JPH07289912A - 固体塩基性触媒 - Google Patents
固体塩基性触媒Info
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- JPH07289912A JPH07289912A JP4210295A JP4210295A JPH07289912A JP H07289912 A JPH07289912 A JP H07289912A JP 4210295 A JP4210295 A JP 4210295A JP 4210295 A JP4210295 A JP 4210295A JP H07289912 A JPH07289912 A JP H07289912A
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- JP
- Japan
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- group
- anion exchanger
- general formula
- mol
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 架橋性アニオン交換体であって、下記一般式
(I) 【化1】 (一般式(I)中、Aは直接結合又は炭素数1から4の
直鎖状又は分岐状アルキレン基、Bは炭素数1から8の
直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、R1 、R2 、
R3 は同じか又は異なっていてもよい炭素数1から4の
アルキル基、或いはアルカノール基を示し、Xはアンモ
ニウム基に配位した対イオンを示し、ベンゼン環Dは、
アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていてもよ
い。)で表わされる構成単位と不飽和炭化水素基含有架
橋性単量体から誘導される構成単位とを含有する固体塩
基性触媒。 【効果】 高温でも使用することができるため、広範囲
の温度で反応速度を大きく向上することができるため、
有機合成反応上有利であり、有機合成反応を効率的に行
うことができる。
(I) 【化1】 (一般式(I)中、Aは直接結合又は炭素数1から4の
直鎖状又は分岐状アルキレン基、Bは炭素数1から8の
直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、R1 、R2 、
R3 は同じか又は異なっていてもよい炭素数1から4の
アルキル基、或いはアルカノール基を示し、Xはアンモ
ニウム基に配位した対イオンを示し、ベンゼン環Dは、
アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていてもよ
い。)で表わされる構成単位と不飽和炭化水素基含有架
橋性単量体から誘導される構成単位とを含有する固体塩
基性触媒。 【効果】 高温でも使用することができるため、広範囲
の温度で反応速度を大きく向上することができるため、
有機合成反応上有利であり、有機合成反応を効率的に行
うことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アニオン交換体を用い
た固体塩基性触媒に関するものである。更には、本発明
は、特定の構造を有する架橋アニオン交換体(イオン交
換樹脂、イオン交換膜、イオン交換繊維)を有機合成用
塩基性触媒として利用するものである。
た固体塩基性触媒に関するものである。更には、本発明
は、特定の構造を有する架橋アニオン交換体(イオン交
換樹脂、イオン交換膜、イオン交換繊維)を有機合成用
塩基性触媒として利用するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アニオン交換樹脂を用いる塩基性
触媒に関する多くの合成法が提案されている。例えば、
React.Kinet.Cat.Lett.,199
2,47(1),65、J.Org.Chem.,19
92,57,5643、J.Amer.Chem.So
c.,1991,113,9360、USP4,97
0,333、特開平1−131142号、特開昭62−
273948号、DD289041号等多くのアニオン
交換体を用いた触媒反応が知られている。
触媒に関する多くの合成法が提案されている。例えば、
React.Kinet.Cat.Lett.,199
2,47(1),65、J.Org.Chem.,19
92,57,5643、J.Amer.Chem.So
c.,1991,113,9360、USP4,97
0,333、特開平1−131142号、特開昭62−
273948号、DD289041号等多くのアニオン
交換体を用いた触媒反応が知られている。
【0003】これらのアニオン交換体は、性能、化学的
安定性、強度及び価格の観点から、強塩基性スチレン系
アニオン交換樹脂である。アニオン交換基としては、ト
リメチルアミノ基が用いられている。例えば、ダイヤイ
オン(登録商標)SA10A、SA12A(ダイヤイオ
ンは三菱化成の登録商標)、アンバーライト(登録商
標)IRA−400、401(アンバーライトはローム
&ハース社の登録商標)等である。しかしながら、スチ
レン系陰イオン交換樹脂においては、以下のような欠点
がある。
安定性、強度及び価格の観点から、強塩基性スチレン系
アニオン交換樹脂である。アニオン交換基としては、ト
リメチルアミノ基が用いられている。例えば、ダイヤイ
オン(登録商標)SA10A、SA12A(ダイヤイオ
ンは三菱化成の登録商標)、アンバーライト(登録商
標)IRA−400、401(アンバーライトはローム
&ハース社の登録商標)等である。しかしながら、スチ
レン系陰イオン交換樹脂においては、以下のような欠点
がある。
【0004】従来のトリメチルアミンをイオン交換基
としたアニオン交換樹脂は、耐熱性が低いことが知られ
ている。特に、OH形での耐熱性は低いことが知られて
いる。通常、有機合成用の触媒反応は、反応温度が高く
なるにつれて反応速度が大きくなるため、高温条件下で
使用される場合が多い。しかしながら、これらのイオン
交換基は耐熱性が低いため、アニオン交換体の使用温度
は、50℃から70℃が上限とされている。
としたアニオン交換樹脂は、耐熱性が低いことが知られ
ている。特に、OH形での耐熱性は低いことが知られて
いる。通常、有機合成用の触媒反応は、反応温度が高く
なるにつれて反応速度が大きくなるため、高温条件下で
使用される場合が多い。しかしながら、これらのイオン
交換基は耐熱性が低いため、アニオン交換体の使用温度
は、50℃から70℃が上限とされている。
【0005】トリメチルアミンをイオン交換基とする
アニオン交換樹脂は室温から高温の条件下では、トリメ
チルアミンが脱離しやすい(中性塩分解容量の低下)、
及びメチル基が脱離し易い(弱塩基化)ため、化学的に
安定であるとは言えない。更に、イオン交換基のトリメ
チルアミンが脱離するため、得られる生成物中に、アニ
オン交換体に由来する有機物が混入し、汚染されるとい
う欠点があった。
アニオン交換樹脂は室温から高温の条件下では、トリメ
チルアミンが脱離しやすい(中性塩分解容量の低下)、
及びメチル基が脱離し易い(弱塩基化)ため、化学的に
安定であるとは言えない。更に、イオン交換基のトリメ
チルアミンが脱離するため、得られる生成物中に、アニ
オン交換体に由来する有機物が混入し、汚染されるとい
う欠点があった。
【0006】トリメチルアミンをイオン交換基とする
アニオン交換体は、窒素原子のα位にベンゼン環が存在
するため、アミンの塩基度は充分でないことが知られて
いる。アミンの塩基度を高くするためには、ベンゼン環
とアニオン交換基を隔てる必要があった。
アニオン交換体は、窒素原子のα位にベンゼン環が存在
するため、アミンの塩基度は充分でないことが知られて
いる。アミンの塩基度を高くするためには、ベンゼン環
とアニオン交換基を隔てる必要があった。
【0007】耐熱性を向上させる方法として、ベンゼ
ン環とアンモニウム基をポリメチレン鎖で介したアニオ
ン交換体が報告されている(特開平4−349941
号)。ポリアルキレン鎖がエチレン鎖である場合には、
ホフマン分解(E2脱離反応)が起こりやすい。このホ
フマン分解を抑制するため、α位にジメチル基を導入し
た1,1−ジメチルエチレン鎖の場合には、メチル基の
立体障害のためアニオン交換基の熱的安定性が悪いこと
が報告されている(J.Appl.Polym.Sc
i.,8.1659(1964))。トリメチルアミン
の脱離反応を抑制するためにはアルキレン鎖は、プロピ
レン鎖以上でなければならない。しかしながら、アルキ
レン鎖を有するブチレン交換体を製造するためには、G
rignard反応(J.Amer.Chem.So
c.,96.7101,(1974),Synth.C
omm.,20(15)2349(1990))を使用
しなければならないため工業的な樹脂の製造が困難であ
り、得られた樹脂は高価である。更に、アルキレン鎖で
構成されているため、得られる高分子は疎水性樹脂とな
る。この結果、樹脂の水分含有率や膨潤度が低下し、製
造上不利であった。
ン環とアンモニウム基をポリメチレン鎖で介したアニオ
ン交換体が報告されている(特開平4−349941
号)。ポリアルキレン鎖がエチレン鎖である場合には、
ホフマン分解(E2脱離反応)が起こりやすい。このホ
フマン分解を抑制するため、α位にジメチル基を導入し
た1,1−ジメチルエチレン鎖の場合には、メチル基の
立体障害のためアニオン交換基の熱的安定性が悪いこと
が報告されている(J.Appl.Polym.Sc
i.,8.1659(1964))。トリメチルアミン
の脱離反応を抑制するためにはアルキレン鎖は、プロピ
レン鎖以上でなければならない。しかしながら、アルキ
レン鎖を有するブチレン交換体を製造するためには、G
rignard反応(J.Amer.Chem.So
c.,96.7101,(1974),Synth.C
omm.,20(15)2349(1990))を使用
しなければならないため工業的な樹脂の製造が困難であ
り、得られた樹脂は高価である。更に、アルキレン鎖で
構成されているため、得られる高分子は疎水性樹脂とな
る。この結果、樹脂の水分含有率や膨潤度が低下し、製
造上不利であった。
【0008】Chem.Lett.,677−678
(1980)にはN,N−ジメチルアミノエチル(又は
プロピル)オキシメチルスチレンとジビニルベンゼンと
の球状重合体から弱塩基性アニオン交換体又はその4級
アンモニウム塩、アミンオキサイドを1−ブロモオクテ
ートのシアナイド置換触媒として使用した研究が報告さ
れている。これらの4級アンモニウム塩は耐熱性が十分
ではない。
(1980)にはN,N−ジメチルアミノエチル(又は
プロピル)オキシメチルスチレンとジビニルベンゼンと
