JP3755158B2 - アニオン交換体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なアニオン交換体、特に耐熱性に優れた架橋アニオン交換体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アニオン交換体としては、例えば、4級アンモニウム基等、フォスフォニウム基等の窒素、燐化合物をアニオン交換基とする種々のイオン交換基と、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニル/アリルアミン等の構造単位との組み合わせから成る強塩基性アニオン交換体が知られている。これらのうち、トリメチルアミノメチルスチレンを繰り返し単位とするアニオン交換体が、化学的安定性に優れており、非常に安価である等の理由から、広く使用されている。
【0003】
しかしながら、トリメチルアミノメチルスチレンを構成単位とするスチレン系アニオン交換体は室温より高温の条件下では、トリメチルアミンが脱離しやすい(中性塩分解容量の低下)、及びメチル基が脱離しやすい(弱塩基化の)ため、化学的に安定であるとは言えず、高温で使用する場合、樹脂の寿命が短い、あるいは使用温度の上限に制約がある、トリメチルアミンが溶出するためアミン臭がする、アニオン交換体からの溶出物が多い等、多くの問題点があった。
【0004】
トリメチルアンモニウム基以外に、ω−ヒドロキシアルキルジメチルアンモニウム基をイオン交換基としたスチレン系アニオン交換樹脂もあるが、更に耐熱性に劣ることが報告されている(第48回 International Water Conference(1992)IWC−87−9)。
その他、末端にトリメチルアミノ基を有するトリエチルアミノエチル(メタ)アクリレートを構成単位とするアニオン交換体等も知られているが、やはり耐熱性に劣ることが知られている(IWC−87−9)。
【0005】
アニオン交換基の耐熱性を向上させる方法として、ベンゼン環とイオン交換基をポリアルキレン鎖で結合した強塩基性アニオン交換体が提案されている(特開平4−349941号公報)。しかし、ポリアルキレン鎖がエチレン鎖である場合には、ホフマン分解(E2脱離反応)が起こりやすく耐熱性が劣るという問題があった。脱離しうる水素を除くため、イオン交換基のβ位にジメチル基を導入した1,1−ジメチルエチレン鎖を導入したアニオン交換体も報告されている。しかし、メチル基の立体障害のためトリメチルアンモニウム基の熱的安定性が悪いことが知られている(J.Appl.Polym.Sci.,8.1659(1964))。従って、トリメチルアミンの脱離反応を抑制するためには、少なくともアルキレン鎖は、プロピレン鎖以上でなければならない。しかしながら、このアニオン交換体を製造するためには、Grignard反応を使用しアルキレン鎖を導入(J.Amer.Chem.Soc.,96.7101,(1974),Synth.Comm.,20(15)2349(1990))しなければならないため、工業的な製造が困難であり、高価でもある。更に、アルキレン基で構成されているため、得られるアニオン交換体は疎水性樹脂となる。この結果、樹脂の水分含有率や膨潤度が低下し、製造上不利であった。
【0006】
特開平3−35010号は、官能基として−(CH2 n X(CH2 m NR1 2 3 Y(XはO,S,SO2 など、R1 〜R3 はアルキル基、nは0または1、mは1〜20、Yは生理学的に許容される対イオン)を有するポリスチレンポリマーがヒト血漿コレステロールレベルの低下に有効であることを開示している。しかし、このポリスチレンポリマーを陰イオン交換樹脂として水処理に用いることに関しては全く記載されていないし、耐熱性に関する記載は全くない。本公開特許の実施例1に記載されている樹脂は、我々の検討に依れば極めて耐熱性が悪い。同様に、N,N−ジメチルアミノエチル(又はプロピル)オキシメチルスチレンとジビニルベンゼンとの球状共重合体から成る弱塩基性アニオン交換体又は、その4級アンモニウム塩、アミンオキサイドをin cyanidedisplacement on 1−bromooctateの触媒として使用した研究が報告されいる(Chem.Lett.,677−678(1980))が、水処理に関しては全く記載されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は耐熱性が著しく高く、製造が容易であるアニオン交換体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、その要旨は、架橋性アニオン交換体であって、下記一般式(I)
【0009】
【化3】
Figure 0003755158
【0010】
(一般式(I)中、Aは炭素数1から4の直鎖状(又は分岐状)アルキレン基を表わし、Bは炭素数4から8の直鎖状のアルキレン基を表わし、R1 、R2 、R3 は同じか又は異なっていてもよい炭素数1から4のアルキル基、或いはアルカノール基を示し、Xはアンモニウム基に配位した対イオンを示し、ベンゼン環Dは、アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表わされる構成単位と不飽和炭化水素基含有架橋性単量体から誘導される構成単位とを含有することを特徴とするアニオン交換体に存する。
本発明方法に使用されるアニオン交換体は好ましくは一般式(II)で示される、P,Q,Rの単位から構成される架橋ポリマーである。
【0011】
【化4】
Figure 0003755158
【0012】
式(II)中、nは4〜8の整数、R1 、R2 、R3 は同じ又は異なっていてもよい炭素数1〜4のアルキル基又はアルカノール基を示し、Xはアンモニウム基に配位したイオンを示す。ベンゼン環E及びDはアルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い。
【0013】
【化5】
Figure 0003755158
【0014】
は第3の重合性単量体残基である。構成単位Qは5〜99.9モル%、架橋剤から誘導される構成単位Pは50〜0.1モル%、第3の重合性単量体から誘導される構成単位Rは0〜50モル%(いずれも架橋ポリマー基準)である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるアニオン交換体とは、一般式(I)で表わされる構造単位を含んでいることを特徴とする水不溶性架橋共重合体である。
【0015】
アルキレン鎖Bの炭素数は、イオン交換基の耐熱性を発現するために少なくともブチレン鎖以上が好ましい。しかしながら、アルキレン鎖Bの鎖長が長くなった場合には、構成単位(I)の分子量が大きくなるため、アニオン交換体の単位重量当たりのイオン交換容量が減少し、交換容量の減少につながる。それ故アルキレン鎖Bの炭素数は、8以下であることが好ましい。特に好ましくはアルキレン鎖Bの炭素数は、6以下である。
【0016】
アルキレン鎖Bとしては、例えば、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、n−ヘプチレン、n−オクチレン等の直鎖状アルキレン基が挙げられる。就中、n−ブチレン鎖、ペンテン鎖、ヘキセン鎖であることが特に好ましい。
