JPH11227049A - 枝管ライニング材及び枝管ライニング工法 - Google Patents

枝管ライニング材及び枝管ライニング工法

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JPH11227049A
JPH11227049A JP10029749A JP2974998A JPH11227049A JP H11227049 A JPH11227049 A JP H11227049A JP 10029749 A JP10029749 A JP 10029749A JP 2974998 A JP2974998 A JP 2974998A JP H11227049 A JPH11227049 A JP H11227049A
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flange
lining material
pipe lining
tube
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Takao Kamiyama
隆夫 神山
Yasuhiro Yokoshima
康弘 横島
Shigeru Endo
茂 遠藤
Hiroyuki Aoki
啓之 青木
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Shonan Plastic Manufacturing Co Ltd
Yokoshima and Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 曲がり部を有する枝管であっても、これを確
実にライニングすることができる枝管ライニング材を提
供すること。 【構成】 一端に鍔部1Aを有し、外表面が気密性の高
いフィルム6で被覆された管状樹脂吸着材2に未硬化の
硬化性樹脂を含浸せしめて構成される枝管ライニング材
1において、前記鍔部1Aに切り離しチューブ8を取り
付ける。本発明によれば、切り離しチューブ8は枝管ラ
イニング材1の既に硬化した鍔部1Aに取り付けられる
ため、曲がり部を有する枝管31内に枝管ライニング材
1が高い流体圧によって反転挿入されても、又、熱媒や
硬化性樹脂の硬化発熱によって枝管ライニング材1のフ
ィルム6が加熱されて軟化しても、切り離しチューブ8
が剥れたり、切れたりすることがなく、曲がりを有する
枝管31であっても、枝管ライニング材1を用いてこれ
を確実にライニングして補修することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本管に合流する枝
管のライニングに供される枝管ライニング材とこれを用
いた枝管ライニング工法に関する。
【0002】
【従来の技術】地中に埋設された枝管が老朽化した場
合、該枝管を地中から掘出することなく、その内周面に
ライニングを施して当該枝管を補修する枝管ライニング
工法が知られているが、その一例を図16及び図17に
基づいて説明する。
【0003】即ち、図16及び図17は従来の枝管ライ
ニング工法を示す断面図であり、図中、130は本管、
131は本管130に合流する枝管であって、本管13
0内には作業用ロボット122や圧力バッグ123等が
導入されており、圧力バッグ123内には枝管ライニン
グ材101が挿入されている。
【0004】上記枝管ライニング材101は、一端に鍔
部101Aを有して成る管状樹脂吸着材に未硬化の硬化
性樹脂を含浸せしめるとともに、該管状樹脂吸着材の鍔
部101A近傍に引き剥しチューブ140の一端を引き
剥し可能に仮接着して構成されている。そして、この枝
管ライニング材101は、その鍔部101Aが前記作業
用ロボット122に支持されたセッティングカラー12
4上に載置され、鍔部101Aを除く未反転部分は圧力
バッグ123内に挿入されている。
【0005】又、枝管ライニング材101の引き剥しチ
ューブ140の開口端は連結ソケット128を介して前
記圧力バッグ123に連結されており、前記セッティン
グカラー124と連結ソケット128とはエルボバッグ
129によって連結されている。
【0006】而して、作業用ロボット122を駆動して
セッティングカラー124を上動せしめ、枝管ライニン
グ材101の鍔部101Aを本管130の枝管開口部
(枝管131が本管130に開口する部分)の周縁に密
着させ、枝管ライニング材101や引き剥しチューブ1
40によって圧力バッグ123内に形成される密閉空間
Sに例えば圧縮エアーを供給すれば、図16に示すよう
に枝管ライニング材101はエアー圧によって枝管13
1内を本管130側から地上に向かって反転挿入され
