JP2009150522A - 消防用ホース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホースのジャケット表面に縦色線または/および識別文字・記号を有する消防用ホースにおいて、前記縦色線または/および識別文字・記号が、屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層からなり、かつ、前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在して該樹脂層が形成されてなることを特徴とする消防用ホース。
【選択図】図1
Description
したがって、そのような状況下でも、行く先に延びる消防用ホースの在りかが瞬時に確実に視認できるという消防用ホースの実現が望まれ、それに対応すべく種々の提案もされている。
(1)ホースのジャケット表面に縦色線を有する消防用ホースにおいて、前記縦色線が、屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層からなり、かつ、前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在して該樹脂層が形成されてなることを特徴とする消防用ホース。
(2)ホースのジャケット表面に識別文字・記号を有する消防用ホースにおいて、前記識別文字・記号が、屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層からなり、かつ、前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在して該樹脂層が形成されてなることを特徴とする消防用ホース。
(3)ホースのジャケット表面に縦色線および識別文字・記号を有する消防用ホースにおいて、前記縦色線および識別文字・記号が、屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層からなり、かつ、前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在して該樹脂層が形成されてなることを特徴とする消防用ホース。
(4)前記ガラスビーズの平均粒径が前記蓄光材の平均粒子径よりも大きく、かつ、該蓄光材の平均粒子径が前記反射材の平均粒子径よりも大きいことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の消防用ホース。
(5)前記ガラスビーズの平均粒径が前記蓄光材の平均粒子径の2〜5倍であり、該蓄光材の平均粒子径が前記反射材の平均粒子径の2〜5倍であることを特徴とする上記(4)記載の消防用ホース。
(6)前記反射材粒子が、雲母粒子を含んでなることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の消防用ホース。
(7)前記雲母粒子が、酸化チタンで白色にコーティングされてなるものであることを特徴とする上記(6)記載の消防用ホース。
(8)前記樹脂層が、色素を含んでなることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の消防用ホース。
(9)前記縦色線および/または識別文字・記号の外縁線部が、該縦色線および/または識別文字・記号の色およびホースの地色のいずれとも相違する色に着色されていることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の消防用ホース。
転写シート方式による場合は、以下の(1)〜(5)の順に加工をして製造することができる。
(1)ガラスビーズを一面に敷き詰めたビーズ6のシート上に、蓄光インクで印刷またはコーティングして蓄光材7を含んだ蓄光樹脂層を設ける。
(2)さらに、その上から反射材8と白顔料を含む樹脂インクで印刷またはコーティングして反射層を設ける。
(3)次に、反射材層の上に、ホットメルト接着樹脂層9を印刷またはコーティングして転写シートを完成させる。
(4)この転写シートを消防ホースのジャケット(基材)10に重ね、熱プレスするとホットメルト樹脂層と消防ホースジャケットが接着する。
(5)十分に冷えてから、ビーズシートのベースフィルムを剥がし、代表的には、図2に示したような積層構造を有する本発明にかかる消防用ホースを製造することができる。
このようにして転写して形成された消防用ホースにおいては、その樹脂の層5の表面にガラスビーズ6が一面にあるので、良好に再帰反射をする。そして、ガラスビーズ6は透明なので、その内側に位置する蓄光材7が発光するとその光はガラスビーズ6を通過し、外側から視認されるのである。一方で、蓄光材7を含んだ透明樹脂は遮蔽性がない。このため、さらにその内側に反射材8と白色顔料(白色顔料がコーティングされた反射材)を入れ、遮蔽性を備えた反射材層(8)を設けるのである。このような構成にすることにより、例えば、該消防用ホースが色つきのものであっても、該消防用ホースの色に左右されることなく蓄光や反射光が得られる。
蓄光樹脂層7は遮蔽力がなく、光を一部通過させるので、通過した光は反射層8に到達し光をはね返すことができるため、より強く再帰反射する仕組みとなっているのであり、さらに、ホットメルト樹脂接着層9には、ゴム系接着樹脂を混入することにより、放水時のホースの脹らみにも十分耐えることができる伸縮性を有するようにできるものである。
