JP2006299234A - 吸水性樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造過程で発生する微粉の低減と、得られる吸水性樹脂中の残存モノマー量の低減とを両立させうる、吸水性樹脂の製造方法及び吸水性樹脂を提供する。
【解決手段】本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法は、吸水性を有する重合ゲルを得る工程と、吸水性樹脂の製造において得られ重量平均粒子径が10〜150μmの範囲内である微粉に、熱分解型ラジカル重合開始剤、酸化剤および還元剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を含む水性液を添加することにより、造粒されたゲルを得る工程と、前記造粒されたゲルと前記重合ゲルとを共存させて乾燥する工程とを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸水性樹脂の製造方法及び吸水性樹脂に関するものである。詳しくは、吸水性樹脂の製造過程で発生する微粉の低減と、得られる吸水性樹脂中の残存モノマー量の低減とを両立させうる吸水性樹脂の製造方法及び吸水性樹脂に関する。
近年、紙オムツや生理用ナプキン、いわゆる失禁パット等の衛生材料には、その構成材として、体液を吸収させることを目的とする吸水性樹脂が幅広く利用されている。かかる吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の鹸化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、およびカチオン性モノマーの架橋体等が知られており、その形状は、シート状、繊維状、フィルム状などでも用いられるが、一般には、粉末状(粒子状)で用いられている。かかる粉末(粒子)としては、例えば、重量平均粒子径が200〜800μm程度のものが汎用されている。
このような吸水性樹脂に求められる特性としては、吸水特性(無加圧下吸水倍率、加圧
下吸水倍率、加圧下通液性など)は勿論のこと、これらに限らず、微粉(例えば150μ
m以下の微粒子)や残存モノマーの量が少ないことが求められる。すなわち、微粉は、オムツなどの吸収物品中で目づまりによって通液性を低下させる要因となり、また、吸水性樹脂の表面架橋効果を低下させる(表面架橋を施したとしても、加圧下吸収倍率等の諸物性を向上させ難くなる)傾向があり、さらに、オムツ等の吸収物品中に組み込む際に飛散しやすくロスするばかりか粉塵により作業環境を悪化させることになる、という問題を招くからである。他方、残存モノマーは、安全性や臭気の観点から、その残存量はできるだけ少ないことが望まれる。
そのため、吸水性樹脂を製造するにあたり微粉を低減させる手段として、微粉を篩や気流等により分級して除去することが行われている。しかし、分級工程において除去される微粉は重合工程で得られる重合ゲル中の固形分量の数%〜十数%、場合によっては数十%という多量になることもあるので、これを廃棄することは、収率低下を招き、微粉廃棄費用を要することになり、その結果、吸水性樹脂の生産コストを上昇させることになる。なお、除去された微粉を廃棄せずに、微粉としてそのまま別用途に使用したり販売したりすることも考えられるが、微粉である吸水性樹脂は物性も低く、一般に需要が少ない。
そこで、微粉の少ない安価な吸水性樹脂を得る方法として、微粉を再利用する手法、すなわち微粉リサイクル法が数多く提案されている。微粉リサイクル法としては、(I)微粉をそのまま、重合前のモノマー水溶液に混ぜて重合させる方法(特許文献1参照)、(II)微粉をそのまま、重合途中のゲルに混ぜて重合させる方法(特許文献2および3参照)、(III)微粉をそのまま、重合で得られた重合ゲルに混ぜる方法、(IV)微粉を水性液で造粒して大きな粒子にしてから重合で得られた重合ゲルに混ぜる方法(特許文献4参照)などがある。これらのうち、(I)〜(III)の方法は、微粉をそのまま利用するものであるので、微粉を均一に混ぜるのが困難であることに加え、微粉がモノマーや水などを吸収することによって性能低下を招く恐れがある。したがって、微粉を造粒して利用する(IV)の方法が好ましいと考えられる。(IV)の方法においては、一般に水をバインダーとして微粉を結合させて大粒子化させるため、通常、使用した水性液を乾燥する必要があるが、微粉から得られた造粒粒子の乾燥は、本来の製造ラインにおける乾燥工程、すなわち重合で得られた重合ゲルを乾燥するための工程において、重合ゲルと一緒に行うようにすることが、製造コストや効率の観点から望ましいと考えられる。また、(IV)の方法の応用として、微粉を粒子状ではなく一体となったゲル化物としたのち、得られたゲル化物を粉砕して粒子化する方法も考えられるが、該方法によると、ゲル化の際に多量の水を含むことになるため、乾燥時に多大なエネルギーを要し、製造コストが上昇するので、好ましい方法とは言えない。
他方、吸水性樹脂を製造するにあたり残存モノマーを低減させる手段としては、(i)重合の際にモノマー水溶液に添加するラジカル重合開始剤を増量する方法、(ii)ラジカル重合開始剤を重合途中もしくは重合後に得られた重合ゲルに添加する方法(特許文献5および6参照)などが知られている。これらのうち、(i)の方法では、重合の制御が困難となり、可溶分増加などの物性低下を招く恐れがあるため、(ii)の方法が望ましいと考えられる。
米国特許5342899号 米国特許4970267号 米国特許4950692号 米国特許6458921号 特公昭63−7203号公報 特開2004−517179号公報
しかしながら、本発明者は、前記(IV)の方法により吸水性樹脂の製造過程で発生した微粉を造粒してリサイクルするべく、微粉から得られた造粒粒子を重合ゲルと混ぜて一緒に乾燥することを試みたところ、乾燥後の乾燥物中に存在する残存モノマー量(吸水性樹脂の単位重量当たりの量)が理論値よりも多くなるという事実を新たに見出した。さらに、この残存モノマーの問題を解決するべく、前記(IV)の微粉リサイクル法において前記(ii)の方法を採用し、重合ゲルに過硫酸塩などのラジカル重合開始剤を添加して残存モノマーの低減を図るようにしても、残存モノマーの低減効果が顕著に低下するという問題が見出された。
なお、微粉から得られた造粒粒子を重合ゲルと混ぜて一緒に乾燥することによりその残存モノマー低減効果が低下することを考慮して、重合ゲルに添加するラジカル重合開始剤の使用量を増量すれば、最終的に得られる吸水性樹脂中の残存モノマー量を所望のレベルまで低減させることは可能であるが、多量のラジカル重合開始剤を使用すると、得られる吸水性樹脂に着色が生じたり物性が低下したりするという別の問題を招くことになる。
このように、吸水性樹脂の製造において、製造過程で発生する微粉の低減と、得られる吸水性樹脂中の残存モノマー量の低減とを両立させることは非常に困難であり、達成されていないのが現状であった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、製造過程で発生する微粉の低減と、得られる吸水性樹脂中の残存モノマー量の低減とを両立させうる、吸水性樹脂の製造方法及び吸水性樹脂を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、前述した従来技術のごとく重合ゲルにラジカル重合開始剤を添加するのでなく、吸水性樹脂の製造過程で発生する微粉から得られる造粒粒子の側に熱分解型ラジカル重合開始剤を添加しておき、得られた造粒粒子と重合ゲルとを共存させて乾燥するようにすると、熱分解型ラジカル重合開始剤を重合ゲルに直接に添加する場合に比べて、同じ量(最終的に得られる吸水性樹脂の単位重量当たり)の添加でより効果的に残存モノマーを低減させることができることを見い出した。また、このような効果は、前記熱分解型ラジカル重合開始剤に代えて酸化剤や還元剤を用いても同様に得られることをも見出した。本発明はこれらの知見により完成したものである。
すなわち、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法は、吸水性を有する重合ゲルを得る工程と、吸水性樹脂の製造において得られ重量平均粒子径が10〜150μmの範囲内である微粉に、熱分解型ラジカル重合開始剤、酸化剤および還元剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を含む水性液を添加することにより、造粒されたゲルを得る工程と、前記造粒されたゲルと前記重合ゲルとを共存させて乾燥する工程とを含む。
また、本発明にかかる吸水性樹脂は、吸水性を有する重合ゲルと、造粒されたゲルとを含む吸水性樹脂であって、前記造粒されたゲルは、重量平均粒子径が10〜150μmの範囲内である微粉からなり、前記造粒されたゲルの固形分率A(%)と重合ゲルの固形分率B(%)との比(A/B)が、1/3以上3以下であり、残存モノマーが0以上500ppm以下である。この吸水性樹脂の製造方法は、限定されない。この吸水性樹脂の製造方法の一例が、本願に記載された製造方法である。
