JPH06122728A - 塩基性アニオン交換樹脂及びその製造方法 - Google Patents

塩基性アニオン交換樹脂及びその製造方法

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JPH06122728A
JPH06122728A JP4237029A JP23702992A JPH06122728A JP H06122728 A JPH06122728 A JP H06122728A JP 4237029 A JP4237029 A JP 4237029A JP 23702992 A JP23702992 A JP 23702992A JP H06122728 A JPH06122728 A JP H06122728A
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formula
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exchange capacity
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JP4237029A
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English (en)
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Takeshi Ito
伊藤  剛
Hirohisa Kubota
裕久 久保田
Takashi Kashiwagi
尚 柏木
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくともポリビニルホルムアミドとポリエ
チレン性芳香族単量体を含有する溶液を重合開始剤の存
在下、油中水型懸濁重合により球状架橋共重合体を得た
後、該架橋共重合体の有するホルムアミド結合を加水分
解することにより得られるゲル型の塩基性アニオン交換
樹脂及びその製造方法。 【効果】 本発明の樹脂は化学的安定性に優れ、イオン
交換容量が高い球状の塩基性アニオン交換樹脂である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩基性アニオン交換樹
脂及びその製造方法に関するものである。更には、本発
明は、ポリビニルアミン構造を含有する新規アニオン交
換樹脂、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アニオン交換樹脂やキレート樹脂と呼ば
れている樹脂は、化学的安定性、強度及び製造価格の観
点から、スチレン誘導体−ジビニルベンゼン共重合体に
クロロメチル基を付与し、これをアミノ化したスチレン
系アニオン交換樹脂が、通常用いられている。
【0003】しかしながら、スチレン系アニオン交換樹
脂においては、以下の様な問題点がある。 組成中のベンジル基(−C6 4 CH2 −)は、イ
オン交換能には全く関与しないので、単位重量当たりの
アニオン交換容量は充分ではない。例えば、イオン交換
基の結合しにくい架橋剤成分の含有率が0%であるスチ
レン系ポリマー(ポリメチルアミノメチルスチレン型、
もしくは4級アンモニウムメチルスチレン型)のベンジ
ル基1つに対し、イオン交換基が1つ結合したと仮定し
て計算される最大のイオン交換容量は、1級アミン型で
7.5meq/g、3級アミン型で6.2meq/g、
4級アンモニウム塩(クロロ形)で4.7meq/gで
あり、それ以上大きい交換容量を得るためには、ベンジ
ル基1つに対し、複数個のイオン交換基を導入する必要
があり、技術的な困難性がある。
【0004】 クロロメチル基は完全にアミノ化され
ず、アミノ化後もクロロメチル基が残存する。その結
果、使用中に塩化物イオンが漏出し、場合によっては容
器が腐食する。 クロロメチル化に使用されるクロロメチルメチルエ
ーテルは有害性が高い物質であることが指摘されてお
り、労働安全衛生上好ましくない。 スチレンとジビニルベンゼンを架橋共重合した中間
体ポリマーは疎水性であるため、クロロメチル化反応を
する際、中間体ポリマーを膨潤させる溶媒として有機溶
媒(炭化水素系溶媒、塩素系炭化水素等)を使用しなけ
ればならない。
【0005】これらの問題点を回避した樹脂として、
(メタ)アクリル酸エステル系や(メタ)アクリルアミ
ド系のアニオン交換樹脂も提案されている(ここで(メ
タ)アクリル酸とはメタクリル酸又はアクリル酸を示
す。)。しかし、これらの樹脂は、一方ではエステル基
又はアミド結合が酸、及び塩基性溶液によって加水分解
しやすく、再生時に曝される酸性又は塩基性溶液に対し
て弱い。従って、このイオン交換樹脂の使用可能範囲は
限定されたものとなる。
【0006】上記のスチレン系、(メタ)アクリル酸
系、及び(メタ)アクリルアミド系アニオン交換樹脂の
問題を避けるため、線状ポリビニルアミン類のアミノ基
を多官能性架橋剤で架橋してなるゲル型の架橋球状樹脂
を得る方法が提案されている(例えば、特開昭61−4
4902号公報、特開昭61−51006号公報参
照)。しかしながら、線状ポリビニルアミンは水溶性で
あるが、多官能性架橋剤は通常有機溶媒に可溶であるた
め、線状ポリビニルアミンと多官能性架橋剤は互いに異
なる相に存在するので一般に架橋反応は進行しにくく、
かつ架橋度の制御が困難である。また通常、架橋反応は
線状ポリビニルアミンのゲル表面から進行するため、架
橋が均一でない等の問題点がある。
【0007】また、ジビニルベンゼン等のポリエチレン
性芳香族単量体、(メタ)アクリル酸エステル又は(メ
タ)アクリルアミド系の架橋性単量体とN−ビニルホル
ムアミド(以下、「NVF」と略す)とを共重合させ、
得られた架橋重合体のホルムアミド基を加水分解により
アミノ基とするポリビニルアミン架橋物を得る方法が提
案されている(例えば、特開昭61−51007号公報
を参照)。しかしながら、架橋性単量体として、ポリエ
チレン性芳香族単量体を用いた場合には、溶液重合によ
るゲル状不定形物のみしか示されておらず、この方法で
は球状体は得られない。また、架橋性単量体として、エ
チレングリコールジメタクリレートやメチレンビスアク
リルアミド等の(メタ)アクリレート又は(メタ)アク
リルアミド系単量体を用いた場合には、懸濁重合により
球状架橋物が得られるが、エステル結合、アミド結合が
酸性、塩基性溶液中で加水分解しやすいという問題点が
ある。
【0008】また、ポリビニルアミン重合体及びその製
法、キレート樹脂としての性質についても種々提案され
ている(Reactive Polymers、17、
207−217、(1992)、Eur.Polym.
