JP2005054129A - 吸着性シリカ充填材及びその製造方法並びに封止用樹脂組成物。 - Google Patents

吸着性シリカ充填材及びその製造方法並びに封止用樹脂組成物。 Download PDF

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康裕 溶原
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一 佐藤
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Abstract

【課題】 樹脂配合粘度が低く成形性が良い吸着性シリカ充填材を提供する。
【解決手段】 以下の項目を満足する吸着性シリカ充填材。(a)平均粒径6μm以上20μm、(b)比表面積100m2/g以上300m2/g以下、(c)吸着性シリカ充填材とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比60:40で混合した際の粘度測定において、50℃で粘度計の回転数2.5rpmの粘度が30000mPa・s以下、及びその製造方法、並びに、該吸着性シリカ充填材を用いることを特徴とする封止用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は吸着性シリカ充填材及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、IC封止材用樹脂等に適するシリカ充填材及び封止用樹脂組成物に関する。
近年、電子産業の急速な発展につれて電子材料用や半導体製造用などに高純度のシリカが使用されるようになった。特に封止材用途では樹脂封止用の充填材としてシリカは欠かせない材料となっている。樹脂封止はセラミック封止に比べ、封止の信頼性に劣ると考えられていたが、シリカ充填率を上げることで実用に耐えられるレベルまで信頼性を向上させることができた。樹脂封止はセラミック封止に比べ、封止コストが安価であるため、信頼性の向上に伴い急速に普及していった。しかし、一部のデバイスでは水分の透過性の問題でセラミック封止が使用されている。例えば、CCD(画像素子)デバイスでは内部に光を受光するためレンズに結露等が起こることは致命的であり、封止後のパッケージ内部に水分が浸入することは問題となる。
樹脂封止においても水分の透過を防止する方法の1つとしてシリカ充填材に吸着性を付与することが考えられる。充填材に吸着性を付与するためには多孔質にする必要があるが、多孔質のシリカ充填材は樹脂に配合した際に極めて樹脂配合粘度が高くなるため、成形性に問題があった。(例えば、特許文献1参照)
特開平9−208809号公報
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、樹脂配合粘度が低く成形性が良い吸着性シリカ充填材を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、従来技術によるシリカと比較して同等の吸着量を有する場合の樹脂配合粘度が低い吸着性充填材を見出した。さらに、吸着性シリカ充填材は比表面積を制御することにより、吸着性と樹脂配合粘度を制御することができ、必要な吸着性に合わせて比表面積を適宜選択することで種々の比表面積を有する吸着性シリカ充填材を有用に使い分けができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明は「以下の項目を満足する吸着性シリカ充填材
(a)平均粒径6μm以上20μm以下
(b)比表面積100m2/g以上300m2/g以下
(c)吸着性シリカ充填材とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比60:40で混合した際の粘度測定において、50℃で粘度計の回転数2.5rpmの粘度が30000mPa・s以下」を要旨とする。
本発明の第2の発明は「以下の項目を満足する吸着性シリカ充填材
平均粒径6μm以上20μm以下
(b)比表面積50m2/g以上100m2/g未満
(c)吸着性シリカ充填材とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比で60:40で混合した際の粘度測定において、50℃で粘度計の回転数2.5rpmの粘度が10000mPa・s以下」を要旨とする。
本発明の第3の発明は「以下の項目を満足する吸着性シリカ充填材
(a)平均粒径6μm以上20μm以下
(b)比表面積15m2/g以上50m2/g未満
(c)吸着性シリカ充填材とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比60:40で混合した際の粘度測定において、50℃で粘度計の回転数2.5rpmの粘度が5000mPa・s以下」を要旨とする。
