JP2845798B2 - 枝管ライニング材及び枝管ライニング工法 - Google Patents

枝管ライニング材及び枝管ライニング工法

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JP2845798B2
JP2845798B2 JP8065934A JP6593496A JP2845798B2 JP 2845798 B2 JP2845798 B2 JP 2845798B2 JP 8065934 A JP8065934 A JP 8065934A JP 6593496 A JP6593496 A JP 6593496A JP 2845798 B2 JP2845798 B2 JP 2845798B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バリヤーライナー
を備える枝管ライニング材とこれを用いた枝管ライニン
グ工法に関する。
【0002】
【従来の技術】地中に埋設された下水管等の管路が老巧
化した場合、該管路を地中から掘出することなく、その
内周面にライニングを施して当該管路を補修する管ライ
ニング工法が知られている。この管ライニング工法は、
可撓性の管状樹脂吸着材に硬化性樹脂を含浸せしめて成
る管ライニング材を流体圧によって管路内に反転させな
がら挿入するとともに、これを管路内周面に押圧し、こ
の状態を保ったまま管ライニング材を加温等してこれに
含浸された硬化性樹脂を硬化させることによって管路の
内周面にライニングを施す工法である。
【0003】ところで、上記管ライニング工法は本管に
合流する枝管に対してもそのまま適用されるが、枝管の
ライニングには、例えば一端に硬化した鍔部を有する管
状樹脂吸着材に硬化性樹脂を含浸せしめて構成される枝
管ライニング材が使用される。
【0004】而して、本管ライニング材を用いて本管の
ライニングを施工した後に枝管ライニング材を用いて枝
管のライニングを行う場合、硬化した本管ライニング材
の枝管開口部(枝管の本管への開口部分)を塞ぐ部分に
孔を開け、その孔の周囲のプラスチックフィルムを機械
的に剥し、その剥した部分に枝管ライニング材の鍔部を
押し当てた状態で枝管ライニング材を流体圧によって枝
管内に本管側から地上に向かって反転挿入し、該枝管ラ
イニング材に含浸された硬化性樹脂を硬化させることが
行われる。尚、この場合、枝管ライニング材の鍔部と本
管ライニング材との密着性(接合性)を高めるために、
接着性樹脂を含浸したリング状の樹脂吸着材を枝管ライ
ニング材の鍔部に取り付け、この樹脂吸着材を鍔部と本
管ライニング材の間にサンドイッチ状に挟み込んでこれ
を硬化させることによって、本管ライニング材と枝管ラ
イニング材の鍔部とを接合一体化させることが行われ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
に樹脂吸着材を枝管ライニング材の鍔部と本管ライニン
グ材の間にサンドイッチ状に挟み込んだ場合であって
も、枝管や本管と本管ライニング材の間の隙間(インタ
ーフェイス)より多量の地下水の浸入がある場合には枝
管ライニング材の鍔部と本管ライニング材との接合一体
化が不十分となる場合があった。特に、本管ライニング
材と枝管ライニング材の樹脂吸着材との間に地下水が集
中して流れる水通路が部分的に形成され、その部分での
枝管ライニング材と本管ライニング材との接合一体化が
不可能であった。
【0006】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、多量の地下水の浸入があって
も、本管ライニング材との接合一体化が確実になされる
枝管ライニング材と該枝管ライニング材と本管ライニン
グ材とを確実に接合一体化することができる枝管ライニ
ング工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、枝管よりも小径であって硬
化性樹脂を含浸した管状樹脂吸着材の一端を外側に折り
