JPH11263831A - 共重合ポリエステルの製造方法及びフィルム - Google Patents

共重合ポリエステルの製造方法及びフィルム

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JPH11263831A
JPH11263831A JP6813498A JP6813498A JPH11263831A JP H11263831 A JPH11263831 A JP H11263831A JP 6813498 A JP6813498 A JP 6813498A JP 6813498 A JP6813498 A JP 6813498A JP H11263831 A JPH11263831 A JP H11263831A
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polyester
glycol
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acid
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Yuji Taneda
祐路 種田
Masayuki Kinugawa
雅之 衣川
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複屈折が小さく、耐衝撃性、耐熱性、透明性
及び色調に優れ、フィルム用として好適に利用できる共
重合ポリエステルの製造方法を提供する。 【解決手段】 主としてテレフタル酸と、エチレングリ
コールと化2で示されるグリコールとのモル比が95/
5〜70/30であるグリコール成分とからなる共重合
ポリエステルを製造する方法において、重縮合反応の開
始前にリン化合物を共重合ポリエステル中の酸成分1モ
ルに対して1×10-4〜2×10-3モルとなる量を添加
し、エステル化又はエステル交換反応を行った後、化2
で示されるグリコール及びアンチモン化合物を添加し、
重縮合反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステル
の製造方法。 【化2】 (R1 、R2 は、炭素数が2から10のアルキル基であ
り、R3 〜R6 は、炭素数が1から10のアルキル基、
アルコキシル基、またはフェニル基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複屈折が小さく、
耐衝撃性、耐熱性、透明性及び色調に優れた共重合ポリ
エステルの製造方法、及びこの共重合ポリエステルを用
いて製造したフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
は、機械的強度、化学的安定性、透明性等に優れ、また
軽量、安価であるため、ボトル、フィルム、シート、繊
維等に幅広く用いられている。フィルム用途としては、
食品包装用や磁気テープ、写真フィルム、フィルムコン
デンサーなどの工業用に幅広く用いられている。しか
し、一般にPETは結晶化しやすいため、フィルムとし
た場合に透明性が劣るという欠点を有する。透明性を改
良するために、PETにイソフタル酸、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール等の化合物を共重合したポリエス
テルが提案されているが、複屈折が大きく、フィルムと
した場合に光が乱反射するため見栄えが悪く、耐熱性が
低いという問題がある。これらの問題を解決する手段と
して、たとえば、特開平8−134192号には、9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを代表
とするジヒドロキシ化合物を共重合したポリエステルが
提案されている。この共重合ポリエステルは、複屈折が
小さく屈折率が大きいため、上記のような問題はない
が、重縮合触媒として二酸化ゲルマニウムを用いるため
コストが高くなるという問題があった。一般に、フィル
ム用ポリエステルの重縮合触媒としては、三酸化アンチ
モンに代表されるアンチモン化合物が用いられるが、三
酸化アンチモンが重縮合反応工程で還元されてアンチモ
ン金属となって析出するためポリエステルの透明性が低
下するという問題があった。また、成形時にポリエステ
ルに不溶のアンチモンが結晶核となりポリエステルの結
晶化速度を速めるためフィルムが白化するという問題が
あった。これらの問題を解決する方法として、三酸化ア
ンチモンと、リン酸あるいはリン酸アルキルエステル等
のリン化合物を併用する方法が提案されている。しか
し、たとえばリン酸トリメチル等のリン酸の低級アルキ
ルエステルを併用して重合した場合、重縮合反応工程で
リン酸トリメチルが系外に飛散しやすいという問題があ
った。また、リン酸は、重縮合反応工程における飛散の
問題はないが、アンチモン化合物とリン酸が反応してリ
ン酸アンチモン等の不溶性微粒子が形成され、ポリマー