J.25,4 331〜340(1989)等参照)。
これには、N−ビニル−t−ブチルカルバメート(以
下、「NVTBC」と略す。)とジビニルベンゼン又は
エチレングリコールジメタクリレート等をヘプタンの存
在下、水中油型懸濁重合により、多孔性球状重合体を
得、その後、塩酸酸性、ジオキサン又はエタノール中、
加水分解することにより、比表面積10〜400m2
gのポリビニルアミン共重合体を得ることが記載されて
いる。
【0009】しかしながらこれらの文献で得られている
重合体は、1級アミン型のみであり、また加水分解率が
低いためアニオン交換容量は、4.3meq/g以下に
過ぎない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のスチレ
ン−ジビニルベンゼン系、(メタ)アクリレート系又は
ポリビニルアミン系の樹脂の従来技術の有する問題点を
解決しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、NVFとポリ
エチレン性芳香族単量体とを特定条件下で懸濁重合し、
その後加水分解することにより得られるポリビニルアミ
ン構造を有する球状の塩基性アニオン交換樹脂に関する
ものである。即ち、本発明の要旨は、前記請求項1に記
載の一般式(I)で表わされる繰り返し単位及び/又は
下記一般式(II)で表わされる繰り返し単位を19〜9
8モル%、一般式(III)で表わされる繰り返し単位0.
1モル%〜60モル%、並びにこれら以外の繰り返し単
位でこれらの単位と結合可能な単位0モル%〜60モル
%の組成で、球状の架橋共重合体であり、アニオン交換
容量として
【0012】A. 一般式(I)のモル分率>一般式
(II)のモル分率であり、かつ一般式(I)中のR1
びR2 が水素原子である場合には、弱塩基交換容量とし
て8〜22ミリ当量/g−乾燥樹脂を有し、 B. 一般式(I)のモル分率>一般式(II)のモル分
率であり、かつ一般式(I)中のR1 及びR2 が同時に
水素原子でない場合には、弱塩基交換容量として3〜1
6ミリ当量/g−乾燥樹脂を有し、 C. 一般式(I)のモル分率<一般式(II)のモル分
率である場合には、中性塩分解容量として1.5〜8.
5ミリ当量/g−乾燥を有するゲル型の弱塩基性アニオ
ン交換樹脂に存する。
【0013】また、少なくともN−ビニルホルムアミド
とポリエチレン性芳香族単量体を含有する溶液を重合開
始剤の存在下、油中水型懸濁重合により球状架橋共重合
体を得た後、該共重合体の有するホルムアミド結合を加
水分解することよりなる塩基性アニオン交換樹脂の製造
方法に存する。本発明者らは、原料モノマーとして安
価、加水分解が容易、他の単量体成分との共重合性
が良好、水溶性単量体である等の特徴があるNVFを
使用するものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
アニオン交換樹脂は、架橋剤とNVFとを共重合した
後、加水分解によって得られるものである。該共重合の
方法としては、「反応性ポリマーの合成と応用」p15
5〜165(CMC社)に記載されている、NVF法を
使用する。
【0015】本発明の樹脂母体は、主としてNVFとポ
リエチレン性芳香族単量体との共重合体である。NVF
の含有率は、NVFからイオン交換基が導入されること
から全単量体に対して、19〜98モル%であり、特に
好ましくは40〜95モル%の範囲である。ポリエチレ
ン性芳香族単量体とは、例えば、ジビニルベンゼン、ジ
ビニルトルエン、ジビニルキシレン等の2個以上のエチ
レン性不飽和性二重結合を有する芳香族化合物である。
通常、架橋成分として一般式(III)で表わされる単位を
与える単量体が用いられる。該一般式(III)において、
6 及びR7 は好ましくは水素原子又はメチル基であ
り、更には水素原子が好ましく、アリーレン基Dは好ま
しくはフェニレン基であって、メチル基、エチル基等の
アルキル基もしくはハロゲン原子を置換基として有する
ものが好ましい。これらの単量体は架橋剤として用いら
れ、混合物であってもよい。これらの架橋剤は生成する
樹脂を水不溶性にするためには必須の構成成分である
が、ポリビニルアミンからの高イオン交換容量付与の意
義を失わない程度に添加されていなければならない。そ
のため、架橋剤の添加量は、0.1モル%〜80モル%
である。更に好ましくは0.1〜60モル%、特に好ま
しくは、1モル%〜40モル%である。
【0016】典型的な架橋剤であるジビニルベンゼンの
工業用規格の純度は56.5重量%(その他、エチルト
ルエン、メチルスチレン、エチルスチレン等を含有して
いる)であるため、ジビニルベンゼンを用いる場合、そ
の添加量は純度に応じて添加しなければならない。その
結果、NVFや架橋剤以外の単量体成分が混在する。ま
た、本発明の樹脂に種々の性質を付与する目的で上記の
NVF及びポリエチレン性芳香族単量体の他に、これら
と共重合可能な単量体を意図的に添加または不純物とし
て付随的に混在させることも可能である。例えば、下記
一般式(IV)
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R8 はそれぞれ水素原子又は炭素
数1〜3のアルキル基を表わし、Qは置換基を有しても
よいアリール基、もしくはアルキルオキシカルボニル
基、シアノ基又はカルバモイル基を表わす)で表される
繰り返し単位を与えるようなモノ不飽和単量体、具体的
には、スチレン、アルキルスチレン、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)
アクリル酸アルキル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、オク
タエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等の単量体
が挙げられる。しかしながら、(メタ)アクリル酸エス
テル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニト
リル等の単量体は重合後の加水分解工程時で、(メタ)
アクリル酸となるため、反応条件を調節する必要があ
る。そのため、一般式(IV)中のQは置換基を有しても
よいアリール基が好ましい。共重合可能な単量体から誘
導される単位の含有率は、共重合体に対して0〜60モ
ル%、好ましくは0〜40モル%以下であることが好ま
しい。
【0019】NVFは水溶性モノマーであるが、非極性
炭化水素以外の多くの有機溶媒に溶解する。従って、一
般に行われる水中油型の懸濁重合を行えなかった。しか
しながら、以下詳細に述べるように、本発明では油中水
型の懸濁重合を採用することにより懸濁重合が可能とな
った。通常、油中水型とは油相系内に水相を含有するこ
とをさす。ここでNVFの重合においては、水を含有し
ない場合もありえる。NVFは水溶性モノマーであるた
め、水を全く使用しない場合でも本発明においては便宜
上NVF相を水相と表現し、有機溶媒系を油相と表現す
る。
【0020】重合系における浴となる溶媒としては、N
VFに難溶性の有機溶媒を使用する。例えば、非極性炭
化水素のベンゼン、トルエン、石油エーテル、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、イソオクタン、オクタ
ン等の脂肪族又は芳香族炭化水素、ジクロロエタン、ポ
リクロロアルカン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン
等の脂肪族又は芳香族ポリハロゲノ化合物等が使用でき
るが、脂肪族炭化水素、特にシクロヘキサン、石油エー
テル、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタンが好ましい。
【0021】懸濁重合における重合浴の比率は、個々の
有機溶媒の水に対する溶解性、NVF、ポリエチレン性
芳香族単量体の含有率、希釈剤の含有率、単量体の投入
方法、及び分散安定剤等によって決定されるが、一般的
には、NVFと架橋剤より構成されるNVF相1体積に
対し、1ないし5体積の範囲で重合を行う。重合浴がN
VF相に対し1体積より小さい場合には、浴相の逆転が
生じやすく、良好な分散状態が得られにくい。一方、重
合浴比が5体積より大きい場合には分散状態は良好であ
るが、重合収率が低下したり、バッチ当たりのポリマー
の収量が低く留まる等の問題点がある。
【0022】NVF、ポリエチレン性芳香族単量体及び
その他の単量体成分との共重合においては単量体間の相
溶性が悪い。特に、ポリエチレン性芳香族単量体との相
溶性が悪いので、ポリエチレン性芳香族単量体をNVF
に溶解する際に希釈剤を添加してもよい。希釈剤として
用いる溶剤としては、例えば、水、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルフォスフォリ
ックトリアミド等の極性溶媒、及びこれらの溶媒の混合
溶液が好ましい。その添加量は、目的とするポリマーの
膨潤度、強度、架橋剤成分の添加量、単量体の成分比に
より異なるが、一般的には単量体量に対し、0〜150
重量%であることが好ましい。希釈剤の添加量がこの範
囲を越える場合には、共重合体は膨潤性又は吸水性が高
くなり、強度が低く、単位体積当たりのイオン交換容量
が小さくなり、かつ、懸濁重合も困難になる傾向があ
る。
【0023】NVF相を重合浴への分散方法には種々の
方法があり、例えば、浴を攪拌しながらNVF相溶液を
徐々に供給し液滴を生成する連続式滴下法、浴中に一括
してNVF相溶液を投入する回分式滴下法、ノズルによ
り溶液中に液滴を滴下又は噴出等の導入方法等を使用す
ることができるので目的により適宜選択すればよい。本
発明における分散安定剤は、エチルセルロース、セルロ
ースアセテートブチレート、エチルヒドロキシエチルセ
ルロース等の油溶性セルロース、或いは、アラビアゴ
ム、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレー
ト、ソルビタンモノステアレート等の油溶性分散安定剤
が挙げられる。
【0024】分散安定剤の添加量は、重合浴に対して通
常0.05重量%〜5重量%、好ましくは、0.1重量
%〜2重量%である。本発明において、樹脂の平均粒径
は1μm〜2mmであることが好ましい。樹脂の粒径
は、その目的により適宜選択され、主に、懸濁重合時の
NVF相の液滴の大きさによって調整できる。通常、汎
用のイオン交換樹脂の場合、その粒径は、一般に50μ
m〜2000μm、特に好ましくは、200μm〜80
0μm、分析用クロマトグラフィー用担体の場合、1μ
m〜300μm、特に好ましくは2μm〜50μmであ
る。固定化酵素用あるいは細胞培養用担体の場合には、
通常100〜1000μmである。
【0025】本発明で使用される重合開始剤は、種々の
重合開始剤から選択されるが、過硫酸塩系重合開始剤
は、重合度が上がらず重合収率が低下するため好ましく
なく、アゾ系、パーオキサイド系重合開始剤等が好まし
い。油中水型懸濁重合の場合には、重合開始剤もNVF
相に存すれば反応性が高まるので水溶性であることが好
ましい。例えば、2,2−アゾビス−2−アミジノプロ
パン塩酸塩、4,4−アゾビス−4−シアノバレイン酸
等のアゾ系重合開始剤が使用され、重合開始剤の添加量
は、重合性単量体に対して、一般に0.02重量%〜
