JPH11269357A - 耐熱透明フィルム状物 - Google Patents
耐熱透明フィルム状物Info
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- JPH11269357A JPH11269357A JP10071779A JP7177998A JPH11269357A JP H11269357 A JPH11269357 A JP H11269357A JP 10071779 A JP10071779 A JP 10071779A JP 7177998 A JP7177998 A JP 7177998A JP H11269357 A JPH11269357 A JP H11269357A
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Abstract
明性、耐熱性、硬度、破断伸度、及び耐磨耗性を有し、
電気・電子部品、光学部品、記録材料、自動車部品、機
械部品などの広い分野で有用な耐熱透明フィルム状物、
即ち、フィルム、シート及び塗膜を提供することであ
る。 【解決手段】 ジオール成分として、15〜50モル%
の3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフ
ェノール単位(A)と、35〜0モル%の1,1’−ビ
ナフタレン−2,2’−ジオール単位(B1)(A+B
1=50モル%)、ジカルボン酸成分として、30〜5
0モル%のイソフタル酸単位(C)と、20〜0モル%
のテレフタル酸単位(D)(C+D=50モル%)とか
ら成る芳香族ポリエステルから成る耐熱透明フィルム状
物。
Description
熱性、表面硬度、及び破断伸度を併せ持つフィルム状
物、更に詳しくはフィルム、シート及び塗膜に関するも
のである。
(PS)、メタクリル樹脂、ポリカーボネート(P
C)、ポリアリレート(PAr)、ポリサルホン(PS
F)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ナイロン、ポリ−4−メチ
ルペンテン−1などが知られており、成型品、フィル
ム、塗料、繊維などの形態で電気・電子部品、光学部
品、自動車部品、機械部品などの広い分野で用いられて
いる。
ル酸樹脂は、高い透明性と硬い表面硬度(鉛筆硬度:3
H〜4H)を持ち、レンズ・光ファイバーなどの光学材
料として多く用いられている。しかし、ガラス転移温度
が100℃程度と低く、耐熱性に劣るために、耐熱性を
必要する分野での用途が制限されている。更に、表面硬
度が高い反面、破断伸度が小さいという問題もある。
を持ち、耐衝撃性に優れているが、表面が非常に柔らか
く(鉛筆硬度:3B〜B)、傷つきやすい問題があり、
ガラス転移温度も150℃程度で、耐熱用途としても十
分なものではない。また、耐熱性、表面硬度が改良され
たPCとして、4,4−ジヒドロキシ−ジフェニル−
1,1−シクロヘキサンを用いたPC(三菱瓦斯化学株
式会社製:ユーピロン Z−200など)が市販されて
いるが、表面硬度は鉛筆硬度でFと柔らかく、ガラス転
移温度は180℃程度であり、用途によっては、未だ満
足できるものではなかった。
株式会社製:ARTON)やエチレン共重合体をベース
とした非晶性ポリオレフィン(日本ゼオン株式会社製:
ZEONEX)は鉛筆硬度がH〜2Hの硬い表面硬度を
持ち、メタクリル酸樹脂より高い耐熱性を有する透明樹
脂として市販されている。しかし、これらも破断伸度は
小さく、またガラス転移温度も140〜160℃である
為、用途によっては十分満足できるものではない。
又はポリサルホンは、ガラス転移温度が200℃程度、
或いは200℃を越える耐熱性を持つ透明樹脂として市
販されており、いずれも高い破断伸度を有する。しか
し、これらの樹脂はいずれも表面硬度が低く(鉛筆硬度
でHB〜F)、塗膜・フィルムとした場合、傷つきやす
く、また、耐摩耗性に劣る為に、その改良が求められて
いる。
ルペンテン−1などの結晶性樹脂は表面硬度が低いうえ
に(鉛筆硬度:B〜F)、ガラス転移温度も100℃以
下であり、ガラス転移温度以上では弾性率、強度が著し
く低下し、耐熱性に劣るという問題があった。
−4,4’−ビフェノール単位を有する芳香族ポリエス
テルについては、特開昭57−180631号公報、特
開昭61−34054号公報、特開昭62−13291
9号公報、特開平3−74428号公報などが開示され
ている。しかし、これらはいずれも液晶性樹脂に関する
ものであり、フィルム、シートや塗膜とする場合、透明
性が損なわれる。