一方、ベンゼン環に結合しているアルキレン鎖Aは、ベンゼン環の酸化反応を抑制する作用があると考えられる。Aの炭素数が0(直接結合)であるフェノキシ基の場合、ベンゼン環が酸化されやすく、イオン交換基の脱落につながりやすい。従って、ベンゼン環に結合しているアルキレン鎖Aの鎖長は、炭素数が1以上である。Bと同様、Aの鎖長が長くなった場合には、単位重量当たりのイオン交換基の減少につながるため、アルキレン鎖Aの炭素数は4以下であることが好ましい。例えば、メチレン鎖、エチレン鎖、イソプロピレン鎖、ブチレン鎖等の直鎖状アルキレン基、分岐状アルキレン基等が挙げられる(分岐状アルキレン基のアルキル基は、どこに位置していてもよい)。その中で製造上の利点を踏まえ、アルキレン鎖Aはメチレン鎖であることが特に好ましい。
【0017】
さらに製造法及び製造コストの点から、アルキレン鎖Aとアルキレン鎖Bの組み合わせは、アルキレン鎖Aがメチレン鎖であり、アルキレン鎖Bがブチレン鎖であることが特に好ましい。
イオン交換基に結合したアルキレン鎖Bは耐熱性を向上させるのに寄与し、ベンゼン環に結合したアルキレン鎖Aはベンゼン環の酸化反応を抑制するのに寄与していると推定される。従って、イオン交換体の耐熱性を発現するために特に重要なのは、イオン交換基に結合したアルキレン鎖Bの鎖長である。
【0018】
イオン交換基を有するアルコキシアルキレン基は、製造上、多くはスチレン残基のp位に導入される。たとえこのアルコキシアルキレン基が、m位あるいはo位に導入された場合でも、アンモニウム基とベンゼン環の距離が数Å以上であるため、ベンゼン環とポリエチレン鎖により立体的な影響は少ない。従って、イオン交換基を有するアルコキシアルキレン基は、ベンゼン環のどの位置に置換されていてもよい。
【0019】
本発明におけるアニオン交換体は、種々の製造方法で作ることができる。例えば、▲1▼下記一般式(III −1)(A及びBは前記(I)式と同義である。Yはイオン交換基に変換し得る官能基を表わす。例えば、塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子又はトシル基等が挙げられる。)で表わされる前駆体単量体を合成し、架橋剤及び必要に応じて第3の単量体成分とともに共重合を行った後、アミンと反応させイオン交換基に変換する方法、
【0020】
【化6】
Figure 0003755158
【0021】
▲2▼一般式(III −2)で表わされる構造単位を有する単量体を、架橋剤等とともに重合する方法が挙げられる。一般式(III −2)中、A,B,R1 〜R3 ,D及びXは、一般式(I)におけるのと同義である。Xは、イオン交換基に配位した対イオンであって、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、水酸基等が挙げられる。なお、硫酸イオンのように2価のアニオンである場合は、一般式(I)の繰り返し単位2分子に対して、1つの対イオンが配位する。
【0022】
一般式(III −1)で表わされる前駆体となる重合性単量体は、下記のとおりメチレン鎖数や置換基Xにより種々の合成方法がある。
(1)アルキレン鎖Aが、メチレン鎖の場合;
塩基性条件下、クロロメチルスチレンと(過剰の)1,ω−アルカンジオールとの(Williamsonのエーテル合成)反応により、ω−ヒドロキシアルコキシメチルスチレンを生成することができる。ω−ヒドロキシアルコキシアルキルスチレンは、後述する試薬により、ハロゲンに置換することができる。
【0023】
あるいは、塩基性条件下、ビニルベンジルアルコール(Polymer,1973,14,330−332,Makromol.Chem.Rapid Commun.,7,143(1986))と1,ω−ジハロゲノアルカンとの反応により、ω−ハロゲノアルコキシメチルスチレンを合成することができる。ジハロゲノアルカンとしては、1,4−ジクロロブタン、1,4−ジブロモブタン、1,4−ジヨードブタン、1,5−ジクロロペンタン、1,5−ジブロモペンタン、1,6−ジクロロヘキサン、1,6−ジブロモヘキサン等を挙げることができる。
【0024】
他のハロゲノアルコキシメチルスチレンの合成法として、公知文献(Bull.Chem.Soc.Jpn.,1976,49,2500)(クロロメチルスチレンを塩化水銀の存在下、テトラヒドロフランと反応させる方法)の合成法も知られている。しかしながら、本反応では非常に低収率である。
一般式(III −1)で表される重合性単量体は、ハロゲノエチルクロロメチルベンゼンを原料として、ビニルベンジルアルコールを合成し、次いで1,ω−ジハロゲノアルカンと反応させることにより、重合性単量体を2段階で製造することができる。出発原料となり得るベンゼン誘導体としては、α−クロロエチルクロロメチルベンゼン、β−クロロエチルクロロメチルベンゼンを挙げることができる。クロロエチルクロロメチルベンゼンは、多くの合成法が報告されている。
【0025】
これらのベンゼン誘導体は、それぞれo、m、pの3種類の核異性体が存在するが、いずれの核異性体であってもよい。また、クロロエチル基には2種類の位置異性体が存在するが、α位、β位いずれの位置異性体であってもよい。しかしながら、脱塩酸反応を効率よく(クロロメチル基との反応性の差を顕著に)するためには、β−クロロエチル基であることが好ましい。
【0026】
(2)アルキレン鎖Aが、エチレン鎖の場合;
まず、2−ヒドロキシエチルスチレンは以下のように合成される。ハロゲノスチレンのGrignard試薬を調製した後、エチレンオキシドを反応させる方法(工業化学雑誌、64,932(1961))、クロロメチルスチレンのGrignard試薬を調製した後、トリオキサン又はパラホルムアルデヒドを反応させる方法、あるいは2−ヒドロキシエチルブロモベンゼンのGrignard試薬を調製し、臭化ビニルを反応させる方法等により、2−ヒドロキシエチルスチレンを合成することができる。得られた2−ヒドロキシエチルスチレンを1,ω−ジハロゲノアルカンと反応させ、ω−ハロゲノアルコキシエチルスチレンを得ることができる。
【0027】
(3)アルキレン鎖Aが、トリメチレン鎖、及びテトラメチレン鎖の場合;
まず、ハロゲノスチレンのGrignard試薬を調製した後、オキセタン/テトラヒドロフランを反応させω−ヒドロキシアルキルスチレンを合成し、塩基性条件下1,ω−ジハロゲノアルカンと反応させ、末端にハロゲンを有するω−ハロゲノアルコキシアルキルスチレンを合成できる。あるいはハロゲノスチレンのGrignard試薬に1,ω−ジハロゲノアルカンを反応させ、末端にハロゲンを有するω−ハロゲノアルキルスチレンを合成した後、1,ω−ジヒドロキシアルカンを反応させ、末端に水酸基を有するω−ヒドロキシアルコキシアルキルスチレンを合成することができる。
【0028】
末端に水酸基を有するω−ヒドロキシアルコキシアルキルスチレンは、更にハロゲン原子を有するハロゲン化試薬により末端の水酸基をハロゲン原子に変換することができる。これらの試薬として塩素化の場合は、塩化チオニル、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、ホスゲン、トリホスゲンを用いることができる。また、臭素化の場合は、臭素−Ph3 Pとの反応、臭化チオニル、三臭化リンにより、臭素に置換することができる。
