JPH11288233A - 情報表示装置 - Google Patents

情報表示装置

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JPH11288233A
JPH11288233A JP10090008A JP9000898A JPH11288233A JP H11288233 A JPH11288233 A JP H11288233A JP 10090008 A JP10090008 A JP 10090008A JP 9000898 A JP9000898 A JP 9000898A JP H11288233 A JPH11288233 A JP H11288233A
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    • G09F13/00Illuminated signs; Luminous advertising
    • G09F13/20Illuminated signs; Luminous advertising with luminescent surfaces or parts
    • G09F13/22Illuminated signs; Luminous advertising with luminescent surfaces or parts electroluminescent

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  • Road Signs Or Road Markings (AREA)
  • Illuminated Signs And Luminous Advertising (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用用途が広く、非常に簡単かつ安価で、特
に夜間の路面、路端やトンネル壁、山間地や海浜等の暗
所においても視認性に優れた道路標識や避難標識、視線
誘導表示板や路面表示板、吸音板、内装板等にも利用で
きる耐久型、省エネルギータイプでメンテナンスフリー
の情報表示装置を提供する。 【解決手段】 光反射性を有する反射素子と、紫外線を
含む波長領域の光によって励起され、可視光線を発光
し、紫外線の励起が終了した後も長時間残光する性能を
有する蓄光素子とが釉薬を母材として基板と一体化され
ていることを特徴とする情報表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、規制標識、案内標
識等の道路標識類;緊急時等に避難誘導を行う避難誘導
標識;歩道等に用いる保安用案内板;等に使用でき、照
明設備のない又は使用できない状態(破損は停電等)で
の夜間やトンネル内等の暗中においても視認者に必要な
情報を提供することができる情報表示装置に関するもの
である。詳しくは、紫外線を含む波長領域の光によって
蓄光励起され、可視光線を発光する蓄光発光性能を有す
る情報表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、例えば道路側縁に設置される道路標識や、道路工
事、交通整理等に際して道路に設置し、また走路工事、
交通整理等に携わる人が着用する保安用品等には、光を
光源方向に向けて反射させる再帰反射シートが使用され
ている。また、道路あるいは、車道と歩道が接する路端
の縁石や道路内の分離帯には発光ダイオード(LED)
埋め込み型道路鋲やプラスチック製のリフレクター、デ
リニエーター等が使用され、夜間の視認誘導性及び視認
性の向上が図られている。
【0003】これらの道路標識等は、再帰反射シートを
金属板等の基材に貼り付けて、その表面に文字、記号、
図柄等の表示部を印刷等によって施したり、これら表示
部とその背景となる背景部とを、適宜色の異なる再帰反
射シートからそれぞれ切り出して組合せ、該基材に貼り
併せる等の方法により作成されており、夜間等におい
て、走行する自動車等の車輌のヘッドライト等の光源か
らの光を光源方向、すなわち走行する車輌の方向へ向け
て反射させ、標識の視認者である車輌の運転者に対し優
れた視認性を提供し、明確な情報伝達を可能にするとい
う優れた特性を有している。
【0004】しかしながら、これら再帰反射シートを用
いた表示装置は、当然のことながら、光源よりの光を受
けた時のみ光を再帰反射し、光源方向に対して優れた視
認性を発揮するものであり、視認する方向位置が光源方
向位置と大きく離れている場合はその視認性が著しく劣
り、光源を携帯しない歩行者からは視認し難く、また車
輌がこれら標識に接近し過ぎたときにも、視認者が標識