の球状重合体から弱塩基性アニオン交換体又はその4級
アンモニウム塩、アミンオキサイドを1−ブロモオクテ
ートのシアナイド置換触媒として使用した研究が報告さ
れている。これらの4級アンモニウム塩は耐熱性が十分
ではない。
【0009】一方、(メタ)アクリル酸エステル系や
(メタ)アクリルアミド系の陰イオン交換体も提案され
ている。しかし、これらのアニオン交換体の最大の問題
は、エステル結合やアミド結合が酸、又は塩基性溶液、
又は高温のこれらの溶液によって加水分解されやすいこ
とである。再生時には、アニオン交換体はNaOH水溶
液に曝されるため、アニオン交換体の化学的安定性は重
要な要素である。そのため、これらのアニオン交換体
は、使用可能範囲が限定されたものとなる。
(メタ)アクリルアミド系の陰イオン交換体も提案され
ている。しかし、これらのアニオン交換体の最大の問題
は、エステル結合やアミド結合が酸、又は塩基性溶液、
又は高温のこれらの溶液によって加水分解されやすいこ
とである。再生時には、アニオン交換体はNaOH水溶
液に曝されるため、アニオン交換体の化学的安定性は重
要な要素である。そのため、これらのアニオン交換体
は、使用可能範囲が限定されたものとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特定
の架橋アニオン交換体からなる広範囲の温度領域におい
て、効率よく反応を行うことのできる固体塩基性触媒を
提供することにある。
の架橋アニオン交換体からなる広範囲の温度領域におい
て、効率よく反応を行うことのできる固体塩基性触媒を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スチレン
系アニオン交換体の有する課題が解決されたアニオン交
換体を得るべく鋭意検討した結果、イオン交換基とベン
ゼン環の間に特定の炭素数を有するアルコキシアルキレ
ン鎖を導入したスチレン系アニオン交換体を用いること
により、高温条件下有機合成反応が行えることを見い出
し、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、架橋性
アニオン交換体であって、下記一般式(I)
系アニオン交換体の有する課題が解決されたアニオン交
換体を得るべく鋭意検討した結果、イオン交換基とベン
ゼン環の間に特定の炭素数を有するアルコキシアルキレ
ン鎖を導入したスチレン系アニオン交換体を用いること
により、高温条件下有機合成反応が行えることを見い出
し、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、架橋性
アニオン交換体であって、下記一般式(I)
【0012】
【化2】
【0013】(一般式(I)中、Aは炭素数1から4の
直鎖状又は分岐状アルキレン基を表わし、Bは炭素数4
から8の直鎖状のアルキレン基を表わし、R1 、R2 、
R3 は同じか又は異なっていてもよい炭素数1から4の
アルキル基、或いはアルカノール基を示し、Xはアンモ
ニウム基に配位した対イオンを示し、ベンゼン環Dは、
アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていてもよ
い。)で表わされる構成単位と不飽和炭化水素基含有架
橋性単量体から誘導される構成単位とを含有することを
特徴とする固体塩基性触媒に存する。
直鎖状又は分岐状アルキレン基を表わし、Bは炭素数4
から8の直鎖状のアルキレン基を表わし、R1 、R2 、
R3 は同じか又は異なっていてもよい炭素数1から4の
アルキル基、或いはアルカノール基を示し、Xはアンモ
ニウム基に配位した対イオンを示し、ベンゼン環Dは、
アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていてもよ
い。)で表わされる構成単位と不飽和炭化水素基含有架
橋性単量体から誘導される構成単位とを含有することを
特徴とする固体塩基性触媒に存する。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける固体塩基性触媒とは、一般式(I)で表わされる
構造単位を含んでいることを特徴とする水不溶性架橋共
重合体であるアニオン交換体である。一般式(I)にお
いて、アルキレン鎖Bの炭素数は、イオン交換基の耐熱
性を発現するために少なくとも4以上であることが必要
である。エチレン鎖である場合には、ホフマン分解(E
2脱離反応)が起こりやすい。プロピレン鎖も耐熱性が
劣る。しかしながら、アルキレン鎖Bの鎖長が長くなっ
た場合には、構成単位(I)の分子量が大きくなるた
め、アニオン交換体の単位重量当たりのイオン交換容量
が減少し、交換容量の減少につながる。それ故アルキレ
ン鎖Bの炭素数は、8以下、好ましくは6以下である。
おける固体塩基性触媒とは、一般式(I)で表わされる
構造単位を含んでいることを特徴とする水不溶性架橋共
重合体であるアニオン交換体である。一般式(I)にお
いて、アルキレン鎖Bの炭素数は、イオン交換基の耐熱
性を発現するために少なくとも4以上であることが必要
である。エチレン鎖である場合には、ホフマン分解(E
2脱離反応)が起こりやすい。プロピレン鎖も耐熱性が
劣る。しかしながら、アルキレン鎖Bの鎖長が長くなっ
た場合には、構成単位(I)の分子量が大きくなるた
め、アニオン交換体の単位重量当たりのイオン交換容量
が減少し、交換容量の減少につながる。それ故アルキレ
ン鎖Bの炭素数は、8以下、好ましくは6以下である。
【0015】アルキレン鎖Bとしては、例えば、n−ブ
チレン鎖、n−ペンテン鎖、n−ヘキシレン鎖、n−ヘ
プチレン鎖、n−オクチレン鎖等の直鎖状アルキレン基
が挙げられる。一方、ベンゼン環に結合しているアルキ
レン鎖Aは、ベンゼン環の酸化反応を抑制することにあ
ると考えられる。Aの炭素数が0(直接結合)であるフ
ェノキシ基の場合、ベンゼン環が酸化されやすく、イオ
ン交換基の脱落につながりやすい。従って、ベンゼン環
に結合しているアルキレン鎖Aの鎖長は、炭素数が1以
上であることが必要である。また、Bと同様、Aの鎖長
が長くなった場合には、単位重量当たりのイオン交換基
の減少につながるため、アルキレン鎖Aの炭素数は4以
下であることが好ましい。例えば、メチレン鎖、エチレ
ン鎖、イソプロピレン鎖、ブチレン鎖等の直鎖状アルキ
レン基、分岐状アルキレン基等が挙げられる。分岐状ア
ルキレン基のアルキル基は、どこに位置していてもよ
い。
チレン鎖、n−ペンテン鎖、n−ヘキシレン鎖、n−ヘ
プチレン鎖、n−オクチレン鎖等の直鎖状アルキレン基
が挙げられる。一方、ベンゼン環に結合しているアルキ
レン鎖Aは、ベンゼン環の酸化反応を抑制することにあ
ると考えられる。Aの炭素数が0(直接結合)であるフ
ェノキシ基の場合、ベンゼン環が酸化されやすく、イオ
ン交換基の脱落につながりやすい。従って、ベンゼン環
に結合しているアルキレン鎖Aの鎖長は、炭素数が1以
上であることが必要である。また、Bと同様、Aの鎖長
が長くなった場合には、単位重量当たりのイオン交換基
の減少につながるため、アルキレン鎖Aの炭素数は4以
下であることが好ましい。例えば、メチレン鎖、エチレ
ン鎖、イソプロピレン鎖、ブチレン鎖等の直鎖状アルキ
レン基、分岐状アルキレン基等が挙げられる。分岐状ア
ルキレン基のアルキル基は、どこに位置していてもよ
い。
【0016】製造法及び製造コストの点からは、アルキ
レン鎖Aは、メチレン鎖又はエチレン鎖であり、アルキ
レン鎖Bは、ブチレン鎖であることが好ましい。ここ
で、イオン交換基に結合したアルキレン鎖Bは耐熱性を
向上させるのに寄与し、ベンゼン環に結合したアルキレ
ン鎖Aはベンゼン環の酸化反応を抑制するのに寄与して
いると推定される。従って、イオン交換体の耐熱性を発
現するために特に重要なのは、イオン交換基に結合した
アルキレン鎖Bの鎖長である。
レン鎖Aは、メチレン鎖又はエチレン鎖であり、アルキ
レン鎖Bは、ブチレン鎖であることが好ましい。ここ
で、イオン交換基に結合したアルキレン鎖Bは耐熱性を
向上させるのに寄与し、ベンゼン環に結合したアルキレ
ン鎖Aはベンゼン環の酸化反応を抑制するのに寄与して
いると推定される。従って、イオン交換体の耐熱性を発
現するために特に重要なのは、イオン交換基に結合した
アルキレン鎖Bの鎖長である。
【0017】イオン交換基を有するアルコキシアルキレ
ン基は、製造上、多くはスチレン残基のp位に導入され
る。たとえこのアルコキシアルキレン基が、m位あるい
はo位に導入された場合でも、アンモニウム基とベンゼ
ン環の距離が数Å以上であるため、ベンゼン環とポリエ
チレン鎖により立体的な影響は少ない。従って、イオン
交換基を有するアルコキシアルキレン基は、ベンゼン環
のどの位置に置換されていてもよい。
ン基は、製造上、多くはスチレン残基のp位に導入され
る。たとえこのアルコキシアルキレン基が、m位あるい
はo位に導入された場合でも、アンモニウム基とベンゼ
ン環の距離が数Å以上であるため、ベンゼン環とポリエ
チレン鎖により立体的な影響は少ない。従って、イオン
交換基を有するアルコキシアルキレン基は、ベンゼン環
のどの位置に置換されていてもよい。
【0018】本発明におけるアニオン交換体は、種々の
製造方法で作ることができる。下記一般式(II)(A
は直接結合又は炭素数1から4の直鎖状又は分岐状アル
キレン基を表わし、Bは炭素数4から8の直鎖状、分岐
状又は環状のアルキレン基を表わし、Zはイオン交換基
に変換し得る官能基を表わす。例えば、塩素、臭素、沃
素等のハロゲン原子又はトシル基等が挙げられる。)で
表わされる前駆体単量体を合成し、架橋剤及び必要に応
じて第3の単量体成分とともに共重合を行った後、アミ
ンと反応させイオン交換基に変換する方法、
製造方法で作ることができる。下記一般式(II)(A
は直接結合又は炭素数1から4の直鎖状又は分岐状アル
キレン基を表わし、Bは炭素数4から8の直鎖状、分岐
状又は環状のアルキレン基を表わし、Zはイオン交換基
に変換し得る官能基を表わす。例えば、塩素、臭素、沃
素等のハロゲン原子又はトシル基等が挙げられる。)で
表わされる前駆体単量体を合成し、架橋剤及び必要に応
じて第3の単量体成分とともに共重合を行った後、アミ
ンと反応させイオン交換基に変換する方法、
【0019】
【化3】
【0020】一般式(III )で表わされる構造単位を
有する単量体を、架橋剤等とともに重合する方法が挙げ
られる。一般式中(III )中A,B,R1 〜R3 ,D及
びXは、一般式(I)におけるのと同義である。Xは、
イオン交換基に配位した対イオンであって、例えば、塩
化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、硫酸イオ
ン、硝酸イオン、水酸基等が挙げられる。なお、硫酸イ
オンのように2価のアニオンである場合は、一般式
(I)の繰り返し単位2分子に対して、1つの対イオン