流動性があるオールインワンタイプの樹脂インクで印刷し、反射機能と蓄光機能の両方を効率良く発現させるために、該樹脂インクを構成する各材料の粒子径を、以下のようにコントロールしてインクを作成する。
すなわち、例えば、ビーカーの中に大きい粒と小さい粒を入れて混合したとき、一応、均一に混ざるが、ビーカーに振動を与えてトントントンと叩くと、次第に粒子の大きいものは上に、小さいものは下に分布するようになるが、印刷樹脂インクでも同じようなことを起こさせることができ、ガラスビーズ6が一番上に、その次に蓄光材7、そしてその下に反射材8、さらに色素(染料・顔料)と層状構造を構成するように粒子の平均径の相互関係(さらに、必要に応じて比重の相互関係)を調整・設定することにより、代表的には、図3に示したような多層状構造を有し、反射・蓄光の両機能を持つ印刷物を製造することができる。
このような層状構造を形成する上で、使用される各粒子のそれぞれの平均粒子径は、ガラスビーズは10〜250μmの範囲のものを使用すること、好ましくは50〜250μm、最も好ましくは50〜120μmの範囲のものを使用することである。蓄光材は平均粒子径で0.5〜200μmのものを使用することが好ましく、より好ましくは5〜10μm、最も好ましくは10〜60μmのものを使用することである。反射材は平均粒子径で0.1〜100μmのものを使用することが好ましく、より好ましくは1〜50μm、最も好ましくは5〜25μmのものを使用することである。
そして、そのような範囲の中で、粒径の大小の相互の関係は、ガラスビーズの平均粒子径は蓄光材のそれよりも大きく、また蓄光材の平均粒子径は反射材のそれよりも大きいものを用いることが、蓄光材の層、反射材の層を明瞭に形成できて、蓄光性能と再帰反射性能の両者を良好に保有させることができる点で好ましく、具体的には、ガラスビーズの平均粒径が蓄光材の平均粒子径の2〜5倍であり、蓄光材の平均粒子径が反射材の平均粒子径の2〜5倍であることが、確実に積層状に分離した層を形成させ得る点で好ましい。このそれぞれの差が2倍未満であれば、明確な積層状の構造ができにくい方向であり、また5倍を超える場合には、表面がざらつきが生じたり風合いが硬く重くなり、またそれぞれの粒子が脱落しやすくなる方向であり好ましくない。また、色素は、反射材よりもさらに小さいものを用いることが好ましいが、一般に色素の粒子は非常に小さいのでその点では問題は少ない。
消防ホースの基材に直接多段印刷するには、まず基材(ホースのジャケット)に遮蔽層を印刷する。遮蔽層はホースが着色しているとき、その色が表面から見えないようにするためで、反射材8と白色顔料を含む樹脂インクで印刷をすればよいものである。次に、蓄光材7を含む樹脂インクで印刷する。この樹脂インクには、反射材(層中において、より下方に位置させるために、蓄光材よりも粒径が小さい反射材)を入れてもよい。
その後、ガラスビーズ6を含む透明樹脂インクで印刷する。このようにして多段印刷して形成された消防用ホースは、反射と蓄光の両機能を備えたものとなる。
前述した転写シート法により、ビーズシート上に、蓄光樹脂層、反射層、ホットメルト層の各層を印刷して再帰反射・蓄光性能と遮蔽着色機能を有した転写シートを製造した。分散媒樹脂は耐久性と柔軟性の観点からウレタン系樹脂を使用し、ガラスビーズの屈折率は1.93、平均粒子径は63μmであり、蓄光材の平均粒子径は25μm、反射剤の平均粒子径は12μmであり酸化チタンで白色にコーティングした人工の雲母を用いたものである。
該転写シートを用いて、図1に示したように、消防用ホースの「○△消防庁」の文字標識と縦色線の各部分を再帰反射・蓄光機能層で形成し、図2に示したような構造を有する本発明にかかる消防用ホースを製造した。なお、「○△消防庁」の文字標識の各文字の外縁線部については、黒色顔料を添加して他は上記と同様に作成した再帰反射・蓄光性能と遮蔽着色機能を有した転写シートを使用して縁取った。
この消防用ホースを、夜間、光を当てて再帰反射機能のレベルを確認した結果、70m離れたところからの反射光を肉眼ではっきりと視認でき、かなり遠くからでもあるいは苛酷な条件のもとでも、ホースが持つ上述の情報を良好に得ることができることが確認できた。また、蓄光機能についてもそのレベルを確認したところ、残光輝度が約320mcd/m2 、残光時間が1000分以上、耐光性が1000時間以上と、十分に高いものであった。
(1)残光輝度:
常用光源D65を用いて、200ルックスの照度で4分間照射した後、5分経過後の残光輝度である。
(2)残光時間:
常用光源D65を用いて、200ルックスの照度で4分間照射した後、残高輝度が0.32mcd/m2 までに減衰する時間である。
(3)耐光性:
300Wの高圧水銀灯で照射したとき、残光輝度が初期値に対して80%以下になるまでの時間である。
ガラスビーズ樹脂インクと、蓄光・反射材樹脂インクと、遮蔽性インクを別々に段階的に消防用ホース表面に直接的に印刷する多段印刷法により、各層が積層された構造を有していて再帰反射・蓄光性能と遮蔽着色機能を有する本発明にかかる消防用ホースを製造した。それぞれ、分散媒樹脂はウレタン系樹脂を用い、ガラスビーズの屈折率は1.93、平均粒子径は75μmであり、蓄光材の平均粒子径は27μm、反射剤の平均粒子径は12μmであり酸化チタンで白色にコーティングした人工の雲母を用いたものである。
