体の優れた物性が安定に保持されるという観点から、一次空気および必要により使用される二次空気として、乾燥された空気が用いられるのが好ましい。この空気の露点は0℃以下さらには−5℃以下であり、好ましくは−10℃以下であり、より好ましくは−12℃以下であり、特に好ましくは−15℃以下である。露点の範囲はコストパフォーマンスを考え、−100℃以上であり、−70℃以上であるのが好ましく、さらには−50℃程度で十分である。さらに、気体の温度は10〜40℃、さらには15〜35℃程度であることが好ましい。
乾燥された気体(空気)を用いる以外に、加熱された気体(空気)が用いられてもよい。加熱方法としては、特に限定されないが、気体(空気)が熱源を用いて直接加熱されてもよいし、上記輸送部や配管が加熱されることにより、通される気体(空気)が間接的に加熱されてもよい。この加熱された気体(空気)の温度は、下限として好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上であり、上限は70℃未満、より好ましくは50℃未満である。
露点を制御する方法としては、気体、好ましくは空気を適宜乾燥すればよい。具体的には、メンブレンドライヤーを使用する方法、冷却吸着式ドライヤーを使用する方法、ダイヤフラムドライヤーを使用する方法やそれらを併用する方法が挙げられる。吸着式ドライヤーを使用する場、加熱再生式でもよく、非加熱再生式でもよく、非再生式でもよい。
(6)分級工程
上記して粉砕された吸水性樹脂粉末は、上記粉砕循環比をもって粉砕および分級される際、表面架橋前に分級さらには表面架橋後にも分級(特に、篩分級)される。吸水性樹脂の篩分級方法は、例えば米国特許第6164455号(特許文献50)、国際公開第2006/074816号(特許文献51)、同第2008/03672号(特許文献52)、同第2008/037673号(特許文献53)、同第2008/03675号(特許文献54)、同第2008/123477号(特許文献55)に例示される。以下、本発明で適用される好適な分級方法、特に篩分級方法(除電など)を述べる。
(分級装置)
本発明に用いられる分級装置は、篩網面を有するものであれば特に限定されず、例えば、バイブレーティングスクリーンやシフタに分類されるものが挙げられる。また、篩網面の形状は丸型(丸篩)、角型(角篩)など適宜決定される。バイブレーティングスクリーンには、傾斜形、ローヘッド(Low−head)形、ハムマー(Hum−mer)、レーブン(Rhewum)、タイロック(Ty−Rock)、ジャイレックス(Gyrex)、および楕円振動(Eliptex)等があり、シフタにはレシプロ(Reciprocating)形、Exolon−grader、Traversator−sieb、Sauer−meyer、ジャイレトリーシフタ(Gyratory)、ジャイロシフタ、およびローテックススクリーン(Ro−tex)等がある。これらは、網面の運動形状:円、楕円、直線、円弧、擬似楕円、スパイラル、振動方式:自由振動、強制振動、駆動方法:偏心軸、不平衡重錘、電磁石、インパクト、網面の傾斜:水平式、傾斜式、設置方法:床置式、吊り下げ式、等によって細分類されている。
中でも、本発明の効果の面から、揺動式(タンブラシフタ、Tumbler−Screening machines)のように、ラジアル傾斜(中央から周辺に材料を分散させる篩網の傾斜)やタンジェンシャル傾斜(網上の排出スピードをコントロールする篩網の傾斜)の組み合わせにより、篩網面を螺旋状に動かす分級装置は好ましい。
(減圧)
本発明の課題を解決するうえで、粉砕工程に加えて、分級工程においても上記粉砕工程について説明したのと同様の範囲に減圧されることが好ましい。
(加熱)
課題を解決するうえで、粉砕工程に加えて、分級工程においても上記粉砕工程について説明したのと同様の範囲の一定温度に調整されることが好ましい。
(分級網)
本発明では分級網を使用して吸水性樹脂粉末を分級する。分級網は例えば、JIS、ASTM、TYLERなどの各種標準篩が例示できる。これら篩は板篩でもよく、網篩でもよいが、網篩の形状はJIS Z8801−1(2000)などを参照して適宜選択される。標準篩の目開きは100mm〜10μm、さらには10mm〜20μmの範囲で1種または2種以上の篩、特に金属篩が使用される。
篩は上部のみ分級、または下部のみ分級でもよいが、好ましくは、上下限の同時に分級、すなわち、複数の篩が同時に使用され、さらに好ましくは、物性向上の点から少なくとも3種類の目開きの篩を用いることが好ましい。かかる手法として、上下所定の篩以外に中間篩または上位篩を用いる好ましい。好適な篩は例えば、上限として850μmないし710μmないし600μmを使用し、下限として150μmないし225μm程度を使用し、さらに、適宜、その中間ないし上部に篩を追加すれなよい。
(分級振動)
本発明における分級方法に適した篩分け装置は、何ら制限されることはないが、好ましくは、平面分級方法を使用するものが好ましく、特に好ましくはタンブル形篩分け装置である。この篩分け装置は、分級をサポートするために典型的には振動させる。これは、好ましくは、分級すべき製品がスパイラル状(螺旋状)に篩い上に導かれる程度に行う。これらの強制的なバイブレーションは、典型的には10〜100mm、好ましくは25〜40mmの偏心量で、かつ、60〜600rpm、好ましくは100〜400rpmの回転数を有する。
(気流)
好ましくは、分級中、吸水性樹脂上にガス流、特に好ましくは空気を通過させる。このガス量は、篩面積1m当たり典型的には0.1〜10[m/hr]、好ましくは0.5〜5[m/hr]、特に好ましくは1〜3[m/hr]であり、その際、ガス体積は、標準的な条件下で測定する(25℃および1bar)。特に好ましくは、ガス流を、篩分け装置に導入する前に、典型的には少なくとも40℃、好ましくは少なくとも50℃、さらに好ましくは少なくとも60℃、殊に好ましくは少なくとも65℃、特に好ましくは少なくとも70℃に加熱する。ガス流の温度は、通常は120℃を下回り、好ましくは110℃を下回り、さらに好ましくは100℃を下回り、殊に好ましくは90℃を下回り、特に好ましくは80℃を下回る。
気流(ガス流)の露点は好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下、さらに好ましくは10℃以下、特に好ましくは0℃以下である。露点の下限値は特に制限されないが、コストパフォーマンスを考え、好ましくは−5℃程度である。
(除電)
本発明では、篩分級において好ましくは除電され、さらには粉砕工程も除電される。かかる除電を行うことで表面架橋された吸水性樹脂の物性、特に通液性(例えばSFC)が向上する。かかる効果は実験室レベルの小スケールの表面架橋よりも、高通液性の吸水性樹脂の製造や工業的な連続生産、特に高SFC(例:SFCが10以上)の吸水性樹脂や1t/hr以上の連続生産を24時間以上続ける際、顕著に発揮されるので好ましい。