を見るときの観測角が大きくなって、その視認性は著し
く低下する等、ごく限られた条件下でしかその優れた視
認性が得られないものであった。また、例えば、河川や
山間部等にある案内板等、街頭や周辺からの光がほとん
ど期待できない場所においては、案内板そのものの存在
すら見えにくいということが通常であった。
【0005】また、路端や縁石や道路内の分離帯にプラ
スチック製のリフレクターを使用する表示装置では、特
にトンネル内装における表示や縁石、路面や路端、中央
分離帯等において、コンクリート、セメント、アスファ
ルト面に直接設置する必要があり、反射材表示板の設置
には直接の接着が困難なため、取付器具を別に準備する
必要があり加工が高価で複雑になるという欠点もあっ
た。また、これらの設置場所では車両の交通量が激し
く、排気ガスや粉塵によって表示板表面が汚染され易
く、定期的に洗浄車等によって洗浄することが通常行わ
れるが、表面硬度が不十分なため傷つき易く、反射性能
が短期間に大きく減退しその機能を失うのが常であっ
た。さらに、万一火災の際には燃焼、煙害の発生や有害
ガスの発生等の危険性があった。従って、上記表示装置
は、このような場所での使用に対しては問題が多かっ
た。
【0006】このため、トンネル内装や路面、縁石ある
いは中央分離帯等にも、より優れた耐久性や視認効果等
が求められるようになってきた。即ち、プラスチック製
で再帰反射性能しか有しない従来型の再帰反射型の表示
装置に変わって、より防火性や耐久性に優れ、メンテナ
ンスフリータイプで、かつ特に夜間等において、光源が
なかったり、限定されていたりする場合の視認性にも優
れ、光源方向とは異なる方向に対する視認性も併せ持
ち、路面やコンクリート壁等にも容易に取付可能な表示
装置が強く望まれるようになってきた。
【0007】上記ニーズに対応するため、車両のヘッド
ライトによる光がない時にも視認性を得る方法として
は、内照式表示板や外照式表示板も利用されているが、
内照式表示板では標識自体も大掛かりとなって設備費用
が嵩み、その照明器具の交換や破損に伴う修理等のメン
テナンスも容易でなく、多大の電力を夜間連続で使用す
るのでランニングコストも高価になるという問題点があ
る。
【0008】さらに、太陽電池を使用して断続的に発光
ダイオード(LED;Ligth Emitting Diode)を発光さ
せる視認誘導標識やエレクトロ・ルミネッセンス(E
L;Electro Luminescence)を発光させる標識板も用い
られている。前者は、例えば、目的に従って配列された
点を高サイクルで順次発光させることにより、各点の発
光に応じて視線を効果的に誘導するということでは優れ
ているが、広い面を連続表示するには不向きである。ま
た後者では、EL素子の屋外耐候性が極めて悪く、特に
耐水性に劣る上、価格が極めて高価である。また、広い
面を連続照明するには多大の費用がかかるという欠点が
ある。
【0009】これらの問題点を解決するための試みも幾
つかなされており、例えば特開平9−71911号公報
には、表面に再帰反射性を有する反射面に蓄光性材料に
よる多数の蓄光面が規則正しく散在された標識シートが
標識面に貼付された道路標識について開示されており、
また既存の標識の一部に蓄光性材料を用いた蓄光性シー
トを貼り付ける試みも知られている。しかし、これらの
試みも、耐摩耗性等の耐久性や防火性については不十分
であった。
【0010】従って、本発明の目的は、これら上記の如
き従来技術の問題を解決して、使用用途が広く、非常に
簡単かつ安価で、特に夜間の路面、路端やトンネル壁、
山間地や海浜等の暗所においても視認性に優れた道路標
識や避難標識、視線誘導表示板や路面表示板、吸音板、
内装板等にも利用できる耐久型、省エネルギータイプで
メンテナンスフリーの情報表示装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、光反射性能
と蓄光発光性能とを併せ持つ標識類等の情報表示装置で
あって、暗中における視認性が優れること等、従来の反
射表示装置あるいは蓄光表示装置に比較して、使用用途
分野の拡大が期待できる情報表示装置の開発を目的とし
て鋭意検討を行ってきた。
【0012】その結果、特定の蓄光素子と反射素子を釉
薬に混合、焼成し、基板と一体化することによって、蓄
光性能が高められ、かつ広い角度から入射する光に対し
て反射する効果が得られ、上記目的が達成されることを
知見した。
【0013】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであって、光反射性を有する反射素子と、紫外線を含
む波長領域の光によって励起され、可視光線を発光し、