−4,4’−ビフェノール単位を有する透明な芳香族ポ
リエステル樹脂については、特開昭55−116723
公報、特開昭58−180525公報、特開昭60−5
3530号公報等に開示されている。しかし、いずれの
発明も耐熱性に関するものに限られており、高い表面硬
度を有するものは報告されていない。一般に、メタクリ
ル酸樹脂のように高い表面硬度を有する樹脂では、破断
伸度は低くなり、反対にポリカーボネートのように高い
破断伸度を有する樹脂では表面硬度が低くなる傾向が見
られる。
ルホンと同等の耐熱性を持ち、且つ、メタクリル酸樹脂
と同等の高い表面硬度と、ポリカーボネートやポリアリ
レートと同等の高い破断伸度を併せ持つ透明樹脂フィル
ム状物が求められていた。
する課題は、優れた透明性、耐熱性、硬度、破断伸度、
及び耐磨耗性を有し、電気・電子部品、光学部品、記録
材料、自動車部品、機械部品などの広い分野で有用な耐
熱透明フィルム状物、即ち、フィルム、シート及び塗膜
を提供することである。
題を解決する為に鋭意研究した結果、3,3’,5,
5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール単位を必
須成分とする芳香族ポリエステルから得られるフィルム
及び塗膜が高い耐熱性、表面硬度、破断伸度、低摩耗性
を併せ持つことを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
ル単位(A)と、35〜0モル%の1,1’−ビナフタ
レン−2,2’−ジオール単位(B1)(A+B1=5
0モル%)、ジカルボン酸成分として、30〜50モル
%のイソフタル酸単位(C)と、20〜0モル%のテレ
フタル酸単位(D)(C+D=50モル%)とから成る
芳香族ポリエステルから成る耐熱透明フィルム状物、
で、鉛筆硬度がH以上であることを特徴とする、(1)
に記載の耐熱透明フィルム状物、
モル%の3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’
−ビフェノール単位(A)と、35〜15モル%の1,
1’−ビナフタレン−2,2’−ジオール単位(B1)
(A+B1=50モル%)、ジカルボン酸成分として、
10〜30モル%のイソフタル酸単位(C)と40〜2
0モル%のテレフタル酸単位(D)(C+D=50モル
%)とから成る芳香族ポリエステルから成る耐熱透明フ
ィルム状物、
で、鉛筆硬度がH以上であることを特徴とする、(3)
に記載の耐熱透明フィルム状物、
モル%の3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’
−ビフェノール単位(A)と、30〜0モル%のビスフ
ェノール−A単位(B2)(A+B2=50モル%)
と、ジカルボン酸成分として、30〜50モル%のイソ
フタル酸単位(C)と20〜0モル%のテレフタル酸単
位(D)(C+D=50モル%)とから成る芳香族ポリ
エステルから成る耐熱透明フィルム状物、
で、鉛筆硬度がH以上であることを特徴とする、(5)
に記載の耐熱透明フィルム状物、
モル%の3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’
−ビフェノール単位(A)と、20〜0モル%のビスフ
ェノール−F単位(B3)(A+B3=50モル%)、
ジカルボン酸成分として、30〜50モル%のイソフタ
ル酸単位(C)と20〜0モル%のテレフタル酸単位
(D)(C+D=50モル%)とから成る芳香族ポリエ
ステルから成る耐熱透明フィルム状物、
で、鉛筆硬度がH以上であることを特徴とする、(7)
に記載の耐熱透明フィルム状物、 (9) 破断伸度が50%以上であることを特徴とする
(1)〜(8)のいずれか一つに記載の耐熱透明フィル
ム状物、及び、
−10F、1Kg荷重)での摩耗量が25mg/km以
下であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか一
つに記載の耐熱透明フィルム状物を含むものである。
ム、シート及び塗膜等のフィルム又は膜状の形態を有す
るものであり、ジオール成分として、3,3’,5,
5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール単位
(A)を必須成分とし含有する芳香族ポリエステルから
得られるものである。
3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノー
ル単位(A)以外のジオール単位(B)としては、1,
1’−ビナフタレン−2,2’−ジオール、ビスフェノ