返して鍔部を形成し、接着性樹脂を含浸したリング状の
樹脂吸着材を管状樹脂吸着材よりも大径の管状バリヤー
ライナーの一端に取り付け、管状樹脂吸着材の鍔部に近
い部分のバリヤーライナーの一端に複数の孔を穿設する
とともに、該バリヤーライナーを管状樹脂吸着材の中に
挿入して枝管ライニング材を構成したことを特徴とす
る。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記バリヤーライナーを、管状の織布又は
不織布或は両者の混合体の外周面に気密性の高いフィル
ムを被覆して構成したことを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記管状樹脂吸着材を、管状の不織
布の少なくとも外周面に気密性の高いフィルムを被覆し
て構成したことを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の発明において、前記管状樹脂吸着材の鍔部に近
い外周に引き剥しチューブを引き剥し可能に取り付けた
ことを特徴とする。
【0011】請求項5記載の発明は、本管ライニング材
を用いて本管のライニングを行い、硬化した本管ライニ
ング材の枝管開口部を孔開けした後に施工される枝管ラ
イニング工法において、枝管よりも小径であって硬化性
樹脂を含浸した管状樹脂吸着材の一端を外側に折り返し
て鍔部を形成し、接着性樹脂を含浸したリング状の樹脂
吸着材を管状樹脂吸着材よりも大径の管状バリヤーライ
ナーの一端に取り付け、管状樹脂吸着材の鍔部に近い部
分のバリヤーライナーの一端に複数の孔を穿設するとと
もに、該バリヤーライナーを管状樹脂吸着材の中に挿入
して構成される枝管ライニング材を本管内に導入し、該
枝管ライニング材の鍔部を本管ライニング材の枝管開口
部周縁に密着させた状態で枝管ライニング材を流体圧に
よって枝管内に本管側から地上に向かって反転挿入し、
該枝管ライニング材を枝管の内周面に押圧したまま、該
枝管ライニング材に含浸された硬化性樹脂を硬化させた
後、本管内に圧力バッグを導入して該圧力バッグで枝管
ライニング材の鍔部を気密的に塞ぎ、枝管ライニング材
の管状樹脂吸着材とバリヤーライナーとの間に充填剤を
注入してこれをバリヤーライナーの一端に形成された前
記複数の孔から流出させることを特徴とする。
【0012】従って、本発明によれば、充填剤は硬化し
た枝管ライニング材の管状樹脂吸着材とバリヤーライナ
ーとの間の隙間に注入されるが、バリヤーライナーの樹
脂吸着材(鍔部)に近い部分には孔が穿設されているた
め、注入された充填剤はその孔からバリヤーライナー外
へ流出して既設管とライニング材との隙間(インターフ
ェイス)や樹脂吸着材と本管ライニング材の間に形成さ
れる水通路或は既設管の亀裂発生箇所や接合部等を埋め
て硬化するため、多量の地下水が浸入する場合であって
も、枝管ライニング材と本管ライニング材とを確実に接
合一体化せしめることができ、既設管内への地下水の浸
入を確実に防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0014】図1は本発明に係る枝管ライニング材の部
分断面図、図2乃至図5はバリヤーライナーの製造方法
をその工程順に示す斜視図である。
【0015】本発明に係る枝管ライニング材1は、図1
に示すように、不織布から成る管状樹脂吸着材2を含ん
で構成され、その一端には外方へ折り返されたフランジ
状の鍔部3が形成されている。
【0016】上記管状樹脂吸着材2は後述の枝管11
(図6参照)よりも小径に構成され、その鍔部3を除く
部分には未硬化の液状熱硬化性樹脂が含浸されており、
該部分の内外周面は気密性の高いプラスチックフィルム
4,5によってそれぞれ被覆されている。尚、管状樹脂
吸着材2を構成する不織布の材質としては、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ビニロン等
が選定され、これらに含浸される熱硬化性樹脂として
