JP4157333B2 - 表面改質された吸水性樹脂粉末の連続製造方法 - Google Patents

表面改質された吸水性樹脂粉末の連続製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水性樹脂粉末の連続製造方法に関する。さらに詳しくは、重合工程、乾燥工程、粉砕工程,分級工程および表面改質工程とこれらの工程を連結する移送工程を含み、表面改質された吸水性樹脂粉末を連続的に製造する方法であって、吸水性樹脂の表面改質効果を高めて、無加圧下でも加圧下でも高い吸収倍率や高い生理食塩水流れ誘導性を示す表面改質された吸水性樹脂粉末の連続製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙オムツや生理用ナプキン、いわゆる失禁パット等の衛生材料には、その構成材として、体液を吸収させることを目的とした吸水性樹脂が幅広く使用されている。吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリル酸グラフト重合体加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、およびカチオン性モノマーの架橋重合体等が知られている。
【0003】
上記の吸水性樹脂が備えるべき特性として、一般に、体液等の水性液体に接した際の優れた吸水量や吸水速度、ゲル強度、ゲル通液性、水性液体を含んだ基材から水を吸い上げる吸引力等が挙げられている。
これらの特性を併せ持ち、紙オムツや生理用ナプキン等の衛生材料に用いられた場合に優れた性能を発揮する吸水性樹脂が、従来、種々提案されている。
吸水性樹脂の無加圧下吸収倍率および加圧下吸収倍率等の吸収特性をバランス良く改良する方法として、吸水性樹脂粉末の表面を改質する技術が知られている。吸水性樹脂粒子の表面を架橋する、吸水性樹脂粒子の表面に水不溶性粉末を付着させる、吸水性樹脂粉末に消臭剤、抗菌剤、耐久性向上剤その他の添加剤を付着させる、などの改質技術である。
【0004】
表面架橋技術に関しては、例えば、特開昭58−180233号公報、特開昭61−16903号公報、特開昭59−189103号公報、特開昭52−117393号公報、特開昭51−136588号公報、特開昭61−257235号公報、特開昭62−7745号公報、特開昭61−211305号公報、特開昭61−252212号公報、特開昭61−264006号公報、独国特許第4020780号公報、特開平11−315216公報等が知られている。水不溶性粉末付着技術に関しては、例えば、特開平11−12367号公報等に、シリカ微粉末や有機微粉末を吸水性樹脂粉末に添加する方法が開示されている。消臭剤、抗菌剤、耐久性向上剤その他の添加剤を吸水性樹脂粉末に添加する改質技術に関しては、例えば、特開平11−5847号公報、特開平11−267500号公報および特開平11−315148号公報等に開示されている。
【0005】
ところで、近年、吸水性樹脂の製造量が増すにつれてその製造の各工程が連続化されているが、より高い物性を持つ吸水性樹脂が求められるにつれて表面改質工程や微粉回収工程などが付加されるため工程数が増し、製造ラインが長くなる傾向にある。物性面でも、非常に粒度分布が狭い吸水性樹脂粉末や、吸収倍率が高く水可溶分が少ない吸水性樹脂粉末が求められ、さらに、近年は、加圧下吸収倍率や加圧下通液性などの高いことが必須に求められるようになっている。
しかし、かかる高物性の吸水性樹脂を高生産性で得るに際して、高い物性で安定させることは非常に困難であり、連続生産に際して高物性と高生産量は一般に相反する。一般に、生産量(スケール)を上げると物性が低下する傾向にあった。すなわち、重合工程、乾燥工程、粉砕工程,分級工程および表面改質工程とこれらの工程を連結する移送工程を含み、表面改質された吸水性樹脂粉末を連続的に製造する方法において、粒度分布が狭く高物性の吸水性樹脂を高い生産性で連続的に生産することは非常に困難なことであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑みて、本発明の課題は、重合工程、乾燥工程、粉砕工程,分級工程および表面改質工程とこれらの工程を連結する移送工程を含み、表面改質された吸水性樹脂粉末を連続的に製造する方法において、粒度分布が狭く高物性の吸水性樹脂を高い生産性で連続的に製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために種々検討し、試行錯誤を繰り返した結果、重合工程、乾燥工程、粉砕工程,分級工程および表面改質工程とこれらの工程を繋ぐ移送工程を備えて、高品質の吸水性樹脂粉末を高い生産性で連続に製造するためには、吸水性樹脂粉末の流れ量の制御がもっとも重要であり、この制御を巧みに施した上で、吸水性樹脂粉末の定量供給を行うようにすれば良いことを見出した。
そして、上記移送工程において、少なくとも2つのホッパを備えるようにし、上記計量供給ホッパにおいては、粉末を収容するタンクの上部にタンク内に吸水性樹脂粉末を供給する供給部、タンクの下部にタンク内の吸水性樹脂粉末を計量して排出する排出部、そして、タンク内の粉末量を検知する検知器を備えさせるようにして、上記知見を実際技術に繋げることに成功し、本発明の方法を完成するとともに、この方法を実施するのに便利な粉面検知器をも併せて完成した。
【0008】
すなわち、本発明にかかる表面改質された吸水性樹脂粉末の連続製造方法は、
重合工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程および表面改質工程をこの順序で含むとともに、これらの工程を連結する移送工程をも含む、表面改質された吸水性樹脂粉末を連続的に製造する方法であって、
表面改質された吸水性樹脂粉末は、不飽和単量体の重合で得られた架橋構造を有するものであり、その質量平均粒子径が300〜600μmであり、その粒度分布において850〜150μmの粒子を90質量%以上含み、その物性が無荷重下吸収倍率25g/g以上、水可溶成分量25質量%以下であるとともに、
前記表面改質工程への吸水性樹脂粉末の移送工程において、吸水性樹脂粉末を収容および排出する緩衝ホッパ、および、該緩衝ホッパの後段に備えられ吸水性樹脂粉末を計量し排出する定量供給ホッパの少なくとも2つのホッパを備え、そのうちの少なくとも1つのホッパは、前記吸水性樹脂粉末を収容するタンクと、前記タンクの上部に配置されていてタンク内に吸水性樹脂粉末を供給する供給部と、前記タンクの下部に配置されていてタンク内の吸水性樹脂粉末を排出する排出部と、タンク内の粉末量を検知する検知器を備えている、
ことを特徴とする。
なお、各工程間に移送工程が全てあることが好ましいが、いずれかの工程間に移送工程がなく、いずれかの工程が直接つながっていてもよい。
【0009】
前記少なくとも2つのホッパは、通常、吸水性樹脂粉末を収容および排出する緩衝ホッパと該緩衝ホッパの後段に備えられ吸水性樹脂粉末を計量して排出する定量供給ホッパである。
上記本発明の方法においては、前記吸水性樹脂粉末を改質する添加剤粉末を移送するための第2の移送工程をも含み、前記第2の移送工程は、前記添加剤粉末を収容するホッパとして少なくとも添加剤粉末を計量排出する定量供給ホッパを備え、前記定量供給ホッパは、前記添加剤粉末を収容するタンクと、前記タンクの上部に配置されていてタンク内に添加剤粉末を供給する供給部と、前記タンクの下部に配置されていてタンク内の添加剤粉末を排出する排出部と、タンク内の粉末量を検知する検知器を備えていることが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<吸水性樹脂粉末>
本発明において、吸水性樹脂とは吸水性樹脂100%のみを指すのでなく、吸水性樹脂に添加剤(改質剤など)や水などを含んだ組成物をも総称して吸水性樹脂と呼ぶこととする。等量程度の水を含んでいても、見かけ上も取り扱い上も、乾燥した粉末と異ならないからである。したがって、純粋の樹脂分の含有量が100質量%である場合のみでなく、90質量%以上の場合でも、80質量%以上の場合でも、さらには50質量%以上の場合でも、これを吸水性樹脂と称することがあるのである。吸水性樹脂としては、好ましくは、樹脂分の含有量が多いものである。なお、本明細書においては、質量(質量%)は重量(重量%)と同義語として扱う。
【0012】
本発明において、吸水性樹脂とは、通常、水膨潤性水不溶性の親水性架橋重合体のことであり、例えば、イオン交換水中ないし生理食塩水中において、自重の5倍以上、50倍から1000倍という多量の水を吸収し、アニオン性、ノニオン性またはカチオン性の水不溶性ヒドロゲルを形成するものを言う。
本発明によれば、無加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性のバランスに優れた良好な吸収特性を備えた吸水性樹脂粉末を簡便に製造することができ、農園芸保水剤、工業用保水剤、吸湿剤、除湿剤、建材、などで広く用いられるが、この吸水性樹脂粉末は紙おむつ、生理用ナプキンなどの、糞、尿ないし血液の吸収用衛生材料に特に好適に用いられる。本発明の方法で得られる吸水性樹脂粉末は、以下に述べるごとく、各種物性にバランスよく優れるため、衛生材料として用いる場合、一般の吸水性樹脂粉末の濃度(吸水性樹脂粉末および繊維基材の合計に対する吸水性樹脂粉末の質量比)として高濃度、例えば30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%の範囲、さらに好ましくは50〜95質量%で使用可能である。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によって得られる吸水性樹脂粉末の諸物性は以下のとおりである。
(a)粒度
吸水性樹脂粉末は、不飽和単量体の重合で得られた架橋構造を有するものであり、かつ、その粉末の質量平均粒子径300〜600μmで850〜150μmの粒子を90質量%以上含み、その物性が無荷重下の吸収倍率が25g/g以上、水可溶性成分が25質量%以下である。
吸水性樹脂粉末の粒径としては、狭い粒度分布、具体的には、質量平均粒子径が300〜600μmであり、850〜150μmの粒子が90〜100質量%とされる。平均粒子径は好ましくは350〜550μm、さらには400〜500μmとされ、850〜150μmの粒子は95〜100質量%、さらには98〜100質量%の範囲とされる。かかる範囲に制御するに、本発明の方法は好適であり、かかる粒度制御で高物性の漏れの少ない衛生材料を与える。さらに、その嵩比重(JIS K−3362で規定)は、吸水性樹脂の優れた物性から好ましくは0.40〜0.80g/ml、より好ましくは0.50〜0.75g/ml、さらに好ましくは0.60〜0.73g/mlの範囲である。
(b)吸収倍率
吸水性樹脂粉末の0.90質量%生理食塩水に対する吸収倍率(CRC)は25g/g以上、好ましくは31g/g以上である。CRCが31g/g以上となることによって、衛生材料の吸収に臨界的に優れ、コンパクトな衛生材料を達成でき、さらに吸収体のコスト低減にもなり、かかる物性を安定的に与えるに好適である。CRCはより好ましくは32g/g以上、さらに好ましくは33g/g以上、さらにより好ましくは34g/g以上、特に好ましくは35g/g以上、特により好ましくは36g/g以上である。
(c)水可溶成分量
吸水性樹脂粉末は、実質水不溶性であり、その水可溶成分量(可溶分量)が25質量%以下、好ましくは20質量%以下、さらは10質量%以下である。可溶分量が少ないことで、ゲル安定性も増しさらに衛生材料でもヌメリ感もなくなり、かかる物性を安定的に与えるに本発明の方法は好適である。