本発明では吸着性シリカ充填材の真球度と表面平滑性を向上させ、比表面積を制御することにより、該充填材を樹脂に配合した際、吸着性を付与しながらも、樹脂配合時の成形性を保持することを可能とした。特に珪酸アルカリと鉱酸水溶液の反応により得られる球状シリカゲルを所定の条件で焼成することにより吸着能と樹脂配合時の流動特性が制御された吸着性シリカ充填材を提供することができる。特に、本発明の吸着性シリカ充填材はCCD(画像解析素子)デバイス等の水分の浸入を防止する封止用樹脂組成物に好適に用いることができる。
本発明の吸着性シリカ充填材は、平均粒径6μm以上20μm以下且つ比表面積が15m2/g以上300m2/g以下と大きく、ガス吸着性を有するにもかかわらず、吸着性シリカ充填材とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比60:40で混合した際の粘度測定において、50℃での粘度が5000〜30000mPa・sと比較的低い樹脂配合粘度を示す。
本発明の吸着性シリカ充填材は種々のガス吸着性を有するが、特に水分の吸着に対し有用である。本発明の吸着性シリカ充填材を配合し、硬化させた樹脂組成物は水分の吸着性を有しており、任意の吸着能に制御することが可能である。
本発明の吸着性シリカ充填材は吸着性を有するにも拘わらず、樹脂配合粘度が30000mPa・s以下に抑えられている理由は真球度が高く、極めて表面平滑性が良好であるためと考えられる。また、平均細孔径が0.05〜1nm、細孔容積が0.01〜1.0ml/g程度であることから、粒子内の空隙率が小さいことも樹脂配合粘度が低く抑えられている理由として挙げられる。
一般に樹脂配合粘度は充填材の比表面積により変化する。本発明の吸着性シリカ充填材についても比表面積が小さい程、樹脂配合粘度が小さくなる。但し、従来の吸着性シリカに比べ、比表面積に対する樹脂配合粘度が小さく、樹脂配合後の成形性が確保できる。
封止材等の充填材として用いる場合、粒径分布において平均粒径に対し、最大粒径がより小さい充填材が好まれる。本発明の吸着性シリカ充填材は最大粒径が平均粒径の4倍以下という粗粒切れの良い分布にすることができる。また、封止材用充填材として用いる場合は粒度分布の広さを示す粒子径の変動係数が15%以上であることが望ましい。これは単に分布が狭いということではなく、平均粒径より小さな粒子群をある程度含みながらも、平均粒径より大きな粗粒側の含有量が少ない分布であることが樹脂配合時の低粘度化の点で望ましい。
本発明の吸着性シリカ充填材に関し、粒径分布は所定の範囲にあることが望ましい。粒度分布を示す指標の1つとして変動係数が挙げられる。本発明における粒子径の変動係数(Cv)は標準偏差σと平均粒径d[μm]との比で式(I)で表される。
Cv=100×σ/d・・・・・・(I)
最大粒径が平均粒径の4倍以下の粒子群は変動係数が大きいことは微粉を多く含むことを意味する。微粉を多く含むことにより、樹脂配合粘度が増加する。そのため、変動係数は15〜100%の範囲が望ましい。流動特性の面から、変動係数は特に25〜60%の範囲が望ましい。
本発明ではシリカとビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比で60:40で混合した際の粘度が吸着性シリカ充填材の比表面積に対応している。比表面積が100以上300m2/g以下の場合、樹脂配合粘度は30000mPa・s以下を示す。比表面積が50m2/g以上100m2/g未満の場合、樹脂配合粘度は10000mPa・s以下を示す。比表面積が15m2/g以上50m2/g未満の場合、樹脂配合粘度は5000mPa・s以下を示す。
樹脂配合時の粘度は低い程、成形性の面で望ましいため、シリカとビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比で60:40で混合した際の粘度は比表面積が100m2/g以上300m2/g以下の場合、樹脂配合粘度は10000mPa・s以下を示すことが望ましい。また、比表面積が50m2/g以上100m2/g未満の場合、樹脂配合粘度は3500mPa・s以下を示すことが望ましい。さらには比表面積が15m2/g以上50m2/gの場合は粘度は2500mPa・s以下を示すことが望ましい。
粘度測定に使用されるビスフェノールA型液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とブチルグリシジルエーテルの混合物(質量比89:11の混合物)であり、エポキシ当量が181〜191、25℃の粘度が9〜12ポイズのモノが使用される。工業的には油化シェルエポキシ株式会社製のエピコート815(商品名)が該当する。粘度は測定温度50℃、回転数2.5rpmの値である。本発明において粘度計はE型粘度計(東機産業製RE80R型)が使用した。封止材用に使用する場合、低いチキソ比を示す方が望ましい。チキソ比とは粘度計の回転数0.5rpmの粘度値をη1、2.5rpmをη2とした場合、η1/η2を意味する。封止材用に使用する場合、η1/η2は1.0未満を示すことが望ましい。