紫外線の励起が終了した後も長時間残光する性能を有す
る蓄光素子とが釉薬を母材として基板と一体化されてい
ることを特徴とする情報表示装置を提供するものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表示装置の実施態
様について図面を参照しつつ具体的に説明する。図1
(a)〜(b)は、本発明の情報表示装置の一例を示す
横断面図及びその部分拡大図であり、同図において、
(A)は釉薬を母材とする金属箔又は金属粉末(反射素
子)からなる層、(B)は釉薬を母材とする蓄光素子か
らなる層、(C)は釉薬を母材とするガラス粉末(反射
素子)からなる層をそれぞれ示し、1はガラス粉末、2
は蓄光素子、3は金属箔又は金属粉末、4は釉薬、5は
基板及び6はコンクリート構造体をそれぞれ示す。
【0015】図1(a)〜(b)に示されるように、基
材5上に、(A)、(B)、(C)の3層が積層され、
情報表示装置とされている。この情報表示装置は、セメ
ント等の固着手段によって、コンクリート構造体6に固
着されている。(A)〜(C)全体の厚さは、用途に応
じて広い範囲にわたり変えることができるが、通常、2
0〜2000μm、好ましくは40〜500μm、特に
好ましくは60〜300μmの範囲内に設定するのがよ
い。
【0016】(C)は、上記のように、釉薬4を母材と
するガラス粉末(反射素子)1からなる層である。この
層は、通常、2〜500μmの範囲内に設定されるが、
ガラス粉末の粒子の一部が釉薬層の表面に露出してもよ
い。ガラス粉末1としては、形状が不均一な各種のガラ
ス粉末と10〜1000ミクロンの球形のガラスビーズ
が含まれる。ガラス粉末の溶融温度は、一般に共に使用
される釉薬よりも高いものが使用される。ガラスの組成
については特に制限は無いが、紫外線透過性の良い組成
が選択される。
【0017】一方、釉薬4は、焼成後において光透過機
能及び各成分を基板と一体化させる結合機能を併せ持つ
ものであれば特に制限されるものではないが、一般的に
は反射領域に使用可能な光透過性、即ち、少なくとも2
0%以上、好ましくは40%以上の可視光線、300ナ
ノメーター以上長波長の紫外線全光線透過率を有し、ガ
ラス融点が600〜1400℃のものが使用される。ま
た、釉薬の使用量は、各成分総量の10〜500重量%
が好ましい。
【0018】(B)は、上記のように、釉薬4を母材と
する蓄光素子(蓄光性材料)2からなる層である。蓄光
素子2としては粒径1〜100ミクロンの粉末状のもの
が好適に用いられる。
【0019】このような蓄光性素子2としては、蓄光性
能のよさの観点から酸化物系蓄光性材料、その中でも、
一般式MAl2 4 (式中、Mは少なくとも1種のアル
カリ土類金属を表わす)で表わされる金属酸化物を母結
晶とし、付活剤として希土類金属原子を1×10-6
0.2の割合(但し、金属M原子と希土類金属原子との
合計原子数を1とする)で含有してなる蓄光性材料であ
ることが好ましい。このアルカリ土類金属としては、C
a、Ba及びSrからなる群から選ばれる少なくとも1
種の金属であるのが好ましく、また希土類金属として
は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuか
らなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であること
が好ましい。
【0020】上記蓄光素子を形成するの蓄光性材料のう
ちの代表的なものとしては、例えば、SrAl2 4
Eu、SrAl2 4 :Eu,Dy、SrAl2 4
Eu,Nd、SrAl2 4 :Eu,Pr、SrAl2
4 :Eu,Sm、SrAl 2 4 :Eu,Tb、Sr
Al2 4 :Eu,Ho、SrAl2 4 :Eu,M
n、SrAl2 4 :Eu,Sn、SrAl2 4 :E
u,Bi、CaAl2 4 :Eu,Nd、CaAl2
4 :Eu,Sm、CaAl2 4 :Eu,Tm、CaA
2 4 :Eu,Nd,La、CaAl2 4 :Eu,
Nd,Ce、CaAl2 4 :Eu,Nd,Pr、Ca
Al2 4 :Eu,Nd,Sm、CaAl 2 4 :E
u,Nd,Gd、CaAl2 4 :Eu,Nd,Tb、
CaAl2 4 :Eu,Nd,Dy、CaAl2 4
Eu,Nd,Ho、CaAl2 4 :Eu,Nd,E
r、CaAl2 4 :Eu,Nd,Tm、CaAl2
4 :Eu,Nd,Yb、CaAl2 4 :Eu,Nd,
Lu、CaAl2 4 :Eu,Nd,Mn、CaAl2
4 :Eu,Nd,Sn、CaAl2 4 :Eu,N
d,Bi、Ca0.9 Sr0.1 Al2 4 :Eu,Nd,