本発明では、分級工程において好ましくは除電される。除電は分級装置、吸水性樹脂、篩の少なくとも1つに対して行われるが、これら3つは分級工程で互いに接するため、いずれかを除電すればよく、好ましくは装置や篩自体が除電される。
除電方法としては、例えば、下記(A)〜(C)の方法が適用されうるが、これらに特に限定されない。かかる除電の際に取り出された漏洩電流は、好ましくは下記接地抵抗値で示される接地(アース)を通じて大地に流される。
(A)除電ブラシ:静電気が発生した篩面から除電
(B)イオン発生ブラシ:高電圧を印加することでイオンを発生させ除電
(C)接地(アース):回転物・回転軸・回転体・装置に発生した静電気を除電
上記(A)除電ブラシを使用する場合、除電ブラシと帯電物との間に少しスキマを作る自己放電法でもよく、アースした除電ブラシを帯電物に接触させて、溜った静電気を漏洩電流として取り出し、除電する接地漏洩法でもよい。かかる除電ブラシはステンレス繊維、カーボン繊維、アモルファス繊維、化学繊維、植物繊維、獣毛などで製造され、その線径1〜100μm、さらには5〜20μm程度であり、線長は1〜100mm、特に好ましくはステンレス極細加工される。
例えば、(B)では除電器(イオナイザー)が挙げられ、分級装置ないし吸水性樹脂の帯電量、帯電電荷を測定し、+帯電、ないし、−帯電に対してその反対の電荷を付与し、電気的に中和状態とすればよい。対象物の帯電状況に応じた最適な除電とイオンバランス制御を両立させさせればよい。対象物の帯電量はイオン電流をコントローラに内蔵されたイオン電流検出回路により測定すればよい。逆極性の電荷で中和し、静電気を全く無力化してしまう方法(B)は,吸水性樹脂に好ましい方法である。かかる除電法は、空気あるいは他のガス中でイオンを生成し、このイオンによって帯電電荷を中和する。このために除電装置はイオナイザーとも呼ばれる。
上記(C)接地を使用する場合、装置が設置される建屋、あるいは架台を下記に示される接地抵抗値の接地に接続し、装置を建屋あるいは架台に電気的に接続し、装置に帯電物に接触させて、溜った静電気を漏洩電流として取り出し、除電する方法である。この方法は簡易であり、装置全体が除電装置として働くため効果が高く、吸水性樹脂に好ましい方法の1つである。
接地抵抗とは接地のために土壌に埋設したアース電極から大地に流れる電流に対する抵抗値を示す。測定方法としては、市販されている接地抵抗計を用いて測定すればよい。接地抵抗値の好ましい範囲としては、100Ω以下、より好ましくは10Ω以下、さらに好ましくは5Ω以下である。
(ガイド)
本発明では分級装置の篩が吸水性樹脂のガイドを有することも好ましい。かかるガイドの設置でより効率的な分級が可能となる。かかるガイド装置は吸水性樹脂粉末を篩中心部に誘導するなどの働きをしており、その長さは直径の5〜40%程度で決定される。
(材質および表面粗さ)
篩装置の材質は樹脂製、金属製など適宜選択されるが、特開平11−156299号公報に例示の樹脂コートされた篩に比べて、好ましくは、吸水性樹脂との接触面を含めて金属性篩、特にステンレス製篩である場合、より本発明の効果を発揮する。
また、物性向上の面から、篩装置の表面粗さは好ましくは800nm以下である。篩装置の材質は、ステンレス鋼とされるのが好ましい。ステンレス鋼が鏡面仕上げされることにより、物性がさらに高まる。ステンレス鋼としては、SUS304、SUS316、SUS316L等が挙げられる。
本発明において、篩装置内面は、JIS B 0601−2001で規定される表面粗さ(Rz)が800nm以下に制御されるとよい。表面粗さ(Rz)は好ましくは150nm以下、さらに好ましくは50nm以下、25nm以下に平滑化されているとよい。なお、Rzは、表面凹凸の最大高さ(μm)の最大値を意味する。このような表面粗さは、触針式表面粗さ測定器によりJIS B 0651−2001に準拠して測定することができる。
(7)微粉リサイクル工程
本発明において、微粉は好ましくはリサイクルされる。つまり、好ましい実施形態は、前記分級工程後の吸水性樹脂微粉を乾燥工程以前にリサイクルする工程をさらに含む。微粉がリサイクルされることで、粒度制御ないし吸水速度や通液性の向上に寄与できる。微粉リサイクル量は粉砕重合体中の0.1〜40重量%、さらには1〜30重量%、特に5〜25重量%の範囲で適宜決定される。
微粉リサイクル法としては公知の方法が用いられ、単量体にリサイクル(例えば、米国特許第5455284号、同第5342899号、同第5264495号、米国特許出願公開第2007/0225422号)、重合ゲルにリサイクル(米国特許出願公開第2008/0306209号、米国特許第5478879号、同第5350799号)、造粒工程にリサイクル(米国特許第6228930号、同第6458921号)、ゲル化工程にリサイクル(米国特許第4950692号、同第4970267号、同第5064582)などが挙げられるが、これらの中では重合工程または(必要により造粒もしくは水和させて)乾燥工程にリサイクルすることが好ましい。
(8)分級工程以降の装置の数
本発明では物性向上の面から、重合工程が連続ベルト重合または連続ニーダー重合でなされ、かつ、図12に示すように、重合工程に対して、複数の粉砕工程および/または分級工程、さらには表面処理工程が並列で行われることが好ましい。分級工程および/または粉砕工程、特に少なくとも分級工程を並列にすることで、同じ面積の分級網を複数に分割、例えば、1mひとつより、0.5mを二つすることで、より物性が向上するので好ましい。なお、図14において、粉砕装置(c1、c2)は直列に併用されてなり、粉砕工程c1ののちに吸水性樹脂は2等分されて、粉砕工程c2(粉砕装置c2)、分級工程d(分級装置d)は並列の2系列とされてなる。
本発明の製造方法では、吸水性樹脂の物性の向上および安定化の観点から好ましくは、重合工程1系列に対して、粉砕工程、分級工程および表面架橋工程の少なくとも1つが2系列以上とされる。本発明において「1系列」とは、原料(モノマー)から重合ゲル、吸水性樹脂(微粉回収品を含む)、粒子状吸水剤と最終製品が得られるまでに、工程を経るごとに進んでいく1つの系を意味する。その系が2つに分岐する場合、「2系列」という。換言すれば、「2系列以上」とは、同一工程内で、2基以上の装置を並列に配置して、同時または交互に稼動させる形態を指す。代表的には分級工程で2系列以上に分岐させることで、より物性を向上させることができる。