本発明によれば、製造過程で発生する微粉の低減と、得られる吸水性樹脂中の残存モノマー量の低減とを両立させることができる。詳しくは、本発明によれば、吸水性樹脂の製造過程で発生する微粉を有効に再利用しつつ、残存モノマー低減のための添加剤(熱分解型ラジカル重合開始剤、酸化剤および還元剤からなる群より選ばれる少なくとも1種)の使用量を増やすことなく、残存モノマー量の少ない良好な物性を有する吸水性樹脂を得させることができるのである。すなわち、本発明の吸水性樹脂の製造方法は、残存モノマーを効率よく低減する方法であり、しかも、造粒によるこれまでの微粉再利用方法と同様、微粉の再利用という生産コスト上の効果も得られるものである。
以下、本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法及び吸水性樹脂について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本発明の製造方法は、吸水性を有する重合ゲルを得る工程(以下「重合工程」と称することもある)を含むものである。その後の工程については、限定されるものではないが、通常は、さらに、前記重合ゲルを乾燥する工程(以下「乾燥工程」と称することもある)と、重合ゲルの乾燥物を粉砕する工程(以下「粉砕工程」と称することもある)と、粉砕物を分級する工程(以下「分級工程」と称することもある)と、を含むのが一般的である。詳しくは、本発明の製造方法は、吸水性樹脂の製造において得られる微粉(例えば、前記分級工程などで廃棄物として除かれる微粉)を再利用して残存モノマー量が少ない吸水性樹脂を得させるものであり、吸水性樹脂を連続的に製造する際に適した方法であると言える。
すなわち、本発明の製造方法においては、吸水性樹脂の製造において得られ重量平均粒子径が10〜150μmの範囲内である微粉に、熱分解型ラジカル重合開始剤、酸化剤および還元剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤(以下「必須添加剤」と称することもある)を含む水性液を添加することにより造粒されたゲル(以下「造粒ゲル」もしくは「造粒粒子」と称することもある)を得、該造粒されたゲルと前記重合ゲルとを共存させて乾燥することが重要となる。つまり、前記微粉と前記水性液とを混合して得られる造粒粒子を、重合工程で得られた重合ゲルと共に乾燥工程に供するのである。
本発明において、前記造粒粒子とは、複数の微粉よりなり、かつ造粒粒子の平均粒子径が20mm以下、好ましくは0.3〜10mm、さらに好ましくは0.35〜5mmのものを言う。したがって、前記微粉と前記水性液との混合により一体化した巨大なゲル状物が得られた場合には、さらに乾燥、粉砕することが必要となる。
前記造粒粒子は、乾燥負荷の観点から、含水率が75重量%以下であることが好ましく、より好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは65重量%以下であるのがよい(下
限は、0重量%を超え、好ましくは5重量%以上である)。造粒粒子の含水率が重合ゲルのそれよりも極端に高くなると、重合ゲルと共に乾燥する際に部分的に乾燥が不完全となる恐れがある。本発明者が得た知見によると、従来の技術においては、含水率の低い造粒粒子を重合ゲルと共に乾燥すると、得られる吸水性樹脂の残存モノマー量がより顕著に増加する傾向があり、残存モノマーの観点からは後の乾燥工程で負荷がかかったとしても造粒粒子の含水率は高くしておく必要があったのであるが、本発明によれば含水率を比較的低くしても残存モノマーを充分に低減することが可能であり、含水率が前記範囲である場合により本発明の適用がより一層有意となる。
前記微粉とは、本発明の製造方法で得ようとする吸水性樹脂の粒径よりも小さい粒径を有するものであり、前述したように従来は通常、廃棄物として処理されていたものである。一般に、吸水性樹脂の重量平均粒子径(D50)(JIS標準篩分級により規定)は200〜800μmであることが好ましく、例えば、本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂の重量平均粒子径(D50)は後述する範囲(200〜450μm)であることが好ましい。前記微粉は、得られる吸水性樹脂の重量平均粒子径(D50)が前述した所望の範囲になるよう除かれた残存物であり、具体的には、前述したように、重量平均粒子径(D50)が10〜150μmの範囲内である。好ましくは、実質150μm未満の粒子径(JIS標準篩分級により規定)を有する粒子を、70〜100重量%、さらには90〜100重量%含んでいることが望ましい。また、微粉の形状としては、造粒強度の面から、逆相懸濁重合で得られた球形よりも、水溶液重合で得られた不定形のものが好ましい。また、後述するように、前記微粉は、吸水性樹脂の製造において一般的に行われている表面架橋処理が施されたものであってもよいし、施されていないものであってもよいし、それらの混合物であってもよい。
なお、前記造粒には、吸水性樹脂の製造において得られる全ての微粉を供することができる。通常は、分級工程で得られた微粉が主として用いられるが、該分級工程で得られた微粉のみならず、例えば、各製造工程中のバックフィルターなどで取り除かれた微粉を前記造粒に用いてもよく、また、別々の工程で得られた微粉や別の製造過程(別の製造装置)で得られた微粉を混合して用いることもできる。また、前記微粉は、共に乾燥する重合ゲルと同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよいが、好ましくは、共に乾燥する重合ゲルに由来する同一組成の微粉を用いるのがよい。
前記微粉の温度は、水性液との混合性や乾燥効率などの点から、35℃以上であることが好ましく、40〜100℃であることがより好ましく、45〜80℃であることがさらに好ましい。微粉の温度は、吸水性樹脂の製造の各過程で、保温、加熱、冷却することなどで適宜調整すればよい。
前記微粉を造粒する際に用いる水性液は、溶媒に前記必須添加剤が溶解したものであり、該溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水や、親水性有機溶剤(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等)を含んだ水溶液などが挙げられる。物性や造粒強度の面から、好ましくは90〜100重量%、より好ましくは99〜100重量%の範囲内が水であることが好ましく、水のみからなることが特に好ましい。また、前記水性液には、本発明の効果を損なわない範囲で、架橋剤、キレート剤、界面活性剤などの他の添加剤を少量含有させることもできる。例えば、架橋剤としては、後述する種類の表面架橋剤を用いることができ、水性液に架橋剤を含有させることで、水可溶成分の低減や造粒強度の向上が期待できる。
前記水性液に含有される前記必須添加剤として用いることのできる熱分解型ラジカル重合開始剤としては、造粒粒子と重合ゲルとを共存させて乾燥する際に分解してモノマーと反応しうるものであれば、特に制限されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩などが挙げられる。これらの中でも、過酸化物が好ましく、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩が特に好ましい。これら熱分解型ラジカル重合開始剤は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
前記水性液に含有される前記必須添加剤として用いることのできる酸化剤としては、造粒粒子と重合ゲルとを共存させて乾燥する際にモノマーと反応しうるものであれば、特に制限されないが、例えば、塩素酸塩、臭素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩などの無機酸化剤、前記熱分解型ラジカル重合開始剤としても例示した過硫酸塩や過酸化水素、t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等の無機過酸化物あるいは有機過酸化物などが挙げられる。これらの中でも、過硫酸塩、過酸化水素が好ましく、過硫酸塩が特に好ましい。これら酸化剤は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