(d)加圧下吸収倍率
吸水性樹脂粉末は、0.90質量%生理食塩水に対する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率(AAP)が20g/g以上であることが好ましく、かかる物性を安定的に与える上で、本発明の方法は好適である。
【0014】
AAPが20g/g以上となることによって、吸水性樹脂粉末を紙おむつの吸水体(繊維材料と吸水性樹脂からなる吸水部のこと)の一部に使用した場合、吸水体に吸収された尿がおむつの表面への戻りを防ぐ効果が非常に大きくなる。加圧下吸収倍率はより好ましくは22g/g以上、さらに好ましくは24g/g以上、さらにより好ましくは25g/g以上、特に好ましくは26g/g、特により好ましくは27g/g以上である。加圧下吸収倍率が20g/gよりも小さいと、吸水体に吸収された尿がおむつの表面への戻りを防ぐ効果が非常に小さくなる点で好ましくない。
(e)生理食塩水流れ誘導性
吸水性樹脂粉末は、0.69質量%生理食塩水の流れ誘導性(SFC)が20(単位:10-7×cm3×s×g-1)以上であることが好ましい。SFCは、吸水性樹脂粉末の膨潤後の通液性に、非常に大きな影響を与える。例えば、吸水性樹脂粉末を紙おむつの吸水体の一部に使用した場合、通液性を良好にし、吸水体に液を十分に行き渡らせ、吸水量を増大させ、液の漏れを防止するという効果が著しく向上する。SFCは、より好ましくは25(10-7×cm3×s×g-1)/以下、単位は同じ)以上、さらに好ましくは30以上、さらにより好ましくは35以上、特に好ましくは40以上、特により好ましくは50以上である。SFCが20よりも小さいと、例えば、紙おむつの吸水体の一部に使用した場合の通液性が低下し、吸水体に液が局在化し、吸液量が減少し、液の漏れが多くなり、吸水体としての性能が著しく低下する点で好ましくない。
吸水性樹脂粉末の上記諸物性は以下の方法で測定されるものである。
(a)粒度(質量平均粒径)
吸水性樹脂粉末を目開き850μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μmなどのJIS標準ふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、質量平均粒子径(D50)を読み取る。
(b)吸収倍率(無加圧下吸収倍率・CRC)
0.90質量%生理食塩水に対する無加圧下30分での吸収倍率である。吸水性樹脂粉末0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、室温で0.9質量%生理食塩水中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の質量W1(g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂を用いずに行い、その時の質量W0(g)を測定した。そして、これらW1、W0から、次式に従って無加圧下吸収倍率(g/g)を算出する。
【0015】
無加圧下吸収倍率(g/g)=(W1(g)−W0(g))/吸水性樹脂粉末の質量(g)
(c)水可溶成分量(可溶分量)
250ml容量の蓋付きプラスチック容器に0.9質量%NaCl水溶液(生理食塩水)の184.3gを測り取り、その水溶液中に吸水性樹脂粉末1.00gを加え16時間攪拌することにより吸水性樹脂粉末中の可溶分を抽出した。この抽出液を濾紙を用いて濾過することにより得られた濾液の50.0gを測り取り測定溶液とする。
【0016】
以下、溶出したポリアクリル酸(塩)をpH滴定することで可溶分量を求めた。
(d)加圧下吸収倍率(AAP)
0.90質量%生理食塩水に対する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率である。内径60mmのプラスチックの支持円筒の底に、ステンレス製400メッシュの金網(目の大きさ38μm)を融着させ、該網上に吸水性樹脂粉末0.900gを均一に散布し、その上に、吸水性樹脂粉末に対して4.83kPaの荷重を均一に加えることができるよう調整された、外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との隙間が生じず、かつ上下の動きが妨げられないピストンと荷重とをこの順に載置し、この測定装置一式の質量Wa(g)を測定する。直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mmのガラスフィルターを置き、0.9質量%生理食塩水(25℃)をガラスフィルターと同じレベルになるように加える。その上に、直径90mmの濾紙を載せ、表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除く。上記測定装置一式を前記湿った濾紙上に載せ、液を荷重下で吸収させる。1時間後、測定装置一式を持ち上げ、その質量Wb(g)を測定する。そして、Wa、Wbから、次式に従って加圧下吸収倍率(g/g)を算出する。
【0017】
加圧下吸収倍率(g/g)=(Wa(g)−Wb(g))/吸水性樹脂の質量((0.9)g)
(e)生理食塩水流れ誘導性(SFC)
特表平9−509591の生理食塩水流れ誘導性(SFC)試験に準じて行う。すなわち、容器40に均一に入れた吸水性樹脂粉末(0.900g)を人工尿中で0.3psi(2.07kPa)の加圧下、60分間膨潤させ、ゲルの層の高さを記録し、次に0.3psi(2.07kPa)の加圧下、0.69質量%塩化ナトリウム水溶液を、一定の静水圧でタンクから膨潤したゲル層を通液させる。このSFC試験は室温(20〜25℃)で行う。コンピュータと天秤を用い、時間の関数として20秒間隔でゲル層を通過する液体量を10分間記録する。膨潤したゲル(の主に粒子間)を通過する流速Fs(t)は増加質量(g)を増加時間(s)で割ることによりg/sの単位で決定する。一定の静水圧と安定した流速が得られた時間をtsとし、tsと10分間の間に得たデータだけを流速計算に使用して、tsと10分間の間に得た流速を使用してFs(t=0)の値、つまりゲル層を通る最初の流速を計算する。Fs(t=0)はFs(t)対時間の最小2乗法の結果をt=0に外挿することにより計算される。
【0018】
Figure 0004157333
ここで、
s(t=0):g/sで表した流速
0:cmで表したゲル層の高さ
ρ:NaCl溶液の密度(1.003g/cm3
A:セル41中のゲル層上側の面積(28.27cm2
ΔP:ゲル層にかかる静水圧(4920dyne/cm2
およびSFC値の単位は(10-7×cm3×s×g-1)である。
【0019】
人工尿としては、塩化カルシウムの2水和物0.25g、塩化カリウム2.0g、塩化マグネシウムの6水和物0.50g、硫酸ナトリウム2.0g、りん酸2水素アンモニウム0.85g、りん酸水素2アンモニウム0.15g、および、純水994.25gを加えたものを用いる。
<吸水性樹脂粉末の製造ライン>
本発明によれば、以下の述べる連続工程を経て、表面改質された吸水性樹脂粉末を連続的に製造することが出来る。
【0020】
この連続工程は、図1に見るように、重合工程1、乾燥工程2、粉砕工程3、分級工程4および表面改質工程5を備え、これらの工程1〜5は移送工程6a〜6dで互いに連結されている。重合工程1では、混合タンク1a内に原料タンク1bから重合性単量体単量体、原料タンク1cから開始剤、原料タンク1dから内部架橋剤がそれぞれ供給され、ここで連続的に混合されたあと、連続的に重合が行われる。得られたゲル状架橋重合体は、移送工程6aを経て乾燥工程2に送られ、ここで連続乾燥されたのち、移送工程6bを経て粉砕工程3に送られるのであるが、この移送工程6bには乾燥工程2での乾燥量と粉砕工程3での粉砕量のバランスを取るために緩衝ホッパ7aが設置されている。すなわち、粉砕量が少ない場合は乾燥後の吸水性樹脂粉末をこの緩衝ホッパ7a内に一時貯蔵し、反面、粉砕量が多い場合はこの緩衝ホッパ7aに貯蔵していたゲル状架橋重合体(ないしその粒状乾燥物)を多い目に排出させてバランスを取るようにするのである。粉砕工程3から出た吸水性樹脂粉末は移送工程6cを経て分級工程4に送られる。この移送工程6cに緩衝ホッパが設置されていても良い。分級工程4から出た吸水性樹脂粉末は移送工程6dを経て表面改質工程5に送られる。図示はしないが、必要に応じて、表面改質工程5のあとにさらに分級工程を設けることもある。上において、移送工程6dには、表面改質工程5に送る吸水性樹脂粉末の量を定量化するための定量供給ホッパ7bが設置されている。表面改質の効果を高める上で、供給量の定量性が極めて重要であるからである。定量供給ホッパ7bによる定量性を高めるためには、定量供給ホッパ7b内の粉末量を一定範囲内に保っておくことが重要であるので、定量供給ホッパ7bの前段には緩衝ホッパ7cが設置されている。
【0021】
表面改質工程5には、第2の移送工程8を経て、表面改質のための超微粉末である添加剤粉末が第2の定量供給ホッパ9から供給されている。添加剤粉末は、吸水性樹脂粉末とは異なり、表面改質しつつホッパに絶えず供給し続けると言うようなものではないので、緩衝ホッパを前段に設けておく必要は通常はない。
(緩衝ホッパと定量供給ホッパ)
吸水性樹脂粉末の移送工程において設置されている緩衝ホッパと定量供給ホッパについて、その配置方法の2つの例を以下に詳しく説明する。
図2に見るように、定量供給ホッパ100は、吸水性樹脂粉末を収容するタンク101と、タンク101の上部に配置されていてタンク101内に吸水性樹脂粉末を供給する供給部102と、タンク101の下部に配置されていてタンク101内の吸水性樹脂粉末を計量して排出する排出部103と、タンク101内の粉末量を検知する検知器104を備えている。この実施例では、検知器104は、ロードセル式であって、タンク101とその内部に収容されている吸水性樹脂粉末の合計質量からタンク101の質量を差し引く形でタンク101内の吸水性樹脂粉末量を検知するようになっている。タンク101の下部にはバイブレータ105が設けられていて、タンク101は内面振動式となっている。すなわち、タンク101は、バイブレータ105の振動により、タンク101内の吸水性樹脂粉末がタンク内面に付着するのを防ぎ、吸水性樹脂粉末の自重によるタンク下部への移動を円滑にさせている。なお、ロードセルは重量を測定するものであるが、ここでは質量と統一して呼ぶ。
【0022】
他方、定量供給ホッパ100の前段に設置されている緩衝ホッパ110は、吸水性樹脂粉末を収容するタンク111と、タンク111の上部に配置されていてタンク111内に吸水性樹脂粉末を供給する供給部112と、タンク111の下部に配置されていてタンク111内の吸水性樹脂粉末を排出する排出部113と、タンク111内の粉末量を検知する検知器114を備えている。この検知器114もロードセル式である。緩衝ホッパ110は、吸水性樹脂粉末となる含水ゲル状重合体の製造量と表面処理量のバランスを取るために設けられているので、厳密な収容量制御は必要としない。したがって、検知器114は省略しても良い。タンク111はバイブレータを備えていないが、これを設置した内面振動式としても良い。
【0023】
定量供給ホッパ100は、緩衝ホッパ110の後段に設置しているため、緩衝ホッパ110のバランス作用で、その内部収容量を常に所定範囲に保つことができて、定量性が良いものとなっている。
図2の実施形態について、その運転方法の一例を以下に述べる。
