JP2002307609A - ポリイミド金属箔積層板及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミド金属箔積層板及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリイミド金属箔積層板において、回路とな
る金属と絶縁層との間の密着力を高める金属箔の表面処
理を用いることにより、接続信頼性を向上させたポリイ
ミド金属箔積層板を提供する。 【解決手段】 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片
面に熱可塑性ポリイミド層が形成され、該熱可塑性ポリ
イミド層の表面に金属箔が積層されたポリイミド金属箔
積層板であって、熱可塑性ポリイミドと接合する金属箔
の表面処理としてニッケルが0.17mg/dm2以上付着してい
る、金属箔積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフレキシブル配線基
板等に広く使用されている、ポリイミド金属積層板及び
その製造方法に関するものである。詳しくは、金属箔と
熱可塑性樹脂層との密着性が良好で、高密度回路基板材
料に適する金属積層板及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリイミド金属積層板は主に
回路基板材料として使用されてきた。特に近年の電子機
器の小型、携帯化に伴い、部品、素子の高密度実装が可
能な、ポリイミド金属積層板の利用が増大している。更
に、高密度化に対応するため、配線幅が10〜50μmとな
る微細パターンの加工に適するポリイミド金属積層板が
望まれていた。従来、ポリイミド金属箔積層板の製造方
法として、金属箔上にポリイミド前駆体であるポリイミ
ドワニス、及び/又はポリアミック酸ワニスを直接塗布
・乾燥する方法が知られている。しかしながら、直接塗
布・乾燥した場合、溶媒乾燥時の熱収縮により、ポリイ
ミド金属箔積層板にしわ、波うち、反り等が発生し、回
路基板材料として満足できるものではなかった。そこ
で、しわ、波打ち、反り等のないポリイミド金属積層板
の製造方法が提案されている。例えば、特開平7‐19334
9号公報には、非熱可塑性ポリイミド基材上熱可塑性ポ
リイミドワニス及び/または熱可塑性ポリイミドの前駆
体であるポリアミック酸ワニスを直接塗布・乾燥を行な
い熱可塑性ポリイミド層形成し、ついで熱可塑性ポリイ
ミドの表面に金属箔を加熱圧着するポリイミド金属積層
体の製造方法が開示されている。該方法により得られる
ポリイミド金属積層体は、しわ、波うち、カール等の欠
陥が無く、回路基板材料として優れた金属積層体であ
る。しかしながら、金属箔に最大表面粗度が2.0μm以下
のものを用いると、ピール強度が1.0kgf/cm以下とな
り、微細な回路パターンを形成する高密度基板材料とし
ては必ずしも満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題に鑑み、金属箔と熱可塑性ポリイミド層との密着
性が良好で、微細配線パターンを形成できる高密度回路
基板材料に適するポリイミド金属積層板、及びその製造
方法を提供することにある。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、検討の結
果、非熱可塑性ポリイミド層、熱可塑性ポリイミド層お
よび金属箔を順次積層されたポリイミド金属積層体にお
いて、金属箔の表面処理に着目し、表面処理としてニッ
ケルを0.17mg/dm2以上を表面に付着させ、その表面と熱
可塑性ポリイミド層とを積層することにより、上記課題
が解決できることを見出し、本発明に至った。すなわ
ち、本発明は、 (1) 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱
可塑性ポリイミド層が形成され、その上に金属箔が積層
された金属箔積層板であって、該熱可塑性ポリイミド層
と接合する金属箔表面のニッケル付着量が0.17mg/dm2
上であることを特徴とする金属箔積層板。 (2) 熱可塑性ポリイミドと接合する金属箔表面の最
大粗度(Rmax)が2.0μm以下であることを特徴とする
(1)記載の金属箔積層板 (3) 非熱可塑性ポリイミド層の厚みが5μm以上250
μm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記
載の金属箔積層板 (4) 熱可塑性ポリイミド層が1,3−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ビフェニル及び、3,3’−ジアミノベンゾ
フェノン(以下、DABPと略す)からなる群から選ばれた
