JPH11226303A - クロマトグラフィー用担体 - Google Patents

クロマトグラフィー用担体

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JPH11226303A
JPH11226303A JP10029680A JP2968098A JPH11226303A JP H11226303 A JPH11226303 A JP H11226303A JP 10029680 A JP10029680 A JP 10029680A JP 2968098 A JP2968098 A JP 2968098A JP H11226303 A JPH11226303 A JP H11226303A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
general formula
chromatography
carrier
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Application number
JP10029680A
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English (en)
Inventor
Hirohisa Kubota
裕久 久保田
Keiko Kudo
慶子 工藤
Naoko Takasaki
直子 高崎
Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性に優れ、溶出が少なく、かつ、反応速度
の点で優れているため、種々の用途に使用することがで
きるクロマトグラフィー用担体を提供する。 【解決手段】 少なくとも下記一般式(1)又は一般式
(2) 【化1】 (上記式中、Aはアルキレン基またはアルコキシメチレ
ン基を表し、R1 〜R3は水素原子またはアルキル基ま
たはアルカノール基を表し、Xは配位した対イオンを表
す)で表される繰り返し単位を0.01〜99モル%含
有し、平均粒子径が1〜100μmである架橋アニオン
交換体からなることを特徴とするクロマトグラフィー用
担体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なクロマトグ
ラフィー用担体に関するものである。本発明のクロマト
グラフィー用担体は、高温度領域でも使用され、高い分
離性が維持されるクロマトグラフィー用担体を提供する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】強塩基
性アニオン交換樹脂の共重合体としては、スチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体、(メタ)アクリル系架橋共重
合体等が使われている。そのアニオン交換基としては、
トリメチルアンモニウム基やジメチルエタノールアンモ
ニウム基、ジメチルアミノ基等弱塩基性アニオン交換
基、ジエチレントリアミン等のアルキレンポリアミン等
も知られている。例えば、特開平4−349941号公
報、特開平9−208625号公報が知られている。一
方で、耐熱性に優れているため、高温でも使用できるば
かりでなく、分離性が向上し、樹脂からの溶出が少ない
ため、好感度の分析が可能であるクロマトグラフィー用
担体が、また、スペーサー基を有するため反応速度が大
きく、短時間で分離が可能である等の機能を有するクロ
マトグラフィー用担体が求められていた。
【0003】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を克服するため検討を行った結果、本発明を完成
するに至った。即ち、本発明の要旨は、少なくとも下記
一般式(1)又は一般式(2)
【0004】
【化5】
【0005】(上記式中、Aは炭素数3から8の直鎖状
アルキレン基、又は炭素数5〜9の直鎖状アルコキシメ
チレン基を表わし、R1 〜R3 は、水素原子又は炭素数
1から4のアルキル基、或いはアルカノール基を示し、
Xはアンモニウム塩に配位した対イオンを表す)で表わ
される繰り返し単位を0.01モル%〜99モル%含有
し、平均粒子径が1μm〜100μmである架橋アニオ
ン交換体からなることを特徴とするクロマトグラフィー
用担体に存する。
【0006】本発明の好ましい態様としては、Aが炭素
数3から6の直鎖状アルキレン基であること、平均粒子
径が、1μm〜20μmであること、架橋アニオン交換
体の乾燥重量当たりの比表面積が、1m2 以上であるこ
と、架橋アニオン交換体の50%以上が、その表面から
2μmの範囲内に分布していること、架橋共重合体の表
面に、一般式(1)又は一般式(2)で表される繰り返
し単位を有すること、架橋共重合体の表面に、一般式
(1)又は一般式(2)で表される繰り返し単位を有す
る架橋共重合体の0.005μm〜20μmの微粒子が
存在することが上げられる。また、本発明の要旨とし
て、少なくとも一般式(3)
【0007】
【化6】
【0008】(上記式中、Aは炭素数3から6の直鎖状
アルキレン基又は炭素数5〜7のアルコキシメチレン基
を表わし、Zは塩素、臭素、ヨウ素又は水酸基を表わ
す)で表わされる繰り返し単位とポリエチレン性架橋性
単量体を含有する懸濁溶液を重合開始剤の存在下、重合
して球状架橋重合体を得た後、アミンを反応させ、必要
に応じ、分級することを特徴とする上記クロマトグラフ
ィー用担体の製造方法、架橋共重合体の表面に、少なく
とも下記一般式(3)、一般式(4)又は一般式(5)
【0009】
【化7】
【0010】(上記式中、Aは炭素数3から6の直鎖状
