JP2008106218A - 吸水性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸水性樹脂粒子への吸水性樹脂以外の添加剤粒子の添加による改質効果を充分に発揮させうる手段、および安定して高い物性を発現可能な吸水性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】過凝集粒子が一定量以下の添加剤粒子を用いる、または、吸水性樹脂粒子との混合前に添加剤粒子を予め解砕または分級して用いることで当該課題を解決する。あるいは、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子との混合後または混合と同時に、特に加熱された状態で、混合物に対して圧送処理を施すことにより、当該課題を解決する。また、添加剤粒子の添加量や遊離性添加剤粒子の量が所定の関係を満足する吸水性樹脂組成物により、当該課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸水性樹脂組成物の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法に関する。
吸水性樹脂は、天然物および合成物とも一般に吸湿性を有しており、天然物としてはデンプン、寒天などが知られており、合成物としてポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミンなどが知られている。
吸水性樹脂は、近年、紙おむつや生理用ナプキン、失禁パッド等の衛生材料等の分野において、体液を吸収させることを目的として幅広く利用されている。かような吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体などが知られている。
吸水性樹脂が備えるべき特性としては、体液等の水性液体に接した際の優れた吸収倍率や吸収速度、通液性などの吸水特性や、吸水性樹脂と繊維基材等とを加工して吸収体を作成する際、吸水性樹脂の製造時や搬送時の吸湿によっても優れた流動性を示し、装置等への付着が少ないといった取り扱い性が挙げられる。さらに、高齢化に伴う大人用の紙おむつの需要増大などにより、吸水性樹脂に対する抗菌、消臭といった付加機能を備えさせうる特性も求められている。
上述した各種の特性を得るために、吸水性樹脂粒子に対して種々の機能を付与する目的で、添加剤粒子を添加する技術が提案されている。例えば、特許文献1〜3にはおむつ吸尿時の耐ゲルブロッキング性や通液性を向上させる技術が開示されており、特許文献4〜9には耐吸湿ブロッキング性を向上させる技術が開示されており、特許文献10〜13には抗菌性や消臭性を付与する技術が開示されている。また、水溶性樹脂粒子も同様に吸湿してブロッキングを起こすことから、凝集性微粒子による同様の解決手段が提案されている。また、凝集性微粒子以外にも吸水性樹脂粒子に添加剤粒子を添加して物性を向上させる手法は多く提案されており、例えば、水溶性金属石鹸の粉体を添加する技術(特許文献14)や、多価金属塩の粉体を添加する技術(特許文献15および16)が提案されている。
そして、これらの添加剤粒子と吸水性樹脂との混合方法として、一般的にはドライブレンド(粉体同士の混合)が行われており、従来多くの連続式またはバッチ式の粉体混合機が提案されている。かような粉体混合機としては、例えば、パドルブレンダー、リボンブレンダー、ロータリーブレンダー、ジャー・タンブラー、プランジャーミキサー、円筒型混合機、V型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、双腕型混合機、粉砕型混合機、溝型混合機、鋤型混合機、気流混合機などが知られている。また、かかる混合において、吸水性樹脂の整粒と混合とを同時に行う手法が提案されている(特許文献15)。
欧州特許第629411号明細書 特開2003−176421号公報 特開平11−286611号公報 特開2000−93792号公報 米国特許第6124391号明細書 米国特許第5985944号明細書 特開平9−241322号公報 特開昭64−4653号公報 米国特許出願公開第2005/113252号明細書 国際公開第2005/10102号パンフレット 特開平9−248454号公報 欧州特許第1257596号明細書 特開平10−120921号公報 米国特許出願公開第2005/118423号明細書 米国特許出願公開第2006/73969号明細書 米国特許第6300275号明細書
上記のように多種多様な目的で、吸水性樹脂粒子に吸水性樹脂以外の添加剤粒子を混合する技術が開示されてはいるものの、未だ問題点も多いのが現状である。
すなわち、従来、吸水性樹脂に無機微粒子などを添加して吸湿ブロッキング率などを改善する技術は知られていたが、その改善効果は十分ではなく、添加剤(無機微粒子)を均一に混合する目的で、混合を長時間行ったり、大量の添加剤を用いたりする必要があり、加圧下吸収倍率などの物性の低下や大幅なコストの高騰を伴うものであった。また、本発明者らは、従来の手法では吸湿ブロッキング率も1時間程度ではある程度の効果を示すものの、長時間(例えば、5時間)の吸湿ブロッキング率は不十分であることを見出した。さらに、おむつの製造などの実使用においては長時間(例えば、5時間)の吸湿ブロッキング率に優れることが必要であることを見出した。
そこで、本発明の第1の目的は、吸水性樹脂に添加剤を添加した吸水性樹脂組成物において、長時間(例えば、5時間)の吸湿ブロッキング率に優れ、その他の吸水物性の低下やコストの高騰を抑えた吸水性樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
一方、従来、吸水性樹脂(吸水性樹脂組成物)をおむつなどの吸収性物品に適用した際に、当該吸収性物品の物性が必ずしも安定しない、すなわち、場合によって得られる物性にブレが生じることがあるという問題があった。
そこで、本発明の第2の目的は、安定して高い物性を発現可能な吸水性樹脂組成物を提供することである。
上記第1の目的を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、従来、カタログなどに一次粒子径が3〜500nmで、凝集粒子径が1〜40μm程度と記載されていた凝集性微粒子において、過凝集粒子が多量に存在することを見出した。また、かかる過凝集粒子が一定以上存在すると、臨界的に吸水性樹脂の改質効果が低下することを見出した。
かような知見に基づき、本発明者らは、かかる過凝集粒子が一定量以下の添加剤粒子を用いることで、優れた吸水性樹脂の改質効果が得られることを見出した。
すなわち、本発明の第1の形態によれば、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記添加剤粒子における粒子径1.0mm以上の過凝集粒子の含有率が20重量%以下であることを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明者らは、吸水性樹脂との混合前に添加剤粒子を予め解砕または分級して添加剤粒子に含まれる過凝集粒子の割合を低下させ、かような添加剤粒子を用いることによっても、優れた吸水性樹脂の改質効果が得られることを見出した。
すなわち、本発明の第2の形態によれば、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記混合工程前に、前記添加剤粒子を予め解砕または分級する工程を有することを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法が提供される。
さらに、本発明者らは、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子との混合後または混合と同時に、特に加熱された状態で、混合物に対して圧送処理を施すと、優れた吸水性樹脂の改質効果が得られることを見出した。
すなわち、本発明の第3の形態によれば、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合後または混合と同時に、前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合物を、特に加熱された状態で、0.1〜10MPaの圧力で圧送処理することを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の形態によれば、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合後または混合と同時に、特に前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合物が加熱された状態で、プラグ流で圧送処理することを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法である。
上記第2の目的を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、従来の吸収性物品において物性にブレが生じる要因として、吸水性樹脂の出荷後、実際におむつなどの吸収性物品に組み込む(例えば、吸水性樹脂とパルプなどとを混合して吸収体を作製する)際に、吸収体における吸水性樹脂の分布が不均一となっていることを見出した。そして、添加剤粒子の添加量や遊離性添加剤粒子の量が所定の関係を満足する吸水性樹脂組成物が、安定して高い物性を発現可能である、特に加圧下吸収倍率が高く、おむつの製造に適した長期間の吸湿ブロッキング率が改善されうることを見出した。
すなわち、本発明の第5の形態によれば、吸水性樹脂粒子100重量部および添加剤粒子0.01〜1重量部を含有する吸水性樹脂組成物であって、組成物中の前記吸水性樹脂粒子100重量%を基準とした前記添加剤粒子の重量百分率(X[%])と、前記百分率(X[%])に対する遊離添加剤粒子の重量比(Y)と、が下記式を満足することを特徴とする、吸水性樹脂組成物が提供される:
Figure 2008106218
本発明によれば、長時間の混合や多量の添加剤粒子を必要とせずに、従って加圧下吸収倍率の低下やコストの高騰を抑制可能な、かつ、例えばおむつの製造に適した長時間(例えば、5時間)の吸湿ブロッキング率に優れた吸水性樹脂組成物およびその製造方法が提供されうる。
以下、いくつかの実施形態に分けて本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであって、下記の具体的な形態によって制限されるべきではない。
本発明の第1の形態は、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記添加剤粒子における粒子径1.0mm以上の過凝集粒子の含有率が20重量%以下であることを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法である。
(吸水性樹脂粒子)
「吸水性樹脂」とは、ヒドロゲルを形成しうる水膨潤性水不溶性の架橋重合体であって、イオン交換水中において自重の5倍以上、好ましくは50〜1000倍の水を吸収し、水可溶性成分(米国再発行特許第32649号の平衡抽出性重合体含量で規定)が50%以下、好ましくは25%以下のものを意味する。また、吸水性樹脂は、好ましくは、温度25℃、湿度90%RHの条件下において1時間放置した場合の吸湿量が、自重の5重量%以上である樹脂である。
「吸水性樹脂粒子」とは、上述した吸水性樹脂の概念に属するいずれかの重合体からなる粒子(粉体)を意味する。
本発明において用いられる吸水性樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸部分中和物架橋体、デンプン−(メタ)アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−(メタ)アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、(メタ)アクリロニトリル共重合体もしくは(メタ)アクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体などが挙げられる。なかでも、吸水性能に優れるという観点からは、吸水性樹脂は、ポリ(メタ)アクリル酸部分中和物架橋体であることが好ましく、ポリアクリル酸部分中和物架橋体であることがより好ましい。
なお、本願においては、吸水性樹脂に代えて、吸水性樹脂と同様に親水性樹脂である水溶性樹脂を用いてもよい。水溶性樹脂は、内部架橋剤および表面架橋剤を用いないことで得られる。水溶性樹脂としては、例えば、米国特許5064563号、同6794473号、同6521721号、同6780832号などに例示のポリアクリル酸もしくはその塩、またはその共重合体が挙げられる。分子量Mnとして通常500〜1000万、好ましくは1000〜500万、特に1万〜50万程度の水溶性樹脂、特に乾燥粉末に適用される。かかる粉末の含水率や粒子径の形態は、吸水性樹脂について後述する形態と同様である。
以下、吸水性樹脂がポリアクリル酸部分中和物架橋体である場合を例に挙げて、吸水性樹脂粒子(粉体)の製造工程を説明する。