末端の水酸基をトシル基に変換する場合にはトルエンスルホン酸を用いることができる。
【0029】
さらに、一般式(III −2)で表わされる単量体成分は、一般式(III −1)で表わされる単量体をアルキルアミン類でアミノ化して合成することができる。勿論、一般式中(III −1)のベンゼン環Dは、アルキル基、或いはハロゲンで置換されていてもよい。具体的にはハロゲン原子を有するω−ハロゲノアルコキシアルキルスチレンをアンモニア、1級ないし3級のアミンを反応させることにより、末端に1級ないし3級のアミンを有するω−(アルキル)アミノアルコキシアルキルスチレン、或いは、末端にアンモニウム基を有するビニルベンジルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩を得ることができる。この場合、使用されるアミンとしては、アルキル基が炭素数4以下のアミンであることが好ましく、例えば、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミンが挙げられる。その他、ジメチルヒドロキシエチルアミン等のアルカノールアミンを使用することができる。
【0030】
以上は、一般式(III −1)および(III −2)の重合性単量体を用いる方法であるが、下記重合体を以下のとおり化学修飾することにより一般式(I)の構造単位を有する本発明のイオン交換体を製造することができる。
公知の技術にしたがって得られたクロルアルキル化ポリスチレンまたはその架橋重合体に1,ω−ジヒドロキシアルカンを塩基性条件下、エーテル化反応させることにより、ω−ヒドロキシアルコキシアルキレン鎖を有する重合体を得る。水酸基をハロゲン原子に変換した後、前述のアミンと反応させイオン交換基に変換する方法がある。
【0031】
また公知の技術にしたがって得られたヒドロキシアルキル化ポリスチレンまたはその架橋共重合体に1,ω−ジハロゲノアルカンを塩基性条件下、反応させることにより、ハロゲン原子を有するω−ハロゲノアルコキシアルキレン鎖を有する重合体を得、前述のアミンと反応させイオン交換基に変換する方法がある。
これらの方法において、当該イオン交換体に水不溶性を付与するにあたり、スチレンもしくはクロルアルキルスチレン、ヒドロキシアルキルスチレン等のスチレン誘導体を前駆体重合性単量体として重合する時に後述する不飽和炭化水素含有架橋単量体を用いてもよいし、上記核反応工程における中間体を既知の方法で架橋することもできる。例えばフリーデルクラフツ反応によりアルキレン鎖によって架橋することもできる。また、クロルアルキル化ポリスチレンを1,ω−ジヒドロキシアルカンと反応させる際、両水酸基を反応させジエーテル化することにより架橋することもできる。同様にヒドロキシアルキル化ポリスチレンを1,ω−ジハロゲノアルカンと反応させる際、両ハロゲノ基を反応させジエーテル化することにより架橋することもできる。
【0032】
本発明におけるアニオン交換体における共重合体成分は、不飽和炭化水素含有架橋性単量体、及び必要に応じて用いることができる第3の不飽和炭化水素含有単量体である。
この不飽和炭化水素含有架橋性単量体は、水不溶性架橋共重合体を製造するために必要である。この単量体としては、ジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼン、アルキルジビニルベンゼン、ジアルキルジビニルベンゼン、エチレングリコール(ポリ)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、好ましくはジビニルベンゼンである。
【0033】
また、一般式(III −1)で表される前駆体となる重合性単量体を上記もしくは実施例記載の方法にしたがって合成する際に副生成するエーテル基を有する架橋成分も、上記の不飽和炭化水素含有架橋性単量体に含まれ、精製単離すること無しに用いることができる。これらの成分は、例えばクロルメチルスチレンを用いた場合には、クロルメチルスチレンとその加水分解物であるビニルベンジルアルコールとのエーテル化合物であるビスビニルベンジルエーテルが挙げられる他、原料として用いる1,ω−アルカンジオールもしくは1,ω−ジハロゲノアルカンとのジエーテル化物が挙げられる。例えばクロルメチルスチレンを用いた場合には、1,ω−ビスビニルベンジルオキシアルカンが挙げられる。これら副生するエーテル架橋成分、ジエーテル架橋成分は必要とあれば、一般式(III −1)で表される前駆体となる重合性単量体を合成する際、副生成物として単離することも可能であるが、下記に示す含有率の範囲であれば、単離することなく用いることができる。
【0034】
不飽和炭化水素含有架橋性単量体は、アニオン交換体における含有率が低い場合には、得られるアニオン交換体は高膨潤性重合体となる。一方、含有率が高い場合には、イオン交換基を有する構成成分(I)の含有率が低くなるため、イオン交換容量が低下する。従って本発明のアニオン交換体を製造する際の不飽和炭化水素含有架橋性単量体の使用量は、アニオン交換体中における不飽和炭化水素含有架橋性単量体から誘導される構成単位が0.1%〜50モル%程度、好ましくは0.2%〜25モル%となるように用いられる。
【0035】
第3の不飽和炭化水素含有単量体は、本発明におけるアニオン交換体の機能を低減させない範囲において用いることができる。その重合性単量体としては、スチレン、アルキルスチレン、ポリアルキルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル等が挙げられる。第3の不飽和炭化水素含有単量体の使用量は、アニオン交換体において第3の不飽和炭化水素含有単量体から誘導される構成単位が0%〜50モル%、好ましくは0%〜20モル%となるように用いられる。
【0036】
一般式(I)の構成単位を誘導しうる重合性単量体の使用量はアニオン交換体において一般式(I)に示される構成単位が5%〜99.9モル%、好ましくは10〜99モル%となるように用いられる。この場合、イオン交換容量を大きくするためには、一般式(I)の含有率はできる限り高いことが好ましい。本発明のアニオン交換体の有する重量当たりの交換容量(中性塩交換容量)は、一般式(I)で表わされる構成要素の分子量によっても異なる。すなわち、アルキレン鎖A、B及びイオン交換基の置換基Rにより異なるが、一般に、通常0.2meq/g〜5meq/gの範囲である。(meq/gとは乾燥樹脂重量当たりのミリ当量を表わす。)更に好ましくは、1.5meq/g〜4.5meq/gの範囲である。体積当たりのイオン交換容量は、膨潤度により異なるが、通常、0.3meq/ml〜1.5meq/ml程度である。
【0037】
本発明のアニオン交換体は、一般式(I)の構成単位を誘導し得る重合性単量体、架橋性単量体及び要すれば第3の単量体を重合開始剤の存在下、重合することによって製造される。
重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名;V−65(和光純薬))2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)・二塩酸塩(商品名;V−50和光純薬、水溶性重合開始剤)等のアゾ系重合開始剤等が用いられる。その含有率は、通常、全単量体に対して、0.1%〜5重量%である。重合温度は、重合開始剤の半減期温度、含有率、単量体の種類等により異なるが、通常は、40℃〜150℃、好ましくは50℃〜100℃で使用される。重合開始は、1時間〜30時間、好ましくは、1時間〜15時間である。