る。尚、このとき、引き剥しチューブ140は枝管ライ
ニング材101と圧力バッグ123とを気密に連結して
密閉空間S内の圧縮エアーの漏れを防ぐシール作用を果
たしている。
【0007】上述のようにして枝管ライニング材101
の枝管131内への反転挿入が終了すると、枝管ライニ
ング材101を枝管131の内周壁に押圧した状態で該
枝管ライニング材101に含浸されて硬化性樹脂を硬化
させると、硬化した枝管ライニング材101によって枝
管131がライニングされて補修される。
【0008】その後、図17に示すように、セッティン
グカラー124を下動させてこれを枝管ライニング材1
01の鍔部101Aから引き離した後、圧力バッグ12
3や作業ロボット122を例えば図17の矢印方向に引
けば、枝管ライニング材101の管状樹脂吸着材に仮接
着されていた引き剥しチューブ140は仮接着部分から
引き剥されて圧力バッグ123や作業用ロボット122
と共に本管130内から取り除かれ、ここに枝管131
に対する一連のライニング作業が終了する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
枝管の多くは曲がり部を有しており、その曲がり部を枝
管ライニング材が通過するには平坦な部分を通過する際
の約5〜10倍の大きな反転圧力を要する。そのため、
枝管ライニング材を高い反転圧力で反転させると、これ
に仮接着された引き剥しチューブが大きな圧力を受けて
仮接着部分から引き剥されてしまうという問題が発生し
ていた。
【0010】そこで、引き剥しチューブの仮接着力を大
きくすることが考えられるが、このように引き剥しチュ
ーブの仮接着力を大きくすると該引き剥しチューブが仮
接着部分から引き剥がれず、該引き剥しチューブ自体が
途中で切れてしまうという問題が発生する。
【0011】又、引き剥しチューブが途中で切れないよ
うその強度を大きくすると、熱硬化性樹脂の加熱に使用
される熱媒や硬化性樹脂の硬化発熱によって加熱されて
軟化したプラスチックフィルムが硬化した管状樹脂吸着
材の表面から引き剥されるという問題が発生する。
【0012】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、曲がり部を有する枝管であっ
ても、これを確実にライニングすることができる枝管ラ
イニング材及び枝管ライニング工法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、一端に鍔部を有し、外表面
が気密性の高いフィルムで被覆された管状樹脂吸着材に
未硬化の硬化性樹脂を含浸せしめて構成される枝管ライ
ニング材において、前記鍔部に切り離しチューブを取り
付けたことを特徴とする。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記管状樹脂吸着材の一端を外側に折り返
し、その折り返された部分に含浸された硬化性樹脂を硬
化させて前記鍔部を一体に形成したことを特徴とする。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記切り離しチューブの一端を外側に折り
返し、その折り返された部分を前記管状樹脂吸着材の鍔
部に接合して両者に含浸された硬化性樹脂を硬化させる
ことによって切り離しチューブの一端を鍔部に固着した
ことを特徴とする。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記切り離しチューブの一端を外側に折り
返し、その折り返された部分を前記管状樹脂吸着材の鍔
部と樹脂吸着材とでサンドイッチ状に挟み込み、これら
に含浸された硬化性樹脂を硬化させることによって切り
離しチューブの一端を鍔部に取り付けたことを特徴とす
る。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記切り離しチューブの一端を外側に折り
返し、その折り返された部分を前記管状樹脂吸着材の鍔
部に接着したことを特徴とする。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記切り離しチューブの一端を保持して成
る取付部材を前記管状樹脂吸着材の鍔部に取り付けたこ
とを特徴とする。
【0019】請求項7記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記切り離しチューブの一端を外側に折り
返し、その折り返された部分を挟み込み部材によって前
記管状樹脂吸着材の鍔部との間でサンドイッチ状に挟み
込み、該挟み込み部材を鍔部に取り付けることによって
切り離しチューブの一端を鍔部に取り付けたことを特徴
とする。