ポリアクリル酸部分中和物架橋体を得るには、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合すればよく、好ましくは繰り返し単位中(架橋剤を除く)でアクリル酸(塩)を30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%含む水膨潤性・水不溶性架橋重合体である。アクリル酸(塩)以外の単量体として、具体的には、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の親水性モノマー類およびこれらの塩が挙げられる。中和率としては、酸基の50〜95モル%が中和されていることが好ましく、60〜90モル%が中和されていることがより好ましい。塩としてはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などが例示されうる。重合開始には、各種の重合開始剤や紫外線などの活性エネルギー線が用いられる。
重合開始剤としては、特に制限されないが、熱分解型開始剤や光分解型開始剤が使用されうる。熱分解型開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、t−ブチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシドなどの過酸化物;アゾニトリル化合物、アゾアミジン化合物が挙げられる。光分解型開始剤としては、ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、アゾ化合物等が挙げられる。
その他の成分が反応系に添加されてもよい。例えば、デンプン、デンプン誘導体、セルロース、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤;キレート剤などが、反応系に添加されうる。親水性高分子が反応系に添加される場合の、親水性高分子の添加量は、特に制限されないが、好ましくは単量体に対して0〜30重量%であり、より好ましくは0〜10重量%である。連鎖移動剤がさらに反応系に添加される場合の、連鎖移動剤の添加量は、特に制限されないが、好ましくは単量体に対して、0〜1モル%であり、より好ましくは0.005〜0.3モル%である。また、キレート剤がさらに反応系に添加される場合の、キレート剤の添加量は、特に制限されないが、好ましくは単量体に対して、1重量ppm〜10重量%、より好ましくは10〜800重量ppmである。
得られる吸水性樹脂の物性を向上させるという観点からは、重合は、好ましくは逆相懸濁重合または水溶液重合であり、より好ましくは水溶液重合である。さらに、水溶液重合の形態としては、ニーダーなどによる撹拌重合やベルト上での静置重合などが好ましい。なお、逆相懸濁重合とは、単量体水溶液を疎水性有機溶媒に懸濁させた状態で重合を行う手法であり、例えば、米国特許第4093776号、同4367323号、同4446261号、同4683274号、同5244735号などに記載されている。一方、水溶液重合とは、分散溶媒を用いずに単量体水溶液を重合する手法であり、例えば、米国特許第4625001号、同4873299号、同4286082号、同4973632号、同4985518号、同5124416号、同5250640号、同5264495号、同5145906号、同5380808号や、欧州特許第0811636号、同0955086号,同0922717号などに記載されている。これらの特許に記載の単量体、架橋剤、重合開始剤、その他の添加剤もまた、本発明において用いられうる。重合時の単量体は、好ましくは水溶液であり、水溶液中の単量体濃度は、好ましくは10〜70重量%であり、より好ましくは20〜60重量%である。
重合開始温度は、特に限定されない。重合反応液を発泡させながら重合反応を進行させてもよく、重合開始温度は90℃以上であってもよい。逆に、比較的低温の緩やかな条件下で重合反応を進行させるのであれば、重合開始温度は20〜95℃程度とするとよい。重合時間についても特に制限はないが、1秒間〜10時間程度が好ましく、さらには1秒間〜6時間程度がより好ましい。
重合により得られたポリアクリル酸部分中和物を架橋体とする手法は、架橋剤を使用しない自己架橋を採用してもよいが、1分子中に2個以上の重合性不飽和基や反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させるという手法が好ましく用いられうる。
内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの内部架橋剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
内部架橋剤の使用量は特に制限されないが、単量体成分100モル%に対して、好ましくは0.005〜3モル%であり、より好ましくは0.01〜1.5モル%である。内部架橋剤の使用量が0.005モル%以上であれば、得られる吸水性樹脂の通液性や吸収速度の低下が抑制されうる。逆に、内部架橋剤の使用量が3モル%以下であれば、得られる吸水性樹脂の吸収倍率の低下が抑制されうる。
上述した重合により得られた重合体は、通常は含水重合体である。当該含水重合体は回収され、水溶液重合では、好ましくは重合時および重合後に解砕機を用いて解砕される。解砕機は特に限定されない。また、解砕可能であれば、解砕機以外の手段を用いてもよい。解砕機としては、例えば、ニーダー(株式会社モリヤマ製)、ミートチョッパー(株式会社平賀工作所製)やドームグラン(不二パウダル株式会社製)等のスクリュー型押出機や、ロートプレックス(ホソカワミクロン株式会社製)等の堅型粉砕機等が用いられうる。
解砕後または重合後の含水重合体の平均粒子径は、好ましくは100mm以下であり、より好ましくは10mm以下であり、さらに好ましくは3mm以下であり、特に好ましくは1mm以下である。含水重合体の状態で、最終製品粒度にまで解砕できるのが理想的である。
解砕された含水重合体は、乾燥され、ベースポリマーとなる。乾燥手段は特に限定されない。含水重合体の固形分濃度や粒径に応じて、適切な乾燥機を選択すればよい。乾燥方法は、特に限定されないが、共沸脱水、攪拌乾燥法、流動層乾燥法、気流乾燥法等のように、含水重合体を動かしながら熱風や伝熱面とよく接触する乾燥方法が好ましく用いられる。乾燥に用いられる媒体としては、熱風、赤外線、マイクロ波などが挙げられる。加熱しなくても十分な乾燥が実現できるのであれば、通風機などを用いてもよい。加熱乾燥する場合の乾燥温度は、特に制限されないが、好ましくは70〜250℃であり、より好ましくは120〜230℃である。
なお、本発明における「乾燥」とは、含水重合体の固形分濃度を増加させる工程を広く含む概念である。乾燥後のベースポリマーの含水濃度は、特に限定されないが、好ましくは固形分濃度(180℃/3時間)が90〜100重量%となるように乾燥される。
乾燥されたベースポリマーは、分級されて、好適な粒径のベースポリマーが、後述する表面架橋工程に供される。分級手段は、特に限定されない。分級後のベースポリマーの粒度分布は、狭い方が吸収性能等の諸特性が向上する。なお、ベースポリマーの形状は、特に限定されず、球状、鱗片状、不定形破砕状、顆粒状等、いかなる形状であってもよい。表面架橋後の吸水性樹脂についても、同様である。
粒径が範囲外のベースポリマーは、吸水性樹脂の生産性を向上させるために、粒度が制御された後、再利用されることが好ましい。粒径が大きすぎるベースポリマーは、ロールミルなどの粉砕機を用いて粉砕され、再度分級機に投入される。微粉末状のベースポリマーは造粒した後、解砕機に投入される。造粒手段は特に限定されず、各種公知技術が適用されうる。
上述したように、本発明において、吸水性樹脂粒子(粉体)は、表面架橋後の吸水性樹脂であることが特に好ましい。表面架橋後の吸水性樹脂は、上述したベースポリマーの表面近傍を架橋処理することにより得られる。
ベースポリマーの表面架橋に用いられる表面架橋剤としては、例えば、オキサゾリン化合物(米国特許第6297319号)、ビニルエーテル化合物(米国特許第6372852号)、エポキシ化合物(米国特許第6265488号)、オキセタン化合物(米国特許第6809158号)、多価アルコール化合物(米国特許第4734478号)、ポリアミドポリアミン−エピハロ付加物(米国特許第4755562号および同4824901号)、ヒドロキシアクリルアミド化合物(米国特許第6239230号)、オキサゾリジノン化合物(米国特許第6559239号)、ビスまたはポリ−オキサゾリジノン化合物(米国特許第6472478号)、2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサゾリジン化合物(米国特許第6657015号)、アルキレンカーボネート化合物(米国特許第5672633号)などが挙げられる。これらの表面架橋剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、これらの表面架橋剤にアルミニウム塩などの水溶性カチオン(米国特許第6605673号、同6620899号)を併用してもよいし、アルカリ(米国特許出願公開第2004/106745号)、有機酸や無機酸(米国特許第5610208号)などを併用してもよい。また、ベースポリマーの表面でモノマーの重合を行い、表面架橋後の吸水性樹脂を得てもよい(米国特許出願公開第2005/48221号)。
表面架橋剤としては、多価アルコール化合物、多価エポキシ化合物、多価アミン化合物やその塩、アルキレンカーボネート化合物が好ましく用いられうる。表面架橋剤の具体例としては、例えば、(ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコール、(ジ、ポリ)プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、(ポリ)グリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジまたはトリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ジ、ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ジ、ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オンなどのアルキレンカーボネート化合物;硫酸アルミニウムなどの多価金属化合物等が挙げられる。
表面架橋剤の使用量は特に制限されないが、ベースポリマー100重量%に対して、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜5重量%である。表面架橋剤の使用量が0.01重量%以上であれば、得られる表面架橋後の吸水性樹脂の通液性の低下が抑制されうる。逆に、表面架橋剤の使用量が10重量%以下であれば、得られる表面架橋後の吸水性樹脂の吸収倍率の低下が抑制されうる。
なお、表面架橋工程は、その効果を考慮して2回以上行ってもよく、その場合、各表面架橋工程において用いられる表面架橋剤は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
表面架橋工程においては、ベースポリマーと表面架橋剤とを混合した状態で、この混合物に対して加熱処理を施すことが好ましい。これにより、ベースポリマー粒子の表面に架橋構造が効率的に導入されうる。
加熱手段は特に制限されず、通常の乾燥機や加熱炉が用いられうる。例えば、薄型攪拌乾燥機、回転乾燥機、円盤乾燥機、流動層乾燥機、気流乾燥機、赤外線乾燥機等が加熱手段として用いられうる。加熱処理温度についても特に制限はないが、好ましくは40〜250℃であり、より好ましくは90〜230℃であり、さらに好ましくは120〜220℃である。加熱処理温度が40℃以上であれば、微粉末保持率の低下が抑制されうる。一方、加熱処理温度が250℃以下であれば、吸水性樹脂の熱劣化が抑制されうる。加熱処理時間についても特に制限はないが、好ましくは1〜120分間であり、より好ましくは10〜60分間である。
本発明において、吸水性樹脂粒子(粉体)を製造する際には、上記工程に加えて、造粒工程を行ってもよい。当該造粒工程は、上述した表面架橋工程の前後または表面架橋工程と同時に行われうる。
造粒工程や表面架橋工程では、種々の添加成分が水に溶解してなる水溶液が、吸水性樹脂に添加されうる。かような添加成分としては、例えば、キレート剤(ジエチレントリアミンペンタ酢酸塩、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸、シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エチレングリコールジエチルエーテルジアミン四酢酸など)、植物成分(タンニン、タンニン酸、五倍子、没食子、没食子酸など)、無機塩(カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛等の多価金属塩など)などが挙げられる。
造粒工程における水の添加量としては、吸水性樹脂100重量%に対して、好ましくは2〜8重量%であり、より好ましくは3〜5重量%である。造粒手段については特に制限はないが、造粒手段は大きな混合力を備えていることが好ましい。かような観点から、好ましい造粒装置として、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、連続レディゲミキサー、タービュライザーなどが挙げられる。
上述した造粒工程を経て吸水性樹脂粒子(粉体)が製造されると、1mm超の粒子径を有する造粒物が生成する場合があり、かような造粒物はおむつ等の衛生材料には適さない。これは、当該造粒物の混入に起因して、装着した際にごわごわしたり、おむつのトップシートが破れたりする虞があるためである。従って、この大きな造粒物を含む吸水性樹脂粒子(粉体)については、粒子径がより小さくなるように整粒する、すなわち、一定粒子径以下に粉砕/分級することが好ましい。