本発明の吸着性シリカ充填材は比表面積を制御することにより吸着能を任意に制御することができる。即ち、吸着性シリカ充填材は比表面積を制御することにより、任意の吸湿率に制御することが可能である。比表面積が100m2/g以上300m2/g以下の場合、吸湿率は3質量%以上、15質量%未満を示す。また、比表面積が50m2/g以上100m2/g未満の場合、吸湿率は1.5質量%以上、5質量%未満を示す。さらには比表面積が15m2/g以上50m2/g未満の場合は、吸湿率は0.5質量%以上、4質量%未満を示す。吸湿率A[%]は式(II)で表される。M1は絶乾状態の吸着性シリカ充填材の質量であり、M2吸湿後の吸着性シリカ充填材の質量を表す。吸湿性の測定は絶乾状態の吸着性シリカ充填材をトレーに0.1g入れ(M1)、そのトレーを容量50mlテフロン(登録商標)容器(金網で上下に仕切り、下部に純水15ml、上部にサンプルを置く)に入れ、テフロン(登録商標)容器を、SUS密封容器に入れ121℃恒温槽に24時間放置した後、トレーを容器から取り出し、質量を測定し(M2)、式(II)から吸着性シリカ充填材の吸湿率を算出した。
A[%]=100×(M2−M1)/M1・・・・・・(II)
半導体に使用される材料は一般に高純度が要求される。特にNa、K、Liなどのアルカリ金属、Ca、Mgなどのアルカリ土類金属およびClなどのイオン性不純物は、アルミニウム配線を腐食する原因となるので、本発明の吸着性シリカ充填材では、これらの不純物を実質的に含有しないことが望ましい。また、ソフトエラー発生を抑制するため、放射性元素が厳しく制限されている。封止材用シリカでは放射性元素が2ppbを越えると、ソフトエラー発生の原因となり好ましくなく、本製法では実質的にアルカリ金属、アルカリ土類金属を1ppm以下、放射性不純物の含有量を2ppb以下に抑制することができる。ここでの放射性元素とはUおよびThを示す。即ち、UおよびThの含有量の合計が2ppb以下であることが望ましい。さらにはUおよびThの含有量の合計が1ppb以下であることが望ましい。これらの不純物の含有率は、適宜の分析手段により直接測定することができるが、本発明ではシリカを弗化水素水溶液で加熱溶解し、シリカ分をSiF4として気化させ、残分をICP−MSで分析することにより不純物濃度の特定を行った。ICP−MSは横河電機株式会社製ModelPMS−2000を用いた。
本発明において規定する粒径分布は最大粒径が平均粒径の4倍以下であることが望ましいが、これはレーザー回折散乱方式(Coulter株式会社製LS-130)により測定された粒径分布である。また、平均粒径はメディアン径を意味する。
吸着性の尺度として、比表面積SAを用いる。一般に、直径がd(μm)であり、細孔を有しない真球体の比表面積SAは、その真比重がDであるとき、式(II)によって表すことができる。また、吸着特性は細孔径及び細孔容積に強く影響される。本発明における吸着性シリカ充填材は平均細孔径が0.05〜1nm、細孔容積が0.01〜1.0ml/gであることが望ましい。特に樹脂配合粘度を抑えるために細孔容積は0.1〜0.3ml/gが望ましい。
本発明における吸着性シリカ充填材は真球度が0.9以上である粒子含有率が90%以上である。真球度は粒子の最大直径(d1)と最小直径(d2)の比であり、式(III)により表される。
真球度=d2/d1・・・・・・(III)
真球度が0.9以上である粒子含有率は、吸着性シリカ充填材粒子の電子顕微鏡写真において、ランダムに20個の粒子を選び、それぞれの最大直径と最小直径を測定し、真球度が0.9以上である粒子の割合を算出した。即ち、ランダムに選ばれた20個の粒子の中で18個以上が真球度0.9以上であることを意味する。
本発明の吸着性シリカ充填材は表面平滑性に優れ、真球状の球状シリカゲル粒子を調製し、所定の条件で焼成することにより調製できる。表面平滑性に優れ、真球状の球状シリカゲル粒子は種々の液相反応により調製することができるが、特に珪酸アルカリと鉱酸水溶液の反応により得られる球状シリカゲルは真球度が高く、表面平滑性に優れている。珪酸アルカリと鉱酸水溶液の反応により球状シリカゲルを調製し、それを用いて吸着性シリカ充填材を調整する法として、以下の方法が挙げられる。
<含水球状シリカゲル粒子の調製及び不純物抽出除去工程>
アルカリ珪酸塩水溶液を分散相として含むエマルションと鉱酸水溶液とを接触させて反応させ、多孔質の含水球状シリカゲル粒子を生成させ、中和反応が終了した後、固液分離することなく、50℃以上に加熱することにより、不純物を抽出除去して、高純度で多孔質の含水球状シリカゲル粒子を得る工程。
<含水球状シリカゲル粒子の乾燥、解砕、焼成工程>
<含水球状シリカゲル粒子の調製及び不純物抽出除去工程>で得られた含水球状シリカゲル粒子を乾燥した後、もしくは乾燥時に、解砕し、焼成することにより、本発明で規定した物性を賦与する工程。
以下、前記各工程について順次説明する。
<含水球状シリカゲル粒子の調製及び不純物抽出除去工程>
(1)アルカリ珪酸塩水溶液を分散相として細粒状に分散させた油中水滴型(W/O型)エマルションを調製する乳化工程