ール−A、ビスフェノール−F、ビフェノール、ヒドロ
キノン等を挙げることができるが、好ましいものとして
1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオール、ビスフ
ェノール−A、ビスフェノール−Fが挙げられ、中で
も、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオールは耐
熱性と表面硬度を大きく低下させずに、溶媒溶解性や溶
融成形性を向上させる為、特に好ましい。
合組成比は、ジオール成分として、単位(A)以外の単
位(B)を持たない場合(B=0%)は、重合物の組成
は、Cの割合が30〜50モル%、Dの割合が0〜20
モル%、Aの割合が50モル%である。テレフタル酸
(D)が20モル%以上では溶媒溶解性が著しく低下す
るため好ましくない。
(B)として、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジ
オール(B1)を含む場合は、B1の割合が35モル%
以下、好ましくは30モル%以下(A+B1=50モル
%)であり、Cの割合が30〜50モル%(C+D=5
0モル%)である共重合体、若しくは、B1の割合が1
5〜35モル%、好ましくは15〜30モル%(A+B
1=50モル%)であり、Cの割合が10〜30モル%
(C+D=50モル%)である共重合体が用いられる。
なわれたり、重合度が十分向上しないために、フィルム
及び塗膜の強度・靱性が著しく低下するなどの問題があ
り好ましくない。
(B)成分として、ビスフェノール−A(B2)を含む
場合は、B2の割合が30モル%以下、特に、27モル
%以下(A+B2=50モル%)で、Cの割合が30〜
50モル%(C+D=50モル%)である共重合体が好
ましい。B2が30モル%を越えると表面硬度が十分に
向上しなくなるため好ましくない。
(B)成分として、ビスフェノール−F(B3)を含む
場合は、B3の割合が20モル%以下、特に、15モル
%以下(A+B3=50モル%)で、Cの割合が30〜
50モル%(C+D=50モル%)である共重合体が好
ましい。B3が20モル%を越えると溶媒溶解性が低下
したり、表面硬度が十分に向上しないため好ましくな
い。
で、特にクロロホルム溶液中(濃度=0.1g/dL、
温度=30℃)でのインヘレント粘度が高いものは、高
い破断伸度、耐熱性、硬度を併せ持つフィルム・塗膜が
得られるため好ましい。本発明で用いる芳香族ポリエス
テルのクロロホルム溶液中(濃度=0.1g/dL、温
度=30℃)でのインヘレント粘度は、0.5dL/g
以上のものであり、好ましくは0.6dL/g以上、特
に好ましくは0.8dL/g以上のものである。インヘ
レント粘度が0.5dL/g未満の重合物では強度・靱
性が低く、好ましくない。
法としては、溶液重縮合法、界面重縮合法、溶融重縮合
法等があるが、好ましくは溶液重合法または界面重縮合
法が用いられる。中でも、重合度が向上しやすく、ま
た、製品の着色が少ないことから溶液重縮合法が特に好
ましい。
てはジカルボン酸クロリド化合物を用い、ジオール化合
物とジカルボン酸クロリド化合物のモル比は1:1.0
1〜1:1.03が好ましい。また、重合は溶液中で行
い、生成する酸を中和するための塩基を共存させて行う
ことが好ましく、塩基としては、例えば、ピリジン、ト
リエチルアミン等の窒素系の塩基が挙げられる。
1,2,2−テトラクロロエタン、N−メチルピロリド
ン、テトラヒドロフラン等の溶解性の強い溶媒で、生成
するポリマーを溶解させるものが好ましい。また、重合
開始時点でのモノマー濃度は0.3〜3モル/Lが良
く、0.5〜1.5モル/Lが特に好ましい。モノマー濃
度が高すぎる場合には重合持に系の粘度が高くなり過
ぎ、取り扱いが困難になる。
性ガス気流中溶媒の沸点以下、−20〜50℃の範囲で
行われ、好ましくは0〜30℃の温度で行うのが良い。
重合温度が高くなりすぎると、重合度の高いポリマーが
得られ難くなる。重合時間は特に限定されないが、通常
24時間以内、好ましくは12時間以内である。
を上記範囲内で変化させることは有効に用いられる。ま
た、ポリマーの精製はポリマー溶液をメタノールやアセ
トンなどの貧溶媒中に滴下して沈殿させること、及び、
メタノール、アセトン、水などから選ばれる一つ又は複
数の貧溶媒で室温若しくは加熱下で洗浄し、真空乾燥す
ることにより得られる。
ャスト法によって得ることができる。(C)以外のジオ
ール成分として、1,1’−ビナフタレン−2,2’−
ジオールとビスフェノール−Aを10モル%以上有する
ものは加熱溶融成形法によって、フィルムを得ることが