が配位する。
有する単量体を、架橋剤等とともに重合する方法が挙げ
られる。一般式中(III )中A,B,R1 〜R3 ,D及
びXは、一般式(I)におけるのと同義である。Xは、
イオン交換基に配位した対イオンであって、例えば、塩
化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、硫酸イオ
ン、硝酸イオン、水酸基等が挙げられる。なお、硫酸イ
オンのように2価のアニオンである場合は、一般式
(I)の繰り返し単位2分子に対して、1つの対イオン
が配位する。
【0021】一般式(II)で表わされる前駆体となる重
合性単量体は、幾つかの方法で合成することができる。
クロロメチルスチレン(m及びp体の混合物であっても
よい)を、公知の技術(Polymer,1973,V
ol 14,330−332、Makromol.Ch
em.Rapid Commun.,7,143,19
86)に従って加水分解した後、1,ω−ジハロゲノア
ルカンを反応させる方法、或いは、公知の技術(Bul
l.Chem.Soc.Jpn.,1976,Vol
49,2500、)に従って、クロロメチルスチレンを
塩化水銀の存在下、テトラヒドロフランと反応させ、ω
−ハロゲノアルコキシアルキルスチレンを合成すること
ができる。更に、一般式(II)で表わされる単量体をア
ルキルアミン類でアミノ化し、アンモニウム基を有する
単量体(III )を合成することができる。勿論、一般式
(II)のベンゼン環Dは、アルキル基、或いはハロゲン
で置換されていてもよい。
合性単量体は、幾つかの方法で合成することができる。
クロロメチルスチレン(m及びp体の混合物であっても
よい)を、公知の技術(Polymer,1973,V
ol 14,330−332、Makromol.Ch
em.Rapid Commun.,7,143,19
86)に従って加水分解した後、1,ω−ジハロゲノア
ルカンを反応させる方法、或いは、公知の技術(Bul
l.Chem.Soc.Jpn.,1976,Vol
49,2500、)に従って、クロロメチルスチレンを
塩化水銀の存在下、テトラヒドロフランと反応させ、ω
−ハロゲノアルコキシアルキルスチレンを合成すること
ができる。更に、一般式(II)で表わされる単量体をア
ルキルアミン類でアミノ化し、アンモニウム基を有する
単量体(III )を合成することができる。勿論、一般式
(II)のベンゼン環Dは、アルキル基、或いはハロゲン
で置換されていてもよい。
【0022】アニオン交換体の製造における共重合体成
分は、不飽和炭化水素含有架橋性単量体、及び必要に応
じて用いることができる第3の不飽和炭化水素含有単量
体である。この不飽和炭化水素含有架橋性単量体は、水
不溶性架橋共重合体を製造するために必要である。この
単量体としては、ジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼ
ン、アルキルジビニルベンゼン、ジアルキルジビニルベ
ンゼン、エチレングリコール(ポリ)(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)エチレンビス(メタ)アクリルアミド等が
挙げられる。好ましくはジビニルベンゼンである。その
含有率が低い場合には、得られるアニオン交換体は高膨
潤性重合体となる。一方、含有率が高い場合には、イオ
ン交換基を有する構成成分(I)の含有率が低くなるた
め、イオン交換容量が低下する。従って本発明のアニオ
ン交換体を製造する際の不飽和炭化水素含有架橋性単量
体の使用量は、アニオン交換体において、不飽和炭化水
素含有架橋性単量体から誘導される構成単位が0.1%
〜50モル%程度、好ましくは0.2%〜25モル%と
なるように用いられる。
分は、不飽和炭化水素含有架橋性単量体、及び必要に応
じて用いることができる第3の不飽和炭化水素含有単量
体である。この不飽和炭化水素含有架橋性単量体は、水
不溶性架橋共重合体を製造するために必要である。この
単量体としては、ジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼ
ン、アルキルジビニルベンゼン、ジアルキルジビニルベ
ンゼン、エチレングリコール(ポリ)(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)エチレンビス(メタ)アクリルアミド等が
挙げられる。好ましくはジビニルベンゼンである。その
含有率が低い場合には、得られるアニオン交換体は高膨
潤性重合体となる。一方、含有率が高い場合には、イオ
ン交換基を有する構成成分(I)の含有率が低くなるた
め、イオン交換容量が低下する。従って本発明のアニオ
ン交換体を製造する際の不飽和炭化水素含有架橋性単量
体の使用量は、アニオン交換体において、不飽和炭化水
素含有架橋性単量体から誘導される構成単位が0.1%
〜50モル%程度、好ましくは0.2%〜25モル%と
なるように用いられる。
【0023】第3の不飽和炭化水素含有単量体は、アニ
オン交換体の機能を低減させない範囲において用いるこ
とができる。その重合性単量体としては、スチレン、ア
ルキルスチレン、ポリアルキルスチレン、(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリ
ル等が挙げられる。第3の不飽和炭化水素含有単量体の
使用量は、アニオン交換体において第3の不飽和炭化水
素含有単量体から誘導される構成単位が0%〜50モル
%、好ましくは0%〜20モル%となるように用いられ
る。
オン交換体の機能を低減させない範囲において用いるこ
とができる。その重合性単量体としては、スチレン、ア
ルキルスチレン、ポリアルキルスチレン、(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリ
ル等が挙げられる。第3の不飽和炭化水素含有単量体の
使用量は、アニオン交換体において第3の不飽和炭化水
素含有単量体から誘導される構成単位が0%〜50モル
%、好ましくは0%〜20モル%となるように用いられ
る。
【0024】一般式(I)の構成単位を誘導しうる重合
性単量体の使用量はアニオン交換体において一般式
(I)に示される構成単位が5%〜99.9モル%、好
ましくは10〜99モル%となるように用いられる。こ
の場合、イオン交換容量を大きくするためには、一般式
(I)の含有率はできる限り高いことが好ましい。本発
明のアニオン交換体の有する重量当たりの交換容量(中
性塩交換容量)は、一般式(I)で表わされる構成要素
の分子量によっても異なる。すなわち、アルキレン鎖
A、B及びイオン交換基の置換基Rにより異なるが、一
般に、通常0.2meq/g〜5meq/gの範囲であ
る。(meq/gとは乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を
表わす。)更に好ましくは、1.5meq/g〜4.5
meq/gの範囲である。体積当たりのイオン交換容量
は、膨潤度により異なるが、通常、0.3meq/ml
〜1.5meq/mlである。
性単量体の使用量はアニオン交換体において一般式
(I)に示される構成単位が5%〜99.9モル%、好
ましくは10〜99モル%となるように用いられる。こ
の場合、イオン交換容量を大きくするためには、一般式
(I)の含有率はできる限り高いことが好ましい。本発
明のアニオン交換体の有する重量当たりの交換容量(中
性塩交換容量)は、一般式(I)で表わされる構成要素
の分子量によっても異なる。すなわち、アルキレン鎖
A、B及びイオン交換基の置換基Rにより異なるが、一
般に、通常0.2meq/g〜5meq/gの範囲であ
る。(meq/gとは乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を
表わす。)更に好ましくは、1.5meq/g〜4.5
meq/gの範囲である。体積当たりのイオン交換容量
は、膨潤度により異なるが、通常、0.3meq/ml
〜1.5meq/mlである。
【0025】本発明のアニオン交換体は一般式(I)の
構成単位を誘導し得る重合性単量体、架橋性単量体及び
要すれば第3の単量体を重合開始剤の存在下、重合する
ことによって製造される。重合開始剤としては、過酸化
ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイル、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、ア
ゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名;
V−65(和光純薬))2,2′−アゾビス(2−メチ
ルプロピオンアミジン)・二塩酸塩(商品名;V−50
和光純薬、水溶性重合開始剤)等のアゾ系重合開始剤等
が用いられる。その含有率は、通常、全単量体に対し
て、0.1%〜5重量%である。重合温度は、重合開始
剤の半減期温度、含有率、単量体の種類等により異なる
が、通常は、40℃〜150℃、好ましくは50℃〜1
00℃で使用される。重合開始は、1時間〜30時間、
好ましくは、1時間〜15時間である。
構成単位を誘導し得る重合性単量体、架橋性単量体及び
要すれば第3の単量体を重合開始剤の存在下、重合する
ことによって製造される。重合開始剤としては、過酸化
ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイル、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、ア
ゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名;
V−65(和光純薬))2,2′−アゾビス(2−メチ
ルプロピオンアミジン)・二塩酸塩(商品名;V−50
和光純薬、水溶性重合開始剤)等のアゾ系重合開始剤等
が用いられる。その含有率は、通常、全単量体に対し
て、0.1%〜5重量%である。重合温度は、重合開始
剤の半減期温度、含有率、単量体の種類等により異なる
が、通常は、40℃〜150℃、好ましくは50℃〜1
00℃で使用される。重合開始は、1時間〜30時間、
好ましくは、1時間〜15時間である。
【0026】これらの重合反応において、必要に応じ
て、上記各単量体成分に溶解する溶媒を添加していても
よい。これらの単量体に対して貧溶媒であるトルエン、
ヘキサン等非極性有機溶媒を添加し共重合を行った場合
には、多孔性構造を有するアニオン交換体が得られる。
一方、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の良
溶媒を添加した場合には、膨潤性のアニオン交換体が得
られる。これら溶媒の種類、添加量等により生成する多
孔性担体の物理構造が異なり、これらの溶媒を制御する