▲1▼ 重合・乾燥・粉砕・分級により得られた吸水性樹脂粉末(表面処理前)を緩衝ホッパ110に入れる。
▲2▼ 緩衝ホッパ110に設置しているロードセル式検知器114により粉末量を監視する。
【0024】
▲3▼ 緩衝ホッパ110は、その排出部113に遮断弁とロータリーバルブを備えているので、これらを開き、内部の吸水性樹脂粉末をコンベア式などの移送工程に排出する。
▲4▼ 定量供給ホッパ100は、移送工程を経て緩衝ホッパ110から送られてきた吸水性樹脂粉末をその供給部102から受け取る。定量供給ホッパ100は、その内部に収納した吸水性樹脂粉末量をロードセル式の検知器104で絶えず監視しており、タンク101内部の粉末量が一定範囲内の量で納まるように、緩衝ホッパ110の遮断弁の開閉を制御する。
【0025】
▲5▼ 定量供給ホッパ100は、その内部の吸水性樹脂粉末を計量しつつ排出部103から表面処理剤混合装置(図示省略)に所定量、送り込む。図示はしないが、表面処理剤混合装置には表面処理剤も同時に送り込まれている。
▲6▼ 表面処理剤混合装置で混合された後の加湿物を熱処理機(図示省略)に供給し、表面架橋反応を行わせ、吸水性樹脂粉末(表面処理後)を得る。
以下では、上の定量供給ホッパについて、さらに詳しく説明する。
本発明では、上記のごとく、各移送工程において、定量供給ホッパを用いている。この定量供給ホッパは、タンク、タンク内への粉末の供給部、タンク内からの粉末の排出部、および、タンク内における吸水性樹脂粉末や添加剤粉末の量を検知する検知器を備えている。
【0026】
第1の移送工程では、吸水性樹脂粉末を生産しつつ表面改質工程に送るため、その量的バランスを取るための緩衝2ホッパも備えている。緩衝ホッパは、厳密な定量性を必要としないが、タンク、タンク内への粉末の供給部、タンク内からの粉末の排出部のほかに、やはり、タンク内における吸水性樹脂粉末の量を検知する検知器を備えている。
緩衝ホッパや定量供給ホッパには、その内部に、表面改質される前の吸水性樹脂粉末および/または添加剤粉末(無機微粉末など)が収容される。粉末検知器を備えた緩衝ホッパを用いて移送工程の中間で吸水性樹脂粉末を一時貯蔵し、その上で、定量供給ホッパを用いて定量供給するようにすることで、吸水性樹脂粉末の供給量を精密に制御することができ、吸水性樹脂の物性が大幅に向上し安定させることができる。添加剤粉末の移送工程では原則、定量供給ホッパのみでよい。
【0027】
これらのホッパは、そのタンクがステンレンススチールなどの金属で製造され、粉末、特に吸水性樹脂粉末の付着凝集防止のために、好ましくは40〜100℃の範囲、より好ましくは50〜90℃の範囲に保温ないし加温される。
定量供給ホッパ内の粉末量は、好ましくはタンク容量の20〜80%(容量比)の範囲、より好ましくは30〜70%、さらに好ましくは50〜60%に制御されている。好ましくは、容量比の制御は、その粉末の質量を測定することで行われる。このように制御することで、吸水性樹脂粉末や添加剤粉末の定量供給が安定してなされ、本発明の目的とする高物性の吸水性樹脂粉末を安定的に連続して製造することが可能になる。これに対し、移送工程でこのようなホッパを設けずに行うと、吸水性樹脂粉末の物性が低下したり不安定になったりする。なお、定量供給ホッパの収容量は、緩衝ホッパの収容量よりも小さいことが好ましい。例えば、2/3〜1/30程度が好ましく、1/3〜1/10程度がより好ましい。
【0028】
本発明は、吸水性樹脂粉末の大量生産に特に適しており、たとえば、吸水性樹脂粉末の製造量が500kg/hr以上、好ましくは750kg/hr以上、さらには1000kg/hrで適用される。
(粉末量検知器)
本発明において用いられる粉末量検知器としては、例えば、図2や図3の実施形態で使用していたような検知器があり、大別すれば、(a)ロードセル式などがその具体例であって、容筒の全質量を測定し、そこからタンクの空質量を引けば、粉末の堆積質量が求められる粉末量検知器、(b)音叉式などがその具体例であって、粉末による音叉や振動の違いや静電容量の違いを電気信号に変換し、粉末の表面位置を測定する粉末量検知器、(c)粒径が極めて細かい微粒子を検知する場合に適した方式の検知器であって、吊線に吊り下げられた超軽量フロート板に上昇してきた粉面が当接することで、吊線を介してリミットスイッチの起動子に加わるわずかな力の変化を検知することができる粉末量検知器、(d)超音波式などがその具体例であって、粉末の表面に音波や光を照射し反射させて表面位置を測定する粉末量検知器、(e)チェーンなどで吊り下げた錘を粉末の堆積表面に下ろしていき、錘が粉末の堆積表面に載ったときのチェーンの長さから、粉末の表面位置を測定する粉末量検知器などが挙がられる。これらのタイプ(a)〜(e)の粉末量検知器なかで、好ましくはタイプ(a)〜(c)であり、吸水性樹脂粉末にはタイプ(a)が、添加剤などの微粒子にはタイプ(c)がより好ましく用いられる。
【0029】
上述のように、タイプ(a)の粉末量検知器は吸水性樹脂粉末を特に精度良く一定量供給する際に好ましく使用される。
粉末収容ホッパは、通常、筒状をなす収容筒の上記粉末の供給口を有し、下部には排出口を有している。空気輸送やコンベア等の輸送手段で供給口から収容筒に供給された粉末は収容筒に堆積する。堆積した粉末を使用する際には、排出口を開いて必要量の粉末を取り出す。空気輸送やコンベア等で粉末を供給口から収容筒に供給するときには、収容筒に所定量の粉末が堆積した段階で粉末の供給を停止しなければ、収容筒から不粉末が溢れてしまう。そこで、収容筒における粉末の堆積用を測定したり、所定限度に達したことを検知する検知手段が必要となる。吸水性樹脂粉末を表面架橋剤により表面架橋する場合は特に、吸水性樹脂粉末の供給を非常に精度良く行う必要があり、収容筒における粉末の堆積量が一定である必要がある。つまり、収容筒における粉末の堆積量が多いと、排出部から排出される粉末の嵩密度が自重により大きくなり、また収容筒における粉末の堆積量が少ないと、排出部から排出される粉末の嵩密度が小さくなることにより、一定量供給することが困難となる。このような非常に精度を要求される供給機の前のホッパは非常に精度良くホッパ内の粉末の堆積量を検知し、コントロールすることが必要である。この点、タイプ(a)の粉末量検知器は、前記したように、収容筒の全質量を測定し、そこから収容筒の空質量を引くことにより、粉末の堆積質量が求める粉末量検知器を備えたホッパであり、具体的には、粉末の堆積量を正確に検知し、さらにその情報を供給や排出のコントロールに使用する。タイプ(a)の粉末量検知器は、粉末を堆積させたときに連続的に粉末の質量を検知する装置であって、フレキシブル配管によって縁切りされたホッパ全体の質量を測定する。質量を測定するため、粉末の嵩比重の変化といった粉末の状態には影響されず、また連続的に監視できるためホッパ内の粉末量をほぼ一定に保つことができ、粉末と直接接しないため異物混入の心配もない。
【0030】
次に、タイプ(b)の粉末量検知器も、吸水性樹脂微粉末を精度良く一定量供給する際に使用される。
吸水性樹脂微粉末のうちの微粉末を造粒工程に戻して再使用しようとする場合、吸水性樹脂微粉末によるトラブルが起きないような供給を行う必要がある。つまり、吸水性樹脂微粉末が粉砕条件の変更により多くなったり、少なくなったりしてもその量に応じた、微粉造粒および微粉回収を行う必要がある。そのためには、各種ホッパにおける粉面を検知してその情報によって微粉末が溢れたり空になったりすることを防ぐ必要がある。そのために、数多くの粉面計を必要とし、比較的安価で誤動作が少ない音叉式粉末量検知器や振動式粉末量検知器や静電容量式粉末量検知器がこれらの粉末量検知器として使用できる。タイプ(b)の粉末量検知器は、前記したように粉末による音叉振動の違いや静電容量の違いを電気信号に変換し、粉末の表面位置を測定するものである。具体的には音叉式レベルスイッチ、振動式レベルスイッチ、静電容量式レベルスイッチ、回転式レベルスイッチ、ピストン式レベルスイッチといったような粉末量検知器が好ましく使用できる。タイプ(b)の粉末量検知器は、粉末と空気との性質の違いを利用した非常に簡単な原理で検知するため、非常に誤動作が少なく、安価なため数多くのホッパに使用できる。
【0031】
タイプ(c)の粉末量検知器は、粒径が極めて細かい微粒子を検知する場合に特に適した方式の検知器であるが、その具体例は後述する。
本発明では、上に述べた粉末量検知器のいずれもが使用可能であるが、これらの中でも、タンク内の粉面を検知する粉面検知器か、タンク全体の質量を測定する粉末量検知器が好ましく用いられる。
上記第2の移送工程では、シリカ微粒子などの、粒径が極めて細かい超微粉を定量供給する必要があるため、定量供給ホッパに設置する粉末量検知器の種類を選ぶことが好ましい。そのような観点からすると、上記粉面検知器を用いることが好ましく、後述する吊線を用いてフロートを吊り下げるタイプのものを用いることが特に好ましい。
<超微粉収容ホッパ>
粉末を堆積させる装置として、超微粉収容ホッパがある。
【0032】
ここで、超微粉とは、平均粒径1μm以下、好ましくは平均粒径1〜50nmの範囲の粉末を指している。
超微粉収容ホッパは、基本的には通常の粉末を収容するホッパ装置と共通する構造を備えている。
具体的には、超微粉を収容するタンクと、タンクの上部に配置され、超微粉が供給される供給部と、タンクの下部に配置され、超微粉を排出する定量排出部とを備える。
タンクは、超微粉特性や収容量などの要求性能に合わせて、所定の材料、形状、構造を備えておく。超微粉の排出がスムーズに行われるように、タンクの内面に下から上へと拡がるテーパを設けておくことができる。テーパは、タンクの全高さにわたって設けておいても良いし、排出口に近い下部近くのみに設けておくこともできる。タンクの内面のうち、片側面だけが傾斜していて、それ以外の面は垂直であってもよい。
【0033】
タンクは一般的には円筒状をなしているが、楕円筒状や角筒状をなすものもある。
供給口は、タンクの上面に取り付けられるのが一般的であるが、上面に近い側面に配置されてもよい。供給口には、粉末の搬送手段が接続される。具体的には、空気輸送配管が接続される。スクリューコンベアなどの各種コンベア装置の端部が接続される場合もある。
排出口は、一般的にはタンクの最下部に設けられる。最下部に近い側壁や底面の周辺部に設けられる場合もある。排出口には、粉末の排出量を制御する、排出制御弁や仕切り弁、定量供給装置などを設置しておくことができる。
【0034】
タンクには、タンク内の空気を排出する排気装置や、タンクに振動を加えて、粉末の詰まりや固着を防ぐ加振機構を備えておくこともできる。粉末を加熱したり冷却したりする装置も使用できる。
粉面検知器は、タンクの上面または上面近くの側面に設けられる。粉面検知器のうち、フロートと吊線の一部は、タンクの内部空間に配置される。ガイド筒を設ける場合も、タンクの内部に設けられる。リミットスイッチは、タンクの外部に設置することができる。リミットスイッチの動作部分に粉末が侵入しないようにするには、タンクの外部に設置するほうがよい。リミットスイッチの点検や交換も容易である。タンクの外壁を吊線が貫通している場合、この貫通部分から粉末が漏れ出さないように、吊線の周囲にカバーを設けておくことができる。
【0035】
粉面検知器の配置場所は、タンクの全体における粉面の高さ位置を代表して示すことができる位置が好ましい。供給口から供給される粉末流や空気流の影響を受け難い位置が好ましい。例えば、タンクの上面で、直径方向の一端周辺には供給口となる空気輸送配管を接続し、他端周辺に粉面検知器を設けることができる。