具体的には、消防用ホースの「○△消防庁」の文字標識の文字部分を再帰反射・蓄光機能層で形成した。また、該文字の外縁周囲3′は実施例1と同様にして、転写シート方式で蓄光特性と再帰反射特性を有する黒色の樹脂で縁取った。
この消防用ホースを、夜間、光を当てて再帰反射機能のレベルを確認した結果、70m離れたところからの反射光を肉眼ではっきりと視認でき、かなり遠くからでも、また苛酷な条件のもとでも、ホースが持つ上述の情報を良好に得ることができることが確認できた。
また、蓄光機能についてもそのレベルを確認したところ、残光輝度が約320mcd/m2 、残光時間が1000分以上、耐光性が1000時間以上であり、実施例1のものと同様に十分に高いものであった。
ガラスビーズ、蓄光材、反射材および色素の全てを一つのインクに含有させたオールインワンタイプの樹脂インクを用いて、直接的に消防用ホース表面に印刷するオールインワンインク使用印刷法により、図3に示したような構成を有する再帰反射・蓄光性能と遮蔽着色機能を有する本発明にかかる消防用ホースを製造した。分散媒樹脂はウレタン系樹脂を用い、ガラスビーズの屈折率は1.93、平均粒子径は53μmであり、蓄光材の平均粒子径は26μm、反射剤の平均粒子径は12μmであり酸化チタンで白色にコーティングした人工の雲母を用いたものである。
具体的には、消防用ホースの「○△消防庁」の文字標識の文字部分を再帰反射・蓄光機能層で形成し、該文字の外縁周囲3′は、実施例1、2と同様にして、転写シート方式で蓄光特性と再帰反射特性を有する黒色の樹脂で縁取った。
この消防用ホースを、夜間、光を当てて再帰反射機能のレベルを確認した結果、70m離れたところからの反射光を肉眼ではっきりと視認でき、かなり遠くからでも、また苛酷な条件のもとでも、ホースが持つ上述の情報を良好に得ることができることが確認できた。
また、蓄光機能についてもそのレベルを確認したところ、残光輝度が約320mcd/m2 、残光時間が1000分以上、耐光性が1000時間以上であり、実施例1、実施例2のものと同様に十分に高い満足できるものであった。
2 縦色線
3 識別文字・記号
3′ 識別文字・記号3の外縁部
4 色線
5 樹脂の層
6 ガラスビーズ
7 蓄光材
8 反射材
9 接着剤層(ホットメルト接着剤層)
E 入射光
R 反射光
Claims (9)
- ホースのジャケット表面に縦色線を有する消防用ホースにおいて、前記縦色線が、屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層からなり、かつ、前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在して該樹脂層が形成されてなることを特徴とする消防用ホース。
- ホースのジャケット表面に識別文字・記号を有する消防用ホースにおいて、前記識別文字・記号が、屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層からなり、かつ、前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在して該樹脂層が形成されてなることを特徴とする消防用ホース。
- ホースのジャケット表面に縦色線および識別文字・記号を有する消防用ホースにおいて、前記縦色線および識別文字・記号が、屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層からなり、かつ、前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在して該樹脂層が形成されてなることを特徴とする消防用ホース。
- 前記ガラスビーズの平均粒径が前記蓄光材の平均粒子径よりも大きく、かつ、該蓄光材の平均粒子径が前記反射材の平均粒子径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の消防用ホース。
- 前記ガラスビーズの平均粒径が前記蓄光材の平均粒子径の2〜5倍であり、該蓄光材の平均粒子径が前記反射材の平均粒子径の2〜5倍であることを特徴とする請求項4記載の消防用ホース。
- 前記反射材粒子が、雲母粒子を含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の消防用ホース。
- 前記雲母粒子が、酸化チタンで白色にコーティングされてなるものであることを特徴とする請求項6記載の消防用ホース。
- 前記樹脂層が、色素を含んでなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の消防用ホース。
- 前記縦色線および/または識別文字・記号の外縁線部が、該縦色線および/または識別文字・記号の色およびホースの地色のいずれとも相違する色に着色されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の消防用ホース。
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