ことにより、目的とする多孔性担体を得ることができ
る。その他、例えば、溶媒として、水、メタノール、エ
タノール、アセトン等の溶媒、又はこれらの溶媒の混合
溶液が使用される。その添加量は、全単量体成分に対し
て、0%〜100重量%の範囲である。
て、上記各単量体成分に溶解する溶媒を添加していても
よい。これらの単量体に対して貧溶媒であるトルエン、
ヘキサン等非極性有機溶媒を添加し共重合を行った場合
には、多孔性構造を有するアニオン交換体が得られる。
一方、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の良
溶媒を添加した場合には、膨潤性のアニオン交換体が得
られる。これら溶媒の種類、添加量等により生成する多
孔性担体の物理構造が異なり、これらの溶媒を制御する
ことにより、目的とする多孔性担体を得ることができ
る。その他、例えば、溶媒として、水、メタノール、エ
タノール、アセトン等の溶媒、又はこれらの溶媒の混合
溶液が使用される。その添加量は、全単量体成分に対し
て、0%〜100重量%の範囲である。
【0027】一般式(II)及び下記一般式(IV)のZを
アンモニウム基−NR1 R2 R3 に変換する方法は、公
知の方法に従って行うことができる。
アンモニウム基−NR1 R2 R3 に変換する方法は、公
知の方法に従って行うことができる。
【0028】
【化4】
【0029】(式(IV)中、A,B,Zは前述と同義で
ある)Zが、ハロゲン原子の場合、適切な溶媒の存在
化、3級アミンを反応させアンモニウム基に変換するこ
とができる。Zがトシル基の場合にも同様に、上記反応
によりアンモニウム基に変換することができる。上記の
アンモニウム基を導入する際、樹脂を膨潤させるため、
溶媒を添加するのが一般的である。用いられる溶媒とし
ては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコ
ール類、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系炭化水素
類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、その他ジメチルホルムアミド、アセ
トニトリル等の溶媒が単独、又は混合溶液として用いら
れる。反応温度は、反応様式、官能基の種類、溶媒の等
により異なるが、通常は、20℃〜100℃である。一
般式(III )で表わされる重合性単量体を、架橋剤とと
もに重合することによりアニオン交換体を得ることもで
きる。
ある)Zが、ハロゲン原子の場合、適切な溶媒の存在
化、3級アミンを反応させアンモニウム基に変換するこ
とができる。Zがトシル基の場合にも同様に、上記反応
によりアンモニウム基に変換することができる。上記の
アンモニウム基を導入する際、樹脂を膨潤させるため、
溶媒を添加するのが一般的である。用いられる溶媒とし
ては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコ
ール類、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系炭化水素
類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、その他ジメチルホルムアミド、アセ
トニトリル等の溶媒が単独、又は混合溶液として用いら
れる。反応温度は、反応様式、官能基の種類、溶媒の等
により異なるが、通常は、20℃〜100℃である。一
般式(III )で表わされる重合性単量体を、架橋剤とと
もに重合することによりアニオン交換体を得ることもで
きる。
【0030】
【化5】
【0031】上記単量体は、一般式(II)で表わされる
重合性単量体と同様にして上記架橋性単量体と共重合す
ることができる。この場合、イオン交換基を有する単量
体を架橋剤とともに架橋重合するため、上記のように重
合後、アミノ化反応等を行わなくてもよい。その後、公
知の方法によって対イオンを各種のアニオン形に変換
し、本発明のアニオン交換体が得られる。
重合性単量体と同様にして上記架橋性単量体と共重合す
ることができる。この場合、イオン交換基を有する単量
体を架橋剤とともに架橋重合するため、上記のように重
合後、アミノ化反応等を行わなくてもよい。その後、公
知の方法によって対イオンを各種のアニオン形に変換
し、本発明のアニオン交換体が得られる。
【0032】一般式(I)のベンゼン環は、イオン交換
基を有するアルコキシアルキレン基以外に、アルキル基
或いはハロゲン原子で置換されていてもよい。アルキル
基としては、メチル基、エチル基等が挙げられ、ハロゲ
ンとしては、フッ素、塩素、臭素、沃素等が挙げられ
る。イオン交換基を構成するアルキル基R1 ,R2 ,R
3 は、炭素数1から4のアルキル基、或いはヒドロキシ
エチル基等のアルカノール基である。この場合も、単位
重量当たりの交換容量の低下をできる限り少なくするた
め、メチル基であることが好ましい。
基を有するアルコキシアルキレン基以外に、アルキル基
或いはハロゲン原子で置換されていてもよい。アルキル
基としては、メチル基、エチル基等が挙げられ、ハロゲ
ンとしては、フッ素、塩素、臭素、沃素等が挙げられ
る。イオン交換基を構成するアルキル基R1 ,R2 ,R
3 は、炭素数1から4のアルキル基、或いはヒドロキシ
エチル基等のアルカノール基である。この場合も、単位
重量当たりの交換容量の低下をできる限り少なくするた
め、メチル基であることが好ましい。
【0033】本発明の固体塩基性触媒は公知の方法に準
じて製造され、種々の形状に成形することができる。ア
ニオン交換体の平均粒子径は100μm〜2mmの範囲
である。その後、必要に応じて、懸濁重合後粉砕し粉末
状、溶液重合により塊状或いは粉末状等種々の形にする
ことができる。球状重合体だけではなく粉砕品等種々の
形状の樹脂も採用することができる。粉砕品は溶液重合
等で塊状樹脂を得た後、公知の方法に従って、所望の大
きさに粉砕すればよい。その樹脂の平均粒径は、1μm
〜2mmであることが好ましい。
じて製造され、種々の形状に成形することができる。ア
ニオン交換体の平均粒子径は100μm〜2mmの範囲
である。その後、必要に応じて、懸濁重合後粉砕し粉末
状、溶液重合により塊状或いは粉末状等種々の形にする
ことができる。球状重合体だけではなく粉砕品等種々の
形状の樹脂も採用することができる。粉砕品は溶液重合
等で塊状樹脂を得た後、公知の方法に従って、所望の大
きさに粉砕すればよい。その樹脂の平均粒径は、1μm
〜2mmであることが好ましい。
【0034】本発明の触媒の使用方法は、特に限定され
るものではない。通常のアニオン交換体と同様、0.1
N〜10Nの範囲のNaOH等の塩基性水溶液により再
生することができる。本発明の固体塩基性触媒は、従来
のトリメチルアンモニウム基をイオン交換基とするアニ
オン交換体と比較しスペーサーを有するため、末端のイ
オン交換基の分子運動性は高い。この結果、従来のアニ
オン交換体より触媒作用は大きいと考えられる。
るものではない。通常のアニオン交換体と同様、0.1
N〜10Nの範囲のNaOH等の塩基性水溶液により再
生することができる。本発明の固体塩基性触媒は、従来
のトリメチルアンモニウム基をイオン交換基とするアニ
オン交換体と比較しスペーサーを有するため、末端のイ
オン交換基の分子運動性は高い。この結果、従来のアニ
オン交換体より触媒作用は大きいと考えられる。
【0035】本発明の固体塩基性触媒は、従来のスチレ
ン系陰イオン交換体に比べ耐熱性が高く、高温で使用す
ることができ、アンモニウム塩の塩基度が高いため、塩
基性触媒としては優れている。また、化学的安定性に優
れているため、種々の有機化学反応にも適用することが
できる。
ン系陰イオン交換体に比べ耐熱性が高く、高温で使用す
ることができ、アンモニウム塩の塩基度が高いため、塩
基性触媒としては優れている。また、化学的安定性に優
れているため、種々の有機化学反応にも適用することが
できる。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び製造例により本発明を詳細
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例及び製造例により限定されるものではない。
尚、以下の実施例及び製造例においてmeq/gは乾燥
樹脂重量当たりのミリ当量を示す。なお、イオン交換樹
脂の交換容量の測定は、ダイヤイオンマニュアル(三菱
化成(株)発行)に従って行った。比較例のアニオン交
換樹脂としては、ダイヤイオン(ダイヤイオンは、三菱
化成の登録商標)SA10Aを用いた。
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例及び製造例により限定されるものではない。
尚、以下の実施例及び製造例においてmeq/gは乾燥
樹脂重量当たりのミリ当量を示す。なお、イオン交換樹
脂の交換容量の測定は、ダイヤイオンマニュアル(三菱
化成(株)発行)に従って行った。比較例のアニオン交
換樹脂としては、ダイヤイオン(ダイヤイオンは、三菱
化成の登録商標)SA10Aを用いた。
【0037】〔製造例−1〕 (4−ブロモブトキシメチルスチレンの合成1)300
mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム20g(0.
5mol)、水20mlを加え、撹拌し均一溶液とし
た。溶液温度を室温に戻した後、ビニルベンジルアルコ
ール(m体、及びp体の混合物)13.42g(0.1
mol)、1,4−ジブロモブタン32.39g(0.
15mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド
3.22g(0.01mol)をトルエン100mlに
溶解し、添加した。この混合溶液を激しく撹拌しなが
ら、40℃で6時間反応させた。反応後、溶液を分離
し、水で充分洗浄した。この有機相に硫酸マグネシウム
を加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留去して得た溶
液をDPPH(ジフェニルピクリル−2−ヒドラジル)
存在下で真空蒸留(bp 125〜128℃/16P
a)して、無色透明溶液を得た。得られた溶液は、下記
のNMR及びIR吸収を有することによって4−ブロモ
ブトキシメチルスチレンの構造を確認した。収量は1
5.0g、収率は56%であった。
mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム20g(0.
5mol)、水20mlを加え、撹拌し均一溶液とし
た。溶液温度を室温に戻した後、ビニルベンジルアルコ
ール(m体、及びp体の混合物)13.42g(0.1
mol)、1,4−ジブロモブタン32.39g(0.
15mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド
3.22g(0.01mol)をトルエン100mlに
溶解し、添加した。この混合溶液を激しく撹拌しなが
ら、40℃で6時間反応させた。反応後、溶液を分離
し、水で充分洗浄した。この有機相に硫酸マグネシウム
を加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留去して得た溶
液をDPPH(ジフェニルピクリル−2−ヒドラジル)
存在下で真空蒸留(bp 125〜128℃/16P
a)して、無色透明溶液を得た。得られた溶液は、下記
のNMR及びIR吸収を有することによって4−ブロモ
ブトキシメチルスチレンの構造を確認した。収量は1
5.0g、収率は56%であった。
【0038】1H−NMRは日本電子製 EX−270
(270MHz、溶媒は全てCDCl3 を用いて測定し
た。TMS基準 δ;ppm。尚本化合物は、m体とp
体の混合物であるため、結合定数は算出できない。)、
赤外線吸収スペクトル(IRスペクトル)は島津製作所
製 FT−IR 4000を用いた。(( )内、b
r.は線幅が広い Sh.は鋭い Str.は大きな吸
収 med.は中程度の吸収であることを示す。)
(270MHz、溶媒は全てCDCl3 を用いて測定し
た。TMS基準 δ;ppm。尚本化合物は、m体とp
体の混合物であるため、結合定数は算出できない。)、
赤外線吸収スペクトル(IRスペクトル)は島津製作所
製 FT−IR 4000を用いた。(( )内、b
r.は線幅が広い Sh.は鋭い Str.は大きな吸
収 med.は中程度の吸収であることを示す。)
【0039】1H−NMR;7.15−7.36(m:
芳香族水素)、6.61−6.73(m:ビニル基のα
位水素)、5.67−5.76(m:ビニル基のβ位水
素)、5.17−5.23(m:ビニル基のβ位水
素)、4.42と4.41(s:ベンジル位のメチレン
鎖)、3.33−3.45(m:Brのα位とδ位のメ
チレン鎖)、1.85−1.96(m:Brのβ位のメ
チレン鎖)、1.64−1.74(m:Brのγ位のメ
チレン鎖)。
芳香族水素)、6.61−6.73(m:ビニル基のα
位水素)、5.67−5.76(m:ビニル基のβ位水
素)、5.17−5.23(m:ビニル基のβ位水
素)、4.42と4.41(s:ベンジル位のメチレン
鎖)、3.33−3.45(m:Brのα位とδ位のメ
チレン鎖)、1.85−1.96(m:Brのβ位のメ
チレン鎖)、1.64−1.74(m:Brのγ位のメ
チレン鎖)。
【0040】IRスペクトル(NaCl法)2950
(sh.),2860(sh.),1630(s
h.),1440(med.),1360(me
d.),1250(med.),1110(st
r.),990(str.),910(str.),8
30(med.),800(med.),720(me
d.)。
(sh.),2860(sh.),1630(s
h.),1440(med.),1360(me
d.),1250(med.),1110(st
r.),990(str.),910(str.),8
30(med.),800(med.),720(me
d.)。
【0041】〔製造例−2〕 (3−ブロモプロポキシメチルスチレンの合成)100
0mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム80g
(2.0mol)、1,3−プロパンジオール500g
(6.5mol)、ハイドロキノン1.5gを仕込み8
0℃にて2時間反応させた。続いてクロルメチルスチレ
ン(m体、及びp体の混合物)250g(1.5mo
l)を30分で滴下し添加した。この混合溶液をさらに
反応させた後、水浴で室温に冷却し食塩水(20wt
%)300mlに投入した。有機相を分離し、水相をト
ルエンにて抽出した。有機相とトルエンを合わせ、硫酸
マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留
去して得た溶液をDPPH(ジフェニルピクリル−2−
ヒドラジル)存在下で真空蒸留(bp 101〜3℃/
56Pa)して目的の3−ヒドロキシプロポキシメチル
スチレンを得た。収率は60%であった。
0mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム80g
(2.0mol)、1,3−プロパンジオール500g
(6.5mol)、ハイドロキノン1.5gを仕込み8
0℃にて2時間反応させた。続いてクロルメチルスチレ
ン(m体、及びp体の混合物)250g(1.5mo
l)を30分で滴下し添加した。この混合溶液をさらに
反応させた後、水浴で室温に冷却し食塩水(20wt
%)300mlに投入した。有機相を分離し、水相をト
ルエンにて抽出した。有機相とトルエンを合わせ、硫酸
マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留
去して得た溶液をDPPH(ジフェニルピクリル−2−
ヒドラジル)存在下で真空蒸留(bp 101〜3℃/
56Pa)して目的の3−ヒドロキシプロポキシメチル
スチレンを得た。収率は60%であった。
【0042】得られた3−ヒドロキシプロポキシメチル
スチレン192g(1.0mol)と脱水精製したピリ
ジン55mlを300ml四口フラスコに仕込み、ドラ
イアイス−エタノールで−10℃に保ちながら三臭化リ
ン108g(0.4mol)を滴下した。滴下終了後、
室温で15h撹拌した。反応混合物を食塩水(20wt
%)250mlに投入し、トルエンにて抽出した。有機
相を水−8%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸
マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留
去して得た溶液をDPPH存在下で真空蒸留(bp 9
0〜91℃/45Pa)して目的の3−ブロモプロポキ
シメチルスチレンを得た。収率35%であった。得られ
た溶液は、 1H−NMRおよびIRスペクトルにて確認
を行った。
スチレン192g(1.0mol)と脱水精製したピリ
ジン55mlを300ml四口フラスコに仕込み、ドラ
イアイス−エタノールで−10℃に保ちながら三臭化リ
ン108g(0.4mol)を滴下した。滴下終了後、
室温で15h撹拌した。反応混合物を食塩水(20wt
%)250mlに投入し、トルエンにて抽出した。有機
相を水−8%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸
マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留
去して得た溶液をDPPH存在下で真空蒸留(bp 9
0〜91℃/45Pa)して目的の3−ブロモプロポキ
シメチルスチレンを得た。収率35%であった。得られ
た溶液は、 1H−NMRおよびIRスペクトルにて確認
を行った。
【0043】1H−NMR;7.18−7.40(m:
芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα
位水素)、5.70−5.79(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.28(m:ビニル基のβ位水
素)、4.50と4.49(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.48−3.62(m:エーテル酸素の隣接
するメチレン水素および末端Brの隣接するα位メチレ
ン水素)、2.06−2.16(m:Brのβ位のメチ
レン水素)。
芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα
位水素)、5.70−5.79(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.28(m:ビニル基のβ位水
素)、4.50と4.49(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.48−3.62(m:エーテル酸素の隣接
するメチレン水素および末端Brの隣接するα位メチレ
ン水素)、2.06−2.16(m:Brのβ位のメチ
レン水素)。
【0044】IRスペクトル(NaCl法)2950
(sh.),2850(sh.),1440(we
k.),1360(med.),1250(me
d.),1110(str.),990(med.),
910(str.),800(sh.),720(me
d.)。
(sh.),2850(sh.),1440(we
k.),1360(med.),1250(me
d.),1110(str.),990(med.),
910(str.),800(sh.),720(me
d.)。
【0045】〔製造例−3〕 (5−ブロモペントキシメチルスチレンの合成)1Lの
4ツ口フラスコに、氷冷下、水酸化ナトリウム57g
(1.425mol)、脱塩水57mlを加え、1,5
−ジブロモペンタン98.33g(0.428mo
l)、テトラブチルアンモニウムブロマイド9.19g
(0.0285mol)をトルエン285mlの溶液を
加えた。溶液を50℃に設定し、ビニルベンジルアルコ
ール(m体、p体の混合物)38.25g(0.285
mol)、DPPH30mgのトルエン溶液70mlを
1時間かけて、滴下した。滴下中に原料の大部分が消失
した。この混合物を激しく撹拌しながら、60℃で8時
間反応させた。反応後、有機相を分離し、水で充分洗浄
した。この有機相に硫酸マグネシウムを加え乾燥した
後、トルエンを減圧下で留去して得た混合物をDPPH
存在下で真空蒸留(b.p.107−108℃/40P
a)して、無色透明溶液の液体を得た。得られた溶液
は、NMRによって構造を確認した。5−ブロモペント
キシメチルスチレンの収量は40.8g、収率は51%
であった。
4ツ口フラスコに、氷冷下、水酸化ナトリウム57g
(1.425mol)、脱塩水57mlを加え、1,5
−ジブロモペンタン98.33g(0.428mo
l)、テトラブチルアンモニウムブロマイド9.19g
(0.0285mol)をトルエン285mlの溶液を
加えた。溶液を50℃に設定し、ビニルベンジルアルコ
ール(m体、p体の混合物)38.25g(0.285
mol)、DPPH30mgのトルエン溶液70mlを
1時間かけて、滴下した。滴下中に原料の大部分が消失
した。この混合物を激しく撹拌しながら、60℃で8時
間反応させた。反応後、有機相を分離し、水で充分洗浄
した。この有機相に硫酸マグネシウムを加え乾燥した
後、トルエンを減圧下で留去して得た混合物をDPPH
存在下で真空蒸留(b.p.107−108℃/40P
a)して、無色透明溶液の液体を得た。得られた溶液
は、NMRによって構造を確認した。5−ブロモペント
キシメチルスチレンの収量は40.8g、収率は51%
であった。
【0046】1H−NMR;7.36−7.40(m:
芳香族水素)、7.22−7.31(m:芳香族水
素)、6.65−6.76(m:ビニル基のα位水
素)、5.70−5.78(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.26(m:ビニル基のβ位水
素)、4.48と4.47(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.44−3.48(m:Brのα位とε位の
メチレン水素)、3.36−3.41(m:酸素のα位
のメチレン水素)、1.80−1.91(m:酸素のβ
位のメチレン水素)、1.59−1.68(m:Brの
β位のメチレン水素)、1.47−1.54(m:Br
のγ位のメチレン水素)。
芳香族水素)、7.22−7.31(m:芳香族水
素)、6.65−6.76(m:ビニル基のα位水
素)、5.70−5.78(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.26(m:ビニル基のβ位水
素)、4.48と4.47(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.44−3.48(m:Brのα位とε位の
メチレン水素)、3.36−3.41(m:酸素のα位
のメチレン水素)、1.80−1.91(m:酸素のβ
位のメチレン水素)、1.59−1.68(m:Brの
β位のメチレン水素)、1.47−1.54(m:Br
のγ位のメチレン水素)。
【0047】IRスペクトル(NaCl法)2940
(sh.),2860(sh.),1630(s
h.),1455(med.),1360(st
r.),1245(med.),1105(st
r.),990(med.),910(str.),8
30(med.),800(med.),715(me
d.),645(med.),560(med.)。
(sh.),2860(sh.),1630(s
h.),1455(med.),1360(st
r.),1245(med.),1105(st
r.),990(med.),910(str.),8
30(med.),800(med.),715(me
d.),645(med.),560(med.)。
【0048】〔製造例−4〕 (6−ブロモヘキソキシメチルスチレンの合成)冷却
管、等圧滴下ロートを備えた1Lの4ツ口フラスコに、
氷冷下水酸化ナトリウム100g(2.5mol)、脱
塩水100mlを加え、均一溶液とした。溶液温度を室
温に戻し、1,6−ジブロモヘキサン331g(1.3
6mol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイ
ド16.2g(50.2mol)のトルエン500ml
溶液を加えた。溶液を50℃に設定し、ビニルベンジル
アルコール(m体、及びp体の混合物)49.7g(3
66mmol)、DPPH50mgのTHF溶液100
mlを90分かけ滴下した。懸濁状態になるように激し
く撹拌しながら、55℃で5時間反応した。反応後、有
機相を分離し水で充分洗浄した。トルエンを減圧下で留
去して得た混合物をDPPH存在下で真空蒸留(b.
