JP2002307609A - ポリイミド金属箔積層板及びその製造方法 - Google Patents
ポリイミド金属箔積層板及びその製造方法Info
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Abstract
る金属と絶縁層との間の密着力を高める金属箔の表面処
理を用いることにより、接続信頼性を向上させたポリイ
ミド金属箔積層板を提供する。 【解決手段】 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片
面に熱可塑性ポリイミド層が形成され、該熱可塑性ポリ
イミド層の表面に金属箔が積層されたポリイミド金属箔
積層板であって、熱可塑性ポリイミドと接合する金属箔
の表面処理としてニッケルが0.17mg/dm2以上付着してい
る、金属箔積層板。
Description
板等に広く使用されている、ポリイミド金属積層板及び
その製造方法に関するものである。詳しくは、金属箔と
熱可塑性樹脂層との密着性が良好で、高密度回路基板材
料に適する金属積層板及びその製造方法に関するもので
ある。
回路基板材料として使用されてきた。特に近年の電子機
器の小型、携帯化に伴い、部品、素子の高密度実装が可
能な、ポリイミド金属積層板の利用が増大している。更
に、高密度化に対応するため、配線幅が10〜50μmとな
る微細パターンの加工に適するポリイミド金属積層板が
望まれていた。従来、ポリイミド金属箔積層板の製造方
法として、金属箔上にポリイミド前駆体であるポリイミ
ドワニス、及び/又はポリアミック酸ワニスを直接塗布
・乾燥する方法が知られている。しかしながら、直接塗
布・乾燥した場合、溶媒乾燥時の熱収縮により、ポリイ
ミド金属箔積層板にしわ、波うち、反り等が発生し、回
路基板材料として満足できるものではなかった。そこ
で、しわ、波打ち、反り等のないポリイミド金属積層板
の製造方法が提案されている。例えば、特開平7‐19334
9号公報には、非熱可塑性ポリイミド基材上熱可塑性ポ
リイミドワニス及び/または熱可塑性ポリイミドの前駆
体であるポリアミック酸ワニスを直接塗布・乾燥を行な
い熱可塑性ポリイミド層形成し、ついで熱可塑性ポリイ
ミドの表面に金属箔を加熱圧着するポリイミド金属積層
体の製造方法が開示されている。該方法により得られる
ポリイミド金属積層体は、しわ、波うち、カール等の欠
陥が無く、回路基板材料として優れた金属積層体であ
る。しかしながら、金属箔に最大表面粗度が2.0μm以下
のものを用いると、ピール強度が1.0kgf/cm以下とな
り、微細な回路パターンを形成する高密度基板材料とし
ては必ずしも満足できるものではなかった。
の問題に鑑み、金属箔と熱可塑性ポリイミド層との密着
性が良好で、微細配線パターンを形成できる高密度回路
基板材料に適するポリイミド金属積層板、及びその製造
方法を提供することにある。
果、非熱可塑性ポリイミド層、熱可塑性ポリイミド層お
よび金属箔を順次積層されたポリイミド金属積層体にお
いて、金属箔の表面処理に着目し、表面処理としてニッ
ケルを0.17mg/dm2以上を表面に付着させ、その表面と熱
可塑性ポリイミド層とを積層することにより、上記課題
が解決できることを見出し、本発明に至った。すなわ
ち、本発明は、 (1) 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱
可塑性ポリイミド層が形成され、その上に金属箔が積層
された金属箔積層板であって、該熱可塑性ポリイミド層
と接合する金属箔表面のニッケル付着量が0.17mg/dm2以
上であることを特徴とする金属箔積層板。 (2) 熱可塑性ポリイミドと接合する金属箔表面の最
大粗度(Rmax)が2.0μm以下であることを特徴とする
(1)記載の金属箔積層板 (3) 非熱可塑性ポリイミド層の厚みが5μm以上250
μm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記
載の金属箔積層板 (4) 熱可塑性ポリイミド層が1,3−ビス(3−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ビフェニル及び、3,3’−ジアミノベンゾ
フェノン(以下、DABPと略す)からなる群から選ばれた
少なくとも一種のジアミンと、3,3’4,4’−ジフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
ピロメリット酸二無水物からなる群から選ばれた少なく
とも一種もテトラカルボン酸二無水物から合成され、そ
の厚みが0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする
(1)又は(2)に記載の金属箔積層板。 (5) 金属箔が、銅、ニッケル、アルミニウム及びス
テンレス鋼、並びにそれらの合金からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の金属箔であり、その厚みが5μm以上1
50μm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記
載の金属箔積層板 (6) 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱
