JP4187465B2 - 極薄銅箔を用いたポリイミド銅張積層板及びその製造方法 - Google Patents

極薄銅箔を用いたポリイミド銅張積層板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフレキシブル配線基板等に広く使用されている、ポリイミド銅張積層板及びその製造方法に関するものである。詳しくは、銅箔のエッチング性能が良好であり、かつ、パターンメッキにより超微細回路を形成することができる、高密度回路基板材料に適する銅張積層板関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリイミド銅張積層板は主に回路基板材料として使用されてきた。特に近年の電子機器の小型、携帯化に伴い、部品、素子の高密度実装が可能な、ポリイミド銅張積層板の利用が増大している。更に、高密度化に対応するため、配線幅が10μm〜50μmとなる微細パターンの加工に適するポリイミド銅張積層板が望まれている。
【0003】
従来のポリイミド銅張積層板の製造方法としては、銅箔上にポリイミド前駆体であるポリイミドワニス及び/又はポリアミック酸ワニスを直接塗布・乾燥する方法が知られている。しかしながら、直接塗布・乾燥した場合、溶媒乾燥時の熱収縮により、ポリイミド銅張積層板にしわ、波うち、反り等が発生し、回路基板材料として満足できるものではなかった。そこで、しわ、波打ち、反り等のないポリイミド銅張積層板の製造方法が提案されている。
【0004】
例えば、特開平7-193349号公報には、非熱可塑性ポリイミド基材上熱可塑性ポリイミドワニス及び/または熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸ワニスを直接塗布・乾燥を行ない熱可塑性ポリイミド層を形成し、ついで熱可塑性ポリイミドの表面に銅箔を加熱圧着するポリイミド銅張積層体の製造方法が開示されている。該方法により得られるポリイミド銅張積層体は、しわ、波打ち、カール等の欠陥が無く、回路基板材料として優れた金属積層体である。しかしながら、銅箔に9μm未満のものを用いると銅箔にシワ、破れ等の欠陥が発生し、微細な回路パターンを形成する高密度基板材料としては必ずしも満足できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題に鑑み、銅箔のエッチング特性が良好で、微細配線パターンを形成でき、かつ、パターンメッキ工法が適用可能な高密度回路基板材料に適するポリイミド銅張積層板提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、ポリイミドと銅箔を積層したポリイミド銅張積層体において、支持体金属層と銅箔が特定成分を含有する剥離層を介して接合されると厚さ0.1〜9μmの極薄銅箔を用いたポリイミド銅張積層体が出来ることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、剥離層を介して支持体金属層を結合させている銅箔にポリイミドを積層したポリイミド銅張積層板において、銅箔が厚さ0.1〜9μmの極薄銅箔であり、剥離層のクロム含有量が1.1mg/dm2〜10mg/cm2、かつコバルト含有量が85.0mg/dm2〜100mg/dm2であることを特徴とするポリイミド銅張積層板に関するものである。
【0008】
本発明に係わる上記ポリイミド銅張積層板の製造方法は、 例えば、非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも片面に熱可塑性ポリイミドまたは、該熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含むワニスを塗布し、60℃〜600℃において乾燥・キュアして熱可塑性ポリイミド層を形成し、さらに熱可塑性ポリイミド層の表面に、支持体金属層と銅箔が剥離層を介して接合された極薄銅箔を150℃〜600℃において熱圧着する方法、ポリイミドの前駆体ワニスを、支持体金属層と銅箔が剥離層を介して接合された極薄銅箔上に塗布し60℃〜600℃において乾燥・キュアして積層する方法、さらにそれらを組み合わせることで積層する方法等が挙げられる。
【0009】
本発明によれば、銅箔のエッチング特性が良好なポリイミド銅張積層板が得られる。また、 パターンメッキ工法が適用可能なポリイミド銅張積層板が得られる。そのため、本発明のポリイミド銅張積層板は、特に高密度配線板材料として好適に使用される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明のポリイミド銅張積層板は、 ポリイミドと極薄銅箔が、加熱圧着により積層されるか、または、ポリイミドの前駆体ワニスを金属箔に塗布乾燥して積層されるか、さらにそれらを組み合わせることで積層されるか、それらいずれかにより製造される。
【0011】
本発明で使用する極薄銅箔は、支持体金属層と銅箔が剥離層を介して接合された極薄銅箔である。支持体金属層として、好ましくは銅、鉄、銀、金、アルミニウム、ステンレス、スズ、ニッケル等が用いられる。更に好ましくは、銅及び銅合金である。
【0012】