少なくとも一種のジアミンと、3,3’4,4’−ジフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
ピロメリット酸二無水物からなる群から選ばれた少なく
とも一種もテトラカルボン酸二無水物から合成され、そ
の厚みが0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする
(1)又は(2)に記載の金属箔積層板。 (5) 金属箔が、銅、ニッケル、アルミニウム及びス
テンレス鋼、並びにそれらの合金からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の金属箔であり、その厚みが5μm以上1
50μm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記
載の金属箔積層板 (6) 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱
可塑性ポリイミドまたは該熱可塑性ポリイミドの前駆体
であるワニスを塗布し、60℃以上600℃以下において乾
燥・キュアして熱可塑性樹脂層を形成し、さらに熱可塑
性樹脂層に、ニッケルの付着量が0.17mg/dm2以上の金属
箔を150℃以上600℃以下で熱圧着することを特徴とする
(1)乃至(5)いずれかに記載の金属箔積層板の製造
方法。である。本発明によれば、金属箔と熱可塑性ポリ
イミド層との密着性が良好で、ピール強度の高いポリイ
ミド金属箔積層板が得られる。また、熱可塑性ポリイミ
ド層と金属箔の間にマイクロボイドの無いポリイミド金
属箔積層板が得られる。そのため、本発明のポリイミド
金属箔積層板は、特に高密度配線板材料として好適に使
用される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
本発明で使用する金属箔としては、銅及び銅合金、ステ
ンレス鋼及びその合金、ニッケル及びニッケル合金(42
合金も含む)、アルミニウム及びアルミニウム合金等が
挙げられる。好ましくは銅及び銅合金である。熱可塑性
ポリイミド層と接合する面の金属箔の表面処理は、該熱
可塑性ポリイミド層と金属箔のピール強度に大きな影響
を及ぼす。表面処理としてNiを付着させると、ピール強
度は大幅に向上する。本発明では、熱可塑性ポリイミド
層と接合する側の金属箔の表面処理として、ニッケルが
0.17mg/dm2以上更に好ましくは0.20 mg/dm2以上0.24 mg
/dm2以下、表面に好ましくは均一に層を形成して付着し
たものを選定して使用するのが好ましい。
【0006】また、熱可塑性ポリイミド層と接合する面
の金属箔の表面粗度は、ポリイミド金属箔積層板の性能
に大きな影響を及ぼす。表面粗度が大きいと、熱可塑性
ポリイミド層と金属箔との層間にマイクロボイドが生成
し易くなり、高密度配線基板の形成用材料として好まし
くない。本発明では、かかる観点から、熱可塑性ポリイ
ミド層と接合する側の金属箔の表面粗度の最大粗度(以
下、Rmaxという)が2.0μm以下、更に好ましくは1.5μm
以下である金属箔を選定して使用するのが好ましい。
【0007】また、金属箔の厚みは、テープ状に利用で
きる厚みであれば制限はないが、5μm以上150μm以下が
好ましく利用できる。市販の金属箔としては、例えば、
古河サーキットフォイル株式会社製、商品名:F1-WS
(電解銅箔)等が挙げられる。熱可塑性ポリイミド層を
形成する熱可塑性ポリイミドとしては、特定のジアミン
と特定のテトラカルボン酸二無水物から合成される組成
物が好ましく利用できる。特定のジアミンとして、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、AP
Bと略す)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル(以下、m-BPと略す)及び、3,3’−ジアミベン
ゾフェノン(以下、DABPと略す)から選ばれた少なくと
も一種のジアミンが好ましい。特定のテトラカルボン酸
二無水物として、3,3’4,4’−ジフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸二無水物(以下、ODPAと略す)、
3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物(以下、BTDAと略す)、ピロメリット酸二無水物
(以下、PMDAと略す)から選ばれる少なくとも一種のテ
トラカルボン酸二無水物が好ましい。ジアミン成分とテ
トラカルボン酸二無水物の反応モル比は、通常、0.75〜
1.25の範囲である。
【0008】非熱可塑ポリイミドは、特定のジアミンと
特定のテトラカルボン酸二無水物から合成される化合物