p.88〜92℃/200Pa)で、1,6−ジブロモ
ヘキサンを除去した。その後、シリカゲルカラム(ワコ
ーゲルC−200)クロマトグラフィーを用いて精製し
た。6−ブロモヘキソキシメチルスチレンは、淡黄色透
明の粘稠な溶液であった。 1H−NMRによって構造を
確認した。6−ブロモヘキソキシメチルスチレンの収率
は70%であった。
管、等圧滴下ロートを備えた1Lの4ツ口フラスコに、
氷冷下水酸化ナトリウム100g(2.5mol)、脱
塩水100mlを加え、均一溶液とした。溶液温度を室
温に戻し、1,6−ジブロモヘキサン331g(1.3
6mol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイ
ド16.2g(50.2mol)のトルエン500ml
溶液を加えた。溶液を50℃に設定し、ビニルベンジル
アルコール(m体、及びp体の混合物)49.7g(3
66mmol)、DPPH50mgのTHF溶液100
mlを90分かけ滴下した。懸濁状態になるように激し
く撹拌しながら、55℃で5時間反応した。反応後、有
機相を分離し水で充分洗浄した。トルエンを減圧下で留
去して得た混合物をDPPH存在下で真空蒸留(b.
p.88〜92℃/200Pa)で、1,6−ジブロモ
ヘキサンを除去した。その後、シリカゲルカラム(ワコ
ーゲルC−200)クロマトグラフィーを用いて精製し
た。6−ブロモヘキソキシメチルスチレンは、淡黄色透
明の粘稠な溶液であった。 1H−NMRによって構造を
確認した。6−ブロモヘキソキシメチルスチレンの収率
は70%であった。
【0049】1H−NMR;7.20−7.41(m:
芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα
位水素)、5.70−5.79(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.27(m:ビニル基のβ位水
素)、4.48と4.47(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.41−3.47(m:エーテル酸素の隣接
するメチレン水素)、3.34−3.41(m:末端B
rの隣接するメチレン水素)、1.82−1.92(b
r.m:Brのε位のメチレン水素)、1.57−1.
65(br.m:Brのβ位のメチレン水素)、1.3
6−1.47(br.m:Brのγ位とδ位のメチレン
水素)。
芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα
位水素)、5.70−5.79(m:ビニル基のβ位水
素)、5.20−5.27(m:ビニル基のβ位水
素)、4.48と4.47(s:ベンジル位のメチレン
水素)、3.41−3.47(m:エーテル酸素の隣接
するメチレン水素)、3.34−3.41(m:末端B
rの隣接するメチレン水素)、1.82−1.92(b
r.m:Brのε位のメチレン水素)、1.57−1.
65(br.m:Brのβ位のメチレン水素)、1.3
6−1.47(br.m:Brのγ位とδ位のメチレン
水素)。
【0050】IRスペクトル(KBr法);2950
(sh.),2850(sh.),1440(we
k),1360(med.),1250(med.),
1110(str.),990(med.),910
(str.),800(sh.),720(me
d.)。
(sh.),2850(sh.),1440(we
k),1360(med.),1250(med.),
1110(str.),990(med.),910
(str.),800(sh.),720(me
d.)。
【0051】〔実施例−1〕窒素ガス導入管、冷却管を
備えた500mlの4ツ口フラスコに脱塩水200m
l、2%ポリビニルアルコール水溶液50mlを加え、
窒素を導入し、溶存酸素を除去した。一方、4−ブロモ
ブトキシメチルスチレン46.4g、ジビニルベンゼン
1.72g(工業用;純度56%)、及びAIBN0.
4gを溶解したモノマー相を調製し、水相と同様、溶存
酸素を除去した。モノマー溶液をフラスコに入れ、15
0rpmで撹拌し、モノマーの液滴を形成した。室温で
30分撹拌後、70℃に昇温し、70℃で18時間撹拌
した。重合後、ポリマーを取り出し、樹脂を水洗後、メ
タノールで3回洗浄した。重合収率は93%で、仕込み
架橋度4モル%の淡黄色透明球状の樹脂を得た。
備えた500mlの4ツ口フラスコに脱塩水200m
l、2%ポリビニルアルコール水溶液50mlを加え、
窒素を導入し、溶存酸素を除去した。一方、4−ブロモ
ブトキシメチルスチレン46.4g、ジビニルベンゼン
1.72g(工業用;純度56%)、及びAIBN0.
4gを溶解したモノマー相を調製し、水相と同様、溶存
酸素を除去した。モノマー溶液をフラスコに入れ、15
0rpmで撹拌し、モノマーの液滴を形成した。室温で
30分撹拌後、70℃に昇温し、70℃で18時間撹拌
した。重合後、ポリマーを取り出し、樹脂を水洗後、メ
タノールで3回洗浄した。重合収率は93%で、仕込み
架橋度4モル%の淡黄色透明球状の樹脂を得た。
【0052】冷却管を備えた500mlの4ツ口フラス
コに、上記樹脂を入れ、メタノール500mlを加え、
室温で撹拌した。この溶液に30%トリメチルアミン水
溶液200mlを加え、50℃で10時間反応を行って
トリメチルアンモニウム基を導入した。反応後、ポリマ
ーを取り出し、充分水洗した。このアニオン交換樹脂の
対イオンを臭化物イオンから塩化物イオン(Cl形)に
変換するため、樹脂量に対して10倍量の4重量%塩化
ナトリウム水溶液を通液した。Cl形の樹脂の下記性能
を測定した。なお平均粒子径は750μmであった。
コに、上記樹脂を入れ、メタノール500mlを加え、
室温で撹拌した。この溶液に30%トリメチルアミン水
溶液200mlを加え、50℃で10時間反応を行って
トリメチルアンモニウム基を導入した。反応後、ポリマ
ーを取り出し、充分水洗した。このアニオン交換樹脂の
対イオンを臭化物イオンから塩化物イオン(Cl形)に
変換するため、樹脂量に対して10倍量の4重量%塩化
ナトリウム水溶液を通液した。Cl形の樹脂の下記性能
を測定した。なお平均粒子径は750μmであった。
【0053】
【表1】 中性塩分解容量 3.42 meq/g 中性塩分解容量 0.832meq/ml 水分含有率 57.0 % 膨潤度 4.11 ml/g
【0054】実施例−1で得られたアニオン交換樹脂の
IRスペクトルは下記の通りであった。 (KBr法)(対イオンXは、Cl形である)3450
(br.),2950(sh.),2870(s
h.),1640(br.),1480(str.),
1360(med.),1110(str.),970
(med.),910(med.),800(me
d.)。 (KBr法)(対イオンXは、OH形である)3400
(br.),2950(sh.),2870(s
h.),1650(br.),1480(str.),
1450(str.),1370(med.),109
0(str.),970(med.),910(me
d.),790(med.)。
IRスペクトルは下記の通りであった。 (KBr法)(対イオンXは、Cl形である)3450
(br.),2950(sh.),2870(s
h.),1640(br.),1480(str.),
1360(med.),1110(str.),970
(med.),910(med.),800(me
d.)。 (KBr法)(対イオンXは、OH形である)3400
(br.),2950(sh.),2870(s
h.),1650(br.),1480(str.),
1450(str.),1370(med.),109
0(str.),970(med.),910(me
d.),790(med.)。
【0055】〔実施例−2〕4−ブロモブトキシメチル
スチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)を
2.60gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径730μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は91%であった。
スチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)を
2.60gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径730μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は91%であった。
【0056】
【表2】 中性塩分解容量 3.21 meq/g 中性塩分解容量 0.919meq/ml 水分含有率 51.0 % 膨潤度 3.49 ml/g
【0057】〔実施例−3〕4−ブロモブトキシメチル
スチレンを42.9g、ジビニルベンゼン(工業用)を
3.46gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度8モル%、平均粒子径750μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は93%であった。
スチレンを42.9g、ジビニルベンゼン(工業用)を
3.46gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度8モル%、平均粒子径750μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は93%であった。
【0058】
【表3】 中性塩分解容量 3.32 meq/g 中性塩分解容量 1.02 meq/ml 水分含有率 44.5 % 膨潤度 3.25 ml/g
【0059】〔実施例−4〕クロロメチルスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体は、文献(Polymer,1
4,July 1973 330−332)に従って、
ジビニルベンゼンの含有率が4モル%となるように調製
されたモノマー溶液を用いて重合し製造した。更に、上
記文献に従って、そのクロロメチル基を酢酸エステル誘
導体とした後、水酸化ナトリウム溶液で加水分解しビニ
ルベンジルアルコール−ジビニルベンゼン共重合体とし
た。
ビニルベンゼン共重合体は、文献(Polymer,1
4,July 1973 330−332)に従って、
ジビニルベンゼンの含有率が4モル%となるように調製
されたモノマー溶液を用いて重合し製造した。更に、上
記文献に従って、そのクロロメチル基を酢酸エステル誘
導体とした後、水酸化ナトリウム溶液で加水分解しビニ
ルベンジルアルコール−ジビニルベンゼン共重合体とし
た。
【0060】1リットルの4ツ口フラスコに、上記共重
合体50g、1,4−ジオキサン500ml、1,4−
ジブロモブタン200g(0.926mol)を加え、
50℃で30分撹拌し、ポリマーを膨潤させた。この中
へ、ナトリウムメトキシド31g(0.574mol)
を加え、70℃で10時間反応した。反応後、ポリマー
を取り出し、メタノールで充分洗浄した後、ポリマーを
水洗した。
合体50g、1,4−ジオキサン500ml、1,4−
ジブロモブタン200g(0.926mol)を加え、
50℃で30分撹拌し、ポリマーを膨潤させた。この中
へ、ナトリウムメトキシド31g(0.574mol)
を加え、70℃で10時間反応した。反応後、ポリマー
を取り出し、メタノールで充分洗浄した後、ポリマーを
水洗した。
【0061】500mlの4ツ口フラスコに、上記樹
脂、メタノール500mlを加え、室温で撹拌した。こ
の溶液に30%のトリメチルアミン水溶液200mlを
加え、50℃で10時間アミノ化反応を行った。反応
後、ポリマーを取り出し、充分水洗した。対イオンをC
l形に変換するため、樹脂量に対して10倍量の4%塩
化ナトリウム水溶液を通液した。得られた樹脂の平均粒
子径は560μmであった。
脂、メタノール500mlを加え、室温で撹拌した。こ
の溶液に30%のトリメチルアミン水溶液200mlを
加え、50℃で10時間アミノ化反応を行った。反応
後、ポリマーを取り出し、充分水洗した。対イオンをC
