明 細 書
黒色化処理面を備える表面処理銅箔、その表面処理銅箔の製造方法及 びその表面処理銅箔を用いたプラズマディスプレイの前面パネル用の電磁波遮 蔽導電性メッシュ
技術分野
[0001] 黒色化処理面を備える表面処理銅箔及びその表面処理銅箔を用いたプラズマデ イスプレイの前面パネル用の電磁波遮蔽金属メッシュに関する。
背景技術
[0002] プラズマディスプレイパネルのシールド用導電性メッシュは、進歩の過程において、 金属化繊維織物から導電性メッシュへと変遷してきた。この導電性メッシュの製造に は、いくつかの方法が確立されている。その一つは、表面処理銅箔を PETフィルムに ラミネートして張り合わせ、フォトリソグラフエッチング法を用いて製造するものである。 そして、もう一つは、表面処理銅箔を支持基材と共にフォトリソグラフエッチング法で エッチングして、その後、支持基材を剥がした表面処理銅箔単体の導電性メッシュで ある。
[0003] 更に、近年の省電力化の要求から、プラズマ発生信号電圧を 200Vから 50Vレべ ルを目標として開発が行われており、当該電圧の低下に伴う輝度の減少を、導電性 メッシュの回路幅を細線ィ匕し、導電性メッシュによる前面ガラスパネルの被覆率を減 少させる試みがなされてきた。そのため、導電性メッシュの厚さを薄くして、エッチング 加工を容易にすることが行われてきた。その一つが、 PETフィルム上にスパッタリング 蒸着法により、電気メツキの種となるシード層を形成し、その後電解銅メツキ等で薄い 銅層を形成し、フォトリソグラフエッチング法で、メッシュ線幅を微細化した導電性メッ シュの製造が行われてきた。
[0004] これらの 、ずれの方法で導電性メッシュが製造されるにせよ、導電性メッシュ自体 は前面パネルの中に組み込まれ、前面ガラスを通して表面力 視認できるものである ため、その導電性メッシュに加工される表面処理銅箔の片面は、黒色に処理され透 過光の輝度を引き立たせるようにする。従来から、この処理には多層プリント配線板
の、内層回路の榭脂層との接着性向上のために行う酸化銅層を形成する黒ィ匕処理 等が転用されてきた。
[0005] 非特許文献 1 : PDP材料の技術動向 日立化成テク-カルレポート 第 33号(1999
7)
特許文献 1:特開平 11—186785号公報
特許文献 2:特開 2000-31588号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] し力しながら、上述の黒ィ匕処理には、重大な問題があった。即ち、銅箔表面に銅の 黒色酸化物を多く付けると、確かに黒色の強い良好な黒色化面が得られる。ところが 、銅箔の表面に形成した銅の黒色酸ィ匕物は、付着量が多くなるほど、黒色化面から 脱落しやすぐいわゆる粉落ち現象が起きやすいのである。
[0007] 粉落ち現象が発生すると、脱落した黒色酸化物が無用な箇所に混入したり、前面 パネルのガラスと一体ィ匕させるための透明化処理の時に、透明接着剤層に分散して 透明度を劣化させる要因ともなり得るのである。
[0008] 一方で、黒化処理のように粉落ちがなぐ良好な黒色面を形成することの出来る黒 色化処理として、一般的な黒色ニッケルメツキ、硫ィ匕ニッケルメツキ、コバルトメツキ等 が検討されてきた力 通常の銅のエッチングプロセスで黒色化処理面側力 のエッチ ング加工ができな!/、と!/、う問題が生じて 、た。
[0009] そこで、ニッケルメツキに関しての問題点は、本件発明者等が特願 2003— 045669 にて解決方法を開示してきた。ところが、依然としてコバルトメツキを用いた黒色化処 理面を備える表面処理銅箔に関しての問題解決は図れていな力つたのである。特に 、現在市場に流通しているコバルトの黒色系メツキ被膜を備えた銅箔には、銅のエツ チャントを用いてのコバルト層のエッチング加工が困難であると 、う問題が生じて 、る のである。
[0010] そのため、巿場では、良好な黒色を持つ黒色化処理層を備え且つ通常の銅エッチ ングプロセスで容易にエッチングカ卩ェ可能なコバルトメツキ被膜を備える表面処理銅 箔、及び、そのような表面処理銅箔で製造された導電性メッシュが望まれてきたので
ある。
課題を解決するための手段
[0011] そこで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、以下に示すような表面処理銅箔を用 いることで、黒色系のコバルトメツキ層を備える表面処理銅箔であっても、銅エツチヤ ントで容易にエッチングカ卩ェ可能で、高品質のプラズマディスプレイの前面パネル用 の電磁波遮蔽導電性メッシュを得ることが可能であることに想到したのである。
[0012] <黒色化処理面を備える表面処理銅箔 >
本件発明に係る黒色化処理面を備える表面処理銅箔は、防鲭処理層を備えな 、 場合と、防鲭処理層を備える場合とを含むものである。従って、防鲭処理層は必須の ものではないが、表面処理銅箔として長期保存性を確保するためには必要となるも のである。以下、本件発明に係る表面処理銅箔に関して説明する。
[0013] 第 1表面処理銅箔: 本件発明に係る表面処理銅箔は、「光沢面上に黒色化処理面 を備える表面処理銅箔であって、銅箔層の片面に重量厚さ 200mgZm2— 400mg Zm2の硫酸コバルトメツキ層を設け、且つ、その黒色化処理面の断面高さが 200nm 以下であることを特徴とする表面処理銅箔 (以下、「第 1表面処理銅箔」と称する。 ) o 」である。この表面処理銅箔 1 aの断面層構成を模式的に示したのが図 1である。
[0014] この図 1には、電解銅箔 7の光沢面に硫酸コバルトメツキ層 4を形成し、反対面 (電 解銅箔の場合には粗面に該当)には微細銅粒 3で粗化処理を施した状態の表面処 理銅箔 laを一例として模式的に記載している。し力しながら、このときに用いる銅箔 の反対面は、粗ィ匕処理を行っても、粗ィ匕処理を行っていないものでも構わない。そこ で図 2には、反対面の粗化処理を省略した場合の表面処理銅箔 lbを模式的に示し ている。微細銅粒 3で構成する粗ィ匕処理層 2は、基材等との接着性改善等を目的とし て形成されるものであり、必要に応じて設ければよいのである。この粗化処理層 2を形 成する場合の方法は、上述のように微細銅粒を付着形成する方法、微細な酸化銅を 付着させる等の方法を採用することが可能であり、特に粗ィ匕処理方法に限定はない 。なお、銅箔層 7には、電解法で得られた電解銅箔、圧延法で得られた圧延銅箔が 主に用いられるのである。
[0015] そして、この銅箔層 7の滑らかな光沢面に硫酸コバルトメツキ層 4を設けるのである。
ここで言う硫酸コバルトメツキ層 4とは、硫酸コバルト溶液を用いてメツキ法で形成した 層を意味するものとして用いているのである。この硫酸コバルトメツキ層 4は、後述する 製造方法を採用し重量厚さ 200mgZm2— 400mgZm2のものとすることで、銅エツ チング液に対する溶解性に優れ、且つ、十分な黒色化が可能となるのである。従来 のコノ レト層を用いた黒色系メツキ被膜を備えた銅箔のコノ レト層は、その重量厚さ が lOOOmgZm2前後であり、非常に厚ぐメツキ層の溶解性という品質において異な るものであった。その結果、厚さがあるが故に銅エッチング液による溶解速度が遅くな ると共に、コノ レトという元素自体が銅エッチング液に高濃度に蓄積してエッチング 液の力価を低下させる要因となっていたのである。なお、本件発明における換算重 量は、コバルト重量に換算しての値である。換算重量は、表面処理銅箔を酸溶液に 溶解させ、プラズマ発光分光分析法等により単位面積あたりのコバルト量を求め、表 面処理銅箔 lm2あたりの重量に換算したものである。