【0038】
これらの重合反応において、必要に応じて、上記各単量体成分に溶解する溶媒を添加していてもよい。これらの単量体に対して貧溶媒であるトルエン、ヘキサン等非極性有機溶媒を添加し共重合を行った場合には、多孔性構造を有するアニオン交換体が得られる。一方、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の良溶媒を添加した場合には、膨潤性のアニオン交換体が得られる。これら溶媒の種類、添加量等により生成する多孔性交換体の物理構造が異なり、これらの溶媒を制御することにより、目的とする多孔性交換体を得ることができる。その他、例えば、溶媒として、水、メタノール、エタノール、アセトン等の溶媒、又はこれらの溶媒の混合溶液が使用される。その添加量は、全単量体成分に対して、0%〜100重量%の範囲である。
【0039】
一般式(III −1)から誘導される重合体におけるYをアンモニウム基−NR1 2 3 に変換する方法は、公知の方法に従って行うことができる。
Yが、ハロゲン原子の場合、適切な溶媒の存在下、3級アミンを反応させアンモニウム基に変換することができる。Yがトシル基の場合にも同様に、上記反応によりアンモニウム基に変換することができる。
上記のアンモニウム基を導入する際、一般式(III −1)から誘導される重合体を膨潤させるため、溶媒を添加するのが一般的である。用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール類、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、その他ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の溶媒が単独、又は混合溶液として用いられる。反応温度は、反応様式、感応基の種類、溶媒等により異なるが、通常は、20℃〜100℃である。一般式(III −2)で表わされる重合性単量体を、架橋剤とともに重合することによりアニオン交換体を得ることもできる。
【0040】
上記単量体(III −2)は、一般式(III −1)で表される重合性単量体と同様にして上記架橋性単量体と共重合することができる。この場合、イオン交換共重合体を有する単量体を架橋剤とともに共重合するため、上記のように重合後、アミノ化反応等を行わなくてもよい。
その後、公知の方法によって対イオンを各種のアニオン形に変換し、本発明のアニオン交換体が得られる。
【0041】
本発明におけるアニオン交換体は公知の方法に準じて、種々の形状に成形することができる。球状のアニオン交換体は、水/油型又は油/水型の懸濁重合により製造される。上記で示した単量体成分を用い重合開始剤の存在下、懸濁重合を行うことが好ましい。本発明におけるアニオン交換体の平均粒子径は100μm〜2mmの範囲である。その後、必要に応じて、懸濁重合後粉砕し粉末状にして使用することができる。また溶液重合により塊状或いは粉末状、その他繊維状、膜状等種々の形状に成形することも可能である。
【0042】
本発明のアニオン交換体は、種々の用途に供される。特に水の脱塩に好適に用いられる。脱塩方法は、一般式(I)で表される構造単位を有する架橋ポリマーからなるアニオン交換体を水または水溶液と接触させることにより行われる。接触の方法は従来の水処理方法が採用される。例えば流動床、撹拌タンク、バッチタンク、並流または向流カラムを用いるバッチ式、半バッチ式、連続式または半連続式方法で行うことができる。
【0043】
被処理水とアニオン交換体の接触時間は使用するアニオン交換体の交換容量やイオン交換体の量、被処理水中のアニオン性物質の量、接触温度等により広い範囲ら選ばれる。被処理水の温度は、10℃から120℃の広い範囲から選ばれるが、特に本発明法に使用されるアニオン交換体は耐熱性に優れており従来のトリメチルアンモニウムメチルスチレンを構造単位とするアニオン交換体が容易に劣化する60℃以上の熱水中においても安定に存在し、長時間にわたりイオン交換能力を低下させることなく性能を発揮することができる。
したがって、本発明の方法は60℃以上の熱水の処理に特に好適である。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
〔製造例−1〕
(4−ブロモブトキシメチルスチレンの合成1)
300mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム20g(0.5mol)、水20mlを加え、撹拌し均一溶液とした。溶液温度を室温に戻した後、ビニルベンジルアルコール(m体、及びp体の混合物)13.42g(0.1mol)、1,4−ジブロモブタン32.39g(0.15mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド3.22g(0.01mol)をトルエン100mlに溶解し、添加した。この混合溶液を激しく撹拌しながら、40℃で6時間反応させた。反応後、溶液を分離し、水で充分洗浄した。この有機相に硫酸マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留去して得た溶液をDPPH(ジフェニルピクリル−2−ヒドラジル)存在下で真空蒸留(bp 125〜128℃/16Pa)して、無色透明溶液を得た。得られた溶液は、下記のNMR及びIR吸収を有することによって4−ブロモブトキシメチルスチレンの構造を確認した。収量は15.0g、収率は56%であった。
【0045】
1H−NMRは日本電子製 EX−270(270MHz、溶媒は全てCDCl3 を用いて測定した。TMS基準 δ;ppm。尚本化合物は、m体とp体の混合物であるため、結合定数は算出できない。)、赤外線吸収スペクトル(IRスペクトル)は島津製作所製 FT−IR 4000を用いた。(( )内、br.は線幅が広い Sh.は鋭い Str.は大きな吸収 med.は中程度の吸収であることを示す。)
【0046】
1H−NMR;7.15−7.36(m:芳香族水素)、6.61−6.73(m:ビニル基のα位水素)、5.67−5.76(m:ビニル基のβ位水素)、5.17−5.23(m:ビニル基のβ位水素)、4.42と4.41(s:ベンジル位のメチレン鎖)、3.33−3.45(m:Brのα位とδ位のメチレン鎖)、1.85−1.96(m:Brのβ位のメチレン鎖)、1.64−1.74(m:Brのγ位のメチレン鎖)。
【0047】
IRスペクトル(NaCl法)2950(sh.),2860(sh.),1630(sh.),1440(med.),1360(med.),1250(med.),1110(str.),990(str.),910(str.),830(med.),800(med.),720(med.)。
【0048】
〔製造例−2〕
(4−ブロモブトキシメチルスチレンの合成2)