が利用できる。特定のジアミンとして、o-フェニレンジ
アミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミ
ン、4,4‘−ジアミノフェニルエーテル、3,4−ジア
ミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニル
エーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルが挙
げられる。これらは、単独または2種類以上使用しても
良い。また、前記のアミン化合物を併用する場合、特定
のジアミン成分の使用量は、少なくとも70モル%以上、
好ましくは80モル%以上である。特定のテトラカルボン
酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2’、3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸等が挙げ
られる。これらは、単独または、二種類以上使用しても
よい。
【0009】また、非熱可塑性ポリイミドとして市販の
非熱可塑性ポリイミドフィルムが使用できる。例えば、
ユーピレックスS、ユーピレックスSGA、ユーピレックス
SN(宇部興産株式会社製、商品名)、カプトンH、カプ
トンV、カプトンEN(東レ・デュポン株式会社製、商品
名)、アピカルAH、アピカルNPI、アピカルHP(鐘淵化
学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。非熱可塑性
ポリイミドの表面はプラズマ処理、コロナ放電処理等を
施してもよい。熱可塑性のポリイミド層の厚みは、目的
により選択され制限はないが、0.5μm以上10μm以下、
更に好ましくは2.0μm以上5.0μm以下の範囲が好適であ
る。非熱可塑性ポリイミド層の厚みは、制限はないが、
5μm以上250μm以下、更に好ましくは10.0μm以上50.0
μm以下の範囲が好適に利用できる。本発明のポリイミ
ド金属箔積層板の製造方法について更に詳細に述べる。
本発明の方法は、非熱可塑性ポリイミド基体の片面また
は両面に熱可塑性ポリイミド層を形成し、該熱可塑性ポ
リイミド層を接着層とする。熱可塑性ポリイミド層に表
面にニッケルが0.17mg/dm2以上で付着し、且つ、好ま
しくは表面の最大粗度が2.0μm以下である金属箔を熱圧
着する方法で製造できる。
【0010】次に非熱可塑性ポリイミド基体の片面また
は、両面に熱可塑性ポリイミド層を形成する方法、すな
わち、接着テープの製造方法について詳細に説明する。
非熱可塑性ポリイミド基体上に熱可塑性ポリイミドの溶
液、または、該熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリ
アミック酸溶液(以下、これらを総称してワニスとい
う)を直接塗布・乾燥することにより製造することが出
来る。ワニスは、前記の特定のジアミンとテトラカルボ
ン酸二無水物を溶媒中で重合して得られた溶液である。
非熱可塑性ポリイミド基体上に直接塗布する方法として
は、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、
グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコータ
ー等の公知の方法が採用できる。塗布する厚み、ワニス
の粘度等に応じて適宜利用できる。
【0011】塗布したワニスを乾燥・キュアする方法
は、通常の加熱乾燥炉が利用できる。乾燥炉の雰囲気と
しては、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利
用できる。乾燥の温度としては、溶媒の沸点により適宜
選択するが、60℃以上600℃以下の温度範囲が好適に利
用される。乾燥の時間は、厚み、濃度、溶媒の種類によ
り適宜選択するが0.05分以上500分以下程度で行なうの
が望ましい。次いで、接着テープの熱可塑性ポリイミド
層の表面に金属箔を熱圧着する方法について述べる。熱
圧着する方法について制限はないが、例えば、代表的方
法として、加熱プレス法及び/又は熱ラミネート法が挙
げられる。加熱プレス法としては、例えば、接着テープ
と金属箔をプレス機の所定のサイズに切りだし、重ね合
わせを行ない加熱プレスにより熱圧着することにより製
造できる。加熱温度としては、150℃以上600℃以下の温
度範囲が望ましい。加圧力としては、制限は無いが、好
ましくは0.1以上500kg/cm2以下で製造できる。加圧時間
としては、特に制限はない。
【0012】ラミネート方法としては、特に制限は無い
が、ロールとロール間に挟み込み、張り合わせを行なう
方法が好ましい。ロールは金属ロール、ゴムロール等が
