JPH11256389A - プリント配線板用銅箔及びその製造方法 - Google Patents
プリント配線板用銅箔及びその製造方法Info
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Abstract
落ちの点で問題がなく、基板との間で充分な接着強度を
有し、耐熱性あるいは電気的特性においても優れたプリ
ント配線板用銅箔及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 プリント配線板用銅箔であって、原料銅
箔の被接着面側表面に、モリブデンと、鉄、コバルト、
ニッケル、タングステンの内の少なくとも1種と、を含
有する銅のやけめっき層を有することを特徴とする。
Description
銅箔及びその製造方法に関する。
接合させるにあたり、その、接着強度を向上させ、プリ
ント配線板としての所要の電気特性、エッチング特性、
耐熱性、耐薬品性を満足させるために、該銅箔の被接合
面に粗化処理を施し、更には該粗化処理を施された面上
に亜鉛めっきやニッケルめっき等を施し、また更には該
亜鉛めっきやニッケルめっき等を施された面上にクロメ
ート処理等を施す等、種々工夫されている。
しては、下記のものが挙げられる。
た方法 酸性銅電解浴中で銅箔を陰極とし、限界電流密度付近で
電解を行うことにより、いわゆる「やけめっき」を施し
て粗化面を得る方法である。
れた方法 「やけめっき」を施された粗化面の微細な突起群の表面
を通常の銅めっきの薄層(いわゆる「カプセル層」)で
覆って、該粗化面の微細な突起群を銅箔の安定的に固定
する方法。
た方法 比較的粗大な樹枝状突起の生成を防止し、より微細で且
つ全面が均一な突起群よりなる粗化面を得るために、酸
性銅電解浴の電解液中にセレン、テルル、ヒ素、アンチ
モン、ビスマスの少なくとも1種を0.01〜1g-M/l
(M = Se, Te, As, Sb, Bi)に添加する方法。
た方法 セレン、テルル、ヒ素、アンチモン、ビスマスの少なく
とも1種を0.03〜5g-M/l (M = Se, Te, As, Sb, B
i)添加した電解液を含む酸性銅電解浴にて「やけめっ
き」を施し、形成された微細な樹枝状突起群の表面を通
常の銅めっきの薄層で覆って該突起群の脱落を防止し粉
状移着特性を改善すると共に基材に対する接着強度を改
善せんとした方法。
ンチモン、ビスマスを含む化合物は、毒物、劇物、もし
くはこれらに類するものとされているものが多く、電解
時にこれらの元素が銅電着物中に取り込まれる結果、銅
箔やそれを用いたプリント配線板の再生時や廃棄時、ま
たこれらの元素を含有することになるエッチング廃液の
処分時に、環境への汚染に対し最大限の注意が必要であ
る。更に、毒性の弱いものは、これらの元素を添加する
ことによって得られる効果が小さい。
解液を用いたもの、すなわち銅のみの「やけめっき層」
を形成したものは、たとえ「やけめっき層」の上に更に
通常の銅めっき層を形成したとしても「やけめっき層」
の微細突起自体が粗雑なものとなり、また該微細突起群
は不均一である。このような「やけめっき層」を有する
銅箔の被接着面の表面を摩擦するとかなりの量の微細銅
粉が剥落し、また樹脂基板と重ねて銅貼り積層板とした
ものはエッチングを行った後該基板表面に銅粉が残留す
る等の欠点を有していた。
ベンゾキノリン類を添加した電解液を用いて粗化処理を
行う方法(特公昭56−44196号公報);b.モリ
ブデン及び/又はバナジウムを添加した電解液を用いて
粗化処理を行う方法(特公昭62−56677号公
報);c.パルス電流を粗化処理のための電解浴に供給
する方法(特開昭58−16479号公報や特開昭63
−17597号公報);が提唱されているが、いずれの
方法も前記の毒性の強い元素の化合物を含む電解液を用
いた粗化処理にて得られる銅箔に比し、剥離強度、粉落
ち等の点で劣るものしか得られなかった。
の課題を解決するためになされたものであって、基板へ
の接着面表面が均質でムラがなく、粉落ちの点で問題が
なく、基板との間で充分な接着強度を有し、耐熱性ある
いは電気特性においても優れたプリント配線板用銅箔及
びその製造方法を提供することを目的とする。
板用銅箔であって、原銅箔の被接着面側表面に、モリブ
デンと、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンの内の
少なくとも1種と、を含有する銅の「やけめっき層」を