が白濁したり、重縮合触媒が失活して高重合度のポリエ
ステルが得られないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、複屈
折が小さく、耐衝撃性、耐熱性、透明性及び色調が良好
な共重合ポリエステルの製造方法、及び、この共重合ポ
リエステルを用いたフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成するため鋭意検討した結果、主としてテレフタ
ル酸と、エチレングリコールと化1で表されるグリコー
ルを共重合して得られたポリエステルは、複屈折が小さ
く、ポリエステルの成形時の白化も抑えられることを見
いだし本発明に到達した。すなわち、本発の要旨は、次
の通りである。主としてテレフタル酸と、エチレングリ
コールと化1で表されるグリコールとのモル比が95/
5〜70/30であるグリコール成分とからなる共重合
ポリエステルを製造する方法において、重縮合反応の開
始前にリン化合物を共重合ポリエステル中の酸成分1モ
ルに対して1×10-4〜2×10-3モルとなる量を添加し、
エステル化又はエステル交換反応を行った後、化1で示
されるグリコール及びアンチモン化合物を添加し、重縮
合反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステルの製
造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルを構成する主たる成分は、
芳香族ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコー
ル成分としてはエチレングリコール及び化1で示される
グリコールである。
【化1】 (R1 、R2 は、炭素数が2から10のアルキル基であ
り、R3 〜R6 は、炭素数が1から10のアルキル基、
アルコキシル基、またはフェニル基である。)
【0006】化1で示されるグリコールとしてはたとえ
ば、9,9-ビス 4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル フ
ルオレン、9,9-ビス 4-(2-ヒドロキシプロポキシ)フェ
ニルフルオレン、9,9-ビス 4-(2-ヒドロキシブトキシ)
フェニル フルオレン、9,9-ビス 4-(2-ヒドロキシエト
キシ)-3-メチルフェニル フルオレン、9,9-ビス 4-(2-
ヒドロキシエトキシ)-3,5-ジメチルフェニル フルオレ
ン、9,9-ビス 4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3-エチルフェ
ニル フルオレン、9,9-ビス 4-(2-ヒドロキシエトキ
シ)-3,5-ジエチルフェニル フルオレン、9,9-ビス 4-
(2-ヒドロキシエトキシ)-3-プロピルフェニル フルオ
レン、9,9-ビス 4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3、5-ジプロ
ピルフェニル フルオレン、9,9-ビス 4-(2-ヒドロキシ
エトキシ)-3-フェニルフェニル フルオレン、9,9-ビス
4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3,5-ジフェニルフェニル
フルオレン等が挙げられる。これらは単独で用いても、
2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で
も、9,9-ビス 4-(2-ヒドロキシエトキシ) フェニル フ
ルオレンが成形性、光学特性、耐熱性の点で最も好適で
ある。
【0007】本発明におけるポリエステルを構成するグ
リコール成分は、エチレングリコールと化1で表される
グリコールとのモル比が95/5〜70/30であるこ
とが必要である。化1で示されるグリコール成分が5モ
ル%未満では、得られるポリエステルの複屈折が大きく
なり、結晶化が起こりやすいため好ましくない。また、
化1で表されるグリコール成分が30モル%を超える
と、重合が進みにくくなり、所望の重合度のポリエステ
ルを得るための反応に長時間を要し、その結果、色調が
悪化するという問題が起こる。
【0008】本発明において、化1のグリコール成分の
配合は重縮合反応の開始前に行うことが必要である。添
加時期は重縮合反応前であればいつでもよく、エステル
化反応の前に添加してもよく、また、テレフタル酸とエ
チレングリコールからなるポリエステルオリゴマーに添
加してもよい。
【0009】なお、ポリエステルには、本発明の目的を
妨げない範囲において、他の成分を共重合成分として含
有してもよい。そのような共重合成分としては、たとえ
ば、フタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6-
ナフタレンジカルボン酸、4,4'- ジフェニルスルホンジ
カルボン酸、4,4'-ジフェニルジカルボン酸酸等の芳香族
