JPH042534B2 - - Google Patents

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JPH042534B2
JPH042534B2 JP393284A JP393284A JPH042534B2 JP H042534 B2 JPH042534 B2 JP H042534B2 JP 393284 A JP393284 A JP 393284A JP 393284 A JP393284 A JP 393284A JP H042534 B2 JPH042534 B2 JP H042534B2
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、夜間および暗所における標識、踏切
や駅通路の標識、非常口の標識、自動車その他の
尾燈、時計や計器の文字盤や機械装置の部品に塗
布して用いられるホーロー被膜螢光体に関するも
のである。また天井、壁面に取り紫外線照射を行
なう無影照射、広告等の表示物へ利用される、蓄
光性を有するホーロ被膜として、耐光性、耐久
性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性、耐熱性に優れ
また蓄光特性の良い暗所での螢光表示を可能にす
るものである。 従来例の構成とその問題点 従来の螢光体としては、有機物として、ローダ
ミン、エオシンなどの螢光染料、およびローダミ
ンタングステートなどの螢光顔料がある。これら
の螢光体に展色剤としてダンマル、塩化ゴム、塩
化ビニル樹脂、メタクリル酸樹脂、アルキド樹脂
ワニスなどを用いた有機被膜の螢光体が用いられ
ていた。これらは有機被膜であるので、摩耗や汚
染に弱く、また耐光性も劣るという問題点があつ
た。 一方、無機物の螢光体として、ZnS、CaS、
CdS、BiおよびCuなどの再結晶型の残光を示す
螢光体がある。この中で最も多く用いられている
ものはZnS螢光体であり、これはZnSを母体と
し、賦活剤としてCu、Agなどを添加し、融剤と
混合して焼成する残光の著しい螢光体が得られ
る。ZnS螢光体は、安価で無害であり、硫化水素
に安定であるが、耐久性が劣り、光に当たつて暗
色化したり、空気中の酸素や水分の影響で劣化し
たりするという問題がある。 一般に使用する時は、ZnSを樹脂の中に加え成
形して螢光プラスチツクとして用いたり、有機物
の樹脂を展剤として用い、塗料として標識や文字
板に塗布していた。しかし、この方法も有機被膜
として用いられるので、摩耗や汚染に弱く、ZnS
の周囲は樹脂でコーテイングされているが、酸素
や水分を通すので劣化するという問題点があつ
た。 また、これらの有機被膜は耐熱性が弱く、300
℃以上になるとほとんど分解や燃焼を起こしてい
た。 そこで、ZnS螢光体にセラミツクや硝子を展剤
として用いる方法が考えられるが、次の様な問題
点があつた。 (1) 300℃以上の高温で焼成や焼結するホーロー
やセラミツクでは、焼成温度が高いために硝子
や雰囲気と反応して発光が著しく弱まる。 (2) 低い軟化点の硝子として、Pb系の硝子があ
るが、この硝子を使用すると、暗色化してZnS
の発光が弱まつたり、有害物質として衛生的に
問題であり、他の低軟化点の硝子もアルカリ成
分が多いため、ZnSと反応し発光が弱まつたり
暗色化する。 (3) 低軟化点の硝子組成で、SiO2を31〜39重量
%(以下単に%で表わす)、B2O3を13〜21%、
Na2Oを14〜22%、K2Oを1〜5%、ZnOを13
〜20%、F2を2〜10%含有し、かつAl2O3
ZrO2、TiO2の群から選択される中間酸化物を
1種で5%以下、総量において2〜9%の範囲
で含有するものと、蓄光性を有する無機質結晶