アルキレン基又は炭素数5〜7のアルコキシメチレン基
を表わし、Zは塩素、臭素、ヨウ素又は水酸基を表わ
し、R1〜R3 は、水素原子又は炭素数1から4のアル
キル基、或いはアルカノール基を示し、Xはアンモニウ
ム塩に配位した対イオンを表す)で表わされる繰り返し
単位を化学結合させた後、アミンを反応させ、必要に応
じ、分級することを特徴とする上記クロマトグラフィー
用担体の製造方法、架橋共重合体に、少なくとも下記一
般式(3)、一般式(4)又は一般式(5)
【0011】
【化8】
【0012】(上記式中、Aは炭素数3から6の直鎖状
アルキレン基又は炭素数5〜7のアルコキシメチレン基
を表わし、Zは塩素、臭素、ヨウ素又は水酸基を表し、
1 〜R3 は、水素原子又は炭素数1から4のアルキル
基、或いはアルカノール基を示し、Xはアンモニウム塩
に配位した対イオンを表す)で表わされる重合性単量体
を含浸させ、重合した後、アミンを反応させ、必要に応
じ、分級することを特徴とする請求項1から7のいずれ
かに記載のクロマトグラフィー用担体の製造方法、及
び、上記クロマトグラフィー用担体を、アニオン物質、
陰電荷微粒子、着色物質、放射性物質、シリカ、酸性ガ
ス、蛋白質、アミノ酸又は酵素を含有する水又は水溶液
と接触させることを特徴とする水又は水溶液の処理方法
も挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、ベンゼン環とアニオン交換基の間に存在
する置換基A(スペーサー基)を有するアニオン交換体
は耐熱性に優れるばかりでなく、塩基度が大きい、反応
速度が大きいことを見出した。この結果、耐熱性に優れ
るため高温で分析ができるばかりでなく、反応速度が大
きいため高速分離が可能となり、アニオン交換基の塩基
度が大きいため、分離性が向上する等の特徴を有するこ
とを見出した。
【0014】本発明におけるクロマトグラフィー用担体
とは、上記一般式(1)または一般式(2)で表わされ
る構造単位を有することを特徴とする水不溶性架橋共重
合体である。このアニオン交換基が耐熱性の機能を発現
するためには、置換基Aは炭素数3から8の直鎖状アル
キレン基、又は炭素数5〜9のアルコキシメチレン基
で、特に、スペーサー基Aは炭素数3から6の直鎖状ア
ルキレン基又は炭素数5〜7のアルコキシメチレン基で
あることが好ましく、さらに炭素数3から6の直鎖上ア
ルキレン基が特に好ましい。なお、上記式中のベンゼン
環は、さらにアルキル基またはハロゲンで置換されてい
ても良い。
【0015】置換基Aがエチレン鎖の場合、正電荷を有
するアンモニウム基はホフマン分解によって分解し脱離
しやすいため、アニオン交換基として適切ではない。一
方、置換基Aの炭素数が特許請求の範囲を超えた場合、
架橋共重合体の構成単位の分子量が大きくなるため、重
量当たりの交換容量が小さくなる。置換基Aは、スチレ
ン残基のm又はp位に導入されることが望ましい。o位
に導入された場合でも、ベンゼン環とポリエチレン鎖に
よる立体的な影響は少ないことが考えられるが、架橋剤
との共重合の立体障害やアニオン交換基の反応速度を考
慮すると、置換基の位置はm位又はp位であることが好
ましい。
【0016】本発明のクロマトグラフィー用担体の製法
は、いくつかの方法がある。すなわち、少なくとも上記
一般式(3)で表わされる繰り返し単位とポリエチレン
性架橋性単量体を含有する懸濁溶液を重合開始剤の存在
下、重合して球状架橋重合体を得た後、アミンを反応さ
せ、必要に応じ、分級する方法、また、架橋共重合体の
表面に、少なくとも上記一般式(3)、一般式(4)又
は一般式(5)で表わされる繰り返し単位を化学反応、
ラジカル重合、グラフト重合、放射線重合、レドックス
重合等により化学結合させた後、アミンを反応させ、必
要に応じ、分級する方法、さらに、架橋共重合体に、少
なくとも上記一般式(3)、一般式(4)又は一般式
(5)で表わされる重合性単量体を含浸させ、重合した
後、アミンを反応させ、必要に応じ、分級することを特
徴とする方法が挙げられる。
【0017】上記一般式(1)または(2)で表される
架橋アニオン交換体は、上記一般式(3)で表される前
駆単量体を合成し、少なくとも架橋剤とともに共重合し
て架橋共重合体を得たあと、各種アミンと反応させ、置
換基Zを所望のアニオン交換基で置換する方法、また、
クロロメチルスチレンと架橋剤の共重合あるいはスチレ
ンと架橋剤の共重合体のクロロメチル化体のようなクロ
ロメチル化架橋共重合体を、高分子修飾法によって置換
基Aを導入する方法等が挙げられる。
【0018】なお、相当する前駆体の単量体である一般
式(3)は、公知の方法で合成することができる。置換
基Aがアルキレン基の場合クロロメチルスチレン(m及
びp体の混合物であってもよい)、ハロゲノスチレン
(例えば、クロロスチレン、ブロモスチレン)、又はビ
ニルフェネチルハライドと金属Mgの反応によって生成
したグリニャール試薬を、1,ω−ジハロゲノアルカン
(例えば,1,ω−ジブロモアルカン)に反応させ重合
性単量体を得る方法が挙げられる。クロロメチル化架橋
ポリスチレンをn−BuLi等の強塩基によりベンジル
アニオンを発生させ、1,ω−ジハロゲノアルカンとの
反応によりアルキルスペーサー型架橋共重合体を得る方
法が挙げられる。
【0019】アルコキシメチレン基の場合は、置換基A
がビニルベンジルアルコールと1,ω−ジハロゲノアル
カンとの反応により、ハロゲノアルコキシメチルスチレ
ン誘導体を得ることができる。一般式(1)または一般
式(2)で表わされる共重合体成分は、不飽和炭化水素
含有架橋性単量体、及び必要に応じて第3の不飽和炭化
水素含有単量体との共重合で得られる。この不飽和炭化