可能となるが、より透明性が高く、表面平滑性に優れた
フィルムを得るためにはキャスト法が好ましい。
に溶解させた後、バーコード塗布、ディップコート、ス
ピンコートなどの方法でポリマー溶液を基板(ガラス板
やプラステックフィルムなど)上に塗布し、溶媒を蒸発
乾燥(キャスト)させてフィルムを得る方法である。
囲気、乾湿空気雰囲気等の雰囲気下で行われる。キャス
ト温度は使用する溶媒などによって異なるが、通常0〜
200℃の範囲である。また、最終工程としてフィルム
を250℃以下の温度で熱処理を行うことも可能であ
る。なお、本発明のフィルム状物、特にフィルムは、膜
厚が1μmから1mm、好ましくは5μmから0.3m
mの範囲のものである。
のある溶媒が使用される。かかる溶媒は共重合体の種
類、共重合比などにより異なるが、例えば、クロロホル
ム、塩化メチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ンなどのハロゲン系、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、テトラヒ
ドロフラン、アニソール、シクロヘキサノンなど単独及
び混合溶媒を挙げることができる。
30重量%の範囲で行われ、また本発明の塗膜は芳香族
ポリエステルの溶液を各種基材に塗布し乾燥させること
により得られる。本発明の透明フィルム状物の透明性
は、膜厚50μm程度のフィルム、シート及び塗膜の光
透過率が80%以上、好ましくは85%以上である。
測定周波数1Hzで、2℃/分で昇温した動的粘弾性測
定で得られるtanδのピーク温度を言い、本発明の透
明フィルム状物のガラス転移温度(Tg)は、200℃
以上、好ましくは220℃以上であり、表面硬度は鉛筆
硬度がH以上、好ましくは2H以上である。また、本発
明のフィルム状物は、特に好ましいものとして50%以
上の引張破断伸度を有し、更に、テーバ摩耗試験(摩耗
輪=CS−10F、1Kg加重)での摩耗量が25mg
/km以下であるフィルム状物を含む。
即ち、フィルム、シート及び塗膜は、優れた透明性、耐
熱性、硬度、破断伸度、及び耐磨耗性を有し、電気・電
子部品、光学部品、記録材料、自動車部品、機械部品な
どの広い分野での素材として有用である。
が、本発明は実施例に限られるものではない。また、実
施例中の各種特性値は次の方法で測定した。
長さ20mmのフィルムを作成して、複素弾性率の温度
変化を測定して求めた。複素弾性率の温度変化測定はセ
イコー電子工業株式会社製の固体粘弾性測定装置DMS
−200で行い。2℃/分で昇温した場合、1Hzでの
tanδのピーク温度をガラス転移温度とした。
装置MMP−1001DPで行った。厚さ80μmのフ
ィルムを用いて測定した。
行った。サンプル長を10mm(厚み=0.08mm、
幅=5mm)として、毎分5mmの速度で延伸し、破断
伸度を測定した。
用いて行った。摩耗輪はCS−10Fを使用し、負荷加
重は1Kgとした。
却管を備えた重合装置にイソフタル酸クロリド165.
7g(0.816モル)、テレフタル酸クロリド 41.
4g(0.204モル)、3,3’,5,5’−テトラメ
チル−4,4’−ビフェノール 242.3g(1.0モ
ル)、ピリジン 316.4g、クロロホルム 4Lを仕
込み、20℃窒素雰囲気下で8時間攪拌し重合させた。
次いで、反応溶液を35Lのメタノール中にゆっくりと
添加して沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾別し、アセ
トン洗浄、更に、メタノール洗浄を行い精製した。得ら
れたポリマー(ポリマー1と称する)を120℃、真空
下で12時間乾燥した。ポリマー1の固有粘度は1.3
dL/gであった。
却管を備えた重合装置にイソフタル酸クロリド103.
5g(0.510モル)、テレフタル酸クロリド 10
3.5g(0.510モル)、3,3’,5,5’−テト
ラメチル−4,4’−ビフェノール 121.2g(0.
50モル)、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオ
ール 143.2g(0.50モル)、ピリジン 316.
4g、クロロホルム 4Lを仕込み、20℃窒素雰囲気
下で8時間攪拌し重合させた。
りと添加して沈殿させた。得られた沈殿物を濾別し、ア
セトン洗浄、更にメタノール洗浄を行い精製した。得ら
れたポリマー(ポリマー2と称する)を120℃、真空
下で12時間乾燥した。ポリマー2の固有粘度は0.7
0dL/gであった。
却管を備えた重合装置にイソフタル酸クロリド207.