La、Ca0.9 Sr0.1 Al 2 4 :Eu,Nd,D
y、Ca0.7 Sr0.3 Al2 4 :Eu,Nd,Dy、
Ca0.9 Sr0.1 Al2 4 :Eu,Nd,Ho、Ca
0.7 Sr0.3 Al2 4:Eu,Nd,Ho、硫化亜鉛
化合物、B2 3 ・SrO・Al2 3 化合物等が挙げ
られる。これらは1種または2種以上の混合物として使
用することができる。
【0021】これら蓄光性材料としては、下記の方法に
従って測定した残光特性が、一般に150mcd/m2
以上、好ましくは200mcd/m2 以上、さらに好ま
しくは250mcd/m2 以上のものを用いるのがよ
い。
【0022】<残光特性の測定>試料の蓄光性材料粉末
0.05gを内径8mmのアルミニウム製試料皿に秤り
取り(試料厚さ0.1g/cm2 )、約15時間暗中に
保管して残光を消去した後、D65常用光源を用いて受
光強度1000ルクスで30分間照射し、次いで暗中に
10分間放置してから該試料より約30cmの距離から
輝度計〔ミノルタカメラ(株)製「LS−100」〕を
用いて試料の残光量を測定する。
【0023】本発明において経済的に高い蓄光発光性能
を発揮させるためには、蓄光素子(蓄光性材料)は、釉
薬成分100重量部に対して、蓄光素子を好ましくは2
〜100重量部、より好ましくは5〜40重量部、さら
に好ましくは10〜30重量部含有する。蓄光素子の含
有量が上記のように2重量部以上であれば充分な蓄光発
光機能が得られ優れた視認性が得られるので好ましく、
また、上記のように100重量部以下であれば形成され
たタイル表面の硬度が低くなり過ぎて脆くなる等の不都
合が生ずることがなく、タイルとしての耐久性等の必要
特性が損なわれることがないので好ましい。さらに、経
済的な考慮より蓄光素子の分布層は厚み方向に対しては
200ミクロン以下、望ましくは50ミクロン以下と
し、平面における分布濃度が50%以上、特には80%
以上となるようにすることが好ましい。
【0024】上記の蓄光素子は、日中の太陽光、また夜
間の蛍光灯、自動車のヘッドライト等の照明の光はもち
ろん、夜間暗中においても、併設されている光照射装置
から照射される、断続的は又間欠的に330〜390n
m、好ましくは350〜380nmの波長領域の紫外線
を含む光によって蓄光励起され、例え光源が全くなくな
った暗闇においても徐々に450〜550nmをピーク
とする可視光線を放出発光するものであることを要す
る。そしてこのような蓄光素子により形成される蓄光発
光領域は、後述の残光輝度条件を満足することが好まし
い。
【0025】(A)は、上記のように、釉薬4を母材と
する金属箔又は金属粉末(反射素子)3からなる層であ
る。金属箔又は金属粉末としては、特に限定されない
が、アルミニウム、ニッケル等の箔又は粉末が挙げられ
る。この金属箔又は金属粉末の平均粒径は5〜60μ
m、厚さは10〜100μm、扁平比1〜20のものが
好ましく用いられる。
【0026】図1において、基板5は、陶土をベースと
した粘土(タイル)基板、鉄板等から形成される。ま
た、コンクリート構造体6は、路面や縁石、セメント壁
面等である。基板5はコンクリート構造体6にセメント
を介して貼り合わせたり、アンカーボルトによって固定
される。
【0027】本発明にあっては、上記図1において、
(A)層又は(C)層を省略し、(A)層及び(B)
層、(B)層及び(C)層の組み合わせで用いてもよ
い。
【0028】図2(a)〜(b)は、本発明の情報表示
装置の第2の例を示す横断面図及びその部分拡大図であ
り、同図において、図1と同一の符号は同様のものを示
す。同図において、(D)は釉薬4を母材とし、ガラス
粉末(反射素子)1、蓄光素子2及び金属箔又は金属粉
末(反射素子)3を含む層である。ここにおいて、ガラ
ス粉末1、蓄光素子2、金属箔又は金属粉末3及び釉薬
4は、上記図1で説明したものと同様である。本発明に
あっては、この図2において、ガラス粉末(反射素子)
1又は金属箔又は金属粉末3は省略してもよい。
【0029】図3(a)〜(b)は、本発明の情報表示
装置の第3の例を示す平面図及び横断面図である。ま
た、図4(a)〜(b)は、本発明の情報表示装置の第
4の例を示す平面図及び横断面図である。図3〜4にお
いて、図1と同一の符号は同様のものを示し、Xは再帰
反射領域、Yは蓄光発光領域を示す。図3においては、
再帰反射領域Xと蓄光発光領域Yとは重複して設けられ
ており、図4においては、再帰反射領域Xと蓄光発光領
域Yとは別個に設けられ、分散配置されている。また、
図3〜4において、再帰反射領域Xと蓄光発光領域Yが
表示部となり、その他が背景部となる。この場合に、背
景部は再帰反射能や蓄光発光能を有しない。