水素含有架橋性単量体は、水不溶性架橋共重合体にする
ためには必須成分である。この単量体としては、ジビニ
ルベンゼン、ポリビニルベンゼン、アルキルジビニルベ
ンゼン、エチレングリコール(ポリ)(メタ)アクリレ
ート、(ポリ)エチレンビス(メタ)アクリルアミド等
が挙げられる。更に、一般式(3)で示される単量体を
合成する際、副生するビスビニルフェニルエタン、ビス
ビニルベンジルエーテル等も架橋剤として使用できる。
【0020】不飽和炭化水素含有架橋性単量体の含有率
が低い場合には、得られるクロマトグラフィー用担体は
高膨潤性重合体となり、柔らかくなり溶離液が通液でき
なくなる。不飽和炭化水素含有架橋性単量体の含有率は
重合性単量体に対して1モル%〜80モル%、好ましく
は2モル%〜50モル%で用いられる。本発明のクロマ
トグラフィー用担体の機能を低減させない範囲におい
て、第3の不飽和炭化水素含有単量体を添加することが
できる。その重合性単量体としては、スチレン、メチル
スチレン、エチルスチレン、クロロメチルスチレン等の
アルキルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、グリセリン(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル等が挙げられ
る。その添加量は重合性単量体に対して0%〜80モル
%、好ましくは0%〜50モル%で用いられる。
【0021】上記単量体の共重合によって得られるクロ
マトグラフィー用担体は、ゲル型樹脂であっても多孔性
樹脂であってもよい。多孔性樹脂の製造方法は、公知の
方法に従って製造することができる。これらの重合反応
において、必要に応じて、上記の各単量体成分に溶解す
る溶媒を添加してもよい。単量体に対して貧溶媒である
トルエン、ヘプタン、イソオクタン、2−エチルヘキサ
ノール等の有機溶媒、又はポリスチレンを添加し共重合
を行った場合には、多孔性構造を有するクロマトグラフ
ィー用担体が得られる。一方、ジクロロエタン、1,4
−ジオキサン等上記の単量体の高分子に対して良溶媒を
添加した場合には、膨潤性のクロマトグラフィー用担体
が得られる。以上の溶媒の種類、添加量等により生成す
る多孔性担体の物理構造が異なり、これらの溶媒を制御
することにより目的とする多孔性担体を得ることができ
る。その添加量は、全単量体成分に対して0%〜150
重量%の範囲である。
【0022】本発明において、一般式(1)または一般
式(2)の構成単位を含有する重合性単量体は、全単量
体に対して0.01%〜99モル%の範囲である。な
お、クロマトグラフィー担体においては、樹脂の交換容
量はそれほど重要ではないが、クロマトグラフィー用担
体の有する重量当たりの交換容量(又は中性塩交換容
量)は、0.01meq/g 〜4.0meq/g の範囲である
(meq/g とは乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を表わ
す)。更に好ましくは、0.05meq/g 〜3.0meq/g
の範囲である。
【0023】この架橋共重合体は、過酸化物、及びアゾ
系重合開始剤を用いることにより重合体を得ることがで
きる。重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル(BPO) 、
過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド
等の過酸化物系重合開始剤、アゾイソブチロニトリル(A
IBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル#バレロ
ニトリル)(商品名;V-65(和光純薬))、水溶性のア
ゾ系重合開始剤等が用いられる。その含有率は、全単量
体に対して、0.05%〜5重量%である。重合温度
は、重合開始剤の半減期温度、含有率、単量体の重合性
等により異なるが30℃〜150℃、好ましくは50℃
〜100℃で使用される。重合時間は1時間〜30時
間、好ましくは、1時間〜15時間である。
【0024】本発明のクロマトグラフィー用担体は公知
の技術に準じて製造され、種々の形状に成形することが
できる。球状のクロマトグラフィー用担体は、水/油型
又は油/水型の懸濁重合により製造される。上記で示し
た単量体成分を用い重合開始剤の存在下、浴比が1対2
から1対20の範囲となるよう懸濁重合を行うことが好
ましい。クロマト担体として使用する場合、用途によっ
てクロマトグラフィー用担体の粒径は多少異なるが、そ
の平均粒子径は1μm〜100μm、更に好ましくは、
1μm〜20μmの範囲である。
【0025】スチレン−ジビニルベンゼン(エチレング
リコールジメタクリレート)架橋共重合体に導入された
クロロメチル基、クロロメチルスチレン−(スチレン)
−ジビニルベンゼン(エチレングリコールジメタクリレ
ート)架橋共重合体のクロロメチル基、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート−エチレングリコールジメタク
リレート架橋共重合体、グリシジルメタクリレート−エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート(ジビニルベ
ンゼン)架橋共重合体等の表面の官能基を用いて、一般
式(3)で表される重合性単量体を重合する方法、一般
式(2)で表される重合体を化学修飾によって導入する
方法、例えば、上記架橋共重合体に(メタ)アクリル
酸、アクリロニトリルから誘導される(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される(メ