得られる表面架橋後の吸水性樹脂の粒子径については特に制限はないが、表面架橋後の吸水性樹脂の重量平均粒子径(D50)は、好ましくは200〜710μmであり、より好ましくは200〜600μmであり、さらに好ましくは200〜500μmである。この重量平均粒子径が200μm以上であれば、通液性や耐吸湿ブロッキング性の観点から好ましく、710μm以下であれば、吸収速度の観点から好ましい。また、加圧下吸収倍率や液拡散性等の種々の吸収性能の観点からは、粒子径が850μm以上または150μm未満の表面架橋後の吸水性樹脂の合計割合は、吸水性樹脂粒子(粉体)の全量100重量%に対して、好ましくは0〜5重量%であり、より好ましくは0〜4重量%であり、さらに好ましくは0〜1重量%である。さらに、粒度分布の対数標準偏差(σζ)は、好ましくは0.20〜0.50であり、より好ましくは0.25〜0.45であり、さらに好ましくは0.28〜0.40である。なお、これらの粒子径に関するパラメータの値としては、米国特許出願公開第2005/118423号に従い、標準ふるい分級(JIS Z8801−1(2000)またはその相当品)により測定された値を採用するものとする。
得られる表面架橋後の吸水性樹脂の嵩比重(JIS K−3362−1998年で規定)は、好ましくは0.40〜0.90g/mlであり、より好ましくは0.50〜0.85g/mlであり、最も好ましくは0.60〜0.80g/mlである。
また、通液性として、得られる表面架橋後の吸水性樹脂のSFC(米国特許出願公開第2004/254553号明細書を参照)は、通常1×10−7(cm・sec/g)以上であり、好ましくは10×10−7(cm・sec/g)以上であり、さらに好ましくは50×10−7(cm・sec/g)以上であり、最も好ましくは100×10−7(cm・sec/g)以上である。
さらに、得られる表面架橋後の吸水性樹脂の加圧下吸収倍率において、PPUPの値は、好ましくは40〜100%であり、より好ましくは50〜100%であり、さらに好ましくは60〜100%であり、最も好ましくは70〜100%である。なお、PPUPは国際出願公開第WO06/109844号パンフレットに記載されており、具体的には下記の手法により測定される。
4.8kPaの圧力下での0.90重量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間の加圧下吸収倍率において、表面架橋後の吸水性樹脂0.9gでの加圧下吸収倍率を「AAP:0.90g」とし、表面架橋後の吸水性樹脂5.0gでの加圧下吸収倍率を「AAP:5.0g」としたときに、当該表面架橋後の吸水性樹脂の加圧下通液効率(PPUP)は、下記式で規定される:
Figure 2008106218
ここで、上述した重量平均粒子径や所定の粒子径を有する樹脂の割合、嵩比重、通液性、PPUPに関する規定は、表面架橋後の吸水性樹脂のみならず、ベースポリマーに対しても適用されうる。すなわち、上述したベースポリマーが吸水性樹脂粒子(粉体)として用いられる場合、ベースポリマーの重量平均粒子径や所定の粒子径を有する樹脂の割合、嵩比重、通液性、PPUPは、表面架橋後の吸水性樹脂について上述した範囲内の値であることが同様の理由から好ましい。なお、本発明において、重量平均粒子径や所定の粒子径を有する樹脂の割合の値としては、後述する実施例に記載の手法により算出された値を採用するものとする。
なお、本発明において用いられる吸水性樹脂粒子(粉体)の生理食塩水(0.90重量%塩化ナトリウム水溶液)に対する無加圧下吸収倍率(CRC)は、好ましくは25g/g以上であり、より好ましくは25〜80g/gであり、さらに好ましくは25〜50g/gである。CRCがかような範囲内の値であれば、衛生材料として用いる場合の性能に優れるという点で好ましい。なお、本発明において、CRCの値としては、後述する実施例に記載の手法により測定された値を採用するものとする。
また、本発明において用いられる吸水性樹脂粒子(粉体)の生理食塩水に対する加圧下吸収倍率は、好ましくは10〜50g/gであり、より好ましくは15〜50g/gであり、さらに好ましくは20〜50g/gである。加圧下吸収倍率がかような範囲内の値であれば、衛生材料として用いる場合の性能に優れるという点で好ましい。なお、本発明において、加圧下吸収倍率の値としては、後述する実施例に記載の手法により測定された値を採用するものとする。
さらに、本発明において用いられる吸水性樹脂粒子(粉体)の吸湿ブロッキング率は、好ましくは0〜50%であり、より好ましくは0〜30%であり、さらに好ましくは0〜10%である。吸湿ブロッキング率がかような範囲内の値であれば、実使用時(特におむつ製造時)の高湿環境下での取扱い性に優れるという点で好ましい。なお、本発明において、吸湿ブロッキング率の値としては、後述する実施例に記載の手法により測定された値を採用するものとする。
(添加剤粒子)
本発明においては、上述した吸水性樹脂粒子(粉体)が、吸水性樹脂以外の添加剤粒子と混合される。以下、添加剤粒子の好ましい形態を説明するが、本発明の技術的範囲が下記の形態のみに制限されるわけではない。
添加剤粒子の具体的な形態については、吸水性樹脂粒子(粉体)との混合によって吸水性樹脂粒子(粉体)に対して種々の機能を付与しうる粉体であれば特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。
本発明において、添加剤粒子は、好ましくは凝集性微粒子である。以下、添加剤粒子が凝集性微粒子である場合を例に挙げて説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみには限定されず、後述する凝集性微粒子以外の添加剤粒子が採用されてもよい。
「凝集性微粒子」とは、平均一次粒子径が3〜500nmであり、凝集粒子径53μm未満の凝集粒子の割合が、凝集性微粒子の全量に対して50重量%未満となる、凝集性の高い微粒子を意味する。ここで、前記平均一次粒子径は、好ましくは5〜100nmであり、より好ましくは10〜50nmである。なお、上述した平均一次粒子径の値としては、コールターカウンター法を用いて測定される値を採用するものとする。また、上述した所定の粒子径を有する凝集粒子の割合の値としては、下記の手法により測定された値を採用するものとする。
[凝集粒子径53μm未満の凝集粒子の割合の測定手法]
温度23℃、湿度50RH%の条件下で、凝集性微粒子50.0gを目開き53μmのJIS標準篩Z8801−1(ステンレス製:内径200×深さ45mm)に仕込み、Φ200用ロータップ(株式会社飯田製作所製、振盪数290r/m、ハンマー打数165r/m、100V、60Hz)を用いた5分間の分級により測定する。
凝集性微粒子は、多価金属塩などの水溶性の微粒子であってもよいし、水不溶性の微粒子であってもよい。好ましくは、凝集性微粒子は、水に対して不溶性または難溶性である。なお、23℃における水100gに対する凝集性微粒子の溶解度は1g未満であることが必須であり、好ましくは0.01g未満であり、より好ましくは0.0001g未満である。
凝集性微粒子の見掛嵩比重は、特に制限されないが、好ましくは0.01〜1g/cmであり、より好ましくは0.02〜0.5g/cmであり、さらに好ましくは0.02〜0.3g/cmである。凝集性微粒子の比重がかような範囲内の値であれば、凝集性微粒子の分散性に優れるという点で好ましい。なお、凝集性微粒子の比重の値としては、JIS K−3362−1998において規定される手法により測定された値を採用するものとする。
凝集性微粒子のBET比表面積は、特に制限されないが、好ましくは1〜10000m/gであり、より好ましくは10〜1000m/gであり、さらに好ましくは50〜500m/gである。また、凝集性微粒子が溶解してなる水溶液または凝集性微粒子が分散してなる分散液のpHは、通常は2〜12である。
凝集性微粒子の乾燥減量(180℃にて3時間)についても特に制限はないが、好ましくは0〜15重量%、より好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%、特に好ましくは0〜1重量%である。乾燥減量がかような範囲内の値であると、凝集性微粒子の分散性や混合性に優れるという点で好ましい。なお、凝集性微粒子の乾燥減量の値としては、下記の手法により測定された値を採用するものとする。
[凝集性微粒子の乾燥減量の測定方法]
凝集性微粒子試料1.00gを、底面直径52mm、高さ22mmのアルミニウムカップ(重量:Wa(g))の底面に均一に散布する。次いで、試料の入ったカップを180℃の無風乾燥機中で3時間乾燥し、乾燥後の重量(Wb(g))を測定する。これら重量Wa、Wbから、下記式に従って、乾燥減量(重量%)を算出する。
Figure 2008106218
凝集性微粒子の具体例としては、例えば、シリカ(二酸化珪素)、チタニア(二酸化チタン)、アルミナ(酸化アルミニウム)、マグネシア(酸化マグネシウム)、酸化亜鉛、タルク、リン酸カルシウム、燐酸バリウム、粘土、珪藻土、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、ハイドロサルタイト、活性白土等の無機質の微粒子状粉体、セルロース、パルプ、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、変性デンプン、キチン、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、メラミン樹脂、メラミン−ベンゾグアナミン樹脂、活性炭、茶の葉等の有機質の微粒子状粉体等が挙げられる。これらの凝集性微粒子は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
これらの凝集性微粒子の中でも水不溶性の無機質の微粒子状粉体が好ましく、より好ましくはアモルファス状態であり、さらに好ましくはシリカ、チタニア、アルミナ、ゼオライト、カオリン、ハイドロサルタイトが用いられ、特に好ましくはシリカが用いられる。市販の商品としては、デグッサ製の商品名サイパーナット、シオノギ製の商品名カープレクス、日本アエロジル製の商品名アエロジル200、アエロジル200CF、アエロジル300、アエロジル300CF、アエロジル380、アエロジルR972、また、トクヤマ製の商品名レオロシールQS−20などが挙げられる。
なお、凝集性微粒子の表面は、アニオン基、カチオン基、アルキル基などを含んでもよいし、親水化または疎水化されていてもよい。なかでも、表面にカチオン基(アミノ基)を含むことが好ましい。かような凝集性微粒子としては、具体的には、日本アエロジル製RA200HS、WACKER社製HDK(登録商標)H2015EP、H2050EP、H2150VP、H05TA、H13TA、H30TAなどが挙げられる。
本願の第1の形態は、過凝集粒子の含有量が少ない添加剤粒子(凝集性微粒子)を用いる点に特徴を有する。ここで、「過凝集粒子」とは、1.0mm以上の粒子径を有する凝集粒子を意味する。かような過凝集粒子は、凝集性微粒子が製造される際、製造後に充填される際、または製造後に搬送される際などに、局所的にかかる圧力によって生成しうる。本発明者らは、商品名アエロジル200(日本アエロジル株式会社製、一次粒子径:12nm)に代表される凝集性微粒子は、上述したように意外なほど凝集しており、また、後述する過凝集粒子の割合も40重量%以上(上限100重量%)と多く、これが吸水性樹脂の改質に影響を与える、すなわち、過凝集粒子の含有率が少ないと、吸水性樹脂粒子への添加剤粒子の添加による改質効果が充分に発揮されることを見出した。
第1の形態において、添加剤粒子(凝集性微粒子)における過凝集粒子の含有率は0〜20重量%であり、好ましくは0〜10重量%であり、より好ましくは0〜5重量%であり、さらに好ましくは0〜2重量%である。かような形態によれば、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合による吸水性樹脂粒子(粉体)の表面改質効果が向上しうる。なお、添加剤粒子(凝集性微粒子)における過凝集粒子の含有率の値としては、後述する実施例に記載の手法により測定される値を採用するものとする。
過凝集粒子の割合が上述した範囲内の値である凝集性微粒子は、凝集性微粒子の製造工程を調整することで得てもよいし、凝集性微粒子の複数のロットから選別してもよいが、再度凝集する可能性があるため、後述する混合工程に先立って、凝集性微粒子を予め解砕/分級して、過凝集粒子の割合を所望の値とすることが好ましい。なお、「解砕」とは凝集をほぐす操作をいい、一般に粉砕を伴わなくてもよい。
すなわち、本願の第2の形態は、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子(凝集性微粒子)とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記混合工程前に、前記添加剤粒子(凝集性微粒子)を予め解砕または分級する工程を有することを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法である。
凝集性微粒子を解砕/分級する手法は、特に限定されないが、次の(a)〜(d)の手法が好ましい。
(a)網目または多孔板を通過させることによる解砕/分級