螢光体からなるホーロー組成物を、ホーロー用
鋼板に酸浄し、無電解のNiメツキの前処理を
行なつたものに塗布し、焼成することにより光
を消した後の残光が5分まで伸びたが、焼成中
に鋼板よりFe、Niが硝子中に拡散しており、
螢光体の発光特性を低下させていることや、可
視光のもとで螢光体を見た時、硝子中に分散し
ている螢光体は薄い黄緑色をしているが隠ぺい
力が不十分で素地の色がすけて見え、暗緑色に
なり、可視光のもとでの標識や表示物として好
ましくなかつた。 発明の目的 本発明は、耐久性、耐水性、耐摩耗性、耐汚染
性、耐光性、耐熱性に優れ、可視光の下でも螢光
体が隠ぺい力のある黄緑色を示し、鮮明な標示が
可能であるとともに、残光特性の良いホーロー被
膜螢光体を提供することを目的とする。 発明の構成 本発明のホーロー被膜螢光体は、乳白ホーロー
からなる下層の上に、蓄光性のある蛍光体ZnS、
CaS及びCdSよりなる群から選んだ少なくとも1
種を20〜50重量%、低軟化点透明硝子を47〜76重
量%含有する上層を形成したホーロー被膜螢光体
であつて、前記乳白ホーローを形成する硝子が、
重量比でSiO2を30〜36重量%、B2O3を15〜20%、
Na2Oを7〜9%、ZrO2を5〜10%、TiO2を10
〜17%、K2Oを7〜15%、F2を2〜10%、P2O5
を0.5〜2.5%含有するものである。 実施例の説明 螢光とは光の刺激によつて起こる発光をいう。
そして当てた光を取り去ると直ちに消滅する発光
を螢光といい、発光がなお持続する場合を残光と
いい、こういう物質を蓄光性の螢光体と言う。 無機螢光体は、Ca、Ba、Zn、Cdなどの酸化
物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン
酸塩などを主成分とし、これに1〜0.1%のMn、
Ag、Cu、Sb、Pbなどの活性剤を添加し、700〜
1300℃で数時間焼成して作られる。 本発明に用いる螢光体は、ZnS、CaSおよび
CdSの結晶螢光体であり、螢光の原理としてトラ
ツプに電子または正孔が捕獲されることにより光
のエネルギーを吸収し、螢光体に蓄わえ、それが
熱的に放出され、再結合の際に発光するので再結
合型残光であり、特に残光の持続時間が長いとい
う特長がある。 実施例としてZnS螢光体の製造法について述べ
る。精製したZnS1モルに賦活剤として10-4モル
のCuを加え、融剤としてKClを0.1モル加え、石
英るつぼで1200℃に加熱し、1時間保持し作成し
た。また賦活剤としてCuを用いると緑、Agは
青、Pbは青緑、Mnはオレンジ色の発光を示す。 このようにして作つたZnS・Cu螢光体の光学
的性質はC・I・E・の色表示でxが0.21〜
0.29、yが0.54〜0.56の範囲にあり、緑〜黄緑色
を示し、波長のピークは510〜540nmの範囲にあ
つた。また粒子径は平均25μであつた。このもの
に耐久性を増すためにSiO2を表面にコーテイン
グした。 硝子は、ホーローフリツトとして要求される適
当な熱膨張係数、軟化点を有し、ホーロー被膜を
形成した時の密着性、化学的耐久性、表面状態な
どの良好なものが必要である。 特に要求される重要な因子は、焼成温度が低い
ことであり、普通ホーローのように820〜850℃の
高温で焼成するとZnSの発光特性は著しく低下す
るので、低軟化点の硝子であることが要求され
る。 そこで本発明では、低軟化点の硝子を用いる。
これらの硝子組成について次に述べる。 第1表Aの硝子は、非鉛系のホウケイ酸硝子で
あり、焼成が690℃以下で出来、かつ透明であり、
螢光体である硫化物を酸化せず、硝子で表面をコ
ーテイングして保護しながら被膜を作るので、螢
光の残光特性が非常に優れている。 この硝子組成としてSiO2は硝子の骨格を形成