[0016] また、コバルトメツキ層が銅エッチング液に溶解しやすいものとなるか否かは、コバ ルトメツキを行う際のメツキ条件によっても大きく影響を受けることも分力つてきた。即 ち、後述する本件発明に係る表面処理銅箔の製造方法を採用したときに得られるコ バルトメツキ被膜が最もエッチング特性に優れるものとなるのである。
[0017] 本件発明に係る表面処理銅箔の持つ第 2の特色は、その黒色化処理面の表面形 状が極めて粗いものではなぐ当該黒色化処理面の持つ断面高さが 200nm以下で あることが大きな特徴である。即ち、極めて滑らかで光沢のある黒色化処理面というこ とができる。但し、誤解を招かないために明記しておくが、通常の製造工程の範囲内 におけるバラツキが存在するのは当然であり、必ずしも全ての位置での断面高さが 2 OOnm以下である必要はなく、製造工程のバラツキを反映した程度で 200nmを超え る断面高さが存在する場合があるのは当然である。本件発明に係る表面処理銅箔 1 の硫酸コバルトメツキ層 4の断面高さを測定するために、 FIB分析装置を用いて断面 観察した FIB観察像を図 3に示す。この図 3には、電解銅箔の光沢面に黒色化処理 面を形成したものを示している。なお、この FIB観察像は、被観察面に対して 60° の 角度を持った方向から観察したものである。
[0018] この図 3から分力るように、黒色化処理面の断面は一定の凹凸が存在することが明
らかであり、このような凹凸をモニターする場合、触針式の表面粗さ計を用いるのが 一般的である。ところ力 図 3のスケール力 分力るように、表面粗さ計では正確な粗 さ測定が不可能なレベルの凹凸であると考えられる。そこで、本件発明では、表面粗 さ計で測ったときの Rmaxに対応する値として、 FIB観察像の視野の中の山部と谷部 との最大差を「断面高さ」としているのである。この図 3の中に「d」で示す箇所力 図 3 の断面高さとなり、約 lOOnmと判断できるのである。しかも、図 3において、硫酸コバ ルトメツキ層 4は、極めて均一な厚さで銅箔表面の形状に沿って形成されており、下 地の銅箔表面と完全に密着した状態を維持しており、硫酸コバルトメツキ層 4が浮き 上がる等の不具合箇所は見あたらず、粉落ちを予感させる箇所は見られないのであ る。
[0019] これに対し、従来の銅箔表面に形成した黒色化処理面を、上述したと同様に断面 力も FIB観察すると、図 4及び図 5に示すような結果となる。即ち、黒色化処理面を構 成する形状が樹枝状に成長し、下地の銅箔からかなり突出した状態となっていること が分力るのである。従って、このときの断面高さ(d)を測定すると図 4の場合が約 480 nm、図 5の場合力 S約 270nmとなり、かなり荒れた表面になっていることが理解できる のである。し力も、このような、榭枝形状を持つ黒色化処理面は、その樹枝状部が折 れ易く損傷を受けやすい表面であると言え、しかも、折れた断片が脱落すれば粉落 ちが発生するのも当然であり、黒色化処理表面を目視で見たとき色ムラを引き起こす 原因となっていると考えられるのである。
[0020] 以上に述べてきた本件発明に係る表面処理銅箔は、図 3の FIB断面観察像から極 めて滑らかな表面を持っていることが理解できる。ところが、光沢のある黒色化処理で はあるが、黒色化処理表面が受けた光を乱反射する程の光沢を有するわけではなく 、電解銅箔及び圧延銅箔の光沢面に黒色化処理を施した場合でも、 Lab表色系に おける L値が 27以上となるのである。ここで、 27以上と記載しているように、上限は特 に限定していないが、経験的に 41程度が上限となるようである。
[0021] 黒色化処理面の光沢の度合!/、を表すには、 Lab表色系よりも光沢度を用いて表す ことの方が好ましい。本件発明に係る黒色化処理面の光沢度は、電解銅箔若しくは 圧延銅箔の光沢面に当該黒色化処理面を形成した結果、光沢度 [Gs (60° ;) ]が 30
以下であることが好ましいのである。光沢度が 30以上となると、所謂黒光りする状態と なり金属光沢が目立つようになるのである。なお、ここでも、光沢度の下限値を定めて いないが、経験的に 18程度である。
[0022] 第 2表面処理銅箔: この表面処理銅箔は、上述の第 1表面処理銅箔の表面に長期 保存性を確保するための防鲭処理層を形成したものである。図 6の両面に防鲭処理 層 5を備えた表面処理銅箔 lcの断面層構成を模式的に例示した。そして、図 7には 、粗面側への粗ィ匕処理を省略した場合の表面処理銅箔 Idを示している。銅箔として の防鲭のみを目的とする限りにおいては、イミダゾール、ベンゾトリアゾール等の有機 防鲭、一般的に用いられている亜鉛又は真鍮等の亜鉛合金による無機防鲭等を広く 用いることが可能である。また、硫酸コバルトメツキ層を片面に形成した場合の防鲭処 理層は、少なくとも本件発明に係る表面処理銅箔の硫酸コバルトメツキ層を設けた反 対面に設けるべきものである力 両面に設けても差し支えないものである。
[0023] しカゝしながら、その両面に防鲭処理層 5を設けると、これらの防鲭処理層は、粗ィ匕処 理層 2の微細銅粒 3の脱落防止及び硫酸コバルト層 4の保護層としての役割を果た すと同時に、表面処理銅箔としての外観を長期間に渡って維持する役割を果たすの である。この防鲭処理層 5には、亜鉛 ニッケル合金層若しくは亜鉛 コバルト層を設 けることが特に好ましい。これらの防鲭処理層 5は、硫酸コノ レトメツキ層 4と組みあわ せて用いることで、硫酸コノ レトメツキ層 4をエッチング溶解させる際の溶解プロモー タとして機能しているように考えられる。即ち、硫酸コバルトメツキ層 4が単独で存在す る場合よりも、亜鉛-ニッケル合金層若しくは亜鉛-コバルト層を備える方が、硫酸コ バルトメツキ層 4の溶解が迅速に起こるのである。
[0024] 更に、図 8及び図 9に防鲭処理層 5とクロメート処理層 6とを両面に備えた表面処理 銅箔 lcの断面層構成を模式的に示した。図 6と図 8、図 7と図 9のそれぞれを対比す ることから分力るように、防鲭処理層 5を備える表面処理銅箔との違いは、クロメート処 理層 6を備える点のみであり、その他の構成は同様である。
[0025] このクロメート処理層 6は、亜鉛 ニッケル合金又は亜鉛ーコノ レト合金等で構成し た防鲭処理層 5を形成した後に、片面若しくは両面に形成するものである。そして、こ のクロメート処理層 6が存在することで、表面処理銅箔の耐酸ィ匕性能を著しく向上さ
せ、酸ィ匕変色などのコスメティックコロージヨンを効果的に防止するのである。
[0026] <黒色化処理面を備える表面処理銅箔の製造方法 >
(第 1表面処理銅箔の製造方法) 上述した第 1表面処理銅箔の製造方法は、以下 のような工程を含む製造方法を採用することが望ましい。この製造方法は、攪拌浴を 採用する場合と無攪拌浴を採用する場合とに、更に細分化する事が可能であり、「第 1表面処理銅箔の製造方法 A」、「第 1表面処理銅箔の製造方法 B」とに分けて説明 する。