アルカリ珪酸塩水溶液を分散相として含むエマルションを調製する。すなわち、アルカリ珪酸塩水溶液と混和しない液体を連続相とし、この中にアルカリ珪酸塩水溶液を分散相として細粒状に分散させた、油中水滴型(W/O型)エマルションを生成させる。
アルカリ珪酸塩水溶液と連続相形成用液体及び乳化剤を混合し、乳化機などを用いて乳化させ、アルカリ珪酸塩水溶液を分散相として含むW/O型のエマルションを調製する。乳化時の乳化機回転数を変化させることにより、粒径を制御することができる。また、アルカリ珪酸塩水溶液を水で希釈することにより、粒径をより微細にすることができる。逆に濃縮により、粘度を増加させることにより、粒径を大きくすることができる。本工程では次工程で生成させる含水球状シリカゲル粒子の粒径を7μm以上、24μm以下となるようにアルカリ珪酸塩水溶液の液滴径を制御する。
使用されるアルカリ珪酸塩は、珪酸ナトリウム・珪酸カリウム・珪酸リチウムなどを包含するが、珪酸ナトリウムが一般的に用いられる。アルカリ珪酸塩水溶液のシリカ濃度(SiO2として)は1〜40質量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは5〜35%の範囲である。市販されているJIS3号の珪酸アルカリが扱いやすい。
原料に使用する珪酸アルカリ水溶液はアルカリ金属、Siを除く他の金属含有量の合計が0.1質量%以下のアルカリ珪酸塩水溶液(以下、高純度水ガラスとも言う)を用いることで極めて高純度な吸着性シリカ充填材を製造することができる。アルカリ金属、Siを除く他の金属含有量の合計が0.1質量%以下のアルカリ珪酸塩水溶液は高純度の天然珪石または合成シリカをアルカリ水溶液で溶解させることにより、調製することができる。合成シリカは特に限定しないが、珪酸アルカリを原料とした高純度シリカが製造コストの面で望ましい。アルカリ水溶液は水酸化ナトリウム水溶液が後の不純物抽出の際に有利である。高純度の珪石または合成シリカをアルカリ水溶液に溶解させる際は加熱により溶解時間が短縮できる。また、オートクレーブ等で加圧することも有効である。なお、電子材料等の原料として使用する場合はアルカリ金属、Siを除く他の金属含有量の合計が0.01%以下であることが望ましい。また、放射性元素の含有量も少ないほど好ましく、U及びThの合計が10ppbであることが望ましい。
連続相形成用液体としては、アルカリ珪酸塩水溶液および鉱酸水溶液と反応せず、かつ、混和しない液体を用いる。その種類は、特に限定しないが、解乳化処理の面からは、沸点が100℃以上であり、比重が1.0以下であるオイルを使用することが望ましい。アルカリ珪酸塩水溶液とオイルの質量比は8:2〜2:8である。好ましくは8:2〜6:4である。
上記の連続相形成用液体としてのオイルは、たとえば、n-オクタン、ガソリン、灯油、イソパラフィン系炭化水素油などの脂肪族炭化水素類、シクロノナン、シクロデカンなどの脂環族炭化水素類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリンなどの芳香族炭化水素類などを用いることができる。乳化安定性の観点からイソパラフィン系飽和炭化水素類が望ましい。
乳化剤としては、W/O型エマルションの安定化機能を有するものであれば特に限定はなく、脂肪酸の多価金属塩・水難溶性セルローズエーテルなどの親油性の強い界面活性剤を用いることができる。後処理の点からは、非イオン性界面活性剤を用いることが望ましい。具体例として、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレートなどのソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノパルミテート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレートなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリドなどのグリセリン脂肪酸エステル類などを挙げることができる。
乳化剤の添加量は、乳化対象であるアルカリ珪酸塩水溶液に対して、0.05〜5質量%の範囲が適量である。また、各工程での処理を考慮すると0.5〜1質量%が望ましい。
(2) (1)で調製した油中水滴型(W/O型)エマルションを鉱酸水溶液と混合し、平均粒径7μm以上24μm以下の含水球状シリカゲル粒子を生成させる凝固工程
上記で調製されたアルカリ珪酸塩水溶液を分散相として含むエマルションと鉱酸水溶液とを攪拌下で混合する。鉱酸とアルカリ珪酸塩との中和反応によって、平均粒径7μm以上24μm以下の含水球状シリカゲル粒子が生成する。混合方法の順序については限定しないが、鉱酸水溶液をアルカリ珪酸塩水溶液を含むエマルションへ加える場合は、反応時の極端な鉱酸濃度の低下を招く恐れがあり、アルカリ珪酸塩水溶液を含むエマルションを鉱酸水溶液へ加えることが望ましい。反応時の鉱酸/アルカリ分(水ガラス中のNa2O分)のモル比は2以上で所望の含水球状シリカゲル粒子が得られるが、生産性を考慮すると該モル比は5以下が望ましい。
