JP4623572B2 - 蓄光機能を有する焼成物の製法及び蓄光機能を有する焼成物からなる避難誘導用表示部材 - Google Patents

蓄光機能を有する焼成物の製法及び蓄光機能を有する焼成物からなる避難誘導用表示部材 Download PDF

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この発明は、残光輝度が高くしかも残光継続時間も長い蓄光機能を有する焼成物の製法及び蓄光機能を有する焼成物からなる避難誘導用表示部材に関するものである。
焼き物業界においては、焼成物の表面への絵付けは容易なスクリーン印刷が多用されているが、この容易なスクリーン印刷を利用して、蓄光材と硝子フリットとを混合したものをセラミック素材の表面に印刷し、これを高温で焼成した蓄光機能を有する焼成物が開発されている。そして、この蓄光機能を有する焼成物は例えば地下鉄駅構内の避難誘導表示部材として使用されている。
ところで、近年の研究で、蓄光材による残光輝度や残光継続時間は、蓄光材の粒径の大きさに影響することが知られている。即ち、蓄光材の粒径が大きい程、残光輝度が高く、又残光継続時間が長いことが知られている。
スクリーン印刷においては、使用する粒子の大きさが20〜30μmでないと印刷できないため、使用できる蓄光材の粒径も20〜30μmの大きさに限定される。このようにスクリーン印刷を利用した場合、使用する蓄光材の粒径が小さいため、硝子フリットと混合して焼成しても蓄光材の熱膨張率による影響がほとんどなく、従来の製法をそのまま利用できる利点がある反面、蓄光材の粒径が小さいため残光機能が低い。このため、スクリーン印刷を利用して蓄光材と硝子フリットの混合したものを焼成物の表面に印刷する場合、少しでも残光輝度や残光継続時間の残光機能をあげるために、スクリーン印刷と焼成を何回も繰り返して、蓄光材の層を厚くしてその使用量を増やしている。
特開2004−359480 特開平10−194871 特開2001−295231 特開2003−255869
しかしながら、スクリーン印刷と焼成を何回も繰り返して残光性能を高める場合にあっては、手間と時間がかかりコスト増となり、また、使用できる蓄光材の粒径の大きさに限界があるため、使用量を増やしても、蓄光材の粒径を大きくする場合に比べて、残光性能の向上には限界があり、飛躍的に残光性能を高めることは困難であった。さらに、焼成回数が増えるとひび割れや剥離が発生し易くなるという問題がある。
また、蓄光材の粒径が20〜30μmで小さいときには、その体積に対して表面積が相対的に大きくなり、焼成による酸化劣化の響影を受けやすくなり、これにより残光性能が低下する。この場合、蓄光材に対して硝子フリットの割合を増やすと焼成による酸化劣化を防げるが、蓄光材の比率が小さいため残光性能を高めることができない。硝子フリットの割合を少なくして蓄光材を増やすと、焼成による酸化劣化の影響が大きくなり、急激に残光性能が低下する。
これに対して、蓄光材の粒径を大きくすれば、前記したように飛躍的に残光性能を高めることが可能であるが、従来のスクリーン印刷が使用できず、また、蓄光材が粒径が大きくなると、厚盛にての焼成となり、肉厚化すると、蓄光材の熱膨張率の影響が大きくなって、ひび割れや剥離が発生しやすくなり、量産化も困難となる。
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、粒径の大きな蓄光材を使用することで生じる焼成過程におけるひび割れや剥離の発生を防ぐと共に蓄光材の酸化劣化を少なくして残光機能が低下を極力抑えて、粒径の大きな蓄光材の使用を可能して残光機能を高めることのできる蓄光機能を有する焼成物の製法及び蓄光機能を有する焼成物からなる避難誘導用表示部材を提供することにある。