する必須成分であるが、軟化点を低くするには
SiO2量を少なくする必要がある。SiO2が31%未
満では、フリツトの熱水への溶解性が大きくなる
とともに、遊離のアルカリ成分が多くなり、螢光
体のZnSと反応し黒化する。またSiO2が39%を超
えると軟化点が高くなり720℃以下で焼成できな
いので、ZnSが熱酸化により黒化し残光特性が低
下する。これらの点よりSiO2は31〜39%の範囲
が適切である。 B2O3成分は硝子を溶融化するのに重要な役割
を果たし、またホーロー焼成後の光沢や素地金属
との密着性を向上させるのに重要である。B2O3
が21%を超えると熱水への溶解性が大きくなり好
ましくない。また13%未満になると、ホーロー被
膜の光沢や螢光体の残光特性が低下するので好ま
しくない。これらの点からB2O3の適当な範囲は
13〜21%である。 F2成分は、硝子の酸性度を最適に保つのに必
須の成分である。アルカリ成分として、Na2O、
K2O、Li2Oがあるが、これらを硝子中で中和さ
せ、遊離のアルカリ成分を少なくすることによ
り、ZnSの残光特性を向上させる働きをしてい
る。F2が2%未満では、アルカリ成分を中和す
る効果が乏しく、10%を超えると、ホーロー表面
に泡を発生し外観不良となる。これらの点より
F2の好ましい範囲は2〜10%である。 Na2O、K2O、Li2Oはアルカリ成分であり、強
力な溶融効果があり、硝子の軟化点を下げる成分
であり、Li2O>Na2O>K2Oの順で効果がある。
しかし、アルカリ成分が多くなると熱水溶解性が
大きくなり、また遊離のアルカリ成分が多くなる
と螢光体であるZnSと反応し黒化したり、残光特
性を低下させたりする。これらよりNa2Oは14〜
22%、K2Oは1〜5%が好ましく、またLi2Oを
4%以下含んでも良い。 ZnSは溶融剤として働くとともに、フリツトの
耐水性、化学的耐久性を向上させるという性質を
有しており、13%未満ではフリツトの熱水溶解性
が大きく好ましくない。また20%を超えると熱膨
張係数が大きくなり、ホーロー面にクラツクの発
生を生じ易く好ましくない。これらの点よりZnO
は13〜20%の範囲が好ましい。 中間酸化物成分としてのAl2O3、TiO2、ZrO2
はフリツトの耐水性、耐酸性を向上させるのに効
果があるが、あまり入れすぎると軟化点が上昇さ
せ、ホーローの光沢も低下させる。これら中間酸
化物の総量(Al2O3+TiO2+ZrO2)が2%未満
では耐水性が低く、9%を超えると軟化点が上昇
し、720℃以下で焼成できない。これらより
(Al2O3+TiO2+ZrO2)は2〜9%が好ましい。
MoO3については密着性向上のため、2%以下が
好ましい。 第1表Bの硝子は、非鉛系のホウケイ酸硝子で
あり、焼成温度が720℃以下であり、かつ透明硝
子で、螢光体であるZnSとの反応性も低く、優れ
た残光特性を示す。 この硝子組成はSiO2が32〜45%であり、32%
未満ではフリツトの熱水溶解性が大きく好ましく
なく、45%を超えると軟化点が高くなりすぎるの
で好ましくない。この硝子はAの硝子に比較し
て、Li2O、CaO、BaOを多く含むので、SiO2
含有量が多くなつている。これらの点よりSiO2
は32〜45%が好ましい。 B2O3成分は7%未満であると酸性成分が少な
くなり遊離のアルカリ成分が多くなるので、ZnS
が酸化され易く好ましくない。また20%を超える
と熱水への溶解量が大きくなるので好ましくな
く、B2O3は7〜20%の範囲が好ましい。F2成分
は、硝子中の酸性度を最適に保つのに必須の成分
であり、アルカリ成分であるNa2O、K2O、Li2O
などを硝子中で中和させ、遊離のアルカリ成分を
少なくしている。F2が2%未満では、アルカリ