前記水性液に含有される前記必須添加剤として用いることのできる還元剤としては、造粒粒子と重合ゲルとを共存させて乾燥する際にモノマーと反応しうるものであれば、有機系還元剤であっても無機系還元剤であってもよく、特に制限されないが、好ましくは無機系還元剤がよく、特に、イオウ系、リン系、窒素系還元剤が好適である。具体的には、例えば、亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム等)、亜硫酸水素塩(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム等)、ピロ亜硫酸塩、亜二チオン酸塩、三チオン酸塩、四チオン酸塩、チオ硫酸塩、亜硝酸塩、ジメチルスルホキサイド、二酸化チオ尿素、亜リン酸塩、アミノ酸やエタノールアミン等の窒素含有有機化合物などが挙げられる。これらの中でも、イオウ系還元剤、特に、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜二チオン酸塩が好ましく、それらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく挙げられる。中でも、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムが特に好ましい。これら還元剤は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
前記必須添加剤としては、前述したなかでも、熱分解型ラジカル重合開始剤が好ましく、特に、過硫酸塩を必須とすることが、優れた残存モノマー低減効果を発揮しうる点で好ましい。
前記水性液中の前記必須添加剤の含有量は、特に限定されないが、通常、微粉に対して0.0001〜1重量%であることが好ましい。0.0001重量%未満であると、充分に残存モノマーを低減できない恐れがあり、一方、1重量%を超えると、乾燥後に得られる最終的な吸水性樹脂に着色が生じる恐れがある。
また、前記必須添加剤(特に、熱分解型ラジカル重合開始剤)は、重合工程において使用されることがある。その場合、前記水性液中の前記必須添加剤の含有量は、通常、造粒前の微粉の単位重量当たりに対する量が、重合工程で添加される必須添加剤の量(モノマー成分の単位重量当たりに対する量)の1〜500重量%であることが好ましく、5〜400重量%であることがより好ましく、10〜300重量%であることがさらに好ましい。重合工程で添加される必須添加剤に対する水性液中に含有させる必須添加剤の比率が前記範囲を外れると、本発明の効果が減少することになる。なお、前述のような場合(すなわち、重合工程において前記必須添加剤が使用される場合)、重合工程で添加される必須添加剤と水性液中に含有させる必須添加剤とは、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
なお、本発明にかかる製造方法の特徴は前記必須添加剤を水性液に含有させることであり、この場合に比べて添加量に対する効果は低いものの、前記必須添加剤(特に熱分解型ラジカル重合開始剤)を、例えば、乾燥工程に供する前の重合ゲルに添加したり、粉砕工程に供する前の乾燥物(乾燥した重合ゲル)に添加したりするなど、水性液に添加する以外に別途、本発明の製造方法における任意の工程において添加してもよい。
前記水性液の使用量は、特に制限されないが、微粉100重量部に対し、25重量部以上、280重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは200重量部以下、さらに好ましくは150重量部以下である。水性液の使用量が280重量部を超えると、一体化した巨大なゲル状物が得られることとなり、該ゲル状物をさらに乾燥、粉砕して造粒粒子とする必要が生じ、しかも乾燥に多大な負荷がかかることになる。一方、水性液の使用量が25重量部よりも少ない場合、造粒強度が不充分になり、最終製品において優れた特性を発揮することができなくなるおそれがあるとともに、混合が不均一になり造粒が困難になるおそれがある。
前記微粉を造粒するに際しては、前記微粉と前記水性液とを混合すればよいのであるが、特に、前記造粒に際し、前記水性液を予め加熱しておくことが好ましく、さらに、該加熱した水性液と前記微粉とを高速混合することにより造粒することが、好ましい態様である。これにより、一体化した巨大なゲル状物ではなく、直接粒径が制御された造粒粒子を得ることができ、その結果、ゲル状物をさらに乾燥、粉砕して造粒粒子とする必要がなくなるとともに、一体化した巨大なゲル状物が得られる場合に生じる問題、すなわち、混合に巨大な力が必要なったり、ゲル状の塊が混練状態となったりするため、主鎖の切断や絡まりなどによって、吸水性樹脂自身が劣化するという問題を回避することができる。
前記造粒の好ましい態様において、水性液の加熱の際の温度は、通常40℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは70℃以上である。また、該温度の上限は水性液の沸点以下であり、沸点は塩類や他の溶媒の添加、圧力(減圧・加圧)などを変化させて種々調整してよいが、温度が100℃を超えても大きな変化はないため、通常、100℃以下で行われる。なお、水性液を予め加熱しておく場合には、前記必須添加剤は、別途、室温または冷却下で比較的濃度の高い水溶液としておき、微粉との混合直前に、加熱しておいた比較的多量の水性液残部と混合することが好ましい。
前記造粒の好ましい態様においては、予め水性液を加熱することに加え、さらに、微粉自体も加熱されていることが好ましい。この微粉の加熱の際の温度も、通常、40℃以上、好ましくは50℃以上であり、100℃を超えても大きな変化はないため、通常、100℃以下で行われる。なお、微粉自体を加熱しておく場合、その手段は特に制限されず、例えば、乾燥による加熱ののち保温することにより行ってもよいし、別途外部から加熱するようにしてもよい。
前記造粒の好ましい態様において、加熱された水性液と微粉とを高速混合するに際し、高速混合とは、水性液と微粉との混合が完了し、造粒粒子が生成する時間が短時間であることを意味する。すなわち、水性液と微粉との接触時点から造粒粒子が生成するまでの時間、言い換えれば混合時間が短時間であるということである。該混合時間は、好ましくは3分以下、より好ましくは1分以下であり、1秒から60秒が最も好ましい。混合時間が長い場合には、水性液と微粉との均一な混合が困難となり一体化した巨大なゲル状物となりやすい。また、混合時間が長いと、生じた造粒粒子を重合ゲルとともに乾燥工程に供するまでの間に、水性液中に含有させた前記必須添加剤が分解してしまい、乾燥工程において充分な量の必須添加剤が存在しえないこととなる恐れがある。さらに、混合完了後に、混合を長時間続けると、得られる吸水性樹脂の水可溶分の増加や加圧下吸水倍率の低下など、吸水性樹脂の性能低下を招く場合もある。
高速混合を達成するための手段としては、加熱された水性液を攪拌中の微粉に一気に投入することが挙げられる。すなわち、水性液を、例えば噴霧する等の方法で徐々に添加する場合には、途中で微粉が大きな凝集塊となったり、混練されたりして、吸水性樹脂の劣化を生じるおそれがある。加熱された水性液の投入時間が、60秒以下であることが好ましく、30秒以下であることがさらに好ましく、10秒以下であることが最も好ましい。また、高速混合を達成するための手段として、上記とは逆に、微粉を攪拌中の加熱された水性液に投入する方法も挙げられる。この場合は、微粉の投入時間が、60秒以下であることが好ましく、30秒以下であることがさらに好ましく、10秒以下であることが最も好ましい。また、高速混合を達成するための手段として、微粉と加熱された水性液とを同時に一気に混合する方法も挙げられる。この場合は、両者の投入時間が、60秒以下であることが好ましく、30秒以下であることがさらに好ましく、10秒以下であることが最も好ましい。また、両者を連続的に同時に投入し、高速混合して、連続的に造粒粒子を得ることも可能である。なお、前述のように、前記必須添加剤の分解を考慮すれば、造粒粒子と重合ゲルとを共存させて乾燥するまでの時間はできるだけ短い方が好ましく、重合工程で連続的に重合ゲルを得る場合、これに連続的に造粒粒子を混ぜ合わせて短時間に乾燥工程に送ることが好ましい態様である。
なお、生じた造粒物が造粒粒子であることは、光学顕微鏡によって個々の粒子が形状を保ったまま複数集まり凝集している事実や、吸液時に複数の不連続粒子として膨潤する事実で確認できる。
前記造粒粒子と前記重合ゲルとを共存させて乾燥するに際しては、前記重合ゲルの固形分率B(%)と前記造粒粒子の固形分率A(%)の差(もしくは、重合ゲルの含水率と造粒粒子の含水率の差)は、小さいほど好ましい。具体的には、通常、造粒粒子(造粒ゲル)の固形分率A(%)と、重合ゲルの固形分率B(%)との比(A/B)が、1/3以上3以下となっていることが好ましく、より好ましくは1/2以上2以下、さらに好ましくは2/3以上3/2以下、さらに好ましくは4.5/5.5以上5.5/4.5以下、特に好ましくは1(すなわち、実質同一の固形分率であること)がよい。重合ゲルの固形分率Bと造粒粒子の固形分率Aとの比(A/B)が前記範囲を外れると、混合した両者の乾燥が不均一になりやすく、どちらか一方が過乾燥あるいは未乾燥となり、製造上のトラブルや、品質上の問題を引き起こす恐れがある。