2Lの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム145g(3.63mol)、脱塩水140gを加え、溶液を撹拌し均一溶液とした。溶液を室温にした後、1,4−ブタンジオール608.2g(6.75mol)4ツ口フラスコに入れ、クロロメチルスチレン(以後、CMSと略記、m体、及びp体の混合物)387.6g(2.54mol)をれ滴下ロートで滴下した。この溶液を激しく撹拌しながら、60℃で6時間反応させた。反応後、有機相を分離し、水で充分洗浄した。得られた有機物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200)で精製した。まず、n−ヘキサン(n−Hex)で展開し、残存しているCMSを除き、更に、副生した1,4−ビスビニルベンジルオキシブタンを除去した。更に、n−Hex:THF=85:15の溶離液で展開し、目的物であるヒドロキシブトキシメチルスチレンを得た。又は、DPPH存在下で真空蒸留(b.p.156℃/40Pa)により無色透明の液体を得た。4−ヒドロキシブトキシメチルスチレンの収量は413g、収率は79%であった。
【0049】
1H−NMR;7.20−7.39(m:芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα位水素)、5.69−5.78(m:ビニル基のβ位水素)、5.20−5.26(m:ビニル基のβ位水素)、4.49と4.48(s:ベンジル位のメチレン水素)、3.60−3.63(m:OH基のα位のメチレン水素)、3.47−3.58(m:OH基のδ位のメチレン水素)、2.57(S:broad,OH基の水素)、1.66−1.73(m:OH基のβ位とγ位のメチレン水素)。
【0050】
13C−NMR;138.6,137.9,137.8,170.0,136.8,136.6(以上、ベンゼン環4級炭素),128.6,128.0,127.2,126.3,125.6(以上、ベンゼン環3級炭素),114.0,113.8(以上、ビニル基β位の炭素),72.9(ベンジル位の炭素),72.7(ベンジル位の炭素),70.4,70.3(Brのδ位のメチレン炭素),62.4(OH基のα位のメチレン炭素),29.9,29.8(OH基のγ位のメチレン炭素),26.5,26.4(OH基のβ位のメチレン炭素)
【0051】
IRスペクトル(NaCl法)3400(br.),2950(sh.),2880(sh.),1630(sh.),1480(med.),1450(med.),1410(med.),1360(med.),1090(br.str.),1065(br.str.),990(med.),910(med.),800(med.),715(med.)。
【0052】
得られた4−ヒドロキシブトキシメチルスチレン26g(0.126mol)を300mlの4ツ口フラスコに入れ、ベンゼン80mlを加え、トリフェニルホスフィン38.8g(0.148mol)を加え溶解した。ここに臭素23.9g(0.150mol)を加え、80℃で6時間反応させた。反応後、反応溶液を水にあけ、塩化メチレンで抽出した。この溶液に硫酸マグネシウムを加え乾燥した後、溶媒を減圧下で留去し、混合物をDPPH存在下で真空蒸留(b.p.130〜135℃/50Pa)して、無色透明の液体を得た。構造はNMRによって構造を確認した。4−ブロモブトキシメチルスチレンの収率は67%であった。
【0053】
〔製造例−3〕
(3−ブロモプロポキシメチルスチレンの合成)
1000mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム80g(2.0mol)、1,3−プロパンジオール500g(6.5mol)、ハイドロキノン1.5gを仕込み80℃にて2時間反応させた。続いてクロルメチルスチレン(m体、及びp体の混合物)250g(1.5mol)を30分で滴下し添加した。この混合溶液をさらに反応させた後、水浴で室温に冷却し食塩水(20wt%)300mlに投入した。有機相を分離し、水相をトルエンにて抽出した。有機相とトルエンを合わせ、硫酸マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留去して得た溶液をDPPH(ジフェニルピクリル−2−ヒドラジル)存在下で真空蒸留(bp 101〜3℃/56Pa)して目的の3−ヒドロキシプロポキシメチルスチレンを得た。収率は60%であった。
【0054】
得られた3−ヒドロキシプロポキシメチルスチレン192g(1.0mol)と脱水精製したピリジン55mlを300ml四口フラスコに仕込み、ドライアイス−エタノールで−10℃に保ちながら三臭化リン108g(0.4mol)を滴下した。滴下終了後、室温で15h撹拌した。反応混合物を食塩水(20wt%)250mlに投入し、トルエンにて抽出した。有機相を水−8%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留去して得た溶液をDPPH存在下で真空蒸留(bp 90〜91℃/45Pa)して目的の3−ブロモプロポキシメチルスチレンを得た。収率35%であった。得られた溶液は、 1H−NMRおよびIRスペクトルにて確認を行った。
【0055】
1H−NMR;7.18−7.40(m:芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα位水素)、5.70−5.79(m:ビニル基のβ位水素)、5.20−5.28(m:ビニル基のβ位水素)、4.50と4.49(s:ベンジル位のメチレン水素)、3.48−3.62(m:エーテル酸素の隣接するメチレン水素および末端Brの隣接するα位メチレン水素)、2.06−2.16(m:Brのβ位のメチレン水素)。
【0056】
IRスペクトル(NaCl法)2950(sh.),2850(sh.),1440(wek.),1360(med.),1250(med.),1110(str.),990(med.),910(str.),800(sh.),720(med.)。
【0057】
〔製造例−4〕
(5−ブロモペントキシメチルスチレンの合成)
1Lの4ツ口フラスコに、氷冷下、水酸化ナトリウム57g(1.425mol)、脱塩水57mlを加え、1,5−ジブロモペンタン98.33g(0.428mol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド9.19g(0.0285mol)をトルエン285mlの溶液を加えた。溶液を50℃に設定し、ビニルベンジルアルコール(m体、p体の混合物)38.25g(0.285mol)、DPPH30mgのトルエン溶液70mlを1時間かけて、滴下した。滴下中に原料の大部分が消失した。この混合物を激しく撹拌しながら、60℃で8時間反応させた。反応後、有機相を分離し、水で充分洗浄した。この有機相に硫酸マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを減圧下で留去して得た混合物をDPPH存在下で真空蒸留(b.p.107−108℃/40Pa)して、無色透明の液体を得た。得られた溶液は、NMRによって構造を確認した。5−ブロモペントキシメチルスチレンの収量は40.8g、収率は51%であった。
【0058】