支持体金属層と銅箔の剥離層は、熱可塑性ポリイミドと銅箔を熱圧着または、ポリイミドの前駆体ワニスを銅箔に塗布乾燥して積層した後の支持体金属層と銅箔の剥離強度に大きな影響を及ぼす。そのため、支持体金属層と銅箔の剥離層に加熱による影響を受けやすい有機物ではなく、熱的に安定な無機物を用いるのが好ましい。無機物の例としては、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウム、チタン、これらの混合物等が挙げられる。好ましくは、クロム及びコバルトが用いられる。
尚、剥離層のクロム含有量は、好ましくは1.1mg/dm2〜10mg/cm2であり、コバルト含有量は、85.0mg/dm2〜100mg/dm2が好ましい。
【0013】
また、熱可塑性ポリイミド層と接合する極薄銅箔の厚みは、ポリイミド銅張積層板の回路形成の品質に大きな影響を及ぼす。極薄銅箔の厚みは、0.1〜9μmであり、銅箔の厚みが9μmより厚い場合には、配線幅25μm、スペース幅25μm以下のファインパターンを形成する場合、銅箔がエッチングされずに残る部分があり、ショートが発生する。すなわち、銅箔が厚いと銅回路のポリイミド側の幅が、ポリイミド側でない銅回路の幅よりも著しく大きくなり、ポリイミド側の銅回路がショートする。
【0014】
また、支持体金属層の厚みは、テープ状に利用できる厚みであれば制限はないが9μm〜150μmが好ましく利用できる。
【0015】
支持体金属層と剥離層を介して接合された極薄銅箔としては、例えば、市販の古河サーキットフォイル株式会社製、商品名;F-CP(電解銅箔)等が使用できる。
【0016】
熱可塑性ポリイミド層を形成する熱可塑性ポリイミドとしては、特定のジアミンと特定のテトラカルボン酸二無水物から合成される化合物が好ましくは利用できる。
特定のジアミンとしては、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、APB と略す)、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル(以下、m-BPと略す)及び、3,3'-ジアミノベンゾフェノン(以下、DABP と略す)から選ばれた少なくとも1種のジアミンが好ましい例である。
【0017】
特定のテトラカルボン酸二無水物として、3,3',4、4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(以下、ODPA と略す)、 3,3',4 ,4'-べンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDA と略す)、ピロメリット酸無水物(以下、PMDA と略す)、、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと略す)から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
【0018】
いいかえれば、本発明のポリイミド銅張積層板に用いる熱可塑性ポリイミドは、APB、m-BP、DABP からなるジアミン群から選ばれる少なくとも一種のジアミン成分と、ODPA、BTDA、PMDA及び BPDA からなる群から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物成分を用いて得られる重縮合ポリマーが好ましい。ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物の反応モル比は、好ましくは、0.75〜1.25の範囲である。
【0019】
乾燥の温度としては、溶媒の沸点により適宜選択するが、60℃〜600℃の温度範囲が好適に利用される。乾燥の時間は、厚み、濃度、溶媒の種類により適宜選択するが0.05分〜500分程度で行なうのが望ましい。
【0020】
ついで、熱可塑性ポリイミド層の表面に銅箔を熱圧着する方法について述べる。熱圧着する方法について制限はないが、例えば、代表的方法として、加熱プレス法及び/又は熱ラミネート法が挙げられる。加熱プレス法としては、例えば、接着テープをプレス機の所定のサイズに切りだし、重ね合わせを行ない加熱プレスにより熱圧着することにより製造できる。加熱温度としては、150℃〜600℃の温度範囲が望ましい。加圧力としては、制限は無いが、好ましくは 0.1kg/cm2〜500kg/cm2で製造できる。加圧時間としては、特に制限はない。
【0021】
ラミネート方法としては、特に制限は無いが、ロールとロール間に挟み込み、張り合わせを行なう方法が好ましい。ロールは金属ロール、ゴムロール等が利用できる。材質に制限はないが、金属ロールとしては、鋼材やステンレス材料が使用される。表面にクロムメッキ等が処理されたロールを使用することが好ましい。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性のあるシリコンゴム、フッ素系のゴムを使用することが好ましい。ラミネート温度としては、100℃〜300℃の温度範囲が好ましい。加熱方式は、伝導加熱方式の他、遠赤外等の幅射加熱方式、誘導加熱方式等も利用できる。
【0022】