使用する網の目開きは特に限定されないが、標準篩で5mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、1.5mm以下がさらに好ましく、1.0mm以下が特に好ましい。なお、網を通過させる回(枚)数は、1回(枚)でもよいし、2回(枚)以上であってもよい。輸送管の長さ、ポンプの輸送能力、網の目開きなどに応じて、過凝集粒子が少なくなるように適宜調整すればよい。また、同様の目的において、網に類似する機能を有する、多数の孔を有する板(いわゆる多孔板)を用いてもよい。用いられる多孔板の有する孔の好ましい孔径の範囲は、上述した網の目開きの範囲と同一である。
(b)気流による解砕
気流、例えば、微粒子1kgに対して0.1〜100m/秒の気流を1秒間〜10時間、好ましくは1分間〜1時間程度吹き付ける。なお、当該気流は、加圧により発生したものであってもよいし、吸引により発生したものであってもよい。
(c)攪拌による解砕
攪拌翼を用い、10〜10000rpm、好ましくは100〜5000rpmで、1秒間〜10時間、好ましくは1分間〜1時間程度攪拌する。
(d)粉砕機による解砕
例えば、ミートチョッパー、ドームグラン(湿式押し出し造粒機)、アルガイヤ(揺動式円形篩)、振動篩機、ジェットミル、フラッシュミル、ピンミル、ロールミル、ハンマーミル、カッターミル、ホモジナイザー、サンプルミルなどを用いて解砕する。
また、過凝集粒子を解砕/分級する工程には、凝集性微粒子を供給ホッパーなどへの輸送(充填)に用いられるエネルギーを利用することが好ましく、輸送と同時に解砕/分級を行うとよい。例えば、凝集性微粒子をエアードポンプ(粉体用のエアー駆動式ダイヤフロムポンプ)で供給ホッパーへ充填する場合、充填用の輸送管に網を設置し、過凝集粒子にその網を通過させることで解砕を行う方法が特に好ましい。網の設置により、凝集性微粒子が輸送管を流れ難くなる場合は、輸送管に送る空気量を増やすと流れやすくなる場合が多い。
以上、添加剤粒子が凝集性微粒子である場合を例に挙げて具体的に説明したが、凝集性微粒子以外の粉体が「添加剤粒子」として用いられてもよい。「添加剤粒子」として用いられうる凝集性微粒子以外の粉体としては、例えば、塩化ナトリウムなどの一価金属塩;硫酸アルミニウムなどの多価金属塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の含硫黄系無機化合物(米国特許第4863989号);アパタイト;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸塩等の金属石鹸;ソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤;ポリエチレンオキサイド、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)、ポリビニルピロリドン等の水溶性ポリマー;L−アスコルビン酸(塩)、シュウ酸(塩)、コハク酸(塩)等の有機酸(塩);ハイドロキノン、メトキノン等のラジカル禁止剤(米国特許第4972019号);エチレンジアミン四酢酸(塩)、ジエチレンペンタミン五酢酸(塩)、エチレンジアミン二コハク酸(塩)等のキレート剤(米国特許第6599989号);シクロデキストリン;銀、銅、亜鉛などの無機抗菌剤などが挙げられる。これら以外の粒子(粉体)が「添加剤粒子」として用いられても、勿論よい。また、凝集性微粒子以外の上記添加剤粒子の、見掛嵩比重、BET比表面積、乾燥減量、過凝集粒子(1.0mm以上の粒子径を有する凝集粒子)等は、上記凝集性微粒子について記載される範囲と同様の範囲が適用される。
添加剤粒子の混合によれば、添加剤粒子の種類に応じた種々の機能が、吸水性樹脂粒子(粉体)に付与されうる。この際、吸水性樹脂粒子(粉体)に付与される具体的な機能について特に制限はなく、上述した各特許文献などの従来公知の知見が適宜参照されうる。一例としては、添加剤粒子としてシリカや金属石鹸などを採用すると、吸水性樹脂粒子(粉体)の耐吸湿ブロッキング性などの性能が向上する。また、添加剤粒子としてシリカや硫酸アルミニウムなどを採用すると、吸水性樹脂粒子(粉体)の通液性などの性能が向上する。さらに、添加剤粒子として酸化チタンやシクロデキストリンなどを採用すると、吸水性樹脂粒子(粉体)に対して消臭性などの機能が付与されうる。
(吸水性樹脂粒子と添加剤粒子との混合工程)
本発明においては、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合後、または混合と同時に、好ましくは混合後に、より好ましくは混合直後に、混合物に対して加熱された状態で圧送処理を施すことが好ましい。本発明において、「混合物に対して圧送処理を施す」とは、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合物を、0.1〜10MPaの圧力で移動させうる装置またはプラグ流を発生する装置に供給され、当該装置内において、所定の圧力条件下で、またはプラグ流を形成しながら混合物を移動させることを意味する。プラグ流は、混合物を処理するための装置(通常は配管)に圧縮空気を圧送することで、発生する。この際に用いられる圧縮空気の圧力は、0.1〜10MPaである。圧縮空気の圧力がかような範囲内の値であると、効率的にプラグ流が発生し、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合が効果的になされる。吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との均一な混合によって、吸水性樹脂組成物が完成する。なお、「混合直後」とは、混合後0〜120分以内を意味し、好ましくは混合後0〜60分以内、より好ましくは混合後0〜20分以内に圧送処理を施す。
すなわち、本願の第3の形態は、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合後または混合と同時に、前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合物を、特に加熱された状態で、0.1〜10MPaの圧力で圧送処理することを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法である。
また、本願の第4の形態は、吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合後または混合と同時に、特に前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合物が加熱された状態で、プラグ流で圧送処理することを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法である。
本発明において、「プラグ流処理による混合」との概念は、上述したように吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子とがプラグ流を形成しながら混合されること以外は何ら制限されず、最大限広い範囲に解釈されるべきである。ただし、プラグ流処理は、好ましくは空気輸送と同時に行われることが好ましい。以下、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合物に対して、高濃度空気輸送と同時にプラグ流処理を施す場合を例に挙げて、本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、下記の形態のみには何ら制限されることはない。
本願の第3および第4の形態における混合工程の好ましい形態について、図1を参照しながら説明する。高濃度空気輸送装置は、特開平6−191640号公報、特開平6−345264号公報、社団法人化学工学会編「化学工学便覧」丸善、p.890、「16・6・2 流体による輸送法」などの公知技術を参照して設計されうる。
図1は、高濃度空気輸送装置100の一実施形態を示す概略図である。
吸水性樹脂粒子(粉体)は、第1ホッパー102に貯蔵される。一方、添加剤粒子は、第2ホッパー104に貯蔵される。第1ホッパー102に貯蔵された吸水性樹脂粒子(粉体)、および第2ホッパー104に貯蔵された添加剤粒子は、それぞれリフトタンク106に供給される。各ホッパー(102、104)からリフトタンク106への吸水性樹脂粒子(粉体)および添加剤粒子の供給には、コンプレッサー108によって作製される圧縮空気が用いられうる。各ホッパー(102、104)の底部には、ガスシール可能なバルブが設けられていることが好ましい。
リフトタンク106において、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子とが接触し、混合が開始される。この際、リフトタンク106の内部における吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合状態は特に問わない。目視でも判別可能な程度に不均一な混合物の状態であってもよいし、均一な混合物の状態であってもよい。リフトタンク106の内部において均一な混合物とする目的で、リフトタンク106は混合手段(図示せず)を別途備えてもよい。かような混合手段の作動機構は特に制限されないが、例えば、撹拌混合や気流混合が例示され、特に気流混合が好ましく採用されうる。撹拌混合を採用する場合には、例えば、撹拌翼がリフトタンク内に設置される。一方、気流混合を採用する場合には、例えば、リフトタンクの円周方向に気流を発生させうるブロワがリフトタンクの内壁に設置される。ただし、本発明によれば、下記に詳述する高濃度空気輸送処理によって吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との均一な混合が達成されうることから、かような別途の混合手段を設けない方が、製造コストの削減や製造装置の小型化といった観点からは好ましい。すなわち、本願の第3または第4の形態においては、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子とを、撹拌せずに混合した後に圧送処理を施すことが好ましい。
上述した混合物は、リフトタンク106を通じて、輸送管110に供給される。リフトタンク106から輸送管110への混合物の供給、および輸送管110内部での混合物の輸送にもまた、コンプレッサー108によって作製される圧縮空気が用いられうる。別途設けられたコンプレッサー108が用いられてもよい。圧縮空気による高濃度空気輸送によって、混合物は吸水性樹脂組成物ホッパー112に輸送される。リフトタンク106から吸水性樹脂組成物ホッパー112へ至る過程において、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合物の均一性は格段に向上しうる。
リフトタンク圧は特に制限されないが、好ましくは0.1〜10MPaであり、より好ましくは0.1〜5MPaであり、さらに好ましくは0.1〜1.0MPaであり、特に好ましくは0.1〜0.5MPaである。
空気輸送は、高濃度空気輸送及び低濃度空気輸送に大別され、通常、高濃度空気輸送の輸送圧力は0.1MPa以上、低濃度空気輸送の輸送圧力は0.1MPa未満となっている。本発明で用いられる高濃度空気輸送は、低濃度空気輸送に比べて、輸送風速が遅く、所要動力が小さい。輸送管中を輸送される粉体の濃度が高くなると、粉体の集団が管断面の全体をプラグ状に塞ぐ。このとき、ほとんどの粒子は輸送管の壁面と衝突しないため、管の磨耗や粉体の破砕が抑制される。このように、粉体は、プラグ状に輸送管を塞ぎながら輸送される。理想化されたプラグ輸送は、粉体の集団と空気とが整然と分離されて、粉体が輸送される。ただし、粉体と空気とが整然と分離されることは稀である。実際系においては、管底側に粉体の静止堆積層が形成され、その上をプラグが波動的な運動を示しながら移動する。または、粉体の堆積層が成長して丘状の塊からプラグとなり、ある程度進んだのち、プラグが崩壊する。この挙動を繰り返して、粉体が輸送される。
本発明においては、このような粉体の高濃度空気輸送を実現する装置を、高濃度空気輸送装置と呼ぶ。言い換えれば、高濃度空気輸送装置においては、プラグを形成しながら粉体が輸送管内を移動する。本発明において用いられる高濃度空気輸送装置の構成は特に限定されないが、少なくとも、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合物が移動する輸送管を有する。
装置の大きさについては、本発明では規定されない。輸送される混合物の量や輸送距離に応じて、装置の大きさも決定される。混合物の輸送距離は、輸送管の長さを調整することによって、制御されうる。本発明において、輸送管の長さは、好ましくは1〜200mであり、より好ましくは10〜180mであり、さらに好ましくは20〜150mである。輸送管の長さがかような範囲内の値であれば、設備コストを過剰に必要とすることなく、混合の均一性の高い吸水性樹脂組成物が製造されうる。また、混合物の混合状態は、輸送管の内径を調整することによって、制御されうる。輸送管の内径は、好ましくは5〜100mmであり、より好ましくは10〜100mmであり、さらに好ましくは50〜100mmである。本発明の一実施形態においては、吸水性樹脂組成物を輸送すると同時に混合を行なうものであるが、混合だけを目的にするのであれば、配管の引き方は、直線的である必要はなく、ループ状やらせん状であってもよいし、また、混合性を上げるために同じ配管内を繰り返し圧送させてもよい。