成分を中和する効果が乏しく、9%を超えると、
ホーロー表面に泡を発生し易いのでF2の好まし
い範囲は2〜9%である。 Na2O、K2O、Li2Oはアルカリ成分であり、強
力な溶融効果があり、その効果の大きいものから
示すとLi2O>Na2O>K2Oの順になる。しかし、
アルカリ成分が多くなると熱水溶解性が大きくな
り、また遊離のアルカリ成分も多くなるので、
ZnSと反応し、残光特性を低下させるので好まし
くない。これらよりNa2Oは14〜22%、K2Oは0.4
〜5%、Li2Oは0.3〜2%が好ましい。 CaOとBaOはアルカリ土類金属酸化物で、ア
ルカリ性を増さずに硝子の流動性を向上させる効
果があり、CaOは1.5〜15%、BaOは1.5〜15%が
好ましい範囲である。ZnOはフリツトの耐水性と
光沢を向上させる効果があり、5%以下含まれて
いても良い。 ZnO2とAl2O3は、硝子の化学的な耐久性を向上
させる効果があり、ZrO2は0.5〜4.5%、Al2O3
0.5〜5%が好ましい範囲である。上記のA、B
の硝子は、720℃以下で焼成できるホーロー用硝
子で、高温焼成しなくても良いので、螢光体の酸
化を抑さえることができ、螢光ホーロー被膜とし
ての残光特性に優れている。また硝子中の酸性成
分とアルカリ成分を中和してあり、遊離のアルカ
リ成分が少ないので、螢光体と反応して黒化する
ことがなく、残光特性が良いという特長を有す
る。 表1の硝子Cは鉛系の低軟化点硝子である。 第1表の下層用硝子Dは、低融乳白ホーローフ
リツトであり、TiO2を硝子中に溶融しておき、
焼成時に、TiO2の微結晶を折出させ、隠ぺい力
の優れた白色度Wを得ることができる。ホーロー
の白さはハンター白色度で表わすことができる。
これは色差計によりL、a、bの値を測定し、こ
れを次式に代入して求められる。 W=100−√(100−)2+(22) 低融乳白ホーローフリツトは、軟化点を600℃
以下にし、720℃以下で焼成できるとともに、素
地であるFeとの膨張係数を合わせ密着性が良く、
白色度も90以上と非常に優れた隠ぺい力を示し硝
子である。 この組成として、SiO2が30%未満であると硝
子の熱水への溶解量が大きくなり好ましくない。
また36%を超えると、軟化点が600℃以上になり
720℃以下で焼成できない。これらの点より、
SiO2は30〜36%の範囲が好ましい。 B2O3は、硝子中の酸性成分とアルカリ成分を
中和し、TiO2が最適に析出する条件にするのに
必須の成分であり、B2O3が15%未満では白度が
低く、20%を超えると、硝子の熱水への溶解性が
大きくなるので好ましくない。 Na2O、K2O、Li2Oは、アルカリ成分であり、
硝子を低軟化点にする後割があり、少ないと軟化
点が大きくなりすぎるので好ましくない。また多
すぎると熱水への溶解が大きくなるので好ましく
ないが、さらに白色度はこれらの含有量により極
大値を示し、白色度が85以上を示す組成範囲は、
Na2Oが7〜9%、K2Oが7〜15%、Li2Oが3%
以下である。 TiO2とZrO2は硝子中に析出した白色度を高め
る必須の成分であり、少ないと白色度が低く、多
すぎると光沢が低くなり、軟化点も高くなり白色
度も低下する。白色度が85%以上を示すTiO2
範囲は10〜17%、ZrO2の範囲は5〜10%である。 F2のP2O5は酸性成分であり、硝子中のアルカ
リ成分を中和し、TiO2を最適析出にするのに役
立つている。F2もP2O5も含有量により白色度は
極大値を示し、白色度が85以上の範囲はF2が2
〜10%、P2O5が0.5〜5%である。 第1表のEは830℃で焼成する鉄ホーロー用の
白色硝子である。 以上の様な硝子とミル添加物、螢光体を第2表
に示す様な配合割合でボールミルに投入し、スリ