【0030】この再帰反射領域Xは、微小ガラス粉末型
反射素子で形成されていることが望ましく、微小ガラス
粉末型反射素子としてはガラスビーズ型再帰反射素子、
封入レンズ型再帰反射素子が挙げられる。ここでいうガ
ラスビーズ型再帰反射素子とはカプセル中にガラスビー
ズと空間を形成し再帰反射素子を構成するものであり、
封入レンズ型再帰反射素子とはガラスビースを反射層と
表面フィルムで一体化した再帰反射素子である。
【0031】本発明における情報表示装置は、再帰反射
領域Xと共に、夜間等光のない所でも発光する蓄光発光
領域Yを有する点に大きな特徴がある。本発明者は、再
帰発光領域と蓄光発光領域とを併せ持つ情報表示装置の
暗中における視認性を改善することを目的に、蓄光発光
領域の発光量を長時間視認可能な一定の範囲内に維持す
る方法について検討を行ってきた。その結果、蓄光発光
領域に含まれる蓄光素子(蓄光性材料)の中には、可視
光線よりはむしろ、330〜390nm等の特定波長の
紫外線により効率的に励起されて、450〜550nm
をピークとする可視光線を放出するものがあることを見
出した。そして、このような蓄光性素子を含む蓄光発光
領域を有する情報表示装置に、330〜390nmの紫
外線領域を含む光を照射する光照射装置(図示せず)を
組み合わせることによって所期の目的を達成できる。
【0032】光照射装置は、断続的又は間欠的に330
〜390nm、好ましくは350〜380nmの波長領
域の紫外線を含む光を情報表示装置面に向けて照射する
ように設計されている。本発明においても好適に使用で
きる蓄光素子は、該特定波長領域の紫外線により最も有
効に蓄光励起されるので、光照射装置は主としてこのよ
うな波長領域の紫外線を照射するものであればよい。こ
のような光照射装置としては、例えば、ブラックライト
蛍光灯、UV発光タイプ冷陰極管及び紫外線発光タイプ
LED等が例示される。これらの光照射装置の発光する
紫外光の波長領域には、特に330〜390nmの紫外
線を効率よく発光するように設計される。
【0033】本発明における光の照射は、情報表示装置
の蓄光発光領域Yから発する光が視認性を失わない範
囲、具体的には残光輝度が120mcd/m2 以上に保
たれるように、断続的又は間欠的に行えばよい。このた
めには光照射装置は、蓄光発光領域Yの表面に、一般に
2〜1800/sec、好ましくは5〜600/sec
程度の光量を照射するように設定するのがよい。具体的
には、情報表示装置面における受光強度が例えば、10
0〜20,000ルクスの範囲の光を、例えば、10分
毎に3秒以上、好ましくは5〜120秒、または2時間
毎に30秒以上、好ましくは60〜300秒行われるよ
うに設定するのがよい。
【0034】本発明に用いられる光照射装置の電源は、
特に限定されるものではなく、通常の商用電源からのも
のでもよいが、事故や災害等による停電時にも優れた視
認性を維持させるためには、蓄電池を電源とするのが好
ましい。そして蓄電池は、常時商用電源により充電され
るようにするのがよい。この場合、蓄電池の蓄電量のレ
ベルにより、蓄電のための通電がオン・オフされる等調
節されるように設定するのが好ましい。また蓄電池の充
電は電源として太陽電池を用いることで、商用電源を得
ることが困難な場所においてもメンテナンスフリーで使
用が可能である。
【0035】本発明の情報表示装置における蓄光発光領
域の蓄光性能としては、情報表示装置を暗中に12時間
放置した後、これにD65常用光源を受光強度1000
ルクス×30分間照射し、次いで暗中に10分間放置し
た時に、暗中に120mcd/m2 以上、好ましくは4
00mcd/m2 以上の残光輝度を有するように、蓄光
素子の種類及び配合量を選択することが好ましい。残光
輝度が120mcd/m2 以上であれば、蓄光発光領域
は充分に視認性を発揮するので好ましい。なお上記蓄光
発光領域の残光輝度は、下記に表示する方法に従って測
定する。
【0036】<残光輝度の測定>100mm×100m
mの情報表示装置の試料を暗中に12時間放置した後、
D65常用光源を用いて受光強度1000ルクス×30
分間照射し、次いで暗中に10分間放置してから該試料
より約30cmの距離から輝度計〔ミノルタカメラ
(株)製「LS−100」〕を用いて蓄光発光領域表面
の適宜の場所5点について約5mmφの残光量を測定
し、次式に従って情報表示体の残光輝度を決定した。残
光輝度(mcd/m2 )=残光量×蓄光発光領域の面積
占有率(%)÷100
【0037】本発明の情報表示装置は、夜間等に車輌の
ヘッドライト等の光の照射を受けると、再帰反射領域X
が再帰反射して明るく輝き、また光が当たっていない時