なお、「固形分」とは、ゲル状の吸水性樹脂(重合ゲルや造粒ゲル)から揮発成分(主に水)を除いた残渣、つまり吸水性樹脂の樹脂成分のことであり、本明細書においては、上記固形分の重量を「固形分量」と称し、揮発成分を含んだゲル状の吸水性樹脂の重量に対する上記固形分量の割合を「固形分率(%)」と表すこととする。また、「含水率」とは、ゲル状の吸水性樹脂に含まれる水の割合(%)であり、100%から前記固形分率(%)を差し引いた値にほぼ相当する。
前記造粒粒子と前記重合ゲルとを共存させて乾燥するに際しては、前記造粒粒子と重合ゲルとの割合(言い換えれば、重合工程で得られる重合ゲル中の固形分量に対する微粉のリサイクル量)は、前記造粒粒子(造粒ゲル)中の固形分量(造粒前の微粉の固形分量)が重合ゲル中の固形分量に対して、40重量%以下となるようにすることが好ましく、さらには35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、となるようにすることが順に好ましい。なお、下限は、0重量%を超えていればよい。通常、重合工程で得られる重合ゲル中の固形分量に対する微粉のリサイクル量が40重量%を超えるようなことは、生産効率の点から現実的でないと言える。
微粉のリサイクル量が高くても40重量%であることを考慮すると、水性液に添加して使用される前記必須添加剤の量は、造粒粒子を重合ゲルと共に乾燥したのちに得られる吸水性樹脂全体に対しては非常に少なく、多くても0.3重量%未満にとどまり、十数重量%程度の微粉リサイクル量では0.1重量%未満となる。すなわち、使用する全ての必須
添加剤を重合ゲルに添加して所望のレベルにまで残存モノマーを低減しようとする場合に比べ、水性液に前記必須添加剤を添加する本発明の製造方法は、非常に少ない量の必須添加剤で前記所望のレベルまで残存モノマーを低減することができるのである。
本発明にかかる製造方法においては、造粒粒子と重合ゲルとを共存させて乾燥する。好ましくは、造粒粒子の少なくとも一部と重合ゲルの少なくとも一部とを接触させた状態で乾燥するのがよい。又は、好ましくは、造粒粒子を重合ゲルに混ぜ合わせて乾燥するのがよい。造粒粒子が重合ゲルに均質に混ざり合った状態で乾燥させてもよいし、造粒粒子が重合ゲルに軽く混ざった状態もしくは殆ど混ざり合っていない状態で乾燥させてもよい。すなわち、本発明にかかる製造方法においては、前述のように軽く混ざり合った状態もしくは殆ど混ざり合っていない状態で乾燥するだけで、特に均質に混合しなくても、残存モノマーの低減を十分に達成しうることができるのである。具体的には、例えば、乾燥工程を行う装置へと繋がる配管中あるいは搬送ベルト上などを流れる重合ゲルに対して、造粒粒子を同配管中に合流させたり同搬送ベルト上に供給させたりして、そのまま一緒に乾燥を行うだけで良いのである。重合ゲルに過硫酸塩等を添加して残存モノマーを低減する従来の技術においては、重合ゲル全体へ過硫酸塩等の添加剤を均質に分配することが重要となり、別途混合操作が必要になる場合もあることを考慮すると、この点で、残存モノマーの低減機構が異なると示唆される。すなわち、本発明にかかる製造方法においては、造粒粒子に含まれる前記必須添加剤が造粒粒子という形態で重合ゲルに均質に混合されて残存モノマー低減に作用するというわけではないと言え、乾燥中に何らかの効果を発揮しているものと考えられる。勿論、重合ゲルに対して造粒粒子を均一に混合したとしても何ら差し支えないことは言うまでもない。
なお、造粒粒子と重合ゲルとを共存させて乾燥する際の乾燥方法や条件等は、後述する乾燥工程において詳しく述べる。
以下、本発明にかかる製造方法において必須となる重合工程、および必要に応じて行われる乾燥工程、粉砕工程、分級工程について、詳しく説明する。
(重合工程)
前記重合工程は、重合により吸水性樹脂となりうるモノマーを重合させて吸水性を有する重合ゲルを生成させる工程である。本発明にかかる製造方法で用いる重合法としては、特に限定されるものではなく、バルク重合や沈殿重合を行うことも可能であるが、性能面や重合の制御の容易さから、モノマーを水溶液とすることによる水溶液重合または逆相懸濁重合が好ましい。
前記モノマーとしては、特に限定されないが、例えば以下に示すようなものが挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、ビニルスルホン酸、アリルトルエンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルフォスフェート等の、アニオン性不飽和単量体およびその塩;メルカプト基含有不飽和単量体;フェノール性水酸基含有不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の、アミド基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体;などである。これらモノマーは単独で用いてもよく、適宜2種以上を混合して用いてもよいが、得られる吸水性樹脂の性能やコストの点から、アクリル酸および/またはその塩(例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、アミン類等の塩、中でもコスト面からナトリウム塩が好ましい)を主成分として用いることが好ましい。アクリル酸および/またはその塩の使用量は全単量体成分(後述する内部架橋剤は除く)に対して70モル%以上が好ましく、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上である(上限は100モル%である)。なお、前記モノマーが酸基含有単量体の場合、その中和率には特に制限はなく、必要に応じて、重合後に中和するようにしてもよいが、衛生用品など人体に触れる可能性のある用途では、重合後の中和を必要としないこともあわせ、40モル%以上90モル%以下が好ましく、50モル%以上80モル%以下がより好ましい。
前記重合工程において、前記モノマーを水溶液とする場合の該水溶液(以下、「モノマー溶液」と称することもある)中のモノマーの濃度は、特に限定されるものではないが、10〜70重量%の範囲内が好ましく、20〜60重量%の範囲内がさらに好ましい。また、上記水溶液重合または逆相懸濁重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用して用いられ溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
前記重合工程においては、ラジカル重合開始剤を用いて重合を行うことができる。前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、重合させるモノマーの種類や重合条件などに合わせて、通常の吸水性樹脂製造において利用されているものの中から1種または2種以上を選択して使用すればよい。例えば、熱分解型開始剤(例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素、t−ブチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド等の過酸化物;アゾニトリル化合物、アゾアミジン化合物、環状アゾアミジン化合物、アゾアミド化合物、アルキルアゾ化合物、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド等のアゾ化合物;など)や、光分解型開始剤(例えば、ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、アゾ化合物など)等を挙げることができる。これらのなかでも、コスト面および残存モノマー低減能から、熱分解型開始剤が好ましく、過硫酸塩が特に好ましい。また、これらラジカル重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用し、両者を組み合わせることによりレドックス系開始剤とすることもできる。前記の還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。より好ましくは、光分解型開始剤と熱分解型開始剤を併用することである。前記重合工程において用いるラジカル重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、モノマーに対して、通常、0.001〜2重量%であることが好ましく、0.01〜0.05重量%であることがより好ましい。該ラジカル重合開始剤の使用量が0.001重量%未満であると、未反応のモノマーが多くなり、従って、得られる吸水性樹脂中の残存モノマー量が増加するので好ましくなく、一方、2重量%を超えると、得られる吸水性樹脂中の水可溶成分が増加するので好ましくない。