可塑性ポリイミドまたは該熱可塑性ポリイミドの前駆体
であるワニスを塗布し、60℃以上600℃以下において乾
燥・キュアして熱可塑性樹脂層を形成し、さらに熱可塑
性樹脂層に、ニッケルの付着量が0.17mg/dm2以上の金属
箔を150℃以上600℃以下で熱圧着することを特徴とする
(1)乃至(5)いずれかに記載の金属箔積層板の製造
方法。である。本発明によれば、金属箔と熱可塑性ポリ
イミド層との密着性が良好で、ピール強度の高いポリイ
ミド金属箔積層板が得られる。また、熱可塑性ポリイミ
ド層と金属箔の間にマイクロボイドの無いポリイミド金
属箔積層板が得られる。そのため、本発明のポリイミド
金属箔積層板は、特に高密度配線板材料として好適に使
用される。
本発明で使用する金属箔としては、銅及び銅合金、ステ
ンレス鋼及びその合金、ニッケル及びニッケル合金(42
合金も含む)、アルミニウム及びアルミニウム合金等が
挙げられる。好ましくは銅及び銅合金である。熱可塑性
ポリイミド層と接合する面の金属箔の表面処理は、該熱
可塑性ポリイミド層と金属箔のピール強度に大きな影響
を及ぼす。表面処理としてNiを付着させると、ピール強
度は大幅に向上する。本発明では、熱可塑性ポリイミド
層と接合する側の金属箔の表面処理として、ニッケルが
0.17mg/dm2以上更に好ましくは0.20 mg/dm2以上0.24 mg
/dm2以下、表面に好ましくは均一に層を形成して付着し
たものを選定して使用するのが好ましい。
の金属箔の表面粗度は、ポリイミド金属箔積層板の性能
に大きな影響を及ぼす。表面粗度が大きいと、熱可塑性
ポリイミド層と金属箔との層間にマイクロボイドが生成
し易くなり、高密度配線基板の形成用材料として好まし
くない。本発明では、かかる観点から、熱可塑性ポリイ
ミド層と接合する側の金属箔の表面粗度の最大粗度(以
下、Rmaxという)が2.0μm以下、更に好ましくは1.5μm
以下である金属箔を選定して使用するのが好ましい。
きる厚みであれば制限はないが、5μm以上150μm以下が
好ましく利用できる。市販の金属箔としては、例えば、
古河サーキットフォイル株式会社製、商品名:F1-WS
(電解銅箔)等が挙げられる。熱可塑性ポリイミド層を
形成する熱可塑性ポリイミドとしては、特定のジアミン
と特定のテトラカルボン酸二無水物から合成される組成
物が好ましく利用できる。特定のジアミンとして、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、AP
Bと略す)、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル(以下、m-BPと略す)及び、3,3’−ジアミベン
ゾフェノン(以下、DABPと略す)から選ばれた少なくと
も一種のジアミンが好ましい。特定のテトラカルボン酸
二無水物として、3,3’4,4’−ジフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸二無水物(以下、ODPAと略す)、
3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物(以下、BTDAと略す)、ピロメリット酸二無水物
(以下、PMDAと略す)から選ばれる少なくとも一種のテ
トラカルボン酸二無水物が好ましい。ジアミン成分とテ
トラカルボン酸二無水物の反応モル比は、通常、0.75〜
1.25の範囲である。
特定のテトラカルボン酸二無水物から合成される化合物
が利用できる。特定のジアミンとして、o-フェニレンジ
アミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミ
ン、4,4‘−ジアミノフェニルエーテル、3,4−ジア
ミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニル
エーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルが挙
げられる。これらは、単独または2種類以上使用しても
良い。また、前記のアミン化合物を併用する場合、特定
のジアミン成分の使用量は、少なくとも70モル%以上、
好ましくは80モル%以上である。特定のテトラカルボン
酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2’、3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸等が挙げ
られる。これらは、単独または、二種類以上使用しても
よい。
非熱可塑性ポリイミドフィルムが使用できる。例えば、
ユーピレックスS、ユーピレックスSGA、ユーピレックス
SN(宇部興産株式会社製、商品名)、カプトンH、カプ
トンV、カプトンEN(東レ・デュポン株式会社製、商品
名)、アピカルAH、アピカルNPI、アピカルHP(鐘淵化
学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。非熱可塑性
ポリイミドの表面はプラズマ処理、コロナ放電処理等を
施してもよい。熱可塑性のポリイミド層の厚みは、目的
により選択され制限はないが、0.5μm以上10μm以下、
更に好ましくは2.0μm以上5.0μm以下の範囲が好適であ
る。非熱可塑性ポリイミド層の厚みは、制限はないが、
5μm以上250μm以下、更に好ましくは10.0μm以上50.0