5.0重量%、更に好ましくは0.05重量%〜2.0
重量%の範囲である。
【0026】油中水型懸濁重合を行う場合、ポリエチレ
ン性芳香族単量体が重合浴である油相に分配する可能性
がある場合には、重合系に油溶性重合禁止剤を添加して
もよい。例えば、フェノチアジン、ナフチルアミン、ベ
ンゾキノン、2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラ
ジル等の芳香族重合禁止剤が挙げられる。これらの重合
禁止剤の添加量は、0.001〜0.05重量%の濃度
範囲であることが好ましい。
【0027】本発明における重合の反応条件は単量体成
分により異なるが、重合温度は通常、30〜120℃で
あり、重合時間は通常、1時間〜15時間である。以上
のようにして製造された架橋重合体は、全てゲル型と呼
ばれる樹脂である。
【0028】その架橋構造は、比表面積測定法等の手
法、排除限界分子量の測定により確認できる。本発明の
塩基性アニオン交換樹脂を得るためには、上記重合反応
で得られた共重合体を加水分解することが必要である。
該加水分解は、酸性或いは塩基性条件下で容易に行うこ
とができる。即ち、酸性条件下又は塩基性条件下での加
水分解は、共重合体に含有するホルムアミド基に対して
等モルから数倍モルの水素イオン又は塩基性電解質を含
有する水溶液又は水溶性有機溶媒を用いて行なわれる。
一般的には、塩基性電解質の溶液中で行うことが好まし
い。反応温度は50〜120℃、反応時間は通常、1〜
20時間で行うことが好ましい。酸性条件下で行う場合
には、例えば、酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等が挙
げられ、塩基性条件下で加水分解を行う場合には、例え
ば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、ナトリウムメトキサイド、ナト
リウムエトキサイドを使用することができる。以上のよ
うにして加水分解された共重合体は酸性水溶液又は塩基
性水溶液及び脱塩水を用いて洗浄される。この場合に
は、アニオン交換基として、一般式(I)におけるR1
及びR2 が水素原子である本発明の1級アミン型のアニ
オン交換樹脂が得られる。
【0029】また、この1級アミン型の樹脂のアミノ基
をアルキル化する場合は、公知の方法に従って行うこと
ができる。例えば、蟻酸とホルマリンを用いたエシュバ
イラー・クラーク(Eschweiler−Clark
e、以下、「EC」と略す)反応によって、上記の樹脂
の2級アミン或いは3級アミンを合成することができ
る。この場合、ホルマリン及び蟻酸の仕込量を調製する
ことにより、ある程度、両者の含有率をコントロールす
ることができる。更に効率よく合成するためには、その
改良法としてJ.Org.Chem.,36,p82
9,1971に記載の蟻酸ナトリウムとホルマリンを用
いるが、この際、反応溶液のpHを調製することが必要
である(P L.Henaffら、Bull.Soc.
Chim.,p1989,1966参照)。
【0030】一方、他のアルキル化の方法として、ジメ
チル硫酸、ジエチル硫酸、ハロゲン化メチル、ハロゲン
化エチル等を用いた方法も一般的である。ハロゲン化ア
ルキルを用いた場合、条件を調整することによって、一
般式(I)でR1 及びR2 の少なくとも一方がアルキル
基である二級アミン又は三級アミン型のアニオン交換樹
脂又は一般式(II)で表されるR3 〜R5 の少なくとも
一方がアルキル基である四級アンモニウム塩型のアニオ
ン交換樹脂とすることができる。これらの試薬の場合、
生成する樹脂が種々のアミン型やアンモニウム塩型のく
り返し単位の混合物であったり、4級化の場合に完全に
進行しないことがある。特にエチル基を導入する4級化
の場合、1つ隔てたアルキルアミノ基同志の立体障害の
ためアルキル化が進行しにくい。この結果、一般式
(I)及び(II)の混合物となり、弱塩基交換基の含有
率が高くなる。強塩基性アニオン交換樹脂であるために
は、四級アンモニウム塩型のくり返し単位の含有率が5
0モル%以上であることが好ましい。
【0031】他の四級化の方法としては、EC反応で一
端三級化した後、更に上記のアルキル化試薬との反応に
よって四級アンモニウム基を合成することもできる。上
記の方法で製造されたアニオン交換樹脂のイオン交換容
量は、以下のようになる。例えば、架橋剤成分の含有率
を0モル%と仮定して計算したポリビニルアミン系ポリ
マーの最大のイオン交換容量は、1級アミン型の場合、
23.2meq/g−乾燥樹脂(以下、同様)、R1
びR2 がメチル基である3級アミン型の場合、14.1
meq/g、同じくR3 、R4 及びR5 がメチル基であ
るアンモニウム塩(クロロ形)の場合、中性塩分解容量
が8.3meq/gである。この結果、スチレン系樹脂
に比べ、単位重量当たりの交換容量は、1級アミン型の
場合3.1倍、3級アミン型の場合2.3倍、アンモニ
ウム塩型(クロロ形)の場合1.8倍になる。本発明の
アニオン交換樹脂は、アニオン交換容量として
【0032】A. 一般式(I)のモル分率>一般式
(II)のモル分率であり、かつ一般式(I)中のR1
びR2 が水素原子である場合には、弱塩基交換容量とし
て8〜22ミリ当量/g−乾燥樹脂、より好ましくは1
0〜22meq/g−乾燥樹脂を有し、 B. 一般式(I)のモル分率>一般式(II)のモル分
率であり、かつ一般式(I)中のR1 及びR2 が同時に
水素原子でない場合には、弱塩基交換容量として3〜1
6ミリ当量/g−乾燥樹脂、より好ましくは4.5〜1
4meq/g−乾燥樹脂を有し、 C. 一般式(I)のモル分率<一般式(II)のモル分
率である場合には、中性塩分解容量として1.5〜8.