前記重合工程においては、前記ラジカル重合開始剤を用いる代わりに、反応系に放射線、電子線、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより重合反応を行ってもよい。
前記重合工程においては、必要に応じて、内部架橋剤を用いることができる。内部架橋剤としては、1分子内に2個以上の重合性不飽和基や2個以上の反応性基を有する従来公知の内部架橋剤を用いることができる。具体的には、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリアリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらのなかから、反応性を考慮して、1種または2種以上を用いればよい。特に、内部架橋剤としては、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を必須に用いることが好ましい。内部架橋剤の使用量は、所望する吸水性樹脂の物性により適宜決定すればよいが、通常、モノマーに対して0.001〜5モル%の範囲がよい。内部架橋剤の使用量が少なすぎると、ゲル強度が低下し可溶分が増加する傾向にあり、逆に多すぎると吸収倍率が低下する傾向にある。なお、内部架橋剤は、反応系に一括添加してもよく、分割添加してもよい。
前記重合工程においては、さらに必要に応じて、反応系に、炭酸(水素)塩、二酸化炭素、アゾ化合物、不活性有機溶媒などの各種発泡剤;澱粉・セルロース、澱粉・セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;各種界面活性剤;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤;などを本発明の効果を損なわない範囲(例えば、モノマー100重量部に対して、各種発泡剤は30重量部以下、親水性高分子は30重量部以下、連鎖移動剤は1重量部以下)で適宜添加してもよい。
前記重合工程における重合温度は、特に限定されるものでないが、通常、10〜140℃とするのが好ましい。重合温度が10℃未満であると、重合時間が長くなり生産性が低下するのみならず、吸水性樹脂の物性も低下する恐れがあり、一方、140℃を超えると、吸水性樹脂の物性が低下する恐れがある。重合時間も特に限定されるものではなく、モノマーや重合開始剤の種類、重合温度などに応じて適宜決定すればよい。また、前記重合は、通常、装置および操作の容易さ等のため常圧下で行われるが、重合系の沸騰温度を下げるために減圧にして行うのも好ましい態様である。
(乾燥工程)
前記乾燥工程は、前記重合工程で得られた重合ゲルもしくは該重合ゲルと微粉から得た造粒ゲルとを乾燥する工程である。前記重合工程で得られた重合ゲルは、通常、0.1〜5mm程度の粒子状の状態にして、乾燥工程に供することが好ましい。該乾燥工程における乾燥方法は、特に限定されず、通常の乾燥機や加熱炉を用いた方法を広く採用することができる。乾燥温度は、比較的高温とすることが好ましく、具体的には、100〜250℃が好ましく、120〜220℃がより好ましく、150〜200℃がさらに好ましい。乾燥時間は、得られる乾燥物が所望の固形分率となるような時間を設定すればよく、特に限定されない。乾燥工程において得られる乾燥物は、固形分率(180℃で3時間加熱したときの乾燥減量)が90重量%以上となっていることが、粉砕のし易さの点で好ましい。一般に、重合ゲルや造粒ゲルの粒子径、乾燥温度や風量などにもよるが、生産効率の点からは、通常、2時間以内とすることが好ましい。
(粉砕工程)
前記粉砕工程は、重合ゲルを粉砕する工程である。粉砕は、通常は、乾燥工程で得られた重合ゲルの乾燥物に対して行うが、重合工程で得られた乾燥前の重合ゲルに対して行っても良い。粉砕は、所望の粒径(好ましくは、前述したように、重量平均粒子径200〜800μm)の粒子がより多く得られるように行うことが好ましい。粉砕方法については、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
(分級工程)
前記分級工程は、前記粉砕工程で得られた粉砕物を分級する工程である。該分級工程において、所望の粒径(好ましくは、前述したように、重量平均粒子径200〜800μm)の粒子を選択して目的とする吸水性樹脂を得るとともに、前述した造粒に供するための微粉を残存物として得るのである。分級方法については、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
本発明の製造方法においては、前記分級工程ののち、得られた吸水性樹脂に対して、必要に応じて、粒子表面近傍の架橋を施すための工程を設けることが好ましい。以下、表面架橋工程についてさらに説明する。
(表面架橋工程)
前記表面架橋剤としては、従来公知の表面架橋剤が好適に用いられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物やそれらの無機塩ないし有機塩(アジリジニウム塩など);2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物又は塩化物等の多価金属化合物;等が挙げられる。これらの表面架橋剤の中でも、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物やそれらの塩、アルキレンカーボネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好適である。これら表面架橋剤は、単独で用いてもよく、反応性を考慮して2種類以上を混合して用いてもよい。なお、表面架橋工程は、その効果を考慮して2回以上行ってもよく、その場合、2回目以降を1回目と同一の表面架橋剤を用いて行って
もよいし、異なる表面架橋剤を用いて行ってもよい。
前記表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲内が好ましく、0.01〜5重量部の範囲内がより好ましい。この範囲で表面架橋剤を用いることにより、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度を内部よりも高くすることができる。表面架橋剤の使用量が10重量部を超える場合には、不経済となるばかりか、吸収剤としての最適な架橋構造を形成する上で、架橋剤の量が過剰となるため、好ましくない。表面架橋剤の使用量が0.001重量部未満の場合には、吸収剤としての加圧下吸収倍率等の性能を向上させる上で、その改良効果が得られ難いため、好ましくない。
表面架橋を施すに際しては、吸水性樹脂と表面架橋剤との混合にあたり、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径、含水率等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0重量部を超え、20重量部以下が好ましく、0.5〜10重量部の範囲内がより好ましい。
表面架橋を施すに際しては、吸水性樹脂と表面架橋剤との混合にあたり、必要に応じて、親水性有機溶媒を併用してもよい。ここで用いることのできる親水性有機溶媒としては、例えば、水性液に含有させうるものとして前述したものが挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径、含水率等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下の範囲内がより好ましい。
表面架橋を施すに際しては、吸水性樹脂と表面架橋剤との混合後、さらに、加熱処理を行い、吸水性樹脂の表面近傍を架橋させることが好ましい。すなわち、吸水性樹脂の表面近傍で架橋剤を反応させるには、架橋剤の反応性、製造装置の簡易性、生産性を考慮すると加熱処理を行うのが好ましいのである。加熱処理の処理温度は、用いる表面架橋剤にもよるが、80℃以上が好ましい。処理温度が80℃未満の場合には、加熱処理に時間がかかるので、生産性の低下を引き起こすのみならず、均一な表面架橋が達成されず、加圧下の吸収特性の低下、表面架橋剤の残存を招き易い。
なお、表面架橋工程における前記加熱処理以降のプロセスで受けるダメージにより微粉が再度発生することがあるが、そのような場合には、最終製品になるまでの間にさらに前述と同様の分級工程を設けることにより微粉を取り除くようにすればよく、取り除いた微粉は、表面架橋工程を経ていない微粉(表面架橋工程の前に得られた微粉)とともに、造粒に供することが好ましい。このとき、表面架橋工程ののちに分級された微粉の量は、表面架橋工程を経ていない微粉の量に対して、5重量%以下とすることが好ましく、3重量%以下とすることがより好ましい。表面架橋工程ののちに分級された微粉の量が5重量%を超えると、造粒された粒子の強度が低下する傾向があり、吸収倍率も低下する傾向がある。