本発明において、分級工程など、各工程を2系列以上とする場合、それぞれの工程について、上限は10系列程度であり、中でも、2〜4系列が好ましく、2〜3系列がさらに好ましく、2系列が特に好ましい。系列数を上記範囲とすることで、得られる吸水性樹脂の物性が向上する。系列(分割)数が多い場合、分割する効果が得られず、また、運転が煩雑になり、コスト的にも経済的でないという観点から、2系列、即ち、2基以上の同じ装置(特に2基の装置)を並列で同時に稼動させることが特に好ましい。
また、上述した実施形態においては、乾燥工程以降の工程で、重合ゲルまたはその乾燥物である吸水性樹脂を2系列以上に分割するが、その分割量の割合は、工程毎に決定すればよく、特に制限されない。例えば、2分割する場合は、4:6〜6:4が好ましく、4.5:5.5〜5.5:4.5がより好ましく、4.8:5.2〜5.2:4.8がさらに好ましく、5:5が最も好ましい。3系列以上の場合であっても、n分割される最大量と最小量との比が、上記範囲内に入ることが好ましい。なお、分割操作は、連続形式でもバッチ形式でもよく、上記分割量の割合は、所定時間での平均量で規定される。
本発明において、表面架橋工程の系列数は特に限定されず、任意の系列数を選択することができるが、プラントの建設コスト、ランニングコスト等を考慮すると1系列または2系列、特に2系列であることが好ましい。すなわち、物性面から上記重合工程1系列に対して、表面架橋工程、好ましくはさらに粉砕工程、分級工程すべてが2系列以上(上限は前述の範囲)であることが最も好ましい。
また、1つの装置に換えて、本発明で並列に複数の装置を設置する場合、並列の装置は適宜ダウンサイズすればよい。装置の処理能力を1/2にダウンサイズしても装置の価格は半減しないが、本発明では特定の並列の装置を設置することで、得られる吸水剤の物性が向上し、スペックアウト率も低減するため、結果的にコストダウンにも繋がることが見出された。
なお、米国特許出願公開第2008/0227932号明細書は「重合を2系列」で行い後半を1系列にする手法を開示し、米国特許出願公開第2007/149760号では表面架橋で攪拌乾燥装置と加熱処理機を「直列に連結」する技術、また、国際公開第2009/001954号ではベルト重合装置を「直列に連結」する技術をそれぞれ開示する。これに対し、本発明では重合機1基に対して重合工程終了後の特定の工程で「(実質的に同一の)装置を並列に配置」することで、従来以上の物性の向上および安定化を達成する。
(分割手法)
本発明で表面架橋を2系列以上とするには分割工程を含み、好ましくは、粒子状含水ゲルまたはその乾燥物である粒子状吸水性樹脂の分割工程、より好ましくは、粒子状吸水性樹脂の分割工程を含む。
用いられる分割方法としては、例えば、乾燥後の粒子状吸水性樹脂に対しては下記の手法(a)〜(c)が用いられる。
(a)粒子状吸水性樹脂をホッパーへの貯蔵後に分割する方法。好ましくは、粉体への定量フィーダーが使用される。定量フィーダーとしてはサークルフィーダーやスクリューフィーダーなどが好適に使用される。
(b)粒子状吸水性樹脂を空気輸送により複数のホッパーへ輸送する際に分割する方法。
(c)粒子状吸水性樹脂を落下(例えば、自由落下)時に分割する方法。この際、分割には山や堰を設けた2分器、3分器などが使用される。なお、JIS試料縮分器(2分器)は、多数の小部屋に仕切られ、投入された試料が交互に2方向に振り分けられる構造を有している。
例えば、重合後の重合ゲルに対しては下記(d)〜(f)またはそれらを併用した手法が用いられ、並列の乾燥工程に供給される。
(d)ニーダーやミートチョッパーで得られた粒子状含水ゲルを落下(例えば、自由落下)時に分割する方法。分割にはニーダーやミートチョッパー出口に、山や堰を設けた2分機、3分機などが使用される。
(e)上記の粒子状含水ゲルを定量フィーダーで分割する方法。
(f)ベルト重合で得られたシート状ゲルを切断する方法。
これらの中では、少なくとも、乾燥後の粒子状吸水性樹脂は分割されていることが好ましく、そのためには、重合ゲルまたは粒子状乾燥物が分割される。
なお、上述した形態において分割される粒子状吸水性樹脂や重合ゲルの分割比の好ましい値については、上述したとおりである。
これらの中でも、定量供給性から、好ましくは手法(a)〜(c)が、さらに好ましくは手法(a)が用いられる。
(9)表面架橋工程
(a)架橋剤
本発明では乾燥後、上記粉砕循環比での粉砕工程および分級工程を経ての表面架橋工程をさらに含む。本発明の製造方法では、高い加圧下吸水倍率(AAP)および通液性(SFC)の吸水性樹脂の製造方法や巨大スケール(特に1[t/hr])での連続生産に適用され、特に高温表面架橋での吸水性樹脂に好適に適用される。表面架橋は、吸水性樹脂の表面に過硫酸塩や光重合開始剤などの重合開始剤を添加してのラジカル架橋でもよく、表面に単量体を加えて重合させる重合架橋でもよく、表面で水溶性高分子および架橋剤を加えての被覆架橋よいが、好ましくは、ポリアクリル酸のカルボキシル基と反応できる後述の表面架橋剤による表面架橋が適用される。
本発明では共有結合性表面架橋剤が使用され、好ましくは、共有結合性表面架橋剤およびイオン結合性表面架橋剤が併用される。
(共有結合性表面架橋剤)
本発明で用いることのできる表面架橋剤としては、種々の有機または無機の架橋剤が例示されうるが、共有結合性表面架橋剤(有機表面架橋剤)が好ましく使用されうる。物性面で好ましくは、共有結合性表面架橋剤として、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物またはそのハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物、(モノ、ジ、またはポリ)オキサゾリジノン化合物、アルキレンカーボネート化合物であり、特に高温での反応が必要な、多価アルコール化合物、アルキレンカーボネート化合物、オキサゾリジノン化合物からなる脱水反応性架橋剤が使用できる。脱水反応性架橋剤を使用しない場合、より具体的には、米国特許第6228930号、同第6071976号、同第6254990号などに例示されている化合物を挙げることができる。例えば、モノ,ジ,トリ,テトラまたはプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ソルビトールなど多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテルやグリシドールなどのエポキシ化合物;エチレンカボネートなどのアルキレンカーボネート化合物;オキセタン化合物;2−イミダゾリジノンのような環状尿素化合物等が挙げられる。
(イオン結合性表面架橋剤)