ジカルボン酸成分、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸等の脂
肪族ジカルボン酸成分、プロピレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール等の脂肪族ジオール成分、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等の
芳香族ジオール成分、4-ヒドロキシ安息香酸、ε−カプ
ロラクトン等のヒドロキシカルボン酸成分等の共重合成
分が挙げられる。
【0010】本発明においては、テレフタル酸とエチレ
ングリコールからなるポリエステルオリゴマーに、リン
化合物を添加することが必要である。リン化合物は常温
で添加してもよいが、エチレングリコール溶液として加
熱して添加することにより反応系の温度低下を防ぐこと
ができるのでより好ましい。
【0011】リン化合物としては、リン酸、リン酸エス
テル、亜リン酸、亜リン酸エステル等を用いることがで
きる。この中で、コストと重合性の点で、リン酸トリエ
チル、リン酸トリメチル、リン酸が特に好ましい。リン
化合物の添加の方法は特に限定されないが、エチレング
リコールと共に添加することにより、重縮合反応中にエ
チレングリコールあるいはポリエステルオリゴマーの末
端水酸基とリン化合物との反応が起こりやすくなり、リ
ン酸エステルが生成する。このリン酸エステルは、三酸
化アンチモンとの反応が起こりにくいため、ポリエステ
ルに不溶の微粒子が形成されにくくなり、ポリエステル
の白濁が防止され、また、リン化合物がポリエステル中
に組み込まれることにより系外に飛散しにくくなり、さ
らには、三官能化合物として作用するため重合性がよく
なる。
【0012】本発明においては、テレフタル酸とエチレ
ングリコールからなるポリエステルオリゴマーに、リン
化合物を共重合ポリエステル中の酸成分1モルに対して
1×10-4〜2×10-3モルとなる量を添加し、0.5時間
以上反応させることが好ましい。リン化合物の添加量が
1×10-4モル未満では、透明性に優れたポリエステルが
得られず、2×10-3モルを超えて添加しても効果が変わ
らなくなるばかりでなく、リン化合物が三官能成分とし
てポリエステル主鎖に組み込まれゲル化が起こりやすく
なり好ましくない。また、反応時間が0.5時間未満で
は未反応のリン化合物が残存することとなり、たとえ
ば、リン化合物としてリン酸を用いた場合には、重合時
にリン酸と三酸化アンチモンとが反応してポリエステル
が白濁したり、反応系外に飛散しやすいので好ましくな
い。また、反応時間が4時間以上になると熱分解反応が
起こりポリエステルの色調が悪くなるので望ましくな
い。
【0013】反応温度は、220〜290℃、より好ま
しくは230〜280℃で反応を行うのがよい。反応温
度が220℃未満では、エチレングリコールあるいはポ
リエステルオリゴマーの末端水酸基とリン化合物との反
応が起こりにくいため、未反応のリン化合物が存在し、
溶融重合中に三酸化アンチモンと反応してポリエステル
が白濁したり、重合中にリン化合物が系外に飛散するた
め好ましくない。また、290℃を超えると、熱分解等
の副反応が起こりやすく、ポリエステルの色調が悪くな
るので好ましくない。
【0014】本発明においては、テレフタル酸とエチレ
ングリコールからなるポリエステルオリゴマーにリン化
合物を添加し、上記のように反応させた後、化1のグリ
コール及びアンチモン化合物を添加し、重縮合反応を行
う。重縮合反応条件としては、通常、0.9 hPaの減圧
下で温度250〜300℃、好ましくは260〜290
℃で溶融重縮合を行う。
【0015】本発明において、重縮合反応触媒として用
いられるアンチモン化合物はポリエステルに可溶である
ことが好ましく、具体的には、三酸化アンチモン、五酸
化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモントリス(オ
クチルグリコラート)等が挙げられるが、三酸化アンチ
モンが最も好ましい。また、ゲルマニウム化合物、チタ
ン化合物、コバルト化合物、スズ化合物、スルホン酸等
の他の重縮合反応触媒を併用してもよい。
【0016】アンチモン化合物の添加量は、ポリエステ
ルの酸成分1モルに対して、1×10-4〜5×10-4モル、
好ましくは1.5×10-4〜2.5×10-4モルの範囲とな
るようにすることが望ましい。この添加量が、1×10-4
モル未満では重縮合速度が遅く、また、5×10-4モルを
超えて添加しても触媒効果が変わらなくなるばかりか、
得られるポリエステルが加工時に熱分解等により物性が
低下したり、着色したりして好ましくない。
【0017】本発明において、ポリエステルには重合時
あるいは製膜時に滑剤を添加してもよい。滑剤として
は、二酸化ケイ素、カオリン、クレー、炭酸カルシウ
ム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、リン酸カルシウ