[0027] 第 1表面処理銅箔の製造方法 A: ここでは、無攪拌浴を用いる場合の黒色化処理 方法を採用した製造方法に関して説明する。
[0028] 本件発明に係る表面処理銅箔の製造方法で用いる銅箔は、上述したように硫酸コ バルトメツキ層を形成する反対面に粗ィ匕処理を行っているか否かは問われないもの である。ここで念のために記載しておくが、粗化処理を施す場合の条件に特段の限 定はなぐ例えば、この極微細銅粒を形成する場合には、一般に砒素を含んだ銅電 解液が用いることが可能である。例えば、硫酸銅系溶液であって、銅濃度 5— lOgZl 、硫酸濃度 100— 120gZl、塩素濃度 20— 30ppm、 9—フエ-ルァクジジン 50— 30 Omg/U液温 30— 40°C、電流密度 5— 20AZdm2の条件とする等である。
[0029] a)の工程では、上述した銅箔の光沢面上に、硫酸コバルトメツキ層を形成するので ある。この硫酸コバルトメツキ層は、硫酸コバルト(7水和物)を 8gZl— lOgZl含み、 P Hを 4. 0以上の範囲とした硫酸コバルトメツキ液を無攪拌浴として用い、 2AZdm2以 上の電流密度で電解して、黒色系の硫酸コバルトメツキ層を形成するのである。即ち 、溶液攪拌を行わない場合の硫酸コバルトメツキ条件である。ここで硫酸コバルトメッ キ液中の硫酸コバルト(7水和物)が 8gZl未満となると、形成される硫酸コバルトメッ キ層の電着速度が遅くなり、し力も、硫酸ニッケル層の厚さが不均一となる傾向が強く なるのである。これに対し、硫酸コバルト(7水和物)が lOgZlを超えると、形成される 硫酸コバルトメツキ層の色調が良好な黒色化状態では無くなるのである。
[0030] また、このときの硫酸コバルトメツキ液の溶液 pHは 4. 5-5. 5の範囲を目標に調整 するのが好ましいのである。この範囲において、歩留まり良ぐ良好な黒色のコバルト メツキ層を得ることが出来るのである。この pH調整を行おうとして、水酸ィ匕ナトリウム又
は水酸ィ匕カリウム等の他の電解質を添加することは好ましくな 、。コバルトメツキ層の 黒色が金属色へと変質しやすくなるのである。
[0031] 従って、溶液 pHは、溶液中の金属イオン濃度を一定に維持することによって、結果 として 4. 0以上の範囲で安定化させるのである。このように溶液中のコバルトイオン濃 度を安定化させるためには、溶解性のコバルト電極を用い電着したコバルトイオン分 を溶解供給させるか、金属イオン濃度を連続的にモニターして水酸ィ匕コバルトを用い て適宜添加することで、コバルトイオン濃度を安定ィ匕する手法等を採用することが望 ましい。
[0032] そして、電解を行うときの電流密度には、 2AZdm2以上の電流を用いるのである。
上述の硫酸コバルトメツキ液は、過剰な電解電流を流して、ある程度微細な凹凸のあ るメツキ面が形成されても、そこから粉落ち現象が起こることは少ない。従って、特に 電流密度の上限を設ける必要はなぐ技術常識に照らして工程における生産性を考 慮して任意に定めれば良いのである。
[0033] b)の工程では、以上の工程を経た銅箔を、水洗し、乾燥することで硫酸コバルトメッ キ層を黒色化処理面とする表面処理銅箔を得るのである。ここでの水洗方法、乾燥 方法に特段の限定はなぐ通常考えられる方式を採用することが可能である。
[0034] 第 ί表面処理錮箔の製诰方法 B: ここでは、攪拌浴を用いた場合の黒色化処理方 法を採用した製造方法に関して説明する。
[0035] 本件発明に係る表面処理銅箔の製造方法でも、硫酸コバルトメツキ層を形成するの は銅箔の光沢面である力 以下の条件を採用することで、無攪拌の硫酸コバルトメッ キ浴により形成した硫酸コバルトメツキ層と同様に緻密な黒色化処理面となるのであ る。
[0036] このときの a)の工程では、上述した銅箔の光沢面に、硫酸コバルト(7水和物)を 10 g/1— 40g/l含み、 pHを 4. 0以上、液温 30°C以下とした硫酸コバルトメツキ液を攪 拌浴として用い、 4AZdm2以下の電流密度で電解して、黒色系の硫酸コバルトメッ キ層を形成するのである。即ち、ここで第 1表面処理銅箔の製造方法 Aと根本的に異 なるのは、硫酸コバルトメツキを行う際の前記硫酸コバルトメツキ液を攪拌しつつ電解 する点である。この硫酸コバルト濃度は、硫酸コバルト濃度が低いほど、良好な黒色
化状態を作り出すことが可能という傾向にある。し力しながら、硫酸コバルトメツキ液中 の硫酸コバルト(7水和物)が lOgZl未満となると、攪拌浴を採用して形成する硫酸コ バルトメツキ層の電着速度が遅くなり、し力も、硫酸ニッケル層の厚さが不均一となる 傾向が強くなり工業的生産性に欠ける結果となるのである。これに対し、硫酸コバルト (7水和物)が 40gZlを超えると、形成される硫酸コノ レトメツキ層が緻密な凹凸を形 成しに《なり、結果として良好な黒色化状態では無くなるのである。
[0037] また、このときの硫酸コバルトメツキ液の溶液 pHは、 4. 0以上であり、特に 4. 5— 5 . 5の範囲を目標に調整するのが好ましいのである。この範囲において、歩留まり良く 、良好な黒色のコバルトメツキ層を安定的に得ることが出来るのである。この pH調整 には、水酸ィ匕ナトリウム又は水酸ィ匕カリウム等の他の電解質を添加することは好ましく ない。コバルトメツキ層の黒色が金属色へと変質しやすくなるのは上述のとおりである 。そして、溶液 pHは、溶液中の金属イオン濃度を一定に維持することによって、結果 として 4. 0以上の範囲で安定ィ匕させるのも、上述したと同様である。
[0038] そして、このときの硫酸コバルトメツキ液は、その液温を 30°C以下として用いることが 好ましいのである。このときの液温は、低いほど良好な黒色化処理面を得ることが出 来る傾向にある。液温を 30°C以下に設定すれば、上記第 1表面処理銅箔の製造方 法 Aで、粗化処理のな 、銅箔表面に黒色化処理を施した以上に良好な黒色化処理 面を得ることが可能となるのである。
[0039] そして、電解を行うときの電流密度には、 4AZdm2以下の電流を用いるのである。
この範囲において、銅箔表面を粗化処理しなくても、有機材等との密着性に優れた 良好な微細凹凸をもつ硫酸コバルトメツキ層が形成できるのである。通常、凹凸のあ る黒色系のメツキ表面を得ようとすると、過剰なャケメツキ領域に入る電解電流を流す 方法が採用される。し力しながら、ここでは電解に用いる電流密度が小さなものである 程、安定的に良好な黒色化処理が可能となる傾向がある。従って、可能な限り小さな 電流密度を採用すればよいのであるが、工業的な生産性を考慮すれば電流密度 0. 5A/dm2を下限値と判断できるのである。一方、電流密度が 4AZdm2を超えると、 上記第 1表面処理銅箔の製造方法 Aで、粗化処理のない銅箔表面に黒色化処理を 施したと同様のレベルの黒色化処理面となり、製造方法 Bを採用する意味が没却す
ることとなるのである。しカゝも、上述した電流密度の範囲で形成した黒色化処理面は、 そこ力も粉落ち現象が起こることもな 、のである。
