JP6323728B2 - 粒子状吸水剤の充填方法および粒子状吸水剤充填物のサンプリング方法 - Google Patents

粒子状吸水剤の充填方法および粒子状吸水剤充填物のサンプリング方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子状吸水剤の充填方法および粒子状吸水剤充填物のサンプリング方法に関する。
近年、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料には、体液吸収の観点から、その構成材としての吸水性樹脂が、吸水剤として幅広く利用されている。かかる吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の鹸化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、およびカチオン性モノマーの架橋体等が知られている。
この吸水性樹脂は、シート状、繊維状、フィルム状とされても用いられうるが、一般には、粉末状(粒子状)とされて吸水剤に用いられている。かかる粉末(粒子)としては、例えば、その質量平均粒子径が200〜800μm程度である粒子状吸水剤が汎用されている。粒子状吸水剤は、多くの工程(好ましくは連続工程)を経て製造される(例えば、特許文献1)。また、粒子状吸水剤が出荷される場合、この粒子状吸水剤は、充填容器に充填される。充填された粒子状吸水剤は、各種輸送手段によって輸送され、出荷先(ユーザー等)に届けられる。この充填容器として、例えばフレキシブルコンテナバッグや可搬型サイロ等が用いられている。このフレキシブルコンテナバッグは、略して、フレコンバッグとも称されている。充填は、通常、特許文献2等に記載されているように、ホッパーから充填される。
ところで、粒子状吸水剤はその使用目的(例えば、紙オムツ、生理用ナプキン等)に応じて、多くのパラメータ物性(例えば、吸水倍率、加圧下吸水倍率、吸水速度、通液性、ゲル安定性等)をスペックとして制御されて生産されている。かかる物性安定化の課題を解決するために、以下に示すような種々の解決手段が提案されている。
たとえば、特許文献3は、各物性値が所定の上下限値から外れた吸水性樹脂を除去して再混合する手法を開示する。特許文献4は、中間工程に複数のホッパーを使用する技術を開示する。特許文献5は、重合を2系列で行い、その後混合処理を行う技術を開示する。このように、新たな中間製造工程の変更または付与等で、粒子状吸水剤の物性を向上および安定化する技術が多く提案されている。
さらに、近年、高吸水速度の粒子状吸水剤が求められ、特に通液性と吸水速度という相反する物性の両立が目指されている(特許文献6〜12)。
他方で、上記のような、粒子状吸水剤の物性を精密に制御する技術だけではなく、製造された粒子状吸水剤を充填する充填工程での運転条件の振れが、最終製品(例えば、紙オムツ)に大きな物性の振れをもたらしうることに着目して、最終製品(例えば、紙オムツ)の物性低下や消費者クレームを引き起こす一因を解消しようとする技術も存在する(特許文献13)。
米国特許第6716894号 米国特許第6817557号 米国特許第7193006号 米国特許第6727345号 国際公開第2007/023097号 国際公開第2008/015946号 国際公開第2013/120722号 国際公開第2013/072268号 国際公開第2013/007819号 国際公開第2012/002455号 国際公開第2011/078298号 国際公開第2010/095427号 国際公開第2009/113671号
通常、製造された粒子状吸水剤は、(I)数百kg〜数千kgを1単位とする充填容器に充填されて、(II)吸収性物品(例えば、紙オムツ等)の製造場所へ輸送され、(III)0.1g〜100gを1単位として含有する最終製品(吸収性物品)として完成する。
特許文献13の技術によれば、前記(I)の段階で偏析が少ない状態にできる粒子状吸水剤の充填方法を提供することで、最終製品(例えば、紙オムツ)での物性低下や消費者クレームを引き起こす一因の解消を試みており、一定の改善はなされている。しかしながら、本発明者らは、さらなる改良の余地が存在することを見出した。
また他方で、前記(I)の段階では、出荷先に対し、各充填容器に充填されている粒子状吸水剤充填物のスペック(すなわち、各吸水物性の代表値)を表示する必要があり、また、(III)の段階でも、その使用目的等(例えば、紙オムツ、生理用ナプキン等)に応じて、場合によっては、粒子状吸水剤充填物のスペックを再度確認したい要求も存在し、よって、各スペックを知る上で、サンプリングには高い精度が求められる。高い精度のサンプリング技術を提供することができれば、ロットによる物性低下を抑えられ、消費者クレームをより少なくすることができる。
よって、本発明は、各最終製品(吸収性物品)の吸水物性値のバラつきを有意に低減させることができる、粒子状吸水剤の充填方法を提供し、また、粒子状吸水剤充填物の精度の高いサンプリング方法を提供することでその粒子状吸水剤充填物のスペックの決定方法を提供し、もって、物性低下や消費者クレームのより少ない技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべき鋭意検討を行った。その過程の中で、まず、前記(II)の段階に着目した。すなわち、前記(I)の段階では、数百kg〜数千kgを1単位とする充填容器に充填されるため、この充填容器は、通常、トラック等の輸送手段で輸送される。本発明者らは、この輸送の際の「揺れ」に着目した。すなわち、前記(I)の段階では偏析が少ない状態にできている場合であっても、輸送中の「揺れ」によって偏析が起こり得ることを見出した。本発明では、輸送中の「揺れ」を見据え、前記(I)の段階で、容器を介して粒子状吸水剤に振動を与えながら行う充填方法において、「加速度[G]」と「振動指数」とが特定の関係になるような充填方法を施し、粒子状吸水剤充填物を密にパッキングさせることによって、前記(I)段階のみならず、前記(III)段階でも、有意に偏析の少ない粒子状吸水剤充填物を提供し、ひいては各最終製品(吸収性物品)の吸水物性値のバラつきを有意に低減させることができることを見出した。
また、充填体積がV(cm)である粒子状吸水剤充填物をサンプリングする方法であって、サンプリングする数をn(個)とし、また、互いに隣り合う各サンプリング箇所間の距離をx(cm)とするときに、以下(1)および(2)の条件を必ず満たすように設定する、粒子状吸水剤充填物をサンプリングする方法:
ただし、mは、3または
のいずれか大きい方である、
ただし、
である、を提供することによって、精度の高いサンプリングとすることができ、粒子状吸水剤充填物のスペックを精度よく決定できることを見出した。
本発明によれば、各最終製品(吸収性物品)の吸水物性値のバラつきを有意に低減させることができ、また、粒子状吸水剤充填物の精度の高いサンプリング方法を提供することができるので、物性低下や消費者クレームのより少ない技術を提供することができる。
本発明に用いられうる充填装置2の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態が詳しく説明されるが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されない。以下の例示以外の実施形態についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施され得る。
<用語の定義>
まず、本明細書中に記載される代表的な用語の定義について説明を行う。
(a)「吸水性樹脂」
本明細書において、「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味し、以下の物性を有するものをいう。すなわち、吸水倍率(CRC/実施例で規定)が、必須に5(g/g)以上、好ましくは10〜100(g/g)、さらに好ましくは20〜80(g/g)であり、また、水可溶分(Extractables/ERT450.2−02(2002)で規定)が、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%、特に好ましくは0〜10重量%である高分子ゲル化剤をいう。なお、該吸水性樹脂は、全量(100%)が重合体である形態に限定されず、上記性能を維持する範囲において、後述する添加剤等を含んでいてもよい。
ただし、以下では、便宜上、吸水性樹脂を、粒子状吸水剤として説明する場合がある。
(b)「ポリアクリル酸(塩)」
本明細書において、「ポリアクリル酸(塩)」とは、繰り返し単位として、アクリル酸(塩)を主成分とする重合体を意味する。具体的には、架橋剤を除く単量体として、アクリル酸(塩)を、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%、特に好ましくは、実質100モル%含む重合体を意味する。重合体としての塩は、好ましくは水溶性塩を含み、好ましくは一価塩、さらに好ましくはアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩である。その中でも特にアルカリ金属塩が好ましく、さらにはナトリウム塩が好ましい。
(c)「吸水剤」
本明細書において、「吸水剤」とは、吸水性樹脂を主成分とする水性液のゲル化剤を意味する。なお、前記水性液としては、水に限らず、尿、血液、糞、廃液、湿気や蒸気、氷、水と有機溶媒および/または無機溶媒との混合物、雨水、地下水等であってもよく、水を含めば特定に制限されるものではない。中でも前記水性液としては、より好ましくは、尿、特に人尿を挙げることができる。本発明における吸水性樹脂(ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂)の含有量は、全体に対して、好ましくは70〜99.9重量%であり、より好ましくは80〜99.7重量%であり、さらに好ましくは90〜99.5重量%である。吸水性樹脂以外のその他の成分としては、吸水速度や粉末(粒子)の耐衝撃性の観点から、水が好ましく、必要により後述の添加剤が含まれる。
(d)「EDANA」および「ERT」
「EDANA」は、European Disposables and Nonwovens Associationの略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(ERT/EDANA Recomeded Test Methods)の略称である。本明細書においては、特に断りのない限り、ERT原本(公知文献:2002年改定)を参照して、吸水性樹脂の物性を測定している。
(e)「粒子」
本明細書において、「粒子」とは、篩分級で規定される粒径が5mm以下の流動性を有する固体を意味する。固体であれば、含水率(ERT430.2−02で規定)について特に制限されないが、通常、30重量%未満、さらに好ましくは20重量%以下である。また、粒径の下限としては、例えば、1nmである。さらに、粉体として一定の流動性を有していればよく、例えば、Flow Rate(ERT450.2−02)が測定可能な固体、あるいは(ERT420.2−02)で篩分級が可能な固体を意味する。固体の形状については、特に制限されず、不定形破砕状粒子、球状、略球状やそれらの造粒物(凝集物)が挙げられるが、好ましくは、不定形破砕状粒子が含まれる。本発明では、粒子状の吸水剤、すなわち、「粒子状吸水剤」が用いられる。
(f)「CRC」(ERT441.2−02)
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離保持容量)の略称であり、吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率(以下、「吸水倍率」と称することもある。また、「吸収倍率」と同義である。)を意味する。具体的には、不織布袋中の吸水性樹脂0.200gを大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に30分間浸漬(自由膨潤)させた後、遠心分離機で水切りした後の吸水倍率(単位;(g/g))である。
(g)「AAP」(ERT442.2−02)
「AAP」は、Absorbency Against Pressureの略称であり、吸水性樹脂の加圧下吸水倍率を意味する。具体的には、吸水性樹脂0.900gを大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対して、2.06kPa(0.3psi,21(g/cm))の荷重下で1時間膨潤させた後の吸水倍率(単位;(g/g))である。なお、ERT442.2−02では、Absorption Under Pressureと表記されているが、実質的にはAAPと同一内容である。また、荷重条件を4.83kPa(0.7psi,50(g/cm))に変更して測定することもある。本発明の実施例では、荷重条件を4.83kPa(0.7psi、50(g/cm))に変更して測定している。
なお、2.06kPaで測定した加圧下吸水倍率を「AAP0.3」、4.83kPaで測定した加圧下吸水倍率を「AAP0.7」と表記する。
(h)「Ext」(ERT470.2−02)
「Ext」は、Extractablesの略称であり、吸水性樹脂の水可溶分(水可溶成分量)を意味する。具体的には、吸水性樹脂1.000gを0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに添加し、500rpmで16時間攪拌した後の溶解ポリマー量(単位;重量%)である。溶解ポリマー量の測定はpH滴定で行う。
(i)「PSD」(ERT420.2−02)
「PSD」は、Particle Size Distributionの略称であり、篩分級により測定される吸水性樹脂の粒度分布を意味する。また、吸水性樹脂の質量平均粒子径(D50)および粒度分布の対数標準偏差(σζ)は米国特許第7638570号に記載された「(3)Mass−Average Particle Diameter (D50) and Logarithmic Standard Deviation (σζ) of Particle Diameter Distribution」と同様の方法で測定する。
(j)FSR
吸水速度「FSR」とは、Free Swell Rate の略称であり、吸水速度(自由膨潤速度)を意味する。具体的に「FSR」とは、吸水性樹脂1gが0.9重量%塩化ナトリウム水溶液20gを吸水するときの速度(単位;(g/g/s))をいう。具体的な測定方法は国際公開第2012/002455(段落「0248」〜「0253」)に記載されている。
(k)生理食塩水流れ誘導性(SFC)
吸水性樹脂の荷重下での通液性である。具体的な測定方法は特許文献13(段落「0139」〜「0141」)に記載されている。
(l)その他
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は、「X以上Y以下」であることを意味する。また、重量の単位である「トン(t)」は、「メトリック トン(Metoric ton)」を指す。また、本明細書において、「質量」と「重量」、「質量%」と「重量%」、および「質量部」と「重量部」は同義語であり、物性等の測定に関しては特に断りがない場合は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%で測定する。
<粒子状吸水剤の製造方法の実施形態>
本発明において、充填される対象物は、粒子状吸水剤である。
本明細書において、「粒子状吸水剤」は、吸水性樹脂を主成分としている。この「主成分」とは、吸水性樹脂の含有割合が、粒子状吸水剤に対して70重量%以上であることを意味する。すなわち、本発明で用いられる粒子状吸水剤は、吸水性樹脂を、70重量%以上、好ましくは70〜99.9重量%、より好ましくは80〜99.7重量%、さらに好ましくは90〜99.5重量%含んでいる。なお、吸水性樹脂としては、特に問わないが、物性面から好ましくはポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が主成分とされる。
吸水性樹脂の製造方法は公知の方法が適用でき、このようにして製造された粒子状吸水剤は、次に充填工程に供される。充填工程において、粒子状吸水剤は充填容器に充填される。
以下、まず本発明に用いられうる粒子状吸水剤の製造方法について説明する。