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、セラミック素材の表面に当該セラミック素材と蓄光材との中間の熱膨張率に調整された素材融和用硝子フリットを付着し、素材融和用硝子フリットの乾燥後に蓄光材と略同一の熱膨張率に調整された被覆用硝子フリットを素材融和用硝子フリットの表面に付着し、被覆用硝子フリットの乾燥前に50μm〜250μmの粒径の蓄光材を乾燥前の被覆用硝子フリット層に蓄光材の上部側が一部露出する状態で均一に一層状に付着し、被覆用硝子フリットと蓄光材とを交互に数回繰り返しながら付着して積層した後、最上の一部露出する蓄光材の上部側を被覆用硝子フリットを付着させて被覆し乾燥後に、画像部を被覆用硝子フリットの表面に印刷し、その上に蓄光材と大粒径の保護用硝子フリットとの中間の熱膨張率に調整された融和用硝子フリットを所定厚み付着した後に、融和用硝子フリットの表面に大粒径の保護用硝子フリットを均一に付着させ、これを高温にて焼成した手段よりなるものである。
また、請求項2の発明は、金属板の表面に当該金属板と蓄光材との中間の熱膨張率に調整された素材融和用硝子フリットを付着し、素材融和用硝子フリットの乾燥後に蓄光材と略同一の熱膨張率に調整された被覆用硝子フリットを素材融和用硝子フリットの表面に付着し、被覆用硝子フリットの乾燥前に50μm〜250μmの粒径の蓄光材を乾燥前の被覆用硝子フリット層に蓄光材の上部側が一部露出する状態で均一に一層状に付着し、被覆用硝子フリットと蓄光材とを交互に数回繰り返しながら付着して積層した後、最上の一部露出する蓄光材の上部側を被覆用硝子フリットを付着させて被覆し乾燥後に、画像部を被覆用硝子フリットの表面に印刷し、その上に蓄光材と大粒径の保護用硝子フリットとの中間の熱膨張率に調整された融和用硝子フリットを所定厚み付着した後に、融和用硝子フリットの表面に大粒径の保護用硝子フリットを均一に付着させ、これを高温にて焼成した手段よりなるものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2で製法される蓄光機能を有する焼成物であって、画像部は避難誘導を示す避難誘導用表示画像からなる手段よりなるものである。
以上の記載より明らかなように、この発明によれば、粒径の大きな蓄光材を使用することで生じる焼成過程におけるひび割れや剥離の発生を防ぐことができると共に蓄光材の酸化劣化を少なくして残光機能が低下するのを極力抑えることができ、粒径の大きな蓄光材の使用を可能して残光機能を高めることができる。しかも、一層でも残光輝度を高めることができるが、複数層に積層することにより、さらに残光輝度を高めることができる。これは、蓄光材が完全な球形でなく異形なため、蓄光材同士の間に太陽光や人工光などが透過する隙間が生じるためと考えられる。
また、請求項2の発明によれば、上記の効果に加えて、セラミック素材に比べて熱膨張率が大きく異なる金属板の表面に蓄光材を固定化でき、セラミック素材にない金属板の優れた性能を利用することが可能となる。
また、請求項3の発明によれば、焼成物からなる既存の避難誘導用表示部材に比べて、残光輝度や残光継続時間などの残光性能を高めることができる。
以下、図面に記載の発明を実施するための最良の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
図において、板状のセラミック素材1又は金属板2の表面に素材融和用硝子フリット3をスクリーン印刷又はスプレーなどを使って付着する。素材融和用硝子フリット3は板状のセラミック素材1又は金属板2の表面全体を均一の厚みで被覆するように付着される。素材融和用硝子フリット3の付着する厚みとしては例えば100〜200μmで150μmが好ましい。素材融和用硝子フリット3の厚みは大きい程、セラミック素材1又は金属板2と蓄光材5との熱膨張率の相違を融和できる。