有することを特徴とする。
(見かけ膜厚)は、0.2〜2.5μm であることが好
ましく、0.4〜1.5μm であることが更に好まし
い。ここで、「見かけ膜厚」とは、“やけめっき”の処
理電流を流した時に電析する粒状のめっきを平滑めっき
に換算して求めた膜厚である。
の上に「銅のめっき層」(いわゆる「カプセル層」)を
更に有するものであってもよい。
かけ膜厚)は、0.2〜2.5μmであることが好まし
く、0.4〜1.5μm であることが更に好ましい。
記の「やけめっき層」又は「カプセル層」の上に「ニッ
ケルめっき層」又は「亜鉛めっき層」若しくは「ニッケ
ルめっき層」+「亜鉛めっき層」を形成せしめたもので
あってもよいし、又さらにはこれら「カプセル層」又は
「ニッケルめっき層」、「亜鉛めっき層」若しくは「ニ
ッケルめっき層」+「亜鉛めっき層」の上にクロメート
皮膜を形成せしめたものであってもよい。
電解浴を用い、被処理銅箔を陰極とし、該浴の限界電流
密度付近の電流密度で電解して該銅箔表面に銅の「やけ
めっき層」を形成するプリント配線板用銅箔の製造方法
であって、該浴の電解液中にモリブデンを0.001〜
5g-Mo/l、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンの少
なくとも1種を0.01〜10g-M/l (M = Fe及び/又
はCo及び/又はNi及び/又はW)、溶液の形態にて含有す
ることを特徴とする。
/l未満では所望の効果が顕著ではないし、一方5g-Mo/l
超でも所望の効果がその存在量の増加に比し顕著に増大
しないので経済的ではなく、更に「やけめっき層」が粉
状化しやすくなるので好ましくない。鉄、コバルト、ニ
ッケル、タングステンの規定濃度外の挙動もモリブデン
のそれと同様である。尚、これらの添加剤の形態は電解
液に溶解するものであれば特に限定されない(ただし、
これらのハロゲン化物も殆どのものが電解液に溶解する
が、粗化処理に悪影響を及ぼすので好ましくない)が、
代表的な化合物としては下記のものが挙げられる。 1.モリブデン :モリブデン酸ナトリウム(2水塩) 2.鉄 :硫酸第1鉄(7水塩) 3.コバルト :硫酸コバルト(7水塩) 4.ニッケル :硫酸ニッケル(7水塩) 5.タングステン:タングステン酸ナトリウム(2水
塩)
れの酸でも使用し得るが、通常は、硫酸浴(銅として硫
酸銅含有)を用いる。
で選択可能であるが、それらによって浴の限界電流密度
はそれぞれの値を示すので、使用する電流密度は、液組
成や液温、さらには液の動きなどで異なり、また「やけ
めっき」だけを施すのか、それとも更にその上に通常の
銅めっき又は亜鉛めっき若しくはニッケルめっき等をカ
プセル上に施すのか、によっても異なるため、多少、電
流密度を加減する必要がある。
解浴の液条件を例示すると下記の通りである。 1.銅 :5〜50g-Cu/l 2.モリブデン:0.001〜5g-Mo/l 3.その他 :0.01〜10g-M/l (M = Fe, Co, N
i or Wの一種以上) 4.酸 :10〜100g-H2SO4/l 5.液温 :室温〜50℃
浴成分の消耗分を補給する程度を下限とし、陰極表面近
傍領域が著しい乱流域とならぬ程度を上限とし、その間
で適宜選択するのが好ましい。
が実際的で好ましいので、この程度の時間で所望の微細
突起群が完成するよう、液組成や電流密度等の操作条件
を設定するのがよい。
の「やけめっき層」を形成する工程に次いで、該「やけ
めっき層」の上に「銅のめっき層」又は「ニッケルめっ
き層」、「亜鉛めっき層」若しくは「ニッケルめっき
層」+「亜鉛めっき層」を形成する工程を行ってもよい
し、所望により、更に該「銅のめっき層」形成工程に次
いで、該「銅のめっき層」の上に「ニッケルめっき層」
又は「亜鉛めっき層」若しくは「ニッケルめっき層」+
「亜鉛めっき層」を形成する工程を行ってもよいし、更
にまた該「銅のめっき層」形成工程又は該「ニッケルめ
っき層」形成工程、「亜鉛めっき層」形成工程若しくは
「ニッケルめっき層」+「亜鉛めっき層」形成工程に次
いで、該「銅のめっき層」又は該「ニッケルめっき
層」、「亜鉛めっき層」若しくは「ニッケルめっき層」
+「亜鉛めっき層」の上にクロメート皮膜を形成する工
程を行ってもよい。これら追加工程の条件は、公知の方
法のそれに従えばよい。
は、電解銅箔であってもよいし、また圧延銅箔であって
もよい。本発明の方法では、銅箔の種類を選ばないから
である。