好ましい形態によれば、重合工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、表面架橋工程、冷却工程、添加剤の添加工程、整粒工程、造粒工程等を含みうる。より具体的には、特許文献1〜5および13を参照し、あるいは組み合せることで製造することができ、特に特許文献13に準じて製造されることが好ましいが、特に問わない。中でも、本発明は特許文献1〜5および13に開示のない高吸水速度の吸水性樹脂(FSRで好ましくは0.25(g/g/s)以上、より好ましくは0.30〜0.45(g/g/s))の吸水剤の充填および輸送に好適に適用され、さらには発泡重合、特に重合時に気泡を分散、あるいは重合時または重合後に発泡剤(特に有機または無機の炭酸塩、尿素類)を添加して得られた吸水剤に適用されることが好ましい。
[重合工程]
上記粒子状吸水剤は、重合工程により得られた吸水性樹脂をベースとしている。重合工程では、重合により吸水性樹脂となりうる単量体(以下、モノマーとも称することもある)を重合させて重合ゲルを生成させる。用いられうる重合法としては、特に限定されるものではないが、例えば、バルク重合、噴霧重合、滴下重合、沈殿重合、水溶液重合(連続水溶液重合)、逆相懸濁重合、発泡重合等が挙げられる。性能面および重合制御の容易さから、モノマーが水溶液とされて用いられうる水溶液重合または逆相懸濁重合が好ましい。この製造方法は、水溶液重合により得られる吸水性樹脂において、本発明の効果(物性の安定化)を充分に発揮しうる。この観点から、水溶液重合、特に連続水溶液重合が好ましく使用される。連続水溶液重合においては、連続ベルト重合または連続ニーダー重合が好適に使用できる。
モノマーとしては、特に限定されないが、特許文献13に記載の例えば、(メタ)アクリル酸、酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルフォスフェート等の、アニオン性不飽和単量体およびその塩;メルカプト基含有不飽和単量体;フェノール性水酸基含有不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド等である。これらモノマーは単独で用いられてもよく、適宜2種以上が混合されて用いられてもよい。得られる吸水性樹脂の性能およびコストの点から、吸水性樹脂はポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が好ましく、そのためモノマーは、アクリル酸および/またはその塩(例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、アミン類等の塩、中でもコスト面からナトリウム塩が好ましい)を主成分として用いることが好ましい。アクリル酸および/またはその塩の使用量は全モノマー成分(後述する内部架橋剤は除く)に対して70モル%以上が好ましく、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上である(上限は100モル%である)。中和率は、重合体において40モル%以上90モル%以下が好ましく、50モル%以上80モル%以下がより好ましい。
重合工程において前述のモノマーを水溶液とする場合、該水溶液(以下、「モノマー溶液」と称することもある)中のモノマーの濃度は、特に限定されるものではないが、10〜70重量%の範囲内が好ましく、20〜60重量%の範囲内がさらに好ましい。
また、上記水溶液重合または逆相懸濁重合を行う際には、水以外の溶媒が必要に応じて併用されてもよい。なお、併用される溶媒の種類は、特に限定されるものではない。さらに、これらのモノマーに、重合禁止剤や鉄分を含んでいてもよい。前記鉄分の含有量としては、単量体の固形分に対して、5重量ppm以下が好ましく、1重量ppm以下がより好ましい。また、前記の重合禁止剤としては、特に制限されないが、例えば、メトキシフェノール類が好ましく使用することができる。この場合、重合禁止剤の使用量としては、160重量ppm以下であり、詳細は、米国特許第7049366号等に開示されている。
重合工程においては、例えば、ラジカル重合開始剤を用いることができる。このラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、重合させるモノマーの種類、重合条件等に合わせて、通常の吸水性樹脂の重合において利用されているものの中から1種または2種以上が選択されて使用されればよい。例えば、特許文献13に記載の重合開始剤が広く使用でき、過硫酸塩が特に好ましい。また、還元剤の併用はこれらラジカル重合開始剤の分解を促進しうるので、両者を組み合わせてレドックス系開始剤とすることもできる。前記の還元剤としては、特に限定されないが、例えば、特許文献13に記載の亜硫酸(水素)(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸等のスルフィン酸)等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、モノマーの使用量に対して、通常、0.001〜2重量%であることが好ましく、0.01〜0.15重量%であることがより好ましい。
また、重合工程においては、必要に応じて、内部架橋剤を用いることができる。内部架橋剤としては、1分子内に2個以上の重合性不飽和基や2個以上の反応性基を有する従来公知の内部架橋剤が挙げられる。内部架橋剤としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの内部架橋剤は1種のみ用いてもよいし2種以上使用してもよい。
中でも、得られる吸水性樹脂粒子の吸水特性等から、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を内部架橋剤として用いることが好ましく、内部架橋剤の使用量は、所望する吸水性樹脂の物性により適宜決定されればよいが、通常、内部架橋剤の使用量は、モノマー(全単量体)に対して0.001〜5モル%、より好ましくは0.005〜3モル%、さらにより好ましくは0.01〜1.5モル%である。
重合工程においては、さらに必要に応じて、反応系に、炭酸(水素)塩、二酸化炭素、アゾ化合物、不活性有機溶媒等の各種発泡剤;澱粉・セルロース、澱粉・セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;各種界面活性剤;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤;等が、本発明の効果を損なわない範囲(例えば、モノマー100重量部に対して、各種発泡剤は30重量部以下、親水性高分子は30重量部以下、連鎖移動剤は1重量部以下)で適宜添加されてもよい。
重合工程における重合温度は、特に限定されないが、通常、10〜140℃とされるのが好ましい。重合温度が10℃未満であると、重合時間が長くなり生産性が低下するのみならず、吸水性樹脂の物性も低下する虞がある。一方、140℃を超えると、吸水性樹脂の物性が低下する虞がある。重合時間も、特に限定されないが、モノマーおよび重合開始剤の種類、重合温度等に応じて適宜決定されればよい。また、重合は、操作の容易さ等の観点から常圧下で、または加圧下で行われるが、重合時の沸騰温度を下げるために、この重合が減圧されて行われるのも好ましい態様である。
本発明で好適には、吸水性樹脂の製造には、連続ニーダー重合または連続ベルト重合が使用される。かかる工程では高物性の不定形破砕物として、吸水性樹脂(粒子)が高生産性で得られるが、このような不定形破砕状粒子では充填が困難であり、充填時の物性のフレや低下の問題、特に巨大スケールでの連続生産ではかかるフレや低下の問題が大きいが、本発明ではかかる問題を解決するために好適に適用できる。かかる連続ニーダー重合は例えば、米国特許第6987151号および同第6710141号等が好適に適用され、連続ベルト重合は例えば、米国特許第4893999号、同第6241928号および米国特許出願公開第2005−215734号等が好適に適用される。
本発明者らは、上記のように、充填時にかかる振動力を制御することによって、吸水性樹脂粒子(特に高吸水速度の吸水性樹脂粒子)の充填時のみならず輸送中の偏析を抑制することが可能であることを見出し、本発明を完成した。本発明の好ましい実施形態の一によれば、吸水性樹脂が任意に界面活性剤を含み、気泡あるいは発泡剤を含有するアクリル酸(塩)水溶液を重合して得られた吸水性樹脂である。かような形態とすることによって、粒子状吸水剤(吸水性樹脂)の表面積を有意に増加させることができ、高吸水速度(FSR;0.25(g/g/s)以上)の粒子状吸水剤とすることができ、また、粒子形状の観点から、本発明の充填方法に好適である。また、本発明の好ましい実施形態の一によれば、前記粒子状吸水剤が、ベルト重合する工程を含む製造方法により得られる。かような形態により、本願の発明の効果が得られやすい粒子形状の吸水剤が得られるとの効果を有する。
ここで、好適な気泡は不活性ガス、特に窒素ガスにより形成され、好適な発泡剤は炭酸塩あるいは尿素、特に炭酸塩、1価および/または2価の無機炭酸塩や炭酸水素塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム)が使用される。該発泡剤は、単量体水溶液、重合中の溶液、重合後の含水ゲル等に添加することができるが、単量体水溶液に添加するのが好ましい。
気泡の含有量は単量体水溶液に対して1.01〜10倍、さらには0.02〜2倍程度膨張する気体量であり、発泡剤の含有量は単量体水溶液に対して0.1〜10重量%程度で適宜決定される。界面活性剤は、気泡の量や大きさを制御するために用いることができ、その使用量は単量体水溶液に対して0.001〜1重量%程度で適宜決定される。
粒子状吸水剤の好ましい表面張力(国際公開第2005/075070号パンフレットに記載)は、紙オムツ等で使用した際の戻り量を考慮すると、好ましくは50(mN/m)以上、さらに好ましくは60(mN/m)以上、より好ましくは65(mN/m)以上、特に好ましくは70(mN/m)以上であり、上限は通常、約73(mN/m)である。表面張力は界面活性剤の種類や使用量で制御でき、該界面活性剤は重合性官能基や反応性官能基(グリシジル基等)を有してもよい。具体的には、特許文献7〜12等に記載されている、特に、ノニオン性またはアニオン性の界面活性剤が好ましい。
なお、好適な高吸水速度の吸水性樹脂を得る方法は、微粉の造粒(例えば、米国特許5002986号記載の方法)、粒子の細粒化(実質300μm以下、さらには200μm以下)、重合時の発泡、乾燥時の発泡、重合ゲルの微粉砕等が上げられ、適宜選択されるが、上記のように、好ましくは重合時の発泡、乾燥時の発泡、特に重合時の発泡が適用される。
発泡方法は特許文献7〜12に記載され、その他、上記発泡重合において、単量体に使用する発泡剤として、具体的には、炭酸塩を使用する技術(特許文献14〜22)、有機溶媒を使用する技術(特許文献18、19)、ポリビニルモノマーを使用する技術(特許文献23)、不活性ガスを使用する技術(特許文献24〜26)、アゾ化合物を使用する技術(特許文献27、28)、不溶性無機粉末を使用する技術(特許文献29)等が知られ、また重合後に発泡および架橋する技術(特許文献30)等が提案されている。さらには、水不溶性粒子を重合に使用する技術(特許文献31)も適用できる。また、ゲル粉砕で物性を制御する技術(特許文献32)も適用できる。
(特許文献14)米国特許第5118719号明細書
(特許文献15)米国特許第5154713号明細書
(特許文献16)米国特許第5314420号明細書
(特許文献17)米国特許第5399591号明細書
(特許文献18)米国特許第5451613号明細書
(特許文献19)米国特許第5462972号明細書
(特許文献20)国際公開第95/02002号パンフレット
(特許文献21)国際公開第2005/063313号パンフレット
(特許文献22)国際公開第94/022502号パンフレット
(特許文献23)米国特許第4703067号明細書
(特許文献24)国際公開第97/017397号パンフレット
(特許文献25)国際公開第00/052087号パンフレット
(特許文献26)米国特許第6107358号明細書
(特許文献27)米国特許第5856370号明細書
(特許文献28)米国特許第5985944号明細書
(特許文献29)国際公開第2009/062902号パンフレット
(特許文献30)欧州特許第1521601号明細書
(特許文献31)米国特許公開2007/0225422明細書
(特許文献32)国際公開第2011/126079号パンフレット
[乾燥工程]
乾燥工程により、前述の重合工程で得られた重合ゲル(別称;含水ゲル状重合体)が乾燥される。乾燥工程では、以下に限定されるものではないが、前述の重合工程で得られた含水率が15〜70重量%の重合ゲルを乾燥する。重合工程で得られた重合ゲルは、通常、0.1〜5mm程度の粒子状の状態にして、乾燥工程に供されることが好ましい。
該乾燥工程における乾燥方法は特に限定されないが、熱風乾燥、共沸脱水等通常の乾燥機および加熱炉を用いた方法が広く採用されうる。より具体的には、乾燥装置としては、伝導伝熱型乾燥機、輻射伝熱型乾燥機、熱風伝熱型乾燥機、誘電加熱乾燥機等が例示される。乾燥の速さの観点から、熱風伝熱型乾燥機(以下、熱風乾燥機)、さらには通気バンド式が好ましい。乾燥温度は70〜250℃、さらには100〜200℃、150〜190℃の範囲で適宜決定され、乾燥時間は1分〜5時間、5分〜1時間程度である。
好適な乾燥方法は国際公開第2011/025013号、同第2011/025012号、同第2011/111657号、同第2011/111657号、同第2011/15540号、同第2011/136301号、同第2008/037676号、同第2006/100300号等に記載されている。
[粉砕工程]
粉砕方法については、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。粉砕方法は適宜選択され、米国特許出願公開第2006−024755号、国際公開第2011/034147号、同第2011/034146号等の粉砕方法が使用される。これらの中でも、粒度制御の面から、ロールミルまたはロールグラニュレーターが好適に使用でき、1段好ましくは多段、さらには2〜5段のロールミルまたはロールグラニュレーターで粉砕され、適用できる。
[分級工程]
吸水性樹脂の分級工程は、任意の工程であり、表面架橋前のみならず表面架橋後でも行うことができる。したがって、好ましくは表面架橋前および/または表面架橋後、より好ましくは表面架橋前、さらには表面架橋後にも分級工程を適用することができる。なお、表面架橋後での分級を整粒工程とも称する。該分級方法は、特に制限されないが、米国特許第6164455号、国際公開第2006/074816号、同第2008/037672号、同第2008/037673号、同第2008/037675号、同第2008/123477号等に例示される。これらの中で、特に篩分級が適用され、篩の数は2〜5段程度で適宜決定される。
[表面架橋工程]
表面架橋工程は、前述の分級工程で得られた粒子状吸水性樹脂の表面近傍を、表面架橋剤を用いて架橋する工程である。この工程により、表面架橋がなされた粒子状吸水剤が得られる。粒子状吸水性樹脂は、水膨潤性架橋重合体であり、(粒子)内部に架橋構造を有するが、本発明で用いられうる吸水性樹脂(粒子)はさらに表面架橋され、その表面または表面近傍の架橋密度が内部より高められていることが好ましい。
このような表面架橋工程により、粒子状吸水性樹脂の凝集が抑制できる。なお、「表面近傍」とは、通常、数十μm以下の厚みの表層部分または全体の1/10以下の厚みの表層部分を意味するが、この厚みは目的に応じて適宜決定される。かかる吸水性樹脂の表面架橋は、(1)後述の表面架橋剤として例示される有機表面架橋剤および/または水溶性無機表面架橋剤による表面架橋でもよく、(2)表面で架橋性単量体が架橋重合(例えば、米国特許第7201941号明細書に開示)されてなる表面架橋でもよく、また、(3)過硫酸塩等によるラジカル表面架橋(例えば、米国特許第4783510号明細書に開示)であってもよい。
以下、好ましい架橋方法として、表面架橋剤を使用した表面架橋方法について説明する。
表面架橋工程に用いられる表面架橋剤としては、従来公知の表面架橋剤が好適に用いられる。例えば、特許文献13に記載の多価アルコールやエポキシ化合物やアルキレンカーボネート化合物が使用され、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物やそれらの塩、アルキレンカーボネート化合物およびオキサゾリジノン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好適である。さらには、本発明で表面架橋ではオキサゾリジノン化合物、アルキレンカーボネート化合物、多価アルコール化合物、オキセタン化合物から選ばれる脱水エステル化反応性表面架橋剤の1種または2種以上が好ましい。表面架橋剤の使用量は、吸水性樹脂の固形分100質量部に対して0.001質量部以上5質量部以下、さらには0.01質量部以上4質量部以下、さらには0.05質量部以上3質量部以下であることが好ましい。