鉱酸は硫酸、硝酸、塩酸等を用いることができるが、脱水作用が強く、コストの面でも安価な硫酸が最も望ましい。アルカリ珪酸塩水溶液は15質量%以上の鉱酸と接触することが望ましい。より好ましくは20質量%以上の硫酸と接触することがよい。アルカリ珪酸塩水溶液を含むエマルションを15質量%未満の鉱酸水溶液と接触させた場合、本発明が目的とする粗粒切れの良い粒径分布の含水球状シリカゲル粒子は得られない。鉱酸水溶液の濃度の上限としては50質量%が望ましい。真球度、単分散度を考慮すると、鉱酸濃度は15〜35質量%が望ましい。また、アルカリ珪酸塩水溶液との反応が完全に終了した後、水相の反応液のフリー鉱酸濃度は10質量%以上であることが望ましい。フリー鉱酸濃度とは実質的に金属イオン等と塩を形成していない鉱酸の濃度である。
攪拌方法によって異なるが、アルカリ珪酸塩水溶液を含むエマルションと鉱酸水溶液との中和反応は5〜120分間でほぼ終了する。中和反応の終了は反応液の温度が下降傾向を示した時点で終了したものとする。
中和反応終了後、反応液を分離することなくそのまま昇温する。この昇温により、エマルション状の反応液はオイル相とシリカゲル粒子分散系硫酸水溶液相に層別に分離する解乳化処理とともに不純物の抽出除去も併せて行うことができる。温度は50℃以上が必要である。好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは80〜100℃の範囲で行い、処理時間は1分〜5時間で適宜選定すればよい。通常30分〜1時間程度で処理することができる。前記高純度水ガラスを原料として使用した場合は加熱による抽出を行わなくとも、高純度な含水球状シリカゲル粒子を得ることができる。
不純物の抽出においては反応前または反応後にキレートを添加することも有効である。キレートは特に限定しないが、酸性下で効力を発揮するキレートが望ましい。また、反応前後において硝酸を添加することにより冷却後におけるTh等の不純物の再析出を防止することができる。硝酸の添加量は全添加酸量に対して0.1〜5%で再析出抑制効果が得られる。好ましくは0.5〜3%の範囲が良い。前記高純度水ガラスを原料として使用した場合、キレートの添加は不要である。
(3) (2)で含水球状シリカゲル粒子を洗浄する洗浄工程
(2)で得られた含水球状シリカゲル粒子は抽出後に粒子内に反応及び抽出に用いた硫酸水溶液を多量に含んでいる。この硫酸水溶液中には多量の金属不純物が含まれているため、純水で洗浄する必要がある。洗浄の方法は特に限定しないが、リパルプリンス、もしくはケーキリンスが有効である。洗浄の際は洗浄初期に純水を使用するとpHが急激に増加するため、一旦抽出した金属不純物が含水球状シリカゲル粒子に吸着する。そのため、洗浄初期は極希薄な酸性水溶液を用いて洗浄することが望ましい。酸性水溶液としては硫酸、硝酸、塩酸などの鉱酸がpHの面で望ましい。酸濃度については酸性水溶液で洗浄した後、用いた酸を純水で洗浄するため、0.001〜5質量%が望ましい。洗浄後は遠心分離機等でできるだけ含水球状シリカゲル粒子から脱液することが望ましい。アルカリ金属、アルカリ土類金属の不純物金属は次の工程の焼成で粒子間焼結の原因となるため、洗浄時に各金属濃度を1ppm以下にすることが望ましい。特にアルカリ金属に関してはシリカの融点を低下させやすいため、0.5ppm以下にすることが望ましい。
<含水球状シリカゲル粒子の乾燥、解砕、焼成工程>
(4) (3)で洗浄した含水球状シリカゲル粒子を乾燥させる乾燥工程
前工程で不純物を抽出除去した含水球状シリカゲル粒子の中には、なお水分が保持されている。この水分は、付着水と結合水とに分けられる。通常、付着水は100℃前後の温度で加熱すれば容易に除けるが、結合水は400℃以上の温度でも完全に除去することは困難である。付着水を除去するために乾燥処理を行い、そして、結合水を除去し、かつ、球状シリカゲル粒子を任意のレベルにまで緻密化させるために焼成処理を行う。
乾燥及び焼成の工程において、乾燥時に静置状態で乾燥し、その状態で焼成した場合、一部の粒子間で焼結が生じ、粒径を増大させる原因となっていた。乾燥時もしくは乾燥後に解砕し、焼成することで粒子間の焼結を抑制することができ、焼成後においても粒径分布は最大粒子径が平均粒径の4倍以下である粗粒切れの良い粒径分布が維持できる。
流動乾燥機は乾燥しながら、解砕されるため、さらに有効である。付着水を除去するための乾燥処理条件は、温度50〜500℃、実用的には100〜300℃の範囲とするのがよい。処理時間は、乾燥温度に応じて、1分間〜40時間の範囲で適宜選定すればよい。通常、10〜30時間で乾燥できる。
(5) (4)の乾燥時もしくは乾燥後に乾燥球状シリカゲル粒子を解砕する解砕工程
乾燥後に解砕を行うことにより、乾燥及び焼成処理の際にシリカを流動状態に保たなくても、粒子同士が焼結することなく焼成できる。平均粒径6μm以上20μm以下の吸着性シリカ粒子までを焼成するにあたり、乾燥後の解砕が粒子間焼結を防止するために有効である。