て更に詳しく説明する。但し、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
さ:Ra=0.6μm ;Rz=4.2μm ;古河サーキット
フォイル(株)製) (2)やけめっき層の形成 原銅箔に下記の条件にて直流による陰極電解処理を施
し、該原銅箔のマット面上に微細な突起群からなる「や
けめっき層」を電析させた。 電解液の組成 ・硫酸銅 :100g-CuSO4・5H2O/l ・硫酸 :120g-H2SO4/l ・モリブデン:0.6g-Na2MoO4・2H2O/l ・鉄 :15g-FeSO4・7H2O/l 電解液の温度:35℃ 電流密度 :40A/dm2 処理時間 :3.5sec. (3)カプセルめっき マット面上に微細な突起群が形成された前記の原銅箔に
下記の条件にて直流による陰極電解処理を施し、該微細
な突起群を銅の薄層で覆った。 電解液の組成 ・硫酸銅 :250g-CuSO4・5H2O/l ・硫酸 :100g-H2SO4/l 電解液の温度:50℃ 電流密度 :20A/dm2 処理時間 :7.0sec. (4)更に前記の(2)→(3)の処理をもう一度繰り
返した。 (5)表面処理 得られた銅箔(以下、「粗化処理銅箔」という)の被接
合面側の表面に、ニッケル−リンめっき(0.1mg/d
m2)と亜鉛めっき(0.1mg/dm2)を施し、更にその上
にクロメート処理を施した試料(以下、「表面処理銅
箔」という)を作成した。
についてそれぞれ評価した。
たものを試料とし、JIS C 6481 「プリント
配線板用銅貼積層板試験方法」の5.7に従って常態ピ
ール(常態での「引きはがし強さ」)を測定した。
た後、該表面処理銅箔を1mm幅にエッチングしたものを
試料とし、JIS C 6481 「プリント配線板用
銅貼積層板試験方法」の5.7に従って常態ピールと劣
化処理後のピール(35%塩酸と蒸留水を同量混合した
25℃の処理液に該試料を 1時間浸漬したものの「引き
はがし強さ」。以下、「劣化後ピール」という)を測定
し、下記の式に従って計算にて求めた。 耐塩酸劣化率(%)=(1−(劣化後ピール/常態ピー
ル))×100
置き、それに荷重(250g/20mmφ)をかけたまま
該試験紙を150mm水平方向に引きずった。該試験紙に
付着する銅粉を目視観察し、付着量に応じてA<B<C
<D<E<Fの順に評価付けした(A:粉落ち“ゼ
ロ”、F:粉落ちが最も多い)。
ことを除き実施例1と同様にして粗化処理銅箔及び表面
処理銅箔をそれぞれ作製し、該表面処理銅箔について実
施例1と同様の特性評価を行った。結果を表1に示す。 電解液の組成 ・硫酸銅 :100g-CuSO4・5H2O/l ・硫酸 :120g-H2SO4/l ・モリブデン :0.05g-Na2MoO4・2H2O/l ・タングステン:0.05g−Na2WO4・2H2O
/l
ことを除き実施例1と同様にして粗化処理銅箔及び表面
処理銅箔をそれぞれ作製し、該表面処理銅箔について実
施例1と同様の特性評価を行った。結果を表1に示す。 電解液の組成 ・硫酸銅 :100g−CuSO4・5H2O/l ・硫酸 :120g-H2SO4/l ・モリブデン :0.6g-Na2MoO4・2H2O/l ・鉄 :15g-FeSO4・7H2O/l ・タングステン:0.03g-Na2WO4・2H2O/l
ことを除き実施例1と同様にして粗化処理銅箔及び表面
処理銅箔をそれぞれ作製し、該表面処理銅箔について実
施例1と同様の特性評価を行った。結果を表1に示す。 電解液の組成 ・硫酸銅 :100g-CuSO4・5H2O/l ・硫酸 :120g-H2SO4/l ・モリブデン:0.6g-Na2MoO4・2H2O/l ・コバルト :10g-CoSO4・7H2O/l
ことを除き実施例1と同様にして粗化処理銅箔及び表面
処理銅箔をそれぞれ作製し、該表面処理銅箔について実
施例1と同様の特性評価を行った。結果を表1に示す。 電解液の組成 ・硫酸銅 :100g-CuSO4・5H2O/l ・硫酸 :120g-H2SO4/l・モリフ゛テ゛ン :0.6g-Na2MoO4・2H2O/l ・ニッケル :10g-NiSO4・7H2O/l
ことを除き実施例1と同様にして粗化処理銅箔及び表面
処理銅箔をそれぞれ作製し、該表面処理銅箔について実
施例1と同様の特性評価を行った。結果を表1に示す。 電解液の組成 ・硫酸銅 :100g-CuSO4・5H2O/l ・硫酸 :120g-H2SO4/l ・ヒ素 :0.4cc/l as 60% H3AsO4(比重:1.