タ)アクリル酸等を共重合させ、一般式(1)で表され
る重合体をイオン結合で修飾する方法、例えば、上記架
橋共重合体に少なくとも不飽和炭化水素含有架橋性単量
体を含む一般式(3)で表される重合性単量体を含浸さ
せ、重合した後、各種アミンを導入し、アニオン交換体
とする方法、等が挙げられる。
【0026】その他、樹脂の一部にマクロマーを導入
し、このマクロマーを起点に化学修飾または重合し、一
般式(1)、または一般式(2)で表されるアニオン交
換基を導入することができる。上記一般式(3)で表さ
れる前駆体単量体あるいはこれを架橋剤と共重合して得
られる架橋共重合体で表される官能基Zのアンモニウム
基への変換は、公知の方法に従って行うことができる。
上記のアンモニウム基を導入する際、重合体を膨潤させ
るため溶媒を加えるのが一般的である。溶媒としては、
例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール
類、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系炭化水素類、ジ
ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
エーテル類、その他ジメチルホルムアミド、アセトニト
リル等の溶媒が単独、又は混合溶液として用いられる。
反応温度は、官能基の種類、溶媒の等により異なるが、
20℃〜100℃である。その後、必要に応じて、公知
の方法によって対イオンを各種のイオン形に変換するこ
とができる。
【0027】なお、本発明のクロマトグラフィー用担体
は、アニオン物質、陰電荷微粒子、着色物質、放射性物
質、シリカ、酸性ガス、蛋白質、アミノ酸又は酵素を含
有する水又は水溶液と接触させることにより水又は水溶
液の処理方法に利用することが可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明のクロマトグラフィー用担体は耐
熱性に優れているばかりでなく、溶出が少ないこと、反
応速度に優れているため、多くの用途で使用することが
できる。更に、本発明のクロマトグラフィー用担体は実
施例から明らかなように、アニオン交換樹脂の欠点であ
る樹脂からの溶出が小さく、異臭もないという利点があ
り、高温時のみならず、常温においても利用価値が大き
い。
【0029】
【実施例】以下、製造例及び実施例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は要旨を越えない限り、以下
の製造例及び実施例に限定されるものではない。 製造例−1 4−(4−ブロモブチル)スチレンの合成 窒素ガス導入管、ジムロー冷却管、枝管付き等圧滴下ロ
ート、攪拌羽根を備えた1000mlの分液ロート型4
ツ口フラスコに金属マグネシウム52.5g(2.16
グラム原子)、テトラヒドロフラン(THF)360m
lを入れ、溶液を30℃に設定した。このフラスコに滴
下ロートを用いてp−クロロスチレン(クロロスチレ
ン)251g(1.81モル)のTHF溶液350ml
を内温が40℃以上にならないように、2時間かけて滴
下し、クロロスチレンのグリニャール試薬を得た。
【0030】上記の反応器の下に、窒素ガス導入管、ジ
ムロー冷却管、枝管付き等圧滴下ロート、攪拌羽根を備
えた2000mlの4ツ口フラスコを連結した。この中
へ、1,4−ジブロモブタン1060g(4.91モ
ル、2.71当量/クロロスチレン)、THF600m
l、触媒Li2CuCl47.5g(0.034モル、
1.9モル%/クロロスチレン)を加え溶液を調製し
た。このフラスコの溶液中に、上記で調製したクロロス
チレンのグリニャール試薬を、室温で1時間で滴下し
た。終了後、溶液を水にあけ、分液し、水相を除去し
た。有機溶媒を減圧下で留去し、その後大過剰に使用し
た1,4−ジブロモブタン(b.p.52℃/0.5mm
Hg)を留去し、最後に目的物である4−(4−ブロモブ
チル)スチレン(淡黄色透明溶液,bp.115℃/
0.2mmHg)を得た。
【0031】製造例−2 4−(4−ブロモブトキシメチル)スチレンの合成 300mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム20g
(0.5 モル)、水20mlを加え、溶液を撹拌し均一溶
液とした。溶液を室温に戻した後、4−ヒドロキシメチ
ルスチレン(m体,及びp体の混合物)13.42g
(0.1 モル)、1,4−ジブロモブタン32.4g(0.
15モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド
3.22g(0.01モル)をトルエン100mlに溶解
し、4ツ口フラスコに入れた。この混合溶液を激しく撹
拌しながら、50℃で6時間反応させた。反応後、有機
相と水相を分離し、有機相を水洗した。この有機相に硫
酸マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で
留去して得た溶液をDPPH(ジフェニルピクリル−2
−ヒドラジル)存在下で真空蒸留(沸点112〜117
℃/0.6mmHg)して、無色透明溶液を得た。4−(4
−ブロモブトキシメチル)スチレンの収量は15.0
g、収率は56%であった。
【0032】製造例−3 4−(4−ブロモブチル)スチレンポリマーの合成 窒素ガス導入管、ジムロー冷却管、攪拌羽根を備えた1
Lの4ツ口フラスコに、1,4−ジオキサン500g、
4−(4−ブロモブチル)スチレン70g、75%BP
O0.125gを溶解した。80℃で16時間重合し
た。重合終了後、減圧下で1,4−ジオキサンを留去