1H−NMR;7.36−7.40(m:芳香族水素)、7.22−7.31(m:芳香族水素)、6.65−6.76(m:ビニル基のα位水素)、5.70−5.78(m:ビニル基のβ位水素)、5.20−5.26(m:ビニル基のβ位水素)、4.48と4.47(s:ベンジル位のメチレン水素)、3.44−3.48(m:Brのα位とε位のメチレン水素)、3.36−3.41(m:酸素のα位のメチレン水素)、1.80−1.91(m:酸素のβ位のメチレン水素)、1.59−1.68(m:Brのβ位のメチレン水素)、1.47−1.54(m:Brのγ位のメチレン水素)。
【0059】
IRスペクトル(NaCl法)2940(sh.),2860(sh.),1630(sh.),1455(med.),1360(str.),1245(med.),1105(str.),990(med.),910(str.),830(med.),800(med.),715(med.),645(med.),560(med.)。
【0060】
〔製造例−5〕
(6−ブロモヘキソキシメチルスチレンの合成)
冷却管、等圧滴下ロートを備えた1Lの4ツ口フラスコに、氷冷下水酸化ナトリウム100g(2.5mol)、脱塩水100mlを加え、均一溶液とした。溶液温度を室温に戻し、1,6−ジブロモヘキサン331g(1.36mol)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド16.2g(50.2mol)のトルエン500ml溶液を加えた。溶液を50℃に設定し、ビニルベンジルアルコール(m体、及びp体の混合物)49.7g(366mmol)、DPPH50mgのTHF溶液100mlを90分かけ滴下した。懸濁状態になるように激しく撹拌しながら、55℃で5時間反応させた。反応後、有機相を分離し水で充分洗浄した。トルエンを減圧下で留去して得た混合物をDPPH存在下で真空蒸留(b.p.88〜92℃/200Pa)で、1,6−ジブロモヘキサンを除去した。その後、シリカゲルカラム(ワコーゲルC−200)クロマトグラフィーを用いて精製した。6−ブロモヘキソキシメチルスチレンは、淡黄色透明の粘稠な溶液であった。 1H−NMRによって構造を確認した。6−ブロモヘキソキシメチルスチレンの収率は70%であった。
【0061】
1H−NMR;7.20−7.41(m:芳香族水素)、6.64−6.76(m:ビニル基のα位水素)、5.70−5.79(m:ビニル基のβ位水素)、5.20−5.27(m:ビニル基のβ位水素)、4.48と4.47(s:ベンジル位のメチレン水素)、3.41−3.47(m:エーテル酸素の隣接するメチレン水素)、3.34−3.41(m:末端Brの隣接するメチレン水素)、1.82−1.92(br.m:Brのε位のメチレン水素)、1.57−1.65(br.m:Brのβ位のメチレン水素)、1.36−1.47(br.m:Brのγ位とδ位のメチレン水素)。
【0062】
IRスペクトル(KBr法);2950(sh.),2850(sh.),1440(wek),1360(med.),1250(med.),1110(str.),990(med.),910(str.),800(sh.),720(med.)。
【0063】
〔実施例−1〕
窒素ガス導入管、冷却管を備えた500mlの4ツ口フラスコに脱塩水200ml、2%ポリビニルアルコール水溶液50mlを加え、窒素を導入し、溶存酸素を除去した。一方、4−ブロモブトキシメチルスチレン46.4g、ジビニルベンゼン1.72g(工業用;純度56%)、及びAIBN0.4gを溶解したモノマー相を調製し、水相と同様、溶存酸素を除去した。モノマー溶液をフラスコに入れ、150rpmで撹拌し、モノマーの液滴を形成した。室温で30分撹拌後、70℃に昇温し、70℃で18時間撹拌した。重合後、ポリマーを取り出し、樹脂を水洗後、メタノールで3回洗浄した。重合収率は93%で、仕込み架橋度4モル%の淡黄色透明球状の樹脂を得た。
【0064】
冷却管を備えた500mlの4ツ口フラスコに、上記樹脂を入れ、1,4−ジオキサン500mlを加え、室温で撹拌した。この溶液に30%トリメチルアミン水溶液200mlを加え、50℃で10時間反応を行ってトリメチルアンモニウム基を導入した。反応後、ポリマーを取り出し、充分水洗した。このアニオン交換樹脂の対イオンを臭化物イオンから塩化物イオン(Cl形)に変換するため、樹脂量に対して10倍量の4重量%塩化ナトリウム水溶液を通液した。Cl形の樹脂の下記性能を測定した。なお平均粒子径は750μmであった。
【0065】
【表1】
中性塩分解容量 3.42 meq/g
中性塩分解容量 0.832meq/ml
水分含有率 57.0 %
膨潤度 4.11 ml/g
【0066】
実施例−1で得られたアニオン交換樹脂のIRスペクトルは下記の通りであった。
(KBr法)(対イオンXは、Cl形である)3450(br.),2950(sh.),2870(sh.),1640(br.),1480(str.),1360(med.),1110(str.),970(med.),910(med.),800(med.)。
(KBr法)(対イオンXは、OH形である)3400(br.),2950(sh.),2870(sh.),1650(br.),1480(str.),1450(str.),1370(med.),1090(str.),970(med.),910(med.),790(med.)。
【0067】
〔実施例−2〕
4−ブロモブトキシメチルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)を2.60gとした以外は実施例−1と同様に反応を行い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径730μmのアニオン交換樹脂を得た。重合収率は91%であった。
【0068】
【表2】
中性塩分解容量 3.21 meq/g
中性塩分解容量 0.919meq/ml
水分含有率 51.0 %
膨潤度 3.49 ml/g
【0069】
〔実施例−3〕
4−ブロモブトキシメチルスチレンを42.9g、ジビニルベンゼン(工業用)を3.46gとした以外は実施例−1と同様に反応を行い、仕込み架橋度8モル%、平均粒子径750μmのアニオン交換樹脂を得た。重合収率は93%であった。
【0070】
【表3】
中性塩分解容量 3.32 meq/g
中性塩分解容量 1.02 meq/ml
水分含有率 44.5 %
膨潤度 3.25 ml/g
【0071】
〔実施例−4〕
クロロメチルスチレン−ジビニルベンゼン共重合体は、文献(Polymer,14,July 1973 330−332)に従って、ジビニルベンゼンの含有率が4モル%となるように調製されたモノマー溶液を用いて重合し製造した。更に、上記文献に従って、そのクロロメチル基を酢酸エステル誘導体とした後、水酸化ナトリウム溶液で加水分解しビニルベンジルアルコール−ジビニルベンゼン共重合体とした。
【0072】
1リットルの4ツ口フラスコに、上記共重合体50g、1,4−ジオキサン500ml、1,4−ジブロモブタン200g(0.926mol)を加え、50℃で30分撹拌し、ポリマーを膨潤させた。この中へ、ナトリウムメトキシド31g(0.574mol)を加え、70℃で10時間反応した。反応後、ポリマーを取り出し、メタノールで充分洗浄した後、ポリマーを水洗した。
【0073】