【0020】請求項8記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記切り離しチューブは他の部分よりも引
張強度が局部的に小さい部分を有するものとしたことを
特徴とする。
【0021】請求項9記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記管状樹脂吸着材の鍔部に隣接する部分
の内周面を保護するための円筒状の穿孔保護部材を鍔部
に取り付けたことを特徴とする。
【0022】請求項10記載の発明は、一端に鍔部を有
し、外表面が気密性の高いフィルムで被覆された管状樹
脂吸着材の前記鍔部に切り離しチューブを取り付けて成
る枝管ライニング材を用いて施工される枝管ライニング
工法として、前記枝管ライニング材の切り離しチューブ
の開口端を圧力バッグの開口端に気密に連結して圧力バ
ッグ内に密閉空間を形成し、枝管ライニング材の鍔部を
本管の枝管開口部周縁に密着させた状態で前記密閉空間
に圧力流体を供給して枝管ライニング材を枝管内に本管
側から地上に向かって反転挿入し、反転挿入された枝管
ライニング材を枝管の内壁に押圧したまま該枝管ライニ
ング材に含浸された硬化性樹脂を硬化させた後、切り離
しチューブを引っ張ってこれを鍔部の近傍から切り離す
ことを特徴とする。
【0023】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の発明において、前記切り離しチューブを部分的に加熱
し、その加熱部分から切り離すことを特徴とする。
【0024】請求項12記載の発明は、請求項10記載
の発明において、前記切り離しチューブを切断工具で切
断することによって切り離すことを特徴とする。
【0025】従って、本発明によれば、切り離しチュー
ブは枝管ライニング材の既に硬化した鍔部に取り付けら
れるため、曲がり部を有する枝管内に枝管ライニング材
が高い流体圧によって反転挿入されても、又、熱媒や硬
化性樹脂の硬化発熱によって枝管ライニング材のフィル
ムが加熱されて軟化しても、切り離しチューブが剥れた
り、切れたりすることがなく、曲がり部を有する枝管で
あっても、枝管ライニング材を用いてこれを確実にライ
ニングして補修することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る枝管ライニン
グ材の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0027】<実施の形態1>図1は本発明の実施の形
態1に係る枝管ライニング材1の断面図であり、該枝枝
管ライニング材1は内側ライナー2と外側ライナー3と
で2層構造を構成しており、これらの内側ライナー2と
外側ライナー3は不織布から成る管状樹脂吸着材で構成
され、それらの各一端は外方へ折り返されてフランジ状
の鍔部2a,3aをそれぞれ構成している。ここで、外
側ライナー3の鍔部3aは内側ライナー2の鍔部2aと
リング状の樹脂吸着材4によってサンドイッチ状に挟み
込まれて接合一体化されている。又、内側ライナー2と
外側ライナー3の他端(反転端)は気密性の高いプラス
チックフィルム5によって封止されている。
【0028】そして、内側ライナー2と外側ライナー3
を構成する各管状樹脂吸着材の鍔部2a,3aを除く部
分には未硬化の液状熱硬化性樹脂がそれぞれ含浸されて
おり、該部分の外面には気密性の高いプラスチックフィ
ルム6,7がそれぞれ被覆されている。尚、管状樹脂吸
着材を構成する不織布の材質としてはポリエステル、ポ
リプロピレン、ナイロン、アクリル、ビニロン等が選定
され、これに含浸される熱硬化性樹脂としては不飽和ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。又、前
記プラスチックフィルム5〜7の材質としては、ポリウ
レタン、ポリエチレン、ポリエチレン/ナイロン共重合
体、塩化ビニール等が選定される。
【0029】一方、図1において、8は切り離しチュー
ブであり、これは管状樹脂吸着材の一端を外側へ折り返
して形成されるフランジ状の鍔部8aを有しており、管
状樹脂吸着材の鍔部8aを除く内周面は気密性の高いプ
ラスチックフィルム9で被覆されている。そして、この
切り離しチューブ8はその一端の鍔部8aが内側ライナ
ー2の鍔部2aとこれの下面に当接されるリング状の樹
脂吸着材10によってサンドイッチ状に挟み込まれるこ
とによって内側ライナー2の鍔部2aに取り付けられて
いる。
【0030】又、図1において、11は金属製(例え
ば、ステンレス製)の穿孔保護部材であって、これは内
側ライナー2の管状樹脂吸着材の鍔部2aに隣接する部