利用できる。材質に制限はないが、金属ロールとして
は、鋼材やステンレス材料が使用される。表面にクロム
メッキ等が処理されたロールを使用することが好まし
い。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性の
あるシリコンゴム、フッ素系のゴムを使用することが好
ましい。ラミネート温度としては、100以上300℃以下の
温度範囲が好ましい。加熱方式は、伝導加熱方式の他、
遠赤外等の輻射加熱方式、誘導加熱方式等も利用でき
る。熱ラミネート後、加熱アニールすることも好まし
い。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等
が利用できる。加熱雰囲気として、空気、イナートガス
(窒素、アルゴン)等が利用できる。加熱方法として
は、フィルムを連続的に加熱する方法またはフィルムを
コアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方
法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射
加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。加熱
温度は、200℃以上600℃以下の温度範囲が好ましい。加
熱時間は、0.05分以上5000分以下の時間範囲が好まし
い。
【0013】本発明により提供されるポリイミド金属箔
積層板は、金属箔と熱可塑性ポリイミドとの間の接着力
が優れ、また、金属箔と熱可塑性ポリイミド層との層間
にマイクロボイドが無いことから、エッチング、穴あ
け、メッキ等の加工を行ない10μm以上50μm以下の微細
加工を形成しても、剥がれ等の問題の無い電子部品とし
て高密度実装加工が可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。尚、実施例に示した金属箔の表面処理付着量、金
属箔の表面の最大粗度、金属箔と熱可塑性ポリイミド層
とのピール強度は、下記の方法により測定した。 (1)表面処理付着量 分析用の蛍光X線測定装置を用いて、直径40mmの円盤状
に切りだしたサンプルを測定する。面積あたりの付着量
に換算して求めた。単位はmg/dm2である。 (2)最大粗度(Rmax) 表面粗度計(小坂研究所製、形式:サーフコーダーSE-3
0D)を用いて、JIS B-0601に規定される方法に従い、
カットオフ値0.25mm、測定長さ2mmとして測定する。 (3)ピール強度(kg/cm) 長さ100mm、幅2mmの試料について、JIS C-6471に規定
される方法に従い、短辺の端から金属箔と熱可塑性ポリ
イミド層を剥離し、その応力を測定する。剥離角度を90
°、剥離速度を50mm/minとした。
【0015】合成例1 <熱可塑性ポリイミド前駆体の合成>ジアミン成分とし
てAPBを20モルとテトラカルボン酸成分としてBTDAを19.
4モル秤量し、N,N-ジメチルアセト溶媒中で混合した。
混合温度及び時間は、23℃,8時間であった。また、混合
時の固形分濃度は17重量 %で実施した。得られたポリ
アミック酸ワニスの粘度は25℃において400cpsであり塗
工に適したものであった。
【0016】合成例2 <非熱可塑性ポリイミド前駆体の合成>ジアミン成分と
して、PPDを7.7モル、ODAを1.15モル、m-BPを1.15モル
秤量した。テトラカルボン酸成分として、BPDAを5.4モ
ル、PMDAを4.45モル秤量した。N,Nジメチルアセトアミ
ドとN-メチル-2−ピロリドン混合溶媒に溶解し混合し
た。溶媒の比率は、前者23重量%、後者77重量%であっ
た。反応温度、時間は、23℃、6時間であった。また、
反応時の固形分濃度は、20重量%である。得られたポリ
アミック酸ワニスの粘度は25℃において20000cpsであ
り、塗工に適したものであった。
【0017】実施例1 <接着テープの製造>非熱可塑性ポリイミド層として、
市販のポリイミドフィルム(東レデュポン株式会社製、
商品名:カプトンEN、厚み;50μm)を用い、その片面
にコータ−ドライヤー装置を用いて、合成例1のポリア
ミック酸ワニスを塗布し、乾燥を行なって、非熱可塑性
ポリイミド層に熱可塑性ポリイミド層を形成した。塗布
には、リバースロールコータ−を使用し、塗布厚みは乾
燥後の厚みで7μmであった。乾燥の最高温度は295℃で
行なった。 <ラミネートの実施>金属箔として、市販の銅箔(古河
サーキットフォイル社製、商品名:F1-WS、厚み:18μ
m、熱可塑性ポリイミド層側の表目処理付着量:ニッケ
ル0.22mg/dm2、熱可塑性ポリイミド層側の表面最大粗度
(Rmax):1.6μm)を使用した。銅箔、接着テープを