l形に変換するため、樹脂量に対して10倍量の4%塩
化ナトリウム水溶液を通液した。得られた樹脂の平均粒
子径は560μmであった。
【0062】
【表4】 中性塩分解容量 2.32 meq/g 中性塩分解容量 0.71 meq/ml 水分含有率 44.5 % 膨潤度 3.25 ml/g
【0063】〔実施例−5〕5−ブロモペントキシメチ
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.64gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径700μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は90%であった。
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.64gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径700μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は90%であった。
【0064】
【表5】 中性塩分解容量 2.61 meq/g 中性塩分解容量 0.74 meq/ml 水分含有率 51.7 % 膨潤度 3.54 ml/g
【0065】〔実施例−6〕5−ブロモペントキシメチ
ルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)
を2.47gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径720μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は91%であった。
ルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)
を2.47gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径720μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は91%であった。
【0066】
【表6】 中性塩分解容量 3.00 meq/g 中性塩分解容量 0.93 meq/ml 水分含有率 51.7 % 膨潤度 3.25 ml/g
【0067】〔実施例−7〕6−ブロモヘキソキシメチ
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.56gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径680μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は89%であった。
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.56gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径680μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は89%であった。
【0068】
【表7】 中性塩分解容量 3.00 meq/g 中性塩分解容量 0.87 meq/ml 水分含有率 57.5 % 膨潤度 3.47 ml/g
【0069】〔実施例−8〕クロロメチルスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体は、文献(Polymer,1
4,July 1973 330−332)に従って、
ジビニルベンゼンの含有率が3.2%となるように調製
されたモノマー溶液を用いて重合し製造した。得られた
共重合体の重合収率は83%であった。また、このもの
のジメチルホルムアミド(DMF)に対する膨潤度は、
6.90ml/g(乾燥共重合体)であった。
ビニルベンゼン共重合体は、文献(Polymer,1
4,July 1973 330−332)に従って、
ジビニルベンゼンの含有率が3.2%となるように調製
されたモノマー溶液を用いて重合し製造した。得られた
共重合体の重合収率は83%であった。また、このもの
のジメチルホルムアミド(DMF)に対する膨潤度は、
6.90ml/g(乾燥共重合体)であった。
【0070】300mlの4ツ口フラスコに、ジメチル
ホルムアミド20ml、1,4−ジブタンジオール1
7.64g(0.195mol)、純度60%水素化ナ
トリウム2.61g(0.065mol)を加え、室温
にて1時間撹拌し、80mlのジメチルホルムアミドに
て膨潤させた上記共重合体10gを添加し、乾燥窒素気
流下にて60℃で25時間反応させた。反応後、ヒドロ
キシブトキシ化した共重合体を取り出し、水洗しアセト
ンにて充分洗浄した後、さらに水洗し、真空乾燥した。
ホルムアミド20ml、1,4−ジブタンジオール1
7.64g(0.195mol)、純度60%水素化ナ
トリウム2.61g(0.065mol)を加え、室温
にて1時間撹拌し、80mlのジメチルホルムアミドに
て膨潤させた上記共重合体10gを添加し、乾燥窒素気
流下にて60℃で25時間反応させた。反応後、ヒドロ
キシブトキシ化した共重合体を取り出し、水洗しアセト
ンにて充分洗浄した後、さらに水洗し、真空乾燥した。
【0071】300mlの4ツ口フラスコに、ヒドロキ
シブトキシ化した共重合体5gを室温にてジメチルホル
ムアミド30mlで膨潤した後、ピリジン5.75gを
加え氷冷した。氷冷下、撹拌しながら塩化チオニル8.
70g(0.073mol)を30分かけて滴下した。
滴下終了後、70℃にて5時間反応させた。反応後、水
酸基をクロル化した共重合体を取り出し、水洗しアセト
ンにて充分洗浄した後、さらに水洗した。
シブトキシ化した共重合体5gを室温にてジメチルホル
ムアミド30mlで膨潤した後、ピリジン5.75gを
加え氷冷した。氷冷下、撹拌しながら塩化チオニル8.
70g(0.073mol)を30分かけて滴下した。
滴下終了後、70℃にて5時間反応させた。反応後、水
酸基をクロル化した共重合体を取り出し、水洗しアセト
ンにて充分洗浄した後、さらに水洗した。
【0072】ステンレス製の密閉容器にクロル化した共
重合体5gを入れ、さらにトリメチルアミン30%水溶
液25ml、メタノール10mlを加え、加圧下80℃
にて6時間アミノ化反応を行った。反応後、ポリマーを
取り出し、充分水洗した。対イオンをCl形に変換する
ため、樹脂量に対して10倍量の4%塩化ナトリウム水
溶液を通液した。得られた樹脂の性能は以下のとおりで
ある。
重合体5gを入れ、さらにトリメチルアミン30%水溶
液25ml、メタノール10mlを加え、加圧下80℃
にて6時間アミノ化反応を行った。反応後、ポリマーを
取り出し、充分水洗した。対イオンをCl形に変換する
ため、樹脂量に対して10倍量の4%塩化ナトリウム水
溶液を通液した。得られた樹脂の性能は以下のとおりで
ある。
【0073】
【表8】 中性塩分解容量 2.46 meq/g 中性塩分解容量 0.58 meq/ml 水分含有率 63.3 %
【0074】〔比較例−1〕 (メチレン鎖を有する4モル%I型ゲル型アニオン交換
樹脂);実施例−1で4−ブロモブトキシメチルスチレ
ンの代わりにクロロメチルスチレンを用いた以外は、実
施例−1と同様に行った。
樹脂);実施例−1で4−ブロモブトキシメチルスチレ
ンの代わりにクロロメチルスチレンを用いた以外は、実
施例−1と同様に行った。
【0075】〔比較例−2〕 (エチレン鎖を有する4モル%I型ゲル型アニオン交換
樹脂);実施例−1で4−ブロモブトキシメチルスチレ
ンの代わりに2−ブロモエチルスチレン(公知の方法に
従って、ブロモエチルベンゼンを原料として合成し
た。)を用いた以外は、実施例−1と同様に行った。
樹脂);実施例−1で4−ブロモブトキシメチルスチレ
ンの代わりに2−ブロモエチルスチレン(公知の方法に
従って、ブロモエチルベンゼンを原料として合成し
た。)を用いた以外は、実施例−1と同様に行った。
【0076】〔比較例−3〕 (ブチレン鎖を有する4モル%架橋I型アニオン交換樹
脂);実施例−1において、4−ブロモブトキシメチル
スチレンの代わりに4−ブロモブチルスチレンを使用し
た以外は、全く同様に行った。
脂);実施例−1において、4−ブロモブトキシメチル
スチレンの代わりに4−ブロモブチルスチレンを使用し
た以外は、全く同様に行った。
【0077】〔比較例−4〕 (ブチレン鎖を有する6モル%架橋I型アニオン交換樹
脂);実施例−2において、4−ブロモブトキシメチル
スチレンの代わりに4−ブロモブチルスチレンを使用し
た以外は、全く同様に行った。
脂);実施例−2において、4−ブロモブトキシメチル
スチレンの代わりに4−ブロモブチルスチレンを使用し
た以外は、全く同様に行った。
【0078】〔比較例−5〕 (ヘプチレン鎖を有する4モル%架橋I型アニオン交換
樹脂);実施例−1において、4−ブロモブトキシメチ
ルスチレンの代わりに7−ブロモヘプチルスチレンを使
用した以外は、全く同様に行った。
樹脂);実施例−1において、4−ブロモブトキシメチ
ルスチレンの代わりに7−ブロモヘプチルスチレンを使
用した以外は、全く同様に行った。
【0079】〔比較例−6〕3−ブロモプロポキシメチ
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.83gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径610μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は86%であった。
ルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)
を1.83gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径610μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は86%であった。
【0080】
【表9】 中性塩分解容量 3.38 meq/g 中性塩分解容量 0.74 meq/ml 水分含有率 60.8 % 膨潤度 4.57 ml/g
【0081】〔比較例−7〕3−ブロモプロポキシメチ
ルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)
を2.74gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径650μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は83%であった。
ルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)
を2.74gとした以外は実施例−1と同様に反応を行
い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径650μmのア
ニオン交換樹脂を得た。重合収率は83%であった。
【0082】
【表10】 中性塩分解容量 3.33 meq/g 中性塩分解容量 0.88 meq/ml 水分含有率 52.6 % 膨潤度 3.80 ml/g
【0083】(アニオン交換体の触媒活性評価1)内径
20mm、長さ500mmのジャケット付きカラムに、
実施例−1、2及びダイヤイオン(登録商標)SA10
A(2N−NaOHで再生し、OH形としたもの)20
gを充填し、3−ブロモプロパンでカラム内を満たし、
カラム温度を80℃に設定した。次に、カラム上部よ
り、アセト酢酸メチル及び3−ブロモプロパンをモル比
で1:5の割合で10部導入した。カラム下部より生成
物を取り出し、3−ブロモプロパンでアニオン交換樹脂
を洗浄し、両溶液を混合した後、50部の脱塩水を加
え、有機層と水層に分液した。有機層部を濃縮した後、
未反応のアセト酢酸メチル、及び3−ブロモプロパンを
除去して、2,2−ジプロピルアセト酢酸メチルを得
た。該エステルの沸点は、90℃/5mmHgであっ
た。ガスクロマトグラフィー及びNMRより、構造を決