分の内周面を保護するための円筒部11aと該円筒部1
1aの外周に形成されたリング状のフランジ部11bで
構成されており、フランジ部11bには複数の円孔11
c(図2参照)が穿設されている。そして、この穿孔保
護部材11はそのフランジ部11bを前記樹脂吸着材1
0と別の樹脂吸着材12とでサンドイッチ状に挟み込む
ことによって内側ライナー2の鍔部2aに取り付けられ
ている。
【0031】尚、前記切り離しチューブ8の管状樹脂吸
着材及び前記樹脂吸着材4,10,12は前記内側ライ
ナー2と外側ライナー3の管状樹脂吸着材と同様の材質
で構成されており、前記プラスチックフィルム9も前記
内側ライナー2と外側ライナー3のプラスチックフィル
ム6,7と同様の材質で構成されている。
【0032】ところで、前記内側ライナー2と外側ライ
ナー3及び切り離しチューブ8の各鍔部2a,3a,8
aと樹脂吸着材4,10,12は後述の本管30(図9
参照)の内壁の曲率に等しい曲率で円弧状に湾曲する曲
面を構成しており、それらの外径は後述の枝管31(図
9参照)の内径よりも大きく設定されている。そして、
これらの鍔部2a,3a,8aと樹脂吸着材4,10,
12はこれらに含浸された硬化性樹脂が硬化することに
よって接合一体化されて枝管ライニング材1の1つの鍔
部1Aを構成しており、この鍔部1Aは本管30(図9
参照)の内壁の曲率に等しい曲率の円弧曲面形状を保持
している。
【0033】次に、以上の構成を有する枝管ライニング
材1の製造方法を図2〜図4に基づいて説明する。尚、
図2は枝管ライニング材1の製造方法を示す斜視図、図
3及び図4は同断面図である。
【0034】図2に示すように、内側ライナー2の素材
である管ライニング材(管状不織布の外表面をプラスチ
ックフィルム6で被覆したもの)2Aの一端を本管30
(図9参照)の内壁形状に沿って曲線状にカットし、そ
の外表面に被覆されたプラスチックフィルム6の一部を
本管30の内壁形状に沿う曲線状のカットラインaに沿
って適当な幅で剥ぎ取る。
【0035】次に、管ライニング材2Aの管状樹脂吸着
材の一端部のプラスチックフィルム6が剥ぎ取られた部
分に長さ方向(図2の上下方向)の複数の切れ目bを全
周に亘って適当な間隔で入れ、該部分を図示のように外
側へ折り返して押し広げれば、該部分は切れ目b部分か
ら花弁状に開いて鍔部2aを形成し、これによって内側
ライナー2が得られる。
【0036】外側ライナー3の素材である管ライニング
材(管状不織布の外表面をプラスチックフィルム7で被
覆したもの)3A及び切り離しチューブ8の素材である
管ライニング材(管状不織布の外表面をプラスチックフ
ィルム9で被覆したもの)8Aも上記と同様に処理し、
それぞれの端部に花弁状に開いた鍔部3a,8aを形成
することによって外側ライナー3と切り離しチューブ8
がそれぞれ得られる。
【0037】そして、切り離しチューブ8をその鍔部8
aを上にしてセットし、鍔部2aを上にした内側ライナ
ー2を切り離しチューブ8の中に上方から通して両者の
鍔部2a,8aを重ね合わせる。次に、鍔部3aを下に
した外側ライナー3の鍔部3aを内側ライナー2の鍔部
2aの上に重ね、該外側ライナー3に通された管状樹脂
吸着材4を外側ライナー3の鍔部3aの上に重ねる。
【0038】一方、切り離しチューブ8の鍔部8aに
は、該切り離しチューブ8と内側ライナー2に通された
樹脂吸着材10と穿孔保護部材11及び樹脂吸着材12
が順次重ねられ、図3に示すように、切り離しチューブ
8はその鍔部8aが内側ライナー2の鍔部2aと樹脂吸
着材10によって挟持され、穿孔保護部材11はそのフ
ランジ部11bが上下2枚の樹脂吸着材10,12によ
って挟持されている。
【0039】而して、図3に示す状態において、樹脂吸
着材4,10,12と内側ライナー2と外側ライナー3
の各鍔部2a,3a及び切り離しチューブ8の鍔部8a
に硬化性樹脂を含浸させてこれら硬化させることによっ
て、前述のように本管30の内壁の曲率に等しい曲率の
曲面を成す1つの鍔部1Aが形成され、この鍔部1Aに
切り離しチューブ8と穿孔保護部材11が取り付けられ
る。
【0040】上述のように鍔部1Aが形成されると、図
3に示すように、外側ライナー3の上端開口部から該外
側ライナー3内に所定量の未硬化の熱硬化性樹脂13が
注入される。そして、この熱硬化性樹脂13の外側ライ
ナー3内への注入が終了すると、図4に示すように外側
ライナー3の一部が内側へ折り返され、その折り返され
た部分の中にホース14から水が注入される。又、同時
に内側ライナー2の末端部(反転端)には真空ポンプ1
5が接続され、内側ライナー2は真空ポンプ15によっ
て真空引きされる。
【0041】すると、外側ライナー3は水圧によって内