重ね合わせ熱ラミネートを実施し、銅箔/熱可塑性ポリ
イミド/非熱可塑性ポリイミドの3層からなるポリイミ
ド金属箔積層板を製造した。熱ラミネートは、シリコン
ゴムラミネートを使用し、ロール内部加熱方式のラミネ
ート機を使用した。ラミネートロールの表面温度を240
℃に加熱した。 <アニールの実施>3層からなるポリイミド金属箔積層
板をバッチ式オートクレーブ中でアニールを実施した。
条件は、温度280℃において、4時間、窒素ガス雰囲気中
で行った。 <ポリイミド金属箔積層板の評価>得られたポリイミド
金属箔積層板の評価を上記方法により実施した。その結
果、ピール強度は1.8kgf/cmで良好であった。マイクロ
ボイドの評価を実施した結果、銅箔の表面と同一の表面
状態が観察され、マイクロボイドが形成された形跡は見
らなかった。画像解析によるマイクロボイドの面積比率
は0%であった。以上の結果から、回路基板材料として
適した材料であった。結果を〔表1〕に示す。
【0018】実施例2 <接着テープの製造>非熱可塑性ポリイミド層として、
市販のポリイミドフィルム(鐘淵化学株式会社製、商品
名:アピカルNPI、厚み:25μm)を用い、その両面に合
成例1のポリアミック酸ワニスを塗布した以外、実施例
1と同様にして接着テープを製造した。 <加熱圧着の実施>金属箔として、市販の銅合金箔〔オ
ーリン社製、商品名:C7025(特注銘柄)、厚み:18μ
m、熱可塑性ポリイミド層側の表面処理ニッケル付着
量:0.17mg/dm2、表面最大粗度(Rmax):1.8μm〕を使
用した。接着テープの両面に、1辺が300mmの正方形の
銅合金を重ね合わせたものを20セット重ね合わせ、それ
をクッション材(金陽社製、商品名:キンヨーボードF2
00)で挟み、さらにその外側を鏡面板ではさみ加熱プレ
ス機で230℃、70kg/cm2の条件下で、1時間加熱圧着して
銅合金箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド
/熱可塑性ポリイミド/銅合金箔の5層からなるポリイ
ミド金属箔積層板を製造した。 <ポリイミド金属箔積層板の評価>実施例1と同様にし
て評価した。その結果、ピール強度は両面とも2.1kgf/
cmであった。また、マイクロボイドの評価では、銅合金
箔の表面と同一の形状が観察され、マイクロボイドは観
察されなかった。画像解析によるボイド面積は0%であ
った。以上の結果、高密度基板材料として適した材料で
あった。結果を〔表1〕に示す。
【0019】比較例1 <接着テープの製造>実施例1と同様の方法で接着テー
プを製造した。 <ラミネート、アニールの実施>市販の銅箔〔古川サー
キットフォイル株式会社製、商品名:F2-WS、厚み18μ
m、熱可塑性ポリイミド層側に表面処理ニッケル付着
量:0.11mg/dm2、表面最大粗度(Rmax):2.5μm〕を
使用した以外、実施例1と同様の方法でラミネート、ア
ニールを実施し、銅箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性
ポリイミドの3層からなるポリイミド金属箔積層板を製
造した。 <ポリイミド金属箔積層板の評価>実施例1と同様にし
て評価した。その結果、ピール強度は0.8kgf/cmであっ
た。また、マイクロボイドの評価を行ったところ、エッ
チングした熱可塑性ポリイミドフィルム表面全体に10〜
50μm程度のボイドが観察された。画像解析装置により
ボイドの痕跡の面積比率を算出した結果、23%であっ
た。以上の評価結果から、ボイドが多く、微細回路を必
要とする高密度回路基板材料としては不適当な材料であ
った。結果を表1に示す。
【0020】比較例2 <ポリイミド金属箔積層板の製造>金属箔として、市販
の銅箔(日本電解株式会社製、商品名:SLP-18、厚み:
18μm、熱可塑性ポリイミド層側の表面処理ニッケル付
着量:0.11mg/dm2、表面最大粗度(Rmax):4.5μm)を
使用した以外、実施例2と同様にして、銅箔/熱可塑性
ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド
/銅箔の5層構造のポリイミド金属箔積層板を製造した。 <ポリイミド金属箔積層板の評価>実施例1と同様にし
て評価した。その結果、ピール強度は両面ともに0.6kgf
/cmであった。マイクロボイドの評価を実施したとこ
ろ、エッチングにより露出した熱可塑性ポリイミド層の
表面全体に10〜50μm程度のボイドの痕跡が観察され
た。画像解析によるマイクロボイドの面積比率は5%で
あった。以上の結果、ピール強度が弱く、マイクロボイ
ドが多い、高密度回路基板材料として不適当な材料であ
った。結果を〔表1〕に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明のポリイミド金属箔積層板は、金