は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が用いら
れる。又、前記プラスチックフィルム4,5の材質とし
ては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエチレン/ナ
イロン共重合体、塩化ビニール等が選定される。
【0017】更に、前記鍔部3は後述の本管10(図6
参照)の内周面と同じ曲率で円弧状に湾曲する曲面を構
成しており、その外径は後述の枝管11の内径よりも大
きく設定されており、これに含浸された硬化性樹脂が硬
化することによって該鍔部3はその形状を保持してい
る。
【0018】又、枝管ライニング材1にあっては、管状
樹脂吸着材2の外側には所定長さの引き剥しチューブ6
が通され、該引き剥しチューブ6の一端は管状樹脂吸着
材2の鍔部3に近い外周に引き剥し可能に接着されてお
り、他端は開放されている。尚、引き剥しチューブ6の
材質には前記プラスチックフィルム4,5と同様のもの
が選定される。
【0019】ところで、本発明に係る枝管ライニング材
1は管状のバリヤーライナー7を備えており、該バリヤ
ーライナー7は前記管状樹脂吸着剤2よりも大径であっ
て、これは管状の織布又は不織布或は両者の混合体7A
の外周面に気密性の高いプラスチックフィルム8を被覆
して構成されている。そして、このバリヤーライナー7
の一端には、接着性樹脂を含浸して成るリング状の樹脂
吸着材9が取り付けられており、この樹脂吸着材9は管
状樹脂吸着材2の一端に形成された前記鍔部3に重ねら
れて接着されている。
【0020】而して、上記バリヤーライナー7の樹脂吸
着材9に近い部分には複数の円孔7aが穿設されてお
り、該バリヤーライナー7は図示のように管状樹脂吸着
材2の中に挿入されている。尚、バリヤーライナー7の
樹脂吸着材9の管状樹脂吸着材2の鍔部3への取り付け
は、ボルト・ナット等による締着、熱溶着等の手段によ
っても良い。
【0021】ところで、前述のように、管状樹脂吸着材
2の口径は枝管11(図6参照)の口径よりも小さく設
定され、バリヤーライナー7の口径は管状樹脂吸着材2
の口径よりも大きく設定されるが、バリヤーライナー7
の口径は枝管11の口径よりも大きくても良い。枝管1
1と管状樹脂吸着材2及びバリヤーライナー7の口径は
例えば下表のように設定される。
【0022】
【表1】 ここで、上記バリヤーライナー7の製造方法を図2乃至
図5に基づいて説明する。
【0023】バリヤーライナー7の製造に際しては、図
2に示すように、縫製によって管状に加工した織布又は
不織布或は両者の混合体7Aの一端の円周複数箇所を長
さ方向に切り込むとともにみ、複数の円孔7aを穿設
し、その切り込んだ部分7A−1を図3に示すように外
方に開いて花弁状とする。尚、織布又は不織布或は両者
の混合体7Aの材質としては、ナイロン、ポリエステ
ル、アクリル、ガラス、レーヨン等が選定される。
【0024】次に、図4に示すように、所定の形状に成
形された鍔加工型枠20の上にリング状の樹脂吸着材9
−1を載せ、その上に織布又は不織布或は両者の混合体
7Aの一端に形成された花弁状の切り込み部7A−1を
載せ、更にその上にリング状の別の樹脂吸着材9−2を
載せて織布又は不織布或は両者の混合体7Aの一端切り
込み部7A−1を2つの樹脂吸着材9−1,9−2でサ
ンドイッチ状に挟み込む。尚、樹脂吸着材9−1,9−
2は前記樹脂吸着材9を構成しており、これらは不織
布、ガラス繊維、スポンジ等で構成されている。
【0025】その後、図5に示すように、容器22に収
容された未硬化の液状接着樹脂を樹脂吸着材9−1,9
−2に塗布してこれを樹脂吸着材9−1,9−2に含浸
せしめ、樹脂吸着材9−2の上に別の鍔加工型枠21を
被せて樹脂吸着材9−1,9−2と織布又は不織布或は
両者の混合体7Aの一端切り込み部7A−1を両鍔加工
型枠20,21でサンドイッチ状に挟み込めば、複数の
円孔7aを穿設して成るバリヤーライナー7の一端に樹
脂吸着材9を取り付けることができる。尚、樹脂吸着材