5ミリ当量/g−乾燥、より好ましくは2.5〜8.5
meq/g−乾燥樹脂を有する。この値は、従来公知の
1級アミン型のポリビニルアミン共重合体よりも、非常
に大きいものである。なお、本発明におけるイオン交換
容量は、実施例記載の方法に従って弱塩基交換容量の測
定を行ない、4級アンモニウム塩の場合は中性塩分解容
量の測定を行ない、いずれも乾燥樹脂重量当たりの当量
として求めた。
【0033】本発明により、高イオン交換容量で、有機
性塩素化合物を全く含有しない、親水性に富んだ化学的
安定性に優れたゲル型球状のアニオン交換樹脂が得られ
る。本発明によって得られるアニオン交換樹脂は、クロ
マト担体、膜材料、触媒用担体、高分子相関移動触媒、
酵素・細胞および菌体の固定化用担体等の種々の吸着剤
・分離剤としても使用される。
【0034】
【発明の効果】本発明は、化学的安定性に優れ、イオン
交換容量が高い球状の塩基性アニオン交換樹脂を提供す
るものである。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例により限定されるものではない。尚、以下の実施例に
おいてmeq/gは乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を示
す。また、以下の実施例においてイオン交換容量の測定
方法は下記の様にして行った。
【0036】弱塩基性アニオン交換体(一級アミン型)
約15mlをカラムに充填し、2N−NaOH水溶液5
00mlを空間速度(SV)70cm/hで流し、次に
脱塩水1リットルをSV70cm/hで通水洗浄し、対
イオンをOH形にした。この樹脂をメスシリンダーで正
確に10.0ml採取し、カラムに充填した。この中へ
5%NaCl水溶液250mlをSV70cm/hで流
しメスフラスコに受けた。この溶液を酸塩基滴定し、強
塩基交換容量を測定した。
【0037】このカラム中に0.1N−HCl水溶液1
00mlをSV10cm/hで流し、流出液をメスフラ
スコに受け、更に50mlのメタノールを流して樹脂層
を洗浄する。更に、樹脂層に残存する液を圧空により押
し出しこれらの溶液を集めた。この溶液を酸塩基滴定し
た。これにより弱塩基交換容量を測定した。重量当たり
の交換容量は、別途、OH型樹脂10.0mlを遠心分
離機で水切りし、付着水を除去した。その樹脂を60℃
で5時間乾燥した。乾燥樹脂の重量を測定し、重量当た
りのイオン交換容量に換算した。
【0038】実施例−1 重合工程:500mlの4ツ口フラスコに、シクロヘキ
サン200mlとエチルセルロース500mgを入れ溶
液を調製し、重合浴とした。一方、NVF(純度94
%、他に不純物として蟻酸等を含有)95g、p−ジビ
ニルベンゼン5.0g、ジメチルスルホキシド5g、V
−50(アゾ系重合開始剤、商品名、和光純薬(株)
製)500mgのNVF相溶液を調製した。両溶液と
も、予め窒素(N2 )でバブリングし、N2 で置換し
た。以下の重合反応はN2 雰囲気下で行った。重合浴溶
液を100rpmで攪拌しながら、調製したNVF相溶
液を徐々に滴下した。30分攪拌し分配平衡にした後、
昇温し、65℃で8時間重合をした。NVF相は昇温終
了後約15分でゲル化した。重合に伴う重合発熱は観察
されなかった。重合終了後ゲル状の架橋共重合体を取り
出し、ブッフナーロート上にあけた。分取された架橋共
重合体をメタノールで洗浄し、残存するジビニルベンゼ
ン、シクロヘキサン等を除去した。続いて、NVFのオ
リゴマーを除去するため水洗した。重合収率は79%で
あった。得られた架橋共重合体は、外見上は白色である
が、顕微鏡観察では僅かに不透明状であった。
【0039】該架橋共重合体の組成分析は、13C−NM
R(CP−MAS法、CHO基(163ppm)とベン
ゼン環イプソ位とオルト位の面積比の和の比較より測定
した)及び元素分析により行った。p−ジビニルベンゼ
ンの含有率は、理論的には3.0モル%であるが、13
−NMR法より3.3モル%、元素分析のN分析より、
3.5モル%であった。この結果より、p−ジビニルベ
ンゼンの含有率は、仕込み組成と大きくは変わらないこ
とがわかった。
【0040】加水分解工程:上記の水切りした架橋共重
合体を1リットルのフラスコ内に入れ、5N−塩酸水溶
液700mlを加えた。溶液を加温し、95〜102℃
で5時間加水分解した。反応終了後、加水分解された架
橋共重合体を水洗し、続いて0.1N−NaOH水溶液
でイオン交換基を−NH2 (一級アミン型)とし、本発
明の弱塩基性アニオン交換樹脂を得た。再度、架橋共重
合体を水洗し、13C−NMR(CP−MAS法)よりホ
ルミル基(164ppm)は、5mol%残存している
ことを確認した。得られたポリマーの弱塩基交換容量は
17.1meq/g、平均粒径は約340μmであっ
た。
【0041】実施例−2 加水分解工程:実施例1で得られた加水分解前の架橋共
重合体を、塩基性条件下で加水分解した。この反応は、
水切りした架橋共重合体を1リットルのフラスコ内に入
れ、2N−NaOH水溶液500mlを加え、溶液を加
温し、90℃で5時間加水分解することにより行った。
反応終了後、得られたアニオン交換樹脂を水洗した。13
C−NMR(CP−MAS法)により、ホルミル基(1
64ppm)が完全に消失したのを確認した。得られた
アニオン交換樹脂の弱塩基交換容量は18.4meq/
g、平均粒径は約355μmであった。
【0042】実施例−3 重合工程:500mlの4ツ口フラスコに、シクロヘキ
サン200mlとエチルセルロース300mgを入れ重
合浴溶液を調製した。この中へ、NVF80g、ジビニ
ルベンゼン(工業用;純度80%)20g、脱塩水2
g、V−50(アゾ系重合開始剤、商品名、和光純薬
(株)製)200mgの溶液を調製した。両溶液とも、
予めN2 をバブリングし置換した。更に、重合中もN2
を流した。重合浴溶液を100rpmで攪拌しながら、
調製したNVF相溶液を徐々に滴下した。これを30分
攪拌し分配平衡にした後、昇温し、65℃で8時間重合
をした。NVF相は昇温終了後約15分以内にゲル化し
た。重合終了後、架橋共重合体を取り出し、ブッフナー
ロート上にあけた。該共重合体をメタノールで洗浄し、
残存するジビニルベンゼン、シクロヘキサン等を除去し
た。続いて、オリゴマーを除去するため水洗した。重合
収率は78%であった。得られたポリマーはゲル状であ
った。
【0043】加水分解工程:上記の水切りした共重合体
を1リットルのフラスコ内に入れ、2N−NaOH水溶
液800mlを加えた。溶液を加温し、90℃で4時間
加水分解した。加水分解した共重合体を水洗した。得ら
れた本発明のアニオン交換体の弱塩基交換容量は12.