し、4−(4−ブロモブチル)スチレンポリマーのジオ
キサン溶液123gを得た。このジオキサン溶液を、攪
拌しながら1Lのメタノール中にゆっくり滴下し、白色
の4−(4−ブロモブチル)スチレンポリマーを沈殿さ
せた。白色沈殿を回収した後、塩化メチレン100gに
溶解し、無色透明溶液を得た。この塩化メチレン溶液
を、再び、攪拌しながら1Lのメタノール中にゆっくり
滴下し、白色沈殿を得た。この操作を、もう一度繰り返
し、白色の4−(4−ブロモブチル)スチレンポリマー
23gを得た。これを80℃で8時間減圧乾燥し、無色
のポリマーを得た。
【0033】製造例−4 トリメチルビニルフェニルブチルアンモニウムクロライ
ドの合成 ジムロー冷却管、攪拌羽根を備えた1Lの4ツ口フラス
コに、エタノール500ml、4−(4−ブロモブチ
ル)スチレン40g(0.167モル)、30%トリメ
チルアミン80g(0.406モル)を溶解し、30℃
で5時間反応した。終了後、減圧下でエタノールを留去
すると、白色の結晶を得た。この白色の結晶に、メタノ
ールとエタノールの混合溶媒を用いて再結晶すると無色
鱗片状晶35gを得た。この結晶を脱塩水50mlに溶
解し、完全再生したダイヤイオンPA308300ml
にSV1で通液し、更に100mlの脱塩水で押し出し
た。このトリメチルビニルフェニルブチルアンモニウム
塩の水酸化物の水溶液を、20%濃塩酸で中和し、塩化
物塩とした。この水溶液を減圧下で脱水し、白色結晶を
得た。この結晶をメタノールとエタノールの混合溶媒を
用いて再結晶し、無色鱗片状晶18gを得た。1H−N
MR分析(Varian Unity-300で測定 CDCl3 に溶解し、
TMS を基準とした。単位δ/ppmメチル基 3.42,α位メ
チレン鎖3.62,β、γ位メチレン鎖位1.74、ベンジル位メチ
レン鎖2.69)
【0034】製造例−5 トリメチルビニルフェニルブチルアンモニウムクロライ
ド−クロロメチルスチレン共重合体の合成 ジムロー冷却管、攪拌羽根を備えた1Lの4ツ口フラス
コに、80%メタノール100ml製造例−4で得られ
たトリメチルビニルフェニルブチルアンモニウムクロラ
イド32.1g(0.165モル)、4−クロロメチル
スチレン1.15g(0.0075モル)、アゾ系重合
開始剤V−65 0.11gを加え、60℃で、窒素雰
囲気下で10時間攪拌した。終了後、減圧下でメタノー
ルを留去し、無色のポリマーを得た。メタノールとアセ
トンを用いて分別沈殿をし、低分子量のポリマーを除去
した。
【0035】実施例−1 窒素ガス導入管、冷却管、バッフルを備えた5Lの反応
容器に脱塩水2000ml、1%ドデシルスルホン酸ナ
トリウム水溶液400mlを加え、窒素を導入し、溶存
酸素を除去した。製造例−1で得られた4−ブロモブチ
ルスチレン360g(1.51モル)、ジビニルベンゼ
ン(DVB)51.6g(0.32モル)(ジビニルベ
ンゼン含有率80%)、及びベンゾイルパーオキシド
(BPO)(含有率75%)2.7gを溶解したモノマ
ー溶液を調製した。モノマー溶液を上記フラスコに入
れ、750rpmで激しく攪拌し懸濁液とした。更に、
ホモジナイザーで攪拌し、モノマーの乳化液を調製し
た。5Lの反応器に戻し、70℃に昇温し、70℃で1
2時間撹拌した。重合後、ポリマーを取り出し、樹脂を
水洗後、メタノールで1回洗浄した。重合収率は93%
であった。この架橋重合体を減圧下50℃で6時間乾燥
した。
【0036】冷却管を備えた500mlの4ツ口フラス
コに上記の樹脂100gを入れ、1,4−ジオキサン3
00mlを加え、室温で撹拌した。この溶液に30%ト
リメチルアミン300g(1.52モル)を加え、50
℃で6時間反応を行った。反応後ポリマーを取り出し、
充分水洗した。このアニオン交換樹脂の対イオンを臭化
物イオンから塩化物イオン(Cl形)に変換するため、
ヌッチェ上にアニオン交換体を入れ、樹脂量に対して3
倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を入れ、かき混ぜた
後、濾過した。この操作を5回繰り返した。得られた樹
脂の平均粒径は35μmであった。更に、樹脂の粒径を
揃えるため、水簸塔に樹脂を入れ、脱塩水で逆洗展開
し、10μm〜15μmの範囲のアニオン交換体を回収
した。アニオン交換体の交換容量は、酸塩基滴定曲線の
変曲点より求めた。乾燥重量当たりの交換容量は、3.
12meq/gであった。
【0037】実施例−2 窒素ガス導入管、冷却管、バッフルを備えた3Lの反応
容器に脱塩水1000ml、1%ドデシルスルホン酸ナ
トリウム水溶液200mlを加え、窒素を導入し、溶存
酸素を除去した。製造例−2で得られた4−(4−ブロ
モブトキシメチル)スチレン31.5g(0.117モ
ル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEM
A)124g(0.953モル)、ジビニルベンゼン
(DVB)25.2g(0.155モル)(ジビニルベ
ンゼン含有率80%)、エチレングリコールジメタクリ
レート32.8g(0.193モル)、及びベンゾイル
パーオキシド(BPO)(含有率75%)2.2gを溶
解したモノマー溶液を調製した。
【0038】重合反応は、実施例−1と同様に、モノマ
ーの乳化液をホモジナイザーで調製した。3Lの反応器
に戻し、70℃に昇温し、70℃で10時間撹拌した。
重合後、ポリマーを取り出し、樹脂を水洗後、アセトン
で3回洗浄した。重合収率は93%であった。この架橋
重合体を減圧下50℃で6時間乾燥した。アミノ化反応
は、実施例−1と同様に、30%トリメチルアミンでア
ミノ化を行った。得られた樹脂の平均粒径は、電子顕微