側ライナー2内に反転挿入されて熱硬化性樹脂13を内
側ライナー2の末端部に向かって送るため、真空引きさ
れている内側ライナー2と反転済の外側ライナー3の各
管状樹脂吸着材に熱硬化性樹脂13が順次含浸されてい
く。そして、外側ライナー3の内側ライナー2内への反
転挿入が終了すると、該外側ライナー3の内側ライナー
2の末端部から外へ延出している部分を切除し、外側ラ
イナー3内に注入された水を排出した後、内側ライナー
2と外側ライナー3の各末端部をプラスチックフィルム
5によって封止することによって図1に示す枝管ライニ
ング材1が得られる。
【0042】<実施の形態2>次に、本発明の実施の形
態2に係る枝管ライニング材を図5に基づいて説明す
る。
【0043】図5は本発明の実施の形態2に係る枝管ラ
イニング材1の断面図であり、該枝管ライニング材1は
単層の管状樹脂吸着材2で構成されており、該管状樹脂
吸着材2の一端は図示のように外側へ折り返されて硬化
した鍔部2aを構成している。そして、管状樹脂吸着材
2の鍔部2aを除く部分には未硬化の熱硬化性樹脂が含
浸されており、該部分の外表面には気密性の高いプラス
チックフィルム6が被覆されている。
【0044】尚、鍔部2aには複数の円孔16が穿設さ
れている。又、管状樹脂吸着材2の末端部(反転端)は
気密性の高いプラスチックフィルム5で封止されてい
る。
【0045】而して、本実施の形態に係る枝管ライニン
グ材1においても、前記実施の形態1と同様の切り離し
チューブ8と穿孔保護部材11がリング状の樹脂吸着材
10,12によってサンドイッチ状に挟み込まれて鍔部
2aに取り付けられている。そして、鍔部2aと樹脂吸
着材10,12はこれらに含浸された硬化性樹脂が硬化
することによって接合一体化されて枝管ライニング材1
の鍔部1Aを構成しており、この鍔部1Aは本管30
(図9参照)の内壁の曲率に等しい曲率の円弧曲面状に
成形されている。
【0046】<実施の形態3>次に、本発明の実施の形
態3に係る枝管ライニング材を図6に基づいて説明す
る。尚、図6は本発明の実施の形態3に係る枝管ライニ
ング材1の断面図であり、本図においては図5に示した
と同一要素には同一符号を付しており、以下、それらに
ついての説明は省略する。
【0047】本実施の形態に係る枝管ライニング材1に
おいては、穿孔保護部材を兼ねる金属製の取付部材17
の円筒部17aの上部外周に切り離しチューブ8の外側
へ折り曲げられた一端を締付バンド18で取り付け、こ
の取付部材17のフランジ部17bを鍔部2aの下面に
当ててこれを複数のボルト19とナット20で鍔部2a
に取り付けている。つまり、切り離しチューブ8は別部
材である取付部材17を介して鍔部2aに取り付けられ
ている。
【0048】尚、実施の形態2と同様に鍔部2aに複数
の円孔を穿設しても良い。
【0049】<実施の形態4>次に、本発明の実施の形
態4に係る枝管ライニング材を図7に基づいて説明す
る。尚、図7は本発明の実施の形態4に係る枝管ライニ
ング材1の断面図であり、本図においては図5に示した
と同一要素には同一符号を付しており、以下、それらに
ついての説明は省略する。
【0050】本実施の形態に係る枝管ライニング材1に
おいては、切り離しチューブ8の一端を外側へ折り返し
て形成された鍔部8aを管状樹脂吸着材2の一端に形成
された鍔部2aの下面に接着剤で接着することによっ
て、切り離しチューブ8を鍔部2aに直接取り付けてい
る。
【0051】尚、実施の形態2と同様に鍔部2aに複数
の円孔を穿設しても良い。
【0052】<実施の形態5>次に、本発明の実施の形
態5に係る枝管ライニング材を図8に基づいて説明す
る。尚、図8は本発明の実施の形態5に係る枝管ライニ
ング材1の断面図であり、本図においては図5に示した
と同一要素には同一符号を付しており、以下、それらに
ついての説明は省略する。
【0053】本実施の形態に係る枝管ライニング材1に
おいては、切り離しチューブ8の一端を外側へ折り返し
て形成された鍔部8aを穿孔保護部材を兼ねる金属製の
挟み込み部材21によって鍔部2aとの間で挟み込み、
この挟み込み部材21を複数のボルト19とナット20
で管状樹脂吸着材2の鍔部2aの下面に締着することに
よって、切り離しチューブ8の一端を管状樹脂吸着材2
の鍔部2aに取り付けている。
【0054】尚、実施の形態2と同様に鍔部2aに複数
の円孔を穿設しても良い。
【0055】<枝管ライニング工法>次に、以上説明し
た本発明に係る枝管ライニング材1を用いて施工される
本発明に係る枝管ライニング工法を図9〜図13に基づ
いて説明する。
【0056】図9〜図13は本発明に係る枝管ライニン
グ工法をその工程順に示す断面図であり、図中、30は