2meq/g(3.01meq/ml)、平均粒径は約
280μmであった。
【0044】実施例−4 アルキル化工程:実施例−1で得られた1級アミン型ア
ニオン交換樹脂(フリーアミン型)を用いて、EC反応
を行った。500mlの4ツ口フラスコに、水切りした
上記アニオン交換樹脂50ml、37%ホルマリン溶液
20mlを加えた。この中へpH5に調製した50%蟻
酸ナトリウム水溶液40mlを滴下ロートでゆっくり加
えた。滴下終了後、徐々に加熱し、80℃で6時間反応
を行った。昇温途中に50℃付近から炭酸ガスが発生し
始めた。6時間経過すると炭酸ガスは、ほとんど発生し
なくなった。反応が進行するに伴い、アニオン交換樹脂
は重くなった。反応終了後、アニオン交換樹脂を取り出
しブッフナーロート上にあけ、更にメタノールで洗浄し
た。得られたアニオン交換樹脂の弱塩基交換容量は1
0.1meq/g、平均粒径は約330μmであった。
赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)1660cm-1
(N−CH3 変角振動)、13C−NMR(CP−MAS
法)の面積比では、メチル基のメチル化度は1.8であ
った。以上の結果から、アニオン交換基が−N(C
3 2 の3級アミン型のくり返し単位を90モル%以
上含有するものが得られたことがわかる。
【0045】実施例−5 アルキル化工程:実施例−1で得られた1級アミン型ア
ニオン交換樹脂を用いて、アルキル化を行った。500
mlの4ツ口フラスコに、水切りした1級アミン型交換
樹脂50ml、50%メタノール水溶液を100ml加
えた。この中へ、ヨウ化メチル20gを入れた。反応中
に、炭酸ナトリウムを加え、塩基性溶液とした。反応の
進行に伴いアニオン交換樹脂は重くなり、沈降しやすく
なった。反応終了後、得られたアニオン交換体を取り出
しブッフナーロート上にあけ、更にメタノールで洗浄し
た。この樹脂の中性塩分解容量の測定方法は以下のよう
に行った。OH型アニオン交換樹脂10.0mlに2M
塩化ナトリウム水溶液を流通しその溶液を回収した。そ
の溶液を1N−塩酸溶液で酸塩基滴定し、中性塩分解容
量を測定した。更に、1N−塩酸溶液を流通し更に10
0mlメタノールを流し溶液を回収した。その溶液を1
N−水酸化ナトリウム溶液で酸塩基滴定し、弱塩基交換
容量を測定した。得られたポリマーの中性塩分解容量は
5.2meq/g、弱塩基交換容量は1.2meq/
g、平均粒径は約350μmであった。アニオン交換基
中の4級アンモニウム塩残基を有するくり返し単位(−
N(CH 3 3 + ・OH- )の含有率は81モル%であ
った。
【0046】実施例−6 アルキル化工程:実施例−1で得られた1級アミン型ア
ニオン交換樹脂を1リットルのガラス製オートクレーブ
中に入れ、50%メタノール水溶液を500mlを加え
た。この中へ3N−NaOH水溶液200ml、ヨウ化
メチル290mlを入れた。この溶液を加温し、60
℃、1.7気圧で6時間アルキル化を行った。反応終了
後、アニオン交換樹脂を取り出しブッフナーロート上に
あけ、過剰のヨウ化メチルをメタノールで洗浄し除去
し、更に水洗した。アニオン交換樹脂をOH型にイオン
交換するため、カラムに充填し、1M−硫酸ナトリウム
水溶液でSO4 2- 型に交換した後、1M−硝酸ナトリウ
ム水溶液でNO3 - とし、更に、1M−NaCl水溶液
でクロロ形とし、最後に1N−NaOH水溶液でOH型
とした。再度、反応後の樹脂を水洗した。得られた樹脂
は、−N(CH3 3 +・OH- 及び−N(CH3 2
と−NHCH3 、平均粒径約335μm、水分含有率5
8%の透明状ポリマーであった。また、強塩基交換容量
は3.24meq/g(0.96meq/ml)、弱塩
基交換容量は2.90meq/g(0.86meq/m
l)であった。
【0047】実施例−7 重合工程:500mlの4ツ口フラスコに、シクロヘキ
サン200mlとエチルセルロース500mgを入れ重
合浴溶液を調製した。一方、NVF75g、ジビニルベ
ンゼン(工業用;純度80%)25g、脱塩水3g、V
−50 150mgのNVF相溶液を調製した。両溶液
とも、予め15分間N2 をバブリングし、N2 で置換し
た。重合反応はN2 雰囲気下で行った。重合浴溶液を1
50rpmで攪拌しながら、調製したNVF相溶液を溶
液中に徐々に滴下した。30分攪拌し分配平衡にした
後、昇温し、65℃で8時間重合した。NVF相は昇温
終了後、約25分以内にゲル化した。
【0048】重合終了後、架橋共重合体を取り出し、ブ
ッフナーロート上にあけ、メタノールで洗浄し、残存す