[0040] b)の工程では、以上の工程を経た銅箔を、水洗し、乾燥することで硫酸コバルトメッ キ層を黒色化処理面とする表面処理銅箔を得るのである。ここでの水洗方法、乾燥 方法に特段の限定はなぐ通常考えられる方式を採用することが可能である。
[0041] (第 2表面処理銅箔の製造方法)
第 2表面処理銅箔の場合には、上述の第 1表面処理銅箔の製造方法と同様に、硫 酸コバルトメツキ層を黒色化処理面とする表面処理銅箔を製造し、その後、防鲭処理 層の形成を行うのである。従って、製造フローは「a)銅箔の光沢面に黒色系の硫酸コ バルトメツキ層を形成する。 b)黒色の硫酸コバルトメツキ層を形成した銅箔の両面若 しくは片面に防鲭処理層を形成する。 c)その後、水洗し、乾燥する。」となる。即ち、 第 1表面処理銅箔の製造方法 (製造方法 A及び製造方法 B)に防鲭処理層の形成 工程が増えたに過ぎな!/ヽものである。
[0042] よって、ここでは防鲭処理層の形成工程に関してのみ説明する。黒色の硫酸コバ ルトメツキ層の形成が終了した銅箔の両面若しくは片面に、防鲭処理層を形成する のである。従来知られたイミダゾール、ベンゾトリアゾール等の有機防鲭、一般的に用 いられている亜鉛又は真鍮等の亜鉛合金による無機防鲭等を用いる場合に関して は、特に説明を要するものでは無く常法に従えばよいと考え、ここでの詳細な説明は 省略する。
[0043] 以下、防鲭処理層を亜鉛 ニッケル合金メッキ液又は亜鉛 コバルト合金メッキ液を 用いてメツキ処理して形成する場合に関して述べることとする。最初に、亜鉛一二ッケ ル合金メッキに関して説明する。ここで用いる亜鉛 ニッケル合金メッキ液に特に限定 はないが、一例を挙げれば、硫酸ニッケルを用いニッケル濃度が 1一 2. 5gZl、ピロ リン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が 0. 1— lgZl、ピロリン酸カリウム 50— 500gZl、液 温 20— 50°C、 pH8— 11、電流密度 0. 3— lOAZdm2の条件等を採用するのであ る。
[0044] 次に、亜鉛-コバルト合金メッキに関して説明する。ここで用いる亜鉛-コノ レト合金 メツキ液に特に限定はないが、一例を挙げれば、硫酸コバルトを用いコバルト濃度が
1-2. 5g/l、ピロリン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が 0. 1— lg/l、ピロリン酸カリウム 5 0— 500gZl、液温 20— 50。C、 pH8— 11、電流密度。. 3— lOAZdm2の条件等を 採用するのである。この亜鉛 コバルト合金メッキと後述するクロメート処理とを組み合 わせた防鲭処理層は、特に優れた耐蝕性能を示すのである。
[0045] 第 2表面処理銅箔の場合には、銅箔の表面に亜鉛 ニッケル合金層又は亜鉛ーコ バルト合金層等を形成した後に、クロメート層を形成すれば、より優れた耐蝕性を得る ことが可能となるのである。即ち、上述の防鲭処理層の形成後に、クロメート処理工程 を設ければよいのである。このクロメート処理工程では、クロメート溶液と当該銅箔表 面とを接触させての置換処理でも、クロメート溶液中で電解してクロメート被膜を形成 する電解クロメート処理のいずれの方法を採用しても構わないのである。また、ここで 用いるクロメート溶液に関しても、常法で用いられる範囲のものを使用することが可能 である。そして、その後、水洗し、乾燥することで黒色化処理面を備える表面処理銅 箔を得るのである。
[0046] <電磁波遮蔽導電性メッシュ > 以上に述べてきた本件発明に係る黒色化処理面 を備えた表面処理銅箔は、黒色化処理面力 の粉落ちがなぐし力も、良好な黒色を 持ちつつも、その黒色化処理層は通常の銅エッチングプロセスでエッチング除去が 可能である。よって、プリント配線板を製造するプロセスを使用して、容易に任意の形 状に加工することが可能である。これらのことを考えると、プラズマディスプレイパネル の前面パネルに組み込まれる電磁波遮蔽導電性メッシュの用途に最適なものと言え るのである。
発明の効果
[0047] 本件発明に係る黒色化処理面を備えた表面処理銅箔は、硫酸コバルトメツキ層が 非常に薄いものであるにも拘わらず、プラズマディスプレイパネルの前面パネルの電 磁波遮蔽導電性メッシュ用途に耐えるだけの良好な黒色を呈している。そして、コバ ルト含有量が少ないため、エッチング特性が良好であり、しかも、通常の塩化鉄、硫 酸一過酸ィ匕水素系の銅エッチング液の力価を下げることなぐ溶液寿命を長期化させ ることが可會となるのである。
[0048] また、本件発明に係る表面処理銅箔の製造方法は、上記表面処理銅箔を歩留まり
良く製造することが可能であり、上述した製造条件を採用して形成した硫酸コバルトメ ツキ層が最も効率よぐ銅のエッチング液に溶解するのである。
発明を実施するための最良の形態
[0049] 以下に、上述してきた黒色化処理面を備えた表面処理銅箔を製造し、銅エツチン グ液を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを製造した結果を示すこととする。
実施例 1
[0050] 本実施形態では、図 1に示した第 1表面処理銅箔 laを製造し、電磁波遮蔽導電性 メッシュ形状をエッチング法で試験的に製造しエッチング性能を確認した。
[0051] 本実施形態では、硫酸銅溶液を電解することにより得られた公称厚さ 15 mの銅 箔を用いた。そして、銅箔を、硫酸濃度 150gZl、液温 30°Cの希硫酸溶液を用いて 、この溶液に 30秒間浸漬して、表面の清浄化を行った。
[0052] そして、公称厚さ 15 m電解銅箔の粗面に粗ィ匕処理を施した。このときの粗ィ匕処 理は、この微細銅粒 3を銅箔 Bの片面に付着形成するものであり、硫酸銅系溶液であ つて、濃度が銅 10g/l、硫酸 100gZl、塩素 25ppm、 9—フエ-ルァクリジン 140mg Zlの溶液、液温 38°C、電流密度 15AZdm2、電解時間 2秒の電解条件を採用した 。その粗ィ匕処理した銅箔表面を表したのが図 10である。
[0053] a)工程として、当該電解銅箔の光沢面上に、硫酸コバルトメツキ層 4を形成した。硫 酸コバルトメツキ層 4の形成は、硫酸コバルト(7水和物)を 10gZl、 ρΗを 5. 0に調整 し、液温 30°Cとした硫酸コノ レトメツキ液を無攪拌浴として用い、 2AZdm2の電流密 度で 8秒間電解することにより、黒色の硫酸コバルトメツキ層(換算厚さが 320mgZm 2)として形成したのである。このとき溶液中のコバルトイオン濃度の調整は特に行って V、な 、。短時間電解であるため金属イオン濃度の調整は不要と考えたためである。 図 11に形成した硫酸コバルトメツキ層を示して!/、る。
[0054] b)の工程として、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲気温度を 150°Cとした乾燥炉内に 4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調の黒色 化処理面を備えた表面処理銅箔 laを得た。なお、上述した各工程間には、原則、 1 5秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止している