下水管等の本管、31は本管30に合流する小径の枝管
であって、本管30内には、地上で予め組付一体化され
た作業用ロボット22、圧力バッグ23、枝管ライニン
グ材1等が引き込まれている。
【0057】上記作業用ロボット22は油圧で駆動され
るものであって、そのヘッドは図9の矢印a,b方向に
進退し、且つ、矢印c方向に回転可能であり、これには
フランジ状のセッティングカラー24が支持されてい
る。又、この作業用ロボット22の上部にはモニター用
のTVカメラ25が設置されており、このTVカメラ2
5は地上に設置された不図示のTVモニター装置に電気
ケーブル26を介して電気的に接続されている。そし
て、作業用ロボット22には牽引ロープ27が取り付け
られており、この牽引ロープ27は地上まで延設されて
いる。
【0058】ところで、前記枝管ライニング材1はその
鍔部1Aが作業用ロボット22のセッティングカラー2
4上にセットされており、他の未反転部分(管状樹脂吸
着材2の鍔部2aを除く部分と切り離しチューブ8)は
セッティングカラー24内を通って圧力バッグ23内に
収納されている。
【0059】ここで、前記圧力バッグ23の一端開口部
が連結ソケット28の一端に取り付けられており、連結
ソケット28の他端にはエルボバッグ29と切り離しチ
ューブ8の各一端が取り付けられている。そして、エル
ボバッグ29の他端はセッティングカラー24に取り付
けられている。従って、圧力バッグ23とエルボバッグ
29内には枝管ライニング材1によって区画される密閉
空間Sが形成され、枝管ライニング材1の鍔部1Aとセ
ッティングカラー24との間には切り離しチューブ8に
よって高い気密性が確保されている。尚、エルボバッグ
29の長さは切り離しチューブ8の長さよりも短く設定
されている。
【0060】以上において、前記牽引ロープ27又は圧
力バッグ23を引っ張ることによって作業用ロボット2
2これに支持された枝管ライニング材1や圧力バッグ2
3等は本管30内を一体的に移動するが、前記TVカメ
ラ25によって本管30内を地上の前記TVモニター装
置(不図示)でモニタリングしながら、図9に示すよう
に、枝管ライニング材1の鍔部1Aを枝管31の開口部
に位置決めし、作業用ロボット22のヘッドを上動させ
て枝管ライニング材1の鍔部1Aを本管30の枝管開口
部(本管30に枝管31が開口する部分)の周縁壁に押
圧してこれを密着せしめる。
【0061】次に、地上に設置された不図示のコンプレ
ッサーを駆動して圧縮エアーを前記密閉空間Sに供給す
ると、図10に示すように、枝管ライニング材1は圧縮
エアーの圧力を受けて反転しながら枝管31内を本管3
0から地上側(上方)に向かって順次挿入されていく。
【0062】ところで、枝管31に曲がり部が存在する
場合には、その曲がり部を枝管ライニング材1が通過す
るには平坦な部分を通過する際の約5〜10倍の大きな
反転圧力を要する。そのため、枝管ライニング材1が曲
がり部を通過する際には密閉空間S内の圧縮エアーが高
圧に設定され、この高圧によって枝管ライニング材1が
曲がり部を通過する。このとき、切り離しチューブ8は
鍔部1Aに取り付けられており、従来の引き剥しチュー
ブ140(図16及び図17参照)のように仮接着され
ていないため、これに高圧が作用しても剥れたり、切れ
たりすることがなく、密閉空間Sには高い気密性が確保
されて枝管ライニング材1の枝管31内への反転挿入が
確実に行われる。
【0063】而して、図11に示すように枝管ライニン
グ材1の枝管31内への反転挿入が終了すると、該枝管
ライニング材1の管状樹脂吸着材2は枝管31の内周壁
に押圧され、この状態を保ったまま、枝管ライニング材
1を熱風やスチーム等の任意の熱媒によって加熱すれ
ば、枝管ライニング材1が加熱されて管状樹脂吸着材2
に含浸された熱硬化性樹脂が硬化し、枝管31は、硬化
した管状樹脂吸着材2によってその内周面がライニング
されて補修される。
【0064】ところで、枝管ライニング材1の硬化中、
管状樹脂吸着材2に被覆されたプラスチックフィルム6
は熱媒と熱硬化性樹脂の硬化発熱によって加熱されて軟
化するが、切り離しチューブ8は既に硬化している鍔部
1Aに取り付けられているため、軟化したプラスチック
フィルム6が切り離しチューブ8によって引き剥される
等の不具合が発生することがなく、密閉空間Sには高い
気密性が確保されて枝管ライニング材1の管状樹脂吸着
材2は密閉空間Sの内圧によって枝管31の内周壁に確
実に押圧されて密着する。
【0065】上述のように枝管31が硬化した枝管ライ
ニング材1によってライニングされて補修されると、図
12に示すように、穿孔保護部材11の上端面に取り付
けた発熱体(ヒーター)32に電気ケーブル33から通