セラミック素材1の材質としては例えば硝子、タイル、陶磁器などが使用される。また、金属板2の材質としては鉄、ステンレス、銅などが使用される。セラミック素材1は金属板2に比べて焼成による熱膨張の影響が少なく、又腐食の影響もない利点がある。一方、金属板2は強度があるので、耐久性があり、セラミック素材1のように割れることがなく、又板厚を薄くでき、製品として輸送する場合に、ある程度の厚みを有するセラミック素材1の場合に比べて嵩張ることがないので、同一表面積のときには数倍の量を運ぶことができる。
素材融和用硝子フリット3は、セラミック素材1又は金属板2と蓄光材5との溶着を強化し、又セラミック素材1又は金属板2と蓄光材5との熱膨張率を融和させる役割を果たす。素材融和用硝子フリット3はセラミック素材1又は金属板2と蓄光材5との中間の熱膨張率に調整されている。
素材融和用硝子フリット3は、例えば、珪石、長石、アルミナなどを混合したものを高温で溶融させ、急冷固化後に粉砕しこれを粉末状にしたものである。素材融和用硝子フリット3はスクリーン印刷が利用できるように例えば10μm前後の粉末状にされている。
素材融和用硝子フリット3の熱膨張率は、長石、アルミナの混合割合を変えることによって任意の熱膨張率に調整することができる。アルミナを増やすと熱膨張率を小さくでき、長石を増やすと熱膨張率を大きくすることができる。
この素材融和用硝子フリット3にはセラミック素材1又は金属板2の表面への付着がスムーズに行えるように適量の溶解剤としての例えばスキージオイルが混合されて液状になった状態でセラミック素材1又は金属板2の表面に付着される。素材融和用硝子フリット3に混合されたスキージオイルはその後の燃焼過程で蒸発する。
また、素材融和用硝子フリット3は白色又は透明色のものが使用される。セラミック素材1又は金属板2の表面が白色でないときには白色に着色された素材融和用硝子フリット3が使用され、セラミック素材1又は金属板2の表面が白色のときには透明な素材融和用硝子フリット3が使用される。これはセラミック素材1又は金属板2の表面が白色でないときには残光輝度が暗くなるからである。素材融和用硝子フリット3を白色にする場合には、前記の材料に例えばチタンが加えられる。
板状のセラミック素材1又は金属板2の表面の全体に均一に素材融和用硝子フリット3を例えば150μmの厚さに付着してその表面が乾燥した後に、乾燥した素材融和用硝子フリット3の表面に被覆用硝子フリット4をスクリーン印刷又はスプレーなどを使って付着する。被覆用硝子フリット4は素材融和用硝子フリット3の表面全体を均一の厚みで被覆するように付着される。被覆用硝子フリット4の付着する厚みとしては蓄光材5の粒径の半分程度の例えば100μm〜50μmである。
被覆用硝子フリット4は蓄光材5の周囲を被覆して焼成過程による酸化劣化を防ぐ役割を果たす。また、被覆用硝子フリット4は蓄光材5を付着する場合に一層状に付着し易いように接着剤的な役割をする働きがあり、さらに焼成過程で被覆用硝子フリット4と蓄光材5とは固定化される。被覆用硝子フリット4は焼成過程で蓄光材5と剥離しないように蓄光材5と同一の熱膨張率に調整されている。
被覆用硝子フリット4は、素材融和用硝子フリット3と同様に例えば、珪石、長石、アルミナなどを混合したものを高温で溶融させ、急冷固化後に粉砕しこれを粉末状にしたものである。被覆用硝子フリット4はスクリーン印刷が利用できるように例えば10μm前後の粉末状にされている。
被覆用硝子フリット4の熱膨張率は、長石、アルミナの混合割合を変えることによって任意の熱膨張率に調整することができる。アルミナを増やすと熱膨張率を小さくでき、長石を増やすと熱膨張率を大きくすることができる。被覆用硝子フリット4は蓄光材5と同一の熱膨張率に調整されたものが使用される。
この被覆用硝子フリット4には乾燥した素材融和用硝子フリット3の表面への付着がスムーズに行えるように適量の溶解剤としての例えばスキージオイルが混合されて液状になった状態で乾燥後の素材融和用硝子フリット3の表面に付着される。被覆用硝子フリット4に混合されたスキージオイルはその後の燃焼過程で蒸発する。また、被覆用硝子フリット4は光が内部まで透過できるように透明色のものが使用される。