一つの超微粉収容ホッパに複数個の粉面検知器を設けることもできる。複数の粉面検知器のうち、何れか1個所の粉面検知器でも検知出力があれば粉末の供給を終了することができる。複数の粉面検知器の全てで検知出力が得られてから粉末の供給を終了したり、所定個所以上の検知出力で粉末供給を停止したりしてもよい。
【0036】
検知高さの設定が違う複数の粉面検知器を組み合わせれば、何れの粉面検知器から検知出力が得られるかで、粉面の高さ位置の詳しい情報を得ることもできる。
<吸水性樹脂粉末製造ラインの各工程>
吸水性樹脂は一般に単量体溶液の状態で重合され、必要に応じて該重合体を乾燥し、乾燥の前および/または後で粉砕して得られたものであり、中でも酸基含有の吸水性樹脂、さらには、カルボン酸またはその塩であるカルボキシル基含有の吸水性樹脂の1種またはその混合物が好ましく、典型的にはアクリル酸および/またはその塩(中和物)を主成分とする単量体を重合・架橋することにより得られる重合体、すなわち、必要によりグラフト成分を含むポリアクリル酸塩架橋重合体が主成分とされる。
【0037】
(重合工程)
上記アクリル酸塩としては、アクリル酸のナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびアミン塩等を例示することができ、酸基の中和率(中和された酸基のモル%)は30〜100モル%の範囲が好ましく、50〜90モル%の範囲がより好ましい。吸水性樹脂の中和は重合前に単量体の状態で行っても良いし、重合途中や重合後に重合体の状態で行っても良いし、それらを併用してもよい。
本発明で用いる吸水性樹脂を得るための単量体は、必要に応じて上記アクリル酸(塩)以外の単量体を含有していてもよい。アクリル酸(塩)以外の単量体を用いる場合、該アクリル酸(塩)以外の単量体の使用量は、主成分として用いるアクリル酸および/またはその塩との合計量に対して、好ましくは30モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合である。
【0038】
アクリル酸(塩)以外の単量体としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和単量体及びその塩;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン等のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその四級塩等のカチオン性不飽和単量体等が挙げられる。
【0039】
吸水性樹脂としては、架橋剤を使用しない自己架橋型のものであってもよいが、一分子中に、2個以上の重合性不飽和基や2個以上の反応性基を有する架橋剤(吸水性樹脂の内部架橋剤)を共重合または反応させたものがさらに好ましい。
これら内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(エチレンオキサイド変性)トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンなどであり、これらの内部架橋剤を好ましくは0.001〜2モル%、より好ましくは0.005〜0.5モル%、さらに好ましくは0.01〜0.2モル%、特に好ましくは0.03〜0.15モル%の範囲内で用いる。
【0040】
内部架橋剤を用いて架橋構造を重合体内部に導入する場合には、上記内部架橋剤を、上記単量体の重合前あるいは重合途中、あるいは重合後、または中和後に反応系に添加するようにすればよい。
本発明の方法で得られる吸水性樹脂は、上記の単量体(必要により使用される架橋剤)からなる繰り返し単位を有する。グラフト鎖を有していても良い。
上記重合に際しては、反応系に、0〜50質量%(対単量体)、好ましくは05質量%(対単量体)の量で澱粉、セルロース、澱粉・セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子を添加したり、10質量%(対単量体)以下の量で炭酸(水素)塩、二酸化炭素、アゾ化合物、不活性有機溶媒等の各種発泡剤;澱;各種界面活性剤;キレート剤;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤を添加したりしてもよい。
【0041】
上述の単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、性能面や重合の制御の容易さ、さらに膨潤ゲルの吸収特性の観点から、上記単量体を水溶液とすることによる水溶液重合や逆相懸濁重合を行うことが好ましく、水溶液重合が特に好ましい。好ましい水溶液重合としては、双腕型ニーダー中で単量体水溶液を得られる含水ゲルを砕きながら重合したり、所定の容器中や駆動するベルト上に単量体水溶液を供給し重合して得られたゲルをミートチョッパー等で粉砕する方法等が挙げられる。
上記単量体を水溶液とする場合の該水溶液(以下、単量体水溶液と称する)中の単量体の濃度は、水溶液の温度や単量体によって決まり、特に限定されるものではないが、10〜70質量%の範囲内が好ましく、20〜60質量%の範囲内がさらに好ましい。上記水溶液重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用する溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
【0042】
上記の重合を開始させる際には、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤を用いることができ、必要により還元剤を併用することで、両者を組み合わせることによりレドックス系開始剤とすることもできる。上記の還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら重合開始剤の使用量は、通常0.001〜2モル%、好ましくは0.01〜0.1モル%である。
【0043】
反応系に放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより重合反応の開始を行ってもよいし、さらに、上記重合開始剤を併用してもよい。尚、上記重合反応における反応温度は、特に限定されるものではないが、15〜130℃の範囲が好ましく、20〜120℃の範囲内がより好ましい。また、反応時間や重合圧力も特に限定されるものではなく、単量体や重合開始剤の種類、反応温度等に応じて適宜設定すればよい。
(乾燥工程)
前記架橋重合体が水溶液重合で得られたものでゲル状である場合、すなわち含水ゲル状架橋重合体である場合、該架橋重合体は、必要に応じて乾燥し、乾燥の前および/または後で通常粉砕されて吸水性樹脂とする。また、乾燥は通常60℃〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好ましくは120℃〜200℃の温度範囲で行われる。乾燥時間は、重合体の表面積、含水率、および乾燥機の種類に依存し、目的とする含水率になるよう選択される。
【0044】
本発明に用いることのできる吸水性樹脂の含水率(吸水性樹脂中に含まれる水分量で規定/180℃で3時間の乾燥減量で測定)は、特に限定されないが、得られる吸水剤の物性面から室温でも流動性を示す粉末であり、より好ましくは0.2〜30質量%、さらに好ましくは0.3〜15質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%の粉末状態である。
(粉砕工程および分級工程)
吸水性樹脂粉末としては、乾燥粉砕前のゲル状物、すなわち、平均粒径が1000μmを超えるようなものも使用できる場合があるが、一般には粉末状として使用される。
【0045】
上記ゲル状物を乾燥・粉砕・分級をすることにより、目的に応じた粉末粒径に調整される。
このようにして得られた吸水性樹脂の粒子形状は、球状、破砕状、不定形状等特に限定されるものではないが、粉砕工程を経て得られた不定形破砕状のものが好ましく使用できる。
(表面改質工程)
本発明では、上記重合・乾燥・粉砕・分級した吸水性樹脂にさらに表面改質がなされる。
【0046】
吸水性樹脂粉末の表面改質としては、(i)表面架橋剤による表面架橋、(ii)水不溶性微粒子での表面被覆、(iii)界面活性剤での表面被覆、(iv)親水性ないし疎水性高分子での表面被覆、(v)抗菌剤ないし消臭剤での表面被覆、(vi)親水性ないし疎水性の有機化合物での表面被覆、などが挙げられ、これらの中の1種または2種以上が適用されるが、好ましくは、(i)の表面架橋、および/または、(ii)の水不溶性微粒子での表面被覆であり、もっとも好ましくは(i)と(ii)を併せて適用することである。
表面架橋による表面改質
物性面から考慮すると、表面改質剤(表面架橋剤や水不溶性微粒子など)の使用量は、吸水性樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部の範囲、好ましくは0.01〜8質量部の範囲、より好ましくは0.05〜5質量部、最も好ましくは0.1〜2質量部の範囲である。
【0047】
表面架橋は、吸水性樹脂粒子の表面近傍の架橋密度を粒子内部より高めて諸物性の改良を行う操作であり、種々の表面架橋剤(内部架橋剤に対しては第2架橋剤となる)を吸水性樹脂粉末に加えて表面のみ架橋する。
表面架橋剤としては、特に限定する訳ではないが、本発明で意図しているホッパーを用いることの効果の大きさから、脱水反応性架橋剤が好ましく用いられる。ここに、脱水反応性とは、吸水性樹脂の官能基(特に表面近傍の官能基)と架橋剤とが脱水反応すること、好ましくは脱水エステル化および/または脱水アミド化すること、さらに好ましくは脱水エステル化することである。
【0048】
このような脱水反応を行う表面架橋剤としては、具体的には、吸水性樹脂がカルボキシル基を含有する場合は、多価アルコールなどのヒドロキシル基含有の架橋剤、多価アミンなどのアミノ基含有の架橋剤、さらには、アルキレンカーボネートやモノ、ジまたはポリのオキサゾリジノン化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール等のオキセタン化合物などの環状架橋剤であって、その環状架橋剤の開環反応に伴ってヒドロキシル基やアミノ基を生成し該ヒドロキシル基やアミノ基が架橋反応反応を行う環状架橋剤、などが例示される。
脱水反応性架橋剤をより一層具体的に述べると、例えば、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールなどの多価アルコール化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン2−オンのアルキレンカーボネート化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール等のオキセタン化合物ならびに多価オキセタン化合物などであり、これらの中でも、本発明の効果を最大限に発揮するため、多価アルコール、アルキレンカーボネート、オキサゾリジノン化合物、(多価)オキセタン化合物から選ばれた1種以上が好ましく、多価アルコール用いることがもっとも好ましい。
【0049】
表面架橋剤としては、これら脱水反応性架橋剤のほかに、エチレングリコールジグリシジルエーテル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ化合物;2,4−トリレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]などの多価アジリジン化合物、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、鉄、クロム、マンガン、チタン、ジルコニウムなどの多価金属の非脱水反応性架橋剤、などが例示される。