500mlの4ツ口フラスコに、上記樹脂、メタノール500mlを加え室温で撹拌した。この溶液に30%のトリメチルアミン水溶液200mlを加え、50℃で10時間アミノ化反応を行った。反応後、ポリマーを取り出し充分水洗した。対イオンをCl形に変換するため、樹脂量に対して10倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液した。得られた樹脂の平均粒子径は560μmであった。
【0074】
【表4】
中性塩分解容量 2.32 meq/g
中性塩分解容量 0.71 meq/ml
水分含有率 44.5 %
膨潤度 3.25 ml/g
【0075】
〔実施例−5〕
5−ブロモペントキシメチルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)を1.64gとした以外は実施例−1と同様に反応を行い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径700μmのアニオン交換樹脂を得た。重合収率は90%であった。
【0076】
【表5】
中性塩分解容量 2.61 meq/g
中性塩分解容量 0.74 meq/ml
水分含有率 51.5 %
膨潤度 3.54 ml/g
【0077】
〔実施例−6〕
5−ブロモペントキシメチルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)を2.47gとした以外は実施例−1と同様に反応を行い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径720μmのアニオン交換樹脂を得た。重合収率は91%であった。
【0078】
【表6】
中性塩分解容量 3.00 meq/g
中性塩分解容量 0.93 meq/ml
水分含有率 51.7 %
膨潤度 3.25 ml/g
【0079】
〔実施例−7〕
6−ブロモヘキソキシメチルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)を1.56gとした以外は実施例−1と同様に反応を行い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径680μmのアニオン交換樹脂を得た。重合収率は89%であった。
【0080】
【表7】
中性塩分解容量 3.00 meq/g
中性塩分解容量 0.87 meq/ml
水分含有率 57.5 %
膨潤度 3.47 ml/g
【0081】
〔実施例−8〕
ジビニルベンゼンの含有率が3.2モル%となるように調製されたモノマー溶液を用いてクロロメチルスチレン−ジビニルベンゼン共重合体を製造した。得られた共重合体の収率は83%であった。また、このもののジメチルホルムアミド(DMF)に対する膨潤度は、6.90ml/g(乾燥共重合体)であった。
【0082】
300mlの4ツ口フラスコに、ジメチルホルムアミド20ml、1,4−ブタンジオール17.64g(0.195mol)、純度60%水素化ナトリウム2.61g(0.065mol)を加え、室温にて1時間撹拌した後、80mlのジメチルホルムアミドにて膨潤させた上記共重合体10gを添加し、乾燥窒素気流下にて60℃で25時間反応させた。反応後、ヒドロキシブトキシ化した共重合体を取り出し、水洗し、アセトンにて充分洗浄した後、再び水洗し、真空乾燥した。
【0083】
300mlの4ツ口フラスコ中で、ヒドロキシブトキシ化した共重合体5gを室温にてジメチルホルムアミド30mlで膨潤した後、ピリジン5.75gを加え氷冷した。氷冷下、撹拌しながら塩化チオニル8.70g(0.073mol)を30分かけて滴下した後、70℃にて5時間反応させた。反応後、水酸基をクロル化した共重合体を取り出し、水洗しアセトンにて充分洗浄した後、さらに水洗した。
【0084】
ステンレス製の密閉容器にクロル化した共重合体5gを入れ、さらにトリメチルアミン30%水溶液25ml、メタノール10mlを加え、加圧下80℃にて6時間アミノ化反応を行った。反応後、ポリマーを取り出し、充分水洗した。対イオンをCl形に変換するため、ポリマーに対して10倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液した。得られた樹脂の性能は以下のとおりである。
【0085】
【表8】
中性塩分解容量 2.46 meq/g
中性塩分解容量 0.58 meq/ml
水分含有率 63.3 %
【0086】
〔比較例〕
イオン交換基としてトリメチルアミノアルキレン鎖又はトリメチルアミノプロポキシ鎖を有するスチレン系架橋共重合体を製造した。
〔比較例−1〕
(メチレン鎖を有する4モル%架橋I型ゲル型アニオン交換樹脂);実施例−1で4−ブロモブトキシメチルスチレンの代わりにクロロメチルスチレンを用いた以外は、実施例−1と同様に行った。
【0087】
〔比較例−2〕
(エチレン鎖を有する4モル%架橋I型ゲル型アニオン交換樹脂);実施例−1で4−ブロモブトキシメチルスチレンの代わりに2−ブロモエチルスチレン(公知の方法に従って、ブロモエチルベンゼンを原料として合成した。)を用いた以外は、実施例−1と同様に行った。
【0088】
〔比較例−3〕
(ブチレン鎖を有する4モル%架橋I型アニオン交換樹脂);実施例−1において、4−ブロモブトキシメチルスチレンの代わりに4−ブロモブチルスチレンを使用した以外は、全く同様に行った。
【0089】
〔比較例−4〕
(ブチレン鎖を有する6モル%架橋I型アニオン交換樹脂);実施例−2において、4−ブロモブトキシメチルスチレンの代わりに4−ブロモブチルスチレンを使用した以外は、全く同様に行った。
【0090】
〔比較例−5〕
(ヘプチレン鎖を有する4モル%架橋I型アニオン交換樹脂);実施例−1において、4−ブロモブトキシメチルスチレンの代わりに7−ブロモヘプチルスチレンを使用した以外は、全く同様に行った。
【0091】
〔比較例−6〕
3−ブロモプロポキシメチルスチレンを46.4g、ジビニルベンゼン(工業用)を1.83gとした以外は実施例−1と同様に反応を行い、仕込み架橋度4モル%、平均粒子径610μmのアニオン交換樹脂を得た。重合収率は86%であった。
【0092】
【表9】
中性塩分解容量 3.38 meq/g
中性塩分解容量 0.74 meq/ml
水分含有率 60.8 %
膨潤度 4.57 ml/g
【0093】
〔比較例−7〕
3−ブロモプロポキシメチルスチレンを44.7g、ジビニルベンゼン(工業用)を2.74gとした以外は実施例−2と同様に反応を行い、仕込み架橋度6モル%、平均粒子径650μmのアニオン交換樹脂を得た。重合収率は83%であった。
【0094】
【表10】
中性塩分解容量 3.33 meq/g
中性塩分解容量 0.88 meq/ml
水分含有率 52.6 %
膨潤度 3.80 ml/g
【0095】
〔試験例−1〕
(アニオン交換樹脂の耐熱試験)
実施例−1、2、5〜7で製造されたアニオン交換体、及び比較例1〜7のアニオン交換樹脂を用いた。
アニオン交換樹脂に10倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し対イオンをCl形とした。これらの樹脂50mlをはかりとり、500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液を通液しOH形に再生し、体積を測定した。
【0096】