μm以下の範囲が好適に利用できる。本発明のポリイミ
ド金属箔積層板の製造方法について更に詳細に述べる。
本発明の方法は、非熱可塑性ポリイミド基体の片面また
は両面に熱可塑性ポリイミド層を形成し、該熱可塑性ポ
リイミド層を接着層とする。熱可塑性ポリイミド層に表
面にニッケルが0.17mg/dm2以上で付着し、且つ、好ま
しくは表面の最大粗度が2.0μm以下である金属箔を熱圧
着する方法で製造できる。
は、両面に熱可塑性ポリイミド層を形成する方法、すな
わち、接着テープの製造方法について詳細に説明する。
非熱可塑性ポリイミド基体上に熱可塑性ポリイミドの溶
液、または、該熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリ
アミック酸溶液(以下、これらを総称してワニスとい
う)を直接塗布・乾燥することにより製造することが出
来る。ワニスは、前記の特定のジアミンとテトラカルボ
ン酸二無水物を溶媒中で重合して得られた溶液である。
非熱可塑性ポリイミド基体上に直接塗布する方法として
は、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、
グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコータ
ー等の公知の方法が採用できる。塗布する厚み、ワニス
の粘度等に応じて適宜利用できる。
は、通常の加熱乾燥炉が利用できる。乾燥炉の雰囲気と
しては、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利
用できる。乾燥の温度としては、溶媒の沸点により適宜
選択するが、60℃以上600℃以下の温度範囲が好適に利
用される。乾燥の時間は、厚み、濃度、溶媒の種類によ
り適宜選択するが0.05分以上500分以下程度で行なうの
が望ましい。次いで、接着テープの熱可塑性ポリイミド
層の表面に金属箔を熱圧着する方法について述べる。熱
圧着する方法について制限はないが、例えば、代表的方
法として、加熱プレス法及び/又は熱ラミネート法が挙
げられる。加熱プレス法としては、例えば、接着テープ
と金属箔をプレス機の所定のサイズに切りだし、重ね合
わせを行ない加熱プレスにより熱圧着することにより製
造できる。加熱温度としては、150℃以上600℃以下の温
度範囲が望ましい。加圧力としては、制限は無いが、好
ましくは0.1以上500kg/cm2以下で製造できる。加圧時間
としては、特に制限はない。
が、ロールとロール間に挟み込み、張り合わせを行なう
方法が好ましい。ロールは金属ロール、ゴムロール等が
利用できる。材質に制限はないが、金属ロールとして
は、鋼材やステンレス材料が使用される。表面にクロム
メッキ等が処理されたロールを使用することが好まし
い。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性の
あるシリコンゴム、フッ素系のゴムを使用することが好
ましい。ラミネート温度としては、100以上300℃以下の
温度範囲が好ましい。加熱方式は、伝導加熱方式の他、
遠赤外等の輻射加熱方式、誘導加熱方式等も利用でき
る。熱ラミネート後、加熱アニールすることも好まし
い。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等
が利用できる。加熱雰囲気として、空気、イナートガス
(窒素、アルゴン)等が利用できる。加熱方法として
は、フィルムを連続的に加熱する方法またはフィルムを
コアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方
法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射
加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。加熱
温度は、200℃以上600℃以下の温度範囲が好ましい。加
熱時間は、0.05分以上5000分以下の時間範囲が好まし
い。
積層板は、金属箔と熱可塑性ポリイミドとの間の接着力
が優れ、また、金属箔と熱可塑性ポリイミド層との層間
にマイクロボイドが無いことから、エッチング、穴あ
け、メッキ等の加工を行ない10μm以上50μm以下の微細
加工を形成しても、剥がれ等の問題の無い電子部品とし
て高密度実装加工が可能となる。
する。尚、実施例に示した金属箔の表面処理付着量、金
属箔の表面の最大粗度、金属箔と熱可塑性ポリイミド層
とのピール強度は、下記の方法により測定した。 (1)表面処理付着量 分析用の蛍光X線測定装置を用いて、直径40mmの円盤状
に切りだしたサンプルを測定する。面積あたりの付着量
に換算して求めた。単位はmg/dm2である。 (2)最大粗度(Rmax) 表面粗度計(小坂研究所製、形式:サーフコーダーSE-3
0D)を用いて、JIS B-0601に規定される方法に従い、
カットオフ値0.25mm、測定長さ2mmとして測定する。 (3)ピール強度(kg/cm) 長さ100mm、幅2mmの試料について、JIS C-6471に規定
される方法に従い、短辺の端から金属箔と熱可塑性ポリ
イミド層を剥離し、その応力を測定する。剥離角度を90
°、剥離速度を50mm/minとした。
てAPBを20モルとテトラカルボン酸成分としてBTDAを19.