鏡観察より28μmであった。樹脂の粒径を揃えるた
め、水簸塔を用いて脱塩水で逆洗展開し、5μm〜10
μmの範囲のアニオン交換体を分取した。アニオン交換
体の交換容量は、酸塩基滴定曲線の変曲点より求めた。
乾燥重量当たりの交換容量は、0.48meq/gであ
った。
【0039】実施例−3 窒素ガス導入管、冷却管、バッフルを備えた1Lの反応
容器に脱塩水500ml、1%ドデシルスルホン酸ナト
リウム水溶液100mlを加え、窒素を導入し、溶存酸
素を除去した。製造例−1で得られた4−(4−ブロモ
ブチル)スチレン12g(0.0502モル)、スチレ
ン34g(0.326モル)、ジビニルベンゼン(DV
B)31.9g(0.196モル)(ジビニルベンゼン
含有率80%)、及び、トルエン38g、ベンゾイルパ
ーオキシド(BPO)(含有率75%)0.31gを溶
解したモノマー溶液を調製した。
【0040】重合反応は、実施例−1と同様に、モノマ
ーの乳化液をホモジナイザーで調製し、1Lの反応器に
戻し、70℃に昇温し、70℃で10時間撹拌した。重
合後、ポリマーを取り出し、樹脂を水洗後、アセトンで
3回洗浄した。白色多孔性の重合体粒子を、重合収率で
93%で得た。この架橋重合体を減圧下50℃で6時間
乾燥した。アミノ化反応は、実施例−1で使用した30
%トリメチルアミンの代わりにエチレンジアミン30g
でアミノ化した。得られた樹脂の平均粒径は、電子顕微
鏡観察より18μmであった。水簸分級により6μm〜
9μmの範囲のアニオン交換体を分取した。アニオン交
換体の交換容量は、酸塩基滴定曲線の変曲点より求め
た。乾燥重量当たりの塩酸吸着容量は、1.12meq
/gであった。
【0041】実施例−4 窒素ガス導入管、冷却管、バッフルを備えた1Lの反応
容器に脱塩水500ml、1%ドデシルスルホン酸ナト
リウム水溶液100mlを加え、窒素を導入し、溶存酸
素を除去した。スチレン37g(0.355モル)、ジ
ビニルベンゼン(DVB)38.4g(0.236モ
ル)(ジビニルベンゼン含有率80%)、及び、トルエ
ン45g、アゾイソブチロニトリル(AIBN)0.3
1gを混合したモノマー溶液を調製した。重合反応は、
実施例−1と同様に、モノマーの乳化液をホモジナイザ
ーで調製し、1Lの反応器に戻し、70℃に昇温し、7
0℃で10時間撹拌した。重合後、ポリマーを取り出
し、樹脂を水洗後、アセトンで3回洗浄した。白色多孔
性の重合体粒子を、重合収率で92%で得た。この架橋
重合体を減圧下50℃で6時間乾燥した。
【0042】上記の重合容器に、脱塩水400ml、1
%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液60m
lを入れた。一方、上記で得た共重合体粒子65gに、
製造例−1で得られた4−(4−ブロモブチル)スチレ
ン4g、1,2−ジクロロエタン35g、トルエン40
g、アゾ系重合開始剤V−65 0.030gのモノマ
ー溶液を混合した。この溶液を、上記重合容器の中に入
れ、65℃で12時間重合した。重合終了後、ポリマー
をアセトンで、3回洗浄し、1,2−ジクロロエタンや
トルエンを除去した。アミノ化反応は、実施例−1と同
様に、30%トリメチルアミン水溶液20gを用いて、
ブロモブチル基をアミノ化した。得られた樹脂の平均粒
径は、電子顕微鏡観察より15μmであった。水簸分級
により10μm〜15μmの範囲のアニオン交換体を分
取した。アニオン交換体の交換容量は、酸塩基滴定曲線
の変曲点より求めた。乾燥重量当たりの塩酸吸着容量は
0.19meq/gであった。
【0043】実施例−5 窒素ガス導入管、冷却管、バッフルを備えた1Lの反応
容器に脱塩水500ml、1%ドデシルスルホン酸ナト
リウム水溶液100ml、塩化カルシウム40gを加
え、窒素を導入し、溶存酸素を除去した。4−クロロメ
チルスチレン2.2g(0.014モル)、スチレン4
1g(0.393モル)、ジビニルベンゼン(DVB)
31.9g(0.196モル)(ジビニルベンゼン含有
率80%)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)(含有
率75%)0.31gを溶解したモノマー溶液を調製し
た。重合反応は、実施例−1と同様に、モノマーの乳化
液をホモジナイザーで調製し、1Lの反応器に戻し、8
0℃で10時間撹拌した。重合後、ポリマーを取り出
し、樹脂を水洗後、アセトンで3回洗浄した。この架橋
重合体を減圧下50℃で6時間乾燥した。
【0044】1Lのフラスコの中に、上記の共重合体5
0gに、エタノール200ml、アゾ系重合開始剤VA
−044(和光純薬)(2,2‘−アゾビス(2−(5
−メチルー2−イミダゾリン−2−イル−プロパン))
2塩酸塩 分子量351)5.0g、EtONaを添加
し溶液を弱塩基した後、30℃で5時間攪拌しクロロメ
チル基の末端に、アゾ系重合開始剤を化学修飾し官能基
を導入した。樹脂中の重合開始剤を除くため、メタノー
ル、アセトン、脱塩水の順に洗浄した。1Lのフラスコ
の中に、アゾ系重合開始剤を化学修飾した共重合体に、
50%メタノール水溶液を200ml、製造例−4で得
られたトリメチルビニルフェニルブチルアンモニウムク
ロライド18.1g、エチレングリコールジメタクリレ
ート0.12gを加え、80℃で10時間攪拌し、アゾ
系重合開始剤を起点にトリメチルビニルフェニルブチル
アンモニウムクロライドを重合した。終了後、樹脂を脱
塩水、メタノール、脱塩水の順に、ヌッチェ上で洗浄し
た。得られた樹脂の平均粒径は、電子顕微鏡観察より1
5μmであった。水簸分級により10μm〜15μmの
範囲のアニオン交換体を分取した。アニオン交換体の交