本発明の製造方法で得られた吸水性樹脂には、必要に応じて、例えば、消毒剤、抗菌剤、香料、各種の無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、水性塩類等を、本発明の効果を損なわない範囲(例えば、吸水性樹脂100重量部に対して、30重量部以下、さらには10重量部以下)で適宜添加し、これにより、種々の機能を付与させることもできる。
本発明の製造方法によれば、残存モノマーおよび微粉の低減を両立した吸水性樹脂、言い換えれば、残存モノマーが少なく粒度分布がシャープな吸水性樹脂を得ることができ、さらに、前述した表面架橋を施すことで高性能な吸水性樹脂を得させることができる。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂は、生理食塩水の無荷重下吸収倍率(GV)が、好ましくは27g/g以上、より好ましくは30g/g以上、さらに好ましくは33g/g以上、最も好ましくは36g/g以上である。一般に、無荷重下吸収倍率が20g/g未満であると、オムツに使用したときに高物性を示さない恐れがあり、一方、無荷重下吸収倍率の上限には制限はないが、製造上困難をきたすゆえにコストが高騰することを考慮すると60g/g程度で充分と考えられる。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂は、4.9kPa荷重下での生理食塩水の加圧下吸水倍率(AAP)が、好ましくは20g/g以上、より好ましくは22g/g以上、さらに好ましくは24g/g以上、最も好ましくは26g/g以上である。一般に、加圧下吸収倍率が20g/g未満であると、オムツに使用したときに高物性を示さない恐れがあり、一方、加圧下吸収倍率の上限には制限はないが、製造上困難をきたすゆえにコストが高騰することを考慮すると35g/g程度で充分と考えられる。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂は、重量平均粒子径(D50)が、好ましくは200〜450μm、より好ましくは220〜430μm、さらに好ましくは250〜400μmという比較的狭い範囲に制御されたものであり、かつ、150μm未満の粒子の含有割合が、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜3重量%、さらに好ましくは0〜1重量%に制御されたものであり、かつ、粒度の対数標準偏差(σζ)が、好ましくは0.20〜0.40、より好ましくは0.20〜0.38、さらに好ましくは0.20〜0.35に制御されたものである。本発明の製造方法では、表面架橋を施す前に、また必要に応じて表面架橋を施した後に、分級工程を行うことにより、前記範囲を満たす特定粒度の吸水性樹脂を得ることができるのである。さらに、本発明の製造方法は微粉をリサイクルするものであるため、重量平均粒子径が200〜450μmと比較的小さいにも関わらず150μm未満の粒子(微粉)の含有量は少ないという特性、すなわち小さな粒子径と少ない微粉量という相反する物性を兼ね備えた吸水性樹脂を得ることができるのである。重量平均粒子径(D50)、150μm未満の粒子の含有割合、および粒度の対数標準偏差(σζ)が前記範囲を外れると、オムツに使用したときに高物性を示さない恐れがある。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂は、HPLC定量により求められるアクリル酸含有量が、好ましくは0〜1000ppm、より好ましくは0〜500ppm、さらに好ましくは0〜200ppm、最も好ましくは0〜100ppmである。一般に、アクリル酸含有量が500ppmを超えると、消臭作用を臨界的に低下させることがあり、好ましくないと考えられる。
本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂の用途は、特に限定されないが、例えば、吸収体や吸収物品における使用が好ましく、特に、従来、臭気が問題になっていた高濃度オムツ(1枚のオムツに多量の吸水性樹脂を使用したもの)において優れた性能を発揮する。
本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂を用いてなる吸収体は、例えば、吸水性樹脂と必要により親水性繊維とをシート状などに成型して得ることができ、親水性繊維を用いない場合には、紙や不織布に粒子状の吸水剤を固定させることにより得ることができる。かかる吸収体における吸水性樹脂の含有量(コア濃度)は、高濃度であることが望ましく、例えば、30〜100重量%、好ましくは40〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%であるのがよい。また、かかる吸収体は、密度0.06〜0.5g/cc、坪量0.01〜0.2g/cmの範囲に圧縮成型されていることが望ましい。なお、用いられる繊維基材としては、例えば、粉砕された木材パルプ、コットンリンターや架橋セルロース繊維、レーヨン、綿、羊毛、アセテート、ビニロン等の親水性繊維などを例示でき、好ましくは、それらをエアレイドしたものがよい。
例えば、上記製造方法を一例として得られる、本発明に係る吸水剤は、後述する方法により求められる残存モノマー量が、0以上500ppm以下である。好ましくは0以上400ppm以下、より好ましくは0以上300ppm以下、より好ましくは0以上250ppm以下、より好ましくは0以上200ppm以下、さらに好ましくは0以上150ppm以下、特に好ましくは0以上100ppm以下である。上記重合に使用されるモノマーの主成分がアクリル酸及び/又はその塩である場合、未反応のアクリル酸及び/又はその塩の含有量が500ppm以下である。本発明の吸水剤の残存モノマー量が500ppmを超えると、実際にオムツ等の吸収性物品に使用した際の人尿吸収後、膨潤時に異臭が生じるおそれがあり、また、使用者の肌との接触の可能性を考慮すると、衛生面からも問題がある。また、吸収性物品の製造現場における粉体飛散により、作業者の健康へ悪影響を及ぼすおそれも懸念されるため、好ましくない。
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、特に断りのない限り、「重量部」を単に「部」と、「重量%」を単に「%」と記すものとする。
実施例および比較例において得られた吸水性樹脂の物性は以下のようにして測定した。なお、各測定は、いずれも23±2℃の範囲で行った。
<無荷重下吸収倍率(GV:Gel Volume)>
吸水性樹脂約0.2gを正確にはかり取り(この重量が下記式の「吸水性樹脂の重量」となる)、不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、0.9%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離器を用いて250×9.81m/s(250G)で3分間水切りを行った後、袋の重量W1(g)を測
定した。また、同様の操作を吸水性樹脂を用いないで行い、そのときの重量W0(g)を測定した。そして、これら重量W1、W0から、次式に従って算出した。
GV(g/g)=[(W1−W0)/吸水性樹脂の重量]−1
<残存モノマー量>
蓋付きプラスチック容器に脱イオン水1000gをはかり取り、その水中に吸水性樹脂0.5gを加え2時間攪拌したのち、濾紙を用いて膨潤ゲル化した吸水性樹脂を濾別し、得られた濾液を液体クロマトグラフィーで分析した。他方、既知濃度のモノマー(アクリル酸)標準溶液についても同様にして分析し、得られた検量線を外部標準として、濾液の希釈倍率を考慮して、吸水性樹脂中の残存モノマー量(残存アクリル酸またはその塩をアクリル酸換算した量)を求めた。
<重合ゲルまたは造粒ゲルの固形分率>
重合ゲルまたは造粒ゲル約5gをアルミカップ(直径52mm)に正確にはかり取り(この重量をW0(g)とする)、180℃の無風乾燥機中で24時間乾燥したのち乾燥残渣の重量を測定し(この重量をW1(g)とする)、これら重量W1、W0から、次式に従って固形分率(%)を算出した。ただし、乾燥工程を経た重合ゲルの乾燥物についての固形分率(%)を求める際には、上記乾燥時間を3時間に短縮して行った。
固形分率(%)=(W1/W0)×100
<加圧下吸収倍率(AAP:Absorbency against Presure)>
米国特許6071976号に記載の方法に従い、50g/cm(4.9kPa)での生理食塩水に対する加圧下吸水倍率(60分値)を測定した。
<粒度の対数標準偏差(σζ)および重量平均粒子径(D50)>
WO2004/069936号に記載の方法に従い、篩分級して、粒度の対数標準偏差(σζ)および重量平均粒子径(D50)を求めた。
〔製造例1〕