9(9−1,9−2)に含浸されるべき接着性樹脂とし
ては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニー
ルエステル樹脂等が用いられる。
【0026】次に、以上のように構成される枝管ライニ
ング材1を用いた枝管ライニング工法を図6乃至図8に
基づいて説明する。尚、図6及び図7は本発明に係る枝
管ライニング工法をその工程順に示す断面図、図8は図
7要部の拡大詳細図である。
【0027】図6において、10は下水管等の本管、1
1は本管10に合流する小径の枝管であって、本管10
に対しては従来と同様の工法によって既にライニングが
施工されており、該本管10の内周壁は硬化した本管ラ
イニング材12によってライニングされている。そし
て、本管ライニング材12の枝管開口部(枝管11が本
管10に開口する部分)を塞ぐ部分には孔12aが開け
られている。
【0028】而して、枝管11に対するライニングに際
しては、図6に示すように、地上で予め組付一体化され
た作業用ロボット13、圧力バッグ14、枝管ライニン
グ材1等が本管10内に引き込まれる。
【0029】上記作業用ロボット13は油圧で駆動され
てそのヘッド13aが上下動するものであって、該ヘッ
ド13aにはフランジ状のセットノズル15が支持され
ている。又、この作業用ロボット13の上部にはモニタ
ー用のTVカメラ16が設置されている。
【0030】一方、前記圧力バッグ14はその開口端が
前記セットノズル15に取り付けられている。
【0031】そして、枝管ライニング材1はその鍔部3
が前記セットノズル15上にセットされており、該枝管
ライニング材1の他の未反転部分(管状樹脂吸着材2の
鍔部3を除く部分とバリヤーライナー7及び引き剥しチ
ューブ6)はセットノズル15を通って圧力バッグ14
内に収納されている。
【0032】而して、圧力バッグ14内には、枝管ライ
ニング材1と引き剥しチューブ6とで区画される密閉空
間Sが形成されるが、該密閉空間Sには、地上に設置さ
れたコンプレッサー17と不図示の温水供給装置が接続
されている。
【0033】以上において、作業用ロボット13とこれ
に支持された枝管ライニング材1や圧力バッグ14等は
本管10内を一体的に移動せしめられるが、前記TVカ
メラ16によって本管10内をモニタリングしながら、
図6に示すように枝管ライニング材1の鍔部3を枝管1
1の開口部に位置決めし、作業用ロボット13のヘッド
13aを上動させて枝管ライニング材1の鍔部3を本管
10の枝管開口部の周縁に押圧してこれを密着せしめ
る。尚、本管10の内周面を被覆するプラスチックフィ
ルム12aの枝管開口部の周縁部分は機械的に剥され、
その剥された部分に枝管ライニング材1の鍔部3が押圧
されるが、このとき、鍔部3と本管ライニング材12と
の間には前記樹脂吸着材9がサンドイッチ状に挟み込ま
れる(図8参照)。
【0034】次に、地上に設置されたコンプレッサー1
7を駆動して圧縮エアーを圧力バッグ14内の前記密閉
空間Sに供給すると、図6に示すように、枝管ライニン
グ材1は圧縮エアーの圧力を受けて反転しながら枝管1
1内を本管10から地上側(上方)に向かって順次反転
挿入されていく。このとき、反転された枝管ライニング
材1においてはバリヤーライナー7が外周側に位置し、
これと管状樹脂吸着材2との間に所定の隙間が形成され
る。尚、枝管ライニング材1が枝管11内に反転挿入さ
れている間、密閉空間Sは引き剥しチューブ6によって
気密にシールされている。
【0035】そして、上記枝管ライニング材1の枝管1
1内への反転挿入が終了すると、地上に設置された不図
示の温水供給装置を駆動して温水を密閉空間Sに供給
し、密閉空間S内の圧縮エアーを温水で置換する。する
と、枝管ライニング材1は枝管11の内周壁に押圧され
た状態で加温され、その管状樹脂吸着材2に含浸された
熱硬化性樹脂が硬化し、枝管11は、硬化した枝管ライ
ニング材1によってその内周面がライニングされて補修
される。
【0036】而して、上述のように枝管ライニング材1