電する。すると、発熱体32が発熱してこれに接する切
り離しチューブ8が加熱されて溶融し、図13に示すよ
うにセッティングカラー24を下動させてこれを枝管ラ
イニング材1の鍔部1Aから引き離した後、作業用ロボ
ット22を例えば図13の矢印A方向に引けば切り離し
チューブ8が引っ張られ、該切り離しチューブ8は加熱
部分から切り離されて作業用ロボット22や圧力バッグ
23等と共に本管30内から取り除かれ、ここに枝管3
1に対する一連のライニング作業が終了する。
【0066】尚、切り離しチューブ8を切り離す方法と
しては、図14に示すようにセッティングカラー24の
上端面に取り付けられた発熱体(ヒーター)32に電気
ケーブル33から通電してこれを発熱させる方法(穿孔
保護部材が取り付けられていない場合)、図15に示す
ように複数の油圧シリンダー34によって支持された昇
降ベース35に円筒状の切断工具36を取り付け、油圧
シリンダー34によって昇降ベース35とこれに取り付
けられた切断工具36を上動させて該切断工具36で切
り離しチューブ8を切断する方法等が考えられる。又、
切り離しチューブ8の切り離されるべき部分の引張強度
を他の部分よりも小さくしておけば、切り離しチューブ
8を引っ張るだけで該切り離しチューブ8を引張強度が
小さい部分から切り離すことができる。その他、枝管3
1内に熱風を送り、この熱風によって切り離しチューブ
8を加熱して軟化させ、該切り離しチューブ8を引っ張
ってこれを所定の部位から切り離す方法を採用しても良
い。
【0067】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、切り離しチューブは枝管ライニング材の既に硬
化した鍔部に取り付けられるため、曲がり部を有する枝
管内に枝管ライニング材が高い流体圧によって反転挿入
されても、又、熱媒や硬化性樹脂の硬化発熱によって枝
管ライニング材のフィルムが加熱されて軟化しても、切
り離しチューブが剥れたり、切れたりすることがなく、
曲がり部を有する枝管であっても、枝管ライニング材を
用いてこれを確実にライニングして補修することができ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る枝管ライニング材
の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る枝管ライニング材
の製造方法を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る枝管ライニング材
の製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る枝管ライニング材
の製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る枝管ライニング材
の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る枝管ライニング材
の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係る枝管ライニング材
の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る枝管ライニング材
の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る枝管ライニング工法
を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る枝管ライニング工
法を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る枝管ライニング工
法を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る枝管ライニング工
法を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る枝管ライニング工
法を示す断面図である。
【図14】切り離しチューブの切り離し方法の別形態を
示す部分断面図である。
【図15】切り離しチューブの切り離し方法の別形態を
示す部分断面図である。
【図16】従来の枝管ライニング工法を示す断面図であ
る。