熱ラミネート後、加熱アニールすることも好ましい。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等が利用できる。加熱雰囲気として、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。加熱方法としては、フィルムを連続的に加熱する方法またはフィルムをコアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。加熱温度は、200℃〜600℃の温度範囲が好ましい。加熱時間は、0.06分〜5000分の時間範囲が好ましい。
【0023】
次に、支持体金属層と極薄銅箔の剥離法について述べる。剥離法について制限はないが、支持体金属層と極薄銅箔の剥離強度が0.02N/mm以上、0.05N/mm以下であり、剥離が容易なため、連続的に支持体金属層を巻き取る装置が使用できる。好ましくは、張力コントロールできる装置を用いることが望ましい。
【0024】
本発明により提供されるポリイミド金属箔積層板は、金属箔のエッチング特性に優れ、また、金属箔と熱可塑性ポリイミド層のピール強度が強いことから、エッチング、穴あけ、メッキ等の加工を行ない10μm〜50μmの微細加工を形成しても、剥がれ等の問題の無い電子部品として高密度実装加工が可能となる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。エッチング特性は、回路の加工形状を示すエッチングファクターを指標とした。尚、実施例に示した金属箔のエッチングファクター、極薄銅箔と支持体金属層の剥離強度、極薄銅箔と熱可塑性ポリイミド層との剥離強度は、下記の方法により測定した。
(1)エッチングファクター
図1に定義を示す。金属回路のポリイミド側の幅を、回路のボトム幅(WB)とし、ポリイミド側でない金属回路の幅を回路のトップ幅(WT)とし、金属箔の厚みをTとしたとき、式1により算出する。それぞれの値は、金属回路の断面を100倍の光学顕微鏡で観察し、測定する。
【0026】
【式1】
EF=T/(WB-WT)/2=2T/(WB-WT)
【0027】
(2)支持体金属層と極薄銅箔の剥離強度
長さ100mm、幅10mmの試料について、JIS C6471に規定される方法に従い、短辺の端から支持体金属層と極薄銅箔を剥離し、その応力を測定する。剥離角度を90°、剥離速度を50mm/minとした。
【0028】
(3) 極薄銅箔と熱可塑性ポリイミド層との剥離強度
長さ100mm、幅1mmの試料について、JIS C-6471に規定される方法に従い、短辺の端から金属箔と熱可塑性ポリイミド層を剥離し、その応力を測定する。剥離角度を90゜、剥離速度を50mm/minとした。
【0029】
合成例1
<熱可塑性ポリイミド前駆体の合成>
ジアミン成分としてAPBを20モルとテトラカルボン酸成分としてBTDAを19.4モル秤量し、N,N-ジメチルアセトアミド溶媒中で混合した。混合温度及び時間は、23℃、8時間であった。また、混合時の固形分濃度は17重量 %で実施した。得られたポリアミック酸ワニスの粘度は25℃において400cpsであり塗工に適したものであった。
【0030】
実施例1
<接着テープの製造>
非熱可塑性ポリイミド層として、市販のポリイミドフィルム(東レデュポン株式会社製、商品名:カプトンEN、厚み;50μm)を用い、その片面にコータードライヤー装置を用いて、合成例1のポリアミック酸ワニスを塗布し、乾燥を行なって、非熱可塑性ポリイミド層の上に熱可塑性ポリイミド層を形成した。塗布には、リバースロールコーターを使用し、塗布厚みは乾燥後の厚みで7μmであった。乾燥の最高温度は295℃で行なった。
【0031】
<ラミネートの実施>
金属箔として、市販の支持体金属付き極薄銅箔(古河サーキットフォイル社製、商品名:F-CP、支持体銅箔厚み:35μm、極薄銅箔厚み:3μm、剥離層のクロム量1.1mg/dm2、剥離層のコバルト量85.0m/dm2を使用した。銅箔、接着テープを重ね合わせ熱ラミネートを実施し、支持体銅箔/極薄銅箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミドの 4層からなるポリイミド金属箔積層板を製造した。熱ラミネートは、シリコンゴムラミネートを使用し、ロール内部加熱方式のラミネート機を使用した。ラミネートロールの表面温度を240℃に加熱した。ラミネートの圧力は5N/mm2であった。
4層からなるポリイミド金属箔積層板をバッチ式オートクレーブ中でアニールを実施した。条件は、温度280℃において、4時間、窒素ガス雰囲気中で行った。圧力は10kgf/cm2であった。
【0032】
<ポリイミド金属箔積層板の評価>
得られたポリイミド金属箔積層板の評価を上記方法により実施した。その結果、 エッチングファクターは、回路のボトム幅が 80μm のとき、5.0 であった。支持体銅箔と極薄銅箔の剥離強度は 0.03N/mmで良好であった。極薄銅箔と熱可塑性ポリイミドの剥離強度は、1.1N/mmであった。以上の結果から、回路基板材料として適した材料であった。結果を表1に示す。
【0033】
実施例2
<接着テープの製造>
非熱可塑性ポリイミド層として、市販のポリイミドフィルム(鐘淵化学株式会社製、商品名:アピカルNP1、厚み:25μm)を用い、その両面に合成例1のポリアミック酸ワニスを塗布した以外、実施例1と同様にして接着テープを製造した。
【0034】
<加熱圧着の実施>