また、上記共有結合性表面架橋剤(有機表面架橋剤)に代えて、またはこれに加えて、イオン結合性表面架橋剤(無機表面架橋剤)を使用して通液性などを向上させてもよい。使用されるイオン結合性表面架橋剤は2価以上、好ましくは3価ないし4価値の多価金属の塩(有機塩もしくは無機塩)または水酸化物が例示できる。使用できる多価金属としてはアルミニウム、ジルコニウムなどが挙げられ、乳酸アルミニウムや硫酸アルミニウムが挙げられる。これらのイオン結合性表面架橋剤は共有結合性表面架橋剤と同時または別途に使用される。多価金属による表面架橋は国際公開第2007/121037号、同第2008/09843号、同第2008/09842号、米国特許第7157141号、同第6605673号、同第6620889号、米国特許出願公開第2005/0288182号、同第2005/0070671号、同第2007/0106013号、同第2006/0073969号に示されている。
また、上記共有結合性表面架橋剤以外にポリアミンポリマー、特に重量平均分子量5000〜100万程度を同時または別途で使用して通液性などを向上させてもよい。使用されるポリアミンポリマーは、例えば、米国特許第7098284号、国際公開2006/082188号、同第2006/082189号、同第2006/082197号、同第2006/111402号、同第2006/111403号、同第2006/111404号などに例示されている。
(b)溶媒など
表面架橋剤の使用量は吸水性樹脂100重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部程度で適宜決定される。表面架橋剤に併せて好ましくは水が使用されうる。使用される水の量は吸水性樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜10質量部の範囲である。無機表面架橋剤と有機表面架橋剤とを併用する場合も各々0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部で併用される。
また、この際、親水性有機溶媒を使用してもよく、またその量は、吸水性樹脂100重量部に対して、0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部の範囲である。また吸水性樹脂粒子への架橋剤溶液の混合に際し、本発明の効果を妨げない範囲、例えば、0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部、より好ましくは0〜1重量部で、水不溶性微粒子粉体や界面活性剤を共存させてもよい。用いられる界面活性剤やその使用量は米国特許7473739号などに例示されている。
(c)混合装置
本発明では表面処理剤の混合に、連続高速回転攪拌型混合機、中でも横型の連続高速回転攪拌型混合機が好適に使用される。なお、表面処理剤とは上記表面架橋剤またはその代替物(例えば、過硫酸塩などのラジカル重合開始剤、単量体)を指し、その溶液や分散液を含む概念である。攪拌は100rpm〜10000rpm、さらには300〜2000rpmでなされ、滞留時間は180秒以内、さらには0.1〜60秒、特に1〜30秒程度が好ましい。
(d)吸水性樹脂の温度
本発明においては、表面架橋工程や輸送管に供給される吸水性樹脂粉体(粒子状吸水剤)の温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。輸送管に供給される吸水性樹脂粉体(粒子状吸水剤)の温度を所定温度以上に保持することによって、粒子状吸水剤の物性の低下が抑制される。具体的には、生理食塩水流れ誘導性(SFC)などの物性維持に顕著な効果がある。
(e)加熱装置の構造
なお、かかる連続加熱処理機として、好ましくは、吸水性樹脂の投入口と排出口、および、複数の撹拌盤を備えた1本以上の回転軸からなる撹拌手段と加熱手段とを有する横型連続撹拌装置内が用いられる。また、好ましくはその際の攪拌動力指数が3〜15[W・hr/kg]で架橋反応を行う、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法である。ここで、(攪拌動力指数)=((表面処理時の装置の消費電力)−(空運転時の消費電力)×平均滞留時間)/(時間当たりの処理量×平均滞留時間)で規定され、特定の装置とその特定パラメーター(攪拌動力指数)によって、1[t/hr]以上のスケールアップ時にも高物性の吸水性樹脂が連続的に安定的に得られる。
攪拌動力指数は表面処理時の装置の消費電力と空運転時の消費電力で容易に求められ、15[W・hr/kg]を超えると物性(特に通液性)が低下し、また、3[W・hr/kg]を下回っても物性(特に加圧下吸水倍率)が低下する。より好ましい攪拌動力指数は4〜13[W・hr/kg]、さらに好ましくは5〜11[W・hr/kg]、5〜10[W・hr/kg]、特に5〜9[W・hr/kg]の範囲である。
(f)加熱装置の運転条件
上記混合装置で表面処理剤を添加後の吸水性樹脂は加熱処理に供される。必須な装置は上記横型連続撹拌装置であるが、表面架橋剤を混合後の吸水性樹脂は加熱処理され、必要によりその後冷却処理される。加熱温度は70〜300℃、好ましくは120〜250℃、より好ましくは150〜250℃であり、加熱時間は、好ましくは1分〜2時間の範囲である。
加熱処理は、通常の乾燥機又は加熱炉で行うことができる。本発明では、従来着色が激しかった高温過熱や空気(熱風)での乾燥でも、高度に白色の吸水性樹脂が提供されうる。特に衛生材料(特に紙おむつ)を目的とする場合、かかる表面架橋によって、加圧下吸水倍率(AAP)を後述の範囲、好ましくは20[g/g]以上、さらには23〜30[g/g]程度にまで向上すればよい。
(g)冷却工程および第2の分級工程
冷却工程は、表面処理工程の後、任意に実施される工程であり、好ましくは上記高温での反応が必要な、多価アルコール化合物、アルキレンカーボネート化合物、オキサゾリジノン化合物からなる脱水反応性架橋剤を使用する際に冷却工程が使用できる。
この冷却工程で用いられる上記冷却装置としては、特に制限はないが、先に述べた加熱処理に用いる横型連続攪拌装置でもよいし、米国特許第7378453号などに例示され、例えば、内壁その他の伝熱面の内部に冷却水が通水されている二軸撹拌乾燥機等が用いられうる。また、この冷却水の温度は、表面処理工程における加熱温度未満とされ、好ましくは25℃以上80℃未満とされる。
(10)その他の工程
上記以外にも、必要により、蒸発モノマーのリサイクル工程、造粒工程、微粉除去工程などを設けてもよい。さらには、経時色安定性効果やゲル劣化防止等のために、後述の添加剤を単量体またはその重合物に使用してもよい。
〔3〕吸水性樹脂の物性
(1)吸水性樹脂の物性
衛生材料、特に紙おむつを目的とする場合、上記重合や表面架橋をもって、下記(a)〜(e)の少なくとも1つ、さらにはAAPを含め2つ以上、特に3つ以上の規定を満たすように制御されることが好ましい。下記の規定を満たさない場合、後述の高濃度おむつでは十分な性能を発揮しないことがある。