表面架橋工程では、上記表面架橋剤に加えて、さらに有機酸(乳酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸)またはその塩、無機酸(リン酸、硫酸、亜硫酸)等の酸物質またはその塩、苛性ソーダや炭酸ソーダ等の塩基物質、硫酸アルミニウム等の多価金属塩、水不溶性微粒子等が、吸水性樹脂に対して0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0〜1重量%併用されてもよい。
表面架橋工程では、粒子状吸水性樹脂と表面架橋剤との混合にあたり、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂の種類、粒子状吸水性樹脂の粒径、含水率等にもよるが、粒子状吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0重量部を超え、20重量部以下が好ましく、0.5〜10重量部の範囲内がより好ましい。粒子状吸水性樹脂と表面架橋剤との混合にあたり、必要に応じて、親水性有機溶媒が併用されてもよい。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂の種類、粒子状吸水性樹脂の粒径、含水率等にもよるが、粒子状吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0〜20重量部以下が好ましく、0〜10重量部以下の範囲内がより好ましい。
表面架橋を行うに際し、上記表面架橋剤と上記溶媒とを含む表面架橋剤溶液が、粒子状吸水性樹脂にスプレー等で噴霧または滴下されて混合される方法が好ましく、噴霧による混合方法がより好ましい。噴霧される液滴の大きさとしては、平均粒子径で0.1〜300μmの範囲内が好ましく、0.1〜200μmの範囲がより好ましい。
表面架橋工程では、粒子状吸水性樹脂と上記表面架橋剤溶液との混合物は、室温でも表面架橋を行うことができる。ただし、反応の促進並びに添加された水および溶媒の除去の観点から、粒子状吸水性樹脂と表面架橋剤との混合後、さらに、加熱処理を行い、粒子状吸水性樹脂の表面近傍を架橋させることが好ましい。該加熱処理において、処理温度は、選定される表面架橋剤にもよるが、80℃以上が好ましい。処理温度(熱媒温度または材料温度/特に熱媒温度)としては、好ましくは100〜250℃の範囲内、より好ましくは150〜250℃の範囲内(特に上記脱水エステル化反応性表面架橋剤では好適)である。加熱時間としては、1分〜2時間の範囲内が好ましい。加熱温度と加熱時間の組合せの好適例としては180℃で0.1〜1.5時間、200℃で0.1〜1時間である。
上記加熱処理を行う加熱装置としては、公知の乾燥機または加熱炉が用いられる。例えば、伝導伝熱型、輻射伝熱型、熱風伝熱型、誘電加熱型の乾燥機または加熱炉が好適である。具体的には、ベルト式、溝型攪拌式(例えば、パドルドライヤー)、スクリュー式、回転型、円盤型、捏和型、流動層式、気流式、赤外線型、電子線型の乾燥機または加熱炉が挙げられる。
[冷却工程]
冷却工程は、表面架橋後の任意の工程であり、例えば、前述の表面架橋工程で加熱されて表面近傍が架橋された粒子状吸水剤が、後述する整粒工程に投入される前に、冷却させられる工程である。冷却温度としては、特に限定されないが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは30〜90℃、更に好ましくは30〜70℃に冷却されればよい。この冷却工程に用いられる冷却装置としては、特に制限はないが、冷却機は、特に制限されないが、米国特許第6378453号、国際公開第2011/024971号等に例示される。
[添加剤の添加工程]
添加工程において添加される添加剤としては、例えば下記の(A)消臭成分(好ましくは植物成分)、(B)多価金属塩、(C)無機粒子((D)複合含水酸化物を含む)、(E)その他の添加物等が挙げられる。添加量として、吸水性樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部、好ましくは0.001〜5質量部、さらに好ましくは0.002〜3質量部の範囲である。
(A)消臭成分
本発明の製造方法で得られる粒子状吸水剤は、消臭性を発揮させるために、消臭成分、好ましくは植物成分を配合することができる。植物成分としては、好ましくはポリフェノール、フラボンおよびその類、カフェインから選ばれる少なくとも1種の化合物であるのが好ましく、タンニン、タンニン酸、五倍子、没食子および没食子酸から選ばれる少なくとも1種の化合物であるのがさらに好ましい。
(B)多価金属塩
本発明の製造方法で得られる粒子状吸水剤には、通液性や粉体流動性、特に吸湿時の粉体流動性の向上の目的で、多価金属塩が配合されうる。この多価金属塩の好ましい量は上記のとおりである。
好ましい多価金属塩としては、有機酸の多価金属塩および無機の多価金属塩が例示される。具体的な無機の多価金属塩として、例えば、特許文献6に記載の多価金属塩等が挙げられる。有機酸の多価金属塩としてはアルミニムやカルシウムの乳酸塩、酢酸塩等が挙げられる。さらに尿等の吸収液との溶解性の点からもこれらの結晶水を有する塩を使用するのが好ましい。特に好ましいのは、アルミニウム化合物、中でも、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ビス硫酸カリウムアルミニウム、ビス硫酸ナトリウムアルミニウム、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、ナトリウムミョウバン、アルミン酸ナトリウムが好ましく、硫酸アルミニウムが特に好ましく、硫酸アルミニウム18水塩、硫酸アルミニウム14〜18水塩等の含水結晶の粉末は最も好適に使用することができる。これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。また、上記多価金属塩は、ハンドリング性および粒子状吸水剤との混合性の観点から、溶液状態で用いられることが好ましく、特に水溶液状態で用いられるのが好ましい。
その他、用いられる有機酸の多価金属塩およびその混合方法は、例えば、米国特許第7282262号に例示されている。本発明で用いられうる、その分子内に炭素数が7個以上ある有機酸の多価金属塩としては、脂肪酸、石油酸、高分子酸等のアルカリ金属塩以外の金属塩がある。
(C)無機粒子
本発明の製造方法で得られる粒子状吸水剤は、吸湿時のブロッキング防止のために無機粒子、特に水不溶性無機粒子を配合することができる。本発明に使用される無機粒子としては、具体的には例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物;天然ゼオライトや合成ゼオライト等の珪酸(塩);カオリン;タルク;クレー;ベントナイト、燐酸カルシウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。このうち二酸化珪素および珪酸(塩)がより好ましく、コールターカウンター法により測定された平均粒子径が0.001〜200μmの二酸化珪素および珪酸(塩)がさらに好ましい。
(E)その他の添加物
本発明の製造方法で得られた粒子状吸水剤には、必要に応じて、例えば、キレート剤、消毒剤、抗菌剤、香料、各種の無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、水性塩類等が、本発明の効果を損なわない範囲で添加されうる。このその他の添加物の添加量は、例えば、粒子状吸水剤100質量部に対して、30質量部以下、さらには10質量部以下とすることができる。この添加により、種々の機能が付与されうる。
また、添加剤としての別の形態としては、以下のようなものがある。
(添加剤)
粒子状吸水剤は、ポリアミンポリマー、多価金属(塩)、水不溶性微粒子を、粒子状吸水剤100重量部に対して、0.001〜5重量部、さらには0.01〜3重量部の割合で含んでいてもよい。特に、粒子状吸水剤の表面に、ポリアミンポリマー、多価金属(塩)、水不溶性微粒子が存在すると好ましい。
前記多価金属(塩)としては、硫酸アルミニウム等の多価金属塩、特に水溶性多価金属塩が好ましく、米国特許第7179862号、欧州特許第1165631号、米国特許第7157141号、米国特許第6831142号、米国特許出願公開第2004/176557号、米国特許出願公開第2006/204755号、米国特許出願公開第2006/73969号、米国特許出願公開第2007/106013号等に記載の技術が適用される。
前記水不溶性微粒子としては、水不溶性無機微粒子が好ましく、その粒子径は300μm以下、さらには100μm以下、特に10μm以下が好ましい。具体的には、非晶質シリカ(例えば、Aerosil 200(日本アエロジル株式会社製))等、公知の水不溶性微粒子を用いることができる。
前記ポリアミンポリマーは、国際公開第2006/082188、同第2006/082189、同第2006/082197等に例示される。ここで、ポリアミンポリマーは、特に制限されないが、水溶性で、重量平均分子量が3000以上、さらにはアミン価が1〜30(モル/kg)のものが好ましい。
また、本発明は、硫酸アルミニウム等の多価金属塩や無機粒子を含む粒子状吸水剤においても効果的となりうる。これは、多価金属塩や無機粒子によるブロッキングの抑制が、振動による偏在の緩和を促進しうるためであると考えられる。
(F)キレート剤
本発明で用いられる粒子状吸水剤は、キレート剤を含んでもよい。キレート剤を混合する工程は特に限定されないが、前記単量体あるいは単量体溶液に、キレート剤を混合することが好ましい。上記キレート剤としては、高分子キレート剤または非高分子キレート剤が種々例示できるが、好ましくは、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)5ナトリウムなどの酸基含有非高分子キレート剤、さらに好ましくは、リン酸基含有非高分子キレート剤またはカルボン酸基含有非高分子キレート剤が用いられ、かかる酸基を分子中に2〜100個、さらには2〜50個、特に2〜10個含有する非高分子キレート剤が好ましく用いられる。また、キレート剤中に窒素を有するアミノカルボン酸やアミノリン酸が好ましく、例えば、米国特許6599989号公報や国際公開2008/090961号パンフレットに記載のキレート剤が挙げられる。粒子状吸水剤中におけるキレート剤の使用量は、好ましくは5〜10000質量ppm、より好ましくは10〜1000質量ppmである。キレート剤を含有することで、吸水性樹脂の着色防止の効果がある。
(G)界面活性剤
界面活性剤としては、米国特許第6107358号に記載の界面活性剤が本発明に適応できる。粒子状吸水剤中における界面活性剤の使用量は、好ましくは10〜1000質量ppmである。
[整粒工程]
さらに特許文献13に記載の整粒工程を含んでもよい。
[造粒工程]
さらに微粉回収工程や特許文献13に記載の造粒工程を含んでもよい。
造粒工程は、上記各工程で発生した微粉または微粉を含む吸水性樹脂に、水性液を添加して、造粒粒子を得る工程である。粒子状吸水剤の製造において得られる全ての微粉がこの造粒工程に供されうる。造粒粒子は複数の微粉よりなる。造粒粒子の平均粒子径は、20mm以下、好ましくは0.3〜10mm、さらに好ましくは0.35〜5mmである。
好ましい実施形態によれば、上記のようにして粒子状吸水剤を準備することができる。以下、充填される、粒子状吸水剤について好ましい実施形態をさらに説明する。
<粒子状吸水剤>
[粒度分布](ERT420.2−02)
粒子状吸水剤のJIS標準篩分級により規定される質量平均粒子径(D50)は、前記(III)の段階での取り扱いおよび得られる吸収物品の装着感の観点で、好ましくは200〜800μm、より好ましくは200〜450μm、より好ましくは220〜430μm、さらに好ましくは250〜400μmである。
また、この粒子状吸水剤が、特定の粒度分布を有する場合、本発明の効果が効率よく発揮し得る。好ましい粒度分布としては、上下限850〜150μm(JIS標準篩;Z8801−1(2000)で規定)に分級される粒子の割合が、粒子状吸水剤全体に対して好ましくは90〜100重量%、さらには95〜100重量%、特に好ましくは98〜100重量%である。そして、150μm通過物は、5重量%未満が好ましく、さらに好ましくは1重量%未満が好ましい。150μm通過物は、上記JIS標準篩(Z8801−1(2000)に規定)により分級される。
[対数標準偏差(σζ)]
粒子状吸水剤の粒度分布は、本発明の効果を効率よく発揮するために、特定の範囲であることが好ましく、対数標準偏差(σζ)が0.20〜0.50であることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.45であり、さらにより好ましくは0.30〜0.40である。このような範囲であると、効率よく充填を行うことができる。また、本発明のサンプリング方法の効果を発揮しやすい。また、物性としての通液性や吸水速度を向上させる上でも好ましい範囲といえる。なお、粒度分布の対数標準偏差や質量平均粒子径は、米国特許出願公開第2006−0204755号明細書で規定される。
[AAP](ERT442.2−02)
粒子状吸水剤は、ERT442.2−02で規定される4.8kPa荷重下での生理食塩水の加圧下吸水倍率(AAP:Absorbency against Presure)は、好ましくは15(g/g)以上である。このような粒子状吸水剤が用いられたオムツ等の吸収性物品は、体液等をよく吸収する。粒子状吸水剤のAAPは、より好ましくは20(g/g)以上、さらに好ましくは22(g/g)以上、さらにより好ましくは23.5(g/g)以上で、特に好ましくは24(g/g)以上、最も好ましくは26(g/g)以上である。
なお、理由は明確ではないが、本発明の充填方法は、AAPが大きい場合に有効であることが判明した。本発明の振動充填により、表層部への微粉の偏在が緩和され、微粉の偏在に起因するAAPの振れが小さくなる。AAPが大きい粒子状吸水剤では品質管理が厳しく要求されるところ、AAPの振れが小さくされることにより、品質の安定度合いが高いものとなる。一方、加圧下吸水倍率が高いほど吸収性物品は高物性が得られるので特にその上限は制限されないが、製造が困難となる上にコストが高騰するという観点からこの加圧下吸水倍率の上限は35(g/g)程度であると考えられる。この4.8kPa荷重下での生理食塩水の加圧下吸水倍率は、本発明においてAAP(4.8kPa)または単にAAPとも称される。
また、粒子状吸水剤において、FSRを上げるためには表面積を大きくする方がよい。表面積を上げるためには、ある程度、粒径の小さなものが多く含まれるとよい。しかしながら、微粉(特に粒子径が150μm未満の粒子)が多くなると、AAPや、SFCを上げることが難しくなる。
本発明の充填方法によれば、物性のコントロールが難しい微粉を、偏析なく各ロットに振り分けができ、均質な粒子状吸水剤が得られる点、画期的な発明である。
[SFC]
食塩水流れ誘導性(SFC)は、粒子状吸水剤の膨潤時の液透過性を示す値である。この食塩水流れ誘導性は、通液性とも称される。この食塩水流れ誘導性(SFC)の値が大きいほど、粒子状吸水剤は高い液透過性を有することを示している。
粒子状吸水剤の食塩水流れ誘導性(SFC)は、好ましくは20(×10−7・cm・s・g−1)以上である。この粒子状吸水剤が用いられたオムツ等の吸収性物品は、体液等をよく吸収する。SFCは、より好ましくは30(×10−7・cm・s・g−1)以上であり、以下順に、35(×10−7・cm・s・g−1)以上、40(×10 −7・cm・s・g−1)以上、45(×10−7・cm・s・g−1)以上が好ましく、特に好ましくは45.5(×10−7・cm・s・g−1)以上である。このような粒子状吸収剤を含む吸収性物品では、その物品に含まれる粒子状吸収剤の濃度が30重量%以上、より具体的には50重量%以上である場合においても、尿の吸収速度が適切に維持され、漏れの発生も抑制される。
[CRC]
粒子状吸水剤の生理食塩水に対する無加圧下吸水倍率(CRC)は5(g/g)以上であるのが好ましい。この無加圧下吸水倍率は、より好ましくは15(g/g)以上、更に好ましくは25(g/g)以上である。この無加圧下吸水倍率の上限は特に制限されないが、現実的には、60(g/g)、45(g/g)、あるいは、40(g/g)程度である。
[FSR]
粒子状吸水剤の吸水速度(FSR)は、0.20(g/g/s)以上であることが好ましく、0.24(g/g/s)以上であることがより好ましく、0.25(g/g/s)以上であることがさらに好ましく、0.30(g/g/s)以上であることが特に好ましい。このFSRの上限は特に制限されないが、現実的には、1.00(g/g/s)、0.50(g/g/s)あるいは0.45(g/g/s)程度である。