には蓄光発光領域Yが明るく輝く。そして従来の再帰反
射領域と蓄光発光領域とを併せ持つ情報表示装置では、
次第に蓄光された光が減衰して視認性が失われるが、本
発明の情報表示体装置では、光が減衰して視認性が失わ
れる前に、情報表示装置に向けて、光照射装置により自
動的に特定波長領域の紫外線を含む光が照射されるの
で、蓄光発光領域に含まれる蓄光素子が蓄光励起され、
夜間継続して優れた視認性が持続される。
【0038】本発明の情報表示装置は、再帰反射領域X
と蓄光発光領域Yとが形成されると共に、表面に断続的
又は間欠的に紫外線を含む波長領域の光を照射する光照
射装置が具備されたものであり、夜間等に車輌のヘッド
ライト等の光の照射を受けると、再帰反射領域Xが再帰
反射して明るく輝き、また光が当たっていない時には蓄
光発光領域Yが明るく輝く。そしてこの蓄光発光領域Y
の発する光が減衰して視認性が失われる前に、情報表示
装置に組み合わされた光照射装置が自動的に特定波長領
域の紫外線を含む光を情報表示装置に向けて照射される
ので、夜間継続して優れた視認性が持続される。
【0039】これにより、情報表示装置の夜間の電力量
は、連続して該情報表示装置を照明する場合に比較し
て、1/10以下となり省エネルギーが可能となり、特
に従来商用電源で照明されている標識類に比較すると、
電力費の大幅な節減が可能となる。
【0040】また例えば、電源として蓄電池を利用する
情報表示装置の場合には、事故や災害等による停電時に
も、夜間を通して視認性の高い避難誘導標識を提供する
ことができ、これら非常時における人的被害を最小限に
抑えることができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例等により、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0042】〔実施例1〕陶土をベースに構成し、約1
300〜1400℃にて焼成、仕上がり厚さ8mmに仕
上げたタイル基板を予め準備した。このタイル基板の表
層から下記に示す(A)〜(C)を順次積層した。 (A)平均厚さ5μm、扁平比5のアルミニウム箔と低
融点釉薬を重量比7:3の割合で混合したもの。 (B)平均粒径20μmの蓄光材粉末(蓄光素子)と低
融点釉薬を重量比7:3の割合で混合したもの。 (C)平均粒径200μm、屈折率1.91のガラスビ
ーズと低融点釉薬を重量比5:5の割合で混合したも
の。 この積層物を焼成温度650〜800℃にて(A)〜
(C)層の合計厚さが約1.5mmに仕上がるように焼
き上げた。このときの各成分の比重は重い順にアルミニ
ウム箔/蓄光素子/ガラスビーズの順であり、焼成され
たタイルはタイル基板表層より約800℃以下で溶融す
る釉薬を母材として比重の重い順にアルミニウム箔を主
体とする層(A)、蓄光素子を主体とする層(B)、ガ
ラスビーズを主体とする層(C)の順に各層が形成さ
れ、各層がお互いに接する部分では上下2成分が溶融混
合した形態が見られたが、下層と上層が溶融時に上下逆
転することはなかった。このようにして情報表示装置を
得た(図1参照)。得られた情報表示装置は厚さ約9.
5mmで、これを道路中央分離帯のコンクリートブロッ
クにセメントで貼り付け視認性試験等を行った。
【0043】〔実施例2〕厚さ2mmの鉄板を準備し、
これを基板とする以外は、実施例1 と同様にして情報表
示装置を得た。これを道路中央分離帯のコンクリートブ
ロックにアンカーボルトで固定し視認性試験等を行った
【0044】〔実施例3〕先ず、厚さ10mmの未焼成
陶土基板を準備した。次いで、板面の異なる位置に、蓄
光発光効果を期待するデザイン及び反射効果を期待する
デザインをそれぞれ想定し、蓄光発光効果を期待するデ
ザインの部分には、基板の表層より、(A)平均粒径1
0μmのニッケル粉末と融点900〜1200℃の釉薬
を重量比で7:3の割合で混合して載せ、次いでその上
層には(B)平均粒径20μmで耐熱性の蓄光材粉末
(蓄光素子)と融点900〜1200℃の釉薬とを重量
比で3:7の割合で混合して載せた。さらに、再帰反射
効果を期待するデザインの部分には、基板の表層より、
(A)平均粒径10μmのニッケル粉末と融点900〜
1200℃の釉薬とを重量比で3:7の割合で混合して
載せ、次いで上層には(C)平均粒径50〜100μ
m、融点1450℃のガラス粉砕末と融点900〜12
00℃の釉薬を重量比で5:5の割合で混合して載せ
た。このようにして準備した陶土板全体を焼成温度13
00〜1350℃にて焼成し、基板と合わせた全体厚さ
が11mmの情報表示装置を得た(図4参照)。この情
報表示装置をコンクリート製トンネル外壁にセメントに