本発明の製造方法は下記の吸水性樹脂の製造方法に好適に適用できるが、好ましくは、通液性(SFC)や吸水速度(FSR)の制御および向上に適用できる。なお、下記および実施例の物性は断りのない限りEDANA法で規定される。
(a)加圧下吸収倍率(AAP)
紙おむつでのモレを防止するため、上記重合を達成手段の一例として、1.9kPaの加圧下さらには4.8kPaの加圧下での0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液に対する吸収倍率(AAP)が好ましくは20[g/g]以上、より好ましくは22[g/g]以上、さらに好ましくは24[g/g]以上に制御される。
(b)通液性(SFC)
紙おむつでのモレを防止するため、上記重合を達成手段の一例として、加圧下での液の通液特性である0.69重量%塩化ナトリウム水溶液流れ誘導性(SFC)は1[×cm・s・10−7・g−1]以上、好ましくは20[×cm・s・10−7・g−1]以上、より好ましくは50[×cm・s・10−7・g−1]以上、さらに好ましくは70[×cm・s・10−7−1]以上、特に好ましくは100[×cm・s・10−7・g−1]以上に制御される。SFCの測定方法は周知であり、例えば、米国特許第5562646号に記載されている。
本発明によれば、通液性の向上、中でもSFCの向上、特に上記範囲へのSFCの向上、特に20[×cm・s・10−7・g−1]以上へのSFCへの向上といったより顕著な効果が発揮されうるため、かかる高通液性の吸水性樹脂の製法に好適に適用できる。
(c)無加圧下吸収倍率(CRC)
無加圧下吸収倍率(CRC)は、好ましくは10[g/g]以上、より好ましくは20[g/g]以上、さらに好ましくは25[g/g]以上、特に好ましくは30[g/g]以上に制御される。CRCは高いほど好ましく上限値は特に限定されないが、他の物性とのバランスから、好ましくは50[g/g]以下、より好ましくは45[g/g]以下、さらに好ましくは40[g/g]以下である。
(d)水可溶分量(可溶分)
水可溶分量は、好ましくは0〜35重量%以下であり、より好ましくは25重量%以下であり、さらに好ましくは15重量%以下であり、特に好ましくは10重量%以下である。
(e)残存モノマー
上記重合を達成手段の一例として、吸水性樹脂100重量%に対して、残存モノマー(残存単量体)量は通常500ppm以下、好ましくは0〜400ppm、より好ましくは0〜300ppm、特に好ましくは0〜200ppmを示す。
(f)吸水速度(FSR)
20gの生理食塩水に対する吸水性樹脂1gでの吸水速度(FSR)は通常0.05[g/g/sec]以上、0.1[g/g/sec]以上、通常0.15[g/g/sec]以上、0.20[g/g/sec]以上、さらには0.25[g/g/sec]以上(〜0.50)である。上限は0.1[g/g/sec]で十分である。FSRの測定方法は国際公開第2009/016055号に規定されている。
(g)ダメージ前後の微粉増加量(耐ダメージ性)
実施例の測定方法により規定されるダメージ前後の微粉増加量(150μm通過物の増加量)は、好ましくは3重量%以下、さらには1.5重量%以下である。かかる範囲でおむつ製造などの実使用に物性低下の問題がない。
(2)その他の添加剤
さらに、目的に応じて、吸水性樹脂には酸化剤、酸化防止剤、水、多価金属化合物、シリカや金属石鹸等の水不溶性無機ないし有機粉末、消臭剤、抗菌剤、高分子ポリアミン、パルプや熱可塑性繊維などを、吸水性樹脂100重量%中に0〜3重量%、好ましくは0〜1重量%添加してもよい。
(3)用途
本発明の吸水性樹脂の用途は特に限定されないが、好ましくは、紙オムツ、生理ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に使用されうる。特に、従来、原料由来の臭気、着色等が問題になっていた高濃度オムツ(1枚のオムツに多量の吸水性樹脂を使用したもの)に使用され、特に前記吸収性物品中の吸収体上層部に使用された場合に、特に優れた性能が発揮される。
この吸収性物品中の、任意に他の吸収性材料(パルプ繊維など)を含む吸収体における吸水性樹脂の含有量(コア濃度)は、30〜100重量%、好ましくは40〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%、最も好ましくは75〜95重量%で本発明の効果が発揮される。例えば、本発明の吸水性樹脂を前記濃度で、特に吸収体上層部に使用した場合、高通液性(加圧下通液性)のため、尿等の吸収液の拡散性に優れるために、紙おむつ等の吸収物品が効率的な液分配による吸収物品全体の吸収量の向上に加え、吸収体が衛生感のある白色状態を保つ吸収物品が提供できる。
以下、実施例に従って発明を説明するが、本発明は実施例に限定され解釈されるものではない。また、本発明の特許請求の範囲や実施例に記載の諸物性はEDANA法および以下の測定法に従って求めた。
<粒子径(D50)、粒度分布の対数標準偏差(σζ)の測定方法>
粒子径の測定は、国際公開第2004/69915号に記載の重量平均粒子径(D50)の測定に準じて行った。
粉砕後の吸水性樹脂を目開き710μm、600μm、500μm、300μm、150μm、45μmのJIS標準篩で篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。プロットした各点を直線でつないだ。これにより、重量平均粒子径(D50)を読み取った。
また、X1をR=84.1重量%、X2を15.9重量%のときのそれぞれの粒子径とすると、対数標準偏差(σζ)は下記の式で表され、σζの値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。
σζ=0.5×ln(X2/X1)
なお、850μmを超える粒子径を有する吸水性樹脂を含んでいる場合は適宜市販の目開きが850μmを超えるJIS標準篩を用いる。
粒子径、粒度分布における対数標準偏差(σζ)を測定する際には、吸水性樹脂粒子10.0gを、目開き710μm、600μm、500μm、300μm、150μm、45μmのJIS標準篩(THE IIDA TESTING SIEVE:径8cm)に仕込み、振動分級器(IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:ES−65型、SER.No.0501)により、5分間、分級を行った。
なお、粉砕工程、分級工程は下記減圧とされ、さらに粉砕工程〜分級工程およびその前後は約60℃の温度で、下記空気輸送(露点−15℃,温度30℃)で連結されてなる。また、以下、表面架橋された吸水性樹脂粉末を吸水剤(粒子状吸水剤)と称する。
[実施例1]