[粒子形状]
粒子状吸水剤(吸水性樹脂)の粒子形状は、真球(平均球形度=1.0)でないことが好ましく、球状、略球状、不定形破砕状やそれらの造粒物(凝集物)が好適であり、それら粒子の発泡体でもよい。なお、平均球形度は、国際公開第2008/009599号に記載の測定方法が参照される。
しかし、本発明のサンプリング方法の効果を発揮する観点で、好ましくは、不定形破砕状やそれらの造粒物である。また、不定形破砕状やそれらの造粒物であると、吸水速度やパルプへの固定性という観点でも好ましい。なお、充填する粒子状吸水剤(吸水性樹脂)が、不定形破砕状であることによって、後述の充填されている粒子状吸水剤の吸水性樹脂も同様の形状を有していることになる。すなわち、粒子状吸水剤充填物は、吸水性樹脂を含んで構成され、前記吸水性樹脂が、不定形破砕状粒子である。なお、この不定形破砕状粒子を作製するには逆相懸濁重合によらない方が好ましい。
なお、上記不定形破砕状粒子とは、特定の形状を有さない、表面が不規則な凹凸によって形成されている粒子を指す。
[嵩比重]
粒子状吸水剤の嵩比重(嵩密度)(JIS K 3362)は、通常、0.45〜0.75(g/ml)であり、好ましくは、0.50〜0.70(g/ml)であり、0.55〜0.65(g/ml)がより好ましい。0.50(g/ml)以上であれば、高吸収速度を有する粒子状吸水剤を生産することができる観点で好ましい。0.70(g/ml)以下であれば、望ましい吸収速度を得られるという観点で好適である。また、本発明の充填方法であれば、上記範囲において、輸送中の偏析抑制効果が顕著に表れるため好ましい。また、本発明の充填方法によれば、嵩比重が低い粒子状吸水剤を効率よく充填することができる。
なお、嵩比重については以下のように測定する。
嵩比重測定器(蔵持科学機器製作所製)を用い、JIS K 3362に準じて測定する。粒度による偏りを無くすため十分に混合された粒子状吸水剤100.0gを、ダンパーを閉めた漏斗に入れた後、速やかにダンパーを開け、粒子状吸水剤を内容量100mlの受器(重量W9(g))に落とす。受器から盛り上がった粒子状吸水剤は、ガラス棒ですり落とした後、粒子状吸水剤の入った受器の重さ(重量W10(g))を0.1gまで正確に量り、以下の式にしたがって嵩比重を算出する。なお、測定を行った環境の温度は24.2℃とし、相対湿度は43%RHとする。
嵩比重(g/ml)=(W10(g)−W9(g))/100
<充填方法>
続いて、上記で説明した本発明の実施形態における「粒子状吸水剤」を、充填容器に充填する方法について説明する。 本発明の粒子状吸水剤の充填方法(本明細書中、単に「本発明の充填方法」とも称する)は、粒子状吸水剤を充填容器に充填する充填工程と、前記充填容器を前記充填容器外部から振動させる振動工程とを有し、前記充填工程の開始から終了までの間に、少なくとも一回の振動工程を施す、粒子状吸水剤の充填方法であって、
前記振動工程における振動条件が、下記(a)および(b)の条件を満たす、粒子状吸水剤の充填方法である。
(a)前記充填容器と接触する振動体の振動が、鉛直方向成分を有し、振動角が、90°±30°以内である
(b)前記振動体の無荷重での全振幅および無荷重での振動数の設定が、下記式1−1および式2、または、式1−2および式2を満足する。
なお、加速度および振動指数は、それぞれ下式3および下式4により算出される値である。
上記のような構成によって、各最終製品(吸収性物品)の吸水物性値のバラつきを有意に低減させることができるので、物性低下や消費者クレームのより少ない技術を提供することができる。
上記のように、本発明の充填方法は、粒子状吸水剤を充填容器に充填する充填工程と、該充填容器を該充填容器外部から振動させる振動工程とを有する。
(充填工程の開始と終了)
「充填工程の開始」とは、粒子状吸水剤を充填容器に入れ始めた時点、より正確には、充填容器の内部空間に粒子状吸水剤が初めて入った時点であり、「充填工程の終了」とは該容器の粒子状吸水剤が所定量(最終充填量W2)であることを確認できた時点である。
例えば、以下の手順で行われる場合には、(2)の始まりが「充填工程の開始」に相当し、(5)の終わりが「充填工程の終了」に相当する。
(1)充填場所に充填容器がセットされ、(2)充填用ホッパーの出口が開けられ、充填容器内に粒子状吸水剤が入り、(3)充填容器内に粒子状吸水剤が堆積し、(4)充填を止めて、(5)所定量になるように調整されて供給され、(6)充填容器の蓋が閉められて、(7)充填容器が次の工程へ送られる。
図1は、本発明に用いられうる充填装置2の一例を示す図である。
図1で説明すれば、粒子状吸水剤が、排出口18を通過した時点が開始であり、粒子状吸水剤を充填容器16に所定量の充填を確認した時点が終了である。したがって、充填容器16を排出口18に取り付け、また取り外す段階は、充填工程には含まれない。
なお、所定量とは唯一の量である必要はなく、目標値の±5%以内、好ましくは±3%以内、より好ましくは±1%以内の幅で管理される量でもよく、また、質量および/または容量のいずれであってもよい。つまり、“kg”で表される重量であっても、“L”で表される体積であってもよい。
(供給される粒子状吸水剤)
充填工程で供給される粒子状吸水剤の温度は、30℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましい。適度な温度であれば、粒子同士の凝集が抑制され、振動効果が高まるが、粒子状吸水剤の物性を維持する観点から、90℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましい。よって、本発明の充填方法の好ましい形態によれば、振動工程における前記粒子状吸水剤の温度は、30〜70℃である。
(充填容器)
前記充填容器16は、フレキシブルコンテナバッグ、コンテナ、可搬式サイロ、ペーパーバッグ等があり、例えば、国際公開第2005/077786号に例示されるサイロであってもよい。
充填容器の容量は、最終充填量(W2)と、その単位容積当りの質量である嵩比重(BD)とから、適宜設計され、W2÷BDの1.05倍以下では蓋をすることができない場合があるため、好ましくない。上限は、充填容器のコスト、保管場所のスペース、輸送コスト等を勘案して適宜設定すればよく、通常は1.5倍以下であれば十分である。
具体的には、20m以下であり、0.1〜10mが好ましく、700リットル以上2500リットル以下がより好ましく、1000〜2000リットルがさらに好ましい。ただし、前記のとおり、大きすぎる分には特に問題は生じない。なお、大きすぎる具体例としては、複数の充填容器へ所定量を充填し、最後に所定量に満たない粒子状吸水剤を、充填容器サイズを変更せずにそのまま充填する場合等がある。
前記フレキシブルコンテナバッグは、好ましくは、2層以上の複層構造を有する。内層を構成する材料は、特に制限されないが、粒子状吸水剤の漏れや吸湿を防止しうる材質であることが好ましい。内層の材質として、防湿性を保有する材質であれば採用できる。具体的にはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アルミラミネート材、アルミ蒸着材等を好ましく挙げることができる。
また、外層を構成する材料も、特に制限されないが、強度に優れた織布等が好ましく用いられる。また、外層を構成する材料は、上記したような性質を有するものであれば特に制限されないが、具体的にはポリプロピレン等が好ましく挙げられる。
充填容器内の相対湿度は、65%RH以下であるのが好ましく、60%RH以下がより好ましく、30%RH以上が好ましい。該相対湿度は、下記の供給準備において調整することができる。また、充填容器内の気温は20℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、70℃以下が好ましく、60℃以下が好ましい。また、充填容器(充填装置)の周囲の気温は、20〜30℃であることが好ましい。
(供給準備)
充填工程を開始する前に、充填容器の内部にドライエアを充填した後、供給工程がなされるのが好ましい。本発明におけるドライエアとは、露点が−10℃以下の気体(空気等)をいう。粒子状吸水剤の優れた物性が安定に保持されかつブロッキングが防止されうるという観点から、露点が−10℃以下であるのが好ましく、−15℃以下であるのがより好ましく、−20℃以下であるのが特に好ましい。また、露点の下限値としては−100℃である。また、該ドライエアの温度は−10〜100℃、好ましくは0〜50℃、好ましくは10〜40℃、さらには20〜30℃(室温)程度である。
(供給)
供給とは、粒子状吸水剤が充填容器内へ移動している状態を指し、1つの充填容器への供給は、一回でも複数回でもよい。なお、該供給、すなわち粒子状吸水剤の移動を生じさせる主たる力は、重力が好ましい。充填ホッパー等を補助的に振動させてもよいが、該補助的な振動は粒子状吸水剤の微粉化を引き起こす場合があり、充填ホッパー内の残渣を排出する場合等に限るのが好ましい。したがって、充填容器へと繋がる供給のためのラインは、粒子状吸水剤の安息角より大きな角度を有するように設定されているのが好ましい。
所定量を効率よく充填するために、1つの充填容器に対して複数の供給を行なってもよい。該供給回数は、好ましくは2〜4回、より好ましくは2〜3回、特に好ましくは2回である。複数の供給の具体的な形態としては、最初の供給で、所定量の50%以上を、好ましくは60%以上を、より好ましくは70%以上を、さらに好ましくは80%以上を、特に好ましくは90%以上を供給し、その後の供給により所定量になる形態が挙げられる。
最終充填量(W2)として、実機のスケール(商業スケール)では、100kg以上、200kg以上、300kg以上、400kg以上、500kg以上、600kg以上、700kg以上、800kg以上の順で好ましい。他方、20000kg以下、10000kg以下、2000kg以下、1500kg以下、1200kg以下、1100kg以下の順で好ましい。よって、本発明の充填方法の好ましい形態によれば、前記W2が、前記式1−1において、20000kg以下である。
また、ラボスケールであれば、最終充填量(W2)として、100kg未満が好ましく、70kg以下が好ましく、30kg以下がさらに好ましい。他方で、0.5kg以上が好ましく、1kg以上がより好ましく、2kg以上がさらに好ましい。
単位時間当たりの供給量、つまり供給速度は、1回の供給において一定である必要はなく、また複数回の供給において供給毎に異なっていてもよい。つまり、複数回の供給を行う際、その供給速度は等速であっても非等速であってもよいが、後半部(例えば、供給回数が2回の場合は2回目、供給回数が3回の場合は3回目)の供給速度を最も遅くすることが好ましい。この場合、1回目の供給速度に対して、好ましくは1/5以下、より好ましくは1/10以下の供給速度とする。該供給速度の範囲とすることで、より正確な供給を行うことができるため、好ましい。
本発明では、供給、すなわち粒子状吸水剤の移動を生じさせる主たる力は、重力が好ましいことから、供給速度は取り扱う粒子状吸水剤の粉体流れ性の依存が大きく、供給速度よりも、「供給時間」および「充填開始から充填終了までの時間」を制御することが好ましい。なお、「供給時間」は、複数回の供給を行う場合にはその合計時間であり、「充填開始から充填終了までの時間」には複数回の供給を行う場合の「先の供給」と「次の供給」との間の時間を含んでいる。つまり、供給を複数回に分けて行う場合、供給の時間と、供給を停止する時間とが存在するが、「充填開始から充填終了までの時間」は、それらのいずれも含む概念である。
前記供給時間は、5分間以下が好ましく、4分間以下がより好ましく、3分間以下がさらに好ましく、2分間以下が特に好ましい。短すぎると、充填比重(PD)が、嵩比重(BD)よりも大幅に小さくなり、充填容器からあふれ出る場合がある。また、所定量の制御の観点から、20秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、50秒以上がさらに好ましく、60秒以上が特に好ましい。
また、供給が複数回に分けて行われる場合であって、ある供給の終了時からある供給の開始時の時間、つまり、供給を中断している時間は、5分間以下が好ましく、4分間以下がより好ましく、3分間以下がさらに好ましく、2分間以下が特に好ましい。
(振動工程)
好ましい形態によれば、前記充填工程の開始から終了までの間に、該粒子状吸水剤の最終充填量W2に対する充填量W1の比率をW1/W2で表したときに、W1(該充填容器中の粒子状吸水剤)が、W2(最終充填量)に対して、10〜100重量%となっている時に、振動工程が施される。つまり、振動工程が、前記充填容器に対する前記粒子状吸水剤の最終充填量W2に対する、前記粒子状吸水剤の充填量W1の比率:W1/W2で表したときに、W1/W2=10〜100重量%の時に施される。ここで、10重量%未満の場合は、十分な重量が振動体の上に載っていないため、振動体が移動してしまったり、位置がずれてしまったりする虞がある。
そして、上記のように、下記a)〜b)の条件を満たす振動工程を、少なくとも1回施すことにより、「充填後」も、「輸送後」においても、偏析の少ない粒子状吸水剤を得ることができる。
(a)該充填容器と接触する振動体の振動が、鉛直方向成分を有し、振動角が、90°±30°以内である
(b)該振動体の無荷重での全振幅および無荷重での振動数の設定が、下記式1−1および式2、または、式1−2および式2を満足する
充填容器当たりの粒子状吸水剤の最終充填量:W2≧100kgの場合、
式1−1
1≦加速度(G)≦13
充填容器当たりの粒子状吸水剤の最終充填量:W2<100kgの場合、
式1−2
1≦加速度(G)≦15
式2
27.0≦振動指数≦44.0
なお、加速度および振動指数は、それぞれ下式3および下式4により算出される値である。
式3
加速度(G)=無荷重での全振幅(mm)/2/1000×(2π×無荷重での振動数(Hz))/9.8
式4
振動指数=42−0.29×無荷重での振動数(Hz)+1.24×加速度(G)
なお、上記振動数や全振幅、振動角は、シンフォニアテクノロジー社製のVチェッカー(形式VC2)で測定することができる。
上記のように、本発明の充填方法においては、(a)前記充填容器と接触する振動体の振動が、鉛直方向成分を有し、振動角が、90°±30°以内であることを特徴とする。より平たく言えば、振動体の振動方向は、鉛直方向の上下動を基本とし、角度をつけるとしても、±30°以内であるということである。30°を超えると、つまり、水平成分を基本的に入れた振動を行うと、前記(I)の段落、つまり、充填直後であれば、粒子状吸水剤充填物にバラつきを生じさせないが、前記(II)の輸送を行うと、前記(III)段階で、粒子状吸水剤充填物に偏析を生じさせる。
前記振動体とは、図1における12;振動発生器および10;載置部を併せた部位を指す。なお、これらの部位は一体化していることが好ましい。
また、本発明における振動充填の条件設定(すなわち、本発明の加速度、振動指数が算出される振動条件)は、前記振動体上に、26;パレットや16;充填容器が載っていない状態、つまり、無荷重の状態で行われる。
また、前記パレットは、充填容器を載せることができる交換可能な、板状体であることがより好ましい。なお、該板状体は全面がフラット(平面)である必要はなく、簀子状や格子状の板でもよく、さらにはメッシュ状の板や多孔板でもよい。該板状体は、前記W2の質量1tあたり5〜50kgの質量を有しているのが好ましく、さらに中空構造を有しているとより好ましい。5〜50kgであることによって、強度を十分なものとすることができ、また、取り扱い性も向上する。また、該中空構造を有していると、充填後の充填容器をフォークリフト等で移動させることが容易であるだけでなく、本発明の効果がより促進する効果が得られる。後者の理由は定かではないが、粒子状吸水剤の質量により振動発生器が発生させる振動が減衰されるのを抑制するものと考えられる。よって、本発明の充填方法の好ましい形態によれば、前記パレットが、前記粒子状吸水剤1tあたり5〜50kgの質量を有する交換可能な板状体である。換言すれば、最終充填量W2として1tを予定している場合、前記パレットとしては、5〜50kgの質量を有する交換可能な板状体であることが好ましいということである。なお、本明細書中、「交換可能」とは、パレット自体が交換可能なものであってもよく、パレットの一部が破損等したときに、補修等による交換可能なものであってもよい。
前記パレットの材質は、木製、プラスチック製、金属製、紙製等が挙げられ、木製またはプラスチック製が好ましい。なお、100%木製またはプラスチック製である必要はなく、釘や取り付金具等の部品が接合されていてもよい。