58)
ことを除き実施例1と同様にして粗化処理銅箔及び表面
処理銅箔をそれぞれ作製し、該表面処理銅箔について実
施例1と同様の特性評価を行った。結果を表1に示す。 電解液の組成 ・硫酸銅 :100g-CuSO4・5H2O/l ・硫酸 :120g-H2SO4/l ・モリブデン:0.6g-Na2MoO4・2H2O/l
た各粗化処理銅箔の粗化処理を施した面を硫酸−過酸化
水素のソフトエッチング液(H2SO4: 100g/l 、H2O2:
30g/l 、n−プロパノール:10cc/l)に1分間浸漬
して該粗化処理被膜を溶解し、該溶解液を蒸発乾固して
該溶解液中に含まれる過酸化水素を分解除去した後、原
子吸光分析法(日立(株)Z-6100形偏光ゼーマン原子吸
光分光光度計を使用)にて該溶解液中の対象元素の定量
分析を行った。その結果を表2に示す。尚、データは該
粗化処理被膜中の存在量に換算したものである。
ル強度、耐塩酸劣化率、粉落ち共毒性の強いヒ素を用い
たもの(従来技術の一つ)と遜色ない性能を有するもの
である。これに対し、従来技術の他例(毒物を含まな
い)として挙げたモリブデン単用の銅箔は、ピール強度
が低く、粉落ちも多く実用上問題の大きいものであるこ
とがわかる。すなわち本発明に従えば、プリント配線板
用銅箔としての所定の性能を充分に満足する環境に優し
い銅箔及びそのための製造方法を提供することができ
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 原銅箔の被接着面側表面に、モリブデン
と、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンの内の少な
くとも1種と、を含有する銅のやけめっき層を有するこ
とを特徴とするプリント配線板用銅箔。 - 【請求項2】 前記のやけめっき層の上に銅のめっき層
を更に有する請求項1に記載の銅箔。 - 【請求項3】 前記の銅のやけめっき層又は銅のめっき
層の上にニッケルめっき層又は亜鉛めっき層若しくはニ
ッケルめっき層+亜鉛めっき層を更に有する請求項1又
は2に記載の銅箔。 - 【請求項4】 前記の銅のめっき層又はニッケルめっき
層、亜鉛めっき層若しくはニッケルめっき層+亜鉛めっ
き層の上にクロメート皮膜を更に有する請求項2又は3
に記載の銅箔。 - 【請求項5】 前記のやけめっき層の厚みが0.2〜
5.0μm である請求項1乃至4のいずれか1に記載の
銅箔。 - 【請求項6】 酸性銅電解浴を用い、被処理銅箔を陰極
とし、該浴の限界電流密度付近の電流密度で電解して該
銅箔表面に銅のやけめっき層を形成するプリント配線板
用銅箔の製造方法において、該浴の電解液中にモリブデ
ンを0.001〜5g-Mo/l、鉄、コバルト、ニッケル、
タングステンの少なくとも1種を0.01〜10g-M/l
(M = Fe及び/又はCo及び/又はNi及び/又はW)、溶液
の形態にて含有することを特徴とする方法。 - 【請求項7】 前記のやけめっき層を形成する工程に次
いで、該やけめっき層の上に銅のめっき層を形成する工
程を行う請求項6に記載の方法。 - 【請求項8】 前記のやけめっき層を形成する工程又は
銅のめっき層を形成する工程に次いで、該銅のやけめっ
き層又は該銅のめっき層の上にニッケルめっき層又は亜
鉛めっき層若しくはニッケルめっき層+亜鉛めっき層を
形成する工程を行う請求項6又は7に記載の方法。 - 【請求項9】 前記の銅のめっき層又はニッケルめっき
層、亜鉛めっき層若しくはニッケルめっき層+亜鉛めっ
き層を形成する工程に次いで、該銅のめっき層又はニッ
ケルめっき層、亜鉛めっき層若しくはニッケルめっき層
+亜鉛めっき層の上にクロメート皮膜を形成する工程を
行う請求項7又は8に記載の方法。 - 【請求項10】 前記の電解浴が硫酸銅−硫酸浴である
請求項6乃至9のいずれか1に記載の方法。
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JP05652198A JP3739929B2 (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | プリント配線板用銅箔及びその製造方法 |
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