焼成前の解砕には最大粒径の10倍以下の目開きを有するスクリーンが用いられる。好ましくは1〜5倍の目開きを有するスクリーンを使用することがよい。さらに好ましくは1〜3倍の目開きを有するスクリーンを使用することがよい。スクリーンを使用した解砕の仕方は特に限定しないが、振動篩や超音波篩を用いる方法や水平円筒状のスクリーンの内部に原料をフィードし、スクリーン内部に取り付けられたブレードを高速回転させることにより、連続的に解砕させる方法(例えば、ターボ工業製ターボスクリーナー)などが挙げられる。篩の材質は金属による汚染が無いものが望ましい。これを満足するために樹脂製の篩が望ましい。樹脂の種類は特に限定しないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、カーボン、アクリル、ポリエステル、ポリイミド、フッ素系樹脂等が使用できる。解砕時の静電気を抑制するために、帯電性を抑制した樹脂が有効である。また、高湿下で作業することも可能である。また、若干の水分を添加することも可能である。
また、解砕前原料シリカの最大粒径以下の篩目を有するスクリーンを用いることにより、解砕と分級を同時に行うことも出来る。原料シリカの粒径分布から篩上が10%に相当する粒径と同じ目開き、もしくはそれ以上の目開き有する篩が工業的に有用である。
(6) (5)で解砕した乾燥球状シリカゲル粒子を300〜700℃で焼成する1次焼成工程
解砕後の焼成方法は300〜700℃、700〜1150℃のそれぞれの範囲で2段階の焼成が必要である。1次焼成工程では反応時に油、界面活性剤等を使用するため、これらの有機物を除去することを目的としている。1次焼成は300〜700℃の範囲が最適である。通常、シリカの比表面積、細孔容積の制御は焼成温度を制御することで可能であるが、多孔質シリカの比表面積を低減させる場合、700℃以上の温度が必要となる。有機物が残った状態での焼成は有機物の蒸発潜熱や燃焼による発熱で温度制御が困難となるため、1次焼成で有機物を予め除去することが重要である。
(7)(6)で1次焼成した球状シリカゲル粒子を700〜1100℃(700℃は含まない)で焼成する2次焼成工程
700〜1150℃での焼成は粒子内部の細孔を任意のレベルまで閉塞させることを目的としている。
そのため、300〜700℃の温度で10分間〜30時間程度焼成を行い、続いて700〜1150℃で10分間〜30時間程度焼成することで任意の比表面積に制御することができる。焼成時間はシリカ自体が設定温度で2時間以上保持されていれば問題無い。1段焼成でも昇温速度を極めて遅くすることで比表面積及び細孔の制御は可能であるが、生産性を考慮すると2段階で焼成することが望ましい。
焼成の手段は台車式焼成炉、流動焼成炉、ロータリーキルン、火炎焼成炉などが使用できる。場合によって、焼成後に極弱い凝集が見られることもあるが、再度スクリーンを用いて解砕することにより、粒子間焼結および凝集のない吸着性シリカ充填材が得られる。
焼成処理を行う際の雰囲気としては、酸素や炭酸ガスなどでも良いし、必要によっては窒素やアルゴンなどの不活性ガスを用いることもできる。実用的には空気とするのがよい。焼成処理を行う際に用いる装置としては、シリカ粒子を静置した状態で処理する焼成炉を用いることができる。なお、乾燥球状シリカゲル粒子を流動状態に保ちながら焼成処理する装置、たとえば、流動焼成炉・ロータリーキルン・火炎焼成炉などを用いることもできる。加熱源としては、電熱または燃焼ガスなどを用いることができる。焼成前のシリカゲルの水分含有量は特に規定しないが、焼成時の粒子間固結が生じないようにするために、出来る限り含水率を低減した乾燥球状シリカゲル粒子を焼成することが望ましい。
焼成前における乾燥球状シリカゲル粒子の比表面積は特に規定しないが、液相反応等で得られる球状シリカゲルは比表面積400m/g以上を有する。焼成前の球状シリカゲルの比表面積は350〜700m2/gが望ましい。比表面積が350m2/g未満の場合、焼成後の吸着性が不十分であり、700m2/gを超える場合は焼成時に粒子間の焼結が起こりやすくなるため、樹脂配合時の流動特性が悪化する。
本発明では焼成前に解砕することにより、焼成時に粒子間焼結が生じない。即ち、平均粒径に対する最大粒径が4倍以下である球状シリカゲルを生成させた後、焼成前に解砕することで、平均粒径に対する最大粒径が4倍以下である吸着性シリカ充填材を製造することが可能である。
本発明の吸着性シリカ充填材は水分を吸着しやすいため、乾燥後の冷却は乾燥空気または窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましく、冷却後は直ちにガスバリア性に優れた梱包袋もしくは容器に保管することが望ましい。ガスバリア性に優れた梱包袋としてはアルミ袋等が使用できる。
本発明で調製した吸着性シリカ充填材は吸湿性を有しているにもかかわらず、樹脂に混合した際、比較的に粘度が低いため、吸湿性を必要とする封止材の充填材として好適に用いることができる。また、粒径分布の粗粒切れが良いため、樹脂相厚が薄い封止材にも吸着性充填材として好適に用いることができる。特に画像素子デバイス向け封止樹脂の充填材として好適に使用することができる。