換容量は、酸塩基滴定曲線の変曲点より求めた。乾燥重
量当たりの交換容量は、0.32meq/gであった。
【0045】実施例−6 実施例−5で製造されたスチレンと4−クロロスチレン
架橋共重合体用いて、以下の反応を行った。重合反応
は、実施例−1と同様に、モノマーの乳化液をホモジナ
イザーで調製し、1Lの反応器に戻し、80℃で10時
間撹拌した。重合後、ポリマーを取り出し、樹脂を水洗
後、アセトンで3回洗浄した。この架橋重合体を減圧下
50℃で6時間乾燥した。1Lのフラスコの中に、上記
の共重合体50gに、エタノール200ml、50%ジ
メチルアミン水溶液、30gを入れ、室温で1時間攪拌
した後、50℃で5時間攪拌し、クロロメチル基を有す
るポリマーを弱塩基性アニオン交換体とした。終了後、
樹脂を脱塩水、メタノール、脱塩水の順に洗浄した。
【0046】500mlのフラスコの中に、上記の共重
合体30gに、製造例−5で得られたトリメチルビニル
フェニルブチルアンモニウムクロライド−クロロメチル
スチレン共重合体15gを80%メタノール水溶液10
0mlに溶解し60℃で8時間攪拌した。終了後、樹脂
を脱塩水とメタノールで洗浄した。更に、残存している
3級アミンを強塩基性交換基にするため、この樹脂にメ
タノール50mlを入れ、ヨウ化メチル10gを入れ、
溶液が中性になる毎に、2Nー水酸化ナトリウム水溶液
を滴下し攪拌した。終了後、樹脂を臭化ナトリウム水溶
液、塩化ナトリウム水溶液の順に洗浄し、対イオンをイ
オン交換した。最後に、樹脂を脱塩水、メタノール、脱
塩水の順に、ヌッチェ上で洗浄した。得られた樹脂の平
均粒径は、電子顕微鏡観察より15μmであった。水簸
分級により8μm〜12μmの範囲のアニオン交換体を
分取した。アニオン交換体の交換容量は、酸塩基滴定曲
線の変曲点より求めた。乾燥重量当たりの中性塩分解容
量は、0.27meq/gであった。
【0047】実施例−7 窒素ガス導入管、冷却管、バッフルを備えた1Lの反応
容器に脱塩水500ml、2%ポリビニルアルコール水
溶液100ml、塩化ナトリウム20gを加え、窒素を
導入し、溶存酸素を除去した。グリシジルメタクリレー
ト2.8g(0.020モル)、スチレン41g(0.
393モル)、ジビニルベンゼン(DVB)31.9g
(0.196モル)(ジビニルベンゼン含有率80
%)、AIBN0.37gを溶解したモノマー溶液を調
製した。重合反応は、実施例−1と同様に、モノマーの
乳化液をホモジナイザーで調製し、1Lの反応器に戻
し、80℃で10時間撹拌した。重合後、ポリマーを取
り出し、樹脂を水洗後、アセトンで3回洗浄した。この
架橋重合体を減圧下50℃で6時間乾燥した。
【0048】500mlのフラスコの中に、製造例−5
で得られたトリメチルビニルフェニルブチルアンモニウ
ムクロライド−クロロメチルスチレン共重合体15gを
50%メタノール水溶液100mlに溶解し、50%ジ
メチルアミン水溶液35gを加え、室温で1時間攪拌
し、更に50℃で8時間攪拌した。終了後、減圧下でメ
タノール、水を留去し、粘調な液体を得た。この液体を
アセトン中にゆっくり滴下すると白色沈殿が生成した。
【0049】この架橋共重合体35gにトリメチルビニ
ルフェニルブチルアンモニウムクロライド−ジメチルア
ミノメチルスチレン共重合体15gを80%メタノール
水溶液100mlに溶解し60℃で8時間攪拌した。更
に、この中へ5%硫酸水溶液300mlを入れ、残存す
るグリシジル基を加水分解した。終了後、樹脂を脱塩水
とメタノールで洗浄した。最後に、樹脂を脱塩水、メタ
ノール、脱塩水の順に、ヌッチェ上で洗浄した。得られ
た樹脂の平均粒径は電子顕微鏡観察より15μmであっ
た。水簸分級により8μm〜10μmの範囲のアニオン
交換体を分取した。アニオン交換体の交換容量は、酸塩
基滴定曲線の変曲点より求めた。乾燥重量当たりの中性
塩分解容量は、0.43meq/gであった。
【0050】実施例−8 実施例−4で製造されたスチレン−ジビニルベンゼン架
橋共重合体50gをフラスコの中に入れ、95%硫酸5
0mlを入れ、50℃で15分加温し、スチレン残基を
一部スルホン化した。終了後、脱塩水で樹脂を水洗し
た。脱塩水100ml、2gの過硫酸ナトリウム、2g
の重曹、10gの30%ドデシル硫酸ナトリウムを溶解
した。この溶液中で、4−(4−ブロモブチル)スチレ
ン)10.0gと80%ジビニルベンゼン1.0gをフ
ラスコに入れ、メタ重亜硫酸ナトリウム1gをフラスコ
に入れ、35℃で6時間乳化重合した。
【0051】得られたラテックスをNo1の濾紙で濾過
した。5mlのジメチルエタノールアミンを上記ラテッ
クスに添加し、50℃でアミノ化した。このラテックス
を上記カチオン交換樹脂と混合し、表面にアニオン交換
基を有するアニオン交換体を得た。重合反応は、実施例
−1と同様に、モノマーの乳化液をホモジナイザーで調
製し、1Lの反応器に戻し、70℃に昇温し、70℃で
10時間撹拌した。重合後、ポリマーを取り出し、樹脂
を水洗後、アセトンで3回洗浄した。白色多孔性の重合
体粒子を、重合収率で92%で得た。この架橋重合体を
減圧下50℃で6時間乾燥した。
【0052】上記の重合容器に、脱塩水400ml、1
%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液60m
lを入れた。一方、上記で得た共重合体粒子65gに、
製造例−1で得られた4−(4−ブロモブチル)スチレ
ン4g、1,2−ジクロロエタン35g、トルエン40
g、アゾ系重合開始剤V−65 0.030gのモノマ
ー溶液を混合した。この溶液を、上記重合容器の中に入
れ、65℃で12時間重合した。重合終了後、ポリマー