[0055] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示す断面が得られており、当該黒色化処理面の断面高さ (d)が lOOnmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 30、光沢度 [ Gs (60° ;) ]が 19であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0056] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
以上のようにして得られた表面処理銅箔の両面にエッチングレジストとなるドライフィ ルムを張り合わせた。そして、黒色化処理面側のドライフィルムにのみ、電磁波遮蔽 導電性メッシュを試作するための試験用のマスクフィルムを重ねて、メッシュピッチ 20 0 m、メッシュ線幅 10 μ m、メッシュバイアス角度 45° であり、周囲にメッシュ電極 部を備える導電性メッシュパターンを紫外線露光した。このとき、同時に反対面のエツ チングレジスト層の全面にも、紫外線露光することにより、後の現像により除去できな いものとした。その後、アルカリ溶液を用いて現像し、エッチングパターンを形成した
[0057] そして、銅エッチング液である塩ィ匕鉄エッチング液を用いて、黒色化処理面側から 銅エッチングして、その後、エッチングレジスト層を剥離することにより、電磁波遮蔽導 電性メッシュを製造した。その結果、エッチング残りもなぐ非常に良好なエッチング が行われた。図 12には、エッチング性を評価するためのテストパターン(13 m幅回 路)のエッチング状態を示している。この図 12から分力るように、エッチング残りもなく 、極めてエッチングファクターに優れた美麗な回路が得られている。
実施例 2
[0058] 本実施例は、図 6に示すように、防鲭処理層として亜鉛 ニッケル合金層を備えた 第 2表面処理銅箔 lcを製造し、電磁波遮蔽導電性メッシュ形状をエッチング法で試 験的に製造しエッチング性能を確認した。従って、硫酸コバルトメツキ層による黒色化 処理層を形成するまでは、実施例 1と共通するため、防鲭処理条件に関してのみ説 明する。なお、黒色の硫酸コバルトメツキ層の換算厚さは実施例 1と同じく 320mgZ m Cめる。
[0059] ここでは実施例 1の片面に黒色の硫酸コバルトメツキ層の形成が終了した銅箔の両 面に、亜鉛 ニッケル合金メッキ液を用いてメツキ処理して、両面に亜鉛 ニッケル合 金層を形成したのである。亜鉛-ニッケル合金層は、硫酸ニッケルを用いニッケル濃 度が 2. Og/l、ピロリン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が 0. 5g/l、ピロリン酸カリウム 250 gZl、液温 35°C、 pH10、電流密度 5AZdm2の条件で 5秒間電解して、両面に均一 且つ平滑に電析させた。
[0060] そして、実施例 1と同様に十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲 気温度を 150°Cとした乾燥炉内に 4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調 の黒色化処理面を備えた表面処理銅箔 lcを得た。なお、上述した各工程間には、 原則、 15秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止 している。
[0061] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示したと同様の断面が得られ、当該黒色化処理面の断面 高さが 115nmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 28、光沢度 [ Gs (60° ;) ]が 21であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0062] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
実施例 1と同様に、得られた表面処理銅箔を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを試 作した。その結果、防鲭処理層が存在していてもエッチング操作に支障なぐエッチ ング残りもなぐ非常に良好なエッチングが行われた。
実施例 3
[0063] 本実施例は、図 8に示すように、防鲭処理層として亜鉛 ニッケル合金層及びクロメ ート処理層を備えた第 2表面処理銅箔 leを製造し、電磁波遮蔽導電性メッシュ形状 をエッチング法で試験的に製造しエッチング性能を確認した。従って、硫酸コバルトメ ツキ層による黒色化処理層を形成するまでは、実施例 1と共通するため、防鲭処理条 件に関してのみ説明する。なお、黒色の硫酸コノ レトメツキ層の換算厚さは実施例 1 と同じく 320mgZm2である。
[0064] 防鲭処理層の形成は、実施例 2と同様にして、亜鉛 ニッケル合金メッキ液を用い て、両面に亜鉛 ニッケル合金層を形成した後に、両面にクロメート処理を行ったの である。ここでは、電解クロメート処理を採用し、電解条件は、クロム酸 5. Og/U pH 11. 5、液温 35°C、電流密度 8AZdm2、電解時間 5秒とした。
[0065] そして、クロメート層の形成が終了すると、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、 電熱器より雰囲気温度を 150°Cとした乾燥炉内に 4秒間滞留させ、水分をとばし、非 常に良好な色調の黒色化処理面を備えた表面処理銅箔 leを得た。なお、上述した 各工程間には、原則、 15秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の 持ち込みを防止している。
[0066] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示したと同様の断面が得られ、当該黒色化処理面の断面 高さが 121nmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 27、光沢度 [ Gs (60° ;) ]が 23であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0067] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
実施例 1と同様に、得られた表面処理銅箔を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを試 作した。その結果、防鲭処理層が存在していてもエッチング操作に支障なぐエッチ ング残りもなぐ非常に良好なエッチングが行われた。
実施例 4