金属箔として、市販の極薄銅箔〔古河サーキットフォイル社製、商品名:F-CPM(特注銘柄)、支持体銅箔厚み:35μm、極薄銅箔厚み:5μm、剥離層のクロム量1.5mg/dm2、剥離層のコバルト量100mg/dm2〕を使用した。接着テープの両面に、1辺が300mm の正方形の極薄銅箔を重ね合わせたものを20セット重ね合わせ、それをクッション材(金陽社製、商品名:キンヨーボードF200)で挟み、さらにその外側を鏡面板ではさみ加熱プレス機で 230℃、70kg/cm2 の条件下で、1時間加熱圧着して支持体銅箔/極薄銅箔/ 熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド/極薄銅箔/支持体銅の7層からなるポリイミド金属箔積層板を製造した。
【0035】
<ポリイミド金属箔積層板の評価>
実施例1と同様にして評価した。その結果、エッチングファクターは回路のボトム幅が 80μmのとき、4.5 であった。支持体銅箔と極薄銅箔の剥離強度は、0.02N/mmと良好であった。極薄銅箔と熱可塑性ポリイミドの剥離強度は両面とも1.3N/mmであった。以上の結果、高密度基板材料として適した材料であった。結果を表1に示す。
【0036】
比較例1
<接着テープの製造>
実施例1と同様の方法で接着テープを製造した。
<ラミネート、アニールの実施>
市販の銅箔〔古河サーキットフォイル株式会社製、商品名:F-DP、支持体銅箔厚み35μm、極薄銅箔厚み3μm、剥離層クロム量0.5mg/dm2、剥離層コバルト量1.0mg/dm2〕を使用した以外、実施例1と同様の方法でラミネート、アニールを実施し、支持体銅箔/極薄銅箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミドの4層からなるポリイミド金属箔積層板を製造した。
【0037】
<ポリイミド金属箔積層板の評価>
実施例1と同様にして評価した。その結果、エッチングファクターは、回路のボトム幅80μmのとき、4.0であった。支持体銅箔と極薄銅箔の剥離強度は0.5N/mm、極薄銅箔と熱可塑性ポリイミドの剥離強度は 1.1N/mmであった。以上の評価結果から、支持体金属の剥離が困難で、微細回路を必要とする高密度回路基板材料としては不適当な材料であった。結果を表1に示す。
【0038】
比較例2
<ポリイミド金属箔積層板の製造>
金属箔として、市販の極薄銅箔(三井金属鉱業株式会社製、商品名:Microthin-M、支持体銅箔厚み:35μm、極薄銅箔厚み:5μm、剥離層クロム量0mg/dm2、剥離層コバルト量0mg/dm2)を使用した以外、実施例2と同様にして、支持体銅箔/極薄銅箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド/極薄銅箔/支持体銅箔の7層構造のポリイミド金属箔積層板を製造した。
【0039】
<ポリイミド金属箔積層板の評価>
実施例1と同様にして評価した。その結果、エッチングファクターは、回路のボトム幅が80μmのとき、3.5であった。支持体銅箔と極薄銅箔の剥離強度は1.2N/mm、極薄銅箔と熱可塑性ポリイミドの剥離強度は両面ともに0.6N/mmであった。以上の結果、支持体銅箔と極薄銅箔の剥離強度が強すぎて、支持体金属を剥離することができない、高密度回路基板材料として不適当な材料であった。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004187465
【0041】
【発明の効果】
本発明のポリイミド金属箔積層板は、金属箔のエッチング特性が優れ、支持体金属を極薄銅箔から変形なく剥離できる積層板である。そのため、高密度配線を必要とする、フレギシブルプリント配線板、ICパッケージ、LCD配線板等の配線基材として有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エッチングファクターを算出するための金属回路である。

Claims (2)

  1. 剥離層を介して支持体金属層を結合させている銅箔にポリイミドを積層したポリイミド銅張積層板において、銅箔が厚さ0.1〜9μmの極薄銅箔であり、剥離層のクロム含有量が1.1mg/dm2〜10mg/cm2、かつコバルト含有量が85.0mg/dm2〜100mg/dm2 であるものを選択し、極薄銅箔に積層しているポリイミドが、 1 3- ビス (3- アミノフェノキシ ) ベンゼン、 4 4'- ビス (3- アミノフェノキシ ) ビフェニル及び、 3 3'- ジアミノベンゾフェノンから選ばれた少なくとも一種以上のジアミンと、 3 3' 4 4'- ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、 3 3' 4 4'- ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、 3 3' 4 4'- ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から選ばれた少なくとも一種以上のテトラカルボン酸二無水物から合成された熱可塑性ポリイミドであることを特徴とするポリイミド銅張積層板。
  2. 支持体金属層と極薄銅箔の剥離強度が、0.02N/mm以上、0.05N/mm以下である請求項1記載の銅張積層板。
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