るジビニルベンゼン、シクロヘキサン等を除去した。続
いて、水洗しNVFのオリゴマーを除去した。重合収率
は73%であった。得られた共重合体は、白色ポリマー
であるがゲル状であった。また、N2 吸着法でも比表面
積は0m2 /gであった。
【0049】加水分解工程:上記の水切りした共重合体
を1リットルのフラスコ内に入れ、5N−NaOH水溶
液500mlを加えた。溶液を加温し、90℃で9時間
加水分解した。反応終了後、ポリマーを水洗した。得ら
れたアニオン交換樹脂(一級アミン型)の弱塩基交換容
量は14.3meq/g、平均粒径は約280μmであ
った。
【0050】アルキル化工程:上記の水切りしたアニオ
ン交換樹脂を1リットルのガラス製オートクレーブ中に
入れ、70%メタノール水溶液を500ml加えた。こ
の中へ、3N−NaOH水溶液250ml、ヨウ化メチ
ル250mlを入れた。溶液を加温し、60℃、1.8
気圧で4時間アルキル化を行った。反応終了後、アニオ
ン交換樹脂を取り出しブッフナーロート上にあけ、過剰
のヨウ化メチルをメタノールで除去した後、水洗した。
OH型への交換は実施例−1と同様に行った。得られた
樹脂は−N(CH3 3 + ・OH- と−NHCH3 、−
N(CH3 2を併有し、平均粒径約270μm、水分
含有率67%で透明状であった。実施例−5及び実施例
−1に従って測定された中性塩分解容量は1.05me
q/ml(4.01meq/g)、弱塩基交換容量は
0.71meq/ml(2.71meq/g)であっ
た。
【0051】実施例−8 アルキル化工程:実施例−1で得られた1級アミン型ア
ニオン交換樹脂(フリーアミン型)を用いて、アルキル
化を行った。500mlの4ツ口フラスコに、水切りし
た樹脂50ml、37%ホルマリン溶液20mlを加え
た。この中へ、50%蟻酸ナトリウム水溶液40mlを
滴下ロートでゆっくり加えた。滴下終了後、徐々に加熱
し、80℃で6時間反応を行った。昇温途中に50℃付
近から炭酸ガスが発生し始めた。6時間経過すると、炭
酸ガスはほとんど発生しなくなった。反応が進行するに
伴い、樹脂は重くなり、沈降し易くなった。反応終了
後、得られた樹脂を取り出しブッフナーロート上にあ
け、水洗浄した後、更にメタノールで洗浄した。
【0052】アルキル化工程:500mlの4ツ口フラ
スコに、上記の樹脂50ml、70%メタノール水溶液
を100ml加えた。この中へ、ヨウ化メチル15gを
入れた。反応の進行とともに樹脂は重くなり、黄色に着
色した。終了後、樹脂を取り出しブッフナーロート上に
あけ、メタノールで洗浄した。得られた樹脂は−N(C
3 3 + ・OH- と−NHCH3 と−N(CH3 2
を併有し、平均粒径約350μm、水分含有率58%、
透明状であった。前記の実施例と同様にして測定された
中性塩分解容量は1.24meq/ml(4.28me
q/g)、弱塩基交換容量は0.70meq/ml
(2.42meq/g)であった。
【0053】実施例−9 重合工程:500mlの4ツ口フラスコに、シクロヘキ
サン200mlとエチルセルロース500mgを入れ重
合浴溶液を調製した。この中へ、NVF78g、ジビニ
ルベンゼン(工業用;純度80%)12g、脱塩水5
g、グリセリンメタクリレート10g、V−50(アゾ
系重合開始剤、商品名、和光純薬)200mgのNVF
相溶液を調製した。両溶液とも、予めN2 をバブリング
し、N2 で置換した。更に、重合中もN2 を流した。重
合浴溶液を150rpmで攪拌しながら、調製したNV
F相溶液を徐々に滴下した。30分攪拌し分配平衡にし
た後、昇温し、65℃で8時間重合をした。NVF相は
昇温終了後、約15分以内にゲル化した。重合終了後、
共重合体を取り出し、ブッフナーロート上にあけ、メタ
ノールで洗浄し、残存するジビニルベンゼン、シクロヘ
キサン等を除去した。続いて、オリゴマーを除去するた
め水洗した。重合収率は81%であった。得られた共重
合体は、球状ゲル状ポリマーであった。
【0054】加水分解工程:上記の水切りした共重合体
を1リットルのフラスコ内に入れ、3N−NaOH水溶
液800mlを加えた。これを加温し、90℃で8時間
加水分解した。反応後の樹脂を水洗した。得られたアニ
オン交換樹脂は−NHCH3と−N(CH3 2 を有
し、この弱塩基交換容量は14.3meq/g、平均粒
径は約285μmであった。
【0055】比較例−1 アクリルアミド10g及びジビニルベンゼン2.3g
を、ジメチルホルムアミド(DMF)12mlに溶解
し、ラジカル重合開始剤V−50(前出、商品名)0.