被覆用硝子フリット4を蓄光材5の粒径の半分程度の例えば100μmの厚さで素材融和用硝子フリット3の表面に付着し、付着した被覆用硝子フリット4の表面が乾燥する前に、この厚みより大きい例えば200μm前後の粒径をする蓄光材5を乾燥前の被覆用硝子フリット4層に蓄光材5の上部側が一部露出する状態で均一に一層状に付着する。また、この付着する蓄光材5は、外形が円球状でなく色々な異形からなる粒状の形状からなっている。
付着した被覆用硝子フリット4の厚みを蓄光材5の粒径の半分程度にするのは、蓄光材5が均一な一層状に付着するようにするためである。付着する被覆用硝子フリット4の厚みを厚くすると、一部の蓄光材5は厚い被覆用硝子フリット4の内部に完全に沈んだり、又他の一部の蓄光材5は完全に沈んだりせずに被覆用硝子フリット4の表面部分に付着したりして、各蓄光材5の付着面が凹凸状になって均一な一層状にならないためである。
被覆用硝子フリット4の厚みが蓄光材5の粒径の半分程度の場合には、被覆用硝子フリット4の表面に蓄光材5を付着させた場合、各蓄光材5は被覆用硝子フリット4の厚み分だけ少し沈下するとその下層側の素材融和用硝子フリット3の表面に当たりそれ以上沈下することがなく、均一な一層状に蓄光材5を付着させることが可能となる。
蓄光材5の付着の方法としては、例えば、乾燥前の被覆用硝子フリット4の表面に粒子状の蓄光材5を均一に降りかけ、その後、板状のセラミック素材1又は金属板2の表面を傾けたり、部分的に蓄光材5が集まっている箇所には吹きかけたりして、蓄光材5を被覆用硝子フリット4の表面に均一に付着させる。乾燥前の被覆用硝子フリット4の表面は接着機能があるため、被覆用硝子フリット4の表面に接触した蓄光材5はその接着機能によって付着する。
被覆用硝子フリット4に付着した蓄光材5同士の上側に落ちて被覆用硝子フリット4に接触しなかった蓄光材5は、板状のセラミック素材1又は金属板2の表面を傾けると、転がって移動して別の箇所の被覆用硝子フリット4に付着したり、セラミック素材1又は金属板2の表面の外側に飛び出たり、或いは、その表面を吹き飛ばすと、吹き飛ばされて別の箇所の被覆用硝子フリット4に付着したり、セラミック素材1又は金属板2の表面の外側に飛び出る。
蓄光材5には、化学的・光学的に優れた、例えば、SrAl24:Eu2+,Dy3+などのアルカリ土類−アルミン酸蓄光蛍光体が使用される。
蓄光材5は、太陽光や人工光を吸収し、暗がりでその光を放出する性質があり、その残光輝度を利用して地下街などでは緊急停電時に誘導案内表示手段として使用できる。この場合、残光輝度が高いほどよい。本願の発明にあっては、焼成物において粒径の大きな蓄光材5の使用を可能にして、残光性能を高めている。
蓄光材5は、その粒径が大きいほど、残光の初期強度が大きいことが知られているが、これを焼成する場合に大き過ぎると、ひび割れや剥離が生じ、また、焼成後の見た目も余り良くなく、製品価値ない。焼成に適する粒径としては50μm〜250μmと考えられる。
前述のようにして、例えば粒径が200μmの蓄光材5を被覆用硝子フリット4の表面に均一に一層状に付着させ、被覆用硝子フリット4の乾燥後に、その上に同一成分の被覆用硝子フリット4をスクリーン印刷又はスプレーなどを使って付着する。被覆用硝子フリット4には前記と同様に溶解剤としてのスキージオイルが混合されている。
この場合、付着させた蓄光材5を完全に被覆して被覆用硝子フリット4に埋没させる厚みだけ付着する一方で、その上に再び蓄光材5を付着させる場合、その上から付着させる蓄光材5が前記と同様に被覆用硝子フリット4内に埋没しない程度の厚みである。
このため、蓄光材5の粒径が例えば200μmのときには、その上に付着される被覆用硝子フリット4の厚みは200μmほどである。その結果、その上に付着された被覆用硝子フリット4は下層の埋没した蓄光材5の上面から例えば100μmほどの厚みとなる。
下層の蓄光材5の上部側の露出する部分を上側から埋没して被覆させた被覆用硝子フリット4が乾燥する前に、その表面に新たな蓄光材5を前記同様な方法、例えば降りかけるようにして、均一に一層状に付着する。