て貼り付け視認性試験等を行った。
【0045】〔比較例1〕実施例1で作成した情報表示
装置の代わりに、プラスチック製封入型反射シート及び
蓄光シートを相当部分に組み合わせて直接コンンクリト
材に貼り付ける以外は、実施例1と同様にして貼り付け
設置試験を行った。
【0046】〔比較例2〕基板の表層から順に、(C)
層、(B)層、(A)層を載せて焼成する以外は、実施
例1と同様にして情報表示装置を得た。この情報表示装
置を道路中央分離帯のコンクリートブロックにセメント
で貼り付けて視認性試験等を行った。
【0047】実施例1〜3及び比較例1〜2によって得
られた情報表示装置について、再帰反射性能、残光輝
度、視認性評価、摩耗性、燃焼性及び耐久性について下
記の方法によって評価した。その結果を表1に示す。上
記結果を〔表1〕に示す。
【0048】<再帰反射性能>再帰反射性能測定器とし
て、アドバンスト・レトロ・テクノロジー社(Advanced
Retro Techonology, INC.)製「モデル(MODEL) 920 」
を用い、100mm×100mmの夜光性再帰反射シー
トの試料の再帰反射光量をJIS Z−9117に準じ
て、観測角0.2℃、入射角5℃により適宜の5点につ
いて測定して、その平均値を用いて夜光性再帰反射シー
トの再帰反射性能とした。
【0049】<残光輝度>200mm×300mmの情
報表示装置の試料を暗中に12時間放置した後、D65
常用光源を用いて受光強度1000ルクスで30分間照
射し、次いで暗中に10分間放置してから該試料より約
30cmの距離から輝度計〔ミノルタカメラ(株)製
「LS−100」〕を用いて蓄光発光領域表面の適宜の
場所5点について約5mmφの残光量を測定し、次式に
従って夜光性再帰反射シートの残光輝度を決定した。 残光輝度(mcd/m2 )=残光量×蓄光発光領域の面
積占有率(%)÷100
【0050】<視認性評価>200mm×300mmの
蓄光発光効果を期待するデザインが施された情報表示装
置の試料を暗中に12時間放置した後、D65常用光源
を用いて受光強度1000ルクスで30分間照射し、次
いで暗中に8時間放置してから、試験片から30mの離
れた地点での暗中における情報表示デザインの視認性を
下記の基準にて評価した。 優 :明確に表示デザインが視認できる。 良 :普通に表示デザインが視認できる。 不可:全くデザインが確認できない。
【0051】<摩耗性>情報表示装置の試料の表面を#
100のサンドペーパーをローラーに固定した研摩機に
て1分間同条件にて研摩した後、暗中にて、試験片から
30m離れた地点よりヘッドライトで照明し、光反射性
能を評価した。評価は下記の基準に従った。 10:極めて明るく反射し、視認性が優れる。 5:ある程度反射し、存在が判る。 1:全く反射しないで、存在が確認できない。
【0052】<燃焼性>情報表示装置の試料の表面を先
端温度600〜800℃のバーナー炎に1分間さらし、
表面の燃焼性、試験後の反射性能及び残光性能の変化を
比較した。評価は、下記の基準に従った。 不燃:全く燃焼せず、損傷もなく、反射性能及び残光性
能の低下が殆ど無いもの。 難燃:燃焼はし難いが、実質的に損傷あり、反射性能及
び残光性能がやや低下するもの。 可燃:容易に燃焼し、損傷著しく、その為に反射性能及
び残光性能の低下が殆ど失われるもの。
【0053】<耐久性>情報表示装置の表示発光部分の
試料をウェザーオーメータを用いておおよその耐久性を
推定した。
【0054】
【表1】
【0055】表1の結果から明らかな通り、実施例1〜
3は比較例1〜2に比較して、視認性、摩耗性、燃焼性
及び耐久性のいずれにおいても優れている。また、実施
例1〜3の再帰反射性能は、一般のプラスチック製反射
シートの反射性能に劣ることなく、自動車のヘッドライ
ト等により充分再帰反射性能が得られることが判った。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報表示
装置は、日中、太陽光等の光を反射し優れた視認性を示
すことはもちろん、夜間においては光反射領域が、例え
ば自動車のヘッドライト等の光源の位置に対して広い角
度に反射する。即ち、自動車の運転者等の光源方向の視
聴者においては広角度の位置にて優れた視認性が提供さ
れる。また蓄光発光領域は、日中の太陽光、また夜間の
蛍光灯、自動車のヘッドライト等の照明の光はもちろ
ん、夜間暗中においても、併設されている光照射装置か
ら照射される、断続的又は間欠的に上記波長領域の紫外
線を含む光によって蓄光され、例え光源が全くなくなっ
た暗闇においても徐々に光を放出発光し、運転者や歩行