【0050】
吸水性樹脂粉末に表面架橋剤を混合する際には、水および/または親水性有機溶媒を用いてもよい。
水の使用量は、吸水性樹脂粉末100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲、好ましくは0.5〜8質量部の範囲、より好ましくは1〜5質量部の範囲である。
親水性有機溶媒としては、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;アセトン等のケトン類;ジオキサン、アルコキシ(ポリ)エチレングリコール、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ε−カプロラクタムのアミド類;ジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド類などが挙げられ、その使用量は、吸水性樹脂100質量部に対し0〜10質量部の範囲、好ましくは0〜5質量部の範囲、より好ましくは0〜3質量部の範囲である。
【0051】
表面架橋剤の混合方法は特に限定されるものではない。したがって、水や親水性有機溶媒、無機粉末などを、吸水性樹脂粉末に対して別々に混合してもよいし、一括で混合してもよいし、数回に分けて混合してもよいが、好ましくは、これらの全てを予め混合した後に、この混合物を吸水性樹脂に添加し、その際、水溶液化しておくことがより好ましい。
混合に際し、本発明の効果を妨げない範囲で水不溶性微粒子粉末や界面活性剤を共存させてもよい。
上記種々の混合方法の中では、表面架橋剤と必要により水および/または親水性有機溶媒とを吸水性樹脂粉末に滴下混合する方法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。噴霧される液滴の大きさは、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。この際の水溶液の温度は、混合性や安定性の面から、0℃〜沸点、好ましくは5〜50℃、より好ましくは10〜30℃である。混合前の吸水性樹脂粉末の温度は、混合性の面からみて、好ましくは0〜80℃、より好ましくは40〜70℃である。
【0052】
前記混合に用いられる好適な混合装置は、均一な混合を確実にするため大きな混合力を生み出せる装置である。このような混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーディスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等である。
この工程において、加熱処理を行う場合、処理時間は、1分〜180分が好ましく、3分〜120分がより好ましく、5分〜100分が最も好ましい。加熱処理温度(熱媒温度ないし材料温度で規定)は100〜250℃の範囲が好ましく、140℃〜220℃の範囲がより好ましく、150〜230℃の範囲がさらに好ましく、160〜220℃の範囲がもっとも好ましい。
【0053】
加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができ、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、および赤外線乾燥機が例示される。
その他の表面改質
本発明の方法で用いる表面改質では、表面架橋に加えて、あるいは、表面架橋は起さないで実質的には吸水性樹脂に反応しないという意味での不活性な界面活性剤、不活性な消臭剤や不活性な無機微粒子粉末などを用いてもよい。この場合に用いられる界面活性剤や不活性無機微粒子粉末としては、好ましくは、後述の超微粒子、無機微粒子などが使用され、その際には、表面架橋も同時または別途に行うことが好ましい。
【0054】
本発明において、吸水性樹脂粉末の表面改質に用いられる添加剤としてのカチオン性高分子化合物は、吸水剤の衛生材料への固定性などを向上でき、好ましくは質量平均分子量が2000以上で、さらに好ましくは5000以上、最も好ましくは質量平均分子量が10000以上である。その使用量は、吸水性樹脂100質量部に対し好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部、さらに好ましくは0.1〜3質量部である。カチオン性高分子化合物の混合は、単独あるいは溶液(水溶液)で添加され、好ましくは、表面架橋後に添加される。カチオン性高分子化合物の具体例としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアミドアミンとエピクロルヒドリンの縮合物、ポリアミジン、ポリ(N−ビニルホルムアルデヒド)の部分加水分解物またはこれらの塩などが例示される。
【0055】
本発明においては、添加剤として水不溶性微粒子を用いると、吸水性樹脂粉末の通液性や吸湿時の耐ブロッキング性などを改善することができる。水不溶性微粒子としては、好ましくは10μm以下、さらには1μm以下、特に0.1μm以下の無機または有機の水不溶性微粒子が用いられ、具体的には酸化珪素(商品名、Aerosil、日本アエロジル社製)、酸化チタン、酸化アルミ、などが用いられる。混合は粉末混合(Dry−Blend)やスラリー混合で行われるが、その際の使用量は吸水性樹脂粉末100質量部に対して好ましくは10質量部以下、より好ましくは0.001〜5質量部、さらに好ましくは0.01〜2質量部である。
【0056】
本発明においては、表面架橋とは別に、必要に応じてさらに、消臭剤、抗菌剤、香料、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類、キレート剤、殺菌剤、ポリエチレングリコールやポリエチレンイミンなどの親水性高分子、パラフィンなどの疎水性高分子、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂やユリア樹脂などの熱硬化性樹脂等を添加する等、吸水性樹脂に種々の機能を付与するための添加工程を含んでいてもよい。これらの添加剤の使用量は吸水性樹脂粉末100質量部に対して0〜10質量の範囲、好ましくは0〜1質量部の範囲である。なお、これら表面架橋後、ないし、添加剤添加後も、本発明では吸水性樹脂と総称することがある。
【0057】
(移送工程)
本発明にかかる吸水性樹脂粉末の連続製造方法では、含水ゲル状架橋重合体乾燥物の粉砕後に、上記乾燥物粉末を輸送機などを用いて連続的に移送する工程を含む。
上記連続移送工程で用いられる輸送機としては、たとえば、ベルトコンベヤー、スクリューコンベヤー、チェーンコンベヤー、振動コンベヤー、ニューマチックコンベヤー等や、その内壁面を外側から加熱する手段および/または保温する手段を備えたものを挙げることができる。これらの輸送機のうちでも、チェーンコンベヤーまたはニューマチックコンベヤーが好ましい。
【0058】
上記連続移送工程においては、少なくとも一部を空気輸送で行うことが好ましい。乾燥物粉末すなわち、高物性の吸水性樹脂粉末の、輸送による損傷を低減するためにも、また、金属性異物の混入を抑えるためにも、連続輸送工程の一部が空気輸送でなされることが好ましい。
この連続移送工程では、輸送機の内壁面を外側から加熱した状態および/または保温した状態にすることが好ましい。輸送機での凝集を有効に防止することができる傾向があるからである。
<新規な粉面検知器>
定量供給ホッパなどは通常、筒状をなすタンクの上部に粉末の供給口を有し、下部には排出口を有している。空気輸送などの搬送手段で供給口からタンクに供給された粉末はタンクに堆積する。堆積した粉末を使用する際には、排出口を開いて必要量の粉末を取り出す。空気輸送などで粉末を供給口からタンクに供給するときには、タンクに所定量の粉末が堆積した段階で粉末の供給を停止しなければ、タンクから粉末が溢れてしまう。
【0059】
そこで、タンクにおける粉末の堆積量が所定限度に達したことを検知する検知手段が必要になる。ところが、前記した空気輸送でホッパに粉末を供給する場合、大量の空気に浮遊した状態で粉末が供給され、タンクに供給されたあとも粉末が空気中に浮遊したり舞い上がったりしている状態になっているため、タンク内の粉末量あるいは粉面を正確に測定し難いという問題がある。特に、粉末として、平均粒径1μm以下(好ましくは平均粒径50nm以下)で、かつ、嵩比重600g/L以下(好ましくは1〜500g/L、より好ましくは10〜300g/L)の超微粉を取り扱う場合には、上記した問題は余計に甚だしくなり、ホッパにおける粉面を正確に知ることが難しい。このような超微粉を取り扱う用途として、吸水性樹脂粒子に超微粉を付着させる処理を行う吸水性樹脂粒子の製造方法がある。本発明のホッパ(a)は前記したような粉末、特に超微粉をホッパのタンクなどに堆積させたときに、粉末の堆積量、具体的には粉末の表面位置すなわち粉面を正確かつ簡単に検知できるようにすることである。
【0060】
本発明にかかる粉面検知器は、粉末を堆積させたときに上昇する粉面を検知する装置であって、前記粉面の上方に上下動可能に支持され、粉面が上昇したときに粉面がその下面に当接するフロートと、前記フロートを吊り下げて上下動可能に支持する吊線と、前記吊線を支持し、吊線を介して加わるフロートの重さの変化で動作する起動子を有するリミットスイッチとを備える。
粉末、特に粒径が極めて細かい超微粉を、各種の工業用途で利用する際に、定量供給ホッパが使用されている。タンクにおける粉末の堆積量が所定限度に達したことを検知する検知手段が必要になる。吸水性樹脂の原料として ところが、前記した空気輸送でホッパに粉末を供給する場合、大量の空気に浮遊した状態で粉末が供給され、タンクに供給されたあとも粉末が空気中に浮遊したり舞い上がったりしている状態になっているため、タンク内の粉末量あるいは粉面を正確に測定し難いという問題がある。
【0061】
空気中に浮遊している状態の粉末は、タンクの質量には加わらないので、タンクの質量を測定しても,粉末の収容量を正確に知ることはできない。粉末が空気中に浮遊している状態では、音波や光を粉面で正確に反射させることができず、音波や光による粉面の検出は困難である。
粉末を堆積させて収容したり保管したりする際に、堆積された粉末の表面すなわち粉面の高さ位置を知る必要がある機器や装置に取り付けて使用する。
粉末を堆積させたときに上昇してくる粉面の高さを、所定の限度に制限する必要がある用途に使用される。
【0062】
粉末を収容する装置として、各種化学製品の製造ラインにおけるホッパ装置や計量装置、混合撹拌装置、貯蔵装置、運搬容器、輸送車両などが挙げられる。
以下に詳しく説明する、本発明にかかる新規な粉面検知器は、上述のような場合に対応するために開発されたものであって、超微粉末である添加剤粉末を収容するタンクにおいて粉末を堆積させたときに上昇する粉面を検知するために前記タンクに備えられた検知器であって、前記粉面の上方に上下動可能に支持され、粉面が上昇したときに粉面がその下面に当接するフロートと、前記フロートを吊り下げて上下動可能に支持する吊線と、前記吊線を支持し、吊線を介して加わるフロートの重さの変化で動作する起動子を有するリミットスイッチと、を備える。
【0063】
以下では、その各構成要素を詳しく説明する。
〔フロート、好ましくはフロート板〕