重合工程(ベルト上での静置重合)、ゲル細粒化(解砕)工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、表面架橋工程(表面架橋剤の噴霧工程、加熱工程)、冷却工程、整粒工程および各工程間の輸送工程の各装置が接続され、各工程を連続して行うことができる吸水性樹脂の連続製造装置を用いた。各工程はそれぞれ1系列または2系列以上(並列で分岐;図4を参照)あってもよく、以下の実施例において2系列以上ある場合は全系列の合計量を示している。この連続製造装置の生産能力は、1時間あたり約3500kgである。この連続製造装置を用いて、吸水性樹脂粉体を連続製造した。
まず、以下の組成からなる単量体水溶液(1)を作成した。
単量体水溶液(1)
アクリル酸:193.3重量部
48重量%水酸化ナトリウム水溶液:64.4重量部
ポリエチレングリコールジアクリレート(平均n数9):1.26重量部
0.1重量%エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)5ナトリウム水溶液:52重量部
脱イオン水:134重量部
次に、上記の単量体水溶液(1)の温度を40℃に調整した。得られた単量体水溶液(1)を定量ポンプによって連続フィードし、単量体水溶液(1)に、48重量%水酸化ナトリウム水溶液97.1重量部をラインミキシングにて連続混合した。この時中和熱によって、モノマーの温度は85℃まで上昇した。
次いで、4重量%過硫酸ナトリウム水溶液8.05重量部をラインミキシングにて連続混合した。このラインミキシングにより得られた連続混合物を、両端に堰を有する平面ベルトに厚み約7.5mmで供給して、連続的に3分間重合を行い、含水ゲル状架橋重合体(1)を得た。
この含水ゲル状架橋重合体(1)をベルト進行方向に対して垂直方向に、おおよそ等間隔に連続して切断した。次に、孔径22mmのミートチョッパーで約1.5mmに細分化した。この細分化されたゲルを連続通風バンド乾燥機の移動する多孔板上に広げて載せ、185℃で30分間乾燥し、乾燥重合体(1)246重量部(乾燥工程での吸水性樹脂の総排出量)を得た。
当該乾燥重合体(1)(約60℃)の全量を3段ロールミルに連続供給することで粉砕し、粉砕重合体(1)を得た。この3段ロールミルのロールギャップは、上から順に、0.8mm/0.65mm/0.48mmであった。粉砕工程の減圧度は0.29kPaとした。
この粉砕工程の後、得られた粉砕重合体(1)(約60℃)を目開き710μmおよび175μmの金属篩網を有する篩い分け装置で、710μmの篩を透過しなかった粒子(A)、710μmの篩を透過し、175μmの篩を透過しなかった粒子(B)、175μmの篩を透過した粒子(C)に連続的に分級した。710μmの篩を透過しなかった粒子(A)については再度3段ロールミルに供給され粉砕された。なお、分級工程の減圧度は0.11kPaとし、露点10℃、温度75℃の空気を2[m/hr]で篩装置内を通過させた。揺動式円形篩い分け装置(振動数:230rpm、ラジアル傾斜(勾配):11mm、タンジェンシャル傾斜(勾配):11mm、偏心量:35mm、装置の温度:55℃)で分級し、この篩い分け装置が据え付けられている架台は、接地抵抗値が5Ωの接地(除電)を行った。
この時のリサイクルされていた710μmの篩を透過しなかった粒子(A)は175重量部であった。すなわち、3段ロールミルへの総供給量は421重量部(粉砕工程への吸水性樹脂の総供給量)であり、また循環粉砕比は1.71であった。こうして、連続的に710〜175μmの粒子径を有する吸水性樹脂粉体(1)を得た。
得られた吸水性樹脂粉体(1)100重量部に1,4−ブタンジオール0.3重量部、プロピレングリコール0.6重量部、および脱イオン水3.0重量部の混合液である表面処理剤(共有結合性表面架橋剤を含有)を均一に混合した後、混合物を208℃にて40分間加熱処理した。次いで、これを冷却し、イオン結合性表面架橋剤としての硫酸アルミニウム27.5重量%水溶液(酸化アルミニウム換算で8重量%)1.17重量部、乳酸ナトリウム60重量%水溶液0.196重量部、およびプロピレングリコール0.029重量部からなる混合液を均一に混合した。
その後、得られた粒子を目開き710μmのJIS標準篩を通過するまで解砕した。なお、ここで解砕とは、710〜175μmの粒子径を有する吸水性樹脂粉体(1)の表面架橋時の凝集を710μm通過物としてほぐす操作である。こうして、表面架橋された吸水性樹脂粉末(1)からなる吸水剤(1)を得た。
[実施例2]
実施例1と同様の操作において、175μmの篩を透過した粒子(C)を米国特許第6228930号明細書に記載されたGranulation Example 1の方法に準じて造粒した。この造粒物をミートチョッパーで細分化したゲルと共に連続通風バンド乾燥機の移動する多孔板上に広げて載せ、185℃にて30分間乾燥し、乾燥重合体(1)295重量部(乾燥工程での吸水性樹脂の総排出量)を得た。
乾燥工程以降は実施例1と同じ操作を行った。こうして、表面架橋された吸水性樹脂粉末(2)からなる吸水剤(2)を得た。なおこの時にリサイクルされた710μmの篩を透過しなかった粒子(A)は172重量部であった。すなわち、3段ロールミルへの総供給量は467重量部(粉砕工程への吸水性樹脂の総供給量)であり、また循環粉砕比は1.58であった。
[実施例3]
実施例1と同様の操作において、リサイクルされる710μmの篩を透過しなかった粒子(A)が295重量部となるようにロールミルギャップを任意に調整して行った(篩の大きさや供給量などによって、リサイクル量は変わるが、ロールミルギャップの調整によって任意のリサイクル量に調整が可能である。)。すなわち、この時の3段ロールミルへの総供給量は541重量部(粉砕工程への吸水性樹脂の総供給量)であり、また循環粉砕比は2.20であった。こうして表面架橋された吸水性樹脂粉末(3)からなる吸水剤(3)を得た。
[比較例1]
実施例1と同様の操作において、710μmの篩を透過しなかった粒子(A)をリサイクルせずに行った。すなわち、この時の3段ロールミルへの総供給量は246重量部(粉砕工程への吸水性樹脂の総供給量)であり、また循環粉砕比は1.00であった。こうして比較吸水剤(1)を得た。
[比較例2]
実施例1と同様の操作において、リサイクルされる710μmの篩を透過しなかった粒子(A)が17重量部となるようにロールミルギャップを任意に調整して行った。すなわち、この時の3段ロールミルへの総供給量は263重量部(粉砕工程への吸水性樹脂の総供給量)であり、また循環粉砕比は1.07であった。こうして比較吸水剤(2)を得た。
[比較例3]
実施例1と同様の操作において、リサイクルされる710μmの篩を透過しなかった粒子(A)が65重量部となるようにロールミルギャップを任意に調整して行った。すなわち、この時の3段ロールミルへの総供給量は311重量部(粉砕工程への吸水性樹脂の総供給量)であり、また循環粉砕比は1.26であった。こうして比較吸水剤(3)を得た。