をアセトンで、3回洗浄し、1,2−ジクロロエタンや
トルエンを除去した。アミノ化反応は、実施例−1と同
様に、30%トリメチルアミン水溶液20gを用いて、
ブロモブチル基をアミノ化した。得られた樹脂の平均粒
径は、電子顕微鏡観察より15μmであった。水簸分級
により10μm〜15μmの範囲のアニオン交換体を分
取した。アニオン交換体の交換容量は、酸塩基滴定曲線
の変曲点より求めた。乾燥重量当たりの塩酸吸着容量は
0.19meq/gであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 純哉 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記一般式(1)又は一般式
    (2) 【化1】 (上記式中、Aは炭素数3から8の直鎖状アルキレン
    基、又は炭素数5〜9の直鎖状アルコキシメチレン基を
    表わし、R1 〜R3 は、水素原子又は炭素数1から4の
    アルキル基、或いはアルカノール基を示し、Xはアンモ
    ニウム塩に配位した対イオンを表す)で表わされる繰り
    返し単位を0.01モル%〜99モル%含有し、平均粒
    子径が1μm〜100μmである架橋アニオン交換体か
    らなることを特徴とするクロマトグラフィー用担体。
  2. 【請求項2】Aが炭素数3から6の直鎖状アルキレン基
    であることを特徴とする請求項1項記載のクロマトグラ
    フィー用担体。
  3. 【請求項3】平均粒子径が、1μm〜20μmであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のクロマトグラフィ
    ー用担体。
  4. 【請求項4】架橋アニオン交換体の乾燥重量当たりの比
    表面積が、1m2 以上であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載のクロマトグラフィー用担体。
  5. 【請求項5】架橋アニオン交換体の50%以上が、その
    表面から2μmの範囲内に分布していることを特徴とす
    る請求項1から4のいずれかに記載のクロマトグラフィ
    ー用担体。
  6. 【請求項6】架橋共重合体の表面に、一般式(1)又は
    一般式(2)で表される繰り返し単位を有することを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクロマトグラ
    フィー用担体。
  7. 【請求項7】架橋共重合体の表面に、一般式(1)又は
    一般式(2)で表される繰り返し単位を有する架橋共重
    合体の0.005μm〜20μmの微粒子が存在するこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のクロマ
    トグラフィー用担体。
  8. 【請求項8】少なくとも一般式(3) 【化2】 (上記式中、Aは炭素数3から6の直鎖状アルキレン基
    又は炭素数5〜7のアルコキシメチレン基を表わし、Z
    は塩素、臭素、ヨウ素又は水酸基を表わす)で表わされ
    る繰り返し単位とポリエチレン性架橋性単量体を含有す
    る懸濁溶液を重合開始剤の存在下、重合して球状架橋重
    合体を得た後、アミンを反応させ、必要に応じ、分級す
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のク
    ロマトグラフィー用担体の製造方法。
  9. 【請求項9】架橋共重合体の表面に、少なくとも下記一
    般式(3)、一般式(4)又は一般式(5) 【化3】 (上記式中、Aは炭素数3から6の直鎖状アルキレン基
    又は炭素数5〜7のアルコキシメチレン基を表わし、Z
    は塩素、臭素、ヨウ素又は水酸基を表わし、R1〜R3
    は、水素原子又は炭素数1から4のアルキル基、或いは
    アルカノール基を示し、Xはアンモニウム塩に配位した
    対イオンを表す)で表わされる繰り返し単位を化学結合
    させた後、アミンを反応させ、必要に応じ、分級するこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のクロマ
    トグラフィー用担体の製造方法。
  10. 【請求項10】架橋共重合体に、少なくとも下記一般式
    (3)、一般式(4)又は一般式(5) 【化4】 (上記式中、Aは炭素数3から6の直鎖状アルキレン基
    又は炭素数5〜7のアルコキシメチレン基を表わし、Z
    は塩素、臭素、ヨウ素又は水酸基を表し、R1 〜R
    3 は、水素原子又は炭素数1から4のアルキル基、或い
    はアルカノール基を示し、Xはアンモニウム塩に配位し
    た対イオンを表す)で表わされる重合性単量体を含浸さ
    せ、重合した後、アミンを反応させ、必要に応じ、分級
    することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載
    のクロマトグラフィー用担体の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜7のいずれかに記載のクロマ
    トグラフィー用担体を、アニオン物質、陰電荷微粒子、
    着色物質、放射性物質、シリカ、酸性ガス、蛋白質、ア
    ミノ酸又は酵素を含有する水又は水溶液と接触させるこ
    とを特徴とする水又は水溶液の処理方法。
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