ムなどの無機系滑剤、シリコーン粒子、テレフタル酸カ
ルシウムなどの有機系滑剤が挙げられるが、無機系滑剤
が好ましい。また、ポリエステルには必要に応じて、ヒ
ンダードフェノール化合物のような安定剤、紫外線吸収
剤、光安定剤等の添加物を含有させることができる。
【0018】次に、本発明における共重合ポリエステル
を用いて延伸フィルムを製造する一般的な方法について
説明する。まず、共重合ポリエステルのチップを十分に
乾燥させた後、押出機に供給し、ポリエステルの融点よ
り10〜80℃高い温度で溶融押出し、Tダイあるいは
サーキュラーダイを用いて、シート状または円筒状に口
金より吐出させ、冷却ロールの表面で冷却固化させ、未
延伸フィルムを得る。続いて、この未延伸フィルムを少
なくとも一軸又は二軸方向に延伸する。一軸に延伸する
場合は、オーブン等を用いて幅方向に延伸することが望
ましく、二軸に延伸する場合には、延伸ロール等を用い
て長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次二軸延
伸、両方向に実質的に同時に延伸する同時二軸延伸のい
ずれの方法を用いてもよい。その後、必要に応じて、熱
処理や表面処理等の処理を施す。ポリエステルフィルム
は単層であっても複層構造でもよく、フィルムの厚みは
通常10〜30μm とするのが適当であり、好ましくは
12〜17μm である。
【0019】上記のようにして得られた延伸フィルム
は、食品包装用や各種の一般工業用等に用いることがで
きる。また、単層フィルムのままでも用いられるが、P
ET、ポリブチレンテレフタレート等のフィルムと積層
して用いることもできる。また、得られたフィルムを金
属板とラミネートして缶などの容器に成形したり、紙又
は樹脂シートなどの基材とラミネートすることもでき
る。
【0020】
【作用】本発明の方法により得られるフィルムの複屈折
が小さくなる理由は、化1の化合物中の芳香族環には、
分子鎖に平行な芳香族環と垂直な芳香族環の2種類が存
在するため、分極率の異方性が小さくなるためと考えら
れる。また、フィルムの透明性が優れる理由は、ポリエ
ステルオリゴマーにリン化合物を添加して反応を行うこ
とにより、エチレングリコールあるいはポリエステルオ
リゴマー中の末端水酸基とリン化合物が反応してリン酸
エステルとなり、ポリエステルの主鎖中に組み込まれる
ため、続いて行う重縮合反応の際に、リン化合物とアン
チモン化合物の反応が起こらず、ポリエステルに不溶の
リン酸アンチモン等の微粒子が形成されにくくなるため
と考えられる。また、優れた色調を示す理由は明らかで
ないが、リン化合物が熱安定剤となり、ポリエステルが
熱的に安定化され、ポリエステルの熱分解が抑えられる
ためと考えられる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、測定法は、次のとおりである。 (イ)極限粘度〔η〕 フェノールとテトラクロロエタンとの等重量混合物を溶
媒として、濃度0.5g/dl、温度20℃で測定し
た。 (ロ)色調 日本電色工業社製ND−Σ80型色差計を用いて測定し
た。a値は赤−緑系の色相(+側は赤味、−側は緑
味)、b値は黄−青系の色相(+側は黄味、−側は青
味)を示す。ポリエステルの色調としてはL値が大きい
ほど、a値が0に近いほど、また極端に小さくならない
限りb値が小さいほど良好である(3.5以下を合格と
した)。 (ハ)透明性 アクリル樹脂に二酸化チタンを分散させた3種類の標準
サンプル(S1:二酸化チタン濃度0ppm 、S2:二酸
化チタン濃度0.5 ppm、S3:二酸化チタン濃度1.
0 ppm)を用いて、これらのサンプルと溶融ポリエステ
ルとの濁度を比較することにより透明性を判定した(○
を合格とした)。 ○:濁度がS1とS2との間であり透明性が良好。 △:濁度がS2とS3との間であり透明性は普通。 ×:濁度がS3より悪く透明性が不良。 (ニ)全光線透過率 JIS K−7105に従って測定した。 (ホ)耐衝撃性 フィルムを金属板にラミネートしたラミネート金属板を
用いて作成した缶10個に水を充填し、1mの高さから
コンクリート床上に落下させた。この缶を1重量%塩化
ナトリウム水溶液に浸漬し、塩化ナトリウム水溶液と缶
との間に電圧6Vを印加したときに流れる電流値を測定
した(通電テスト)。通電テストの結果を次の1〜3級
で評価した(2級以上を合格とした)。 1級:電流値0.1 mA 以下が9個以上。 2級:電流値0.1 mA 以下が7〜8個。 3級:電流値0.1 mA 以下が6個以下。
【0022】実施例 1 ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその
ポリエステルオリゴマーの存在するエステル化反応器
に、テレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(E
G)のスラリー(モル比が、TPA/EG=1/1.