以下、同様な方法で蓄光材5を例えば上中下の三層分積層して乾燥した後、上層の上部側が露出する蓄光材5に上側から埋没させて完全に被覆するために被覆用硝子フリット4を均一に付着する。
前記したように、粒状の蓄光材5の形状は円球状でなく、異形であり、これを均一に一層状に並べても蓄光材5同士の間には隙間が生じるために、これを複数層、例えば三層積層しても下層まで光が透過すると考えられる。
また、複数層積層するために、使用される被覆用硝子フリット4及び蓄光材5は全て同一成分からなるものが使用され、その熱膨張率も同一のものが使用される。使用される全ての被覆用硝子フリット4には付着作業がスムーズに行えるように溶解剤としての例えばスキージオイルが混合される。このスキージオイルは前記したよう焼成過程で蒸発する。
最上層の被覆用硝子フリット4が乾燥した後に、乾燥した最上層の被覆用硝子フリット4の表面に例えば無機顔料とスキージオイルとを混合したものを例えばスクリーン印刷によって所望の図形や文字、記号などからなる画像部6を印刷する。
蓄光機能を有する焼成物からなる避難誘導用表示部材9の場合には、画像部6は避難誘導用の例えば、矢印や図形、非常口、EXITなどの文字から構成される。この場合には、緑の色の顔料が使用されて印刷される。
画像部6が印刷された部分は、その表面が画像部6で被覆されるために、蓄光材5は隠されてしまい、画像部6が印刷されていない部分は蓄光材5が表面から見えることになり、この部分が残光することになる。また、画像部6の中には所謂白抜きの状態もあり、白抜きの画像部6の場合には白抜きの部分が蓄光材5が見える部分となり、この白抜きの部分が残光することになる。
画像部6が印刷された最上層の被覆用硝子フリット4の表面に融和用硝子フリット7をスクリーン印刷又はスプレーなどを使って付着する。融和用硝子フリット7は画像部6が印刷された最上層の被覆用硝子フリット4の表面全体を均一の厚みで被覆するように付着される。融和用硝子フリット7の付着する厚みとしては例えば20μmである。
融和用硝子フリット7は蓄光材5と大粒径の保護用硝子フリット8との熱膨張率を融和させる役割を果たす。融和用硝子フリット7は蓄光材5と大粒径の保護用硝子フリット8との中間の熱膨張率に調整されている。
融和用硝子フリット7は、素材融和用硝子フリット3や被覆用硝子フリット4と同様に例えば、珪石、長石、アルミナなどを混合したものを高温で溶融させ、急冷固化後に粉砕しこれを粉末状にしたものである。融和用硝子フリット7はスクリーン印刷が利用できるように例えば10μm前後の粉末状にされている。
融和用硝子フリット7の熱膨張率は、長石、アルミナの混合割合を変えることによって任意の熱膨張率に調整することができる。アルミナを増やすと熱膨張率を小さくでき、長石を増やすと熱膨張率を大きくすることができる。融和用硝子フリット7は蓄光材5と大粒径の保護用硝子フリット8の中間の熱膨張率に調整されたものが使用される。
この融和用硝子フリット7には乾燥した被覆用硝子フリット4の表面への付着がスムーズに行えるように適量の溶解剤としての例えばスキージオイルが混合されて液状になった状態で乾燥後の被覆用硝子フリット4の表面に付着される。融和用硝子フリット7に混合されたスキージオイルはその後の燃焼過程で蒸発する。また、融和用硝子フリット7は光が内部まで透過できるように透明色のものが使用される。
融和用硝子フリット7の表面に例えば200μm以上の大粒径の保護用硝子フリット8を均一に付着させる。この保護用硝子フリット8は蓄光材5を保護するための素材である。通常はこの保護層を形成するために保護用硝子フリット8を多数回焼成を繰り返して形成されるが、大粒径の保護用硝子フリット8を使用することで、保護層を形成する回数が1回又は2回の焼成で済むことになる。多数回行われていた焼成作業工程が1回又は2回程度になることで大幅な短縮が見込め、しかも焼成作業工程が減ることで焼成工程で生じ易いひび割れや剥離の発生も減少させることができる。