木製の場合、1枚当たりの重量は5〜50kgが好ましく、10〜30kgがさらに好ましい。また、上面の面積(例えば縦110cm、横110cmの場合、12100cm 、板間の隙間も面積に含める)当たりの重量は0.4〜4.1(g/cm)が好ましく、0.8〜2.5(g/cm)がさらに好ましい。かような範囲であると、振動が効率的に伝わり本発明の効果が得られやすいとの技術的効果がある。
プラスチック製の場合、1枚当たりの重量は5〜50kgが好ましく、10〜25kgがさらに好ましい。また、上面の面積(例えば縦110cm、横110cmの場合、12100cm、板間の隙間も面積に含める)当たりの重量は0.4〜4.1(g/cm)が好ましく、0.8〜2.1(g/cm)がさらに好ましい。かような範囲であると、振動が効率的に伝わり本発明の効果が得られやすいとの技術的効果がある。
上記のように、本発明の充填方法において、前記振動体の振動が、水平方向のみの、いわゆる横揺れだけでは本発明の効果は得られず、鉛直方向の振動が必要である。また、鉛直方向の振動成分を有していたとしても、振動角が30°を超えると、本発明の効果を得ることはできない。上記のように、本発明の充填方法では、完全な鉛直振動のみである必要はないが、その振動角が、鉛直方向(90°)から、±30°以内であることが必要である。
なお、本明細書において、「振動角」とは、鉛直方向軸と、前記鉛直方向軸の水平面への射影により得られる水平軸により形成される振動方向軸の角度である。
なお、前記振動方向軸は、前記振動体の振動が直線振動の場合には前記振動方向であり、前記振動体の振動が非直線振動の場合には最大振幅方向である。かかる振動角は、90°±20°以内であるとさらに好ましく、90°±10°以内であるとよりさらに好ましく、90°±5°以内が最も好ましい。
また、短軸振幅が長軸振幅の10%以上存在する場合、非直線振動(特には、楕円振動)とみなす。前記振動体の振動が非直線振動である場合には、前記振動方向軸の全振幅である長軸振幅に対する、該振幅方向軸に垂直方向で最大の振幅である短軸振幅の比率が0%を超え60%であると好ましく、50%以下であるとより好ましく、30%以下であるとさらに好ましく、10%以下であると特に好ましい。このような範囲であれば、水平方向の振動を抑制することができる。
さらに、前記振動体の無荷重での全振幅は、0.25mm以上が好ましく、0.3mm以上、0.5mm以上、1.0mm以上の順でより好ましい。特に、0.3mm以上であると、本発明の効果を効率的に奏することができる。振動体への過度な負担を抑制する観点から、前記振幅V1は、50mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、6mm以下がさらに好ましく、5mm以下が特に好ましい。なお、本明細書において「振幅」と、「全振幅」とは同義の意味として扱う。
また、前記振動体の無荷重での振動数が10〜90Hzであると、さらに好ましい。振動数が10Hz未満では、本発明の効果が得られにくく、90Hzを超えても同様に本発明の効果が低減する。該振動数は、15〜80Hzであるとより好ましく、20〜75Hzであるとさらに好ましく、20〜70Hzであると特に好ましい。なお「振動数」を「周波数」と表記する場合もある。
本発明の振動方法において、粒子状吸水剤の最終充填量:W2≧100kgの場合は、1≦加速度(G)≦13、を満たすが、10G以下が好ましく、1.5〜9.5Gがより好ましく、1.6〜9.0Gがさらに好ましく、1.8〜8.5Gが特に好ましい。かかる形態において、加速度が、1G未満の場合は振動が十分でないために本発明の効果を得られず、13Gより大きい場合は装置の毀損の虞がある。また、偏析を抑制できない虞がある。他方で、特に10G以下である場合、充填装置の毀損を防ぐだけでなく、本発明の効果が顕著に表れるとの技術的効果がある。
また、本発明の振動方法において、粒子状吸水剤の最終充填量:W2<100kgの場合、1≦加速度≦15を満たすが、かかる形態における加速度は、1.0〜15Gが好ましく、1.5〜14.8Gがより好ましく、1.8〜14.6Gがさらに好ましい。本形態は、特に、ラボスケールを想定したものである。充填される粒子状吸水剤の重量が、有意に小さい場合(つまり、粒子状吸水剤の最終充填量:W2<100kgの場合)、加速度が、13Gを超えても、破損等の心配が低く、また、偏析を抑制して充填を行うことができる。しかし、15Gを超えると、偏析が発生してしまい、本発明の効果を得ることができない。
ここで、振動指数は、前記加速度と振動数とが特定の関係にある場合に、本発明の効果を発現することをあらわしたものである。つまり、「振動指数」とは、振幅と加速度とを変化させて振動充填を行う際、その減容効果(粉体の嵩比重の変化量)を指数化したものであり、減容効果を目的変数、振幅と加速度の数値を説明変数として重回帰分析を行うことで導き出した数式から算出される値を意味する。該振動指数は、本発明の偏析防止効果と相関関係があり、特定の振動指数とすることで本発明の効果が顕著に得られる。より具体的な導き方は、実施例の欄において、説明する。
振動指数は27.0〜44.0であり、好ましくは28.0〜43.8、より好ましくは30.0〜43.6である。振動指数が、27.0未満の場合は振動が十分でない虞があり、44.0より大きい場合は装置を毀損する虞がある。
さらに、前記供給が複数回行われ、かつ、少なくとも1回の供給停止から次の供給開始の間に振動工程が行われるもよい。
該振動工程は、充填容器中の粒子状吸水剤の量W1が、最終充填量W2に対して、つまりW1/W2が、30〜100重量%である時に行われるとより好ましい。
さらに、供給が2回の場合には、W1/W2が、40〜95重量%であるとさらに好ましい。 また、本発明の別の実施形態によれば、W1/W2が、30〜95重量%のいずれかの時点において、振動工程のみの状態を経由する。
なお、振動工程の時間が短過ぎると、本発明の効果を十分に得られない虞があり、長すぎると粒子状吸水剤の破砕が起こる虞があるため好ましくない。よって、振動時間としては、10〜60秒が好ましく、15〜45秒がより好ましく、20〜40秒がさらに好ましい。

また、充填工程にて、充填容器内へ粒子状吸水剤を供給することで粒子状吸水剤が充填容器内に溜まっていく。場合により振動工程を行ないながら、供給を続けることで、粒子状吸水剤が堆積していく。本発明の充填方法の好ましい形態によれば、堆積された粒子状吸水剤表面から30cm以内の空間部における相対湿度が、30〜65%RHである。かような形態であれば、粒子同士の凝集が起こらず本発明の効果が得られやすいとの技術的効果がある。本発明では、吸湿の抑制等に起因して、粒子状吸水剤の物性が高められうる。
(充填および振動装置)
本発明の機械(振動装置)は、好ましくは500(kg/時間)以上、さらに好ましくは1(トン/時間)以上、特に好ましくは1.5(トン/時間)以上の生産規模(上限は15(トン/時間)程度)の連続生産される粒子状吸水剤の充填に好適である。
また、本発明によれば、本発明の充填方法に用いられる、充填および振動機能を備えた、機械も提供される。
図1に示される充填装置2は、ホッパー4と、保温装置を備えた中間部6と、バタフライダンパーを備えた排出制御部8と、排出口18と、載置部10と、振動発生器12と、フレーム14とを有する。
図1に示す形態では、さらに充填容器16として2点鎖線で示されているフレキシブルコンテナバッグを用いる例であるため、該フレキシブルコンテナバッグに接合されている吊りベルト20と、該吊りベルト20を掛ける吊り部22と、パレット26とが、図示されている。
なお、充填容器16であるフレキシブルコンテナバッグの開口部は、排出口18に取り付けられ、吊りベルト20を吊り部22に掛けることで固定されている。
ホッパー4に供給された粒子状吸水剤は、中間部6および排出制御部8を経て、排出口18から充填容器16へ供給される。粒子状吸水剤の供給量の調整は、予め計量してからホッパー4へ供給する方法、ホッパー4として計量機能を備えた計量ホッパーを用いて行う方法、振動発生機12の下に設置された秤で行う方法等により行うことができ、また複数の方法を組み合わせることもできる。
ホッパー4および/または中間部6は、保温および/または温度調節機構を備えているとより好ましい。
排出制御部8は、供給の開始と停止を制御する部位である。粒子状吸水剤の供給量を、振動発生機12の下に設置された秤で行う場合には、流量調整器(図示せず)を、該排出制御部8の上流または下流に備えていてもよく、あるいは該排出制御部8自体にその機能を具備させることで、計量の精度を上げることができるので好ましい。
載置部10は、充填容器16を直接載置して振動体として併用してもよく、パレット26を戴置できるような構造であってもよい。載置部10の上面24は、水平またはパレット26の上面が水平になる形状を有しているのが好ましい。該形状により、充填容器16の底面が水平となり、充填容器内の粒子状吸水剤に均一に振動が加わるため、好ましい。
振動発生器12は、振動の発生源である。振動発生器12は、アンバランスマス型、油圧型、動電型等、各種の形式から選択できる。動電型は全振幅を大きくするのが困難であり、油圧型はメンテナンスに手間がかかり、アンバランスマス型は安価でメンテナンスが容易ではあるが非直線振動となる。そこで、アンバランスマス型の振動発生器を複数用いて、水平方向の振幅を打ち消しあうように配置および振動周期を調整する形態がより好ましい。このような構成とすることで、水平方向の振動を有意に低減させることができ、粒子状吸水剤充填物の偏析を低減することができ、本発明の効果を奏することができる。
つまり、本発明の充填方法の好ましい実施形態においては、前記振動の発生に、アンバランスマス型の振動発生器を複数用いて、水平方向の振幅を打ち消しあうように配置することによって、振動方向を調整する。
アンバランスマス型は、いわゆる振動モーターであり、公知の振動モーターを用いることができる。振動モーターとして、例えば、ユーラステクノ株式会社製「KEE−16−2、(以下KEE−を略す)23−2、30−2、40−2、17−4、24−4、34−4、52−4B、75−4B、84−4C、110−4、24−6C、34−6、45−6B、60−6B、80−6C、110−6、140−6、165−6、185−6、32−8、35−8R、54−8B、60−8BR、85−8、100−8R、110−8B、125−8R、135−8B、150−8R、170−8B、185−8BR」等のKEEシリーズ、エクセン株式会社製の商品名「KM170−2PA」等のKM−2PA、KM−4PAシリーズ、NetterVibration社製「NEG/NEA50550」等のNEG/NEAシリーズ等が挙げられる。その他、振動モーター以外にも、特開平10−034084号に例示される加振装置も適用できる。
充填容器16は、パレット26(パレット26が用いられない場合は、戴置部10)以外との接触が最小限となるように設置することが好ましい。固定等のためにパレット26以外と接触させる場合には、充填容器16の振動を減衰させない部材や構造を有する方法で行うことが好ましい。
例えば、吊りベルト20は、布等の柔らかい素材を用い、充填容器16と接触部に遊びを持たせる構造、吊り部22との接触部に遊びを持たせる構造、等であると好ましい。また、吊り部22は、布等の柔らかい素材を用いる、フレーム等との接触部に遊びを持たせる構造、等であると好ましい。また、充填容器16がドラム缶等の硬質の材料で構成されている場合には、排出口18に固定しない形式や、接続にフレキシブルホースを用いると好ましい。かような形態であると、充填をスムースに行うことができる。
パレット26は、中空構造でフォークリフトのフォークが差し込める構造を有する板状体であるいわゆるパレットであると、本発明の効果を十分に得ることができる上に、充填後の充填容器16の移動が容易となるため、より好ましい。
本発明の充填方法は、上記のように、様々な条件(例えば、充填物の重さ、供給速度、環境温度・湿度等)も適宜考慮しながら、効率よく、実施することができる。
本発明の充填方法に従って充填された粒子状吸水剤は、前記(I)の段階(つまり、充填後)、および、前記(II)の段階(つまり、輸送)を経て、前記(III)の段階(つまり、吸収性物品)の各ロット間で、150μm通過物の含有量(すなわち、150μm未満粒子の割合)の振れを低減できる(つまり、各ロット間での微粉末の偏りを低減することができる)。
また、本発明の充填方法によると、粒子状吸水剤充填物から小分けされた粒子状吸水剤は、高いSFCを維持し、かつその振れを抑制できる。このような粒子状吸水剤が用いられたオムツ等の吸収性物品は、体液等をよく吸収する。
<粒子状吸水剤充填物をサンプリングする方法>
続いて、本発明の粒子状吸水剤充填物をサンプリングする方法(本明細書中、単に「本発明のサンプリング方法」とも称する)についての説明を行う。
本発明のサンプリング方法は、充填容器に充填されている、充填体積がV(cm)である粒子状吸水剤充填物をサンプリングする方法であって、サンプリングする数をn(個)とし、また、互いに隣り合う各サンプリング箇所間の距離をx(cm)とするときに、以下(1)および(2)の条件を必ず満たすように設定する。
ただし、mは、3または
のいずれか大きい方である、
ただし、
サンプリングは、研究開発において普通に行われていることであるが、粒子状吸水剤のような、その形状が真球ではなく、また一定の粒度分布を有するようなものであると、サンプリングは難しい。その一方で、粒子状吸水剤を提供する側においても、粒子状吸水剤を使用して吸収性物品を製造する側においても、各吸水物性のスペックを知る上で、サンプリングには高い精度が求められている。
本発明の方法によれば、粒子状吸水剤充填物の精度の高いサンプリング方法を提供することができる。そのため、本発明の方法によりサンプリングされた各サンプルを分析して得られた吸水物性値の算術平均値を粒子状吸水剤充填物の代表吸水物性値とすることで、すなわち、それが、信頼性の高い粒子状吸水剤充填物のスペックの決定方法を提供することになる。よって、本発明においては、本発明のサンプリング方法を利用した粒子状吸水剤充填物の代表吸水物性値の決定方法もが提供される。
よって、上記のような構成によって、粒子状吸水剤充填物の精度の高いサンプリング方法(粒子状吸水剤充填物の代表吸水物性値の決定方法)を提供することができるので、物性低下や消費者クレームのより少ない技術を提供することができる。
本発明においては、粒子状吸水剤充填物をサンプリングする場合であって、サンプリングする数をn(個)とし、また、互いに隣り合う各サンプリング箇所間の距離をx(cm)とするときに、n(個)と、x(cm)とが特定の条件を必ず満たすように設定することによって、精度の高いサンプリングを実現することができる。以下、サンプリング方法について詳説する。
特定の条件とは、すなわち、以下である。
ただし、mは、3または
のいずれか大きい方である、
ただし、
である。
このように、サンプリングする数をn(個)とし、また、互いに隣り合う各サンプリング箇所間の距離をx(cm)とするときに、上記(1)および(2)の条件を必ず満たすように設定することにより、精度の高いサンプリングを実現することができる。
(1)サンプリング点数
本発明においては、サンプリングする数をn(個)とするときに、
ただし、mは、3または
のいずれか大きい方である。
平たく言えば、充填体積V(cm)の大きさに関わらず、サンプリングする数(n個)は、3以上であることが必須であるということである。n<3(つまり、2以下)であると、信頼性の高いサンプリングを行うことができなくなる。
また、充填体積V(cm)が増え、
が4以上となる場合、サンプリングする数(n個)は、かかる式により算出される値に基づいて下限値が決まる。
なお、かかる式は、床関数であり、つまり、ある実数に対してその実数以下の最大の整数である。
上記(1)につき、具体例を挙げて説明する。充填容器の形状が円筒形であり、その充填容器に粒子状吸水剤が充填されている場合であって、粒子状吸水剤充填物の高さが145cm、水平面の断面の直径が110cmであるとき、V=55×55×3.14×145=1377282.5(cm)となる。よって、1377282.5/100000=13.77となり、結果、13となる。13は3以上であるため、m=13となる。
つまり、上記具体例の場合、サンプリングする数(n個)は、13以上としなければならない。この場合、n<13(つまり、12以下)であると、信頼性の高いサンプリングを行うことができなくなる。
(2)サンプリング中心点間距離
本発明においては、互いに隣り合う各サンプリング箇所間の距離をx(cm)とするときに、
ただし、
である。
ここで、「互いに隣り合う各サンプリング箇所間の距離」は、各サンプリング箇所の「中心点」同士の距離をもって測定する。よって平たく言えば、「互いに隣り合う各サンプリング箇所間の距離」とは、「サンプリング中心点間距離」ともいえる。