高濃度空気輸送処理時の処理条件についても、特に制限はない。処理時間は、好ましくは0.1〜20分間であり、より好ましくは0.5〜18分間であり、さらに好ましくは1〜15分間である。輸送管における末端線速も特に制限されないが、好ましくは0.1〜50m/secであり、より好ましくは0.5〜45m/secであり、さらに好ましくは1〜40m/secであり、特に好ましくは4〜30m/secである。輸送管における末端固気比も特に制限されないが、通常は10〜200kg−Solid/kg−Airであり、好ましくは10〜100kg−Solid/kg−Airであり、より好ましくは10〜75kg−Solid/kg−Airであり、さらに好ましくは10〜50kg−Solid/kg−Airである。また、混合物の処理量は、特に制限されないが、好ましくは1000〜8000kg/hrであり、より好ましくは1300〜7000kg/hrであり、さらに好ましくは1500〜6000kg/hrである。
高濃度空気輸送処理は、バッチ式で行われてもよいし、連続式で行われてもよいが、好ましくは連続式で行われる。
なお、本形態においては、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合物が高濃度空気輸送装置を用いて輸送されるが、「粒子(粉体)」とは高濃度空気輸送装置を用いて輸送されうるあらゆる形態を含む広い概念である。物体を破砕したときに生じる形態を表す用語として、「粉末」、「塊」など、様々な用語が用いられる。本願における「粒子(粉体)」とは、これらの用語のいずれかに限定されるべきものではなく、高濃度空気輸送装置を用いて輸送されうる程度に微細である全ての形態を意味する。
本発明において、輸送管に供給される混合物中の吸水性樹脂粒子(粉体)の温度は、室温を超えていることが好ましい。また、吸水性樹脂粒子(粉体)は、より好ましくは30〜100℃、さらにより好ましくは40〜95℃以上、特に好ましくは45〜95℃の温度範囲に制御された状態で圧送処理される。吸水性樹脂粒子(粉体)をかかる温度範囲に制御する方法としては、適宜加熱あるいは冷却、保温などして制御すればよい。なお、吸水性樹脂粒子(粉体)の材料温度が低い場合には、混合が不均一になったり、凝集したりする場合がある。また、吸水性樹脂粒子(粉体)の材料温度が高い場合には、吸水性樹脂粒子(粉体)の劣化や着色が起こったり、加熱のために大きなエネルギーを必要とし、エネルギー的に不利であるおそれがある。これに対して、輸送管に供給される吸水性樹脂粒子(粉体)の温度を上記した温度範囲に保持することによって、粒子(粉体)の流動性が向上し、また、装置への付着やそれに伴う配管の閉塞が防止されるため、より均一な混合が達成され、連続操業性も高まり、各種物性の優れる吸水性樹脂組成物が得られる。
輸送管に供給される吸水性樹脂粒子(粉体)の温度は、輸送管の入口における混合物の温度を測定することによって求められうる。ここで、「輸送管の入口」とは、混合物が空気輸送される輸送管に入る箇所周辺を意味する。吸水性樹脂粒子(粉体)の温度の上限は特に限定されないが、温度が高すぎると吸水性樹脂としての物性が低下する虞がある。また、粒子(粉体)の温度を高温に保持するためのエネルギーが多量に必要である。これらの観点からは、輸送管に供給される混合物中の吸水性樹脂粒子(粉体)の温度は、好ましくは100℃以下である。
輸送管の出口における吸水性樹脂粒子(粉体)の温度もまた、好ましくは30℃以上であり、より好ましくは40℃以上であり、さらに好ましくは50℃以上である。ここで、「輸送管の出口」とは、混合物が輸送管から排出される箇所周辺を意味する。輸送管内を輸送されている吸水性樹脂粒子(粉体)の温度を所定の値以上に保持することによって、吸水性樹脂の物性の低下が抑制される。
吸水性樹脂粒子(粉体)の温度を30℃以上に制御する手法は特に制限されないが、ホッパーなどの貯蔵手段および輸送管を外部から加熱する手段(例えば、加熱ジャケット、リボンヒーター、電気ヒーター、赤外線ランプなど)を配置する方法が好ましく用いられる。具体的には、第1および第2ホッパー(102、104)並びに輸送管110の外壁に銅パイプを配置し、銅パイプ内にスチームを通過させることによって、輸送管110に供給される吸水性樹脂粒子(粉体)および輸送管110内部を移動する吸水性樹脂粒子(粉体)の温度を、所望の値に維持しうる。
高濃度空気輸送装置自体は、公知の技術を用いて製造されうる。市販されている高濃度空気輸送装置が用いられてもよい。必要であれば、輸送されている混合物を所定温度以上に保持するための加熱手段が、高濃度空気輸送装置に配置されてもよい。
上述した高濃度空気輸送処理を用いて製品ホッパー直前で吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合物を圧送処理することが最も好ましい実施形態であるが、いずれの工程(重合工程、乾燥工程、表面処理工程、造粒工程)間で行なってもよい。
本工程において混合される吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合比は特に制限されず、得られる吸水性樹脂組成物の所望の吸収特性その他の特性、および従来公知の知見を適宜考慮して、決定されうる。一例を挙げると、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子との混合比(重量比)は、好ましくは100:0.01〜100:1(吸水性樹脂粒子:添加剤粒子)であり、より好ましくは100:0.1〜100:0.7(吸水性樹脂粒子:添加剤粒子)であり、さらに好ましくは100:0.2〜100:0.5(吸水性樹脂粒子:添加剤粒子)である。添加剤粒子の混合比が0.01以上であれば、得られる吸水性樹脂組成物の吸湿ブロッキング率が低い値に保持され、吸湿流動性に優れるため、好ましい。一方、添加剤粒子の混合比が1以下であれば、得られる吸水性樹脂組成物が加圧下吸収倍率(AAP0.3)に優れるため、好ましい。ただし、これらの範囲を外れる形態が採用されてもよいことは勿論である。
以上、高濃度空気輸送装置を用いて吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子とを圧送処理する場合を例に挙げて、混合工程を詳細に説明したが、本願の第1または第2の形態を実施するにあたっては、その他の混合手段が用いられてもよい。
例えば、混合機として、連続または回分式混合機であって、気流型混合機ないし回転攪拌型混合機を用いることができ、特に回転攪拌型混合機を用いることが好ましい。これら混合機としては、例えば、コニカルブレンダー、ナウターミキサー、ニーダー、V型混合機、流動式混合機、タービュライザー、レディゲミキサー、スクリューミキサー、リボンブレンダー、モルタルミキサーなどの連続または回分式の機械的混合機が挙げられる。かかる回転攪拌型混合機は通常10〜10000rpm、さらには100〜5000rpmで回転混合される。
なお、これらの混合手段を用いて混合される場合であっても、混合時の吸水性樹脂粒子の温度は室温を超えていることが好ましい。吸水性樹脂粒子(粉体)が、好ましくは35〜100℃、さらに好ましくは40〜95℃、特に好ましくは45〜90℃の温度範囲に制御されて、添加物が混合される。吸水性樹脂粒子(粉体)をかかる温度に制御する方法としては、適宜加熱したり保温したりすればよい。吸水性樹脂粒子(粉体)の材料温度が低すぎると、混合が不均一になったり凝集したりする可能性がある。また、吸水性樹脂粒子(粉体)の材料温度が高すぎると、吸水性樹脂粒子(粉体)の劣化や着色を伴ったり、エネルギー的に不利である。
さらに、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子と混合した後、得られた吸水性樹脂組成物を搬送してもよい。搬送によってさらに混合が促進され、より高物性の吸水性樹脂組成物が得られる。
用いられる搬送機としては、連続的に移送できるものであれば特に制限はなく、上述した高濃度空気輸送装置のほか、スクリューコンベアー、スプリングコンベアー、ベルトコンベアー、バケットコンベアーおよび振動フィーダー等が挙げられ、非開放の状態で搬送することが好ましい。さらに好ましくは、非開放系でしかもコンベアー内の気相部すなわち樹脂等を受容する箇所が例えば仕切り板またはスクリュー等で仕切られている搬送機である。
上記に挙げた搬送機はいずれも排出口ならびに必要に応じて投入口にロータリーバルブ等を取り付けることにより、連続搬送性を損なうことなく容易に非開放系化を実現できる。非開放化がもっとも容易なのは空気輸送機ないしスクリューコンベアーであり、特に空気輸送機である。また、空気輸送機は、添加剤粒子と吸水性樹脂粒子(粉体)との混合を促進させる効果からも、特に優れた搬送機である。なお、搬送中にも混合物は前記温度に加熱または保温されることが好ましく、例えば、ジャケット加熱、リボンヒーター、電気ヒーター、赤外線ランプ等による加熱方式が採用できる。
混合や搬送に要する時間は、好ましくは10分間以下(通常0.01秒間〜10分間)であり、より好ましくは0.1秒間〜5分間であり、さらに好ましくは0.5秒間〜3分間であり、特に好ましくは1秒間〜1分間であり、最も好ましくは1〜30秒間である。時間が短すぎると、一般に混合が不十分になり易い。また、時間が長すぎると、表面破壊により物性の低下した吸水性樹脂組成物となる。従来の方法では、添加物の混合や凝集物の解砕により表面架橋が破砕され、得られる吸水性樹脂組成物の物性が低下していたことが見出されたが、本発明では従来になく短時間で均一混合が達成され、高物性の吸水性樹脂組成物が得られる。
(吸水性樹脂組成物)
本発明によれば、吸水性樹脂粒子(粉体)と添加剤粒子とが混合されてなる吸水性樹脂組成物が製造される。本発明により製造された吸水性樹脂組成物は、従来の混合方法と比べて吸水性樹脂粒子(粉体)の表面に対する損傷が比較的少ない。従って、得られる吸水性樹脂組成物は、種々の物性に優れる。以下、得られた吸水性樹脂組成物の物性の好ましい形態を説明するが、下記の形態によって本発明の技術的範囲が制限を受けることはない。
得られる吸水性樹脂組成物の粒度(D50、粒度分布の対数標準偏差(σζ))、嵩比重、CRC、AAP0.3、吸湿ブロッキング率、通液性、PPUPの好ましい形態は、吸水性樹脂粒子(粉体)の物性の好ましい形態として上述した形態と同様である。従って、ここでは詳細な説明を省略する。
得られる吸水性樹脂組成物の含水率(組成物1gの180℃/3hrでの減量で規定)は、好ましくは10重量%未満であり、さらに好ましくは0.1〜7重量%であり、さらに好ましくは0.2〜5重量%である。
本発明の製造方法によれば、混合工程の前の吸水性樹脂粒子(粉体)から混合工程の後の吸水性樹脂組成物へと変化した場合の、種々の物性(例えば、AAP0.3や耐吸湿ブロッキング率)の低下が著しく抑制されうる。
具体的には、混合工程の前の吸水性樹脂粒子(粉体)のAAP0.3に対する、混合工程の後の吸水性樹脂組成物のAAP0.3の保持率は、好ましくは95%以上であり、より好ましくは96%以上であり、さらに好ましくは97%以上である。なお、AAP0.3の保持率は、下記式に従って算出される。
Figure 2008106218
さらに、本発明者らは、従来の吸収性物品において物性にブレが生じる要因を鋭意探索したところ、吸水性樹脂の出荷後、実際におむつなどの吸収性物品に組み込む(例えば、吸水性樹脂とパルプなどとを混合して吸収体を作製する)際に、吸収体における吸水性樹脂の分布が不均一となっていることを見出した。そして、
上述した本願の第1〜第4の形態に係る製造方法により得られる吸水性樹脂組成物においては、添加剤粒子の添加量や遊離性添加剤粒子の量が所定の関係を満足しており、これを満足する組成物は、安定して高い物性を発現可能であることを見出した。
すなわち、本発明の第5の形態は、吸水性樹脂粒子100重量部および添加剤粒子0.01〜1重量部を含有する吸水性樹脂組成物であって、組成物中の前記吸水性樹脂粒子100重量%を基準とした前記添加剤粒子の重量百分率(X[%])と、前記百分率(X[%])に対する遊離添加剤粒子の重量比(Y)と、が下記式を満足することを特徴とする、吸水性樹脂組成物が提供される:
Figure 2008106218
本形態において、Xは、組成物中の前記吸水性樹脂粒子100重量部に対する前記添加剤粒子の重量百分率を意味する。すなわち、吸水性樹脂組成物が100重量部の吸水性樹脂粒子と0.3重量部の添加剤粒子とを含む場合、Xは0.3[%]である。
また、本形態において、Yは、遊離添加剤粒子の重量比を意味する。「遊離添加剤粒子」とは、組成物中の吸水性樹脂100重量%を基準とした場合の、所定の条件下での吸水性樹脂組成物からの浮遊物中に含まれる添加剤粒子の重量百分率を、前記Xに対する比として表現したものである。ここで、XやYの値としては、後述する実施例に記載の手法により得られる値を採用するものとする。
本形態において、前記Xおよび前記Yは、下記式を満足する:
Figure 2008106218
ここで、Yの値が上限値よりも大きいことは、添加剤粒子が遊離しやすい状態と考えられ、添加剤粒子の添加効果が得られにくいため、吸湿ブロッキング率が高くなる虞がある。一方、Yの値が下限値よりも小さいことは、添加剤粒子が吸水性樹脂粒子表面の微細なくぼみに入り込むほど細かく分散している状態と考えられる。この場合、添加剤粒子は遊離しにくいが、吸水性樹脂粒子同士の付着を抑制する本来の働きが薄れてしまい、吸湿ブロッキング率が高くなる虞がある。すなわち、上記関係式を満足するようにYの値を制御すれば、高湿環境下での取扱い性が良好となり、おむつなどの吸収性物品としても所望の性能を発揮しうる。