[0068] 本実施例は、図 6に示すように、防鲭処理層として亜鉛 コバルト合金層を備えた第 2表面処理銅箔 lcを製造し、電磁波遮蔽導電性メッシュ形状をエッチング法で試験 的に製造しエッチング性能を確認した。従って、硫酸コバルトメツキ層による黒色化処 理層を形成するまでは、実施例 1と共通するため、防鲭処理条件に関してのみ説明 する。なお、黒色の硫酸コバルトメツキ層の換算厚さは実施例 1と同じく 320mgZm2 である。
[0069] ここでは実施例 1の光沢面に黒色の硫酸コバルトメツキ層の形成が終了した銅箔の 両面に、亜鉛 コバルト合金メッキ液を用いてメツキ処理して、両面に亜鉛 コバルト
合金層を形成したのである。亜鉛 コバルト合金層は、硫酸コノ レトを用いコバルト濃 度が 2. Og/l、ピロリン酸亜鉛を用いて亜鉛濃度が 0. 5g/l、ピロリン酸カリウム 250 gZl、液温 35°C、 pH10、電流密度 5AZdm2の条件で 5秒間電解して、両面に均一 且つ平滑に電析させた。
[0070] そして、実施例 1と同様に十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲 気温度を 150°Cとした乾燥炉内に 4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調 の黒色化処理面を備えた表面処理銅箔 lcを得た。なお、上述した各工程間には、 原則、 15秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止 している。
[0071] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示したと同様の断面が得られ、当該黒色化処理面の断面 高さが 128nmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 28、光沢度 [ Gs (60° ;) ]が 20であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0072] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
実施例 1と同様に、得られた表面処理銅箔を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを試 作した。その結果、防鲭処理層が存在していてもエッチング操作に支障なぐエッチ ング残りもなぐ非常に良好なエッチングが行われた。
実施例 5
[0073] 本実施例は、図 8に示すように、防鲭処理層として亜鉛 コバルト合金層及びクロメ ート処理層を備えた第 2表面処理銅箔 leを製造し、電磁波遮蔽導電性メッシュ形状 をエッチング法で試験的に製造しエッチング性能を確認した。従って、硫酸コバルトメ ツキ層による黒色化処理層を形成するまでは、実施例 1と共通するため、防鲭処理条 件に関してのみ説明する。なお、黒色の硫酸コノ レトメツキ層の換算厚さは実施例 1 と同じく 320mgZm2である。
[0074] 防鲭処理層の形成は、実施例 4と同様にして、亜鉛 コノ レト合金メッキ液を用いて 、両面に亜鉛 コバルト合金層を形成した後に、両面にクロメート処理を行ったのであ
る。ここでは、電解クロメート処理を採用し、電解条件は、クロム酸 5. Og/l、 pH 11
. 5、液温 35°C、電流密度 8AZdm2、電解時間 5秒とした。
[0075] そして、クロメート層の形成が終了すると、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、 電熱器より雰囲気温度を 150°Cとした乾燥炉内に 4秒間滞留させ、水分をとばし、非 常に良好な色調の黒色化処理面を備えた表面処理銅箔 leを得た。なお、上述した 各工程間には、原則、 15秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の 持ち込みを防止している。
[0076] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示したと同様の断面が得られ、当該黒色化処理面の断面 高さが 120nmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 29、光沢度 [
Gs (60° ;) ]が 22であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0077] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
実施例 1と同様に、得られた表面処理銅箔を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを試 作した。その結果、防鲭処理層が存在していてもエッチング操作に支障なぐエッチ ング残りもなぐ非常に良好なエッチングが行われた。
実施例 6
[0078] 本実施例は、実施例 1と異なり電解銅箔の粗面に粗化処理を施さずに、以下実施 例 1と同様にして、電解銅箔の光沢面側に硫酸コバルトメツキ層による黒色化処理層 を形成し、図 2に示す第 2表面処理銅箔 lbを製造し、実施例 1と同様の評価を行った 。従って、工程の説明は実施例 1と重複する物となるため、ここでの記載は省略する。 なお、黒色の硫酸コバルトメツキ層は、換算厚さが 310mgZm2であった。図 13にここ で得られた表面処理銅箔の黒色化面 (硫酸コバルトメツキ層)を示して 、る。
[0079] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示したと同様の断面が得られ、当該黒色化処理面の断面 高さが 116nmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 27、光沢度 [
Gs (60° ;) ]が 23であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0080] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
実施例 1と同様に、得られた表面処理銅箔を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを試 作した。その結果、エッチング操作に支障なぐエッチング残りもなぐ非常に良好な エッチングが行われた。
実施例 7
[0081] 本実施形態では、実施例 6と同様に電解銅箔の粗面に粗化処理を施さずに、上述 の粗化処理を行わな!/、銅箔を用いて黒色化処理を行!、、図 2に示した第 1表面処理 銅箔 lbを製造し、電磁波遮蔽導電性メッシュ形状をエッチング法で試験的に製造し エッチング性能を確認した。
[0082] 本実施形態では、硫酸銅溶液を電解することにより得られた公称厚さ 15 mの銅 箔を用いた。そして、銅箔を、硫酸濃度 150gZl、液温 30°Cの希硫酸溶液を用いて 、この溶液に 30秒浸漬して、表面の清浄化を行った。