が硬化すると、密閉空間Sから温水を抜き、作業用ロボ
ット13のヘッド13aを下動させてセットノズル15
を枝管ライニング材1の鍔部3から引き離した後、作業
用ロボット13、圧力バッグ14、引き剥しチューブ6
等を一体として引くと、引き剥しチューブ6は枝管ライ
ニング材1の管状樹脂吸着材2の内周面から引き剥され
るため、作業用ロボット13、圧力バッグ14、引き剥
しチューブ6等を一体として本管10から取り除くこと
ができ、枝管11内には硬化した枝管ライニング材1の
みが残される。
【0037】次に、図7に示すように、本管10内に圧
力バッグ18を導入して該圧力バッグ18で枝管ライニ
ング材1の鍔部3を気密的に塞ぐ。この圧力バッグ18
は膨張収縮可能であって、その開口部はカップ19によ
って塞がれ、その内部にはコンプレッサー23からの圧
縮エアーがエアーホース24を介して充填され、従っ
て、該圧力バッグ18は膨張して前述のように枝管ライ
ニング材1の鍔部3を気密的に塞いでいる。尚、圧力バ
ッグ18はこれに接続された牽引ロープ25,26を操
作することによって本管10内を移動せしめられる。
【0038】ところで、前述のように枝管ライニング材
1の管状樹脂吸着材2は枝管11よりも小径であり、バ
リヤーライナー7は管状樹脂吸着材2よりも大径である
ため、両者の間には隙間が形成される。
【0039】而して、上記隙間には、地上に設置された
充填剤注入ポンプ27から充填剤注入ホース28を経て
セメント、親水性ポリウレタン、親水性ポリエステル、
エポキシ樹脂、レジンモルタル等の充填剤30が注入さ
れ、この充填剤30はバリヤーライナー7と管状樹脂吸
着材2の間の隙間を埋めるとともに、バリヤーライナー
7に穿設された複数の円孔7aからバリヤーライナー7
の外へ流出して周囲の各部を埋めて硬化する。
【0040】即ち、多量の地下水の浸入がある場合であ
っても、円孔7aからバリヤーライナー7の外へ流出し
た充填剤30は、本管10と本管ライニング材12の隙
間(インターフェイス)、本管ライニング材12と樹脂
吸着材9との間に形成される水通路(地下水が集中して
流れる通路)や本管10と枝管11との接合部或は本管
10や枝管11の亀裂発生箇所を埋めて硬化するため、
特に枝管ライニング材1の鍔部3と本管ライニング材1
2との接合部に地下水が浸入して両者の接合一体化を阻
害することがなく、枝管ライニング材1の鍔部3と本管
ライニング材12の間にサンドイッチ状に挟み込まれた
樹脂吸着材9に含浸された接着性樹脂が硬化することに
よって、枝管ライニング材1の鍔部3と本管ライニング
材12とは確実に接合一体化される。
【0041】又、上述のように本管10と枝管11との
接合部或は亀裂発生箇所は充填剤30によって埋められ
るため、これらの箇所から本管10や枝管11内への地
下水の浸入が確実に防がれる。
【0042】尚、本発明に係る枝管ライニング工法はズ
レや曲がりの激しい枝管に対しても同様に適用可能であ
る。
【0043】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、充填剤は硬化した枝管ライニング材の管状樹脂
吸着材とバリヤーライナーとの間の隙間に注入される
が、バリヤーライナーの樹脂吸着材(鍔部)に近い部分
には孔が穿設されているため、注入された充填剤はその
孔からバリヤーライナー外へ流出して既設管とライニン
グ材との隙間(インターフェイス)や樹脂吸着材と本管
ライニング材の間に形成される水通路或は既設管の亀裂
発生箇所や接合部等を埋めて硬化するため、多量の地下
水が浸入する場合であっても、枝管ライニング材と本管
ライニング材とを確実に接合一体化せしめることがで
き、既設管内への地下水の浸入を確実に防ぐことができ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る枝管ライニング材の部分断面図で
ある。
【図2】バリヤーライナーの製造方法を示す斜視図であ
る。
【図3】バリヤーライナーの製造方法を示す斜視図であ