5gを加えN2 雰囲気下、70℃で4時間重合反応を行
った。この重合反応により得た水不溶性のゲル状物を水
洗した後、乾燥を行ったところ、その収量は8.9g
で、仕込み単量体に対する収率は72.4%であった。
上記で得たゲル状物を粉砕し、20〜48meshに分
散した。この粉砕物5.0gを、次亜塩素酸ナトリウム
6gを含む2.2NのNaOH水溶液100mlに分散
させ、0℃で24時間ホフマン反応を行いアミノ基を生
成した。この弱塩基交換容量は0meq/gであった。
【0056】実施例−10 重合工程:500mlの4ツ口フラスコに、シクロヘキ
サン200mlとエチルセルロース200mgを入れ重
合浴溶液を調製した。一方、NVF(純度94%、不純
物として蟻酸等を含有)65g、ジビニルベンゼン(純
度、80%)35.0g、脱塩水2g、V−50(アゾ
系重合開始剤、和光純薬(株)製)500mgのNVF
相溶液を調製した。両溶液とも、予めN2 をバブリング
し、N2で置換した。重合はN2 雰囲気下で行った。重
合浴溶液を100rpmで攪拌しながら、調製したNV
F相溶液を徐々に滴下した。30分攪拌し分配平衡にし
た後、昇温し、65℃で8時間重合をした。NVF相は
昇温終了後、約15分でゲル化した。重合に伴う重合発
熱は、観察されなかった。重合終了後、共重合体を取り
出し、ブッフナーロート上にあけた。これをメタノール
で洗浄し、残存するジビニルベンゼン、シクロヘキサン
等を除去した。続いて、NVFのオリゴマーを除去する
ため水洗した。重合収率は76%であった。得られた共
重合体は、外見上は白色であった。ジビニルベンゼンの
含有率は、Nの元素分析値より21モル%であった。
【0057】加水分解工程:上記の共重合体を、塩基性
条件下で加水分解を行った。即ち、水切りした共重合体
を1リットルのフラスコ内に入れ、2N−NaOH水溶
液500mlを加えた。溶液を加温し、80℃で4時間
加水分解し、反応終了後、水洗した。得られたアニオン
交換樹脂の弱塩基交換容量は9.47meq/g、平均
粒径は約390μmであった。
【0058】アルキル化工程:上記の1級アミン型アニ
オン交換樹脂を用いて、3級化を行った。500mlの
4ツ口フラスコに、水切りした樹脂20ml、37%ホ
ルマリン溶液20mlを加えた。この中へ、pH5に調
製した50%蟻酸ナトリウム水溶液40mlを滴下ロー
トでゆっくり加えた。滴下終了後、徐々に加熱し、90
℃で6時間反応を行った。昇温途中に50℃付近から炭
酸ガスが発生し始めた。6時間経過すると炭酸ガスは、
ほとんど発生しなくなった。反応が進行するに伴い、樹
脂は重くなった。反応終了後、樹脂を取り出しブッフナ
ーロート上にあけ、メタノールで洗浄した。得られた樹
脂の弱塩基交換容量は6.45meq/g、平均粒系は
約400μmであった。
【0059】赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)1
660cm-1(ブロード)、13C−NMR(CP−MA
S法)の面積比では、メチル基のメチル化度は1.75
であった。以上の結果から、アニオン交換基としての−
N(CH3 2 を80%以上含有するものが得られたこ
とがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされる繰り返し
    単位及び/又は下記一般式(II)で表わされる繰り返し
    単位を19〜98モル%、下記一般式(III)で表わされ
    る繰り返し単位を0.1〜60モル%並びにこれら以外
    の繰り返し単位でこれらの単位と結合可能な単位0〜6
    0モル%の組成の球状の架橋共重合体であり、アニオン
    交換容量として A. 一般式(I)のモル分率>一般式(II)のモル分
    率であり、かつ一般式(I)中のR1 及びR2 が水素原
    子である場合には、弱塩基交換容量として8〜22ミリ
    当量/g−乾燥樹脂を有し、 B. 一般式(I)のモル分率>一般式(II)のモル分
    率であり、かつ一般式(I)中のR1 及びR2 が同時に
    水素原子ではない場合には、弱塩基交換容量として3〜
    16ミリ当量/g−乾燥樹脂を有し、 C. 一般式(I)のモル分率<一般式(II)のモル分
    率である場合には、中性塩分解容量として1.5〜8.
    5ミリ当量/g−乾燥を有するゲル型の弱塩基性アニオ
    ン交換樹脂。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれ水素原子、メチル基
    又はエチル基を表わす) 【化2】 (式中、R3 、R4 、及びR5 はそれぞれメチル基又は
    エチル基を表わす、 - はアンモニウム塩に配位した対
    イオンを表わす) 【化3】 (式中、R6 、R7 はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜
    3のアルキル基を表わし、Dは置換基を有してもよいア
    リーレン基を表わす)
  2. 【請求項2】 少なくともN−ビニルホルムアミドとポ
    リエチレン性芳香族単量体を含有する溶液を重合開始剤
    の存在下、油中水型懸濁重合により球状架橋共重合体を
    得た後、該重合体の有するホルムアミド結合を加水分解
    することよりなるゲル型の塩基性アニオン交換樹脂の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11226303A (ja) * 1998-02-12 1999-08-24 Mitsubishi Chemical Corp クロマトグラフィー用担体
JP2009203455A (ja) * 2007-12-13 2009-09-10 Tokuyama Corp 陰イオン交換膜およびその用途
JP2016098235A (ja) * 2014-11-18 2016-05-30 ハイモ株式会社 精製ポリビニルアミンの製造方法

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