粉末を堆積させたときに上昇してくる粉面が、その下面に当接して、粉末によって持ち上げられることで、粉面の高さ位置を検知する機能を果たす。すなわち、粉末に対して浮遊するフロート部分が用いられる。
軽量で粉末によって持ち上げられ易い材料からなるものが、粉面の上昇を敏感に検知できて好ましい。但し、その重さの変化でリミットスイッチの起動子を切替動作させることができる程度の質量が必要である。周囲の環境における空気流の影響で妄りに浮き上がったり傾いたりしないことも求められる。
【0064】
フロート(好ましくはフロート板)の形状は、粉末の種類、ホッパーの大きさや形状によっても適宜決定されるが、例えば、粉面に当接する単位面積当たりの質量が0.000001〜0.2g/mm2、さらには0.00001〜0.002g/mm2、特に0.0001〜0.0002g/mm2程度のものが使用できる。一つのフロートの質量として、0.3〜400g、さらには0.3〜40g、特に3〜4gの範囲のものが使用できる。フロートの厚みとして、0.07〜800mm、0.7〜80mm、7〜8mmの範囲のもの、面積が20〜3000cm2、さらには200〜300cm2の範囲のものが使用できる。
【0065】
フロートの表面に粉末が固着したり、粉末との接触で変質したり劣化したりし難い材料が好ましい。
フロートの具体的な材料として、ポリスチレンなどの合成樹脂発泡板が使用できる。
フロートの形状は、粉面の上昇を確実に検知できれば任意に設定できる。ガイド筒を使用する場合は、ガイド筒の内形状に入る形状に設定する必要がある。具体的には、矩形、多角形、円形その他の形状が採用できる。
フロートは通常、平坦な板状をなすが、目的とする機能に支障がない範囲で、凹凸や屈曲、湾曲、孔、溝などがあってもよい。
【0066】
〔吊線〕
フロートを吊り下げて支持できる程度の強度があればよい。リミットスイッチの動作を敏感にするため、単位長さ当たりの質量が軽いものが好ましい。超軽量フロートおよび吊線の質量を効率的にリミットスイッチの起動子の作動力に変換できるように、可撓性があるもの、柔軟に変形できるものが好ましい。例えば、吊線の外径0.5〜2.0mm、比重0.002〜0.008(g/ml)の範囲のものが使用できる。
但し、起動子と吊線およびフロートの支持や姿勢を正確に設定できていて、荷重が正確に伝達されるようになっていれば、変形し難い剛性線材であっても、使用可能である。粉末との接触摩擦で切れ難い強度や耐久性のあるものが好ましい。
【0067】
吊線の具体的材料として、ナイロンなどの合成樹脂その他の糸材料が使用できる。金属やガラス線も使用できる。ケブラー(デュポン社の登録商標)糸は、強力で好ましい材料となる。
吊線は、フロートのちょうど重心位置に取り付けておけば、1点でバランス良くフロートを水平状態で支持でき、構造も簡単になる。フロートの中心から離れた複数個所、例えば3個所に吊線を取り付けて支持することもできる。複数本の吊線は上方で1本に束ねることができる。上方で、リミットスイッチに取り付ける1本の別の吊線に連結することもできる。
【0068】
〔リミットスイッチ〕
粉面の上昇に伴うフロートおよび吊線の運動によって、電気的な切替動作が達成できれば、スイッチの内部機構や動作原理については特に限定されない。
切替動作は、少なくとも、粉面が所定高さに至らない状態と、粉面が所定高さに到達した状態との、2状態で切替動作が行われる。
電気接点の切替を行う起動子の動作は、一端を基点にした旋回運動であるものが一般的であるが、軸方向に直線運動を行うものや軸周りの回転運動を行うものもある。
【0069】
吊線およびフロートの質量は、重力の方向すなわち垂直方向に作用するので、吊線を取り付けた起動子の取付部分が垂直方向に動いて切替動作が行われるものが、構造が簡単で確実に動作できる。但し、吊線と起動子との間に、運動方向を変換する機構を介在させたり、吊線をプーリやガイドに沿って変向させて起動子に連結させたりすれば、起動子の動作方向が重力方向と同じでなくてもよい。
リミットスイッチの出力は、通信線などを介して電気信号として各種の表示装置や制御装置に情報を伝達できるようにしておくことができる。出力信号の形態や強度などは適宜に設定できる。
【0070】
〔粉面検知器の動作〕
粉面検知器は、堆積させる粉末の粉面の上方に配置される。
粉末の堆積によって上昇した粉面が、フロートの下面に当接し、フロートが粉面に支持される。超軽量フロートから吊線に加わっていたフロートの重力すなわち重さが減る。
その結果、吊線からリミットスイッチの起動子に加わっていた作用力が変化する。この作用力の変化によって、起動子が作動し、リミットスイッチの電気的切替が行われる。
【0071】
リミットスイッチの電気的出力で、表示ランプを点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、モニタ画面に文字を表示させたりして、管理者に、粉面が所定の位置まで高くなったことを知らせる。
管理者は、粉末の供給装置を制御して、粉末の堆積を停止させることができる。このような手動の操作に代えて、コンピュータや自動制御装置を用いて、粉面検知器からの出力で、粉末の供給装置の作動を自動停止させることもできる。
粉面検知器を、粉面の高さ位置を変えて複数個所に設置しておき、低い位置に設定した粉面検知器が作動したときに粉末の供給量を少なくし、さらに高い位置の粉面検知器が作動すると粉末の供給を完全に停止するような、より複雑な制御も可能である。低い位置に設定した粉面検知器が粉面を検知しなくなると、粉末の追加供給を開始するという動作も可能である。
【0072】
〔ガイド筒〕
フロートが、粉面の上昇を正確に検知できるように、誤動作を防いだり動作不能になったりしないように保護する機能を有する。
フロートの外側を囲むように設置される。超軽量フロートには接触しないようにして、フロートの敏感な動作の邪魔をしないようにする。超軽量フロートが上下に運動する範囲の全体にわたって確実にフロートを囲むようにするのが好ましい。フロートを揺らしたり傾けたりする可能性のある周辺の空気流が、フロートに当たって誤動作を起こさないようにガイド筒を配置する。フロートの周囲から粉末がフロートの上面に積もってしまうことを防ぐようにするのが好ましい。
【0073】
ガイド筒の材料は、上記したような空気流や粉末を遮ることができればよく、合成樹脂や金属、ガラスその他の構造材料が使用できる。
ガイド筒の上下端は、ガイド筒の外側の空間に開放しておく。これによって、空気中を浮遊する粉末が、ガイド筒の外部と内部とでほぼ均等に存在することになり、ガイド筒の内側におけるフロート周辺の粉面と、ガイド筒の外側の粉面との間に、大きなズレが生じないようにできる。
ガイド筒の形状は、円筒、角筒その他の筒形状が採用できる。
〔上昇規制部〕
吊線で吊り下げられたフロートは、粉面が当接して粉面の上昇とともに上昇する。フロートが上昇し過ぎると、ガイド筒の上端よりも飛び出して、外部の空気流の影響を受けて傾いたり、ガイド筒から飛び出したりする問題が発生し易くなる。フロートが上昇して弛んだ吊線が、絡んだり捻れたりすることも起こる。
【0074】
このような問題を解消するため、フロートが所定位置よりを超えて上昇することを阻止する上昇規制部が有効である。
上昇規制部としては、フロートが上昇してきたときに、物理的に当接して、それ以上の上昇を阻止する部材を設けておくことができる。例えば、ガイド筒の内側に突起を設けたり、ガイド筒を横断する細い線材を張っておいたりできる。上昇規制部を構成する部材は、ガイド筒の内側における粉面の上昇や、フロートの粉面検知動作を邪魔しないような形状および配置で設けておくのが好ましい。
上昇規制部として、フロートに規制線を取り付けておくことができる。規制線は、前記吊線と同様の材料が使用でき、軽量で柔軟な変形性のある材料からなるものが好ましい。規制線の一端は、フロートの一部、例えば下面に連結しておき、規制線の他端を、フロートとともに移動することのないガイド筒などの固定構造に連結しておく。
【0075】
超軽量フロートが上昇して規制線が延びきれば、それ以上のフロートの上昇は阻止される。規制線は、フロートの裏側空間に配置されているので、フロートの動作や粉末の堆積による粉面の変化動作などに悪影響を与えることが少ない。
〔空気噴出手段〕
フロートの上面に粉末が堆積すると、吊線に負荷される重さが増えることになる。フロートが粉面に載って質量が減っても、フロートに大量の粉末が堆積していると、吊線からリミットスイッチの起動子に加わっている作用力が十分に減らなかったり、起動子に切替動作を行わせるのに時間がかかったりする。
【0076】
そこで、フロートに堆積した粉末を除去する空気噴出手段が有効になる。
空気噴出手段は、空気の噴出口あるいはノズルを、フロートに堆積した粉末を効率的に吹き飛ばすことができる位置に配置しておく。通常は、フロートの一端外周から斜め下向きに空気を吹き付ければ、フロートの表面で空気流が拡がって、全面に堆積した粉末を除去できる。空気の噴出口を複数個所に設けておくこともできる。
フロートからの粉末除去を空気噴出手段で行うと、刷毛や板などで掃いて粉末を除去するのに比べて、効率的に粉末の排除ができ、しかも、フロートに余計な外力を加えたりフロートを損傷したりすることも防げる。
【0077】
以下に、上記本発明にかかる粉面検知器の実施例を、図面を用いて詳しく説明する。
図3に示す粉面検知器は、図4に例示するホッパなどに装着して使用される。
図3に示すように、粉面検知器10は、フロート30と吊線32とリミットスイッチ20とを備えている。
フロート30は、発泡ポリスチレン板などの極めて軽量な矩形の薄板からなる。具体的には、厚み8mm、面積28900mm2、質量4gのフロート30が使用できる。
【0078】
吊線32は、太さ1mmの柔軟な可撓性を有するケプラ糸からなり、下端がフロート30の上面中央に止められている。吊線32の上端は、粉面検知器10の支持板材12の中央を貫通して上方に延びている。支持板材12は、ホッパなどに固定される。ホッパの天井壁などの構造自体が支持板材12の役目を果たす場合もある。
リミットスイッチ20は、支持板材12の上方中央に設けられた連結筒23の上端に配置されている。リミットスイッチ20は、内蔵する起動子24の垂直面内での上下方向の旋回運動によって、電気的接点の断接動作が行われる。具体的には、起動子24の先端側が下向きに旋回した状態と、起動子24の先端側が上向きに旋回した状態とで、リミットスイッチ20に接続された通信線26の出力信号が切り替えられる。図示を省略するが、起動子24はバネなどの付勢手段で上向き側に付勢されている。
【0079】
通信線26には、表示ランプ28が接続されている。リミットスイッチ20の起動子24が下向き状態では表示ランプ28は点灯せず、起動子24が上向き状態で表示ランプ28が点灯する。
前記した吊線32は、支持板材12の中央から連結筒23の内部を経て、リミットスイッチ20の内部に延び、吊線32の上端が起動子24の先端に連結されている。起動子24には、吊線32の質量と、吊線32を介してフロート30の質量とが下向きに加わる。吊線32およびフロート30の重さによる作用力は、起動子24に加わっている付勢力よりも大きいので、起動子24は下向きに旋回した状態になる。この状態では表示ランプ28は点灯しない。
【0080】
フロート30の外側を囲んで円筒状のガイド筒16が配置されている。ガイド筒16は、上下方向においてフロート30が移動する範囲よりも広い範囲にわたってフロート30の周りを囲んでいる。ガイド筒16が存在する範囲では、ガイド筒16の外側から内側のフロート30のほうへ、外部の空気流や粉末が直接に当たることが防止できる。