1g(1.02モル)、3,3’,5,5’−テトラメチ
ル−4,4’−ビフェノール 193.9g(0.80モ
ル)、ビスフェノール−A 45.7g(0.20モ
ル)、ピリジン 316.4g、クロロホルム 4Lを仕
込み、20℃窒素雰囲気下で8時間攪拌し重合させた。
反応溶液を35Lのメタノール中にゆっくりと添加して
沈殿させた。得られた沈殿物を濾別し、アセトン洗浄、
更にメタノール洗浄を行い精製した。得られたポリマー
(ポリマー3と称する)は120℃、真空下で12時間
乾燥した。ポリマー3の固有粘度は0.63dL/gで
あった。
却管を備えた重合装置にイソフタル酸クロリド207.
1g(1.02モル)、3,3’,5,5’−テトラメチ
ル−4,4’−ビフェノール 193.9g(0.80モ
ル)、ビスフェノール−F 40.05g(0.20モ
ル)、ピリジン 316.4g、クロロホルム 2Lを仕
込み、20℃窒素雰囲気下で8時間攪拌し重合させた。
反応溶液を35Lのメタノール中にゆっくりと添加して
沈殿させた。得られた沈殿物を濾別し、アセトン洗浄、
更にメタノール洗浄を行い精製した。得られたポリマー
(ポリマー4と称する)は120℃、真空下で12時間
乾燥した。ポリマー4の固有粘度は0.80dL/gで
あった。
1をクロロホルムに溶解させ、ガラス板上に塗布しシャ
レー内でキャストしてフィルムを得た。フィルムは15
0℃で十分に乾燥させた。得られたフィルムは無色透明
で光透過率は90%であった。フィルムのガラス転移温
度は285℃、表面硬度は2H、破断伸度は90%、摩
耗量は20mg/kmであった。高い耐熱性と表面硬
度、破断伸度を併せ持つことが判る。
でイソフタル酸クロリドとテレフタル酸クロリドの割合
を変化させて組成の異なる芳香族ポリエステルポリマー
を調製し、実施例1と同様な方法でフィルムを作成し
た。得られたフィルムの特性を表1に示す。何れも高い
耐熱性と表面硬度、破断伸度を併せ持つことが判る。ま
た、実施例2の摩耗量は21mg/kmであった。
−テトラメチル−4,4’−ビフェノール単位を、Cは
イソフタル酸単位を、Dはテレフタル酸単位を表す。
フタル酸が20モル%とテレフタル酸が30モル%の芳
香族ポリエステルを調製した。得られた樹脂は溶媒溶解
性がなく、フィルム及び塗料化することができなかっ
た。
をクロロホルムに溶解させ、ガラス板上に塗布しシャレ
ー内でキャストしてフィルムを得た。フィルムは150
℃で十分に乾燥させた。得られたフィルムは無色透明で
光透過率は90%であった。フィルムのガラス転移温度
は257℃、表面硬度は2H、破断伸度は55%であっ
た。高い耐熱性と表面硬度、破断伸度を併せ持つことが
判る。
で組成の異なる芳香族ポリエステルを調製し、実施例4
と同様な方法でフィルムを作成した。得られたフィルム
の特性を表2に示す。高い耐熱性と表面硬度、破断伸度
を併せ持つことが判る。表2中の組成のAは3,3’,
5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール単位
を、B1は1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオー
ル単位を、Cはイソフタル酸単位を、Dはテレフタル酸
単位を表す。
の異なるの芳香族ポリエステルを調製した。得られた樹
脂は表3に示す問題があり、良好なフィルム及び塗膜が
得られなかった。表3中の組成のAは3,3’,5,
5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール単位を、
B1は1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジオール単
位を、Cはイソフタル酸単位を、Dはテレフタル酸単位
を表す。
ー3をクロロホルムに溶解させ、ガラス板上に塗布しシ
ャレー内でキャストして塗膜を得た。塗膜は150℃で
十分に乾燥させた。得られた塗膜は無色透明で光透過率
は90%であった。塗膜のガラス転移温度は253℃、
表面硬度は2H、破断伸度は40%であった。高い耐熱
性と表面硬度を併せ持つことが判る。
られたポリマー4をクロロホルムに溶解させ、ガラス板
上に塗布しシャレー内でキャストして塗膜を得た。塗膜
は150℃で十分に乾燥させた。得られた塗膜は無色透
明で光透過率は89%であった。フィルムのガラス転移
温度は244℃、表面硬度は2Hであった。高い耐熱性
と表面硬度を併せ持つことが判る。
−テトラメチル−4,4’−ビフェノール(A)=25