ツプ50c.c.中に200メツシユのふるい上に残る固形
量が2〜6gになるように粒度調整を行ないなが
らミル引した。 基材はホーロー用鋼板(SPP)の板厚0.6mmの
ものを10%H2SO4溶液中で酸洗し、NiSO4
7H2Oの15g/水溶液中の無電解のニツケルメ
ツキを行ない、酸洗原料が300g/dm2、ニツケ
ル付着量が7mg/dm2のものを作成した。 上記基材に螢光体を含むスリツプとして第2表
に示すような組成でミル引を行ない、まず下層用
のスリツプを焼成後の膜厚が100μになるように
塗布し、第2表に示す様な焼成温度で5分間焼成
した。その上に上層用スリツプを上層の焼成後の
膜厚が200μになるように塗布し、第2表に示す
用な焼成温度で5分間再度焼成した。
【表】
【表】
【表】
【表】 なお、ホーロー被膜の評価法は次のとおりであ
る。 ホーロー被膜の表面状態として外観は目視で観
察し、ゆず肌、ピンホール、亀裂が認められない
時は○印、認められる時は×印で示した。 隠ぺい力が低いと基材の色がすけて見え、螢光
面は暗緑色になる。そこで下層と上層合わせた隠
ぺい力を評価した。色差計により測定した明るさ
Lの値が70以上の時、被膜の隠ぺい力を○印、そ
れ以下の時を×印で示した。 光沢は記験板に入射角45°、反射角45°で光を当
て、光の反射率を測定したものであり、○印は反
射率80以上、△印は80〜60、×印は60以下を示す。 ホーロー層の密着は米国ホーロー協会(PEI)
の密着試験機を用いて評価を行ない、その値が90
%以上のものは○印、70〜90%のものは△印、70
%以下のものは×印で示した。 被膜の残光特性は、紫外線で刺激しておいて、
光を除いたあとの残光が、10分以上におよぶもの
を○印、2〜10分のものを△印、2分以下のもの
を×印で示した。 また、これらの結果を総合した評価として、螢
光ホーロー被膜として使用可能なものを○印、一
部欠陥があるのが使用できるものを△印、使用不
可能なものを×印で示した。 以上の結果から、下層の硝子およびスリツプ組
成、上層の硝子の種類および、各成分の含有率に
ついては以下のように考えられる。 (1) 下層用スリツプ 螢光ホーローの下層用スリツプとして、可視
光のもとでは下地の基材が色がすけて見えない
ように、また暗いときは螢光体の光を反射して
より明るく見えるように、再結晶析出型の乳白
硝子が優れていた。 第3表のNo.1〜8に示したように、下層が無
いと、可視光のもとで螢光ホーロー面を見た
時、下地がすけて暗緑色に見えるので、標示物
としては好ましくなく、また光を消した後の残
光が下層がある時は10分以上であるのに、下層
を省いて直接上層スリツプを基材に焼成した時
は、基材よりFeやNiイオンが拡散し残光特性
を低下させるので、残光が10分以下であり好ま
しくなかつた。 また、下層用スリツプとして、第1表Eで示
した普通ホーロー白用の高温焼成硝子を用いる
と、上層の焼成温度が690〜700℃であるので、
下層と上層の密着が不十分で、下層と上層の間
で剥離を生じ好ましくなかつた。一方、第1表
Dで示した低融乳白ホーローフリツトを用いる
と、700℃という低温焼成でも隠ぺい力が優れ、
かつ上層との焼成温度に差が無いので、密着が
良好であつた。 以上の結果から、下層用スリツプとしては第
1表のDで示した低融乳白ホーローフリツトを
用いたものが好ましい。 (2) 上層用スリツプ 硝子の種類は第1表に示す様に、AとBは低
軟化点の透明ホーロー用硝子で、非鉛系の無毒
の硝子である。Cは鉛系の低軟化点の硝子であ
る。 第3表のNo.3〜9に示したように、A、Bの
硝子は螢光体の総固形物に対する割合が20%未
満の時は残光特性が低く、50%を超えると硝子
がZnSを十分に被覆できないので暗色化し、光
沢も低い。これらより螢光体の含有量は、上層