ガイド筒16の上端は、細い棒状の支持腕14を介して支持板材12に支持されている。ガイド筒16の上方空間では、支持腕14の部分を除いて、ガイド筒16の内外を自由に空気や粉末が流通できる。
【0081】
フロート30の下面中央には、上昇規制線34の一端が止められている。上昇規制線34は吊線32と同じ線材料からなる。上昇規制線34の他端は、ガイド筒16の下端で直径方向に架け渡された細い棒状の固定軸18の中央に止められている。
上昇規制線34は、吊線32で吊り下げられた状態のフロート30と固定軸18との間の距離よりも長く設定されており、少し緩んで余裕のある状態で配置されている。フロート30を上方向に移動させると、上昇規制線34が引き延ばされて余裕が無くなるので、フロート30は、上昇規制線34の長さによって決められる上昇位置を超えて上昇することができない。
【0082】
吊線32に吊り下げられたフロート30の側方上部に、エアノズル42が配置されている。エアノズル42には、エア配管40から空気流が供給される。エアノズル42から噴出された空気流は、フロート30の上面に斜め方向から吹き付けられ、フロート30の上面に堆積した粉末を吹き飛ばして除去する。
粉末を堆積させる場所で、堆積する粉末の上方にフロート30が配置されるようにして、粉面検知器10を設置する。
粉末が堆積して粉面が上昇すると、粉面の一部がガイド筒16の下端からガイド筒16の内部を上昇してくる。このとき、ガイド筒16の上端は開放されているので、空気中を浮遊したり流動したりしている粉末は、ガイド筒16の内部でも外部と同じように堆積する。そのため、ガイド筒16の内部と外部とで、堆積する粉末の表面すなわち粉面の高さにあまりズレは生じない。
【0083】
ガイド筒16の内部では、フロート30の上面にも粉末が堆積する可能性がある。しかし、フロート30に堆積した粉末は、エアノズル42からの空気噴出によってフロート30の上から取り除かれる。
上昇した粉面がフロート30の下面に当接して、粉面でフロート30の質量の少なくとも一部を支持するようになると、吊線32を介してリミットスイッチ20の起動子24に加わっている下向きの作用力が少なくなったり無くなったりする。
粉面は、粉末が大量の空気を含んだ状態であるので、フロート30に粉面が当接することでフロート30に加わる力はわずかであるが、フロート30は極めて軽量で慣性力も小さいので、わずかな外力によっても持ち上げられ、フロート30から吊線32を介して起動子24に加わっている作用力は敏感に変化する。
【0084】
下向きの作用力よりも起動子24に元々加わっていたバネなどの付勢力のほうが大きくなると、起動子24は上向きに旋回動作を行う。
起動子24が上向きに旋回すると、接点が切り替えられ、通信線26を介して表示ランプ28が点灯する。
表示ランプ28を視認した作業者が、粉末の堆積を停止させれば、粉末を所定の粉面高さまで堆積させた状態で、粉末の供給を終了することができる。表示ランプ28の点灯の代わりに、粉末の供給装置を停止させれば、堆積の停止を自動で行うこともできる。
【0085】
フロート30の下面に粉面が当接してから、粉末の堆積すなわち供給を止めるまでの間に若干の時間の遅れがあったり、供給停止後も浮遊している粉末の落下による堆積があったりすると、フロート30が、さらに上昇することがある。しかし、フロート30の上昇が一定限度を超えると、上昇規制線34が延びきって、それ以上のフロート30の上昇を規制する。したがって、フロート30がガイド筒16の上方から外まで動いたり、フロート30の上方で弛んだ状態になる吊線32が絡まってしまったりすることが防止される。
その後、堆積した粉末を排出したりして、粉末の粉面が下降すると、フロート30の質量が粉面で支持されなくなり、リミットスイッチ20の起動子24にフロート30の質量が加わるようになるので、リミットスイッチ20が元の切り替え状態に復帰する。
【0086】
図4に示すように、超微粉ホッパHは、前記したフロート30などからなる粉面検知器10を備えている。
超微粉ホッパHは、概略円筒状のタンク50を有する。タンク50の下部は、下から上へと拡がるテーパ状をなしており、この部分でタンク50の内面は傾斜面になっている。タンク50の上部内面は垂直面である。
タンク50の上面で、外周辺に近い位置に、粉末の供給部となる空気輸送配管74が取り付けられている。空気輸送配管74は、ブロワ72を介して、粉末供給バッグ70に連結されている。通常、粉末供給バッグ70は、別の工場や製造会社からトラック輸送などで搬入されるので、工場の1階部分などに搬入されるのに対し、超微粉収容ホッパHのタンク50の上面は、工場の最上階,例えば5階部分などに配置されているので、粉末供給バッグ70からタンク50の上面までは、かなり長い距離の空気輸送配管74が敷設されている。粉末供給バッグ70を空気輸送配管74に接続したり、ブロワ72の稼動を制御したりする作業者は、タンク50における粉末の堆積状態を視認することはできず、粉末の堆積状態を確認するために、タンク50の上面位置まで往復することは、過重な作業であり、時間もかかることである。
【0087】
タンク50の上面で、空気輸送配管74の取付位置とタンク50の中心を挟んで直径方向で対向する位置付近に、粉末検知器10が装着される。
粉面検知器10は、タンク50の天井壁の下方に、ガイド筒16やフロート30が配置され、リミットスイッチ20は、タンク50の外部に配置される。吊線32は、タンク50の内部から天井壁を貫通してリミットスイッチ20まで延びている。タンク50の外部からガイド筒16の内側へとエア配管40が設置され、エア配管40の先端からフロート30の表面に空気が吹き付けられる。
リミットスイッチ20には、通信線26を介して表示ランプ28が接続されている。さらに、表示ランプ28は、通信線26を介して空気輸送配管74に設けられた切替スイッチ75に接続されている。切替スイッチ75は、複数の検出個所あるいは装置に対して、必要に応じて、検出対象の切り替えを行なう。
【0088】
タンク50の上面には、排出管64が接続されている。空気輸送配管74からタンク50に導入された大量の空気は、排出管64へ排出される。排出管64はバルブを介してバグフィルタ60に連結されている。バグフィルタ60では、排気中に含まれる粉末を除去し、粉末が除去された排気を、外部排気管63を経て外部に放出する。外部排気管63には、吸引ブロワ62が設けられ、排気の流れを促進する。バグフィルター60の下端からタンク50へは戻し管65が設けられ、戻し管65にはロータリバルブ66が取り付けられている。バグフィルタ60で排気から分離された粉末は、戻し管65を経てタンク50に戻される。
【0089】
タンク50の下部のテーパ状部分には、水平方向で対向する2個所にブレーカーボーイ52(東洋ハイラック社製、商品名「トーヨーファイン・ブレーカーボーイ」)が取り付けられている。すなわち、タンク50は内面振動式になっているのである。タンク50の下端には定量フィーダー54が設けられ、タンク50に収容された粉末を定量して、取り出し管56へと排出する。ブレーカーボーイ52は、強制振動を発生してタンク50の壁面を振動させ、粉末がタンク50の内面に付着して取り出しが困難になることを防ぐ。
超微粉ホッパHに収容する粉末は、粉末供給バッグ70に収容された形態で供給される。空気輸送配管74に連結された粉末供給バッグ70から粉末を取り出し、超微粉ホッパHのタンク50に供給する。
【0090】
タンク50に供給された超微粉は、タンク50内に堆積するが、超微粉は大量の空気が混入されているので、超微粉だけの層が形成され難い。特に、堆積層の表層部分では、超微粉が流動化して泡立ったり舞い上がったりしている。堆積層の粉面は、このような超微粉と空気との混在状態である。
タンク50内では超微粉と空気との混在流が生じているが、フロート30の周囲はガイド筒16で囲まれているので、フロート30が妄りに動かされたり、リミットスイッチ20が誤動作を起こすことが防がれる。
超微粉の供給が増えるにつれ、粉面が上昇する。上昇した粉面は、ガイド筒16の内部でフロート30の下面に当接して、フロート30を持ち上げる。超微粉と空気との混在状態である粉面が当接することによる、比較的に小さな力であっても、フロート30は容易に持ち上げられる。
【0091】
上昇した粉面でフロート30が持ち上げられると、吊線32を介してリミットスイッチ20が作動し、表示ランプ28が点灯する。
表示ランプ28の点灯を確認した作業者は、ブロワ72を停止させるなどして、タンク50への超微粉の供給を止める。
【0092】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例と比較例は、前述した連続工程、すなわち、重合工程、乾燥工程、粉砕工程分級工程、表面改質工程および移送工程で、吸水性樹脂粉末の連続生産を1000kg/hr×10日間行なったときにおいて、表面改質工程の直前に設置されている吸水性樹脂粉末供給用の定量供給ホッパに粉末量検知器を設置した場合と未設置の場合および、当該ホッパを用いない場合の表面改質効果などの差異を見たものである。
(製造例)
まず、以下のようにして、表面改質前の吸水性樹脂粉末(1)を得た。
【0093】
すなわち、架橋剤トリメチロールプロパントリアクリレート0.05モル%を含む75モル%が中和されたアクリル酸部分ナトリウム塩水溶液(濃度38質量%)を単量体水溶液とし、これを定量ポンプで2630kg/hr連続供給し、配管の途中では窒素ガスを連続的に吹き込み、酸素濃度を0.5ppm以下に保った。単量体水溶液にさらに過硫酸ナトリウム/L−アスコルビン酸=0.12/0.005(g/単量体mol)を混合して、12cm/分で移動するエンドレススチールベルト重合機(両サイドに50mmの堰を有するスチール製エンドレスベルト)に厚み23mmで連続供給した。ベルト上では即座に重合が開始するので、約20分重合させたのち、ベルト末端から含水ゲル状架橋重合体を取り出して、約5cmに連続裁断し、さらに孔径7mmのミートチョッパーで細分化した。得られた含水ゲル状架橋重合体は大きさが約1〜2mmであり、ベルト乾燥機で上下に25分通気して連続乾燥(180℃熱風、露点60℃)した。このようにして固形分94質量%の粒子状乾燥重合体を得た。この粒子状乾燥重合体をロールミルで連続粉砕して850μm通過物を得ることで、吸水性樹脂粉末(1)を得た。得られた吸水性樹脂粉末(1)の無加圧下の吸収倍率(CRC)は50g/g、可溶分量は18質量%であった。
【0094】
(実施例1)
上記製造例の粉砕工程に続き、得られた吸水性樹脂粉末(1)を表面改質処理(表面架橋処理)したのであるが、この表面架橋工程において、その移送工程の中間に設置した緩衝ホッパと定量供給ホッパに、この順でそれぞれ一旦、吸水性樹脂粉末(1)を収容してから表面架橋を行うようにした。
上記2つのホッパのうちの定量供給ホッパ(a)は、吸水性樹脂粉末(1)を収容するタンクと、このタンクの上部に配置され吸水性樹脂粉末(1)の供給を受ける供給部と、前記タンクの下部に配置され吸水性樹脂粉末(1)を計量して排出する排出部と、吸水性樹脂粉末(1)を収容した状態のタンク全体の質量を測定する粉末量検知器とを備えている。
【0095】