モル%、ビスフェノール−F(B3)=25モル%、イ
ソフタル酸(C)=50モル%の芳香族ポリエステルを
調製したが、クロロホルムなどの溶媒に対する溶解性が
無く、フィルム化することができなかった。
熱ポリアリレート(エルメック A1F)(比較例
7)、ユニチカ株式会社製のポリアリレート(Uポリマ
ー U−100)(比較例8)、アイ・シー・アイ株式
会社製のポリエーテルサルホン(VICTREX PE
S−3600)(比較例9)、日産化学株式会社製のポ
リサルホン(ユーデルP−3500)(比較例10)を
クロロホルムもしくは1,1,2,2−テトラクロロエ
タンに溶解させて、実施例1と同様な方法でキャストフ
ィルムを得た。 Tgと表面硬度を表4に示す。いずれ
の樹脂も高いTgを有するものの、表面硬度は鉛筆硬度
でHB〜Fであり、耐磨耗性も劣る。
度、破断伸度、及び耐磨耗性を有し、電気・電子部品、
光学部品、記録材料、自動車部品、機械部品などの広い
分野で有用な耐熱透明フィルム状物、即ち、フィルム、
シート及び塗膜を提供することができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 ジオール成分として、15〜50モル%
の3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフ
ェノール単位(A)と、35〜0モル%の1,1’−ビ
ナフタレン−2,2’−ジオール単位(B1)(A+B
1=50モル%)、ジカルボン酸成分として、30〜5
0モル%のイソフタル酸単位(C)と、20〜0モル%
のテレフタル酸単位(D)(C+D=50モル%)とか
ら成る芳香族ポリエステルから成る耐熱透明フィルム状
物。 - 【請求項2】 ガラス転移温度が200℃以上で、鉛筆
硬度がH以上であることを特徴とする、請求項1に記載
の耐熱透明フィルム状物。 - 【請求項3】 ジオール成分として、15〜35モル%
の3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフ
ェノール単位(A)と、35〜15モル%の1,1’−
ビナフタレン−2,2’−ジオール単位(B1)(A+
B1=50モル%)、ジカルボン酸成分として、10〜
30モル%のイソフタル酸単位(C)と40〜20モル
%のテレフタル酸単位(D)(C+D=50モル%)と
から成る芳香族ポリエステルから成る耐熱透明フィルム
状物。 - 【請求項4】 ガラス転移温度が200℃以上で、鉛筆
硬度がH以上であることを特徴とする、請求項3に記載
の耐熱透明フィルム状物。 - 【請求項5】 ジオール成分として、20〜50モル%
の3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフ
ェノール単位(A)と、30〜0モル%のビスフェノー
ル−A単位(B2)(A+B2=50モル%)と、ジカ
ルボン酸成分として、30〜50モル%のイソフタル酸
単位(C)と20〜0モル%のテレフタル酸単位(D)
(C+D=50モル%)とから成る芳香族ポリエステル
から成る耐熱透明フィルム状物。 - 【請求項6】 ガラス転移温度が200℃以上で、鉛筆
硬度がH以上であることを特徴とする、請求項5に記載
の耐熱透明フィルム状物。 - 【請求項7】 ジオール成分として、30〜50モル%
の3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフ
ェノール単位(A)と、20〜0モル%のビスフェノー
ル−F単位(B3)(A+B3=50モル%)、ジカル
ボン酸成分として、30〜50モル%のイソフタル酸単
位(C)と20〜0モル%のテレフタル酸単位(D)
(C+D=50モル%)とから成る芳香族ポリエステル
から成る耐熱透明フィルム状物。 - 【請求項8】 ガラス転移温度が200℃以上で、鉛筆
硬度がH以上であることを特徴とする、請求項7に記載
の耐熱透明フィルム状物。 - 【請求項9】 破断伸度が50%以上であることを特徴
とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の耐熱透明フ
ィルム状物。 - 【請求項10】 テーバ摩耗試験(摩耗輪=CS−10
F、1Kg荷重)での摩耗量が25mg/km以下であ
ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載
の耐熱透明フィルム状物。
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