属箔と熱可塑性ポリイミドの密着性に優れ、かつマイク
ロボイドの無い優れた積層板である。そのため、高密度
配線を必要とする、フレキシブルプリント配線板、ICパ
ッケージ、LCD配線板等の配線基材として有効に利用で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 670 H05K 1/03 670A 3/00 3/00 R 3/38 3/38 A B (72)発明者 大坪 英二 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 森 峰寛 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB01D AB01E AB04D AB04E AB10D AB10E AB16D AB16E AB17D AB17E AB31D AB31E AB33D AB33E AK49A AK49B AK49C BA03 BA05 BA06 BA10A BA10D BA10E BA13 DD07D DD07E EH462 EJ172 EJ422 EJ64D EJ64E GB43 JA20A JA20D JA20E JB13A JB16B JB16C JK06 YY00A YY00D YY00E 4J043 PA19 QB31 RA35 SA06 TA22 TA71 UA122 UA131 UA132 UA141 UA151 UB122 UB131 UB151 UB152 VA022 VA042 VA061 VA081 YA05 ZB50 5E343 AA18 BB24 BB28 BB43 BB44 BB55 BB67 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片
    面に熱可塑性ポリイミド層が形成され、その上に金属箔
    が積層された金属薄積層板であって、該熱可塑性ポリイ
    ミド層と接合する金属箔表面のニッケル付着量が0.17mg
    /dm2以上であることを特徴とする金属箔積層板。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリイミドと接合する金属箔表
    面の最大粗度(Rmax)が2.0μm以下であることを特徴と
    する請求項1記載の金属箔積層板
  3. 【請求項3】 非熱可塑性ポリイミド層の厚みが5μm以
    上250μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載のポリイミド金属箔積層板
  4. 【請求項4】 熱可塑性ポリイミド層が1,3−ビス
    (3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3
    −アミノフェノキシ)ビフェニル及び、3,3’−ジアミ
    ノベンゾフェノン(以下、DABPと略す)からなる群から
    選ばれた少なくとも一種のジアミンと、3,3’4,
    4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
    3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
    無水物、ピロメリット酸二無水物からなる群から選ばれ
    た少なくとも一種もテトラカルボン酸二無水物から合成
    され、その厚みが0.5μm以上10μm以下であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の金属箔積層板。
  5. 【請求項5】 金属箔が、銅、ニッケル、アルミニウム
    及びステンレス鋼、並びにそれらの合金からなる群から
    選ばれた少なくとも1種の金属箔であり、その厚みが5μ
    m以上150μm以下であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の金属箔積層板
  6. 【請求項6】 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片
    面に熱可塑性ポリイミドまたは該熱可塑性ポリイミドの
    前駆体であるワニスを塗布し、60℃以上600℃以下にお
    いて乾燥・キュアして熱可塑性樹脂層を形成し、さらに
    熱可塑性樹脂層に、ニッケルの付着量が0.17mg/dm2以上
    の金属箔を150℃以上600℃以下で熱圧着することを特徴
    とする請求項1乃至5いずれかに記載の金属箔積層板の
    製造方法。
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