6)を連続的に供給し、温度250℃、圧力50hPaGで
8時間反応させ、平均重合度7のポリエステルオリゴマ
ーを連続的に得た。このポリエステルオリゴマー60kg
と、9,9 −ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ) フェニ
ル)フルオレンを全グリコール成分に対して20モル%
となるように重縮合反応器に仕込み、続いて、濃度0.
5重量%のリン酸トリエチルのエチレングリコール溶液
を酸成分1モルに対して5×10-4モルになる量を添加し
た後、常圧、温度260℃で1.5時間撹拌しながら反
応させた。その後、滑剤として生成ポリエステル量に対
して0.08重量%となるように二酸化ケイ素微粒子
と、触媒として酸成分1モルに対して1.7×10-4モル
の三酸化アンチモンを加え、温度280℃、反応器を減
圧にして最終圧力0.9 hPaで3時間重縮合反応を行っ
た。得られたポリエステルの透明性は良好で、極限粘度
0.63、全光線透過率91%、L値59.2、b値
2.8であった。次に、このポリエステルを真空乾燥機
により乾燥後、温度285℃で押出機より押し出し、急
冷固化して、平均厚さ170μm の未延伸フィルムを得
た。この未延伸フィルムを縦方向に温度90℃で4倍に
延伸した後、テンターに導き温度105℃で横方向に4
倍延伸した。延伸後、温度235℃で熱処理を行い、そ
の後冷却して巻き取り、平均厚さ12μm の延伸フィル
ムとした。得られたフィルムの性能、及びこのフィルム
を用いて金属缶の耐衝撃試験を行った結果は1級であっ
た。
【0023】実施例2〜5 化1の化合物の種類と添加量、リン化合物の添加量、リ
ン化合物を添加した後の反応時間を表1に示したように
変えた以外は実施例1と同様にしてポリエステルを製造
し、さらに、それを用いて実施例1と同様にしてフィル
ムを得た。得られたフィルムの性能、及びこのフィルム
を用いて作成した金属缶の耐衝撃試験を行った結果を表
1に示した。
【0024】比較例1〜4 化1の化合物の種類と添加量、リン化合物の添加量、リ
ン化合物を添加した後の反応時間を変えた以外は実施例
1と同様にしてポリエステルを製造し、さらに、それを
用いて実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られた
フィルムの性能、及びこのフィルムを用いて作成した金
属缶の耐衝撃試験を行った結果を表1に示した。比較例
1では、化1の化合物の添加量が3モル%と少なかった
ため、透明性及び耐衝撃性が悪かった。比較例2では、
リン化合物の添加量が少なかったため、リン化合物の効
果が小さく、色調、透明性が悪かった。比較例3では、
化1の化合物の添加量が40モル%と多かったため、重
縮合反応時間が長くなり透明性及び色調が悪かった。比
較例4では、リン化合物添加後の反応時間が短かったた
め、色調、透明性が悪かった。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、複屈折が小さく、耐衝
撃性、耐熱性、透明性及び色調が良好な共重合ポリエス
テルを製造することが可能となり、この共重合ポリエス
テルを用いて製造した延伸フィルムは金属缶ラミネート
用等に好適に利用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてテレフタル酸と、エチレングリ
    コールと化1で示されるグリコールとのモル比が95/
    5〜70/30であるグリコール成分とからなる共重合
    ポリエステルを製造する方法において、重縮合反応の開
    始前にリン化合物を共重合ポリエステル中の酸成分1モ
    ルに対して1×10-4〜2×10-3モルとなる量を添加
    し、エステル化又はエステル交換反応を行った後、化1
    で示されるグリコール及びアンチモン化合物を添加し、
    重縮合反応を行うことを特徴とする共重合ポリエステル
    の製造方法。 【化1】 (R1 、R2 は、炭素数が2から10のアルキル基であ
    り、R3 〜R6 は、炭素数が1から10のアルキル基、
    アルコキシル基、またはフェニル基である。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された方法で製造された
    共重合ポリエステルを用いて製造したフィルム。
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