4モル秤量し、N,N-ジメチルアセト溶媒中で混合した。
混合温度及び時間は、23℃,8時間であった。また、混合
時の固形分濃度は17重量 %で実施した。得られたポリ
アミック酸ワニスの粘度は25℃において400cpsであり塗
工に適したものであった。
して、PPDを7.7モル、ODAを1.15モル、m-BPを1.15モル
秤量した。テトラカルボン酸成分として、BPDAを5.4モ
ル、PMDAを4.45モル秤量した。N,Nジメチルアセトアミ
ドとN-メチル-2−ピロリドン混合溶媒に溶解し混合し
た。溶媒の比率は、前者23重量%、後者77重量%であっ
た。反応温度、時間は、23℃、6時間であった。また、
反応時の固形分濃度は、20重量%である。得られたポリ
アミック酸ワニスの粘度は25℃において20000cpsであ
り、塗工に適したものであった。
市販のポリイミドフィルム(東レデュポン株式会社製、
商品名:カプトンEN、厚み;50μm)を用い、その片面
にコータ−ドライヤー装置を用いて、合成例1のポリア
ミック酸ワニスを塗布し、乾燥を行なって、非熱可塑性
ポリイミド層に熱可塑性ポリイミド層を形成した。塗布
には、リバースロールコータ−を使用し、塗布厚みは乾
燥後の厚みで7μmであった。乾燥の最高温度は295℃で
行なった。 <ラミネートの実施>金属箔として、市販の銅箔(古河
サーキットフォイル社製、商品名:F1-WS、厚み:18μ
m、熱可塑性ポリイミド層側の表目処理付着量:ニッケ
ル0.22mg/dm2、熱可塑性ポリイミド層側の表面最大粗度
(Rmax):1.6μm)を使用した。銅箔、接着テープを
重ね合わせ熱ラミネートを実施し、銅箔/熱可塑性ポリ
イミド/非熱可塑性ポリイミドの3層からなるポリイミ
ド金属箔積層板を製造した。熱ラミネートは、シリコン
ゴムラミネートを使用し、ロール内部加熱方式のラミネ
ート機を使用した。ラミネートロールの表面温度を240
℃に加熱した。 <アニールの実施>3層からなるポリイミド金属箔積層
板をバッチ式オートクレーブ中でアニールを実施した。
条件は、温度280℃において、4時間、窒素ガス雰囲気中
で行った。 <ポリイミド金属箔積層板の評価>得られたポリイミド
金属箔積層板の評価を上記方法により実施した。その結
果、ピール強度は1.8kgf/cmで良好であった。マイクロ
ボイドの評価を実施した結果、銅箔の表面と同一の表面
状態が観察され、マイクロボイドが形成された形跡は見
らなかった。画像解析によるマイクロボイドの面積比率
は0%であった。以上の結果から、回路基板材料として
適した材料であった。結果を〔表1〕に示す。
市販のポリイミドフィルム(鐘淵化学株式会社製、商品
名:アピカルNPI、厚み:25μm)を用い、その両面に合
成例1のポリアミック酸ワニスを塗布した以外、実施例
1と同様にして接着テープを製造した。 <加熱圧着の実施>金属箔として、市販の銅合金箔〔オ
ーリン社製、商品名:C7025(特注銘柄)、厚み:18μ
m、熱可塑性ポリイミド層側の表面処理ニッケル付着
量:0.17mg/dm2、表面最大粗度(Rmax):1.8μm〕を使
用した。接着テープの両面に、1辺が300mmの正方形の
銅合金を重ね合わせたものを20セット重ね合わせ、それ
をクッション材(金陽社製、商品名:キンヨーボードF2
00)で挟み、さらにその外側を鏡面板ではさみ加熱プレ
ス機で230℃、70kg/cm2の条件下で、1時間加熱圧着して
銅合金箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド
/熱可塑性ポリイミド/銅合金箔の5層からなるポリイ
ミド金属箔積層板を製造した。 <ポリイミド金属箔積層板の評価>実施例1と同様にし
て評価した。その結果、ピール強度は両面とも2.1kgf/
cmであった。また、マイクロボイドの評価では、銅合金
箔の表面と同一の形状が観察され、マイクロボイドは観
察されなかった。画像解析によるボイド面積は0%であ
った。以上の結果、高密度基板材料として適した材料で
あった。結果を〔表1〕に示す。
プを製造した。 <ラミネート、アニールの実施>市販の銅箔〔古川サー
キットフォイル株式会社製、商品名:F2-WS、厚み18μ
m、熱可塑性ポリイミド層側に表面処理ニッケル付着
量:0.11mg/dm2、表面最大粗度(Rmax):2.5μm〕を
使用した以外、実施例1と同様の方法でラミネート、ア