本発明において、XおよびYは、好ましくは、下記式を満足し:
Figure 2008106218
より好ましくは、下記式を満足する:
Figure 2008106218
なお、前記Xは、上述した吸水性樹脂粒子と添加剤粒子との好ましい混合比(重量比)に従って、好ましくは0.01〜1であり、より好ましくは0.1〜0.7であり、さらに好ましくは0.2〜0.5である。前記Xが0.01以上であれば、吸湿ブロッキング率が低く抑えられ、前記Xが1以下であれば、加圧下吸収倍率の低下が抑制される。
本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂組成物は、水だけでなく、体液、生理食塩水、尿、血液、セメント水、肥料含有水などの水を含む各種液体を吸収するものであり、使い捨ておむつや生理ナプキン、失禁パッド等の衛生材料を始め、土木、農園芸等の各種産業分野においても好適に用いられる。
さらに、本発明の製造方法により得られる吸水性樹脂組成物は、消臭剤、抗菌剤、香料、薬剤、植物生育助剤、殺菌剤、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料等を、組成物の全量に対して、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0.001〜15重量%程度含むことにより、新たな機能を発揮することもできる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲が下記の実施例のみに制限されることはない。なお、下記の実施例および比較例に記載の「%」とは、特記しない限り「重量%」を意味する。実施例および比較例における、種々のパラメータの測定方法および評価方法を以下に示す。
(A)添加剤粒子における過凝集粒子の含有率[%]の測定
温度23℃、湿度50RH%の条件下で添加剤粒子50.0gを目開き1000μmのJIS標準篩Z8801−1(ステンレス製:内径200×深さ45mm)に仕込み、Φ200用ロータップ(株式会社 飯田製作所製、振盪数290r/m、ハンマー打数165r/m、100V、60Hz)を用いて5分間分級し、1000μm篩上に残る添加剤粒子の量を測定し、この量をW3(g)とする。そして、添加剤粒子中における過凝集粒子の含有率[%]を、下記式に従って算出する。
Figure 2008106218
(B)組成物中の添加剤粒子の重量百分率(X[%])の測定
本実施例では、凝集性微粒子であるシリカ微粒子を添加剤粒子として用いたため、ここでは添加剤粒子がシリカ微粒子である場合を例に挙げて、添加剤粒子の重量百分率(X)の測定方法を説明するが、添加剤粒子として他の材料が用いられる場合であっても、同様の手法により添加剤粒子の重量百分率(X)を求めることが可能である。
(1)検量線の作成
添加剤粒子が添加されていない吸水性樹脂(例えば、後述する参考例の吸水性樹脂粒子(iii))100重量%に対して、シリカ微粒子(アエロジル200、日本アエロジル株式会社製)を0、0.15、0.3、0.5、1.0重量%それぞれ添加混合した標準サンプルを作成する。
次いで、これらのシリカ微粒子の濃度が既知の標準サンプルについて、吸光度(波長:410nm)を求めることにより検量線を作成する。
(2)組成物中の添加剤粒子(シリカ微粒子)の重量百分率(X)の測定
1)試験サンプル0.500gを250mlポリプロピレン(PP)製ビーカーに入れ、炭酸ナトリウム(無水)を0.5g加える。
2)1)に80℃の脱イオン水(grade3,ISO3696)100mlを100mlPP製メスシリンダーを用いて加え、2.5cmスターラーチップを入れ、80℃を保持したまま、マグネチックスターラー上で2時間攪拌し、固体シリカを溶解させる。
3)ひだ折にした定量ろ紙(Toyo Roshi Kaisha,Ltd.製No.5C、185mm)およびPP製ロートを用いて2)を濾過し、濾液を100mlPP製メスフラスコに受ける。
4)PP製ロートにある濾紙上に液がほとんどなくなった時点(約1時間後)で、6N塩酸3mlをPP製駒込ピペットで加え、できるだけゲルを収縮させる。
5)得られた濾液に6N塩酸3ml、続いてモリブデン酸アンモニウム5%溶液4mlを2回加え、純水で100mlにメスアップ後、栓をしてよく振る。
6)5)の発色液を分光光度計(日立製 IU−1100 Spectrophotometer)により波長410nm、セル10mmにて、発色後5〜20分以内に吸光度(ABS)を求める。ブランクとして同様の操作を純水で行う。
7)求めた吸光度からブランクを差し引いた値を試験サンプルの吸光度とし、上記で作成した検量線をもとに試験サンプル中のシリカ微粒子の重量百分率(X[重量%])を求める。
(C)遊離添加剤粒子の重量比(Y)の測定
まず、吸水性樹脂組成物の全量に占める浮遊物量比を測定し、次に、浮遊物の全量に占める添加剤粒子量比を測定することで、遊離添加剤粒子の重量比(Y)が算出されうる。なお、ここでも添加剤粒子がシリカ微粒子である場合を例に挙げて説明するが、添加剤粒子として他の材料が用いられる場合であっても同様の手法により遊離添加剤粒子の重量比(Y)が求められうることは、上記と同様である。
(1)吸水性樹脂組成物の全量に占める浮遊物量比(A[%])の測定
株式会社セイシン企業製 Heubach Dustmeter 2000を用い、以下の条件で吸水性樹脂組成物からの浮遊物量を測定する。
測定条件:
作業環境:18〜22℃/45〜55RH%
試料:100.00g
形式:Type(I)(横型)
Rotat.:30R/min
Airflow:20.0L/min
Time:60min(設定上限30分ゆえ、30分を2回行う)
捕集フィルター:濾紙(ADVANTEC製 GC90)
測定60分後の濾紙の重量増加分[mg]を計測し、次式に従って、吸水性樹脂組成物の全量に占める浮遊物量比(A[%])を算出する。
Figure 2008106218
(2)浮遊物の全量に占める添加剤粒子量比(B[%])の測定
添加剤粒子量比(B)は、浮遊物中に含まれるNa元素およびSi元素の重量%をそれぞれ測定する。次いで、得られた測定値、並びに吸水性樹脂(中和塩がNa塩の場合)の中和率および平均分子量をもとに算出されうる。
具体的には、上記の(C)(1)の浮遊物量比(A)の測定で用いた濾紙から浮遊物を適量採取し、5mm×5mmのカーボンテープを貼付したSEM用試料台に移し取る。この際、カーボンテープ上に浮遊物を均一に撒布する。この浮遊物をSEM−EDS(Energy Dispersive X−ray Spectrometer)を用いてZAF法による定量分析を行う。これにより、浮遊物の全量に占めるNa元素の重量比(Na%)およびSi元素の重量比(Si%)が測定されうる。SEM−EDSの測定条件は以下の通りである。
測定条件:
装置:走査電子顕微鏡(JOEL製 JSM−5410LV SCANNING MICROSCOPE)
加速電圧:20kV
倍率:50倍
測定視野:900μm×1200μm程度
測定視野の面積の少なくとも50%以上が浮遊物で覆われている状態
Siピーク:SiK 1.739keV
Naピーク:NaK 1.041keV
これらのピークに重なる他の元素のピークが存在する場合(例えば、NaKとZnLaなど)は、当該他の元素のピークを差し引くことで補正する。
また、吸水性樹脂の中和率(N[mol%])および平均分子量(Mw)は、以下の手法により測定されうる。
まず、250ml容量の蓋付きプラスチック容器に0.90重量%食塩水184.3gをはかり取り、その水溶液中に吸水性樹脂粒子または吸水剤1.00gを加え1時間、スターラーを回転させ攪拌することにより樹脂中の可溶分を抽出する。
この抽出液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を用いて濾過することにより得られた濾液の50.0gを測り取り、測定溶液とする。
初めに0.90重量%食塩水のみを、0.1NのNaOH水溶液を用いてpH10まで滴定し、その後、0.1NのHCl水溶液を用いてpH2.7まで滴定して空滴定量([bNaOH]ml、[bHCl]ml)を得る。
同様の滴定操作を測定溶液についても行うことにより、滴定量([NaOH]ml、[HCl]ml)を求める。
上記操作により得られた滴定量をもとに、吸水性樹脂粒子または吸水剤の中和率(N[mol%])および平均分子量(Mw)を、下記式に従って算出する。
Figure 2008106218
上記で測定されたNa%およびSi%の値、並びに吸水性樹脂の中和率(N[mol%])および平均分子量(Mw)の値から、下記式に従って、浮遊物の全量に占める添加剤粒子量比(B[%])が算出されうる。
Figure 2008106218
なお、上記の説明では、吸水性樹脂の中和塩がNa塩である場合を例に挙げて説明したが、中和塩として他の塩が用いられる場合であっても、本方法に準じて、Bは算出されうる。例えば、吸水性樹脂の中和塩がカリウム塩であれば、Na%およびSi%の値に代えて、浮遊物の全量に占めるK元素の重量比(K%)およびSi%の値を採用すればよい。
また、浮遊物中の添加剤粒子量比は上記の方法で測定されることが好ましいが、成分が未知である場合や、他の元素の含有量が多い場合などには、正確な値が得られる限り、元素分析等の他の公知の手法により測定してもよい。
(3)吸水性樹脂組成物の全量に占める遊離添加剤粒子量比(C[%])の測定
下記式に従って、吸水性樹脂組成物の全量に占める遊離添加剤粒子量比(C[%])を算出する。
Figure 2008106218
(4)遊離添加剤粒子の重量比(Y)の測定
最後に、下記式に従って、遊離添加剤粒子の重量比(Y)を算出する。
Figure 2008106218
(D)異物量の測定
1000μm通過物(好ましくは850μm通過物)である吸水性樹脂組成物2kgを無作為にサンプリングし、およそ毎分2kgのスピードでサンプルを振動篩機(型式DY−300 株式会社みやこ物産製、篩:目開き1.0mm 内径300×深さ120mm 株式会社飯田製作所製)にかけ、篩上に残存した異物(吸水性樹脂以外)の数をカウントする。上記操作を5回繰り返し、カウント数の平均を測定サンプルの異物量[粒/kg]とする。なお、篩上の異物を直接カウントし難い場合には、識別しやすい色(例えば、黒色)のシートに移してカウントを行ってもよい。
(E)生理食塩水に対する無加圧下吸収倍率(CRC)の測定
吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物0.20gを不織布製の袋(60mm×85mm)に均一に入れ、25±2℃に調温した生理食塩水(0.90重量%塩化ナトリウム水溶液)中に浸漬する。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン製、型式H−122小型遠心分離機)を用いて250G(250×9.81m/s)で3分間水切りを行った後、袋の重量W4(g)を測定した。また、吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物を用いないで同様の操作を行い、そのときの重量W5(g)を測定する。そして、これら重量(W4およびW5)から、下記式に従って、無加圧下吸収倍率(CRC[g/g])を算出する。
Figure 2008106218
(F)加圧下吸収倍率(AAP0.3)の測定
400メッシュのステンレス製金網(目開き38μm)を円筒断面の一辺(底)に溶着させた内径60mmのプラスチック製支持円筒の底の金網上に、吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物(以下、単に「吸水性樹脂/吸水性樹脂組成物」とも称する)0.900gを均一に散布し、その上に外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との壁面に隙間が生じずかつ上下の動きは妨げられないピストンを載置し、支持円筒、吸水性樹脂/吸水性樹脂組成物、およびピストンの合計重量を測定し、W6(g)とする。
このピストン上に、吸水性樹脂/吸水性樹脂組成物に対して、ピストンを含め1.9kPa(約20g/cm、約0.3psi)の荷重を加えることができるように調整された荷重を載置し、測定装置一式を完成させる。直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mm、厚さ5mmのガラスフィルターを置き、25±2℃に調温した生理食塩水(0.90重量%塩化ナトリウム水溶液)をガラスフィルターの上部面と同レベルになるように加える。その上に直径9cmの濾紙(トーヨー濾紙株式会社製、No.2)を1枚載せて両面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除く。
上記測定装置一式を上記湿った濾紙上にのせ、液を荷重下で吸収させる。液面がガラスフィルターの上部から低下したら液を追加し、液面レベルを一定に保つ。1時間後に測定装置一式を持ち上げ、荷重を取り除いた重量(支持円筒、膨潤した吸水性樹脂/吸水性樹脂組成物、およびピストンの合計重量)を再測定し、W7(g)とする。そして、これら重量(W6およびW7)から、下記式に従って、AAP0.3[g/g]を算出する。
Figure 2008106218
(G)吸湿ブロッキング率の測定