実施例1
<球状シリカゲル粒子の調製及び不純物抽出除去工程>
(1)アルカリ珪酸塩水溶液を分散相として細粒状に分散させた油中水滴型(W/O型)エマルションを調製する乳化工程
水ガラスとしてJIS3号水ガラスの水分調整を行い25℃で400cpに調整したもの、連続相形成用液体としてイソパラフィン系炭化水素油(日本石油化学工業株式会社製、製品名:アイソゾール400)、乳化剤としてソルビタンモノオレート(花王株式会社製、製品名:レオドールSP−O10)を使用した。水ガラス、アイソゾール400、レオドールSP−O10をそれぞれ20kg、7.5kg、0.18kg秤量した。各原料を混合し、攪拌機で粗攪拌した後、乳化機を用いて1800rpmの回転数で乳化させ、乳化液415gを採取した。
(2) (1)で調製した油中水滴型(W/O型)エマルションを鉱酸水溶液と混合し、平均粒径7μm以上24μm以下の含水球状シリカゲル粒子を生成させる凝固工程
28%硫酸水溶液を575g調製し、室温で攪拌しながら、これに前述の乳化液を添加した。添加終了後、室温下でさらに40分間攪拌を続けた。次いで攪拌下で62%工業用硝酸40gを添加し、さらに20分間攪拌した後、攪拌下で100℃に加熱し、30分間保持した。この処理によって、乳濁状の反応液はオイル相(上層)と球状シリカゲル粒子が分散した水相(下層)とに分離した。
(3) (2)で含水球状シリカゲル粒子を洗浄する洗浄工程
オイル相を除き、水相中の球状シリカゲル粒子を常法により濾過・洗浄した。洗浄は0.01%硫酸水溶液で反応液を置換洗浄した後、純水を用い、洗液のpHが4以上になるまで繰り返した。ヌッチェを用いて、脱水し、含水球状シリカゲル粒子を得た。
<含水球状シリカゲル粒子の乾燥、解砕、焼成工程>
(4) (3)で洗浄した含水球状シリカゲルを乾燥させる乾燥工程
得られた含水球状シリカゲル粒子を温度120℃で20時間乾燥し、100gの乾燥球状シリカゲル粒子を得た。
(5) (4)の乾燥時もしくは乾燥後に乾燥球状シリカゲル粒子解砕する解砕工程
乾燥球状シリカゲル粒子をポリエステル製目開き33μm篩を通過させ、解砕した。
(6) (5)で解砕した乾燥球状シリカゲル粒子を300〜700℃で焼成する1次焼成工程
(7)(6)で1次焼成した球状シリカゲル粒子を700〜1100℃(700℃は含まない)で焼成する2次焼成工程
解砕した乾燥シリカゲル粒子を石英製ビーカー(1リットル)に充填し、焼成した。焼成は200℃/hrで昇温させ、700℃で15時間保持した後、さらに850℃まで昇温させ、850℃で8時間保持し、吸着性シリカ充填材を得た。
焼成して得られた吸着性シリカ充填材のシリカ物性を表1に示す。平均粒径は9.1μm、最大粒径は27μmであり、真比重は2.19であった。BET法で測定した比表面積は155m2/gであった。また、電子顕微鏡写真より真球度が0.9以上である粒子の含有率が90%以上である球状であり、表面の平滑性も良好であった。
吸湿率Aは式(II)から算出した。M1は絶乾状態の吸着性シリカ充填材の質量であり、M2吸湿後の吸着性シリカ充填材の質量を表す。絶乾状態の吸着性シリカ充填材をトレーに0.1g入れ(M1:精秤する)、テフロン(登録商標)容器を、SUS密封容器に入れ121℃恒温槽に24時間放置した。24時間後トレーを容器から取り出し、質量を測定した(M2)。
A[%]:100×(M2−M1)/M1・・・・・・(II)
また、Na、K、Liなどのアルカリ金属、Ca、Mgなどのアルカリ土類金属及びCr、Fe、Cu等遷移金属の各元素の濃度は1ppm以下であり、また、UおよびThの放射性元素の合計は0.1ppb以下であった。
得られた吸着性シリカ充填材の樹脂配合時の特性を表2に示す。樹脂配合粘度測定の際にエポキシ樹脂はビスフェノールA型液状エポキシ樹脂とブチルグリシジルエーテルの混合物(質量比89:11の混合物、エポキシ当量が181〜191、25℃の粘度が9〜12ポイズ、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート815)を使用した。を用いた。配合比は:エポキシ樹脂=60:40質量比とした。樹脂配合粘度は東機産業株式会社製RE-80Rを用いて、50℃で測定した。
なお、得られたサンプルは予め硬化剤を混ぜたエポキシ樹脂に混合し、脱泡した後、硬化促進剤を添加し、硬化させた。配合比はフィラー:エポキシ樹脂:硬化剤=6:2:2(質量%)、硬化促進剤をエポキシ樹脂に対し、0.1質量%添加した。エポキシ樹脂はエピコート815を用いた。硬化剤はリカシッドMT-500(新日本理化株式会社製)を用いた。硬化促進剤はキュアゾール2E4MZCN(四国化成工業株式会社)を用いた。所定配合比で混合した樹脂組成物は直径2cmの円盤状の型枠中に厚さ2mm流し込み、150℃、1時間で硬化させた。