ニールを実施し、銅箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性
ポリイミドの3層からなるポリイミド金属箔積層板を製
造した。 <ポリイミド金属箔積層板の評価>実施例1と同様にし
て評価した。その結果、ピール強度は0.8kgf/cmであっ
た。また、マイクロボイドの評価を行ったところ、エッ
チングした熱可塑性ポリイミドフィルム表面全体に10〜
50μm程度のボイドが観察された。画像解析装置により
ボイドの痕跡の面積比率を算出した結果、23%であっ
た。以上の評価結果から、ボイドが多く、微細回路を必
要とする高密度回路基板材料としては不適当な材料であ
った。結果を表1に示す。
の銅箔(日本電解株式会社製、商品名:SLP-18、厚み:
18μm、熱可塑性ポリイミド層側の表面処理ニッケル付
着量:0.11mg/dm2、表面最大粗度(Rmax):4.5μm)を
使用した以外、実施例2と同様にして、銅箔/熱可塑性
ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド
/銅箔の5層構造のポリイミド金属箔積層板を製造した。 <ポリイミド金属箔積層板の評価>実施例1と同様にし
て評価した。その結果、ピール強度は両面ともに0.6kgf
/cmであった。マイクロボイドの評価を実施したとこ
ろ、エッチングにより露出した熱可塑性ポリイミド層の
表面全体に10〜50μm程度のボイドの痕跡が観察され
た。画像解析によるマイクロボイドの面積比率は5%で
あった。以上の結果、ピール強度が弱く、マイクロボイ
ドが多い、高密度回路基板材料として不適当な材料であ
った。結果を〔表1〕に示す。
属箔と熱可塑性ポリイミドの密着性に優れ、かつマイク
ロボイドの無い優れた積層板である。そのため、高密度
配線を必要とする、フレキシブルプリント配線板、ICパ
ッケージ、LCD配線板等の配線基材として有効に利用で
きる。
Claims (6)
- 【請求項1】 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片
面に熱可塑性ポリイミド層が形成され、その上に金属箔
が積層された金属薄積層板であって、該熱可塑性ポリイ
ミド層と接合する金属箔表面のニッケル付着量が0.17mg
/dm2以上であることを特徴とする金属箔積層板。 - 【請求項2】 熱可塑性ポリイミドと接合する金属箔表
面の最大粗度(Rmax)が2.0μm以下であることを特徴と
する請求項1記載の金属箔積層板 - 【請求項3】 非熱可塑性ポリイミド層の厚みが5μm以
上250μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に
記載のポリイミド金属箔積層板 - 【請求項4】 熱可塑性ポリイミド層が1,3−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3
−アミノフェノキシ)ビフェニル及び、3,3’−ジアミ
ノベンゾフェノン(以下、DABPと略す)からなる群から
選ばれた少なくとも一種のジアミンと、3,3’4,
4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、ピロメリット酸二無水物からなる群から選ばれ
た少なくとも一種もテトラカルボン酸二無水物から合成
され、その厚みが0.5μm以上10μm以下であることを特
徴とする請求項1又は2に記載の金属箔積層板。 - 【請求項5】 金属箔が、銅、ニッケル、アルミニウム
及びステンレス鋼、並びにそれらの合金からなる群から
選ばれた少なくとも1種の金属箔であり、その厚みが5μ
m以上150μm以下であることを特徴とする請求項1又は2
に記載の金属箔積層板 - 【請求項6】 非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片
面に熱可塑性ポリイミドまたは該熱可塑性ポリイミドの
前駆体であるワニスを塗布し、60℃以上600℃以下にお
いて乾燥・キュアして熱可塑性樹脂層を形成し、さらに
熱可塑性樹脂層に、ニッケルの付着量が0.17mg/dm2以上
の金属箔を150℃以上600℃以下で熱圧着することを特徴
とする請求項1乃至5いずれかに記載の金属箔積層板の
製造方法。
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