者に対して優れた夜光性、夜間視認性を与えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の情報表示装置の一例を示す横
断面図及びその部分拡大図である。
【図2】図2は、本発明の情報表示装置の第2の例を示
す横断面図及びその部分拡大図である。
【図3】図3は、本発明の情報表示装置の第3の例を示
す平面図及び横断面図である。
【図4】図4は、本発明の情報表示装置の第4の例を示
す平面図及び横断面図である。
【符号の説明】
(A):釉薬を母材とする金属箔又は金属粉末(反射素
子)からなる層。 (B):釉薬を母材とする蓄光素子からなる層。 (C):釉薬を母材とするガラス粉末(反射素子)から
なる層。 (D):釉薬を母材とし、ガラス粉末(反射素子)、蓄
光素子及び金属箔又は金属粉末(反射素子)を含む層。 1:ガラス粉末(反射素子)、2:蓄光素子、3:金属
箔又は金属粉末(反射素子)、4:釉薬、5:基板、
6:コンクリート構造体。X:再帰反射領域、Y:蓄光
発光領域。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反射性を有する反射素子と、紫外線を
    含む波長領域の光によって励起され、可視光線を発光
    し、紫外線の励起が終了した後も長時間残光する性能を
    有する蓄光素子とが釉薬を母材として基板と一体化され
    ていることを特徴とする情報表示装置。
  2. 【請求項2】 上記釉薬を母材とする反射素子と蓄光素
    子とを含む層が基板上に形成されている請求項1に記載
    の情報表示装置。
  3. 【請求項3】 上記釉薬を母材とする反射素子と蓄光素
    子とを含む層が、さらに紫外線発光材を含む請求項2に
    記載の情報表示装置。
  4. 【請求項4】 上記反射素子がガラス粉末及び/又は金
    属箔あるいは金属粉末である請求項1、2又は3に記載
    の情報表示装置。
  5. 【請求項5】 上記基板上に、下層より(A)釉薬を母
    材とする金属箔又は金属粉末層、(B)釉薬を母材とす
    る蓄光素子層、そして表面層として(C)釉薬を母材と
    するガラス粉末層が順次積層されている請求項1に記載
    の情報表示装置。
  6. 【請求項6】 上記蓄光素子が酸化物系蓄光性材料から
    なる請求項1〜5のいずれかに記載の情報表示装置。
  7. 【請求項7】 断続的又は間欠的に紫外線を含む波長領
    域の光を照射する光照射装置をその表面に具備してなる
    請求項1〜6のいずれかに記載の情報表示装置。
  8. 【請求項8】 上記紫外線を発光可能なLED又は冷陰
    極管を灯具として用いる請求項7に記載の情報表示装
    置。
  9. 【請求項9】 照射される光による受光強度が100〜
    20,000ルクスである請求項7又は8に記載の情報
    表示装置。
  10. 【請求項10】 光の照射が10分以内に3秒以上又は
    2時間以内に30秒以上行われるように設定されている
    請求項7、8又は9に記載の情報表示装置。
  11. 【請求項11】 上記光照射装置が蓄電池を電源として
    有している請求項7〜10のいずれかに記載の情報表示
    装置。
  12. 【請求項12】 上記蓄電池を充電する電源が太陽電池
    である請求項11に記載の情報表示装置。
  13. 【請求項13】 少なくとも一部が、実質的に全面が再
    帰反射領域となっている反射素子と、実質的に全面が蓄
    光発光領域となっている蓄光素子との組み合わせにより
    構成されている請求項1〜12のいずれかに記載の情報
    表示装置。
  14. 【請求項14】 少なくとも一部が、上記再帰反射領域
    と蓄光発光領域とが規則的に分散配置された組み合わせ
    により構成されている請求項13に記載の情報表示装
    置。
  15. 【請求項15】 上記再帰反射領域が微小ガラス粉末型
    反射素子により形成されている請求項13又は14に記
    載の情報表示装置。
  16. 【請求項16】 上記微小ガラス粉末型反射素子がガラ
    スビーズ型再帰反射素子である請求項15に記載の情報
    表示装置。
  17. 【請求項17】 上記微小ガラス粉末型反射素子が封入
    レンズ型再帰反射素子である請求項15に記載の情報表
    示装置。
  18. 【請求項18】 表示部と該表示部の背景となる背景部
    とから構成されている請求項13〜17のいずれかに記
    載の情報表示装置。
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