ここで、かかる式の分母に規定されている
は、天井関数であり、つまり、ある実数に対してその実数以上の最小の整数である。
よって、上記の具体例に当てはめると、まず、分子は、1377282.5の立方根で、「111.26」となる。また分母において、
は、「3」であるため、
結果、y=111.26/(3+1)=27.8となる。
つまり、互いに隣り合う各サンプリング箇所間の距離x(cm)は、少なくとも27.8cmは確保しなければならないということになる。これは、任意の2点のサンプリング箇所によって定められる全ての距離において満たしていなければならない。
27.8cmよりも狭い間隔でサンプリングを行った場合、それが13箇所であったとしても、それは偏ったサンプリングとなるため、代表物性値を決めるには信頼性に欠けると言える。
このように、本発明において、「立方根」の概念を用いることによって、如何なる形状の「立体(粒子状吸水剤充填物)」も「直線」に換算して考えることができる。体積に応じてサンプリング数の最小値が決定されるが、そのサンプリング数の最小値に基づいてサンプリングを行う際、そのサンプリング数に応じて「均等」にサンプリングすることができるため、バラツキを有意に低減することができる。
このように、上記(2)の条件を満たすことにより、闇雲なサンプリングとならないため、信頼性の高い粒子状吸水剤充填物の代表物性値を決定することができる。なお、分母において「1」を加えているのは、「直線」を「点」によって分けているからである(いわゆる植木算の考えである)。
なお、サンプリング1箇所当りの採取量(s)については、粒子状吸水剤の物性の分析に必要な量であれば、特に制限はない。ここで、物性の分析に必要な量とは、例えば、CRC、SFC、AAP、FSR等の物性を測定するのに必要な量である。この量は、本願の実施例や、当業界の常識を以てすれば分かることである。ただし、その上限としては、下記:
を満たすように設定することが好ましい。
かような採取量であることが「サンプリング」という観点から見て現実的な量である。
また、サンプリングを行うための採取器具(サンプラー)にも特に制限はない。サンプリング窓がついているパイプであっても、サンプリング窓がついていないパイプであってもよい。前者の場合は、それを粒子状吸水剤充填物に突き刺して、サンプリング窓に粒子状吸水剤を採取し、それを引き抜くことによって、サンプリングすることができる。また、後者の場合は、充填容器の側面に突き刺して、充填容器を傾けることによって、内部にある粒子状吸水剤を採取することができる。なお、前者の場合は、サンプリング窓が複数ついているものであってもよい。また、後者の場合は、サンプリング後、粘着テープ等で貫通孔を塞ぐ必要がある。
以上のように、本発明のサンプリング方法によれば、高い精度のサンプリング技術を提供することができ、ロットによる物性低下を抑えられ、消費者クレームをより少なくすることができる。
<粒子状吸水剤充填物>
続いて、本発明の粒子状吸水剤充填物についての説明を行う。
本明細書において、粒子状吸水剤充填物とは、充填容器に充填されている粒子状吸水剤を意味する。
本発明の粒子状吸水剤充填物の好ましい実施形態は、同一充填物から3箇所以上サンプリングされた粒子状吸水剤の各物性値の相対標準偏差が、以下の(a)〜(d)の少なくとも1つを満たす、粒子状吸水剤充填物:
(a)無加圧下吸水倍率(CRC)の相対標準偏差が2%以下
(b)食塩水流れ誘導性(SFC)の相対標準偏差が6%以下
(c)加圧下吸水倍率(AAP)の相対標準偏差が1%以下
(d)吸水速度(FSR)の相対標準偏差が5%以下
である。好ましい形態によれば、少なくとも(a)と(b)、もしくは(a)と(c)を満たす、粒子状吸水剤充填物であることが好ましく、少なくとも(a)〜(c)を満たす、粒子状吸水剤充填物であることがより好ましく、(a)〜(d)のすべてを満たす、粒子状吸水剤充填物であることが好ましい。
また、本発明の別の形態によれば、本発明の充填方法で充填された、粒子状吸水剤充填物が提供される。かような形態によれば、偏析を非常に抑えた粒子状吸水剤充填物であり、特には、(a)〜(d)の少なくとも1つを満たすことになる。
上述したように、実際に、前記(III)の段階で、数g〜数十gを1単位として含有する最終製品(吸収性物品)として完成させた後、場合によっては、各最終製品(吸収性物品)の吸水物性値が、前記(I)の段階におけるスペックの表示からバラつく問題があるということが分かった。
本発明者らは、その原因について鋭意検討する過程で、前記(II)の段階に着目した。すなわち、前記(I)の段階では、数百kg〜数千kgを1単位とする充填容器に充填されるため、この充填容器は、通常、トラック等の輸送手段で輸送される。本発明者らは、この輸送の際の「揺れ」に着目した。すなわち、前記(I)の段階では偏析が少ない状態にできている場合であっても、輸送中の「揺れ」によって偏析が起こり得ることを見出した。本発明では、輸送中の「揺れ」を見据え、前記(I)の段階で、粒子状吸水剤充填物を密にパッキングさせることによって、前記(I)段階のみならず、前記(III)段階でも、有意に偏析の少ない粒子状吸水剤充填物を提供し、ひいては各最終製品(吸収性物品)の吸水物性値のバラつきを有意に低減させることができた。なお、「数百kg〜数千kg」とは、目安としては、100〜100,000kg、あるいは500〜50,000kg程度である。
本発明の充填方法に従って充填された粒子状吸水剤充填物および輸送後の充填物において、それぞれから小分けされた、各粒子状吸水剤は、150μm通過物の含有量(すなわち、150μm未満粒子の割合)の振れが低減される。このため、本発明の方法に従って充填された粒子状吸水剤充填物から小分けされた粒子状吸水剤は、上記150μm未満の粒子の存在による影響を受けやすいAAPやSFCの振れを抑制できる。
AAPやSFCの振れの抑制効果等を考慮すると、本発明の充填方法による粒子状吸水剤充填物から小分けされた粒子状吸水剤の、150μm通過物(すなわち、150μm未満粒子の割合(重量%))の粒度分布の対数標準偏差(σζ)は、0.1以上0.29未満であることが好ましく、より好ましくは0.12〜0.28、特に好ましくは0.15〜0.25である。
なお、好ましい形態によれば、(a)無加圧下吸水倍率(CRC)の相対標準偏差は、0〜1.6%が好ましく、0〜1.3%がより好ましい。
また、好ましい形態によれば、(b)食塩水流れ誘導性(SFC)の相対標準偏差は、0〜5.6%が好ましく、0〜5.5%がより好ましい。このような値にあると、最終製品である粒子状吸水性樹脂のSFCを高いレベルで安定的に維持できる。ただし、4.0%以上や、4.5%以上になる場合がある。
また、好ましい形態によれば、(c)加圧下吸水倍率(AAP)の相対標準偏差は、0〜0.9%が好ましい。
また、好ましい形態によれば、吸水速度(FSR)の相対標準偏差は、0〜4.8%が好ましく、0〜4.6%がより好ましい。
このような相対標準偏差を有させるための好ましい形態としては、特に制限されないが、本発明の充填方法を用いて、粒子状吸水剤充填物を作製する方法であることが好ましい。
ここで、上記粒子状吸水剤充填物のサンプリングの方法は、本発明のサンプリング方法によるものであってもなくても構わない。本発明の充填方法を用いて、粒子状吸水剤充填物を作製する場合、前記(I)の段階において、粒度分布に偏析のない状態を作ることができるだけでなく、前記(II)トラック等の輸送手段により、移送された後においても偏析が少ない状態にでき、前記(III)において、均一な最終製品を作製する時点でも偏析が少ない状態を維持できる。つまり、いずれの時点においても粒子状吸水剤充填物の偏析が少ないため、本発明のサンプリング方法を用いなくても、サンプリングする対象物(粒子状吸水剤充填物)の偏析が既に少ないため、結果として、精度の高いサンプリングになる。
よって、本発明の方法におけるサンプリング方法は、特に、サンプリングする対象物(粒子状吸水剤充填物)の偏析が大きい方が、その効果を発揮しやすく、信頼性のより高い代表吸水物性値を決定することができることが言える。ただし、信頼性のより高い代表吸水物性値を決定する方法を提供する本発明は、消費者のクレームを低減するという効果を有している。
本発明の充填方法は、本発明者らが、充填時にかかる振動力を制御することによって、吸水性樹脂粒子(特に高吸水速度の吸水性樹脂粒子)の充填時のみならず輸送中の偏析を抑制することが可能になることを見出したことにより完成したことは上記のとおりである。
以下、粒子状吸水剤充填物の各吸水物性値について説明する。
[AAP](ERT442.2−02)
3箇所以上サンプリングされた粒子状吸水剤の代表吸水物性値の一つである、ERT442.2−02で規定される4.8kPa荷重下での生理食塩水の加圧下吸水倍率(AAP:Absorbency against Presure)は、好ましくは15(g/g)以上である。このような粒子状吸水剤が用いられたオムツ等の吸収性物品は、体液等をよく吸収する。粒子状吸水剤のAAPは、より好ましくは20(g/g)以上、さらに好ましくは22(g/g)以上、さらにより好ましくは23.5(g/g)以上で、特に好ましくは24(g/g)以上、最も好ましくは26(g/g)以上である。一方、加圧下吸水倍率が高いほど吸収性物品は高物性が得られるので特にその上限に制限はないが、製造が困難となる上にコストが高騰するという観点から、この加圧下吸水倍率の上限は35(g/g)程度であると考えられる。なお、この4.8kPa荷重下での生理食塩水の加圧下吸水倍率は、本願においてAAP(4.8kPa)または単にAAPとも称される。
本発明の方法による充填後の粒子状吸水剤のAAPの標準偏差は、好ましくは0.01〜0.30、より好ましくは0.15〜0.25である。このような範囲にあると、最終製品である粒子状吸水性樹脂のAAPを高いレベルで維持できる。
また、本発明の充填方法によって充填することによって、充填容器から小分けして製造される吸収性物品の各ロット間や1つ1つの物品間の振れが小さくなり、特に安定した粒子状吸水剤のAAPや後述するSFC、CRC、FSRが要求される吸収性物品が安定して製造することができる。
(SFC)
3箇所以上サンプリングされた粒子状吸水剤の代表吸水物性値の一つである、食塩水流れ誘導性(SFC)は、20(×10−7・cm・s・g−1)以上、30(×10 ・cm・s・g−1)以上、35(×10−7・cm・s・g−1)以上、40(×10−7・cm・s・g−1)以上、45(×10−7・cm・s・g−1)以上、45.5(×10−7・cm・s・g−1)以上の順で好ましくなる。ただし、後述するCRCを考慮すると、現実的には、1000(×10−7・cm・s・g−1)以下程度である。このような粒子状吸水剤が用いられたオムツ等の吸収性物品は、体液等をよく吸収する。
本発明の充填方法によると、充填後の粒子状吸水剤充填物は、高いSFCを維持し、かつその振れを抑制できる。このような粒子状吸水剤が用いられたオムツ等の吸収性物品は、体液等をよく吸収する。また、このような粒子状吸収剤が、吸収性物品に供される場合、その物品に含まれる粒子状吸収剤の濃度が30重量%以上、より具体的には50重量%以上である場合においても、尿の吸収速度が適切に維持され、漏れの発生も抑制される。
(CRC)
3箇所以上サンプリングされた粒子状吸水剤の代表吸水物性値の一つである、生理食塩水に対する無加圧下吸水倍率(CRC)は、5(g/g)以上であることが好ましく、15(g/g)以上であることがより好ましく、25(g/g)以上であることがさらに好ましい。この無加圧下吸水倍率の上限は特に制限されないが、現実的には、60(g/g)、45(g/g)、あるいは、40(g/g)程度である。
(FSR)
3箇所以上サンプリングされた粒子状吸水剤の代表吸水物性値の一つである、吸水速度(FSR)は、0.20(g/g/s)以上であることが好ましく、0.24(g/g/s)以上であることがより好ましく、0.25(g/g/s)以上であることがさらに好ましく、0.30(g/g/s)以上であることが特に好ましい。このFSRの上限は特に制限されないが、現実的には、1.00(g/g/s)、0.50(g/g/s)あるいは0.45(g/g/s)程度である。
なお、本発明の充填方法で充填を行うと、前記(I)のみならず、前記(III)の段階でも、このような数値となりうる。特に、前記(I)の時点で、上記範囲(特にFSRが0.25以上)であるような、吸水速度が速い粒子状吸水剤は、一般的には、前記(II)段階の輸送中に、嵩比重が低いために偏析を起こしやすい傾向にあるが、本発明の充填方法によれば、輸送中の偏析抑制効果が顕著に表れ、前記(III)の段階でも偏析の少ない粒子状吸水剤を提供することができる。
よって、本発明の第3の好ましい形態によれば、3箇所以上サンプリングされた粒子状吸水剤の各吸水物性値の算術平均値が、以下の(e)〜(h)の少なくとも1つを満たす、粒子状吸水剤充填物;
(e)CRCが5〜40(g/g)
(f)SFCが20(×10−7・cm・s・g−1)以上
(g)AAPが20(g/g)以上
(h)FSRが0.25(g/g/s)以上である。
なお、本明細書中に記載している「3箇所以上サンプリングされた」について、サンプリングの方法は本発明によるものであってもなくても構わない。また、上記(e)〜(h)の少なくとも2以上、好ましくは3以上、更に好ましくは4つすべてを満たせばよい。
ただし、本発明の充填方法によって充填した粒子状吸水剤充填物は、前記(I)の段階において、粒度分布に偏析のない状態を作ることができるだけでなく、前記(II)トラック等の輸送手段により、輸送された後においても偏析が少ない状態にでき、前記(III)において、均一な最終製品を作製する時点でも偏析が少ない状態を維持できる。つまり、いずれの時点においても粒子状吸水剤充填物の偏析が少ないため、本発明のサンプリング方法を用いなくても、結果として、精度の高いサンプリングになりうる。
(嵩比重)
また、好ましい形態によれば、本発明の粒子状吸水剤充填物における、粒子状吸水剤の嵩比重は、通常0.45〜0.75(g/ml)、好ましくは0.50〜0.70(g/ml)、より好ましくは0.55〜0.65(g/ml)である。0.50(g/ml)以上であれば、高吸収速度を有する粒子状吸水剤を生産することができる観点で好ましい。0.70(g/ml)以下であれば、望ましい吸収速度を得られるという観点で好適である。
<保管、輸送>
本発明によれば、本発明の粒子状吸水剤充填物の、保管方法または輸送方法が提供される。
特に、本発明の充填方法で充填容器に充填された粒子状吸水剤は、「充填後」の粒子状吸水剤充填物の偏析が起こりにくいため、長期間の保管や長距離の輸送に好適である。
保管時間は1日〜100日、さらには10日〜100日で適宜決定される。輸送手段はトラック、鉄動、コンテナ船等いずれでもよく、輸送距離は1〜100000km、10〜10000kmの範囲で適宜決定される。輸送時間は1時間〜100日、さらには10時間〜100日で適宜決定される。
保管および輸送は、いずれか一方でも、両方でもよく、保管後に輸送するのが好ましく、さらに保管されてもよい。
<吸収性物品>
本発明によれば、本発明の粒子状吸水剤充填物から、好ましくは0.1〜100g、より好ましくは1〜50g、更に好ましくは2〜20gに小分けされた粒子状吸水剤を含む、吸収性物品、特に紙オムツ、生理用ナプキン又は失禁パットが提供される。
本発明に用いられうる粒子状吸水剤を用いてなる吸収性物品は、例えば、粒子状吸水剤と必要により親水性繊維とをシート状等に成形して得られうる。親水性繊維が用いられない場合には、紙や不織布に粒子状の粒子状吸水剤を固定させることにより吸収性物品が得られうる。
このような吸収性物品における粒子状吸水剤の含有量(コア濃度)は、例えば、10〜100重量%、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%であるのがよい。また、この吸収性物品は、密度が0.06〜0.5(g/ml)の範囲であり、坪量が0.01〜0.2(g/cm)の範囲であるように調整されていることが望ましい。なお、用いられる繊維基材としては、例えば、粉砕された木材パルプ、コットンリンターや架橋セルロース繊維、レーヨン、綿、羊毛、アセテート、ビニロン等の親水性繊維等を例示でき、それらがエアレイドされたものが好ましい。
また、本発明によれば、本発明の粒子状吸水剤充填物を準備する工程を経る、吸収性物品の製造方法も提供される。
以下、実施例を用いて本発明の好適な実施形態についてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲が下記の実施例のみに限定して解釈されるべきではない。
[粒子状吸水剤の製造例1−1]