850μm通過物である吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物2.00gを底面の直径50mm、高さ11mmのプラスチックカップの底に均一に散布し、あらかじめ温度25℃、相対湿度90RH%に調整した恒温恒湿器(タバイエスペック製、PLATIOOUS LUCIFER PL−2G)にすばやく入れ、1時間または5時間放置する。その後、吸湿した吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物を直径7.5cm、目開き2000μmのJIS標準ふるいに移し、ロータップ(株式会社飯田製作所製、IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:ES−65型、SER.No.0501)により5分間ふるい、ふるい上に残存した吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物の重量、およびふるいを通過した吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物の重量を測定し、それぞれW8(g)およびW9(g)とする。そして、これら重量(W8およびW9)から、下記式に従って、吸湿ブロッキング率を算出する。なお、5回測定平均値を試験サンプルの吸湿ブロッキング率の値として採用し、吸湿ブロッキング率が低いほど、吸湿流動性に優れていることを意味する。
Figure 2008106218
<参考例>
2本のシグマ型ブレードを備えたニーダー中、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸および水からなるモノマーの濃度が40重量%、中和率が75mol%のモノマー水溶液を調製した。このモノマー水溶液に、内部架橋剤として、ポリエチレングリコールジアクリレート(平均エチレングリコールユニット数:9)を0.03mol%(対モノマー)となるように溶解させた。
次いで、上記モノマー水溶液に窒素ガスを吹き込み、モノマー水溶液中の溶存酸素を低減するとともに、反応容器内全体を窒素置換した。引き続き、2本のシグマ型ブレードを回転させながらモノマー水溶液の温度を22℃に調整した後に、重合開始剤として過硫酸ナトリウムを0.12g/mol(対モノマー)、L−アスコルビン酸を0.005g/mol(対モノマー)となるように添加した。
直ちに重合が開始してモノマー水溶液が白濁したため、ブレードの回転を停止した。重合温度が50℃に達した後、ブレードを再び回転させ、ニーダー内で攪拌下重合を続け、約50分後に重量平均粒子径が約2mmの含水ゲル状架橋重合体を得た。
得られた含水ゲル状架橋重合体を、170℃で約60分間熱風乾燥機にて乾燥させた。次いで、乾燥物をロールミル粉砕機にて粉砕し、目開き850μmおよび150μmの篩いで分級(篩いの上下を除去)し、含水率3重量%、重量平均粒子径310μmの粒子状ベースポリマー(i)を得た。得られた粒子状ベースポリマー(i)には粒子径が850μm以上の粒子は実質的に含まれておらず、粒子径が150μm未満の微紛の含有量は4重量%であった。
上記で得られた粒子状ベースポリマー(i)100重量部と、1、4−ブタンジオール:プロピレングリコール:水=0.24:0.4:2.2(重量比)からなる表面架橋剤2.84重量部とを、連続式高速攪拌混合機(商品名:タービュライザー、ホソカワミクロン株式会社製)にて攪拌下噴霧混合した。
粒子状ベースポリマー(i)と表面架橋剤との混合物を、内壁、攪拌盤および回転軸に加熱された水蒸気が注入されて表面温度が190℃になっている2軸の攪拌乾燥機(商品名:パドルドライヤー、奈良機械製作所株式会社製)にて連続的に加熱処理した。平均滞留時間は60分であった。次いで、内壁、攪拌盤および回転軸に35℃の水が流されている2軸の攪拌乾燥機にて冷却し(平均滞留時間30分)、表面架橋された吸水性樹脂粒子(ii)を得た。
引き続き、吸水性樹脂粒子(ii)を整粒機(商品名:フラッシュミル、不二パウダル株式会社製)に通し、目開き850μmの篩いを通過させて不定形破砕状の吸水性樹脂粒子(iii)を得た。なお、吸水性樹脂粒子(iii)の物性を測定したところ、CRCが35[g/g]であり、AAP0.3が32[g/g]であり、D50が330[μm]であり、σζが0.35であり、嵩比重が0.64であり、SFCが3×10−7[cm3・sec/g]であり、PPUPが33[%]であり、含水率が3[%]であり、吸湿ブロッキング率が100[%]であった。
<実施例1>
添加剤粒子としての、水不溶性の凝集性微粒子であるシリカ微粒子(商品名:アエロジル200、日本アエロジル株式会社製,一次粒子径:約12nm、BET比表面積:約200m/g、乾燥減量:1重量%以下)を、過凝集粒子の含有量が0%となるように解砕した。シリカ微粒子の解砕は、シリカのコンテナバッグからホッパーにエアードポンプ(エアー駆動式ダイヤフロムポンプ)で輸送(充填)するのと同時に行った。具体的には、充填用の輸送管に網(目開き:1410μm)を設置し、シリカ微粒子をその網目を通過させることにより行った。
上記の方法により解砕したシリカ微粒子を、上記の参考例で得られた吸水性樹脂粒子(iii)100重量部に対して0.3重量部添加した。これらを0.095MPaの圧力条件下の空気輸送によって製品ホッパーに移した後、バッグに詰めたものを吸水性樹脂組成物(1)とした。吸水性樹脂組成物(1)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例2>
シリカ微粒子の添加量を0.5重量部としたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、吸水性樹脂組成物(2)を得た。吸水性樹脂組成物(2)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例3>
シリカ微粒子の添加量を0.15重量部としたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、吸水性樹脂組成物(3)を得た。吸水性樹脂組成物(3)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例4>
シリカ微粒子(アエロジル200)に代えて、シリカ微粒子(商品名:アエロジル200CF、日本アエロジル株式会社製、一次粒子径:約12nm、BET比表面積:約200m/g、乾燥減量:1重量%以下)のうち、過凝集粒子の少ないロットを選別し、解砕することなく用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、吸水性樹脂組成物(4)を得た。吸水性樹脂組成物(4)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例5>
シリカ微粒子(アエロジル200)に代えて、シリカ微粒子(上記のアエロジル200CF)を用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、吸水性樹脂組成物(5)を得た。吸水性樹脂組成物(5)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例6>
ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて過凝集粒子の解砕を行ったこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、吸水性樹脂組成物(6)を得た。吸水性樹脂組成物(6)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<比較例1>
シリカ微粒子(アエロジル200)をそのまま用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、比較吸水性樹脂組成物(1)を得た。比較吸水性樹脂組成物(1)について、種々のパラメータを測定した。本比較例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<比較例2>
シリカ微粒子の添加量を0.5重量部としたこと以外は、上記の比較例1と同様の手法により、比較吸水性樹脂組成物(2)を得た。比較吸水性樹脂組成物(2)について、種々のパラメータを測定した。本比較例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<比較例3>
添加剤粒子としてのシリカ微粒子(アエロジル200)を、上記の参考例で得られた吸水性樹脂粒子(iii)100重量部に対して0.3重量部添加し、混合機(商品名:プロシェアミキサー、太平洋機工株式会社製)で、メイン羽根回転数:60rpm、チョッパー回転数:100rpmの条件で60分間混合した。引き続き、得られた混合物を0.095MPaの圧力条件下の空気輸送によって製品ホッパーに移した後、バッグに詰めたものを比較吸水性樹脂組成物(3)とした。比較吸水性樹脂組成物(3)について、種々のパラメータを測定した。本比較例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<比較例4>
混合機(プロシェアミキサー)の混合時間を1分間としたこと以外は、上記の比較例3と同様の手法により、比較吸水性樹脂組成物(4)を得た。比較吸水性樹脂組成物(4)について、種々のパラメータを測定した。本比較例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<比較例5>
添加剤粒子としてのコロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製PL−1、一次粒子径:15nm)3重量%水溶液を、上記の参考例で得られた吸水性樹脂粒子(ii)100重量部に対して、10重量部(固形分換算:0.3重量部)添加して混合した。次いで、得られた混合物を60℃にて60分間硬化させてから整粒機に通し、850μmの篩いを通過させた。引き続き、得られた混合物を0.095MPaの圧力条件下の空気輸送によって製品ホッパーに移した後、バッグに詰めたものを比較吸水性樹脂組成物(5)とした。比較吸水性樹脂組成物(5)について、種々のパラメータを測定した。本比較例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例7>
添加剤粒子として、水不溶性の凝集性微粒子であるシリカ微粒子(アエロジル200、日本アエロジル株式会社製、平均一次粒子径:約12nm、BET比表面積:約200m/g、乾燥減量:1重量%以下、凝集粒子径53μm未満の凝集粒子の割合:10%、見掛嵩比重:0.05g/cm、過凝集粒子の含有量:40重量%)を準備した。
上記の参考例で得られた吸水性樹脂粒子(iii)を図1に示す高濃度空気輸送装置の第1ホッパー102に仕込み、上記で準備したシリカ微粒子を同装置の第2ホッパー104に仕込んだ。
その後、図1に示す高濃度空気輸送装置を用いた高濃度空気輸送処理により吸水性樹脂粒子(iii)とシリカ微粒子とを混合した。高濃度空気輸送処理装置のサイズおよび輸送処理の処理条件は、混合比(重量比)が100:0.3(吸水性樹脂粒子(iii):シリカ微粒子)、リフトタンク圧:0.21MPa、輸送管の長さ:30m、輸送管の内径:55mm、処理時間:1.5分間、輸送管の末端線速:5.6m/sec、輸送管における末端固気比:43.8kg−Solid/kg−Air、混合物の処理量:1300kg/hr、輸送管の入口における混合物の温度:35℃、輸送管の出口における混合物の温度:32℃であった。本実施例における処理条件を表3に示す。
なお、リフトタンクには特に混合手段を設けなかった。空気輸送を通して吸水性樹脂組成物ホッパーに移され、さらにバッグに詰めたものを吸水性樹脂組成物(7)とした。吸水性樹脂組成物(7)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<比較例6>
吸水性樹脂粒子(iii)とシリカ微粒子とを混合するための混合手段として、図1に示す高濃度空気輸送装置に代えて、バケットコンベア(槇野産業株式会社製)を用いたこと以外は、上記の実施例7と同様の手法により、比較吸水性樹脂組成物(6)を得た。比較吸水性樹脂組成物(6)について、種々のパラメータを測定した。本比較例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<比較例7>
バケットコンベアに供給される前に吸水性樹脂粒子(iii)とシリカ微粒子とを予め混合するための混合手段として、プロシェアミキサー(太平洋工業機工株式会社製、メイン羽根回転数:250rpm、チョッパー回転数:1800rpm、混合時間:60分間)を設置したこと以外は、上記の比較例6と同様の手法により、比較吸水性樹脂組成物(7)を得た。比較吸水性樹脂組成物(7)について、種々のパラメータを測定した。本比較例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<比較例8>
空気輸送の条件を、リフトタンク圧:0.05MPa、末端線速:8m/secとし、末端固気比:8kg−Solid/kg−Airの低濃度輸送を行なったこと以外は、上記の実施例7と同様の手法により、比較吸水性樹脂組成物(8)を得た。本比較例における処理条件を表3に示す。比較吸水性樹脂組成物(8)について、種々のパラメータを測定した。本比較例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例8>