【図17】従来の枝管ライニング工法を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 枝管ライニング材 2 管状樹脂吸着材 2a 鍔部 4 樹脂吸着材 8 切り離しチューブ 10,12 樹脂吸着材 17 取付部材 21 挟み込み部材 23 圧力バッグ 30 本管 31 枝管 32 発熱体(ヒーター) 36 切断工具 S 密閉空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 23:00 (72)発明者 神山 隆夫 神奈川県平塚市代官町31番27号株式会社湘 南合成樹脂製作所内 (72)発明者 横島 康弘 茨城県結城郡石下町大字篠山175−3有限 会社 横島内 (72)発明者 遠藤 茂 茨城県つくば市花畑2−12−4株式会社ゲ ット内 (72)発明者 青木 啓之 埼玉県所沢市林1丁目194番地の4株式会 社オール内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に鍔部を有し、外表面が気密性の高
    いフィルムで被覆された管状樹脂吸着材に未硬化の硬化
    性樹脂を含浸せしめて構成される枝管ライニング材にお
    いて、 前記鍔部に切り離しチューブを取り付けたことを特徴と
    する枝管ライニング材。
  2. 【請求項2】 前記管状樹脂吸着材の一端を外側に折り
    返し、その折り返された部分に含浸された硬化性樹脂を
    硬化させて前記鍔部を一体に形成したことを特徴とする
    請求項1記載の枝管ライニング材。
  3. 【請求項3】 前記切り離しチューブの一端を外側に折
    り返し、その折り返された部分を前記管状樹脂吸着材の
    鍔部に接合して両者に含浸された硬化性樹脂を硬化させ
    ることによって切り離しチューブの一端を鍔部に固着し
    たことを特徴とする請求項1記載の枝管ライニング材。
  4. 【請求項4】 前記切り離しチューブの一端を外側に折
    り返し、その折り返された部分を前記管状樹脂吸着材の
    鍔部と樹脂吸着材とでサンドイッチ状に挟み込み、これ
    らに含浸された硬化性樹脂を硬化させることによって切
    り離しチューブの一端を鍔部に取り付けたことを特徴と
    する請求項1記載の枝管ライニング材。
  5. 【請求項5】 前記切り離しチューブの一端を外側に折
    り返し、その折り返された部分を前記管状樹脂吸着材の
    鍔部に接着したことを特徴とする請求項1記載の枝管ラ
    イニング材。
  6. 【請求項6】 前記切り離しチューブの一端を保持して
    成る取付部材を前記管状樹脂吸着材の鍔部に取り付けた
    ことを特徴とする請求項1記載の枝管ライニング材。
  7. 【請求項7】 前記切り離しチューブの一端を外側に折
    り返し、その折り返された部分を挟み込み部材によって
    前記管状樹脂吸着材の鍔部との間でサンドイッチ状に挟
    み込み、該挟み込み部材を鍔部に取り付けることによっ
    て切り離しチューブの一端を鍔部に取り付けたことを特
    徴とする請求項1記載の枝管ライニング材。
  8. 【請求項8】 前記切り離しチューブは他の部分よりも
    引張強度が局部的に小さい部分を有することを特徴とす
    る請求項1記載の枝管ライニング材。
  9. 【請求項9】 前記管状樹脂吸着材の鍔部に隣接する部
    分の内周面を保護するための円筒状の穿孔保護部材を鍔
    部に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の枝管ラ
    イニング材。
  10. 【請求項10】 一端に鍔部を有し、外表面が気密性の
    高いフィルムで被覆された管状樹脂吸着材の前記鍔部に
    切り離しチューブを取り付けて成る枝管ライニング材を
    用いて施工される枝管ライニング工法であって、 前記枝管ライニング材の切り離しチューブの開口端を圧
    力バッグの開口端に気密に連結して圧力バッグ内に密閉
    空間を形成し、枝管ライニング材の鍔部を本管の枝管開
    口部周縁に密着させた状態で前記密閉空間に圧力流体を
    供給して枝管ライニング材を枝管内に本管側から地上に
    向かって反転挿入し、反転挿入された枝管ライニング材
    を枝管の内壁に押圧したまま該枝管ライニング材に含浸
    された硬化性樹脂を硬化させた後、切り離しチューブを
    引っ張ってこれを鍔部の近傍から切り離すことを特徴と
    する枝管ライニング工法。
  11. 【請求項11】 前記切り離しチューブを部分的に加熱
    し、その加熱部分から切り離すことを特徴とする請求項
    10記載の枝管ライニング工法。
  12. 【請求項12】 前記切り離しチューブを切断工具で切
    断することによって切り離すことを特徴とする請求項1
    0記載の枝管ライニング工法。
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