重合工程、ゲル細粒化(解砕)工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、表面架橋工程(表面架橋剤の噴霧工程、加熱工程)、冷却工程、整粒工程および製品貯蔵/充填工程のそれぞれを行う装置が輸送装置によって連結され、各工程を連続して行うことができる連続製造装置を用いて、国際公開第2011/126079に記載された実施例3を参考に同様の操作を行い、粒子状吸水剤の製造を行った。ただし、この際に表面架橋剤として用いられている1,4−ブタンジオールの代わりに炭酸エチレンを同量使用した。
このようにして質量平均粒子径(D50)が約370μmであり、上記粒度分布の対数標準偏差(σζ)が約0.34であり、かつ整粒された粒子状吸水剤(a−1)を得た。この粒子状吸水剤(a−1)の無加圧下吸水倍率(CRC)は26.8(g/g)、加圧下吸水倍率(AAP)は23.9(g/g)、食塩水流れ誘導性(SFC)は98(×10−7・cm・s・g−1)、吸水速度(FSR)は0.38(g/g/s)であった。また、粒子状吸水剤(a−1)の嵩比重は0.60(g/ml)であった。
[粒子状吸水剤の製造例2−1]
特許文献13(国際公開第2009/113671号パンフレット)記載の粒子状吸水剤の製造例に従って、粒子状吸水剤(b−1)を作成した(AAP=23.0(g/g)、SFC=45.0(×10−7・cm・s・g−1))。粒子状吸水剤(b−1)の吸水速度(FSR)を測定したところ、0.24(g/g/s)であった。
[実験例1−1]
図1で示された充填装置を用いて、上記製造例1−1において得られた粒子状吸水剤(a)の充填を行った。なお、吊りベルト20の素材は、布であり、充填容器16と接触部に遊びを持たせ、吊り部22との接触部に遊びを持たせる構造を有する(以下、同様である)。
振動発生装置はアンバランスマス型2台から構成され、水平方向の振動を抑える目的で、振動角が90±5°となるように、互いに逆周期とすべく、振動モーターの回転方向が逆となるように設定を行った。
振動体は無荷重時の振動において、振幅0.28[mm]、振動数60[Hz]、加速度2.0[G]、振動指数27.1となるように設定された。また、直線振動であり、振動角は90±5°の範囲であった。なお、「振幅」は、「全振幅」と同義であり、実施例の欄においても同様である。なお、パレットは、木製で、大きさは縦110cm、横110cmであり、重量は18.6kgである。
充填装置の周囲(周辺雰囲気)の相対湿度は空調により60%に設定された。充填前に、フレキシブルコンテナバッグがドライエア(露点−30℃)で膨らまされ、フレキシブルコンテナバッグの内部空間にドライエアが充填された。次いで、図1が示すように、パレットの上に当接するように、フレキシブルコンテナバッグがセットされた。フレキシブルコンテナバッグは、容量が1600リットルであり、内層がポリエチレンからなるフィルムで、外層がポリプロピレンからなる織布である2層構造を有するフレキシブルコンテナバッグを使用した。
次に、充填工程がなされた。供給は、2回に分けて行われた。
まず、1回目の供給において、フレキシブルコンテナバッグに940kgの粒子状吸水剤(a−1)が入れられた。より具体的には、1回目の供給が開始してから40秒後(W1=約537kg)の時点で振動工程が開始された。1回目の供給に要した時間は70秒であり、1回目の供給終了と同時に(つまり、W1=940kgの時点で)振動工程も終了した。
1回目の供給終了後、10秒間経過した後に2回目の供給を開始した。第2回目の供給時間は、50秒であった。この2回目の供給では、60kgの粒子状吸水剤(a−1)が入れられた(つまり、最終充填量W2=1000kg)。2回目の供給がなされている間は、振動工程は実施されなかった。よって、振動時間は30秒であった。
振動工程中における粒子状吸水剤の温度は、40〜50℃であった。なお、充填装置の周囲の気温は20℃〜30℃とされた。また、粒子状吸水剤表面から30cm以内の空間部における相対湿度が30%RHであった。
充填後のフレコンバッグの形状は、粒子状吸水剤が充填されたことによってほぼ円筒形となり、その粒子状吸水剤充填物の高さは145cm、水平面の直径は約110cmのほぼ円形であった。
充填後のバッグの上部より20cm深さの部分のサンプリングを行い、「充填後の粒子状吸水剤(1−1)」とした。このフレキシブルコンテナバッグをトラックに積み、約5km輸送したのち、再度バッグの上部より20cm深さの部分のサンプリングを行い「輸送後の粒子状吸水剤(1−1)」とした。
[実験例2−1]
実験例1−1と同様の操作を、振動条件を以下のように変更して行った。
振動発生装置はアンバランスマス型2台から構成され、水平方向の振動を抑える目的で、振動角が90±5°となるように、互いに逆周期とすべく、振動モーターの回転方向が逆となるように設定を行った。振動体は無荷重時の振動において、振幅1.10[mm]、振動数30[Hz]、加速度2.0[G]、振動指数35.8となるように設定された。また、振動は直線振動であり、振動角は90±5°の範囲であった。パレットは、プラスチック製で、大きさは縦110cm、横110cmであり、重量は10.4kgである。
実験例1−1と同様にサンプリングおよび輸送を行い、「充填後の粒子状吸水剤(2−1)」および「輸送後の粒子状吸水剤(2−1)」を得た。
[実験例3−1]
実験例1−1と同様の操作を、振動条件を以下のように変更して行った。
振動発生装置はアンバランスマス型2台から構成され、水平方向の振動を抑える目的で、振動角が90±5°となるように、互いに逆周期とすべく、振動モーターの回転方向が逆となるように設定を行った。振動体は無荷重時の振動において、振幅3.81[mm]、振動数30[Hz]、加速度6.9[G]、振動指数41.9となるように設定された。また、振動は直線振動であり、振動角は90±5°の範囲であった。なお、パレットは、木製で、大きさは縦110cm、横110cmであり、重量は18.6kgである。
実験例1−1と同様にサンプリングおよび輸送を行い、「充填後の粒子状吸水剤(3−1)」および「輸送後の粒子状吸水剤(3−1)」を得た。
[実験例4−1]
実験例1−1と同様の操作を、振動条件を以下のように変更して行った。
振動発生装置はアンバランスマス型2台から構成され、水平方向の振動を抑える目的で、振動角が90±5°となるように、互いに逆周期とすべく、振動モーターの回転方向が逆となるように設定を行った。振動体は無荷重時の振動において、振幅4.52[mm]、振動数30[Hz]、加速度8.2[G]、振動指数43.5となるように設定された。また、振動は直線振動であり、振動角は90±5°の範囲であった。なお、パレットは、木製で、大きさは縦110cm、横110cmであり、重量は18.6kgである。
実験例1−1と同様にサンプリングおよび輸送を行い、「充填後の粒子状吸水剤(4−1)」および「輸送後の粒子状吸水剤(4−1)」を得た。
[比較例1−1]
実験例1−1と同様の操作を、振動を行わずに実施した。
実験例1−1と同様にサンプリングおよび輸送を行い、「充填後の比較粒子状吸水剤(1−1)および輸送後の比較粒子状吸水剤(1−1)を得た。
[比較例2−1]
実験例1−1と同様の操作を、振動条件を以下のように変更して行った。
振動発生装置はアンバランスマス型2台から構成され、水平方向の振動を抑える目的で、振動角が90±5°となるように、互いに逆周期とすべく、振動モーターの回転方向が逆となるように設定を行った。振動体は無荷重時の振動において、振幅0.18[mm]、振動数60[Hz]、加速度1.3[G]、振動指数26.2となるように設定された。また、振動は直線振動であり、振動角は90±5°の範囲であった。なお、パレットは、木製で、大きさは縦110cm、横110cmであり、重量は18.6kgである。
実験例1−1と同様にサンプリングおよび輸送を行い、「充填後の比較粒子状吸水剤(2−1)」および「輸送後の比較粒子状吸水剤(2−1)」を得た。
[比較例3−1]
実験例1−1と同様の操作を、振動条件を以下のように変更して行った。
振動発生装置はアンバランスマス型2台から構成され、水平方向の振動を抑える目的で、振動角が90±5°となるように、互いに逆周期とすべく、振動モーターの回転方向が逆となるように設定を行った。振動体は無荷重時の振動において、振幅5.57[mm]、振動数30[Hz]、加速度10.1[G]、振動指数45.8となるように設定された。また、振動は直線振動であり、振動角は90±5°の範囲であった。なお、パレットは、木製で、大きさは縦110cm、横110cmであり、重量は18.6kgである。
本比較例において、振動工程中にパレットの破損がおこった。充填操作後にパレットを交換し、実験例1−1と同様にサンプリングおよび輸送を行い、「充填後の比較粒子状吸水剤(3−1)」および「輸送後の比較粒子状吸水剤(3−1)」を得た。
以上、実験例1−1〜4−1、比較例1−1〜3−1で得られた、「充填後」の粒子状吸水剤(1−1)〜(4−1)および比較粒子状吸水剤(1−1)〜(3−1)ならびに「輸送後」の粒子状吸水剤(1−1)〜(4−1)、比較粒子状吸水剤(1−1)〜(3−1)について、300μmの目開きを有するJISふるい(JIS Z8801−1)を用いて300μmより大きい粒子と小さい粒子の重量比を求めた。下記表1−1に「充填後」の粒子状吸水剤および比較粒子状吸水剤ならびに「輸送後」の粒子状吸水剤および比較粒子状吸水剤の300μm上下比率を示す。なお、例えば75/25の表記は、300μmより大きい粒子の割合が75重量%であり、300μmより小さい粒子の割合が25重量%であることを示す。
表1−1に示された結果より、「充填後」のみならず「輸送後」の偏析も抑制できることがわかる。つまり、特許文献13と異なる振動条件(加速度1〜13Gで振動指数27〜44の範囲)で充填することによって、また、水平方向の振動を有意に抑制することによって、高吸水速度(FSR0.25以上)の粒子状吸水剤において、従来にない効果を有することが分かる。つまり、高吸水速度(FSR0.25以上)の粒子状吸水剤にする場合、粒子状吸水剤の表面積が有意に大きいもの(粒径が小さいもの)も含まれることが好ましいため、その結果、偏析が生じやすい方向に向かうはずである。これに対し、本発明によれば、そのような偏析が起こりやすい形態であっても、「充填後」と「輸送後」の上下比率に殆ど差異がないため、偏析を抑制することができることが示唆される。
[粒子状吸水剤の製造例1−2]
粒子状吸水剤の製造例1−1と同様にして粒子状吸水剤(a−2)を作製して、それを充填し、粒子状吸水剤充填物を作製した。なお、製造例1−1と同様に、充填後のフレコンバッグの形状は、粒子状吸水剤が充填されたことによってほぼ円筒形となり、その粒子状吸水剤充填物の高さは145cm、水平面の直径は約110cmのほぼ円形であった。
[実験例1−2〜6−2]
このフレコンバッグをトラックに積み、約5km輸送したのち、フレコンバッグの上部からサンプラーを用いてサンプリングを行った。サンプラーは全長150cmで、先端にサンプリング窓がついているSUS製の2重管である。挿入した深さはサンプリング窓の中心を基準として、深さ20cm、60cm、100cmであり、垂直方向に深さの異なる3箇所のサンプルを約150g採取した。また、サンプラーを挿入した箇所は、水平方向における、該断面積の中央および、外周方向に35cm外側の4か所(該4か所は90度毎に均等に配置し、便宜上、「前」「後」「右」「左」とした)とした。このようにして、フレコンバッグ内の異なる15箇所の粒子状吸水剤を得た。この操作を6袋のフレコンバッグに対して行った。得られた粒子状吸水剤の物性を表1〜6に示す。なお、表2〜表7における嵩比重に関しては、上部中央のみをサンプリングしている。それは、嵩比重は、吸水物性値ではなく、表1の結果から、上部中央のサンプルが全体を代表する値になるとみなせると判断されたためである。
[実験例7−2]
実験例1−2において、振動工程を行わなかった以外は同様の操作を行い、15箇所の粒子状吸水剤を得た。得られた吸水剤の物性を表7に示す。また、表11には、実験例1−2〜実験例7−2の比較を示す。
[実験例8−2]
実験例1−2〜6−2および実験例7−2のモデル検証実験として、引き続き以下の実験を行った。なお、実験操作中、ミクロ形電磁振動器での振動が、実験例1−2〜6−2における振動工程をモデル化した操作であり、大型ロータップ振盪機での振盪は実験例1−2〜7−2におけるトラック輸送時の容器への衝撃をモデル化した操作である。
まず、振動・振盪前に、十分に均一になっていることを確認するため、外装としてのポリエチレン製広口ポリ瓶(カタログ記載容量2L、実質有効容量2255cm、株式会社相互理化学硝子製作所製、A−6000 GENERAL CATALOGUE 2011、商品コード616−09)の側面に、サンプル採取孔(直径21mm、中心が、底面から10mm(底部)、70mm(中部)、140mm(上部)の位置にある)を有する外容器を作製した。また、内袋として、ポリエチレン製ビニール袋(厚み0.03mm、縦450mm、横300mm)を該外容器に挿入し、ドライエア(露点温度:−30℃)で内袋を膨らまして、充填容器とした。
製造例1−2で得られた粒子状吸水剤(a−2)1.5kgを1回で90秒かけて該充填容器に投入し、内袋、および、外装の蓋を閉じてからシェーカーミキサー(TURBULA (商標登録)Type T2F、Willy A.Bachofen AG Maschinenfabrik Basel製)で60分間、回転・転倒運動により撹拌混合して、充填容器内の粒子状吸水剤を均一化した。撹拌後の粒子状吸水剤(a−2)の体積は2209cmであった。また、粒子状吸水剤表面から30cm以内の空間部における相対湿度が45%RHであった。
なお、シェーカーミキサーの振動は、単なる回転・転倒運動であり、充填容器内の粒子状吸水剤を均一化することを目的として行われるものであり、実験例9−2等で使用されているミクロ形電磁振動器の振動条件とは異なる。
撹拌後の充填容器を静置し、該側面サンプル採取孔に、外形20mm、内径19mmの金属パイプ(コルクボーラーNo.11、株式会社相互理化学硝子製作所製、A−6000 GENERAL CATALOGUE 2011、商品コード2788−03)を約6cm挿入して、約20gの粒子状吸水剤を採取した。なお、サンプルの採取は、サンプル採取孔の上から順に行い、サンプリング後に、開いた穴は粘着テープでふさいで、充填容器からの粒子状吸水剤の流出を抑止した。得られた吸水剤の物性を表8に示す。
なお、実験例8−2は、前記(I)の段階(つまり、輸送前)のモデルであるため、本発明の充填方法を使用しなくても、各物性の相対標準偏差が有意に小さいことが分かる。
[実験例9−2]
実験例8−2と同様の操作を行い、シェーカーミキサーで撹拌後の充填容器を得た(つまり、最終充填量W2=1.5kg)。得られた充填容器を、ミクロ形電磁振動器(M−3T、筒井理化学器械株式会社製)に固定し、30秒間振動した。つまり、本発明の振動は、W1/W2=100の時に施された。
振動条件は、無荷重時の振動において、(無荷重での)振幅2mm、(無荷重での)振動数60Hz、加速度14.5G、振動指数42.6であり、振動角は、90±5°であった。また、直線振動であった。なお、ここで言う「無荷重時の振動」とは、上記と同様に、サンプルや容器など何も載っていない状態を指す。また、振動工程中における粒子状吸水剤の温度は、40〜50℃であった。
振動後の粒子状吸水剤(a−2)の体積は2086cmであった。得られた振動後の充填容器から、実験例8−2と同様にサンプル採取を行った。得られた吸水剤の物性を表8に示す。
[実験例10−2]
実験例9−2と同様の操作を行い、振動後の充填容器を得た。
得られた充填容器の内袋を一旦開封し、吸水剤が未充填の部分の空気を押し出してから、再度内袋および外装を密閉し、この充填容器を大型ロータップ振盪機(形式RH−1、株式会社タナカテック製)に設置し、10分間の振盪(水平楕円運動の振盪数300rpm、振盪幅25mm、ハンマー打数150タッピング/分)を行ったのち、実験例8−2と同様にサンプル採取を行った。10分間振盪後、サンプル採取前の吸水剤(a−2)の体積は2025cmであった。得られた吸水剤の物性を表8に示す。
その後、充填容器を斜めに傾けて固定した。さらに、底部サンプル採取孔に実験例8−2に記載の金属パイプ(コルクボーラーNo.11)を約1cm挿入して吸水剤を重力落下させながら吸水剤を連続的に排出させた。
充填容器からの排出が止まるまでに要した時間は約80秒であり、排出開始から5秒後と50秒後に落下中の吸水剤を各約20g採取した。得られた吸水剤の物性を表10に示す。
また、充填物内の粒子状吸水剤の嵩比重測定のために、再度、上記の操作を繰り返し、大型ロータップ振盪機で10分間振盪させた後の充填容器を得た。得られた充填容器の中部サンプル採取孔からのみ、内部の粒子状吸水剤を約150g採取し、嵩比重を測定したところ、0.60(g/ml)であった。