その後に、素材によって異なるが例えば600℃〜900℃で焼化焼成する。素材融和用硝子フリット3、被覆用硝子フリット4、融和用硝子フリット7に混合されたスキージオイルは焼成過程で気化して蒸発し、500℃〜600℃で硝子フリットは硝子化し、700℃〜900℃で蓄光材5と硝子の固定化がなされることになる。
以上の工程を経ることにより、板状のセラミック素材1又は金属板2の表面には蓄光材5が焼き付け固定化されることになる。このようにして蓄光機能を有する焼成物を得ることが出来るのである。
本願発明により製造された蓄光機能を有する焼成物と他社製品との残光輝度を比較した表を次に示す。この表より、残光輝度が2倍以上向上していることがわかる。なお、弊社の蓄光材は粒径が150μmの場合である。
Figure 0004623572
なお、この発明は上記発明を実施するための最良の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
この発明を実施するための最良の形態を示す蓄光機能を有する焼成物の焼成前の断面図である。 この発明を実施するための最良の形態を示す蓄光機能を有する焼成物の焼成後の断面図である。 この発明を実施するための最良の形態を示す避難誘導用表示部材の平面図である。 (A)〜(L)この発明を実施するための最良の形態における製造工程図である。
符号の説明
1 セラミック素材
2 金属板
3 素材融和用硝子フリット
4 被覆用硝子フリット
5 蓄光材
6 画像部
7 融和用硝子フリット
8 保護用硝子フリット
9 避難誘導用表示部材

Claims (3)

  1. セラミック素材の表面に当該セラミック素材と蓄光材との中間の熱膨張率に調整された素材融和用硝子フリットを付着し、素材融和用硝子フリットの乾燥後に蓄光材と略同一の熱膨張率に調整された被覆用硝子フリットを素材融和用硝子フリットの表面に付着し、被覆用硝子フリットの乾燥前に50μm〜250μmの粒径の蓄光材を乾燥前の被覆用硝子フリット層に蓄光材の上部側が一部露出する状態で均一に一層状に付着し、被覆用硝子フリットと蓄光材とを交互に数回繰り返しながら付着して積層した後、最上の一部露出する蓄光材の上部側を被覆用硝子フリットを付着させて被覆し乾燥後に、画像部を被覆用硝子フリットの表面に印刷し、その上に蓄光材と大粒径の保護用硝子フリットとの中間の熱膨張率に調整された融和用硝子フリットを所定厚み付着した後に、融和用硝子フリットの表面に大粒径の保護用硝子フリットを均一に付着させ、これを高温にて焼成したことを特徴とする蓄光機能を有する焼成物の製法。
  2. 金属板の表面に当該金属板と蓄光材との中間の熱膨張率に調整された素材融和用硝子フリットを付着し、素材融和用硝子フリットの乾燥後に蓄光材と略同一の熱膨張率に調整された被覆用硝子フリットを素材融和用硝子フリットの表面に付着し、被覆用硝子フリットの乾燥前に50μm〜250μmの粒径の蓄光材を乾燥前の被覆用硝子フリット層に蓄光材の上部側が一部露出する状態で均一に一層状に付着し、被覆用硝子フリットと蓄光材とを交互に数回繰り返しながら付着して積層した後、最上の一部露出する蓄光材の上部側を被覆用硝子フリットを付着させて被覆し乾燥後に、画像部を被覆用硝子フリットの表面に印刷し、その上に蓄光材と大粒径の保護用硝子フリットとの中間の熱膨張率に調整された融和用硝子フリットを所定厚み付着した後に、融和用硝子フリットの表面に大粒径の保護用硝子フリットを均一に付着させ、これを高温にて焼成したことを特徴とする蓄光機能を有する焼成物の製法。
  3. 請求項1又は請求項2で製法される蓄光機能を有する焼成物であって、画像部は避難誘導を示す避難誘導用表示画像からなることを特徴とする蓄光機能を有する焼成物からなる避難誘導用表示部材。
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