上記粉末量検知器によって定量供給ホッパ(a)の容量の約45〜50%に保たれるよう、吸水性樹脂粉末(1)の収容量を制御しながら、吸水性樹脂粉末(1)を定量供給ホッパ(a)から高速連続混合機(タービュライザー/1000rpm)に1000kg/hで連続供給するとともに、吸水性樹脂粉末(1)に対し、グリセリン/水/イソプロパノール=0.5/2.0/0.5(質量%/対吸水性樹脂粉末(1))の配合からなる表面架橋剤水溶液を、約250μmの液滴になるスプレーで噴霧し混合した。次いで、得られた混合物をパドルドライヤーで195℃で30分間、連続的に加熱処理し、その後、網目開き850μmのふるい網を有する篩い分け装置で分級して、850μm未満で150μm以上のサイズの粒子が90質量%以上の、表面改質済みの吸水性樹脂粉末(1A)を得た。この吸水性樹脂粉末(1A)は、その質量平均粒子径が420μmであり、無荷重下吸収倍率28g/g、水可溶成分量10質量%であった。
【0096】
(比較例1)
実施例1において、定量供給ホッパとしては粉末量検知器を有しない定量供給ホッパを用いた。すなわち、定量供給ホッパでの吸水性樹脂粉末収容量の制御はしなかった。その他は実施例1と同様にして、850μm未満で150μm以上のサイズの粒子が90質量%以上の、表面改質済みの比較吸水性樹脂粉末(1B)を得た。この吸水性樹脂粉末(1B)は、その質量平均粒子径が420μmであり、無荷重下吸収倍率27g/g、水可溶成分量10質量%であった。
(比較例2)
実施例1において、定量供給ホッパ(a)は用いず、吸水性樹脂粉末(1)を、分級工程から搬送機を用いて直接に表面改質工程に送った。その他は実施例1と同様にして、850μm未満で150μm以上のサイズの粒子が90質量%以上の、表面改質済みの比較吸水性樹脂粉末(2B)を得た。この吸水性樹脂粉末(2B)は、その質量平均粒子径が420μmであり、無荷重下吸収倍率27g/g、水可溶成分量10質量%であった。
【0097】
(実施例2)
実施例1において、表面改質工程では、表面架橋剤水溶液による表面架橋処理と併せて、添加剤として無機微粒子0.5質量%(アエロジル200,日本アエロジル社製)を用いた表面改質をもするようにした。その際、無機微粒子粉末は、定量供給ホッパ(b)を用いて、吸水性樹脂粉末(1)に供給添加するようにした。この定量供給ホッパ(b)は、無機微粒子粉末を収容するタンクと、このタンクの上部に配置され無機微粒子粉末の供給を受ける供給部と、前記タンクの下部に配置され無機微粒子粉末を計量して排出する排出部と、前記タンクの上部に配置され前記無機微粒子粉末の粉面を検知する粉末量検知器とを備える。
【0098】
その他は実施例1と同様にして、850μm未満で150μm以上のサイズの粒子が90質量%以上の、表面改質済みの吸水性樹脂粉末(2A)を得た。この吸水性樹脂粉末(2A)は、その質量平均粒子径が420μmであり、無荷重下吸収倍率28g/g、水可溶成分量10質量%であった。
(比較例3)
実施例2において、定量供給ホッパとしては粉末量検知器を有しない定量供給ホッパを用いた。すなわち、定量供給ホッパでの吸水性樹脂粉末収容量の制御はしなかった。その他は実施例2と同様にして、850μm未満で150μm以上のサイズの粒子が90質量%以上の、表面改質済みの比較吸水性樹脂粉末(3B)を得た。この吸水性樹脂粉末(3B)は、その質量平均粒子径が420μmであり、無荷重下吸収倍率27g/g、水可溶成分量10質量%であった。
【0099】
上記実施例と比較例の結果について、各表面改質済み吸水性樹脂粉末の加圧下吸収倍率(AAP)と生理食塩水流れ誘導性(SFC)、吸湿流動性、ゲル固形分量および運転トラブルを見た結果は表1のとおりであり、粉末量検知器を設置することの必要性が良く分かる。
【0100】
【表1】
Figure 0004157333
【0101】
【発明の効果】
本発明にかかる、吸水性樹脂粉末の連続製造方法によれば、重合工程、乾燥工程、粉砕工程,分級工程および表面改質工程とこれらの工程を連結する移送工程を含み、前記移送工程は、吸水性樹脂粉末を収容する緩衝ホッパと吸水性樹脂粉末を計量排出する定量供給ホッパとの少なくとも2つのホッパを備えるため、高物性の表面改質された吸水性樹脂粉末を、粒度分布が狭く高物性の状態で、連続的に高い生産性で製造することが出来る。
本発明にかかる粉面検知器は、吊線で吊り下げられたフロートに、上昇してきた粉面が当接することで、吊線を介してリミットスイッチの起動子に加わる、わずかな力の変化を検知することができるので、空気を大量に含んだ状態の粉末堆積物の粉面であっても、確実に検知することができる。しかも、フロートや吊線などの比較的に簡単な構造部材だけで、粉面を確実に検知できるので、複雑な装置や検知機器を使用する必要がなく、経済的に実用上十分な精度で粉面の検知が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる吸水性樹脂粉末の連続的製造方法の一実施例を表す工程図。
【図2】 上記図1の実施例に用いられている緩衝ホッパと定量供給ホッパの配置例を示す図。
【図3】 本発明にかかる粉面検知器の一実施例を表す部分断面斜視図。
【図4】 粉面検知器を取り付けた超微粉収容ホッパの全体構造図。
【符号の説明】
1 重合工程
2 乾燥工程
3 粉砕工程
4 分級工程
5 表面改質工程
6a〜6d 移送工程
7a、7c 緩衝ホッパ
7b 定量供給ホッパ
8 第2の移送工程
9 定量供給ホッパ
10 粉面検知器
14 支持腕
20 リミットスイッチ
24 起動子
30 フロート
32 吊線
50 タンク
100 定量供給ホッパ
101 タンク
102 供給部
103 排出部
104 検知器
110 緩衝ホッパ
111 タンク
112 供給部
113 排出部
114 検知器

Claims (15)

  1. 重合工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程および表面改質工程をこの順序で含むとともに、これらの工程を連結する移送工程をも含む、表面改質された吸水性樹脂粉末を連続的に製造する方法であって、
    表面改質された吸水性樹脂粉末は、不飽和単量体の重合で得られた架橋構造を有するものであり、その質量平均粒子径が300〜600μmであり、その粒度分布において850〜150μmの粒子を90質量%以上含み、その物性が無荷重下吸収倍率25g/g以上、水可溶成分量25質量%以下であるとともに、
    前記表面改質工程への吸水性樹脂粉末の移送工程において、吸水性樹脂粉末を収容および排出する緩衝ホッパ、および、該緩衝ホッパの後段に備えられ吸水性樹脂粉末を計量し排出する定量供給ホッパの少なくとも2つのホッパを備え、そのうちの少なくとも1つのホッパは、前記吸水性樹脂粉末を収容するタンクと、前記タンクの上部に配置されていてタンク内に吸水性樹脂粉末を供給する供給部と、前記タンクの下部に配置されていてタンク内の吸水性樹脂粉末を排出する排出部と、タンク内の粉末量を検知する検知器を備えている、
    ことを特徴とする、表面改質された吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  2. 前記吸水性樹脂粉末を改質する添加剤粉末を移送するための第2の移送工程をも含み、前記第2の移送工程は、前記添加剤粉末を収容および排出するホッパとして少なくとも添加剤粉末を計量排出する定量供給ホッパを備え、前記定量供給ホッパは、前記添加剤粉末を収容するタンクと、前記タンクの上部に配置されていてタンク内に添加剤粉末を供給する供給部と、前記タンクの下部に配置されていてタンク内の添加剤粉末を排出する排出部と、タンク内の粉末量を検知する検知器を備えている、請求項1に記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  3. 前記タンクが内面振動式のタンクである、請求項1または2に記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  4. 前記供給部が前記吸水性樹脂粉末および/または添加剤粉末を空気流によって輸送する配管に連結されている、請求項1からまでのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  5. 前記定量供給ホッパは、前記吸水性樹脂粉末および/または添加剤粉末の収容量がホッパ全容量の20〜80%(容量比)の範囲に制御されている、請求項からまでのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  6. 吸水性樹脂粉末の製造量が500kg/hr以上である、請求項1からまでのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  7. 前記表面改質工程が、表面架橋剤による表面架橋および/または水不溶性微粒子での表面被覆である、請求項1から6までのいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記表面改質工程が、吸水性樹脂粉末に対する脱水反応性表面架橋剤を添加する工程と前記添加がなされた吸水性樹脂粉末を150〜250℃で加熱処理する工程とを含む工程である、請求項1からまでのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  9. 表面改質工程では、吸水性樹脂粉末100重量部に対して表面架橋剤0.001〜10質量部、水0.1〜10質量部、親水性有機溶媒0〜10質量部が混合され、100〜250℃の加熱処理がなされる、請求項1から8までのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の 連続製造方法。
  10. 記表面改質工程に供給するための吸水性樹脂粉末を収容する定量供給ホッパにおいて、前記検知器が吸水性樹脂粉末を含むホッパ全体の質量を測定する粉末量検知器である、請求項1から9までのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  11. 記表面改質工程に供給するための添加剤粉末を収容する定量供給ホッパにおいて、前記添加剤粉末が超微粉末であり、前記検知器が前記計量ホッパの粉面を検出する検知器である、請求項3から10までのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  12. 前記検知器が、粉面の上方に上下動可能に支持され粉面が上昇したときに粉面がその下面に当接するフロートと、前記フロートを吊り下げて上下動可能に支持する吊線と、前記吊線を支持して吊線を介して加わるフロートの重さの変化で動作する起動子を有するリミットスイッチとを備える、請求項11に記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  13. 前記フロートの上昇範囲を規制する上昇規制部をさらに備える、請求項12に記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  14. 表面改質された吸水性樹脂粉末の0.90質量%生理食塩水に対する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率が20g/g以上である、請求項1から13までのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
  15. 表面改質された吸水性樹脂粉末の生理食塩水流れ誘導性が20(10 −7 ×cm ×s×g −1 )以上である、請求項1から14までのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の連続製造方法。
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