定した。2,2−ジプロピルアセト酢酸メチルの収率を
表−1に示した。
20mm、長さ500mmのジャケット付きカラムに、
実施例−1、2及びダイヤイオン(登録商標)SA10
A(2N−NaOHで再生し、OH形としたもの)20
gを充填し、3−ブロモプロパンでカラム内を満たし、
カラム温度を80℃に設定した。次に、カラム上部よ
り、アセト酢酸メチル及び3−ブロモプロパンをモル比
で1:5の割合で10部導入した。カラム下部より生成
物を取り出し、3−ブロモプロパンでアニオン交換樹脂
を洗浄し、両溶液を混合した後、50部の脱塩水を加
え、有機層と水層に分液した。有機層部を濃縮した後、
未反応のアセト酢酸メチル、及び3−ブロモプロパンを
除去して、2,2−ジプロピルアセト酢酸メチルを得
た。該エステルの沸点は、90℃/5mmHgであっ
た。ガスクロマトグラフィー及びNMRより、構造を決
定した。2,2−ジプロピルアセト酢酸メチルの収率を
表−1に示した。
【0084】
【表11】
【0085】(アニオン交換体の触媒活性評価2)30
0mlの4ツ口フラスコにアクリロニトリル75g
(1.40mol)、脱塩水31.2g(1.68mo
l)、アニオン交換樹脂(2N−NaOHで再生し、O
H形としたもの)実施例−1、実施例−2、及びダイヤ
イオン(登録商標)SA10A5gを加え、70℃で3
00rpmで5時間反応させた。反応溶液を冷却し、水
層及びアクリロニトリル層を分液した後、ガスクロマト
グラフィー成分の分析を行った。その結果、ビスシアノ
エチルエーテルの収率を、表−2に示した。
0mlの4ツ口フラスコにアクリロニトリル75g
(1.40mol)、脱塩水31.2g(1.68mo
l)、アニオン交換樹脂(2N−NaOHで再生し、O
H形としたもの)実施例−1、実施例−2、及びダイヤ
イオン(登録商標)SA10A5gを加え、70℃で3
00rpmで5時間反応させた。反応溶液を冷却し、水
層及びアクリロニトリル層を分液した後、ガスクロマト
グラフィー成分の分析を行った。その結果、ビスシアノ
エチルエーテルの収率を、表−2に示した。
【0086】
【表12】 表からわかるように、本発明のアニオン交換体は、高温
でも、塩基性樹脂としての活性を示し、現行の汎用アニ
オン交換体よりも活性が高いことがわかる。
でも、塩基性樹脂としての活性を示し、現行の汎用アニ
オン交換体よりも活性が高いことがわかる。
【0087】(アニオン交換樹脂の耐熱試験)実施例−
1、2、5〜7で製造されたアニオン交換体、及び比較
例1〜7のアニオン交換樹脂を用いた。アニオン交換樹
脂に10倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し対イ
オンをCl形とした後、これらの樹脂50mlをはかり
とった。これらの樹脂を、500mlの2N−水酸化ナ
トリウム水溶液を通液しOH形に再生し、体積を測定し
た。
1、2、5〜7で製造されたアニオン交換体、及び比較
例1〜7のアニオン交換樹脂を用いた。アニオン交換樹
脂に10倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し対イ
オンをCl形とした後、これらの樹脂50mlをはかり
とった。これらの樹脂を、500mlの2N−水酸化ナ
トリウム水溶液を通液しOH形に再生し、体積を測定し
た。
【0088】得られた樹脂をガラス製オートクレーブ管
に入れ、OH形の樹脂の体積の0.8倍量の脱塩水を加
えた。管内の溶存酸素を除去するため、50℃に加温し
た状態で窒素ガスを1時間通じた。このオートクレーブ
管をオイルバスに浸し、100℃で30日間もしくは9
0日間静置した後、樹脂を取り出し、500mlの2N
−水酸化ナトリウム水溶液を通液しOH形に再生した。
再生後の樹脂の体積を測定した。更に、5倍量の4%塩
化ナトリウム水溶液を通液し、対イオンをCl形に変換
した。このときの樹脂の体積、及び樹脂の一般性能を測
定し、残存率を計算した。その耐熱試験結果を表−3に
示した。
に入れ、OH形の樹脂の体積の0.8倍量の脱塩水を加
えた。管内の溶存酸素を除去するため、50℃に加温し
た状態で窒素ガスを1時間通じた。このオートクレーブ
管をオイルバスに浸し、100℃で30日間もしくは9
0日間静置した後、樹脂を取り出し、500mlの2N
−水酸化ナトリウム水溶液を通液しOH形に再生した。
再生後の樹脂の体積を測定した。更に、5倍量の4%塩
化ナトリウム水溶液を通液し、対イオンをCl形に変換
した。このときの樹脂の体積、及び樹脂の一般性能を測
定し、残存率を計算した。その耐熱試験結果を表−3に
示した。
【0089】
【表13】
【0090】(1)アニオン交換樹脂のイオン交換基
は、全てトリメチルアンモニウム基である。 (2)スペーサー:アニオン交換基とベンゼン環を結合
する官能基をいう。 (3)残存率:残存率は以下の式で表わされる。 残存率(%)=(耐熱試験後の中性塩分解容量meq/
ml×試験後のCl形の樹脂体積)÷(耐熱試験前の中
性塩分解容量meq/ml×試験前のCl形の樹脂体
積)×100 ・空欄は未実施 表−3より、本発明のアニオン交換体は従来のものと比
べ耐熱性に優れていることがわかる。
は、全てトリメチルアンモニウム基である。 (2)スペーサー:アニオン交換基とベンゼン環を結合
する官能基をいう。 (3)残存率:残存率は以下の式で表わされる。 残存率(%)=(耐熱試験後の中性塩分解容量meq/
ml×試験後のCl形の樹脂体積)÷(耐熱試験前の中
性塩分解容量meq/ml×試験前のCl形の樹脂体
積)×100 ・空欄は未実施 表−3より、本発明のアニオン交換体は従来のものと比
べ耐熱性に優れていることがわかる。
【0091】
【発明の効果】本発明の固体塩基性触媒は、高温でも使
用することができるため、広範囲の温度で反応速度が大
きく向上することができるため、有機合成反応上有利で
あり、有機合成反応を効率的に行うことができる。従っ
て、本発明の工業的価値は顕著である。
用することができるため、広範囲の温度で反応速度が大
きく向上することができるため、有機合成反応上有利で
あり、有機合成反応を効率的に行うことができる。従っ
て、本発明の工業的価値は顕著である。
Claims (6)
- 【請求項1】 架橋性アニオン交換体であって、下記一
般式(I) 【化1】 (一般式(I)中、Aは炭素数1から4の直鎖状又は分
岐状アルキレン基を表わし、Bは炭素数4から8の直鎖
状アルキレン基を表わし、R1 、R2 、R3 は同じか又
は異なっていてもよい炭素数1から4のアルキル基、或
いはアルカノール基を示し、Xはアンモニウム基に配位
した対イオンを示し、ベンゼン環Dは、アルキル基或い
はハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表わされ
る構成単位と不飽和炭化水素基含有架橋性単量体から誘
導される構成単位とを含有することを特徴とする固体塩
基性触媒。 - 【請求項2】 一般式(I)で示される構成単位を5〜
99.9モル%、不飽和炭化水素基含有架橋性単量体か
ら誘導される構成単位を50〜0.1モル%及び前記構
成単位とは異なる不飽和炭化水素基含有単量体を0〜5
0モル%含有するアニオン交換体からなることを特徴と
する請求項1に記載の固体塩基性触媒。 - 【請求項3】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
Aが炭素数1から2のアルキレン基であり、Bが炭素数
4から8の直鎖状のアルキレン基であるアニオン交換体
からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体
塩基性触媒。 - 【請求項4】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
Aがメチレン基であり、Bが炭素数4から6の直鎖状の
アルキレン基であるアニオン交換体からなることを特徴
とする請求項1又は2に記載の固体塩基性触媒。 - 【請求項5】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
Aがメチレン基であり、Bがn−ブチレン基であるアニ
オン交換体からなることを特徴とする請求項3に記載の
固体塩基性触媒。 - 【請求項6】 一般式(I)で表わされる構成単位中、
Aがエチレン基であり、Bがn−ブチレン基であるアニ
オン交換体からなることを特徴とする請求項3に記載の
固体塩基性触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4210295A JPH07289912A (ja) | 1994-03-01 | 1995-03-01 | 固体塩基性触媒 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-31426 | 1994-03-01 | ||
JP3142694 | 1994-03-01 | ||
JP4210295A JPH07289912A (ja) | 1994-03-01 | 1995-03-01 | 固体塩基性触媒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07289912A true JPH07289912A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=26369893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4210295A Pending JPH07289912A (ja) | 1994-03-01 | 1995-03-01 | 固体塩基性触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07289912A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09215927A (ja) * | 1996-02-13 | 1997-08-19 | Mitsubishi Chem Corp | 固体塩基性触媒 |
JPH1112206A (ja) * | 1997-04-30 | 1999-01-19 | Mitsubishi Chem Corp | アルキレングリコール類の製造方法 |
US6147265A (en) * | 1997-04-30 | 2000-11-14 | Mitsubishi Chemical Corporation | Process for producing alkylene glycol |
JP2011501692A (ja) * | 2007-10-15 | 2011-01-13 | エスデー リ−ツェンスフェルヴェールトゥングスゲゼルシャフト エムベーハー ウント コー. カーゲー | アルキレンオキサイドをアルキレングリコールに転換するために有用な固体触媒 |
-
1995
- 1995-03-01 JP JP4210295A patent/JPH07289912A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09215927A (ja) * | 1996-02-13 | 1997-08-19 | Mitsubishi Chem Corp | 固体塩基性触媒 |
JPH1112206A (ja) * | 1997-04-30 | 1999-01-19 | Mitsubishi Chem Corp | アルキレングリコール類の製造方法 |
US6147265A (en) * | 1997-04-30 | 2000-11-14 | Mitsubishi Chemical Corporation | Process for producing alkylene glycol |
JP2011501692A (ja) * | 2007-10-15 | 2011-01-13 | エスデー リ−ツェンスフェルヴェールトゥングスゲゼルシャフト エムベーハー ウント コー. カーゲー | アルキレンオキサイドをアルキレングリコールに転換するために有用な固体触媒 |
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