[0083] そして、当該銅箔の光沢面に、 a)工程として、硫酸コバルトメツキ層を形成した。硫 酸コバルトメツキ層の形成は、硫酸コバルト(7水和物)を 20gZl、 ρΗを 5. 5に調整し 、液温 27°Cとした硫酸コバルトメツキ液を攪拌浴として用い、 lAZdm2の電流密度で 15秒間電解することにより、黒色の硫酸コバルトメツキ層(換算厚さが 334mgZm2) として形成したのである。このとき溶液中のコバルトイオン濃度の調整は特に行ってい ない。短時間電解であるため金属イオン濃度の調整は不要と考えたためである。図 1 4に形成した硫酸コバルトメツキ層を示して 、る。
[0084] b)の工程として、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲気温度を 150°Cとした乾燥炉内に 4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調の黒色 化処理面を備えた表面処理銅箔 1を得た。なお、上述した各工程間には、原則、 15 秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止している。
[0085] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示したと同様の断面が得られ、当該黒色化処理面の断面
高さが 131nmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 31、光沢度 [ Gs (60° ;) ]が 24であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0086] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
実施例 1と同様に、得られた表面処理銅箔を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを試 作した。その結果、エッチング操作に支障なぐエッチング残りもなぐ非常に良好な エッチングが行われた。
実施例 8
[0087] 本実施形態では、実施例 6と同様に電解銅箔の粗面に粗化処理を施さずに、上述 の粗化処理を行わな!/、銅箔を用いて黒色化処理を行!、、図 2に示した第 1表面処理 銅箔 lbを製造し、電磁波遮蔽導電性メッシュ形状をエッチング法で試験的に製造し エッチング性能を確認した。
[0088] 本実施形態では、硫酸銅溶液を電解することにより得られた公称厚さ 15 mの銅 箔を用いた。そして、銅箔を、硫酸濃度 150gZl、液温 30°Cの希硫酸溶液を用いて 、この溶液に 30秒浸漬して、表面の清浄化を行った。
[0089] そして、当該銅箔の光沢面に、 a)工程として、硫酸コバルトメツキ層を形成した。硫 酸コバルトメツキ層の形成は、硫酸コバルト(7水和物)を 20gZl、 ρΗを 5. 5に調整し 、液温 27°Cとした硫酸コバルトメツキ液を攪拌浴として用い、 2AZdm2の電流密度で 7秒間電解することにより、黒色の硫酸コバルトメツキ層(換算厚さが 340mg/m2)と して形成したのである。このとき溶液中のコバルトイオン濃度の調整は特に行ってい ない。短時間電解であるため金属イオン濃度の調整は不要と考えたためである。形 成した硫酸コバルトメツキ層の形態は図 14に示すと同様に観察される。
[0090] b)の工程として、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲気温度を 150°Cとした乾燥炉内に 4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調の黒色 化処理面を備えた表面処理銅箔 lbを得た。なお、上述した各工程間には、原則、 1 5秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止している
[0091] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示したと同様の断面が得られ、当該黒色化処理面の断面 高さが 124nmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 33、光沢度 [ Gs (60° ;) ]が 20であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0092] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
実施例 1と同様に、得られた表面処理銅箔を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを試 作した。その結果、エッチング操作に支障なぐエッチング残りもなぐ非常に良好な エッチングが行われた。
実施例 9
[0093] 本実施形態では、実施例 6と同様に電解銅箔の粗面に粗化処理を施さずに、光沢 面に黒色化処理を行い、図 2に示した第 1表面処理銅箔 lbを製造し、電磁波遮蔽導 電性メッシュ形状をエッチング法で試験的に製造しエッチング性能を確認した。
[0094] 本実施形態では、硫酸銅溶液を電解することにより得られた公称厚さ 15 mの銅 箔を用いた。そして、銅箔を、硫酸濃度 150gZl、液温 30°Cの希硫酸溶液を用いて 、この溶液に 30秒浸漬して、表面の清浄化を行った。
[0095] そして、当該銅箔の光沢面に、 a)工程として、硫酸コバルトメツキ層を形成した。硫 酸コバルトメツキ層の形成は、硫酸コバルト(7水和物)を 40gZl、 ρΗを 5. 5に調整し 、液温 27°Cとした硫酸コバルトメツキ液を攪拌浴として用い、 lAZdm2の電流密度で 15秒間電解することにより、黒色の硫酸コバルトメツキ層(換算厚さが 338mgZm2) として形成したのである。このとき溶液中のコバルトイオン濃度の調整は特に行ってい ない。短時間電解であるため金属イオン濃度の調整は不要と考えたためである。形 成した硫酸コバルトメツキ層の形態は図 11に示すと同様に観察される。
[0096] b)の工程として、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲気温度を 150°Cとした乾燥炉内に 4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調の黒色 化処理面を備えた表面処理銅箔 lbを得た。なお、上述した各工程間には、原則、 1 5秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止している
[0097] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示したと同様の断面が得られ、当該黒色化処理面の断面 高さが 134nmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 34、光沢度 [ Gs (60° ;) ]が 21であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0098] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
実施例 1と同様に、得られた表面処理銅箔を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを試 作した。その結果、エッチング操作に支障なぐエッチング残りもなぐ非常に良好な エッチングが行われた。