[実験例11−2]
実験例10−2において、ミクロ形電磁振動器での振動を行わずに、大型ロータップ振盪機で10分間の振盪を行ない、実験例8−2と同様にサンプル採取を行った。得られた吸水剤の物性を表8に示す。
ここで表8において、実験例8−2、10−2および11−2の比較を行う。実験例8−2では、ミクロ形電磁振動器での振動を行っていないが、各吸水物性値の相対標準偏差は有意に低いことが分かる。これは、トラック輸送のモデルである振盪を行っていないからである。しかしながら、実験例11−2に示されるように、一旦、振盪を行なうと(トラック輸送時の揺れが加わると)、各吸水物性値の相対標準偏差が高くなってしまうことが分かる。これはつまり、各最終製品(吸収性物品)の吸水物性値のバラつきが発現しうることを示唆している。その一方で、実験例10−2では、ミクロ形電磁振動器での振動を行っているため、トラック輸送のモデルである振盪を行っても相対標準偏差が低い。つまり、各最終製品(吸収性物品)の吸水物性値のバラつきを有意に抑制することを示唆している。
その後、実験例10−2と同様に吸水剤を連続的に排出させながら落下中の吸水剤を各約20g採取した。得られた吸水剤の物性を表10に示す。なお、排出が止まるまでに要した時間は約80秒であった。
[粒子状吸水剤の製造例2−2]
国際公開第2009/113671号パンフレット記載の粒子状吸水剤の製造例に従って、粒子状吸水剤(b−2)を作成した。粒子状吸水剤(b−2)約1kgを十分に撹拌して均一化したのちに100g採取して測定した時の嵩比重は0.64(g/ml)であった。粒子状吸水剤(b−2)のAAP、SFC、FSRは、粒子状吸水剤(b−1)と同じであった。
[実験例12−2]
実験例10−2において、用いる粒子状吸水剤を吸水剤(a−2)から吸水剤(b−2)に変えた以外は同様の操作を行い、サンプル採取を行った。得られた吸水剤の物性を表8に示す。
[実験例13−2]
実験例11−2において、用いる粒子状吸水剤を吸水剤(a−2)から吸水剤(b−2)に変えた以外は同様の操作を行い、サンプル採取を行った。得られた吸水剤の物性を表8に示す。
表8に示されるように、実験例12−2では、実験例13−2よりも相対標準偏差は小さく、安定性に優れていることが分かる。
[粒子状吸水剤の製造例3−2]
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、73モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5432.0g(単量体濃度39重量%)にポリエチレングリコールジアクリレート7.1g(0.06mol%)を溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、上記反応液に10重量%過硫酸ナトリウム水溶液29.36gおよび0.1重量%L−アスコルビン酸水溶液24.5gを攪拌しながら添加した。添加後およそ1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜95℃で重合を行い、重合が開始してから30分後に含水ゲル状架橋重合体を取り出した。得られた含水ゲル状架橋重合体は、粒子径が約5mm以下に細分化されていた。粉砕されて細分化された含水ゲル状架橋重合体を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥した。ロールミルを用いて得られた吸水性樹脂を粉砕し、さらに目開き850μmおよび106μmのJIS標準篩で分級し、粒度分布を調整することにより、吸水性樹脂を得た。
続いて、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.2重量部、1,2−プロパンジオール0.5重量部、イオン交換水3重量部からなる表面架橋剤水溶液3.7重量部を、得られた吸水性樹脂100重量部に対して噴霧高速撹拌混合した。得られた混合物を、熱媒温度200℃のパドル式ドラーヤーに投入し、40分間撹拌加熱処理後に取り出したのち、冷却して表面架橋吸水性樹脂を得た。この表面架橋吸水性樹脂100重量部に対し、10重量%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(花王株式会社製)水溶液を0.1重量部噴霧混合して、粒子状吸水剤(c−2)を得た。この操作を繰り返して得られた粒子状吸水剤(c−2)約1kgを十分に撹拌して均一化したのちに100g採取して測定した時の嵩比重は0.72(g/ml)であった。
[実験例14−2]
実験例8−2において、用いる粒子状吸水剤を吸水剤(a−2)から吸水剤(c−2)に変えた以外は同様の操作を行い、サンプル採取を行った。得られた吸水剤の物性を表9に示す。なお、実験例14−2は、前記(I)の段階(つまり、輸送前)のモデルであるため、本発明の充填方法を使用しなくても、各物性の相対標準偏差が有意に小さいことが分かる。
[実験例15−2]
実験例10−2において、用いる粒子状吸水剤を吸水剤(a−2)から吸水剤(c−2)に変えた以外は同様の操作を行い、サンプル採取を行った。得られた吸水剤の物性を表9に示す。
その後、実験例10−2と同様に吸水剤を連続的に排出させながら落下中の吸水剤を各約20g採取した。なお、排出が止まるまでに要した時間は約75秒であった。得られた吸水剤の物性を表10に示す。
また、充填物内の粒子状吸水剤の嵩比重測定のために、再度、上記の操作を繰り返し、大型ロータップ振盪機で10分間振盪させた後の充填容器を得た。得られた充填容器の中部サンプル採取孔からのみ、内部の粒子状吸水剤を約150g採取し、嵩比重を測定したところ、0.72(g/ml)であった。
[実験例16−2]
実験例15−2において、ミクロ形電磁振動器での振動を行わずに、大型ロータップ振盪機で10分間の振盪を行ない、実験例8−2と同様にサンプル採取を行った。得られた吸水剤の物性を表9に示す。
その後、実験例10−2と同様に吸水剤を連続的に排出させながら落下中の吸水剤を各約20g採取した。得られた吸水剤の物性を表10に示す。排出が止まるまでに要した時間は、約75秒であった。
表9に示されるように、実験例15−2では、実験例16−2よりも相対標準偏差が小さく、安定性に優れていることが分かる。
なお、表12には、実験例1−2〜実験例1−16の関係を纏めた表を示す。
[比較例1−2]
実験例7−2における、15点のSFCの値から任意にN個を選択した時の平均値と、標準偏差をそれぞれAve(N)、σ(N)とした時に、該15点の値のうちAve(N)±σ(N)の範囲外となる個数をOUT(N)とすると、以下の結果となった。
2≦OUT(10)≦9
3≦OUT(11)≦6
3≦OUT(12)≦6
4≦OUT(13)≦5
4≦OUT(14)≦5
OUT(15)=5
OUT(N)の値が小さいということは母集団の分散を大きく見積もることになり、逆に大きいということは母集団の分散を小さく見積もることになる。つまり、Nが13未満では、充填容器中の性能のばらつきを本来のばらつきとは異なる評価とする可能性が高いことが分かる。
<式4の導き方>
上記のように、式4は、下記:
である。
かかる式4は、以下のように導き出した。
すなわち、図1で示された充填装置を用いて粒子状吸水剤の充填を行う前に、振動条件(無荷重での振動数(Hz)、加速度(G))を設定するために、図1の16(充填容器)および26(パレット)がない状態、つまり、図1の10および12(振動体)に何も載せていない状態で、当該充填装置を運転させた。
その結果、振動条件として、無荷重での振動数(Hz)は10〜90、加速度(G)は1〜15からなる設定値を得た。続いて、粒子状吸水剤を投入した充填容器を上記設定値で振動させて、その減容効果を確認した。
上記操作で得られたデータを使って、「減容効果」を「目的変数」、「無荷重での振動数」および「加速度」を説明変数として、マイクロソフト社のエクセル(登録商標)を利用して、重回帰分析を行った。
その結果、切片として「42」、「無荷重での振動数(Hz)」の定数として「−0.29」、「加速度」の定数として「1.24」を得た。
本発明によれば、各最終製品(吸収性物品)の吸水物性値のバラつき(相対偏差)を有意に低減させることができ、また、粒子状吸水剤充填物の精度の高いサンプリング方法を提供することができるので、物性低下や消費者クレームのより少ない技術を提供することができる。
本発明にかかる充填方法、サンプリング方法は、粒子状吸水剤の充填、サンプリングに適用されうる。この粒子状吸水剤は、例えば、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収体を含む衛生材料等の吸収性物品の製造に好適に適用できる。
2…充填装置
4…ホッパー
6…中間部
8…排出制御部
10…載置部
12…振動発生器(10、12を併せて振動体という)
14…フレーム
16…充填容器(フレキシブルコンテナバッグ)
18…排出口
20…吊りベルト
22…吊り部
24…戴置部上面
26…パレット。
なお、本出願では、2013年 9月30日に出願された日本国特許出願2013−203059号の開示内容および2014年4月23日に出願された日本国特許出願2014−089598の開示内容が参照により全体として引用されている。

Claims (25)

  1. 粒子状吸水剤を充填容器に充填する充填工程と、前記充填容器を前記充填容器外部から振動させる振動工程とを有し、前記充填工程の開始から終了までの間に、少なくとも一回の振動工程を施す、粒子状吸水剤の充填方法であって、
    前記振動工程における振動条件が、下記(a)および(b)の条件を満たす、粒子状吸水剤の充填方法。
    (a)前記充填容器と接触する振動体の振動が、鉛直方向成分を有し、振動角が、90°±30°以内である
    (b)前記振動体の無荷重での全振幅および無荷重での振動数の設定が、下記式1−1および式2、または、式1−2および式2を満足する
    なお、加速度および振動指数が、それぞれ下式3および下式4により算出される値である。
  2. 前記加速度が、10G以下である、請求項1に記載の充填方法。
  3. 前記振動工程が、前記粒子状吸水剤の最終充填量W2に対する、前記粒子状吸水剤の充填量W1の比率としてW1/W2で表したときに、W1/W2=10〜100重量%の時に施される、請求項1または2に記載の充填方法。
  4. 前記振動体の無荷重での振動数が、10〜90Hzである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の充填方法。
  5. 粒子状吸水剤表面から30cm以内の空間部における相対湿度が、30〜65%Rhである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の充填方法。
  6. 前記粒子状吸水剤1tあたり5〜50kgの質量を有する交換可能な板状体であるパレットを用いて行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の充填方法。
  7. 前記W2が、前記式1−1において、20000kg以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の充填方法。
  8. 前記振動工程における前記粒子状吸水剤の温度が、30〜70℃である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の充填方法。
  9. 前記粒子状吸水剤が、吸水性樹脂を含んで構成され、前記吸水性樹脂が、不定形破砕状である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の充填方法。
  10. 前記粒子状吸水剤の嵩比重が、0.50〜0.70(g/ml)である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の充填方法。
  11. 前記粒子状吸水剤が、ベルト重合する工程を含む製造方法により得られた、請求項1〜10のいずれか1項に記載の充填方法。
  12. 振動の発生に、アンバランスマス型の振動発生器を複数用いて、水平方向の振幅を打ち消しあうように配置することによって、振動方向を調整する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の充填方法。
  13. 前記振動角が、90°±20°以内である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の充填方法。
  14. 充填容器に充填されている、充填体積がV(cm)である粒子状吸水剤充填物をサンプリングする方法であって、
    同一充填物からサンプリングする数をn(個)とし、また、互いに隣り合う各サンプリング箇所間の距離をx(cm)とするときに、以下(1)および(2)の条件を必ず満たすように設定する、粒子状吸水剤充填物をサンプリングする方法:
    ただし、mは、3または
    のいずれか大きい方である、
    ただし、
    である。
  15. 請求項14に記載の方法によりサンプリングされた各サンプルを分析して得られた物性値の算術平均値を粒子状吸水剤充填物の代表吸水物性値とする、粒子状吸水剤充填物の代表吸水物性値の決定方法。
  16. 同一充填物から3箇所以上サンプリングされた粒子状吸水剤の各吸水物性値の相対標準偏差が、以下の(a)〜(d)の少なくとも1つを満たす、粒子状吸水剤充填物:
    (a)無加圧下吸水倍率(CRC)の相対標準偏差が2%以下
    (b)食塩水流れ誘導性(SFC)の相対標準偏差が6%以下
    (c)加圧下吸水倍率(AAP)の相対標準偏差が1%以下
    (d)吸水速度(FSR)の相対標準偏差が5%以下
    であり、
    前記サンプリングが、請求項14に記載の方法により行われた、粒子状吸水剤充填物。
  17. 3箇所以上サンプリングされた粒子状吸水剤の各吸水物性値の算術平均値が、以下の(e)〜(h)の少なくとも1つを満たす、請求項16に記載の粒子状吸水剤充填物。
    (e)CRCが5〜40(g/g)
    (f)SFCが20(×10−7・cm・s・g−1)以上
    (g)AAPが20(g/g)以上
    (h)FSRが0.25(g/g/s)以上
  18. 粒子状吸水剤の嵩比重が、0.50〜0.70(g/ml)である、請求項16または17に記載の粒子状吸水剤充填物。
  19. 吸水性樹脂を含んで構成され、前記吸水性樹脂が、不定形破砕状粒子である、請求項16〜18のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤充填物。
  20. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の充填方法で充填された、請求項16〜20のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤充填物。
  21. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の充填方法で充填された、粒子状吸水剤充填物。
  22. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の充填方法で充填された、粒子状吸水剤充填物であって、
    上記充填物から3箇所以上サンプリングされた粒子状吸水剤の各吸水物性値の相対標準偏差が、以下の(a)〜(d)の少なくとも1つを満たす、粒子状吸水剤充填物:
    (a)無加圧下吸水倍率(CRC)の相対標準偏差が2%以下
    (b)食塩水流れ誘導性(SFC)の相対標準偏差が6%以下
    (c)加圧下吸水倍率(AAP)の相対標準偏差が1%以下
    (d)吸水速度(FSR)の相対標準偏差が5%以下。
  23. 3箇所以上サンプリングされた粒子状吸水剤の各吸水物性値の算術平均値が、以下の(e)〜(h)の少なくとも1つを満たす、請求項22に記載の粒子状吸水剤充填物。
    (e)CRCが5〜40(g/g)
    (f)SFCが20(×10−7・cm・s・g−1)以上
    (g)AAPが20(g/g)以上
    (h)FSRが0.25(g/g/s)以上
  24. 粒子状吸水剤の嵩比重が、0.50〜0.70(g/ml)である、請求項22または23に記載の粒子状吸水剤充填物。
  25. 吸水性樹脂を含んで構成され、前記吸水性樹脂が、不定形破砕状粒子である、請求項2224のいずれか1項に記載の粒子状吸水剤充填物。
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