円盤状に成形した硬化物を容量50mlテフロン(登録商標)容器(金網で上下に仕切り、下部に純水15ml、上部にサンプルを置く)に硬化物サンプルを入れ、テフロン(登録商標)容器を、SUS密封容器に入れ121℃恒温槽に24時間放置した。24時間後硬化物サンプルを容器から取り出し、質量を測定し、吸湿率を算出した。
実施例2
焼成温度を700℃で15時間保持した後、さらに950℃まで昇温させ、950℃で15時間保持したことを除き、実施例1と同様にして吸着性シリカ充填材を得た。
実施例3
焼成温度を700℃で15時間保持した後、さらに1050℃まで昇温させ、1050℃で8時間保持したことを除き、実施例1と同様にして吸着性シリカ充填材を得た。
比較例1
焼成温度を700℃で15時間保持した後、さらに1150℃まで昇温させ、1150℃で8時間保持したことを除き、実施例1と同様にしてシリカ充填材を得た。
比較例2
焼成温度を300℃/hrの昇温速度で850℃まで昇温させ、850℃で8時間保持したことを除き、実施例1と同様。SEMで観察したところ所々に粒子間の融着が認められた。実施例2と比較し、比表面積が小さいにも拘わらず、樹脂配合時の粘度は高い値を示した。
比較例3
焼成温度を700℃で15時間保持した後、冷却後、回収した。その他は実施例1と同様にして吸着性シリカ充填材を得た。実施例1と同条件で樹脂配合粘度を測定しようとしたが、所定の比で吸着性シリカ充填材をエポキシ樹脂に混合した際に、該樹脂組成物が流動性を有しなかったため、樹脂配合粘度の測定は出来なかった(<250000mPa・s)。
参考例1
エポキシ樹脂の粘度を50℃で測定した。また、エポキシ樹脂:硬化剤=1:1(質量%)、硬化促進剤をエポキシ樹脂に対し、0.1質量%添加し、フィラーを含まない樹脂硬化物を調製した。得られた樹脂硬化物の吸湿率を測定した。

Figure 2005054129
Figure 2005054129

Claims (8)

  1. 以下の項目を満足する吸着性シリカ充填材
    (a)平均粒径6μm以上20μm未満
    (b)比表面積100m2/g以上300m2/g以下
    (c)吸着性シリカ充填材とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比60:40で混合した際の粘度測定において、50℃で粘度計の回転数2.5rpmの粘度が30000mPa・s以下
  2. 以下の項目を満足する吸着性シリカ充填材
    (a)平均粒径6μm以上20μm未満
    (b)比表面積50m2/g以上100m2/g未満
    (c)吸着性シリカ充填材とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比で60:40で混合した際の粘度測定において、50℃で粘度計の回転数2.5rpmの粘度が10000mPa・s以下
  3. 以下の項目を満足する吸着性シリカ充填材
    (a)平均粒径6μm以上20μm未満
    (b)比表面積15m2/g以上50m2/g未満
    吸着性シリカ充填材とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比60:40で混合した際の粘度測定において、50℃で粘度計の回転数2.5rpmの粘度が5000mPa・s以下
  4. 吸着性シリカ充填材とビスフェノールA型液状エポキシ樹脂を質量比で60:40混合した際、50℃での粘度測定において、粘度計の回転数1rpmの粘度値をη1、2.5rpmの粘度値をη2とした場合、η1/η2<1.0を満足することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の吸着性シリカ充填材。
  5. 放射性元素の合計が2ppb以下である請求項1〜4いずれかに記載の吸着性シリカ充填材。
  6. 以下の(1)〜(7)の工程を含む吸着性シリカ充填材の製造方法。
    (1)アルカリ珪酸塩水溶液を分散相として細粒状に分散させた油中水滴型(W/O型)エマルションを調製する乳化工程
    (2) (1)で調製した油中水滴型(W/O型)エマルションを鉱酸水溶液と混合し、平均粒径2.9μm以上7μm未満の含水球状シリカゲル粒子を生成させる凝固工程
    (3) (2)で含水球状シリカゲル粒子を洗浄する洗浄工程
    (4) (3)で洗浄した含水球状シリカゲル粒子を乾燥させる乾燥工程
    (5) (4)の乾燥時もしくは乾燥後に乾燥球状シリカゲル粒子を解砕する解砕工程
    (6) (5)で解砕した乾燥球状シリカゲル粒子を300〜700℃で焼成する1次焼成工程
    (7)(6)で1次焼成した球状シリカゲル粒子を700〜1100℃(700℃は含まない)で焼成する2次焼成工程
  7. 請求項1〜5の少なくとも1つの吸着性シリカ充填材を用いることを特徴とする封止用樹脂組成物。
  8. 画像素子デバイス用であることを特徴とする請求項7記載の封止用樹脂組成物。
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