[比較例4]
実施例1と同様の操作において、リサイクルされる710μmの篩を透過しなかった粒子(A)が120重量部となるようにロールミルギャップを任意に調整して行った。すなわち、この時の3段ロールミルへの総供給量は366重量部(粉砕工程への吸水性樹脂の総供給量)であり、また循環粉砕比は1.49であった。こうして比較吸水剤(4)を得た。
[実施例7]
図11に示す粉砕系を用いた以外は実施例2と同様の操作を行った。
この粉体系において、最初のふるいの最上段のふるいは目開き15mmであり、15mmの網を透過しなかった粒子(A’)は粉砕機(PinMill)へ供給された。次に、15mmの網の下には目開き710μmの篩があり、この網を透過しなかった粒子(A1)は3段ロールミルへと供給された。次に、710μmの網の下には目開き175μmの篩があり、この網を透過しなかった粒子(B1)は表面架橋工程へと供給された。次に、目開き175μmの網を透過した粒子(C1)は微粉リサイクル工程へと供給された。
粒子(A1)は3段ロールミルで粉砕された後、2つ目のふるいにて分級された。2つ目のふるいは、上段から目開き710μm、175μmの網で構成され(710μmの上段に目開き710μm以上の網が存在していてもよい。もし、この網が存在した場合は710μmを透過しなかった粒子として扱われる)、710μmの網を透過しなかった粒子(A2)、710μmの篩を透過し、175μmの篩を透過しなかった粒子(B2)、175μmの篩を透過した粒子(C2)に連続的に分級された。このうち粒子(A2)は、2段ロールミルへと供給された。
粒子(A2)は2段ロールミルで粉砕された後、3つ目のふるいにて分級された。3つ目のふるいは、2つ目のふるいと同じ構成であり、同様に710μmの網を透過しなかった粒子(A3)、710μmの篩を透過し、175μmの篩を透過しなかった粒子(B3)、175μmの篩を透過した粒子(C3)に連続的に分級された。このうち粒子(A3)は、1段ロールミルへと供給された。
粒子(A3)は1段ロールミルで粉砕された後、4つ目のふるいにて分級された。4つ目のふるいは、3つ目のふるいと同じ構成であり、同様に710μmの網を透過しなかった粒子(A4)、710μmの篩を透過し、175μmの篩を透過しなかった粒子(B4)、175μmの篩を透過した粒子(C4)に連続的に分級された。このうち粒子(A4)は、再度1段ロールミルへと供給された。
上記、ロールミルのロールミルギャップ(ロール間の隙間距離)は、各粒子の重量比が下記になるように調整された。
本実施例において、実施例2と同様に造粒物と共に乾燥して得られた乾燥重合体は282.7重量部(乾燥工程での吸水性樹脂の総供給量)であった。
また、各粒子の重量比は、粒子(A’)7.9重量部、粒子(A1)262.6重量部、粒子(B1)18.4重量部、粒子(C1)1.7重量部、粒子(A2)127.9重量部、粒子(B2)116.6重量部、粒子(C2)18.1重量部、粒子(A3)56.3重量部、粒子(B3)61.5重量部、粒子(C3)10.1重量部、粒子(A4)22.5重量部、粒子(B4)49.5重量部、粒子(C4)6.8重量部であった。また、粉砕系への吸水性樹脂の総供給量は477.2重量部であり、循環粉砕比は1.69であった。
粉砕工程以降は、実施例1と同様の操作を行った。こうして、表面架橋された吸水性樹脂粉体(7)からなる吸水剤(7)を得た。
以上、実施例1〜3、7および比較例1〜4の、ダメージ付与後の微粉増加量およびSFCの測定結果を表1に、粒度分布の測定結果を表2に示す。
表1に示すように、実施例1〜3、7は比較例1〜2と比べて、ダメージ付与後の微粉増加量が少なく、また比較例3〜4と比べて通液性(SFC)に優れる結果であった。すなわち、循環粉砕比を1.50よりも大きく、さらには1.50を超えて3.00以下とすることで、ダメージに強く、しかも通液性(SFC)に優れる吸水剤が得られることがわかる。
<ダメージ付与後の微粉増加量>
実施例で得られた吸水剤または、比較例で得られた比較吸水剤に下記のペイントシェーカーテスト1を行い、目開き150μmのJIS標準篩で分級し、テスト前後における150μm以下の粒子径を有する粒子の増加量を測定した。
[ペイントシェーカーテスト]
ペイントシェーカーテスト(PS−test)とは、直径6cm、高さ11cmのガラス製容器に、直径6mmのガラスビーズ10g、吸水性樹脂または吸水剤30gを入れてペイントシェーカー(東洋製機製作所 製品No.488)に取り付け、800cycle/min(CPM)で振盪するものであり、装置詳細は特開平9−235378号公報に開示されている。
振盪時間を30分間としたものをペイントシェーカーテスト1、10分間としたものをペイントシェーカーテスト2とする。振盪後、目開き2mmのJIS標準篩でガラスビーズを除去して、ダメージを与えられた吸水剤を得る。
[実施例4〜6、8、比較例5〜8]
実施例1〜3、7および比較例1〜4の実験操作で得られたそれぞれの吸水性樹脂粉体(表面架橋処理前の粉体)について、粒度分布測定と同様の分級操作で分級を行い、分級した各フラクションの粉体を後述の粒度分布に調合することで、粒度分布が同等の吸水性樹脂粉体を作成した。
これらの吸水性樹脂粉体を実施例1と同様の表面架橋処理をし、粒度分布だけ変更されたそれぞれの実施例、比較例に対応する吸水剤、比較吸水剤を得た。
調合した粒度分布
on710μm 0重量%
on600μm 6.5重量%
on500μm 23.2重量%
on300μm 42.6重量%
on150μm 26.1重量%
150μm未満 1.6重量%
実施例4〜6、8、および比較例5〜8のダメージ付与後の微粉増加量、およびCRC/SFCの測定値を表3に示した。
表3に示すように、同じ粒度分布で比較しても、実施例4〜6は比較例5〜6と比べて、ダメージ付与後の微粉増加量が少なく、また比較例7〜8と比べてSFCに優れる結果であった。すなわち、たとえ粒度分布が同じものであっても、循環粉砕比を1.50よりも大きく、さらには1.50超3.00以下とすることで、ダメージに強く、しかもSFCに優れる吸水剤が得られることがわかる。一般に通液性(例えばSFC)は粒子径が大きくなるほど向上するが、通液性を向上させるために粒子径を大きくすると、表面積の低下によって吸水速度は低下する傾向にある。すなわち、通液性と吸水速度は一般的には相反する傾向にあるが、本発明はかかかる問題を解決し、粒度分布を維持したまま(粗くすることもなく)、通液性(SFC)を向上させることができる。
[実施例9]