表面がフッ素樹脂コーティングされたエンドレスベルト(有効長3.8m、幅60cm)、該エンドレスベルトの底面および周囲を約100℃に保温する加熱手段、該エンドレスベルトに重合反応に必要な光を当てるためのUVランプを備えたベルト式連続重合装置を用い、重合ゲルの製造を行った。すなわち、48.5%水酸化ナトリウム水溶液が396g/分、アクリル酸が493g/分、30%ポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量487)水溶液(I)が5.2g/分、20%アクリル酸水溶液97.9部に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0部と45%ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム水溶液1.1部とを溶解させてなる溶液(II)が6.1g/分、水が405g/分の流量となるように各々設定して、連続的にミキサーに供給し混合することによってモノマー液を調製し(このモノマー液の温度は約93℃で安定していた)、該モノマー液にさらに2%過硫酸ナトリウム水溶液を27.4g/分の流量で加えながら、該重合用モノマー混合物(流量1333g/分、該混合物におけるモノマー濃度は45%、該混合物における過硫酸ナトリウム量はモノマー成分の重量に対して0.091%に相当)を1m/分の速度で走行するベルトの上に連続的に供給することにより、ベルト上で重合を行って帯状の重合ゲルを生成させ、該生成した帯状の重合ゲルを連続的にベルトから剥離させた。そして、得られた帯状の重合ゲルをスクリュー式押出機(ダイス孔径13mm)に、別途水を16.6g/分の流量で押出機入り口に加えながら、連続的に投入して、粗砕された重合ゲル(11)を得た。該重合ゲル(11)の固形分率は54%であった。
次に、前記重合ゲル(11)2000g(固形分量1080g)を金網の上に広げ、通気流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製「形式71−S6」)を用いて180℃で30分間熱風乾燥した。次いで、得られた乾燥物をロールミルで粉砕し、その後、目開き850μmのJIS標準篩(Z8801)を用いて該篩を通過する粒子を分級して、粒子状の吸水性樹脂(P1)を得た。
〔製造例2〕
製造例1のロールミルよりもロール間のクリアランスを狭めたロールミルで乾燥物を粉砕し、その後、目開き150μmのJIS標準篩を用いて該篩を通過する粒子を分級するようにしたこと以外は、製造例1と同様にして、微粉状の吸水性樹脂(P1’)を得た。
次に、微粉状の吸水性樹脂(P1’)300gを80℃のウォーターバスで保温された5Lモルタルミキサー(西日本試験機製作所製)に入れ、該モルタルミキサーの攪拌羽根を60Hz/100Vで高速回転させながら、造粒用の水性液としての水420gを80℃に加熱しておいたのちに一気に投入した。投入から10秒以内に微粉状の吸水性樹脂(P1’)と水とは混合されてパラパラの状態の造粒物となり、投入から1分後に取り出すことにより、粒径3〜10mmの造粒ゲル(21)が得られた。該造粒ゲル(21)の固形分率は42%であった。
次いで、前記造粒を繰り返して得た造粒ゲル(21)2000g(内、固形分量(微粉状の吸水性樹脂(P1’)の量に相当)は833g)を金網の上に広げ、通気流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製「形式71−S6」)を用いて180℃で30分間熱風乾燥した。次いで、ロールミルで粉砕し、その後、目開き850μmのJIS標準篩(Z8801)を用いて該篩を通過する粒子を分級して、粒子状の吸水性樹脂(P2)を得た。
〔製造例3〕
製造例1で得られた重合ゲル(11)1667g(固形分量900g)と、製造例2で得られた造粒ゲル(21)333g(内、固形分量(微粉状の吸水性樹脂(P1’)の量に相当)は139g)とを合わせて軽く混ざった状態にして金網の上に広げ、通気流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製「形式71−S6」)を用いて180℃で30分間熱風乾燥した。次いで、ロールミルで粉砕し、その後、目開き850μmのJIS標準篩(Z8801)を用いて該篩を通過する粒子を分級して、粒子状の吸水性樹脂(P3)を得た。
〔実施例1〕
製造例2において、造粒用の水性液として用いた水420gの代わりに、水420gに過硫酸ナトリウム0.069g(微粉状の吸水性樹脂(P1’)に対して0.023%に相当、重合工程で用いた過硫酸ナトリウム量(モノマー成分の重量に対し0.091%)に対しては25%に相当)を溶解させてなる水性液を用いたこと以外は、製造例2と同様にして、粒径3〜10mmの造粒ゲル(22)を得た。該造粒ゲル(22)の固形分率は42%であった。
次に、製造例1で得られた重合ゲル(11)1667g(固形分量900g)と、前記造粒ゲル(22)333g(内、固形分量(微粉状の吸水性樹脂(P1’)の量に相当)は139g、過硫酸ナトリウム0.032g含有)とを軽く混ぜて金網の上に広げ、通気流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製「形式71−S6」)を用いて180℃で30分間熱風乾燥した。次いで、ロールミルで粉砕し、その後、目開き850μmのJIS標準篩(Z8801)を用いて該篩を通過する粒子を分級して、粒子状の吸水性樹脂(1)を得た。なお、該粒子状の吸水性樹脂(1)中に含まれる過硫酸ナトリウム総量のうち、重合工程で用いた分(モノマー成分の重量に対し0.091%)以外に添加された過硫酸ナトリウムの量は、該吸水性樹脂(1)の固形分量全体に対して0.0031%であり、その全量が造粒ゲルを得る際の水性液として添加されたものである。
〔比較例1〕
製造例1と同様にして、帯状の重合ゲルを生成させ、該生成した帯状の重合ゲルを連続的にベルトから剥離させた。そして、得られた帯状の重合ゲルをスクリュー式押出機(ダイス孔径13mm)に、別途、0.13%過硫酸ナトリウム水溶液を16.6g/分の流量(重合用モノマー混合物中のモノマー成分の重量に対して0.0035%に相当)で押出機入り口に加えながら、連続的に投入して、粗砕された重合ゲル(12)を得た。該重合ゲル(12)の固形分率は54%であった。
次に、前記重合ゲル(12)1667g(固形分量900g、過硫酸ナトリウム(重合ゲルに添加された分)0.032g含有)と、製造例2で得られた造粒ゲル(21)333g(内、固形分量(微粉状の吸水性樹脂(P1’)の量に相当)は139g)とを合わせて軽く混ざった状態にして金網の上に広げ、通気流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(
株)製「形式71−S6」)を用いて180℃で30分間熱風乾燥した。次いで、ロール
ミルで粉砕し、その後、目開き850μmのJIS標準篩(Z8801)を用いて該篩を通過する粒子を分級して、比較用の粒子状の吸水性樹脂(C1)を得た。なお、該粒子状の吸水性樹脂(C1)中に含まれる過硫酸ナトリウム総量のうち、重合工程で用いた分(モノマー成分の重量に対し0.091%)以外に添加された過硫酸ナトリウムの量は、該吸水性樹脂(C1)の固形分量全体に対して0.0031%であり、その全量が重合ゲルを得る際に添加されたものである。
〔参考例1〕
比較例1で得られた重合ゲル(12)2000g(固形分量1080g、過硫酸ナトリウム(重合ゲルに添加された分)0.038g含有)を金網の上に広げ、通気流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製「形式71−S6」)を用いて180℃で30分間熱風乾燥した。次いで、ロールミルで粉砕し、その後、目開き850μmのJIS標準篩(Z8801)を用いて該篩を通過する粒子を分級して、参考としての粒子状の吸水性樹脂(R1)を得た。なお、該粒子状の吸水性樹脂(R1)中に含まれる過硫酸ナトリウム総量のうち、重合工程で用いた分(モノマー成分の重量に対し0.091%)以外に添加された過硫酸ナトリウムの量は、該吸水性樹脂(R1)の固形分量全体に対して0.0035%であり、その全量が重合ゲルを得る際に添加されたものである。
〔実施例2〕
製造例2において、造粒用の水性液として用いた水420gの代わりに、水420gに過硫酸ナトリウム0.69g(微粉状の吸水性樹脂(P1’)に対して0.23%に相当)を溶解させてなる水性液を用いたこと以外は、製造例2と同様にして、粒径3〜10mmの造粒ゲル(23)を得た。該造粒ゲル(23)の固形分率は42%であった。
次に、実施例1において用いた造粒ゲル(22)333g(内、固形分量(微粉状の吸水性樹脂(P1’)の量に相当)は139g、過硫酸ナトリウム0.032g含有)の代わりに、前記造粒ゲル(23)333g(内、固形分量(微粉状の吸水性樹脂(P1’)の量に相当)は139g、過硫酸ナトリウム0.32g含有)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粒子状の吸水性樹脂(2)を得た。なお、該粒子状の吸水性樹脂(2)中に含まれる過硫酸ナトリウム総量のうち、重合工程で用いた分(モノマー成分の重量に対し0.091%)以外に添加された過硫酸ナトリウムの量は、該吸水性樹脂(2)の固形分量全体に対して0.031%であり、その全量が造粒ゲルを得る際の水性液として添加されたものである。