実施例 10
[0099] 本実施例は、図 7に示したような、防鲭処理層として亜鉛ーコノ レト合金層を備えた 第 2表面処理銅箔 Idを製造し、電磁波遮蔽導電性メッシュ形状をエッチング法で試 験的に製造しエッチング性能を確認した。従って、硫酸コバルトメツキ層による黒色化 処理層を形成するまでは、実施例 7と共通するため、防鲭処理条件に関してのみ説 明する。なお、黒色の硫酸コバルトメツキ層の換算厚さは実施例 7と同じく 334mgZ m (?め。。
[0100] ここでは実施例 7の片面に黒色の硫酸コバルトメツキ層の形成が終了した銅箔の両 面に、実施例 4と同様の条件で、両面に亜鉛ーコノ レト合金層を形成したのである。 そして、実施例 1と同様に十分に純水をシャワーリングして洗浄し、電熱器より雰囲気 温度を 150°Cとした乾燥炉内に 4秒間滞留させ、水分をとばし、非常に良好な色調の 黒色化処理面を備えた表面処理銅箔 Idを得た。なお、上述した各工程間には、原 則、 15秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の持ち込みを防止し ている。
[0101] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示したと同様の断面が得られ、当該黒色化処理面の断面 高さが 128nmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 28、光沢度 [
Gs (60° ;) ]が 30であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0102] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
実施例 1と同様に、得られた表面処理銅箔を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを試 作した。その結果、エッチング操作に支障なぐエッチング残りもなぐ非常に良好な エッチングが行われた。
実施例 11
[0103] 本実施例は、図 9にしめすような、防鲭処理層として亜鉛 コバルト合金層及びクロ メート処理層を備えた第 2表面処理銅箔 Ifを製造し、電磁波遮蔽導電性メッシュ形状 をエッチング法で試験的に製造しエッチング性能を確認した。従って、硫酸コバルトメ ツキ層による黒色化処理層を形成するまでは、実施例 7と共通するため、防鲭処理条 件に関してのみ説明する。なお、黒色の硫酸コノ レトメツキ層の換算厚さは実施例 7 と同じく 334mg/m2である。
[0104] 防鲭処理層の形成は、実施例 4と同様にして、亜鉛 コノ レト合金メッキ液を用いて 、両面に亜鉛 コバルト合金層を形成した後に、両面に実施例 5と同様のクロメート処 理を行ったのである。
[0105] そして、クロメート層の形成が終了すると、十分に純水をシャワーリングして洗浄し、 電熱器より雰囲気温度を 150°Cとした乾燥炉内に 4秒間滞留させ、水分をとばし、非 常に良好な色調の黒色化処理面を備えた表面処理銅箔 Ifを得た。なお、上述した 各工程間には、原則、 15秒間の純水による水洗工程を設け、前処理工程の溶液の 持ち込みを防止している。
[0106] <表面処理銅箔の物性 >
以上の工程を経て得られた黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面を FIB装 置で観察した結果、図 3に示したと同様の断面が得られ、当該黒色化処理面の断面 高さが 115nmであり、当該黒色化処理面の Lab表色系における L値が 29、光沢度 [ Gs (60° ;) ]が 22であった。また、黒色化処理面に粘着性テープを貼り、引き剥がす ことによるテープテストでの粉落ちも確認できな力 た。
[0107] <プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽メッシュの製造 >
実施例 1と同様に、得られた表面処理銅箔を用いて電磁波遮蔽導電性メッシュを試 作した。その結果、防鲭処理層が存在していてもエッチング操作に支障なぐエッチ ング残りもなぐ非常に良好なエッチングが行われた。
産業上の利用可能性
[0108] 本件発明に係る黒色化処理面を備えた表面処理銅箔は、黒色化処理面からの粉 落ちが無ぐし力も、通常の銅エッチング液を用いてのエッチング力卩ェが可能であり、 プラズマディスプレイパネルの前面パネルの電磁波遮蔽導電性メッシュに用いること で、高品質のブラックマスクの形成が可能となる。また、黒色化処理面を備えた表面 処理銅箔としての供給が出来れば、前面パネルの製造プロセスでの黒色化処理工 程の省略が可能となる。更に、この黒色化処理面を備えた表面処理銅箔は、上述し た製造方法を採用することで、従来の銅箔の表面処理プロセスを応用することが可 能であり新たな製造設備を必要としない。従って、高品質の製品を歩留まり良く製造 できるため、生産コストの低減が可能となる。
図面の簡単な説明
[0109] [図 1]黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成を模式的に示した図。
[図 2]黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成を模式的に示した図。
[図 3]黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成の FIB観察像。
[図 4]黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成の FIB観察像。
[図 5]黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成の FIB観察像。
[図 6]黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成を模式的に示した図。
[図 7]黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成を模式的に示した図。
[図 8]黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成を模式的に示した図。
[図 9]黒色化処理面を備える表面処理銅箔の断面層構成を模式的に示した図。
[図 10]粗ィ匕処理した銅箔表面の走査型電子顕微鏡像。
[図 11]硫酸コバルトメツキ層を観察した走査型電子顕微鏡像。
[図 12]エッチングテストパターンの走査型電子顕微鏡像。
[図 13]粗化処理を行うことなぐ硫酸コバルトメツキ層を形成した銅箔表面の走査型電 子顕微鏡像。
[図 14]粗化処理を行うことなぐ硫酸コバルトメツキ層を形成した銅箔表面の走査型電 子顕微鏡像。
符号の説明
la, lb, lc 表面処理銅箔
Id, le, If
2 粗化処理層
3 微細銅粒
4 硫酸コバルトメツキ層
5 防鲭処理層(亜鉛—ニッケル合金層又は亜鉛ーコノ レト合金層)
6 クロメート処理層
7 銅箔層