得られた樹脂をガラス製オートクレーブ管に入れ、OH形の樹脂の体積の0.8倍量の脱塩水を加えた。管内の溶存酸素を除去するため、50℃に加温した状態で窒素ガスを1時間通じた。
このオートクレーブ管をオイルバスに浸し、100℃で30日間もしくは90日間静置した後、樹脂を取り出し、500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液を通液しOH形に再生した。再生後の樹脂の体積を測定した。更に、5倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し、対イオンをCl形に変換した。このときの樹脂の体積、及び樹脂の中性塩分解容量を測定し、イオン交換基の残存率を計算した。
その耐熱試験結果を表−1に示した。
【0097】
【表11】
Figure 0003755158
【0098】
(1)アニオン交換樹脂のイオン交換基は、全てトリメチルアンモニウム基である。
(2)スペーサー:アニオン交換基とベンゼン環を結合する官能基をいう。
(3)残存率:残存率は以下の式で表わされる。
残存率(%)=(耐熱試験後の中性塩分解容量meq/ml×試験後のCl形の樹脂体積)÷(耐熱試験前の中性塩分解容量meq/ml×試験前のCl形の樹脂体積)×100
表−1より、本発明のアニオン交換体は耐熱性に優れていることがわかる。
【0099】
同様に120℃、140℃に於ける耐熱性を試験した。結果を夫々表−2、表−3に示した。
【0100】
【表12】
Figure 0003755158
【0101】
【表13】
Figure 0003755158
【0102】
すなわち、本発明のアニオン交換体はいずれも現在I型ゲル型樹脂として最も汎用されている比較例1の樹脂に比し、卓越した耐熱性を有する。また、スペーサーとしてアルキレン基を有する比較例1−5の樹脂に比較しても、架橋度及びスペーサーの炭素数を考慮すると本発明樹脂の耐熱性が優れていることは明らかである。
更に、本発明樹脂は、類似構造のスペーサーを有する比較例6、7の樹脂に比し、はるかに優れた耐熱性を有する。
【0103】
〔試験例2〕
(脱塩試験)
実施例2で製造した架橋アニオン交換体を用いて試験を行った。
実施例2のアニオン交換体に10倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し対イオンをCl形とした後、450mlをはかりとった。これを、内径30mm長さ1000mmの円筒形カラムに充填し、1350mlの1N−水酸化ナトリウム水溶液を通液した。この後、脱塩水を2700mlを50分かけて通水し、下記組成の水溶液を再生形カチオン交換樹脂1000mlに接触させた後通液して、カラム出口で電気伝導度を測定した。
Figure 0003755158
【0104】
【発明の効果】
本発明のアニオン交換体は、耐熱性に著しく優れており、広範囲の温度で使用することができる。本発明のアニオン交換体は、アニオン交換樹脂、アニオン交換繊維、アニオン交換膜として種々の用途に更に加湿器用アニオン交換体、製薬、化粧水製造用、アニオン交換体ガスの吸着剤、低アミン臭アニオン交換体、脱塩用樹脂等として使用することができる。

Claims (10)

  1. 架橋性アニオン交換体であって、下記一般式(IV
    Figure 0003755158
    (一般式(IV)中、Aは炭素数1から4の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表わし、Bは炭素数4から8の直鎖状のアルキレン基を表わし、R 、R 、R は同じか又は異なっていてもよい炭素数1から4のアルキル基、或いはアルカノール基を示し、ベンゼン環Dは、アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表わされる構成単位と不飽和炭化水素基含有架橋性単量体から誘導される構成単位とを含有することを特徴とするアニオン交換体。
  2. 水処理用架橋性アニオン交換体であって、下記一般式(I)
    Figure 0003755158
    (一般式(I)中、Aは炭素数1から4の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表わし、Bは炭素数4から8の直鎖状のアルキレン基を表わし、R 、R 、R は同じか又は異なっていてもよい炭素数1から4のアルキル基、或いはアルカノール基を示し、Xはアンモニウム基に配位した対イオンを示し、ベンゼン環Dは、アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていてもよい。)で表わされる構成単位と不飽和炭化水素基含有架橋性単量体から誘導される構成単位とを含有することを特徴とするアニオン交換体。
  3. 60℃以上の熱水処理用である請求項2に記載のアニオン交換体。
  4. 一般式(I)又は(IV)で示される構成単位を5〜99.9モル%、不飽和炭化水素基含有架橋性単量体から誘導される構成単位を50〜0.1モル%及び前記構成単位とは異なる不飽和炭化水素基含有単量体を0〜50モル%含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアニオン交換体。
  5. 架橋性アニオン交換体であって、下記一般式(
    Figure 0003755158
    (一般式()中、Aは炭素数1から4の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表わし、Bは炭素数4から8の直鎖状のアルキレン基を表わし、R 、R 、R は同じか又は異なっていてもよい炭素数1から4のアルキル基、或いはアルカノール基を示しXはアンモニウム基に配位した対イオンを示し、ンゼン環Dは、アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていてもよい。−CH(Z)−CH−は第3の重合性単量体残基を表す。)で示され、且つ、構成単位Qは5〜99.9モル%、構成単位Pは50〜0.1モル%及び構成単位Rは0〜50モル%(何れも架橋性アニオン交換体基準)であることを特徴とするアニオン交換体。
  6. 一般式(I)、(IV)および(V)で表わされる構成単位中、Aが炭素数1から2の直鎖アルキレン基であり、Bが炭素数4から6のアルキレン基であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のアニオン交換体。
  7. 一般式(I)、(IV)および(V)で表わされる構成単位中、Aがメチレン基であり、Bが炭素数4から6のアルキレン基であり、R、R、Rがメチル基であることを特徴とする請求項に記載のアニオン交換体。
  8. 一般式(I)、(IV)および(V)で表わされる構成単位中、Aがメチレン基であり、Bがn−ブチレン基であることを特徴とする請求項6又は7に記載のアニオン交換体。
  9. 一般式(I)、(IV)および(V)で表わされる構成単位中、Aがエチレン基であり、Bがn−ブチレン基であることを特徴とする請求項に記載のアニオン交換体。
  10. 請求項1〜のアニオン交換体を脱塩処理される水又は水溶液と接触させることを特徴とする水の脱塩方法。
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