空気輸送の際の圧力条件を0.21MPaとしたこと以外は、上記の実施例1と同様の方法により、吸水性樹脂組成物(8)を得た。吸水性樹脂組成物(8)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例9>
シリカ微粒子(アエロジル200)に代えて、シリカ微粒子(商品名:アエロジル300、日本アエロジル株式会社製、一次粒子径:約7nm、BET比表面積:約300m/g、乾燥減量:2重量%以下)を用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、吸水性樹脂組成物(9)を得た。吸水性樹脂組成物(9)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例10>
シリカ微粒子(アエロジル200)に代えて、シリカ微粒子(商品名:アエロジル380、日本アエロジル株式会社製、一次粒子径:約7nm、BET比表面積:約380m/g、乾燥減量:2.5重量%以下)を用いたこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、吸水性樹脂組成物(10)を得た。吸水性樹脂組成物(10)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例11>
添加剤粒子としてのシリカ微粒子(アエロジル200)を、上記の参考例で得られた吸水性樹脂粒子(iii)100重量部に対して0.3重量部添加し、混合機(商品名:プロシェアミキサー、太平洋機工株式会社製)で、メイン羽根回転数:60rpm、チョッパー回転数:100rpmの条件で1分間混合した。引き続き、バケットコンベア(牧野産業株式会社製)を用いてさらに混合して、バッグに詰めたものを吸水性樹脂組成物(11)とした。吸水性樹脂組成物(11)について、種々のパラメータを測定した。本実施例における仕様および測定結果を表1および2に示す。
<実施例12>
上記の実施例6で得られた吸水性樹脂組成物(6)65重量部と木材パルプ35重量部を、ミキサーを用いて、25℃、相対湿度90%の環境下で混合した。得られた混合物を400メッシュ(目開き:38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブに成形した。さらにこのウェブを圧力2kg/cmで5秒間プレスすることにより、坪量が約0.047g/cmの吸収体(吸収体に占める吸水性樹脂組成物の重量比が65重量%)を得た。
続いて、不透液性のポリプロピレンからなり、いわゆるレッグギャザーを有するバックシート(液不透過性シート)、前記吸収体、および透液性のポリプロピレンからなるトップシート(液透過性シート)を、両面テープを用いてこの順に互いに貼着すると共に、この貼着物に2つのいわゆるテープファスナーを取り付けることにより、吸収性物品(おむつ)を得た。前記吸収性物品を、いわゆるキューピー人形(体長55cm、重量5kg)に装着し、この人形をうつ伏せ状態にした後、吸収性物品と人形との間にチューブを差し込み、人体において排尿がなされる位置に相当する位置に、1回当たり50gの0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を、20分間隔で4回順次注入した。その結果、吸収性物品からの塩化ナトリウム水溶液の漏れはなかった。また、吸収性物品中の吸収体は均一に膨潤していた。
<比較例9>
吸水性樹脂組成物(6)に変えて、上記の比較例1で得られた比較吸水性樹脂組成物(1)を用いたこと以外は、上記の実施例12と同様の手法により、比較吸収性物品を得た。前記比較吸収性物品を用いて、同様の評価を行ったところ、4回目の塩化ナトリウム水溶液の注入時に、当該水溶液が吸収性物品から漏れた。また、吸収性物品中の吸収体は、膨潤状態の部分とあまり膨潤していない状態の部分との偏在が観測され、不均一な状態であった。
Figure 2008106218
Figure 2008106218
Figure 2008106218
<結果>
実施例1〜6と比較例1および2との比較から、添加剤粒子における過凝集粒子の含有量が少ないと、遊離添加剤粒子の重量比(Y)も小さく制御されることが示される。また、前記実施例の吸水性樹脂組成物においては、異物も確認されず、吸湿ブロッキング率も低く抑えられる。特に、高湿地域でのおむつ製造の実情に見合った5時間後の吸湿ブロッキング率の評価において顕著な差異が認められ、添加剤粒子における過凝集粒子の含有量が少ないと、添加量(X)が少量でも効果(低いブロッキング率)が得られやすいことが分かる。
比較例3では、添加剤粒子における過凝集粒子の含有量が多い場合に、混合機を用いて、添加剤粒子を強制的に混合させている。混合機を用いることで異物はなくなり、吸湿ブロッキング率も低めへと改善されうるが、吸水性樹脂粒子へのダメージの影響により加圧下吸収倍率(AAP0.3)が低下してしまう。
比較例4は、比較例3よりも混合機の撹拌条件を緩やかに設定した場合である。比較例4では、比較例3に対して加圧下吸収倍率(AAP0.3)は改善するが、異物が確認されるようになり、吸湿ブロッキング率は悪化してしまう。
比較例5は、添加剤粒子として分散性に優れるコロイダルシリカを用いた場合であり、遊離添加剤粒子の重量比(Y)が小さく添加剤粒子が非常に遊離しにくい状態にあるものの、実施例1〜6、比較例1〜4に比べて吸湿ブロッキング率が高い結果となっている。これは、添加剤粒子が吸水性樹脂粒子表面の微細なくぼみに入り込むほど細かく分散している結果、添加剤粒子は遊離しにくくても吸水性樹脂粒子同士の付着を抑制する本来の働きが薄れてしまっているためと考えられる。
実施例7と比較例6との比較から、プラグ流による圧送処理(加圧タンク圧:0.21MPa)を行えば吸湿ブロッキング率が低下するのに対し、バケットコンベア輸送では吸湿ブロッキング率は低下しないことが示される。
輸送形態が浮遊流である低濃度輸送の場合は、比較例1(加圧タンク圧:0.095MPa)や比較例8(加圧タンク圧:0.005MPa)の結果から、十分な混合効果が得られず、吸湿ブロッキング率はほとんど低下しないことがわかる。
比較例6に対してバケットコンベア輸送を行う前にプロシェアミキサーで混合した比較例7では、吸湿ブロッキング率はほとんど低下しないのに対し、添加剤粒子における過凝集粒子の含有量が少ない(0%)実施例11の場合は、吸湿ブロッキング率の低下が見られた。
実施例7に対して添加剤粒子における過凝集粒子の含有量が少ない実施例8では、吸湿ブロッキング率が低く、実施例1よりも優れる。すなわち、添加剤粒子における過凝集粒子の含有量が少なく、かつ、0.1〜1.0MPaでの圧送処理を行うと、極めて吸湿ブロッキング率が低いことが示される。
実施例9および10と実施例1との比較から、添加剤粒子としてアエロジル200に代えて解砕したアエロジル300またはアエロジル380を用いることで、遊離添加剤粒子の重量比(Y)が小さく制御され、さらには吸湿ブロッキング率が低くなることが示される。これは、アエロジル300やアエロジル380が強い揺変性を与え、増粘性も高いことから、吸水性樹脂粒子への付着力が強いためであると考えられる。
以上、実施例にあるように、本発明によれば、長時間の混合や多量の添加剤粒子を必要とせずに、従って加圧下吸収倍率の低下やコストの高騰を抑制可能な、かつ、例えばおむつの製造に適した長時間(例えば、5時間)の吸湿ブロッキング率に優れた吸水性樹脂組成物およびその製造方法が提供されうる。
高濃度空気輸送装置の一実施形態を示す概略図である。
符号の説明
100 高濃度空気輸送装置、
102 第1ホッパー、
104 第2ホッパー、
106 リフトタンク、
108 コンプレッサー、
110 輸送管、
112 吸水性樹脂組成物ホッパー。

Claims (25)

  1. 吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記添加剤粒子における粒子径1.0mm以上の過凝集粒子の含有率が20重量%以下であることを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法。
  2. 吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記混合工程前に、前記添加剤粒子を予め解砕または分級する工程を有することを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記添加剤粒子における粒子径1.0mm以上の過凝集粒子の含有率が20重量%以下になるように、前記添加剤粒子を解砕または分級する、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記添加剤粒子を、網目または多孔板を通過させることにより解砕する、請求項2または3に記載の製造方法。
  5. 前記添加剤粒子に加圧または吸引により発生させた気流を吹き付けることにより、前記添加剤粒子を解砕する、請求項2または3に記載の製造方法。
  6. 前記添加剤粒子を、撹拌することにより解砕する、請求項2または3に記載の製造方法。
  7. 前記添加剤粒子を、粉砕機を用いて解砕する、請求項2または3に記載の製造方法。
  8. 前記添加剤粒子を輸送するのと同時に、前記添加剤粒子を解砕する、請求項2〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合後または混合と同時に、前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合物を、0.1〜10MPaの圧力で圧送処理することを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法。
  10. 吸水性樹脂粒子と添加剤粒子とを混合する混合工程を有する吸水性樹脂組成物の製造方法であって、前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合後または混合と同時に、特に前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合物を、プラグ流で圧送処理することを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合物は、加熱された状態で圧送処理される、請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 前記圧送処理が前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子との混合直後に行われる、請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記圧送処理が、前記吸水性樹脂粒子と前記添加剤粒子とを撹拌せずに混合した後に行われる、請求項9〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記圧送処理に要する時間が0.1〜20分間である、請求項9〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 前記圧送処理される前記混合物を30〜100℃に加熱または保温する、請求項11〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 前記添加剤粒子が水不溶性である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 前記添加剤粒子が凝集性微粒子である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 前記凝集性微粒子がアモルファスシリカ微粒子である、請求項17に記載の製造方法。
  19. 前記吸水性樹脂粒子の、生理食塩水に対する無加圧下吸収倍率が25[g/g]以上であり、かつ、0.3psiでの加圧下吸収倍率が10[g/g]以上である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
  20. 吸水性樹脂粒子100重量部および添加剤粒子0.01〜1重量部を含有する吸水性樹脂組成物であって、組成物中の前記吸水性樹脂粒子100重量%を基準とした前記添加剤粒子の重量百分率(X[%])と、前記百分率(X[%])に対する遊離添加剤粒子の重量比(Y)と、が下記式を満足することを特徴とする、吸水性樹脂組成物:
    Figure 2008106218
  21. 組成物中の前記添加剤粒子の含有率が0.2重量部よりも大きい、請求項20に記載の吸水性樹脂組成物。
  22. 前記添加剤粒子が水不溶性である、請求項20または21に記載の吸水性樹脂組成物。
  23. 前記添加剤粒子が凝集性微粒子である、請求項20〜22のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  24. 前記凝集性微粒子がアモルファスシリカ微粒子である、請求項23に記載の吸水性樹脂組成物。
  25. 前記吸水性樹脂粒子の、生理食塩水に対する無加圧下吸収倍率が25[g/g]以上であり、かつ、0.3psiでの加圧下吸収倍率が10[g/g]以上である、請求項20〜24のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
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