〔実施例3〕
製造例2において、造粒用の水性液として用いた水420gの代わりに、水420gに亜硫酸水素ナトリウム0.69g(微粉状の吸水性樹脂(P1’)に対して0.23%に相当)を溶解させてなる水性液を用いたこと以外は、製造例2と同様にして、粒径3〜10mmの造粒ゲル(24)を得た。該造粒ゲル(24)の固形分率は42%であった。
次に、実施例1において用いた造粒ゲル(22)333g(内、固形分量(微粉状の吸水性樹脂(P1’)の量に相当)は139g、過硫酸ナトリウム0.032g含有)の代わりに、前記造粒ゲル(24)333g(内、固形分量(微粉状の吸水性樹脂(P1’)の量に相当)は139g、亜硫酸水素ナトリウム0.32g含有)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粒子状の吸水性樹脂(3)を得た。なお、添加された亜硫酸水素ナトリウムの量は、該吸水性樹脂(3)の固形分量全体に対して0.031%であり、その全量が造粒ゲルを得る際の水性液として添加されたものである。
〔比較例2〕
製造例1と同様にして、帯状の重合ゲルを生成させ、該生成した帯状の重合ゲルを連続的にベルトから剥離させた。そして、得られた帯状の重合ゲルをスクリュー式押出機(ダイス孔径13mm)に、別途、1.3%過硫酸ナトリウム水溶液を16.6g/分の流量(重合用モノマー混合物中のモノマー成分の重量に対して0.035%に相当)で押出機入り口に加えながら、連続的に投入して、粗砕された重合ゲル(13)を得た。該重合ゲル(13)の固形分率は54%であった。
次に、前記重合ゲル(13)1667g(固形分量900g、過硫酸ナトリウム(重合ゲルに添加された分)0.32g含有)と、製造例2で得られた造粒ゲル(21)333g(内、固形分量(微粉状の吸水性樹脂(P1’)の量に相当)は139g)とを合わせて軽く混ざった状態にして金網の上に広げ、通気流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製「形式71−S6」)を用いて180℃で30分間熱風乾燥した。次いで、ロールミルで粉砕し、その後、目開き850μmのJIS標準篩(Z8801)を用いて該篩を通過する粒子を分級して、比較用の粒子状の吸水性樹脂(C2)を得た。なお、該粒子状の吸水性樹脂(C2)中に含まれる過硫酸ナトリウム総量のうち、重合工程で用いた分(モノマー成分の重量に対し0.091%)以外に添加された過硫酸ナトリウムの量は、該吸水性樹脂(C2)の固形分量全体に対して0.031%であり、その全量が重合ゲルを得る際に添加されたものである。
〔参考例2〕
比較例2で得られた重合ゲル(13)2000g(固形分量1080g、過硫酸ナトリウム(重合ゲルに添加された分)0.38g含有)を金網の上に広げ、通気流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製「形式71−S6」)を用いて180℃で30分間熱風乾燥した。次いで、ロールミルで粉砕し、その後、目開き850μmのJIS標準篩(Z8801)を用いて該篩を通過する粒子を分級して、参考としての粒子状の吸水性樹脂(R2)を得た。なお、該粒子状の吸水性樹脂(R2)中に含まれる過硫酸ナトリウム総量のうち、重合工程で用いた分(モノマー成分の重量に対し0.091%)以外に添加された過硫酸ナトリウムの量は、該吸水性樹脂(R2)の固形分量全体に対して0.035%であり、その全量が重合ゲルを得る際に添加されたものである。
以上の製造例、実施例、比較例および参考例で得られた各吸水性樹脂についての無荷重下吸収倍率(GV)および残存モノマー量を、表1及び表2に示す。
Figure 2006299234
Figure 2006299234
表1及び表2から以下のことが明らかである。
すなわち、まず、製造例1は微粉のリサイクルを行わず重合ゲルのみを乾燥した場合(残存モノマー量350ppm)であり、これに対して、微粉を造粒した造粒ゲルのみを乾燥した製造例2では残存モノマーが430ppmと多くなることが判る。次に、製造例3で、重合ゲルと造粒ゲルとを共に乾燥して微粉のリサイクルを行ったところ、残存モノマー量は530ppmと、製造例1および製造例2と比べて多くなり、しかもその量は、重合ゲルと造粒ゲルの混合割合を考慮して製造例1、製造例2で得られた結果から理論的に求められる残存モノマー量(361ppm)よりも大幅に増えることが判る。
実施例1は、微粉のリサイクルを行うにあたり造粒ゲルに過硫酸ナトリウムを添加した場合であり、これによれば、残存モノマー量は350ppmと、製造例3に比べて非常に少なく、製造例1の微粉のリサイクルを行わない場合と同様になることが明らかである。しかも、実施例2から、造粒ゲルに添加する過硫酸ナトリウムの量を増やせば、残存モノマー量は製造例1の微粉のリサイクルを行わない場合よりもさらに低減することが判る。
一方、実施例1と同じ量の過硫酸ナトリウムを重合ゲルに添加した比較例1では、残存モノマー量は530ppmと、製造例3に比べて減少しないことが判る。また、重合ゲルに添加する過硫酸ナトリウムの量を増やした比較例2でも、製造例3よりは少ない残存モノマー量となるものの、製造例1の微粉のリサイクルを行わない場合に比べると残存モノマー量が多くなることが判る。
実施例3は、微粉のリサイクルを行うにあたり造粒ゲルに亜硫酸水素ナトリウムを添加した例であり、造粒ゲルに過硫酸ナトリウムを添加した例と同様に、残存モノマー量は製造例3に比べて少なくなることが判る。
以上から、本発明によれば、微粉のリサイクルと残存モノマーの低減とを非常に効果的に両立させうることが明らかである。
〔実施例4〕
実施例1で得られた吸水性樹脂(1)から、さらに150μmのJIS標準篩を用いて150μm未満の微粉を取り除くことによって、ほぼその全量が850μm〜150μmの粒子径を有する吸水性樹脂(1’)を得た。次に、該吸水性樹脂(1’)100部に対し、1,4−ブタンジオール0.34部、プロピレングリコール0.56部、水3部の混合液からなる表面架橋剤を混合したのち、得られた混合物を210℃で30分間加熱処理して、表面が架橋された吸水性樹脂粒子を得た。該吸水性樹脂粒子の物性を測定したところ、無荷重下吸収倍率(GV)は、31g/g、加圧下吸収倍率(AAP)は26g/g、残存モノマー量は300ppm、重量平均粒子径(D50)は420μm、150μm未満の粒子(微粉)の含有量はほぼ0重量%、粒度の対数標準偏差(σζ)は0.35、であった。
本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法及び吸水性樹脂は、例えば、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料等の吸収性物品の製造に好適に適用できる。

Claims (6)

  1. 吸水性を有する重合ゲルを得る工程と、
    吸水性樹脂の製造において得られ重量平均粒子径が10〜150μmの範囲内である微粉に、熱分解型ラジカル重合開始剤、酸化剤および還元剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤を含む水性液を添加することにより、造粒されたゲルを得る工程と、
    前記造粒されたゲルと前記重合ゲルとを共存させて乾燥する工程とを含む吸水性樹脂の製造方法。
  2. 前記水性液は、微粉に添加される前に予め加熱される請求項1に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  3. 前記添加剤は、過硫酸塩を含む請求項1又は2に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  4. 前記造粒されたゲルと前記重合ゲルとを共存させて乾燥する工程において、造粒されたゲルの固形分率A(%)と重合ゲルの固形分率B(%)との比(A/B)が、1/3以上3以下となっている請求項1から3のいずれかに記載の吸水性樹脂の製造方法。
  5. 前記造粒されたゲルと前記重合ゲルとを共存させて乾燥させる工程において、造粒されたゲル中の固形分量が重合ゲル中の固形分量に対して40重量%以下となるようにする、請求項1から4までのいずれかに記載の吸水性樹脂の製造方法。
  6. 吸水性を有する重合ゲルと、造粒されたゲルとを含む吸水性樹脂であって、前記造粒されたゲルは、重量平均粒子径が10〜150μmの範囲内である微粉からなり、前記造粒
    されたゲルの固形分率A(%)と重合ゲルの固形分率B(%)との比(A/B)が、1/3以上3以下であり、残存モノマーが0以上500ppm以下である吸水性樹脂。
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