のスリツプの総固形物の20〜50%が好ましい。
また硝子の含有率も47〜76%が好ましい。第1
表のCを硝子を用いると、ZnSが暗色化するの
で明るさが無くなり、隠ぺい力が低下したよう
に見えるとともに、残光特性も低下するので好
ましくない。 また螢光体の種類としては、ZnSをCuで活
性化したものや、Ag、Pb、Mn等で活性化し
たものも発光色も変えたものとして用いること
ができる。またZnS以外にCdsやCaSも用いる
ことができる。 次に、前処理をしたホーロー用鋼板に、第2表
イの下層用スリツプを焼成後の膜厚が100μにな
るように塗布し、700℃で5分間焼成した。この
被膜はハンター白色度で90を示し、非常に隠ぺい
力の優れた被膜であつた。この上に第2表へに示
した上層用スリツプを焼成後の上層の膜厚が
200μになるように塗布し、690℃で5分間焼成し
た。この上に転写紙を用いて低軟化点硝子と黒顔
料で第1図に示す様なパターンを張り付けた後に
紙を除き、再度650℃で3分間焼成した。第1図、
第2図において、1は転写による黒色のパター
ン、2は螢光ホーロー部、3は乳白ホーロー層、
4はホーロー用鋼板である。 このようにして作つた標識は、可視光の下でも
螢光部とその他の明確な区別がつき、識別し易い
表示であるとともに、光を消した後の残光が10分
以上も続くという優れた特性を有していた。 発明の効果 以上のように、本発明のホーロー被膜螢光体
は、耐摩耗性、耐汚染性、耐熱性、耐光性、耐久
性、耐水性に優れ、屋外や夜間の螢光標識として
利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の螢光フーロー被膜標
識を示す平面図、第2図はその断面図である。 1……黒色パターン、2……螢光ホーロー層、
3……乳白ホーロー層、4……鋼板。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 乳白ホーローからなる下層の上に、蓄光性の
    ある螢光体ZnS、CaS及びCdSよりなる群から選
    んだ少なくとも1種を20〜50重量%、低軟化点透
    明硝子を47〜76重量%含有する上層を形成したホ
    ーロー被膜螢光体であつて、前記乳白ホーローを
    形成する硝子が、重量比でSiO2を30〜36重量%、
    B2O3を15〜20%、Na2Oを7〜9%、ZrO2を5
    〜10%、TiO2を10〜17%、K2Oを7〜15%、F2
    を2〜10%、P2O5を0.5〜2.5%含有するホーロー
    被膜螢光体。 2 上層の硝子が、重量比でSiO2を31〜39%、
    B2O3を13〜21%、Na2Oを14〜22%、K2Oを1〜
    5%、ZnOを13〜20%、F2を2〜10%含有し、か
    つAl2O3、ZrO2およびTiO2よりなる群から選択
    される中間酸化物を1種で5%以下、総量で2〜
    9%含有する特許請求の範囲第1項記載のホーロ
    ー被膜螢光体。 3 上層の硝子が、重量比でSiO2を32〜45%、
    B2O3を7〜20%、F2を2〜9%、Na2Oを14〜22
    %、K2Oを0.4〜5%、Li2Oを0.3〜2%、CaOを
    1.5〜15%、BaOを1.5〜15%、ZnOを5%以下、
    ZrO2を0.5〜4.5%、Al2O3を0.5〜5%含有する特
    許請求の範囲第1項記載のホーロー被膜螢光体。
JP393284A 1984-01-12 1984-01-12 ホ−ロ−被膜螢光体 Granted JPS60151250A (ja)

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