る。
【図4】バリヤーライナーの製造方法を示す斜視図であ
る。
【図5】バリヤーライナーの製造方法を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明に係る枝管ライニング工法を示す断面図
である。
【図7】本発明に係る枝管ライニング工法を示す断面図
である。
【図8】図7の要部拡大詳細図である。
【符号の説明】
1 枝管ライニング材 2 管状樹脂吸着材 3 鍔部 4,5 プラスチックフィルム(フィルム) 7 バリヤーライナー 7a 円孔(孔) 8 プラスチックフィルム(フィルム) 9 樹脂吸着材 10 本管 11 枝管 12 本管ライニング材 18 圧力バッグ 30 充填剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 23:00 (56)参考文献 特開 平7−60837(JP,A) 特開 平4−355115(JP,A) 特開 昭63−254298(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 63/00 - 63/48 F16L 1/00 F16L 55/16 - 55/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枝管よりも小径であって硬化性樹脂を含
    浸した管状樹脂吸着材の一端を外側に折り返して鍔部を
    形成し、接着性樹脂を含浸したリング状の樹脂吸着材を
    管状樹脂吸着材よりも大径の管状バリヤーライナーの一
    端に取り付け、管状樹脂吸着材の鍔部に近い部分のバリ
    ヤーライナーの一端に複数の孔を穿設するとともに、該
    バリヤーライナーを管状樹脂吸着材の中に挿入して構成
    されることを特徴とする枝管ライニング材。
  2. 【請求項2】 前記バリヤーライナーは、管状の織布又
    は不織布或は両者の混合体の外周面に気密性の高いフィ
    ルムを被覆して構成されることを特徴とする請求項1記
    載の枝管ライニング材。
  3. 【請求項3】 前記管状樹脂吸着材は、管状の不織布の
    少なくとも外周面に気密性の高いフィルムを被覆して構
    成されることを特徴とする請求項1又は2記載の枝管ラ
    イニング材。
  4. 【請求項4】 前記管状樹脂吸着材の鍔部に近い外周に
    引き剥しチューブを引き剥し可能に取り付けたことを特
    徴とする請求項1,2又は3記載の枝管ライニング材。
  5. 【請求項5】 本管ライニング材を用いて本管のライニ
    ングを行い、硬化した本管ライニング材の枝管開口部を
    孔開けした後に施工される工法であって、 枝管よりも小径であって硬化性樹脂を含浸した管状樹脂
    吸着材の一端を外側に折り返して鍔部を形成し、接着性
    樹脂を含浸したリング状の樹脂吸着材を管状樹脂吸着材
    よりも大径の管状バリヤーライナーの一端に取り付け、
    管状樹脂吸着材の鍔部に近い部分のバリヤーライナーの
    一端に複数の孔を穿設するとともに、該バリヤーライナ
    ーを管状樹脂吸着材の中に挿入して構成される枝管ライ
    ニング材を本管内に導入し、該枝管ライニング材の鍔部
    を本管ライニング材の枝管開口部周縁に密着させた状態
    で枝管ライニング材を流体圧によって枝管内に本管側か
    ら地上に向かって反転挿入し、該枝管ライニング材を枝
    管の内周面に押圧したまま、該枝管ライニング材に含浸
    された硬化性樹脂を硬化させた後、本管内に圧力バッグ
    を導入して該圧力バッグで枝管ライニング材の鍔部を気
    密的に塞ぎ、枝管ライニング材の管状樹脂吸着材とバリ
    ヤーライナーとの間に充填剤を注入してこれをバリヤー
    ライナーの一端に形成された前記複数の孔から流出させ
    ることを特徴とする枝管ライニング工法。
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