実施例2で得られた吸水剤(2)を露点−15℃、温度35℃の圧縮空気で配管(表面粗さ;Rz200nm)中を空気輸送して包装した。空気輸送によるSFC低下率は1.8%であった。
[実施例10]
実施例9において、露点を20℃とする以外は同様に空気輸送した。空気輸送によるSFC低下率は4.8%であった。実施例9および実施例10より、特定以下の露点が好ましいことがわかる。
[実施例11]
実施例2において、図12に準じて、粉砕工程以降を2系列とした。その結果、分級効率が向上し、通液性の阻害要因でもある微粉(150μm通過物1.1重量%)がほぼ半減した。また、分級工程を2系列としても同様に分級効率が向上し微粉がほぼ半減した。
(まとめ)
実施例と比較例との対比で明らかなように、粉砕循環比を制御することで、通液性(SFC)や耐ダメージ性が向上する。
従来技術として、特許文献25〜49による吸水速度の向上方法は粉砕工程や分級工程に着目せず、循環粉砕比の制御による本発明を示唆しない。また、特許文献1〜5や特許文献50〜55は吸水性樹脂の粉砕方法や分級方法、未乾燥物の除去方法を開示するが、1.10以上の循環粉砕比を開示せず、かつ本願の課題や効果を示唆しない。
吸水性樹脂の物性、例えば通液性や耐ダメージ性を向上および安定させる。
c 粉砕工程、
c1、c2 粉砕装置、
d 分級工程(分級装置)。

Claims (22)

  1. アクリル酸(塩)水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る重合工程;
    得られた含水ゲル状架橋重合体を乾燥して乾燥重合体を得る乾燥工程;
    得られた乾燥重合体を粉砕手段により粉砕して粉砕重合体を得る粉砕工程;
    得られた粉砕重合体を分級して分級重合体を得る分級工程;および、
    得られた分級重合体を表面架橋する表面架橋工程;
    を順次含む吸水性樹脂粉末の製造方法であって、
    前記表面架橋工程前に、前記分級重合体の少なくとも一部が同一または別の前記粉砕工程に再度供給され、
    この際、前記粉砕工程における下記式:
    ただし、(粉砕工程への吸水性樹脂の総供給量)=(乾燥工程での吸水性樹脂の総排出量)+(同一または別の粉砕工程に再度供給される分級重合体の量)である、
    で表される循環粉砕比が1.50よりも大きく、
    前記分級工程で目開きの異なる2種類以上の篩が使用され、その最上部を含むオン品が再度粉砕されることを特徴とする、製造方法。
  2. 前記分級重合体が、前記分級工程前の同一の前記粉砕工程に再度供給される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記分級重合体が、別の前記粉砕工程を経て別の前記分級工程に供給される、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記粉砕工程が減圧で行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記粉砕手段がロール型粉砕機である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記粉砕手段として、ロール型粉砕機およびそれ以外の粉砕機が併用されてなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記分級工程において、目開きの異なる3種類以上の篩が使用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記分級工程または前記粉砕工程が除電されてなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記重合工程1系列に対して、前記粉砕工程、前記分級工程および前記表面架橋工程の少なくとも1つが2系列以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記粉砕工程、前記分級工程およびその前後の少なくとも一部が空気輸送で連結され、かつ、露点−5℃以下の温度で搬送されてなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記表面架橋工程において、共有結合性表面架橋剤およびイオン結合性表面架橋剤が同時または別途併用されてなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記乾燥重合体の含水率が8重量%以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記分級工程後において発生する吸水性樹脂微粉を前記乾燥工程以前にリサイクルする工程をさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 単位時間あたりの生産量が1[t/hr]以上の連続生産である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 得られる吸水性樹脂粉末の吸水速度(FSRで規定)が0.25[g/g/sec]以上である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 得られる吸水性樹脂粉末の通液性(SFCで規定)が20[×10−7・cms・g −1]以上である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 前記表面架橋工程に供給される前記分級重合体における、粒子径が850〜150μmの粒子の割合が95重量%以上である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 前記分級重合体が直接、前記粉砕工程に供給されてなる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
  19. 前記重合工程以降が連結されてなる連続工程である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
  20. 前記粉砕工程および前記分級工程が40〜100℃の温度で行われる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の製造方法。
  21. 複数の粉砕工程および複数の分級工程が直列に連結されてなり、分級工程を経て目的粒度のon品が別の粉砕工程に供給される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の製造方法。
  22. 分級工程が網篩で行われ、粉砕工程がロール型粉砕機で行われる、請求項1〜21のいずれか1項に記載の製造方法。
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